JPH07274974A - ビベンジル合成酵素遺伝子 - Google Patents

ビベンジル合成酵素遺伝子

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JPH07274974A
JPH07274974A JP6268150A JP26815094A JPH07274974A JP H07274974 A JPH07274974 A JP H07274974A JP 6268150 A JP6268150 A JP 6268150A JP 26815094 A JP26815094 A JP 26815094A JP H07274974 A JPH07274974 A JP H07274974A
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bibenzyl synthase
gene
plant
plants
bibenzyl
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JP6268150A
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Helmut Kindl
ヘルムート・キンドル
Ruediger Hain
リユデイガー・ハイン
Hans-Joerg Reif
ハンス−イエルク・ライフ
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Bayer AG
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、植物から単離されたビベンジル合
成酵素の新規な遺伝子、ならびにベクター、宿主生物お
よび植物を形質転換するためのそれらの使用、同じく病
害虫(pest)に対する抵抗性の高められた植物を生
産するためのそれらの使用に関する。 【効果】 病害虫に対して植物の抵抗性を高めることの
できる手段が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物から単離されたビ
ベンジル合成酵素の新規な遺伝子、ならびにベクター、
宿主生物および植物を形質転換するためのそれらの使
用、同じく病害虫(pest)に対する抵抗性の高めら
れた植物を生産するためのそれらの使用に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール成分、特に1−(3,5−ジ
ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニ
ル)−エタンは、ラン類において生成し、病害虫、特に
真菌類、細菌類および昆虫類に対して毒性効果をもつも
のであって、それはビベンジルと呼ばれる。ラン類のこ
れらの物質を合成する能力は、重要な防御機構であると
考えられる。商業上重要な植物が、ビベンジルを生成す
る能力もつこと、または病害虫に対して十分な抵抗性を
与える量においてそれらを生産することは知られていな
い。
【0003】病害虫に対する抵抗性を高められた植物を
生産するためにスチルベン合成酵素遺伝子を使用するこ
とは、欧州特許出願公開第0 309 862号および欧州特許
出願公開第0 464 461号により知られる。これらの明細
書は、特に、南京豆植物およびブドウの木からのレスベ
ラトロール(resveratrol)合成酵素遺伝子
について記述している。
【0004】
【発明の構成】ビベンジルの合成に関する新規な遺伝子
(“ビベンジル合成酵素遺伝子”)は、今初めて発見さ
れたものであって、その遺伝子は、いかなるビベンジル
も生産しないか、ビベンジルを不十分な量においてのみ
生産する植物の遺伝物質(ゲノム)中に組み込まれ、そ
れによって病害虫に対するこれらの植物の抵抗性を高め
る。用語ビベンジルは、フェノール性ビベンジル、好ま
しくは1−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−2−
(3−ヒドロキシフェニル)−エタンを意味する。
【0005】驚くべきことに、相当する形質転換植物
は、ビベンジルを発現し、その植物にとって不利益ない
かなる影響をも与えることなく、病害虫に対して良好な
抵抗性を示す。
【0006】ビベンジル合成酵素遺伝子は、自然環境か
ら単離され、またはベクターに組み込まれ、あるいは
“外来”DNAとしてまたは“付加”DNAとして原核
もしくは真核生物DNAに含有されるこの核酸によっ
て、RNAへの転写およびタンパク質への翻訳の後、ビ
ベンジル合成酵素の性質をもつ酵素の産成をもたらす
(結果的にビベンジル生成に働く)全ての核酸(DN
A)を意味すると理解される。
【0007】ビベンジル合成酵素遺伝子は、また、それ
らの始めおよび/または終わりに、その遺伝子の機能を
妨げないか、またはほとんど問題にならない程度に妨げ
るだけのその他のDNA配列を含有するビベンジル合成
酵素遺伝子を意味するとも理解される。これらのDNA
配列、また“遺伝子単位”とも呼ばれるが、それは、例
えば、慣用の制限酵素に対する開裂部位が、ちょうどそ
の遺伝子の始めおよび終わりにおいて存在しない場合
の、制限酵素による切断の結果として生じる。そのビベ
ンジル合成酵素遺伝子および遺伝子単位は、また遺伝子
を操作するために、各場合において企画されるDNA配
列(例えば、“リンカー”)を、その配列の末端に保持
することもできる。
【0008】ビベンジル合成酵素遺伝子(または遺伝子
単位)は、それらが植物のゲノム(ビベンジル合成酵素
をコードしていない、そして/または調節効果をもたな
い塩基配列(イントロンのような)を含んでなる“遺伝
子”型)に含まれている形で存在するか、あるいは逆転
写酵素/ポリメラーゼによってmRNAを経て得ること
ができるcDNA(コピーDNA)に対応する(そして
いかなるイントロンも含まない)形で存在することがで
きる。ビベンジル合成酵素遺伝子は、また、部分的また
は完全合成の形で存在することができる。合成遺伝子
は、また対応する天然の遺伝子の部分の新規なスプライ
シングの結果として生じるものとも理解されている。
【0009】本発明によるビベンジル合成酵素遺伝子
(または遺伝子単位)のDNAのセグメントは、その遺
伝子がなおビベンジル形成を起こす限りは、他のDNA
セグメントまたは本質的に同じ効果をもつDNAによっ
て置換されてもよい。本発明による遺伝子もしくは遺伝
子部分は、また、DNA変化が遺伝暗号の縮重に起因し
て存在しているものを包含する。
【0010】本明細書において、“外来”DNAは、特
定の原核もしくは真核生物ゲノム中に天然には存在しな
いが、人間の介在の結果としてのみこのゲノム中に取り
入れられる(形質転換)DNAを意味すると理解され
る。“付加”DNAは、関連した原核もしくは真核生物
ゲノムには、天然には存在しないが、人間の介在の結果
として付加的な量においてこのゲノム中に取り入れられ
る(形質転換)DNAを意味することを意図する。特定
の場合の要件および性質に応じて、“外来”DNAもし
くは“付加”DNAは、1もしくは複数のコピーにおい
て組み込まれる。本発明によるビベンジル合成酵素遺伝
子(もしくは遺伝子単位)に伴って植物体もしくは植物
細胞内に生成するビベンジル合成酵素は、ビベンジル合
成酵素として働く、すなわち1種もしくは多種のビベン
ジルを生産し、病害虫に対する抵抗性を増大させる各酵
素を意味する。
【0011】本発明による好適なビベンジル合成酵素遺
伝子は、それが、プラスミドpinp8.1.1に含ま
れるcDNA配列もしくはその部分と、または配列番号
(SEQ ID NO):1もしくはその部分とハイブ
リダイズし、そしてビベンジル合成酵素をコードしてい
ることを特徴とする。
【0012】本発明による好適なビベンジル合成酵素遺
伝子は、ラン類、特に好ましくはファレノプシス種(P
halaenopsis spp.)、ブレチラ・スト
リアタ(Bletilla striata)もしくは
エピパクチス・パルストリス(Epipactis p
alustris)に存在し、そしてそれらから単離す
ることができるビベンジル合成酵素遺伝子である。
【0013】その部分塩基配列が、プラスミドp8.
1.1(以下に詳細に記載される)上にcDNAの形で
存在しているビベンジル合成酵素遺伝子、および本質的
に同様な効果を有するそのDNA塩基配列は、本発明に
よるビベンジル合成酵素遺伝子として著しく適切であ
る。プラスミドp8.1.1上のそのcDNAは、ビベ
ンジル合成酵素をコードしている構造遺伝子に対応す
る。したがって、プラスミドp8.1.1上のcDNA
は、ビベンジル合成酵素構造遺伝子として直接使用する
ことができる。
【0014】そのプラスミド上に含まれるcDNAは、
ファレノプシスから単離された。そのcDNAは、長さ
が約1,600塩基対の配列からなる。453塩基対の
部分配列は、配列リストの配列番号:1に含まれる。そ
れから生じるタンパク質配列は、配列番号:2に含まれ
る。
【0015】ラン類(特に、ファレノプシス種、ブレチ
ラ・ストリアタおよびエピパクチス・パルストリス)に
存在するビベンジル合成酵素遺伝子は、長い範囲にわた
ってDNA配列相同性を表すことが分かっている。それ
故、その配列相同性のために、本発明によるビベンジル
合成酵素遺伝子は、植物から簡単な方法で、プラスミド
p8.1.1または配列番号:1と同一の配列情報を含
むcDNAもしくはその部分を用いる分子生物学の通常
の既知の方法によって単離される。
【0016】実際的にあらゆるランの種類、好ましくは
ファレノプシス種、ブレチラ・ストリアタおよびエピパ
クチス・パルストリスが、本発明によるビベンジル合成
酵素遺伝子が単離できる植物としての使用するのに適し
ている。
【0017】既に述べたように、プラスミドp8.1.
1上に存在するcDNAとハイブリダイズする本発明に
よるビベンジル合成酵素遺伝子もしくはそれらをコード
している領域は、好適である。その遺伝子もしくはその
コード領域は、cDNAを用いる常法において得ること
ができる。本発明によれば、プラスミドp8.1.1上
に含まれるcDNA配列、またはこのcDNA配列の塩
基配列を含む対応するDNA配列は、そのコード領域
(もしくは構造遺伝子)として特に好適である。エシェ
リヒア・コリ(Escherichia coli)株
E.コリ(E.coli)p8.1.1は、プラスミド
p8.1.1を含有する。この菌株は、Deutsche Samml
ung von Mikroorganismen (DSM) (German Collection o
f Microorganisms), Mascheroder Weg 1b, D-38124 Bra
unschweig, Federal Republic ofGermanyに、特許手続
き上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約
の規定に従って寄託されている(寄託日:1993年9月27
日)。それは寄託番号DSM 8580を与えられた。
【0018】この菌株およびその変異株は、同様に本発
明の一部をなす。この宿主中に堆積されたプラスミドp
8.1.1は、常法においてその菌株を複製し、続いて
そのプラスミドを単離することによって、容易に必要量
を単離することができる。
【0019】本発明によるビベンジル合成酵素遺伝子の
ような機能的に完全な遺伝子は、調節部分(特にプロモ
ーターにおいて)およびタンパク質ビベンジル合成酵素
をコードしている構造遺伝子からなる。
【0020】両遺伝子部分は、互いに独立して使用する
ことができる。したがって、植物遺伝子中への組み込み
に続いて発現されるべきその他のDNA配列(ビベンジ
ル合成酵素遺伝子とは異なる)を、調節部分の下流に配
置することが可能である。植物体もしくは植物細胞にお
いてその効果を発揮することができる単離プロモーター
は、比較的少数のものが知られているだけであるので、
本発明の同様な構成要素であるビベンジル合成酵素遺伝
子のプロモーターは、形質転換された植物体もしくは植
物細胞の生産において貴重な手助けとなる。
【0021】“外来”調節部分をビベンジル合成酵素構
造遺伝子の上流に配置することも、同様に可能である。
本明細書において、欧州特許出願公開第0 309 862号お
よび欧州特許出願公開第0 464 461号によるスチルベン
合成酵素プロモーターは、特に有効に使うことができ
る。例えば、ある種の調節遺伝子(例えば、その植物に
とって内在性の)のみが特定の植物において十分に活性
が高い場合には、このことは都合がよい。したがって、
ビベンジル合成酵素構造遺伝子、特に、同様に、プラス
ミドp8.1.1のcDNAに対応するか、またはこの
配列を含む構造遺伝子は、独立して用いられる有効な単
位を代表するものであり、既に説明したように、同じく
本発明の部分である。本発明によるビベンジル合成酵素
遺伝子は、通常の方法によって調節部分と構造遺伝子に
分離することができる。新規な機能的“合成”遺伝子を
作成するために、異なる天然に存在するビベンジル合成
酵素遺伝子を組み合わせることも可能である。本発明に
よる完全な天然のビベンジル合成酵素遺伝子(もしくは
遺伝子単位)は好適に使用される。
【0022】常法によって、ビベンジル合成酵素遺伝子
(もしくは遺伝子単位)またはその部分を、1回もしく
は1回以上(例えば、縦列配列)、好ましくは1回、任
意に選択された原核生物(好ましくは細菌)もしくは真
核生物(好ましくは植物)の“外来”もしくは“付加”
DNAのようなDNA中に組み込むことができる。かく
して、例えば、タンパク質をコードしているDNAが、
調節配列とともに提供され、植物に組み込むことができ
る。例えば、植物体もしくは植物細胞を形質転換するた
めに使用され、そして形質転換に続いて植物体もしくは
植物細胞中に含有されるこの方法において“改変され
た”組み換えDNAは、本発明の構成要素である。
【0023】ビベンジル合成酵素遺伝子(もしくは遺伝
子単位)および/またはそれらの部分、同じく組み換え
DNAは、“外来”もしくは“付加”DNAとして、ベ
クター中に(特定のプラスミド、コスミドもしくはファ
ージに)、形質転換された微生物(好ましくは細菌、特
にE.コリのようなグラム陰性細菌)中に、および形質
転換された植物細胞および植物体中に、またはそれらの
DNA中に含有され得る。そのようなベクター、形質転
換微生物、ならびに形質転換植物細胞および植物体、そ
してそれらのDNAは、本発明の構成要素を表す。
【0024】既に示したように、ビベンジル合成酵素遺
伝子(もしくは遺伝子単位)は、本発明に従って、1回
もしくは1回以上(ゲノム中の同一もしくは異なる部位
において)天然の植物ゲノムに組み込まれ、そして互い
に異なる遺伝子を組み合わせることも可能である。ビベ
ンジル合成酵素を既に合成できる植物(ラン類)の場合
には、本発明によるビベンジル合成酵素遺伝子の1個も
しくは複数個の組み込みは、実質的に抵抗性を改善する
方向に導くことができる。いかなるビベンジル合成酵素
遺伝子をも含まない植物の場合には、病害虫に対する抵
抗性を増大することを、そのような遺伝子を組み込むこ
とによって同様に達成される。好ましければ、本発明に
よる構造遺伝子のみが、その他の植物から、または、そ
の遺伝子の上流に置かれている問題の特定の植物から単
離された調節DNA要素とともに使用される。
【0025】本発明による形質転換植物細胞および植物
体の抵抗性の増大は、農業および林業、観葉植物の栽
培、薬用植物の栽培および植物育種にとって重要性をも
つ。例えば、医薬に利用できる物質を得るために植物細
胞を培養する場合には、微生物的病害、特に真菌類によ
る感染に対して抵抗性の増大を示す有用な植物細胞を利
用することが、また得策である。
【0026】従って、本発明はまた、病害虫に対して抵
抗性の増加した形質転換された植物細胞(プロトプラス
トを含む)および植物体(植物体部分および種子を含
む)を作製する方法にも関するものであって、その方法
は、次のことを特徴とする:(a)ビベンジル合成酵素
をコードするDNA配列を含有している本発明による1
個もしくは複数個のビベンジル合成酵素遺伝子(もしく
は遺伝子単位)および/またはビベンジル合成酵素遺伝
子(もしくは遺伝子単位)の部分および/または組み換
えDNAが、植物細胞(プロトプラストを含む)のゲノ
ム中に挿入され、そして適宜、(b)完全な形質転換植
物体が、形質転換植物細胞(プロトプラストを含む)か
ら再生され、そして適宜、複製され、そして適宜、
(c)目的の植物体部分(種子を含む)が、かくして得
られた親世代の、またはそれから得られる後の世代の形
質転換植物体から単離される。
【0027】操作段階(a)、(b)および(c)は、
既知の操作および方法によって常法のとおり実施するこ
とができる。
【0028】“外来”もしくは“付加”DNAとして1
個もしくは複数個のビベンジル合成酵素遺伝子(もしく
は遺伝子単位)および/またはビベンジル合成酵素遺伝
子(もしくは遺伝子単位)の部分を含有する形質転換植
物細胞(プロトプラストを含む)および植物体(植物体
部分および種子を含む)、そして先の操作によって得ら
れるそれらの形質転換植物細胞および植物体は、本発明
に同じく包含される。次に挙げることは、また本発明の
部分である:(a)植物細胞(プロトプラストを含む)
および植物体(植物体部分および種子を含む)を形質転
換するための、本発明によるビベンジル合成酵素遺伝子
(もしくは遺伝子単位)の、および/またはそれらの部
分の、および/または組み換えDNAの、および/また
は本発明による形質転換微生物の使用、(b)複製材料
を生産するため、ならびに新規な植物体およびその複製
材料を生産するための、本発明による形質転換植物細胞
(プロトプラストを含む)および植物体(植物体部分お
よび種子を含む)の使用、(c)病害虫を防御するため
の、本発明によるビベンジル合成酵素遺伝子(もしくは
遺伝子単位)の、および/または本発明によるそれらの
部分のおよび/または組み換えDNAの使用、そして
(d)ビベンジル合成酵素遺伝子もしくはそれらの部分
を植物体から単離するための、そして、植物体におい
て、および(一般的に)トランスジェニック植物細胞
(プロトプラストを含む)および植物体(植物体部分お
よび種子を含む)の生産において、ビベンジル合成酵素
遺伝子を特定するための、プラスミドp8.1.1に含
まれるcDNAまたはその部分の、および配列表の配列
番号:1と同一の配列情報に対応するDNA配列の使
用、ならびに、ビベンジル合成酵素遺伝子の単離および
検出(例えば、慣用の抗体技術によって)における、p
8.1.1の構造遺伝子によってコードされたタンパク
質配列(ビベンジル合成酵素)および配列番号:2と同
一のタンパク質の使用。本発明によるビベンジル合成酵
素遺伝子(特にp8.1.1の構造遺伝子)によってコ
ードされたビベンジル合成酵素、ならびに、配列番号:
2と同一のタンパク質は、本発明に同じく包含される。
【0029】多くの異なる方法が、ビベンジル合成酵素
遺伝子もしくは遺伝子単位、またはそれらの部分を、
“外来”もしくは“付加”DNAとして、植物体もしく
は植物細胞の遺伝物質に挿入ために有用である。遺伝子
伝達は、各場合に適する方法を容易に決定できる当業者
にとって通常の一般に既知の方法によって実行すること
ができる。
【0030】アグロバクテリウム・ツメファシエンス
(Agrobacterium tumefacien
s)からのTiプラスミドは、双子葉および単子葉植物
のゲノム中に外来DNAを伝達するために、特別に好適
な、そして広く応用可能なベクターとして有用である。
ビベンジル合成酵素をコードする遺伝物質は、調節DN
A配列とともに適切なTiプラスミドのT DNA中に
挿入され(例えば、Zambryski et al., 1983)、その植
物体の感染、例えば葉片、茎、胚軸、子葉、分裂組織の
ような植物体部分もしくは植物組織および例えば二次胚
およびカルスのようなそこから生じる組織の感染によっ
て、またはアグロバクテリウム・ツメファシエンスとプ
ロトプラストとの混合培養によって伝達される。
【0031】その他の方法は、ポリカチオンもしくはカ
ルシウム塩とポリエチレングリコールの存在で、植物プ
ロトプラストにおいて、目的の遺伝子を含む精製DNA
をインキュベートすることである(例えば、Hain et a
l., 1985; Krens et al., 1982; Paszkowski et al., 1
984)。
【0032】DNAの取り込みは、また、さらにエレク
トロポレーションを用いて促進される(例えば、Fromm
et al., 1986)。
【0033】DNAは、また、既知の方法で、植物花粉
の方法によって、花粉、またはDNAを担持する物理的
に加速された粒子によって“砲撃”される他の植物の部
分を用いて導入され得る(欧州特許出願公開第0 270 35
6号参照)。
【0034】植物体は、適切な栄養培地を用いる既知の
方法で再生される(例えば、Nagy and Maliga 1976)。
【0035】本発明による方法の好適な実施態様(欧州
特許出願公開第116 718号からの方法による)において
は、本発明の遺伝子もしくは遺伝子単位は、例えば、n
ptII(Herrera-Estrella et al., 1983)もしくは
hpt(Van den Elzen et al. 1986)のようなリポー
ター遺伝子を、さらに含む適切な中間体E.コリのベク
ター、例えばpGV700もしくはpGV710(欧州
特許出願公開第116 718号参照)または好ましくはその
誘導体中に、単離された形においてクローン化される。
【0036】この方法で構築されたプラスミドは、常法
(例えば、Van Haute et al. 1983)により、例えばp
GV3850もしくはその誘導体(Zambryski et al. 1
983)を宿しているアグロバクテリウム・ツメファシエ
ンス中に伝達される。さもなくば、ビベンジル合成酵素
遺伝子単位は、バイナリーベクター、例えばpCV00
1もしくはpCV002(例えば、Koncz and Schell 1
986)中にクローン化され、次いで上記のように適切な
アグロバクテリウム株(Koncz and Schell 1986)中に
伝達される。得られたアグロバクテリウム株は、植物へ
伝達できる形でのビベンジル合成酵素遺伝子もしくは遺
伝子単位を含み、続いてそれは植物の形質転換のために
使用される。
【0037】さらに好適な実施態様においては、単離さ
れたビベンジル合成酵素遺伝子単位は、植物細胞に対す
るリポーター遺伝子、例えば、カナマイシン耐性(Herr
era-Estrella et al. 1983)もしくはハイグロマイシン
耐性(Van den Elzen 1986)、好ましくはpLGVne
o2103(Hain et al. 1985)、pMON129(Fr
aley R. T. et al., Proc. National Acad. Sci. USA 8
0, 4803 (1983)),pAK1003,pAK2004
(Velten J. et al., EMBO Journ. Vol. 3, 2723(198
4))もしくはpGSSTneo3(pGSST3)(欧
州特許出願公開第189 707号)を含有するその他のプラ
スミドと適宜一緒にされて、直接的遺伝子伝達の方法
(例えば、Hain et al. 1985)によって植物プロトプラ
ストに常法により伝達される。このためには、そのプラ
スミドは、環状の形で提供されてもよいが、好ましくは
直鎖状の形で提供される。リポーター遺伝子を含んでい
るプラスミドが使用される場合には、次に、カナマイシ
ン耐性プロトプラストが、ビベンジル合成酵素の発現に
関してスクリーニングされる。そのほかの場合(カナマ
イシン耐性のない場合)には、得られるカルスが、ビベ
ンジル合成酵素遺伝子の発現に関してスクリーニングさ
れる(常法によるスクリーニング)。
【0038】形質転換(トランスジェニック)植物体も
しくは植物細胞は、既知の方法、例えば、葉片ディスク
を形質転換すること(Horsch et al. 1985)、再生する
植物プロトプラストもしくは細胞培養をアグロバクテリ
ウム・ツメファシエンスとともに混合培養すること(Ma
rton et al. 1979, Hain et al. 1985)、またはDNA
による直接的トランスフェクションによって生産され
る。得られた形質転換植物は、ノザンブロット分析を用
いて、リポーター遺伝子の発現に関する選択、例えば、
試験管内での硫酸カナマイシンのリン酸化によって(Re
iss et al. 1984:Schreier et al. 1985)、さもなくば
ノパリン合成酵素(Aerts et al.1983)もしくはビベン
ジル合成酵素の発現によって検出される。ビベンジル合
成酵素およびビベンジルは、また既知の方法で、特異抗
体を用いて形質転換植物において検出される。ビベンジ
ル合成酵素は、また、酵素活性試験を用いて検出され
る。形質転換植物細胞は培養され、通常の一般に既知の
方法に従い、各場合において適切な栄養培地を用いて、
完全な植物体に再生される。
【0039】本発明によるビベンジル合成酵素遺伝子
(もしくは遺伝子単位)を含み、そして本発明の構成要
素である形質転換植物細胞および形質転換植物体の両方
は、本質的に病害虫、特に植物病原菌に対してより大き
な抵抗性を発揮する。
【0040】本発明との関連において、表現“植物体
(plants)”は、完全な植物体および葉、種子、
塊茎(tuber)、切断部分(cuttings)等
のような植物体の部分の両方を表す。“植物細胞”は、
プロトプラスト、細胞系統、植物カルス、等を包含す
る。“複製材料(replication mater
ial)”は、形質転換された植物体および植物細胞を
複製するために使用できる植物体および植物細胞を表
し、そして同様に本発明の一部をなす。
【0041】本明細書において、表現“本質的に同じ効
果をもつDNA配列”は、ビベンジル合成酵素遺伝子お
よびその部分の機能が、ビベンジル合成酵素がもはや生
成されないか、またはその調節遺伝子部分がもはや活性
をもたない程度には損なわれていない改変も、本発明が
また包含することを表す。適切な改変は、DNAセグメ
ント、個々のコドンおよび/または個々の核酸を、置換
し、付加し、および/または除去することによって実施
することができる。それらはまた、遺伝暗号の縮退を考
えて行われる。
【0042】本発明により使用される微生物の場合にお
いて、“変異体”とは、本発明を実行するために不可欠
な特徴を発揮し、そして特に、プラスミドp8.1.1
を宿している改変された微生物を表す。
【0043】本発明によるビベンジル合成酵素遺伝子
(もしくは遺伝子単位)の組み込み(形質転換)によっ
て、病害虫に対して抵抗性もしくは増大した抵抗性を付
与できる植物は、ビベンジル合成酵素遺伝子が天然に存
在するラン類以外の全ての植物を実質的に包含する。森
林植物、例えばトウヒ、モミ、ダグラスモミ、マツ、カ
ラマツ、セイヨウブナおよびオーク、同様に食料および
原料を供給する植物、例えば穀類(特にコムギ、ライム
ギ、オオムギ、オートムギ、アワ、コメおよびトウモロ
コシ)、ジャガイモ、豆科植物(マメ類、特にアルファ
ルファおよびダイズ)、野菜類(特にキャベツの種類お
よびトマト)、果物(特にリンゴ、ナシ、イチゴ、グレ
ープ、柑橘類、パイナップルおよびバナナ)、オイルヤ
シ、チャ、ココアおよびコーヒーの木、タバコ、シサル
およびワタ、のような栽培植物の場合において、ならび
にローウォルフィア属およびジギタリス属のような薬用
植物の場合において、自然に抵抗性を持たせることは特
に必要なことである。ジャガイモ、トマトおよびマメ類
は、特に優先的に挙げられるであろう。好ましくは、本
発明によるビベンジル合成酵素遺伝子は、“外来”DN
Aとして植物のゲノム中に組み込まれる。
【0044】昆虫、コナダニおよびネマトーダのような
動物病害虫、および植物病原性真菌、細菌およびウイル
スのような微生物病害菌が、それに対する抵抗性もしく
は増大した抵抗性が、本発明によるビベンジル合成酵素
遺伝子の力によって達成できる病害虫として挙げられる
であろう。微生物病害菌、特に植物病原性真菌類は、特
別に強調される。
【0045】有害な昆虫は、特に次の目の昆虫を包含す
る:直翅類、ハサミムシ類、シロアリ類、アザミウマ
類、異翅類、同翅類、鱗翅類、甲虫類、膜翅類および双
翅類。
【0046】有害粉ダニは、特に次のものを包含する:
タルソネムス種(Tarsonemus spp.)、パノニクス種(P
anonychus spp.)およびテトラニクス種(Tetranychus
spp.)。
【0047】有害ネマトーダは、特に次のものを包含す
る:プラチレンクス種(Pratylenchus spp.),ヘテロ
デラ種(Heterodera spp.)およびメロイドジーン種(M
eloidogyne spp.)。
【0048】微生物病害菌は、特に植物病原性真菌を包
含する:ネコブカビ類、卵菌類、ツボカビ類、接合菌
類、子のう菌類、担子菌類、不完全菌類。
【0049】植物病原性細菌は、特にシュードモナス
科、リゾビウム科、腸内細菌科、コリネバクテリア科お
よびストレプトミセス科を包含する。
【0050】ウイルス病は、特にモザイク、矮化および
黄化ウイルス病を包含する。
【0051】上記のカテゴリーに入り、実施例として挙
げられるが、境界として挙げられないであろうウイル
ス、真菌および細菌病のある種の原因となるものは、次
のものである:オオムギ黄色矮性ウイルス(BYD
V)、ジャガイモウイルスY(PVY)、キュウリモザ
イクウイルス(CMV)、スイカモザイクウイルス(W
MV)、トリステザ(tristeza)ウイルス、タ
バコモザイクウイルス(TMV)、タバコ壊死ウイルス
(TNV)、ビート壊死性黄色葉脈ウイルス(BNYV
V)、根茎ウイルス。
【0052】例えば、キサントモナス・カンペストリス
pv.オリゼー(Xanthomonas campestris pv. oryza
e)のようなキサトモナス種;例えば、シュードモナス
・シリンゲーpv.ラクリマンス(Pseudomonas syringa
e pv. lachrymans)のようなシュードモナス種;例え
ば、エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)
のようなエルウィニア種;例えば、ピチウム・ウルチマ
ム(Pythium ultimum)のようなピチウム種;例えば、
フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infes
tans)のようなフィトフトラ種;例えば、シュードペロ
ノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)もしく
はシュードペロノスポラ・クベンセ(Pseudoperonospor
a cubense)のようなシュードペロノスポラ種;例え
ば、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)
のようなプラスモパラ種;例えば、ペロノスポラ・ピシ
(Peronospora pisi)もしくはP.ブラシカエ(P.bras
sicae)のようなペロノスポラ種;例えば、エリシフェ
・グラミニス(Erysiphe graminis)のようなエリシフ
ェ種;例えば、スフェロテカ・フリジネア(Spherothec
a fuliginea)のようなスフェロテカ種;例えば、ポド
スフェラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha)
のようなポドスフェラ種;例えば、ベンツリア・イネカ
リス(Venturia inaequalis)のようなベンツリア種;
例えば、ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)
もしくはP.グラミネア(P. graminea)のようなピレ
ノフォラ種(分生胞子形:ドゥレクスレラ(Drechsler
a)、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporiu
m));例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobo
lus sativus)のようなコクリオボルス種(分生胞子
形:ドゥレクスレラ(Drechslera)、syn:ヘルミン
トスポリウム(Helminthosporium));例えば、ウロミ
セス・アペンヂクラツス(Uromyces appendiculatus)
のようなウロミセス種;例えば、プシニア・レコンヂタ
(Puccinia recondita)のようなプシニア種;例えば、
チレチア・カリエス(Tilletia caries)のようなチレ
チア種;例えば、ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)
もしくはウスチラゴ・アベネ(Ustilago avenae)のよ
うなウスチラゴ種;例えば、ペリクラリア・ササキ(Pe
llicularia sasakii)のようなペリクラリア種;例え
ば、ピリクラリア・オリゼー(Pyricularia oryzae)の
ようなピリクラリア種;例えば、フサリウム・クルモル
ム(Fusarium culmorum)のようなフサリウム種;例え
ば、ボツリチス・シネレア(Botrytis cinerea)のよう
なボツリチス種;例えば、セプトリア・ノドルム(Sept
oria nodorum)のようなセプトリア種;例えば、レプト
スフェリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum)のよ
うなレプトスフェリア種;例えば、セルコスポラ・カネ
ッセンス(Cercospora canescens)のようなセルコスポ
ラ種;例えば、アルテルナリア・ブラシカエ(Alternar
ia brassicae)のようなアルテルナリア種;例えば、シ
ュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudoce
rcosporellaherpotrichoides)のようなシュードセルコ
スポレラ種。ヘルミントスポリウム・カルボヌム(Helm
inthosporium carbonum)もまた挙げられるであろう。
【0053】次の模範的な実施態様は、より詳細に本発
明を説明することを意図したものである:1. ラン類からのビベンジル合成酵素遺伝子の単離 ラン植物体および細胞培養物は、ビベンジル合成酵素
(タンパク質のサイズ90,000D;特異抗血清と反
応)の生成に関与するビベンジル合成酵素の遺伝子を含
有する。その酵素は、43,000Dのホモダイマーか
らなる。
【0054】ビベンジル合成酵素遺伝子およびcDNA
配列、特にプラスミドp8.1.1上に含まれるcDN
Aの単離においては、既知の操作、および例えば、次の
マニュアル:Sambrook,J., Fritsch, E. F., Maniatis,
T.: Molecular Cloning: ALaboratory Manual; Cold S
pring Harbor Laboratory, Second Edition 1989 に詳
細に記載されているような分子生物学の方法が使用され
る。
【0055】“遺伝子ライブラリー”が、まず問題のラ
ンについて構築される:濃厚にされた細胞核からのゲノ
ムDNA(Bedbrook, J., Plant Molecular Biology Ne
wsletter 2, 24, 1981)が、制限酵素NdeIIを用い
て切断され、約12,000塩基対の平均鎖長をもつD
NA断片が、作製される。これらの断片は、λファージ
EMBL4(Frischauf et al., J. Mol. Biol. 170, 8
27-842, 1983)のBamHI部位中にクローン化され,
そしてそのファージはE.コリにおいて複製される。フ
ァージ集団の全体が、ラン細胞の全ゲノムDNAおよび
したがって同様にビベンジル合成酵素(多重遺伝子族)
の遺伝子を、断片中にクローン化されて含む。
【0056】ビベンジル合成酵素の遺伝子、それらのm
RNA、およびビベンジル合成酵素cDNAは、各場合
において等価値の核酸配列を含有する。何故なら、それ
らは、互いに他のものから誘導することができるからで
ある(遺伝子→mRNA→cDNA)。このことは、ビ
ベンジル合成酵素の遺伝子が、それぞれのビベンジル合
成酵素cDNAもしくは特異的オリゴヌクレオチドとの
特異的ハイブリダイゼーションによって同定できること
を意味する。この方法によれば、ビベンジル合成酵素の
ゲノムファージクローンが同定され、タバコ中に伝達さ
れて、異種の植物において、ビベンジル(1−(3,5
−ジヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェ
ニル)−エタン)が生産されることになる。そのトラン
スジェニック植物は、植物病原体に対して増大した抵抗
性を発揮する。その遺伝子を含むファージは、ハイブリ
ダイゼーションによって同定され、次いで単離され、複
製される。これらのファージ中にクローン化されたラン
のゲノムDNAは、次に、種々の制限酵素を用いる解析
によってマッピングされ、ビベンジル合成酵素遺伝子の
位置が、cDNA配列もしくは合成オリゴヌクレオチド
を用いるその他のハイブリダイゼーション実験によって
確立される。最後に、その遺伝子単位が、制限酵素によ
る分解によってファージから切り取られ、適当に切断さ
れたプラスミドベクターpUC18(Gibco-BRL GmbH,
Eggenstein, Federal Republic of Germany製)にクロ
ーン化され、組み換えプラスミドとして複製される。
【0057】2. プラスミドp8.1.1の特徴(図
1参照) そのプラスミドは2つの構成分からなる: (i)ビベンジル合成酵素cDNA:プラスミドpSp
ort1(Gibco/BRL)に挿入されたcDNAは、長さ
1.6kbであり、MLuIを用いてプラスミドp8.
1.1から切り取ることができる。
【0058】(ii)ベクタープラスミド:そのcDN
Aは、ベクターpSport1(Gibco/BRL、Eggenstei
n、 Federal Republic of Germany)にクローン化され
る。そのベクターのサイズは、4109ヌクレオチド対
である。それはアンピシリン耐性を保持する、すなわち
このプラスミドを有するE.コリ細胞は、抗生物質アン
ピシリンを含む栄養培地で成長する。Ori:E.コリ
中でそのプラスミドの複製に必要な配列の名称。
【0059】プラスミドp8.1.1はアンピシリン耐
性遺伝子をもち、ビベンジル合成酵素cDNAとして上
記約1.6kbのMLuI断片を含む。それは、常法に
より、p8.1.1を宿すE.コリ(E.コリp8.
1.1)細胞中で複製できる。
【0060】p8.1.1を宿すE.コリ細胞(E.コ
リpin5−49)(例えば、JA221, Nakamura, K., I
nouye, M., EMBO J. 1, 771-775, 1982)のための好適
な栄養培地: Bacto−ペプトン* 10g 酵母エキス 5g NaCl 5g 寒天 20g H2O 1 L pH 7.5 発酵: 37℃、 好気的 (*Bactoは、DIFCO Lab., Detroit, USAの商標)3. タバコの形質転換 a)タバコ・シュートの培養およびタバコ・プロトプラ
ストの単離: ニコチアナ・タバクム(Nicotiana tabacu
m)(Petit Havana SR1)が、ホルモン無添加のLS培地
において無菌シュート培養として複製される(Linsmaie
r and Skoog 1965)。
【0061】シュートのセグメントは、約6−8週間隔
で新鮮LS培地に移植される。シュート培養は、培養室
中で24−26℃、12時間照明(1000−3000
lux)により維持される。
【0062】葉のプロトプラストを単離するために、約
2gの葉(長さ約3−5cm)が、新しいカミソリの刄
で小片に切断される。葉の材料は、K3培地(Nagy and
Maliga 1976)、0.4mシュークロース、pH5.
6、2%セルラーゼR10(Serva)および0.5%M
acerozymR10(Serva)からなる酵素溶液2
0ml中で、14−16h、室温でインキュベートされ
る。その後、プロトプラストは、0.30mmおよび
0.1mmスチール篩を通して濾過されて、細胞残渣か
ら分離される。その濾液を100xg10分間遠心す
る。遠心の間、インタクトプロトプラストは浮上し、酵
素溶液の上にバンド状に集まる。細胞残渣からなるペレ
ットおよび酵素溶液を、ガラス毛細管ピペットを用いて
吸引廃棄する。予備精製プロトプラストは、新鮮K3培
地(浸透圧剤として0.4Mシュークロース)により1
0mlにされ、もう1回浮上操作に懸けられる。洗浄培
地を吸引除去し、プロトプラストは、培養またはアグロ
バクテリアによる続いての感染(混合培養)のために1
−2x105/mlに希釈される。そのプロトプラスト
濃度は、カウンティングチャンバーにおいて測定され
る。
【0063】b)アグロバクテリウム・ツメファシエン
スとの混合培養による再生タバコプロトプラストの形質
転換:次に示すように、Marton et al. 1979の方法が若
干改変して使用される。プロトプラストは、前記のよう
に単離され、K3培地(0.4mシュークロース、0.
1mg/lNAA、0.2mlK3培地中(0.4mシ
ュークロース、0.1mg/lNAA、0.2mgカイ
ネチン)中1−2x105/mlの濃度において、26
℃2日間暗所で、そして1−2日間弱い照明(500l
ux)の下でインキュベートされる。最小A(Am)培
地中のアグロバクテリウム懸濁液30μl(濃度約10
9アグロバクテリア/ml)が、プロトプラストの分裂
が見られる時点で直ぐに再生プロトプラスト3mlに添
加される。混合培養は、暗所で3−4日間20℃で続け
られる。その後、タバコ細胞を12ml遠心管に添加
し、海水(600mOsm/kg)により10mlに希
釈し、60xgで10分間沈殿させる。この洗浄操作
を、さらに1−2回繰り返してアグロバクテリアの殆ど
を除く。細胞懸濁液は、NAA(ナフチル−1−酢酸)
1mg/l、カイネチン0.2mg/lおよびセファロ
スポリン抗生物質セフォタキシン500mg/lを含む
k3培地(0.3mシュークロース)中5x104/m
lの濃度で培養される。細胞懸濁液を、各週新鮮K3培
地で希釈し、培地の浸透圧を、週に0.05mシューク
ロース(約60mOsm/kg)の割で徐々に減少させ
る。カナマイシン(硫酸カナマイシン(sigma)100
mg/l、660mg/g活性Km)による選択は、ア
ガロース“ビーズ・タイプ培養”(Shillito et al. 19
83)において混合培養後2−3週に開始される。選択開
始後、3−4週には、カナマイシン耐性コロニーが、生
育の妨げられたコロニーを背景に区別できる。
【0064】c)DNAによるタバコプロトプラストの
直接形質転換。硝酸カルシウム−PEG形質転換 K3培地180μl中約106プロトプラストが、ペト
リ皿中でDNAの水溶液20μlと注意深く混合される
が、その水溶液は、欧州特許出願公開第0 309862号もし
くは欧州特許出願公開第0 464 461号に従うスチルベン
合成酵素プロモーターおよびp8.1.1由来のビベン
ジル合成酵素のcDNAからなるゲノムビベンジル合成
酵素遺伝子もしくはキメラ遺伝子、同じく好ましくは欧
州特許出願公開第0 309 862号もしくは欧州特許出願公
開第0 464 461号からのポリアデニル化配列をもつプラ
スミド0.5μg/μl、およびpLGVneo210
3(Hain et al. 1985)0.5μg/μlを含有する。
次いで、融合溶液(0.1m硝酸カルシウム、0.45
Mマニトール、25%ポリエチレングリコール(PEG
6000)、pH9)200μlが注意深く添加され
る。15分後、洗浄液(0.275M硝酸カルシウム
pH6)5mlが添加され、さらに5分後、プロトプラ
ストを遠心管に移し、60xgで沈殿させる。そのペレ
ットを、少量のK3培地に採取し、次項で記載するよう
に培養する。あるいはまた、プロトプラストは、Hain e
t al.1985に従って形質転換することができる。
【0065】形質転換はまた、0.5μg/μlのpL
GVneo2103を添加することなしに実施すること
もできる。この場合には、リポーター遺伝子は使用され
ないので、ドットブロットハイブリダイゼーションが、
得られるカルスを、ビベンジル合成酵素遺伝子単位もし
くはキメラ遺伝子の存在について選択するために使用さ
れる。p8.1.1由来のcDNA配列は、ハイブリダ
イゼーションプローブとして使用することができる。当
然、抗体または真菌抵抗性の存在の確立による試験のよ
うな他の検出方法も、使用することができるであろう。
【0066】d)DNAとインキュベートされたプロト
プラストの培養およびカナマイシン耐性カルスの選択 改変された“ビーズタイプ培養”技術(Shillito et a
l. 1983)が、下記のカナマイシン耐性コロニーの培養
および選択のために使用される。DNAによるプロトプ
ラストの処理(c参照)の後1週に、細胞懸濁液3ml
が、K3培地(0.3Mシュークロース+ホルモン;
1.2%(Seaplaque)LMTアガロース(低融解アガ
ロース、Marine Colloids))3mlの入った5cmペ
トリ皿中で混合される。この目的のために、アガロース
は乾燥状態でオートクレーブされ、K3培地の添加に続
いて、マイクロ波オーブン中で短時間沸騰させる。その
アガロースが固まると、包括されたタバコの微小カルス
を含むアガロースディスク(“ビーズ”)が、その後の
培養および選択のために10cmペトリ皿に移され、K
3培地(0.3Mシュークロース、1mg/lのNA
A、0.2mg/lカイネチン)10mlおよび100
mg/l硫酸カナマイシン(sigma)を、各皿に添加す
る。その液体培地は、1週毎に交換される。この間、培
地の浸透圧は1回毎に低下する。
【0067】交換培地(K3+Km)のシュークロース
量は、各週0.05m(約60mOsm)づつ減少され
る。
【0068】DNA形質転換に続くカナマイシン耐性タ
バココロニーの選択スケジュール: 0.4M 0.3M 0.25M 0.20M 0.15M 0.10M (液体媒体中の シュークロス濃度) U ES K 1 2 3 4 5 6 [週(DNA 取り込み後) (K3 培地1mg NAA、0.2mg カイネチン) U=DNA取り込み E=アガロースへの包括 S=カナマイシン(硫酸カナマイシン100mg/l)
による選択 K=カナマイシン耐性コロニーが、明瞭にバックグラウ
ンドから区別される。
【0069】e)カナマイシン耐性植物体の再生:カナ
マイシン耐性コロニーが、約0.5cmの直径に達する
と直ちに、それらの半分は、再生培地(LS培地、2%
シュークロース、0.5mg/lベンジルアミノプリン
BAP)に置かれ、培養室で24℃で12時間の照明
(3000−5000lux)下に維持される。他の半
分は、1mg/l NAA,0.2mg/lカイネチ
ン、0.1mg/lBAPおよび100mg/l硫酸カ
ナマイシンを含むLS培地におけるカルス培養として繁
殖させられる。再生シュートが、約1cmの大きさであ
る時には、それを切断し、発根のために成長調節因子な
しの1/2LS培地(1%シュークロース、0.8%寒
天)上に置かれる。そのシュートは、100mg/l硫
酸カナマイシンを含む1/2LS培地で発根し、後に土
壌に移植される。
【0070】f)アグロバクテリウム・ツメファシエン
スを用いる葉片ディスクの形質転換 葉片ディスク(Horsch et al. 1985)の形質転換のため
に、無菌シュート培養からの長さ約2−3cmの葉が、
直径約1cmのディスクにパンチされ、これらのディス
クが、約5分間適切なアグロバクテリアの懸濁液(約1
09/ml)(b参照)とともに、Am培地(下記)で
インキュベートされる。感染した葉片は、ホルモン無添
加のMS培地(下記)で約24℃で3−4日間維持され
る。この間に、アグロバクテリウムは、葉片に蔓延して
生育する。続いて、葉片は、MS培地(0.5mg/m
lBAP、0.1mg/mlNAA)中で洗浄され、5
00μg/mlセフォタキシンと100μg/ml硫酸
カナマイシン(sigma)を含む同一培地(0.8%寒
天)上に置かれる。2週間後、その培地を更新すべきで
ある。形質転換されたシュートは、さらに2−3週間後
に目に見えるようになる。シュートは、全く選択圧なし
においても、平行して再生されるべきである。次いで、
再生シュートは、生物学的試験を用いて、形質転換につ
いて、例えばノパリン合成酵素もしくはビベンジル合成
酵素活性に関して試験されねばならない。形質転換シュ
ートの1−10%は、この方法で獲得される。ビベンジ
ル合成酵素もしくは配列番号:2によるタンパク質に対
する抗体が、常法により得られ、同様に形質転換が起き
ているか否かの検出のために使用される。
【0071】形質転換を検出するための生化学的方法 植物組織におけるノパリンの検出:ノパリンは、Otten
and Schilperoort (1978) および Aerts et al. (1979)
による記載のように次のように検出される。植物材料
(カルスもしくは葉片)50mgが、エッペンドルフチ
ューブ中の0.1Mアルギニンを含むLS培地で、室温
で一夜インキュベートされる。その後、植物材料を、吸
収性の紙の上で軽く拭い、ガラス棒を用いて新しいエッ
ペンドルフ遠心管中でホモジナイズし、2分間エッペン
ドルフ遠心機で遠心する。その上澄液2μlを、電気泳
動用のペーパー(Whatman3MMペーパー)(2
0x40cm)上にドットし、乾燥する。そのペーパー
を溶離液(5%ギ酸、15%酢酸、80%H2O、pH
1.8)に浸し、400Vで45分間電気泳動する。ノ
パリンは、陽極方向に移動する。次に、そのペーパー
を、熱風中で乾燥し、フェナントレンキノン染色剤(エ
タノール中0.02%フェナントレンキノンおよび60
%エタノール中10%NaOHの等量)中を移動方向に
通して引く。乾燥させたペーパーを、長波UV光で観察
し、写真に撮る。その試薬は、アルギニンおよびアルギ
ニン誘導体を染色して、黄色の蛍光を発するようにす
る。
【0072】ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ
(NPT II)酵素試験:NPT II活性は、次に
示すように、Reiss et al. (1984) により記載され、Sc
hreier et al. (1985) によって改変されたような、カ
ナマイシンのそのままの位置でのリン酸化によって植物
組織中で検出される。植物組織50mgを、ガラス粉末
を入れた抽出バッファー(10%グリセロール、5%2
−メルカプトエタノール、0.1%SDS、0.025
%ブロモフェノールブルー、62.5mMトリス pH
6.8)50μl中で、氷上でホモジナイズし、次いで
エッペンドルフ遠心機で4℃で10分間遠心する。その
上澄液50μlを、未変生のポリアクリルアミドゲル
(145x110x1.2mm;分離用ゲル:10%ア
クリルアミド、0.33%ビスアクリルアミド、0.3
75Mトリス pH8.8、濃縮用ゲル:5%アクリル
アミド、0.165%ビスアクリルアミド、0.125
Mトリス pH6.8)の上に添加し、4℃、60Vで
一夜電気泳動する。ブロモフェノールブルーマーカーが
ゲルを通過するや否や、ゲルを蒸留水で10分づつ2
回、そして反応バッファー(67mMトリス−マレイン
酸、pH7.1、42mMMgCl2、400mM塩化
アンモニウム)で1回30分洗浄する。そのゲルを、同
じ大きさのガラスプレートに横たえ、基質硫酸カナマイ
シン(20μg/ml)および20−200μCi32P
ATP(Amersham)を含有する反応バッファー中の1
%アガロース溶液40mlを重層する。そのサンドウィ
ッチゲルを、室温で30分間インキュベートし、次に、
ホスホセルロースペーパーP81(Whatman)のシートを
そのアガロースの上に置く。4層の3MM(Whatman)
濾紙および若干のペーパータオルを、そのホスホセルロ
ースペーパーの上に積み重ねる。その位置でのリン酸化
された放射性リン酸カナマイシンのP81ペーパーへの
転移は、3−4時間後に終了する。そのP81ペーパー
を、プロテイナーゼKおよび1%ドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS)の溶液中で、60℃30分間インキュベー
トし、次いで、10mMリン酸バッファーpH7.5
250ml中で、80℃で3−4回洗浄し、乾燥し、続
いて、−70℃で1−12時間オートラジオグラフィー
(XAR5フィルム、Kodak)を行う。4. ソラヌム・ツベロスム(Solanum tuberosum)(ジ
ャガイモ)の形質転換 形質転換は、欧州特許出願公開第0 242 246号14〜1
5頁に記載の方法により、ビベンジル合成酵素遺伝子を
もつTiプラスミドを宿すアグロバクテリアを用いて的
確に実施される。
【0073】特に指示しない限り、上記実施例中のすべ
ての%値は、重量%をさす。
【0074】上記実施例に従って得られた植物細胞およ
び植物体(タバコ)において、ビベンジル合成酵素遺伝
子の存在は、サザンブロット分析によって確認される。
ビベンジル合成酵素遺伝子の発現は、ノザンブロット分
析で検出され、ビベンジル合成酵素およびビベンジル
は、特異抗体を用いて検出される。形質転換および非形
質転換植物(対照)は、ボトリチス・シネラの胞子懸濁
液を散布され、真菌感染の程度は、1週間後に測定され
る。形質転換された植物は、真菌感染に対して抵抗性を
増大したことを示した(対照に用いた非形質転換植物と
比較して)。
【0075】プラスミドp8.1.1のcDNA配列お
よび配列番号:1によるcDNA配列とのハイブリダイ
ゼーション 先に議論したように、本発明による好適なビベンジル合
成酵素遺伝子は、プラスミドp8.1.1中に含まれる
cDNA配列もしくはその部分に、または配列番号:1
によるcDNA配列もしくはその部分にハイブリダイズ
し、そしてビベンジル合成酵素をコードしていることを
特徴とする。そのハイブリダイゼーションはまた、一般
的な方法で、例えば、植物体もしくは植物体の部分にお
けるビベンジル合成酵素遺伝子を同定し、単離すること
に使用できる。
【0076】ビベンジル合成酵素遺伝子を含むファージ
クローンは、緊縮性の低い条件下で、優先的に、p8.
1.1(もしくは配列番号:1)とのハイブリダイゼー
ションによって同定できる。クローンのサブ集団が得ら
れ、続いて、そのクローンが、例えば、植物体への直接
遺伝子伝達(Hain et al. 1985 and 1990)およびビベ
ンジル合成酵素もしくは(抗体を用いる)配列番号:2
のタンパク質に関する、またはビベンジル合成酵素の酵
素活性に関する、またはビベンジルに関する、トランス
ジェニック植物組織の分析によって、ビベンジル合成酵
素遺伝子クローンとして同定される。
【0077】実施例によって、ビベンジル合成酵素遺伝
子クローンは、プローブとしてcDNAクローンp8.
1.1(もしくは配列番号:1)を用いて、標準ハイブ
リダイゼーション条件下で同定された。そのハイブリダ
イゼーションは、2SSCを含有する標準バッファー中
で68℃12時間実施された。洗浄は、2SSCおよび
0.1%SDCで74℃(30分2回)、続いて0.2
SSCおよび0.1%SDCで(10分)行われた。フ
ァージクローンDNAは、植物−選択性マーカー(カナ
マイシン耐性)と一緒にタバコプロトプラスト中に同時
伝達され、そのビベンジル合成酵素が、タバコ中で検出
された。対応する結果が、適切なプロモーター(例え
ば、欧州特許出願公開第0 309 862号もしくは欧州特許
出願公開第0464 461号によるスチルベン合成酵素プロモ
ーター)の下でプラスミドp8.1.1からcDNAを
発現することによって得られた。
【0078】植物体および植物細胞の形質転換に使われ
た若干の培地を、以下に記す:Am培地 3.5g K2HPO4 1.5g KH2PO4 0.5g クエン酸三ナトリウム 0.1g MgSO4×7H2O 1g (NH4)2SO4 2g グルコース(1lに調整)タバコシュートの無菌培養用培地 大量成分、Ms塩類の1/2濃度 微量成分、Ms塩類の1/2濃度 Fe−EDTA ムラシゲ・スクーグ(MS) ミオイノシトール 100mg/l シュークロース 10mg/l 寒天 8g/l ビタミン類 パントテン酸 Ca 1mg/l ビオチン 10mg/l ニコチン酸 1mg/l ピリドキシン 1mg/l サイアミン 1mg/l pH5.7(オートクレーブ前)K3培地 ニコチアナ・タバクム petit Havana SR1、ニコチアナ
・タバクム Wisconsin38 およびニコチアナ・プルバギ
ニホリア(plubaginifolia)プロトプラストの培養用
(Nagy and Maliga, 1976) 大量成分 NH4NO3 250mg/l KNO3 2500mg/l CaCl2・2H2O 900mg/l MgSO4・7H2O 250mg/l NaH2PO4・1H2O 150mg/l (NH4)2SO4 134mg/l CaHPO4・1H2O 50mg/l 微量成分 H3BO3 3mg/l MnSO4・1H2O 10mg/l ZnSO4・4H2O 2mg/l KI 0.75mg/l Na2MoO4・2H2O 0.25mg/l CuSO4・5H2O 0.025mg/l CoCl2・6H2O 0.025mg/l Fe−EDTA Na2EDTA 37.2mg/l FeSO4・7H2O 27.8mg/l イノシトール 100mg/l シュークロース 137g/l (=0.4M) キシロース 250mg/l ビタミン類 ニコチン酸 1mg/l ピリドキシン 1mg/l サイアミン 10mg/l ホルモン類 NAA 1.0mg/l カイネチン 0.2mg/l pH5.6 濾過により無菌化リンスマイヤー・スクーグ培地 (Linsmaier and Skoog
1965) 再生プロトプラストの培養用、およびタバコ腫瘍および
カルスの組織培養用。リンスマイヤー・スクーグ(L
S)培地は、次の改変を行ったムラシゲ・スクーグ培地
(Murashige and Skoog, 1962)である:−サイアミン
が、高濃度で使用される(0.1mg/lの代わりに
0.4mg/l);−グリシン、ピリドキシンおよびニ
コチン酸が省かれる。
【0079】 大量成分 NH4NO3 1650mg/l KNO3 1900mg/l CaCl2・2H2O 440mg/l MgSO4・7H2O 370mg/l KH2PO4 170mg/l 微量成分 H3BO3 6.2mg/l MnSO4・1H2O 22.3mg/l ZnSO4・4H2O 8.6mg/l KI 0.83mg/l Na2MoO4・2H2O 0.25mg/l CuSO4・5H2O 0.025mg/l CoCl2・6H2O 0.025mg/l Fe−EDTA Na2EDTA 37.2mg/l FeSO4・7H2O 27.8mg/l イノシトール 100mg/l シュークロース 30g/l 寒天 8g/l ビタミン類 サイアミン 0.4mg/l ホルモン類 NAA 1mg/l カイネチン 0.2mg/l pH5.7(オートクレーブ前)5. ブレチラ・ストリアタ(Bletilla striata)由来
のビベンジル合成酵素の誘導および精製 5.1 材料および方法 5.1.1 植物材料 ブレチラ・ストリアタの塊根が使用された。
【0080】5.1.2 ボトリチス・シネレアおよび
リゾトニア・クロコルムの固形寒天培養 その培養は、ポテト・デキストロース寒天プレート(P
DAプレート、DIFCODetroit, Mich. USA)上で行われ
た。
【0081】5.1.3 ビベンジル合成酵素の誘導 塊根の皮を剥き、メスで厚さ約2mmの切片に切断し、
湿度100%の中で20℃で保存した。
【0082】続いての真菌による処理のために、ボトリ
チスもしくはリゾトニアの1カ月経った寒天プレート
に、水道水10mlを添加し、菌糸(リゾトニア)もし
くは菌糸+分生胞子(ボトリチス)を、ヘラを用いて懸
濁液にした。
【0083】ランの切片を、そのようにして得た懸濁液
に1分間浸漬し、次いで、上記のように保存した。誘導
されたラン切片は、凍結され、−80℃の液体窒素中で
保存された。
【0084】5.1.4 置換ケイ皮酸およびフェニル
プロピオン酸のCoAエステルの合成 CoAエステルは、Stoeckigt and zenk (1975), Z. Na
turforsch. 30C, 352-358 記載の方法により調製され
た。その酸を、ヒドロキシスクシンイミドエステルに変
換し、次いで、CoAエステルを得るためにエステル交
換反応を行った。CoAエステルはペーパークロマトグ
ラフィーによって精製した。
【0085】5.1.5 ビベンジル合成酵素活性試験 日常試験は、基質としてジヒドロ−m−クマロイル−C
oAを用いて実施した。
【0086】 試験混合液: [2−14C]マロニル−CoA(1.85TBq/mol; 370Bq/μl) 5μl 酵素溶液 40μl 基質溶液(1mM) 5μl インキュベーション: 30℃水浴中で30分 試験停止: 二重蒸留水 500μl ナリンゲニン(1mg/ml 酢酸エチル) 10μl その試験混合液を、各場合とも酢酸エチル1mlととも
に20秒間振盪して2回抽出した。その有機相を合わせ
て、真空遠心機で濃縮し、各場合酢酸エチル20μlで
2回採取し、シリカゲル薄層プレート(蛍光指示薬25
4nm含有)上に、幅2.5cmの線として添加した。
【0087】溶離液:EtOAc:トルエン:アセトン
(容量比で50:35:15)そのプレートの放射能プ
ロフィルを、薄層スキャナー(LB2723, Berthold)を用
いて記録した。生産物を含有するゾーンを掻き取り、シ
ンチレーション液(11 eco,Roth)と混合して、カウン
トした。
【0088】5.1.6 タンパク質定量 タンパク質濃度は、Mikro Assay(Bio-Ra
d)を用いて、 Bradford(1976) Anal. Biochem. 72, 24
8 の変法により実施された。BSAを算出基準タンパク
質として使用した。
【0089】5.1.7 電気泳動法 5.1.7.1 サンプル調製 タンパク質を、4倍量のアセトンを用いて−20℃、3
0分間内に沈殿させ、80%(v/v)アセトンおよび
80%(v/v)エタノールで洗浄し、真空遠心機で乾
燥し、2分間沸騰させて抽出液に溶解した。
【0090】5.1.7.2 SDS−Page そのタンパク質を、 Laemli (1970) Nature 227,680-68
5 の方法によりミニゲル装置(Biometra)で分画した。
【0091】5.1.7.3 タンパク質染色 クーマシー染色:ゲルを染色液中で20分間浸透させ
た。バックグラウンドを脱色液を用いて脱色した。
【0092】 染色液: クーマシーブリリアント ブルーR250 0.25%(w/v) メタノール 50%(v/v) 氷酢酸 5%(v/v) 脱色液: イソプロパノール 40%(v/v) 氷酢酸 10%(v/v) 銀染色: Wray らの方法を使用した(Wray, W., Bouli
kas, T., Wray, V.P.,Hancock, R. (1981) Anal. Bioch
m. 118, 197-203)。
【0093】5.1.8 クロマトフォーカシング 等電点は、PBE94のクロマトフォーカシングによっ
て測定された。そのCFは、ビベンジル合成酵素の濃厚
調製液を用いて実施された。
【0094】5.1.8.1 実施 クロマトグラフィー材料: PBE94(Pharmacia) カラム寸法: 1.0x22cm;17ml 平衡化: 25mMヒスチジン(HCl,pH6.2,
2mM2−メルカプトエタノール 溶離液: Polybuffer74−HCl(二重蒸
留水で1:8希釈) pH4.0,2mMメルカプトエタノール(始発バッフ
ァー) 流速: 22ml/h 分画量: 3ml ビベンジル合成酵素を、HAPおよびセファデックスS
−200HR(精製、参照)によって濃縮し、CF始発
バッファー中に移した。
【0095】流速12ml/hにおけるS−200のク
ロマトグラフィーからの活性のピーク(48ml;全活
性=始発バッファー中5.4pkat)を、クロマトフ
ォーカシングカラムに添加した。
【0096】 1.8.2 結果 画分 pH 1 6.2 5 6.2 10 6.1 15 5.8 20 5.6 25 5.3 30 5.0 35 4.8 40 4.5 45 4.2 50 4.0 画分 活性(pkat/ml) 34 0.01 35 0.02 36 0.08 37 0.12 38 0.09 39 0.13 40 0.10 41 0.04 42 0.02 5.2 ビベンジル合成酵素(ブレチラ・ストリアタ由
来)の精製バッファー P1:25mMリン酸カリウム、pH8.0,2mM2
−メルカプトエタノール P2:250mMリン酸カリウム、pH8.0,2mM
2−メルカプトエタノール P3:10mMリン酸カリウム、pH6.4,2mM2
−メルカプトエタノール P4:25mトリス/HCl、pH8.0,2mM2−
メルカプトエタノールカラムクロマトグラフィー法 ヒドロキシルアパタイト: クロマトグラフィー材料: Bio−GelHTP(Bio
-Rad) カラム寸法: 2.0x20cm; 63ml 平衡化: P1 直線濃度勾配: 150mlP1+150mlP2 溶離流速: 25ml/h 分画量: 6ml分子ふるいクロマトグラフィー クロマトグラフィー材料: SephacrylS−2
00HR(Pharmasia) カラム寸法: 2.3x10
5cm; 436ml 平衡化: P3 溶離流速: 30ml/h 分画量: 4mlアフィニティークロマトグラフィー クロマトグラフィー材料: Reactive Red 120-agaros
e, Type3000-C1(Sigma) カラム寸法: 1.1x6.0cm; 5.7ml 平衡化: P3 溶離液: P2 流速: 10ml/h陰イオン交換クロマトグラフィー(FPLC) カラム: MonoQ HR5/5(Pharmacia) 平衡化: P4 直線濃度勾配: 0−250mM NaCl 溶離流速: 1ml/min 分画量: 1ml 誘導されたラン塊茎80gを、液体窒素下、乳鉢中で微
粉砕し、それにP11000mlおよびPolycla
rAT(Serva)20gを添加し、そしてその全部をU
ltraturraxを用いて5x15秒混合し、1
2,000gで30分間遠心した。
【0097】粗抽出液の粘度が高く、クロマトグラフィ
ーカラムに直接添加することができなかった。それ故、
ヒドロキシルアパタイトでのクロマトグラフィーを、一
部、バッチ法で実施した。その粗抽出液をP1 100
ml中でHAP20gの懸濁液と混合し、次いで200
rpm3時間振盪した。
【0098】糖および粘質物の大部分を除くために、H
APを、低い遠心速度(1500g)で遠心して落と
し、各場合P1 500mlで3回洗浄し、カラムに移
した。
【0099】溶出は、25−250mMリン酸の直線濃
度勾配を用いて行った。ビベンジル合成酵素は、160
−180mMリン酸濃度で溶出した。
【0100】高い比活性をもつ画分(48ml)を、A
quacide(Calbiochem)を用いる透析で15ml
に濃縮し、分子ふるいに懸けた。
【0101】SephacrylS−200HRクロマ
トグラフィーからの最も活性の高い画分(12ml)を
合わせて、reactive red120−agar
oseを充填したカラムに添加した(流速6ml/
h)。
【0102】非結合タンパク質は、P3 50mlを用
いて除去された(流速80ml/h)。溶出は、P2を
用いて実施した。
【0103】4.5mlの活性ピークをPD10(Phar
macia)を通してP4で再び平衡にして、MonoQ上
に流速0.5ml/hで添加した。
【0104】溶出は、P4中0−250mM NaCl
の直線濃度勾配を用いて行った。ビベンジル合成酵素
は、195−230mMNaClで溶出した(画分10
−18)。
【0105】 ブレチラ・ストリアタからのビベンジル合成酵素の精製 画 分 総タンパク質 全活性 比活性 活性収率 濃縮倍率 (mg) (pkat) (pkat/mg) (%) 粗抽出液 408.40 8.32 0.02 100 1 ハイドロキシ アパタイト溶出液 17.18 6.86 0.40 82 20 セファクリル S200 HR−溶出液 2.24 5.74 2.56 69 128 レッド アガロース 溶出液 1.16 3.58 3.09 43 155 モノ Q 溶出液 0.11 0.50 4.55 6 228 次の文献が、論題の“ビベンジル類”に関して引用する
ことができる:
【0106】
【表1】
【0107】次の文献が、植物体および植物細胞の形質
転換に関して引用することができる:
【0108】
【表2】
【0109】
【表3】
【0110】
【表4】
【0111】さらに、次の公表された特許出願が引用さ
れる: 欧州特許出願公開第116 718号 欧州特許出願公開第159 418号 欧州特許出願公開第120 515号 欧州特許出願公開第120 516号 欧州特許出願公開第172 112号 欧州特許出願公開第140 556号 欧州特許出願公開第174 166号 欧州特許出願公開第122 791号 欧州特許出願公開第126 546号 欧州特許出願公開第164 597号 欧州特許出願公開第175 966号 国際公開第84/02913号 国際公開第84/02919号 国際公開第84/02920号 国際公開第83/01176号
【0112】
【表5】
【0113】
【表6】
【0114】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドp8.1.1を表す。ビベンジル合
成酵素cDNAは、サイズ約1.6kbのMluI断片
に位置している。図1における略語の意味は、次の通り
である: E:EcoRI S:Sal I B:Bam HI P:Pst I H:Hind III N:Not I PL:プラスミド pSport 1由来のポリリンカ
ー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 14/415 8318−4H C12N 1/21 8828−4B 5/10 9/88 C12Q 1/527 6807−4B //(C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 ハンス−イエルク・ライフ ドイツ50939ケルン・ゴツテスベーク165

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビベンジル合成酵素遺伝子。
  2. 【請求項2】プラスミドp8.1.1に含まれるビベン
    ジル合成酵素cDNA配列もしくはその部分と、または
    配列番号:1によるcDNA配列もしくはその部分とハ
    イブリダイズし、そしてビベンジル合成酵素をコードし
    ていることを特徴とするビベンジル合成酵素遺伝子。
  3. 【請求項3】ラン類から得ることができる請求項1およ
    び2記載のビベンジル合成酵素遺伝子。
  4. 【請求項4】ファレノプシス種(Phalaenops
    is spp.)、ブレチラ・ストリアタ(Bleti
    lla striata)もしくはエピパクチス・パル
    ストリス(Epipactis palustris)
    から得ることができる請求項1ないし3記載のビベンジ
    ル合成酵素遺伝子。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4記載のビベンジル合成酵
    素遺伝子の、特定のプロモーターにおける、調節部分。
  6. 【請求項6】請求項1ないし4記載のビベンジル合成酵
    素遺伝子の構造遺伝子。
  7. 【請求項7】“外来”DNAもしくは“付加”DNAと
    して、請求項1ないし6記載の1個もしくは複数個のビ
    ベンジル合成酵素遺伝子またはその部分を含有する組み
    換え原核生物もしくは真核生物のDNA。
  8. 【請求項8】植物細胞(プロトプラストを含む)もしく
    は植物体(植物体の部分および種子を含む)に含有され
    る請求項7記載の組み換えDNA。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8記載の1個もしくは複数
    個のビベンジル合成酵素遺伝子またはその部分、および
    /または請求項7記載の組み換えDNAを含有するベク
    ター。
  10. 【請求項10】ベクタープラスミドp8.1.1。
  11. 【請求項11】請求項1ないし6記載の1個もしくは複
    数個のビベンジル合成酵素遺伝子またはその部分、およ
    び/または請求項7記載の組み換えDNAまたは請求項
    9および10記載のベクターを宿している形質転換微生
    物。
  12. 【請求項12】エシェリヒア・コリ(Escheric
    hia coli)株E.コリp8.1.1およびその
    変異株。
  13. 【請求項13】植物細胞(プロトプラストを含む)およ
    び植物体(植物体の部分および種子を含む)を形質転換
    するための、請求項1ないし12記載のビベンジル合成
    酵素遺伝子および/またはその部分および/または組み
    換えDNAおよび/またはベクターおよび/または形質
    転換微生物の使用。
  14. 【請求項14】“外来”もしくは“付加”DNAとし
    て、請求項1ないし7記載の1個もしくは複数個のビベ
    ンジル合成酵素遺伝子および/またはその部分および/
    または組み換えDNAを宿しているトランスジェニック
    植物細胞(プロトプラストを含む)および植物体(植物
    体の部分および種子を含む)。
  15. 【請求項15】病害虫に対して抵抗性の増大したトラン
    スジェニック植物細胞(プロトプラストを含む)および
    植物体(植物体部分および種子を含む)を作製する方法
    であって、(a)請求項1ないし7記載の1個もしくは
    複数個のビベンジル合成酵素遺伝子またはその部分およ
    び/または組み換えDNAが、植物細胞(プロトプラス
    トを含む)のゲノム中に挿入され、そして適宜、(b)
    完全な形質転換植物体が、トランスジェニック植物細胞
    (プロトプラストを含む)から再生され、そして適宜、
    複製され、そして適宜、(c)目的の植物体部分(種子
    を含む)が、かくして得られた親世代の、またはそれか
    ら得られる後の世代のトランスジェニック植物体から単
    離される、ことを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】請求項1ないし6記載のビベンジル合成
    酵素遺伝子またはその部分または請求項7記載の組み換
    えDNAを宿している複製材料を生産するため、ならび
    に新規な植物体およびその複製材料を生産するための、
    請求項14記載のトランスジェニック植物細胞(プロト
    プラストを含む)および植物体(植物体部分および種子
    を含む)の使用。
  17. 【請求項17】請求項14記載のトランスジェニック植
    物細胞および植物体を複製することによって得られる複
    製材料。
  18. 【請求項18】植物体からビベンジル合成酵素遺伝子を
    単離するために、そしてトランスジェニック植物細胞
    (プロトプラストを含む)および植物体(植物体部分お
    よび種子を含む)の生産において、プラスミドp8.
    1.1に含まれるか、または配列番号:1に挙げられる
    cDNAと完全にもしくは部分的に同一のDNA配列の
    使用。
  19. 【請求項19】本発明によるビベンジル合成酵素遺伝子
    によってコードされるビベンジル合成酵素。
  20. 【請求項20】プラスミドp8.1.1に含有されるビ
    ベンジル合成酵素構造遺伝子によってコードされるビベ
    ンジル合成酵素。
  21. 【請求項21】配列番号:2によるタンパク質。
  22. 【請求項22】ビベンジル合成酵素を検出するための、
    請求項19ないし21記載のビベンジル合成酵素または
    タンパク質の使用。
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