JPH0727766A - 試薬結合ポリマーおよびその調製方法 - Google Patents

試薬結合ポリマーおよびその調製方法

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JPH0727766A
JPH0727766A JP5153743A JP15374393A JPH0727766A JP H0727766 A JPH0727766 A JP H0727766A JP 5153743 A JP5153743 A JP 5153743A JP 15374393 A JP15374393 A JP 15374393A JP H0727766 A JPH0727766 A JP H0727766A
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JP
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polymer
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carrier
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JP5153743A
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English (en)
Inventor
Shinji Takai
信治 高井
Toshiji Hirai
利志 平井
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Eiken Chemical Co Ltd
Original Assignee
Eiken Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ハロゲン化アルキルスチレンとアクリル酸類
との共重合体の繰り返し単位中のR1に、スペーサーと
してアンモニアあるいはジアミン類を導入することによ
り、化学的結合(酸アミド結合)によりカルボキシル基
含有試薬を結合させ、更に、4級アンモニウム化合物を
該共重合体に導入することにより静電的結合で酵素活性
物質、免疫活性物質又は酸塩基指示薬を結合させる。 【効果】 複数種の試薬を定量的にかつ安定的にポリマ
ーに直接固定できるので、高性能バイオセンサーとして
利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体試料中の少なくと
も1種の特定成分を測定するための試薬を結合したポリ
マーに関し、特に、カルボキシル基含有試薬や酵素活性
物質等、複数の成分に対応した種々の試薬が安定的に固
定化された試薬結合ポリマー、該ポリマー膜、該ポリマ
ー担持体および試薬結合ポリマー調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、物理量を測定するための物理
センサーは工業プロセス、環境、医療等の分野において
広汎に用いられているが、化学物質の計測を対象とする
化学センサー、更に酵素等の反応特異性を利用し生体関
連物質等の計測を対象とするバイオセンサーは開発が遅
れている。これは特定の目的物質を選択的に識別するセ
ンサー素子の開発が容易でなかったことによる。しか
し、最近の技術の高度化、複雑化に伴い計測対象が著し
く増加し、これらを迅速かつ連続的に計測するバイオセ
ンサーの開発が特に臨床検査等の分野において強く要望
されている。
【0003】生体液試料中の特定成分を生体内にて連続
計測する安全性の高いシステムの一つとしてガラス電極
や半導体等を利用した電気化学的方法があるが、この方
法は感度や応答速度の劣ること、外部からの電磁気的な
雑音による影響、あるいは装置自体の微小化の問題等、
技術的問題がある。近年、このような実情に鑑み電気化
学的方法等に代わり、機能性高分子膜による各種光学的
バイオセンサーが開発されるに至っている。例えば、ビ
ニルイミダゾールポリマーまたはコポリマーフィルムに
化学試薬を固定しこれを光ファイバーの先端に装着して
成るオプトロードを用いたバイオセンサー(特開平3−
65639号公報)が知られているが、このものは、化
学試薬を担持するのに、ポリマー中のイミダゾール単位
上に存在する正の電荷を主に利用しているので、化学試
薬としてはスルホン酸官能基を有するものに有効である
ものの、他の試薬は安定に固定できない。又、該ポリマ
ーを光ファイバー上にグラフトするため光ファイバーの
端部を活性化処理する工程等も不可欠で製作が容易でな
く、又、使用後の交換に当ってはオプトロードごと交換
しなければなない。又、ペルオキシダーゼ及びグルコー
スオキシダーゼと特異的に結合させたカルボキシル基及
びアミノ基を有するポリアミド担体を用い、これにさら
にルミノールを固定し、ポリアミド担体を修飾すること
なくペルオキシターゼ及びグルコースオキシターゼを担
体上に担持できる複合体(特公平3−11759号公
報)が知られているが、このものは特有のポリアミド担
体を用いかつ固定できる酵素もペルオキシターゼ及びグ
ルコースオキシターゼのみに制限され汎用性がなく、特
定用途の試験片として用いることができるが、精度等が
充分でないと推定され、又、この試験片は使い捨てで、
反応が可逆的でないためセンサーとして用いることは困
難である。
【0004】このような課題を解決するために、本願出
願人は既にハロゲン化アルキルスチレン誘導体とアクリ
ル酸類との共量合体を利用した試薬結合ポリマーを発明
した(特開平4−330298号公報)。このポリマー
はいろいろな形状に加工可能でセンサーとしての適用範
囲が広く、かつ固定できる試薬の種類も多く静電的結合
あるいは化学的結合で安定に結合できるという特徴を有
するが、具体的に対象となる試薬は、静電的結合を介し
て酸性指示薬や塩基性指示薬である色原体、化学的結合
を介してアミノ基含有試薬であり、その他の試薬の結合
例については開示がなく実質的にかかる2通りの結合の
みを対象とするものであった。また、化学的結合におい
ては、ポリマーの繰り返し単位に試薬を導入するために
好ましくはアミノ基含有スペーサーであるアンモニアあ
るいはジアミン類とカルボニル基含有スペーサーである
ジオキソ化合物とを反応させ得られる構造を一つのスペ
ーサーとして用い、該スペーサーのカルボニル基と試薬
のアミノ基を結合させていたので、アミノ基しか反応に
使えない場合、アミノ基を活性中心に持つ酵素は固定化
によって活性を失うことになり、また抗体分子の抗原結
合部位はタンパクのN末端(アミノ基)側であるから、
やはり固定化には不向きであるという問題点があり、更
にはスペーサーの導入に2段階の反応が必要であった。
また、静電的結合においては4級アンモニウム化合物が
スペーサーとして導入されているが、これに静電的に結
合できるものは酸塩基指示薬のみと考えられていたの
で、これ以外の試薬との結合性については未知であっ
た。即ち、上記ポリマー(共重合体)は種々の試薬を結
合させる担体として極めて優れており、結合できる試薬
が従来のものに比較すれば相当に多様であるが、結局、
結合できる試薬はアミノ基含有試薬と酸塩基指示薬の2
種類に限定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の実情に鑑み、上述したハロゲン化アルキルスチレン
とアクリル酸類との共重合体を用い、特定のスペーサー
を導入することにより、化学的結合を介して試薬のアミ
ノ基以外の活性官能基を該共重合体に結合させ、また静
電的結合を介して酸塩基指示薬以外の試薬を該共重合体
に結合させることを目的とし、もってより広い範囲から
試薬を選択し該共重合体に安定的かつ簡便に結合させる
ことを目的とする。また、本発明の他の目的は、得られ
た試薬結合ポリマーを用いて成膜し又は担体に含浸させ
素子化することである。また、本発明の更に他の目的
は、上記化学的結合、静電的結合を行うための特定スペ
ーサーを共重合体に導入し試薬を定量的にかつ安定的に
結合させる方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本
発明は、下記一般式(I)で表される構造を有するハロ
ゲン化アルキルスチレンと下記一般式(II)で表される
アクリル酸類との共重合体を不溶性担体とし、この共重
合体の繰り返し単位中のR1に試薬を結合させてなる試
薬結合ポリマーにおいて、(a)A−COOH(Aは主
要部分)で表されるカルボキシル基含有試薬が結合した
下記式(III)で表わされる試薬結合部、および/また
は(b)酵素活性物質および免疫活性物質から選択され
た試薬が結合した下記式(IV)で表わされる試薬結合
部、または更に前記試薬結合部に加え(c)酸塩基指示
薬が結合した下記式(IV)で表わされる試薬結合部、を
有することを特徴とする試薬結合ポリマーである。
【0007】
【化4】
【0008】
【化5】 (式中、Xはハロゲン、R1 はベンゼン環の任意の位置
をとり得る炭素数1〜4のアルキレン基、R2 及びR3
はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基
を示す。) −R1−Sp−CO−A (III) (式中、R1は一般式(I)と同じ意味、Spはアンモ
ニアまたはジアミン類からなるスペーサー構造を示
す。)
【0009】
【化6】 (式中、R1およびXは一般式(I)と同じ意味、R4
5、R6はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基、又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、
B±は正または負にチャージした試薬成分、…は静電的
結合を示す。) 上記の共重合体を担体として用い、スペーサーとしてア
ンモニアあるいはジアミン類を導入することにより、化
学的結合(酸アミド結合)によりカルボキシル基含有試
薬を結合させることができるので、簡単な構造でかつ安
定的にカルボキシル基を含有した酵素活性物質や免疫活
性物質等を結合させたポリマーを得ることができ、更
に、4級アンモニウム化合物を該共重合体に導入するこ
とにより静電的結合で酸塩基指示薬ばかりでなく酵素活
性物質や免疫活性物質も結合させることができるので、
複数種の試薬がポリマーに直接固定された機能性ポリマ
ーとすることができる。ここで、前出の特開平4−33
0298号公報に開示された化学的結合による結合は試
薬のアミノ基を利用するものであり活性官能基としてア
ミノ基を有しない試薬の場合は対象とすることはできな
いが、酵素活性物質等の様にアミノ基とカルボキシル基
の両者を有しているものを試薬とする場合は、前出の結
合でも本発明の結合でもポリマーに結合できることにな
る。しかし、ポリマーに結合できても、酵素や抗体分子
等、アミノ基による結合で活性や安定性を損なうもので
は、実用上結合させる意義がない。発明のポリマーのス
ペーサーは、前出のものに比べて構造が簡単であるがス
ペーサーの機能自体には大きな違いがない上、アミノ基
による結合に不向きなものをカルボキシル基により結合
させることができるので、固定する物質の活性や安定性
を損なうことのない的確な結合様式を選定することがで
きる。また、同公報の静電的結合による試薬の結合で
は、酸塩基指示薬のみを対象としその他の試薬の結合可
能性については全く未知であったが、酵素活性物質や免
疫活性物質等も静電的結合によりポリマーに驚く程安定
的に結合させることができることが本発明において初め
て見出されたものである。従って、静電的結合により酵
素活性物質や免疫活性物質と共に酸塩基指示薬を結合さ
せることが可能となり、静電的結合のみでも機能性膜を
構成することができるようになる。
【0010】また、共重合体が、一般式(I)で表わさ
れるモノマーと一般式(II)で表わされるモノマーとの
モル比が3:1〜1:3の範囲で得られたものである上
記試薬結合ポリマーによれば、親水性で試薬結合部位を
有するモノマーと疎水性で試薬結合部位を有しないモノ
マーとの割合が適当となるので、生体関連物質を測定す
るのに適した親水性、試薬の耐溶出性、ポリマーの加工
性等を得ることができる。
【0011】また、カルボキシル基含有試薬が、酵素活
性物質および免疫活性物質から選ばれる上記試薬結合ポ
リマーによれば、これらには生体関連物質を測定する上
で極めて有用なものが含まれるので、バイオセンサーと
して広範な利用が可能となる。
【0012】また、上記試薬結合ポリマーを成膜してな
る試薬結合ポリマー膜、又は上記試薬結合ポリマーを液
体吸収性の別の担体に含浸させてなる試薬結合ポリマー
担持体によれば、該ポリマーの優れた加工性により、所
望により膜状や別担体に含浸させた形態とすることがで
きるので、種々の使用場面に対応できるセンサーを構成
することができる。
【0013】また、本発明は、上記の試薬結合ポリマー
を調製する方法であって、一般式(I)で表される構造
を有するハロゲン化アルキルスチレンと一般式(II)で
表されるアクリル酸類との共重合体を不溶性担体とし、
この共重合体の繰り返し単位中のR1に、(a)アンモ
ニアまたはジアミン類からなるスペーサーを結合させ末
端にアミノ基を導入し、次にA−COOH(Aは主要部
分)で表されるカルボキシル基含有試薬のカルボキシル
基と該アミノ基を結合させることにより式(III)で表
わされる試薬結合部を形成し、又は(b)3級アミンを
結合させて4級化しこれをスペーサーとして、次に酵素
活性物質および免疫活性物質および/または酸塩基指示
薬から選択された試薬を付加することにより式(IV)で
表わされる試薬結合部を形成することを特徴とする試薬
結合ポリマー調製方法である。共重合体にアミノ基を導
入し酸アミド結合により試薬のカルボキシ基を結合させ
るので、試薬の結合を容易にかつ確実に行うことができ
る。酸アミド結合は、好ましくは、縮合試薬としてカル
ボジイミド試薬またはウッドワード試薬Kを用いて形成
されるものである。
【0014】また、スペーサー付担体ポリマーを有機溶
媒中に溶解し、これに試薬を添加し、溶媒中で該試薬を
スペーサーに結合させた後、成膜し又は別担体に含浸さ
せ試薬結合部を形成するか、またはスペーサー付担体ポ
リマーを成膜し又は別担体に含浸させた後、試薬含有溶
液中に浸漬することでスペーサーに該試薬を結合させ試
薬結合部を形成する請求項6記載の試薬結合ポリマー調
製方法によれば、多種類の試薬を定量的にかつ安定的に
膜または担体に担持させることができる。
【0015】以下、本発明を詳述する。
【0016】本発明の試薬結合ポリマーは、所望の形状
に加工し得るポリマーに所望の試薬を直接固定化してい
るので、試薬と計測対象物質との反応速度が格段に速
く、迅速な計測を実現できる。又、本発明に係る担体ポ
リマーは加工性に極めて優れている。該ポリマーの構造
自体は公知であるが、種々の試薬を確実に固定し、目的
とするセンサー素子を設計の範囲内で安定的に作製でき
るということは従来技術からすれば予想し得ない驚くべ
きことである。更に、従来の技術は、ポリマー上に1種
の試薬のみ一定の条件下で固定できるにすぎなかった
が、本発明では複数の試薬を所定の量比で容易に固定で
き多機能性を実現できる。このような特徴を有する試薬
結合ポリマーは、オプトロード利用のバイオセンサー素
子あるいはより構造的に単純で簡易測定可能な試験片の
形態として好適である。更に、該特徴を有効に利用し、
試薬として適当なものを選定することで、他の用途にも
適用することは可能である。例えば、タンパク質の分
離、精製等に用いる免疫成分等の固定や、各種クロマト
グラフィー用の担体等である。
【0017】本発明に係る担体ポリマーは一般式(I)
で表わされるハロゲン化アルキルスチレンと一般式(I
I)で表わされるアクリル酸類との共重合体からなる。
ここにアクリル酸類とはメタクリル酸誘導体等も含む概
念である。式中R1 はパラ、メタ、オルトの各位置で結
合することができるが、好ましくはパラ位である。共重
合体を形成した後、試薬を固定する際に構造障害等によ
る影響が少ないからである。
【0018】ハロゲン化アルキルスチレンのR1 として
は、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラ
メチレン基、プロピレン基等の枝分れしていてもよい炭
素数1〜4のアルキレン基がよい。炭素数は比較的小さ
いものの方が重合反応の反応性が高く、又この部分が試
薬結合部位となるので炭素数は比較的小さいものの方が
反応の効率がよい。反応の容易性、実用性等の点からメ
チレン基が好ましい。R1 にはハロゲン原子Xが置換さ
れている。XとしてはCl,Br,I等がよい。反応性
が高いのはClである。R1 上のハロゲン置換位置は特
に限定されない。又R1 上のハロゲン原子は1つが基本
であるが、R1 によっては複数のハロゲン原子が置換さ
れていてもよい。
【0019】ハロゲン化アルキルスチレンの代表例とし
ては、p−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルス
チレン、o−クロロメチルスチレン等を挙げることがで
きる。 アクリル酸類のR2 及びR3 は同一でも異なっ
ていてもよく、それぞれ独立に水素原子、又はエチル
基、メチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec −ブチル基、tert−ブチル基等
の炭素数1〜4のアルキル基がよい。ハロゲン化アルキ
ルスチレンとの共重合反応の容易さの点で、R2 は水素
原子、メチル基が好ましく、又、R3 も反応性に影響す
るのでメチル基が好ましく、従って適当なアクリル酸類
としてはアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等
を挙げることができる。メタクリル酸メチルを用いた共
重合体は一般に光線透過性が高く試薬担持ポリマー用の
モノマーとして好ましい。又、R2 ,R3 により共重合
反応における重合体の成長に相違を生じ、得られる共重
合体の組成が異なる場合がある。例えば、アクリル酸メ
チルとメタクリル酸メチルでは、重合温度が同じであれ
ば、メタクリル酸メチルを用いた方がハロゲン化アルキ
ルスチレンとの成長反応が同調しやすく、従って配合モ
ル比により組成を制御しやすい。
【0020】本発明に用い得るアクリル酸類の代表例と
しては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸イソブチルなどのアクリル酸誘導体、
メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸イソブチルなどのメタクリル酸誘導体
等を挙げることができる。
【0021】共重合体としては、上記ハロゲン化アルキ
ルスチレン及びアクリル酸誘導体のそれぞれの1種以上
を含有することができる。多種類の混合系として共重合
体を形成してもよい。
【0022】重合反応におけるハロゲン化アルキルスチ
レンモノマーとアクリル酸類モノマーとのモル比は目的
とする試薬結合ポリマーの用途等により適宜設定すれば
よい。原則的には前者のモル比が増加すると、スペーサ
ーを導入したときにポリマーの親水化傾向が強くなり水
溶性成分との親和性が高くなり、生体関連物質等の測定
感度を向上させ得るが、測定時に溶出する可能性があ
り、臨床検査分野においては、安全性等が問題となるこ
とがある。又、試薬成分は前者のR1 の部位に結合され
るため、このモル比が増えればポリマー中の試薬濃度を
増加できるので、一般に好ましいが、前述のように溶出
の可能性があり、ポリマー組成にはアクリル酸類の存在
が不可欠である。しかし、アクリル酸類モノマーのモル
比が増加すると疎水化傾向が強くなり、被検体とのぬれ
性が低下し、測定感度が劣化する可能性がある。又、こ
のものは試薬結合部位を持たないので、このモル比が増
えれば試薬濃度が下がるので、測定感度は低下する。更
に、ハロゲン化アルキルスチレンモノマーモル比が増加
すると、特にスペーサーを用いて試薬を固定する場合
は、スペーサーの種類によっては増粘化を起しその後に
行う成膜化処理、試薬固定化処理等に支障をきたすこと
がある。従って、好ましくはハロゲン化アルキルスチレ
ンモノマーとアクリル酸類モノマーとのモル比は3:1
〜1:3である。更に好ましくは2:1〜1:2であ
る。仕込みのモル比がそのまま共重合体の組成とかなら
ずしも一致しないので、通常は各モノマーの反応性の幅
を考慮して、1:1のモル比で重合反応させるのは実用
的である。前述したように、例えばアクリル酸メチルは
メタクリル酸メチルよりも反応性が若干低く、同一条件
下でハロゲン化アルキルスチレンと共重合させれば、繰
り返し単位中に入り込む率が比較的低くなる。
【0023】各モノマーの共重合反応は、一般的な重合
体の製造方法で行うことが出来るが、重合開始剤として
は、過酸化物やアゾ化合物のような非イオン性型の物が
用いられ、特に、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオ
キシド、アゾビスイソブチロニトリルが好ましい。反応
時の温度は25〜100℃で行われるが、好ましくは、
50〜80℃程度が用いられる。反応時間も特に制限は
ないが、一般的には3〜48時間が適当である。反応は
通常、不活性雰囲気中で行う。
【0024】得られた担体ポリマーは重合度にさほど影
響されず、試薬結合不溶性担体として機能する。次に、
1 に必要により適当なスペーサーを用いて試薬を結合
させる。
【0025】本担体ポリマーに結合する試薬は、その結
合態様により2つに分類される。一方は、スペーサーと
して3級アミン類を用いて4級化したものに静電的に結
合するものであり、他方は、アミノ基を持つスペーサー
を介して化学的結合により結合するものである。前出の
特開平4−330298号公報では、静電的結合は専ら
酸塩基指示薬を対象とし、それ以外の試薬については全
く未知であったが、本発明者らは酵素活性物質や免疫活
性物質等も静電的結合により4級アンモニウム化合物に
結合し得ることを見出した。この結合は驚く程に強固で
安定しておりバイオセンサーとして充分なものであっ
た。化学的に結合するものはカルボキシル基含有試薬で
あり、酸アミド結合によりアミノ基末端を有するスペー
サーと結合する。試薬のアミノ基を利用し、カルボニル
基末端を有するスペーサーに結合する前出公報の結合で
は活性や安定性が損なわれる試薬でも、カルボキシル基
により的確に固定できる。たとえばアミノ基を活性中心
に持つ酵素、アミノ基側を抗原結合領域としている抗体
等、アミノ基を介する化学的結合に不向きな成分もカル
ボキシル基を利用して結合することが可能となる。また
本発明では反応の段階数が少ないため、固定化に要する
時間を短縮できる有利な効果がある。
【0026】共通の担体ポリマーを用いて異なる性質を
持つ試薬をそれぞれ固定できるという大きな利点は、そ
れぞれ別個に担体ポリマーに固定した後、それぞれのポ
リマーを容易に混合し一体化することを可能とする。担
体ポリマーが共通しているため均一に結合できるので、
試薬の固定後は混合操作においても解離しない。また、
スペーサー付き担体ポリマーを成膜加工又は別担体へ含
浸させ素子の形態にした後に、複数種の試薬溶液に順次
浸漬するだけでそれぞれの試薬をポリマーに安定に固定
できるという操作上の大きな利点がある。また、各成分
のポリマーへの結合性が同じレベルであれば各成分を単
一の操作で担体ポリマーに固定してもよい。このよう
に、色素と酵素、複数の色素と複数の酵素、複数の蛍光
塗料等、測定に必要な全ての試薬成分が均一に分散した
機能性膜を形成できるので、測定に際して他の成分を加
える必要がない。これは、センサーとして極めて有効な
特徴であり、従来技術ではけっして実現できなかったも
のである。
【0027】本発明では、上記化学的結合によるカルボ
キシル基含有試薬や静電的結合による酵素活性物質や免
疫活性物質の結合の加えて、かかる担体ポリマーと同一
ポリマーを用いる前出特開平4−3302978号公報
で教示されているアミノ基含有試薬をスペーサーを用い
て化学的に結合させたり、酸塩基指示薬を4級アンモニ
ウム化合物を用いて静電的に結合させることができ、多
機能性膜を形成することができる。
【0028】次に、試薬の第1の結合態様である化学的
結合に基づく試薬の結合について説明する。用いること
のできる試薬はA−COOH(Aは主要成分)で示され
るカルボキシル基含有試薬である。即ち、カルボキシル
基を介してR1 に付加されたスペーサーと結合できるも
のであり、基本的にカルボキシル基を有する試薬であれ
ばいずれも結合でき、酵素活性物質や免疫活性物質、生
理活性物質、色原体、緩衝剤物質等が包含される。
【0029】具体的には酵素としてはグルコースオキシ
ダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダー
ゼ、アルカリフォスファターゼ等、免疫活性物質として
は、抗体やその断片、抗原、ハプテン類等が挙げられ
る。上記、試薬において、特開平4−330298号公
報に挙げたアミノ基含有試薬である酵素活性物質や免疫
活性物質等と共通するものは、即ちカルボキシル基とア
ミノ基の両者を有する試薬では、上記公報に記載された
技術又は本発明のいずれによってもポリマーに結合させ
ることができる。しかし、カルボキシル基を利用し結合
させる本発明では、スペーサーをポリマーに結合させる
反応段階数が少なく、またスペーサーであるアミノ基と
試薬のカルボキシル基が直接結合するので、固定化され
る試薬量の制御が簡単な他、固定化量も多くすることが
できる。また、アミノ基を含有せず、カルボキシル基を
含有する試薬、例えば脂肪酸、胆汁酸等においては、本
発明の方法によらなければ容易にかつ安定にポリマーに
結合させることができない。これらの試薬をR1 に結合
させたものは下記式(III)で表わされる。
【0030】 −R1 −Sp −CO−A (III) (式中、R1 は一般式(I)と同じ意味、Sp はアン
モニアあるいはジアミン類からなるスペーサー構造を示
す。) 試薬A−COOHはスペーサー構造を介し化学的結合で
担体ポリマーに結合する。このスペーサー構造はアンモ
ニア又はジアミン類からなり、これをR1に結合させる
ことで末端にアミノ基を有するスペーサー付き担体ポリ
マーとする。このアミノ基と試薬のカルボキシル基を結
合させて一種の酸アミド結合(−CO−NH−)を形成
し結果的に担体ポリマーに試薬を固定することができ
る。
【0031】この反応は、一般にぺプチド合成に使用さ
れているカルボジイミド試薬やウッドワード試薬K等の
ような縮合試薬を利用して、アミノ基とカルボキシル基
との間の結合を行うものである。具体的には、カルボジ
イミド試薬としては、ジシクロヘキシルカルポジイミ
ド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロビル)
カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(2−モル
ホリノエチル)カルボジイミドメト−p−トルエンスル
ホネ−ト等があり、ウッドワード試薬K(N−エチルー
S−フェニルイソオキサゾリウム−3’−スルホネー
ト)、あるいはN−エトキシカルボニル−2−エトキシ
−1,2−ジヒドロキノリン等が使用できる。 前出特
開平4−330298号公報では、第1段階として第一
のアミノ基含有スペーサーのアミノ基を利用してR1
該スペーサーを結合させ、次の第2段階で、該スペーサ
ーのアミノ基と別の第2のカルボニル基含有スペーサー
のカルボニル基を結合させ、このカルボニル基を利用し
て試薬のアミノ基を結合させ、結果的に担体ポリマーに
試薬を固定する方法を採用していたが、この方法ではス
ペーサーが2種類必要でありかつ構造が本発明によるス
ペーサーに比べ複雑なため、スペーサーの導入が本発明
のものに比較して容易でなく、また試薬固定化量も劣
る。
【0032】スペーサーとしては、アンモニアや、エチ
レンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン等のジアミン類を用いることができる。
【0033】次に、試薬の第2の結合態様である静電的
結合のものについて説明する。静電的結合でポリマーに
結合させる試薬は、酵素活性物質および免疫活性物質お
よび/または酸塩基指示薬から選ばれる試薬である。特
開平4−3302978号公報では酸塩基指示薬のみし
か具体的に明示されていなかったが、酵素活性物質や免
疫活性物質も静電的結合により安定にポリマーに結合で
きることが本発明者らによって見出された。これにより
静電的結合のみで、即ち単一のポリマー担体を用いて酸
塩基指示薬と酵素活性物質等を共に結合させ機能性膜を
構成することが可能となる。
【0034】ここで驚くべきことは、上記例で示された
静電的結合による試薬は共通の反応性官能基等を有する
わけではないにもかかわらず、これらをいずれも静電的
に担体ポリマー上に固定できることである。即ち、4級
アンモニウム化合物に配位しやすいような官能基を有し
ていれば、官能基の種類やそれが有する電荷の大きさ、
水可溶性か水難溶性か、更に変色域によらず担持でき
る。静電的結合により、即ち同一スペーサーで色原体と
酵素活性物質等を担持させることができるので、ポリマ
ーの合成、試薬の結合、成膜加工等が極めて容易とな
る。
【0035】静電的に結合できる酵素活性物質として
は、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ウリ
カーゼ等を挙げることができる。また、同じく免疫活性
物質としては、抗体やその断片、抗原、ハプテン類等を
挙げることができる。
【0036】かかる酵素活性物質の中で、カルボキシル
基を含有するものは前述した第1の結合態様である化学
的結合によってもポリマーに結合することができ、また
アミノ基を含有するものは前出特開平4−330297
8号公報に基づいてポリマーに結合することもできる
が、静電的結合の場合は、操作が簡単でその結合条件も
穏やかため、化学結合に比べて活性中心への影響が少な
く、比較的高い残存活性が得られるという利点がある。
担持を目的とする酵素活性物質の性質により、静電的結
合、化学的結合のいずれか適する方を選択でき、更に化
学的結合の場合は、カルボキシル基の結合かアミノ基の
結合かを選択できる。
【0037】酸塩基指示薬は特開平4−3302978
号公報に挙げたものを用いることができる。即ち、水素
イオン濃度の変化に伴い変色する試薬であり、本発明で
はその変色域にかかわらずに用いることができる。即
ち、酸性指示薬及び塩基性指示薬の両者を用い得る。
【0038】フタレイン系指示薬、スルホンフタレイン
系指示薬、ベンゼン系指示薬、アゾ系指示薬、トリフェ
ニルメタン系指示薬、ニトロ系指示薬等を例示できる。
具体的には、チモールブルー、ブロムチモールブルー、
フェノールレッド、クレゾールレッド、フェノールフタ
レイン、クロロフェノールレッド、ブロムフェノールレ
ッド、ブロムクレゾールグリーン、3,4,6,8−テ
トラブロムフェノールスルホンフタレイン、メチルオレ
ンジ、メチルレッド等が挙げられる。
【0039】ここで、静電的に結合するとは、広く静電
的作用を利用してR1 に結合している4級アンモニウム
化合物と結合することをいい、単にイオン結合や 配位
結合による結合様式を意味しない。試薬結合部は一般に
次の式(IV)で示される。
【0040】
【化7】 (式中、R1 及びXは一般式(I)と同じ意味、R4
5 及びR6 はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基、又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル
基、B±は正又は負にチャージした試薬成分、…は静電
的結合を示す。) 式中Xは担体ポリマー由来のものである。4級アンモニ
ウム化合物の導入は例えば担体ポリマーをアセトン等に
溶解しこれに3級アミンを加え室温で1〜48時間程度
反応させればよく、公知技術に基づいて実施できるもの
である。即ち、担体ポリマーを3級アミン等で処理する
と、3級アミンがR1 と反応して共有結合するとともに
4級化し4級アンモニウム化合物として導入される。こ
れが試薬結合のスペーサーとなる。スペーサー部分はカ
チオン性を示し、この構造は強塩基性陰イオン交換樹脂
と同じであり、実際に、4級アンモニウム化合物を導入
した担体ポリマーは陰イオン交換樹脂として機能し得
る。
【0041】この方法の他にも、ハロゲン化アルキルス
チレンにまず4級アンモニウム化合物を導入し、これを
アクリル酸誘導体と共重合させてスペーサーを結合させ
た担体ポリマーを得ることもできる。
【0042】前記式中、R4 ,R5 ,R6 はそれぞれ同
一又は異なるものであり、独立に、水素原子、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec −ブチル基、tert−ブチル基等
の炭素数1〜4のアルキル基、またはヒドロキシメチル
基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒド
ロキシブチル基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル
基を示す。実用的で好ましいものとしては、メチル基、
エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基
等、炭素数の比較的小さいものが反応性が高いのでよ
い。具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、n−プロピルジメチルアミン、メチルエチル−n−
ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルエタ
ノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の3級アミ
ン類を用い得る。
【0043】試薬をスペーサー付担体ポリマーに結合さ
せるには、(イ)スペーサー付担体ポリマーを有機溶媒
中に溶解し、これに試薬を添加し、溶媒中で試薬をスペ
ーサーに結合させた後、所定の形態に成形する方法、
(ロ)スペーサー付担体ポリマーを所定の形態に成形し
た後、試薬含有溶液中に浸漬することでスペーサーに試
薬を結合させる方法に大別できる。いずれも簡単な操作
で分析に必要な試薬を固定化できる利点を有するほか、
特別な雰囲気や高温条件を必要とせずに温和な条件のも
とで固定化できる。酵素、生理活性物質や色原体のよう
に、スペーサー付き担体ポリマーに固定する際、反応温
度を充分低くし、試薬自体が変質等の変化を受けないよ
うにする必要がある試薬を、例えば5℃前後の低温度で
も迅速に試薬を固定化でき、試薬の種類により適宜調整
することができる。分析に必要な試薬はスペーサーを介
して強固に結合しているため、測定時の溶出などは全く
見られない。複数の試薬をポリマー中に固定するには
(i)それぞれの試薬を個別にポリマーに固定し、それ
らを合せて後、所定の形態に成形する方法、(ii)全試
薬の混合物を一度にポリマーに固定してから成膜する方
法、(iii)ポリマーを所定の形態に成形した後、それ
ぞれの試薬液に順次浸漬し固定化する方法がある。試薬
の量の制御、安定性という観点からは上記(i)又は
(iii)が好ましい。これらの方法により、スペーサー
を適宜選定すれば化学的結合、静電的結合の別なくポリ
マーに取込むことができ、また同一スペーサーの付加し
たポリマー中にも複数の試薬を容易にかつ安定に結合さ
せることができるので、極めて多様な機能性素子を形成
することができる。
【0044】ポリマーの加工形態としてはそれ自体を膜
状に成形したものの他、液体吸収性の別の担体(第2の
担体)を用いこれに含浸させた形態とすることもでき
る。これは、試薬を固定化するポリマーが、試薬担持の
ための反応性の高い置換基を繰り返し単位中に有してい
ることの他、ポリマー自身の性質(反応性、相溶性、成
膜性、可塑性等)が優れているためである。即ち、試薬
を固定化した後にセンサーとして用いるためには、いろ
いろな形状に加工可能であることが適用範囲を広げるた
めに大事であるほか、固定化した試薬の溶出がなく、応
答速度が速く、反応が連続的に再現良く行われること等
も必要であるが、ポリマーの膜はそのような条件を十分
に満たしている。
【0045】成膜法とその形態としては次のようなもの
が挙げられる。
【0046】液体試料中の特定成分を分析するために
は、上述したような固定化担体を分析に適する形状に加
工して使用しなければならない。この場合は一般にキャ
ストコーティングと呼ばれている方法で加工するのが望
ましい。キャストコーティングは、平滑な表面に湿潤塗
膜を接触させながら乾燥塗膜を形成させる方法であり、
紙に顔料分散系塗工剤を塗ったり、ビニル分散塗工剤、
ラッカーおよびラテックスをフィルム、織物、箔および
紙に塗工するときに良く用いられているコーティング方
法である。ここでは担体ポリマーとスペーサーをメタノ
ール等の有機溶媒中に溶解し室温で数時間程度反応させ
て結合した後、キャストコーティングで成膜し、そのあ
とから分析に必要な試薬成分を固定化する方法や、全て
の成分を混合したのちに同様に成膜する方法により分析
に適する膜を得ることができる。キャストコートする平
滑な物質としては、透明または不透明な支持体、例え
ば、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン等のフィルムが好ましく用いられるほ
か、テフロンのような非接着性物質も使用される。この
場合は、成膜して乾燥後に剥して使用することが可能で
ある。
【0047】膜厚としては、5〜500μm、通常は2
0〜50μm程度のものがセンサーとして好適である。
キャストコーティングの他にも、ロールコーティング、
スプレーコーティング、ブレードコーティング等も同様
に採用できる。
【0048】また、別の形態として、液体吸収性の第2
の担体に吸収せしめて使用することも可能であるが、第
2の担体としては、濾紙、ガラス繊維、メンブランフィ
ルター、織物、不織布、木材、スポンジ材のような多孔
質材料が好ましい。この場合も、担体ポリマーとスペー
サーを結合させた後に第2の担体に吸収させ、分析に必
要な試薬成分をあとから固定化する方法や、全ての成分
を混合したのちに吸収させる方法のどちらも使用するこ
とができる。この形態では被検体とのぬれ及び接触面積
を改良することができる。なお、成膜の際に公知技術に
基づき膜に可塑性、柔軟性を付与するため各種可塑剤を
添加することができる。可塑剤としては目的とする膜の
性状に応じてリン酸エステル、フタル酸エステル、脂肪
族一塩基酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、二価ア
ルコールエステル、オキシ酸エステル等を用い得る。
【0049】よって、本発明においては、膜状とするか
又は別担体へ含浸させるかの2つの形態を採ることがで
きるので、透過でも反射でもその目的とする分析形態に
応じた担体を選ぶことができ、さらに、その形状も自由
に変えることが可能なため様々な分析法に適用可能であ
る。得られた試薬結合ポリマー成型体は、試料中の特定
成分を分析するための試薬を強固に固定化し、通常の使
用条件で溶出などの問題を起こさない。また、複数の試
薬を同時に結合することも可能なため、測定に必要な成
分をすべて固定化した膜は、本膜を測定しようとする試
料中に置くだけで、他の成分を加えることなく測定する
ことができる。また、本膜は第2の吸収性担体に吸収さ
せて使うこともでき透明性を持っているので、呈色を読
み取る方法としては、透過、反射のいずれでも可能で応
用性が非常に広い。
【0050】以上説明したように、本発明の試薬結合ポ
リマーは、成膜、含浸等加工も非常に容易でそれ自体が
試薬を固定しセンサー素子を構成できるので、試薬と被
検体との接触面積、接触程度が格段に高く、応答反応が
速く、正確であり、かつ、試薬の溶出がほとんどない。
又、酵素と色原体等複数の種類の試薬を一緒にポリマー
中に固定できるので、被検体中への発色剤等の添加は不
要となり、又、被検体中の計測成分は1種に限らず、複
数のものを測定できるよう、相当する試薬を担体ポリマ
ーに均一に一定量固定できるので、多機能性バイオセン
サー、特にオプトロード利用バイオセンサーに極めて有
用である。
【0051】次に、本発明の試薬結合ポリマーを用いた
オプトロード利用のバイオセンサーの概略について説明
するが、該ポリマーの用途はこれに限られるものではな
く、より構造的に単純な簡易測定用の試薬片等にも広く
適用できる。
【0052】原理的には液体試料中の特定成分と接触し
て検知可能な信号を発生する試薬を結合し、膜状等に形
成した試薬結合ポリマー(センサー素子という)を、液
体試料中に存在する特定成分と接触させ、発生する信号
を光学的手段を用いて検知することで、特定成分の計測
を行うというものである。発生する信号としては、発
光、吸収波長、吸光度の変化等として現れるものであ
り、これを公知の光学的手段で計測すればよい。光学手
段としては吸収光強度、透過光強度、反射光強度等の変
化を検知できるものである。液体試料としては、尿、血
清、血漿、全血等、これまでバイオセンサー用試料に用
いられているものをそのまま利用することができる。又
光ファイバーを利用して信号を伝送すれば生体内の体液
を被検体とすることも可能であり、臨床検査分野におい
ては極めて有用である。
【0053】センサーとしては試薬結合ポリマー膜から
成るセンサー素子、発生する信号を伝達する手段、及び
信号の変化を吸収光強度、透過光強度、又は反射光強度
の変化としてとらえる光学的手段を少なくとも有する装
置によりセンサーを構成できる。即ち、センサー素子は
担体に試薬結合ポリマーが含浸されている形態であって
もよく、この場合は被検体を含浸担体に滴下し、被検体
中の特定成分量に応じて発色等が起こるのを反射光度計
等によって計測すればよい。又、光ファイバーを利用す
る形態としては、光ファイバーの先端部に直接センサー
素子膜を形成するか、あるいはセンサー素子膜を内部に
担持したセルを該先端部に装着すれば信号を外へ取り出
すことができる。センサー素子担持用セルを脱着可能と
すればセンサー素子部は、交換可能なヘッドとすること
ができ便利である。光ファイバーを利用した場合も透過
光、反射光のどちらの形式も採ることができる。光ファ
イバーの先端部にセンサー素子を装着した場合は一般に
反射光利用であり、光ファイバーの側面にセンサー素子
を装着した場合は一般に透過光利用である。
【0054】
【実施例】
実施例1 (担体ポリマーの合成)アルカリ水溶液で洗浄したのち
脱水し真空蒸留を行って精製されたメタクリル酸メチル
及びp−クロルメチルスチレンの各単量体を等モルづつ
トルエン中に加え、1%(重量比)のアゾビスイソブチ
ロニトリルを添加した。上記混合物を充分に窒素置換さ
れた反応容器内で、70℃で10時間重合させ、反応終
了後、大量のメタノール中に添加して、メタクリル酸メ
チル/p−クロルメチルスチレン共重合体を得た。 (スペーサー導入1:静電的結合用)上記共重合体をア
セトンに溶解して10%溶液とし、トリエチルアミンを
共重合体に対して30%加えて室温下で24時間反応さ
せた。反応終了後、析出物を濾別して適量のメタノール
に溶解し、この溶液を大量のアセトン中に添加して、強
塩基性イオン交換樹脂の性質を持つ下記式で示させるス
ペーサー付担体ポリマーを得た。
【0055】
【化8】 (スペーサー導入2:化学的結合用)上記共重合体を7
%の濃度になるようにアセトンに溶解し、これにアンモ
ニア水を2%加えて室温で8時問反応させ、その後大量
のメタノール中に添加して析出してきた下記式で示され
るアミノ基導入担体ポリマーを濾別した。
【0056】
【化9】 (グルコース測定センサーの作成)上記スペーサー導入
1で得られたポリマー0.5gを20mlのメタノール
に溶解し、更にスペーサー導入2で得られたポリマー
0.5g、ブロムチモールブルー10mg、アセトン3
0mlを加えて溶解させた。この溶液をガラス繊維(G
A100(アドバンテック))に含浸し、80℃で15
分間乾燥させた。次いでグルコースオキシダーゼ(10
0U/ml)、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホ
リノエチル)カルボジイミドメト−p−トルエンスルホ
ネート(適量)を溶解した0.1Mリン酸緩衝液(pH
6)に入れて4℃で24時間反応させた。得られた酵素
及び色原体固定化ガラス繊維をよく洗浄し、未反応物を
取り除いた後、乾燥した。この操作により、スペーサー
導入1の担体ポリマーにpH指示薬を静電的に結合し、
またスペーサー導入2の担体ポリマーに酵素(グルコー
スオキシダーゼ)のカルボキシル基を化学的に結合した
試薬結合ポリマーを得た。濃度の異なるグルコース溶液
10μlを該ガラス繊維に滴下して5分問反応させ、得
られた呈色をカラーアナライザーで反射光測光を行っ
た。結果は、図1のようにグルコース濃度に応じた反射
率変化を示し、グルコースを感度よく検出できた。 実施例2 (尿酸測定センサーの作製)上記スペーサー導入1で得
られたポリマー0.5gを20mlのメタノールに溶解
し、更にプロムチモールプルー10mgを加えて溶解し
て静電的に担体ポリマーに結合させた。この溶液をキャ
スト法によりポリエチレン上に厚さ20μmに成膜し、
ブロムチモールブルー固定化膜を得た。この固定化膜
を、ウリカーゼ70mgを50mMリン酸緩衝液(pH
7)に溶解した溶液中に入れ、4℃で24時間反応させ
て酵素を固定化した。この操作によりpH指示薬ととも
に酵素(ウリカーゼ)を静電的に結合した試薬結合ポリ
マーを得た。
【0057】該膜を15mmφの大きさに裁断し、セン
サー素子とした。この素子を濃度の異なる尿酸溶液に浸
し、直ちに取り出して10分問放置したところ、濃度に
比例した呈色変化が認められた。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、ハロゲン化アルキ
ルスチレンとアクリル酸類との共重合体の繰り返し単位
中のR1に、スペーサーとしてアンモニアあるいはジア
ミン類を導入することにより、化学的結合(酸アミド結
合)によりカルボキシル基含有試薬を容易に結合させる
ことができるので、簡単な構造でかつ安定的にカルボキ
シル基を含有した酵素活性物質や免疫活性物質等を結合
させたポリマーを得ることができ、更に、4級アンモニ
ウム化合物を該共重合体に導入することにより静電的結
合で酸塩基指示薬ばかりでなく酵素活性物質や免疫活性
物質も結合させることができるので、複数種の試薬がポ
リマーに直接固定された多機能性ポリマーとすることが
できる。 また、該共重合体のモノマーのモル比を3:
1〜1:3の範囲とすることにより、親水性で試薬結合
部位を有するモノマーと疎水性で試薬結合部位を有しな
いモノマーとの割合が適当となるので、生体関連物質を
測定するのに適した親水性、試薬の耐溶出性、ポリマー
の加工性等を得ることができる。
【0059】また、カルボキシル基含有試薬を酵素活性
物質や免疫活性物質から選定することにより、生体関連
物質を測定する上で極めて有用なものを採用することが
できるので、バイオセンサーとして広範な利用が可能で
ある。
【0060】また、試薬結合ポリマー膜や試薬結合ポリ
マー担持体とすることにより、所望により膜状や別担体
に含浸させた形態とすることができるので、種々の使用
場面に対応できるセンサーを構成することができる。
【0061】また、カルボキシ基含有試薬の結合におい
て、共重合体にアミノ基を導入し、好ましくはカルボジ
イミド試薬またはウッドワード試薬K等の縮合試薬を用
いて、酸アミド結合により試薬のカルボキシル基をスペ
ーサーのアミノ基と結合させるので、試薬の結合を容易
にかつ確実に行うことができる。
【0062】また、まず静電的結合用のスペーサー付き
ポリマーに酸塩基指示薬を付加し、続いて化学的結合用
のスペーサー付きポリマーと混合するか又は混合しない
で成膜し又は担体に含浸させ、次にカルボキシル基含有
試薬および/または酵素活性物質および免疫活性物質か
ら選ばれた試薬を結合させることにより、多種類の試薬
を定量的にかつ安定的に膜または担体に担持させること
ができる。
【0063】このように、本発明の試薬結合ポリマー
は、成膜、含浸等加工も非常に容易でそれ自体が試薬を
固定しセンサー素子を構成できるので、試薬と被検体と
の接触面積、接触程度が格段に高く、応答反応が速く、
正確であり、かつ、試薬の溶出がほとんどない。又、酵
素と色原体等複数の種類の試薬を一緒にポリマー中に固
定できるので、被検体中への発色剤等の添加は不要とな
る。又、被検体中の計測成分は1種に限らず、複数のも
のを測定できるよう、相当する試薬を担体ポリマーに均
一に一定量固定できるので、多機能性バイオセンサー、
特にオプトロード利用バイオセンサーに極めて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製したグルコース測定センサーに
よる、各グルコース濃度における反射率変化と波長との
関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 81/02 C12M 1/00 Z G01N 27/327

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される構造を有す
    るハロゲン化アルキルスチレンと下記一般式(II)で表
    されるアクリル酸類との共重合体を不溶性担体とし、こ
    の共重合体の繰り返し単位中のR1に試薬を結合させて
    なる試薬結合ポリマーにおいて、(a)A−COOH
    (Aは主要部分)で表されるカルボキシル基含有試薬が
    結合した下記式(III)で表わされる試薬結合部、およ
    び/または(b)酵素活性物質および免疫活性物質から
    選択された試薬が結合した下記式(IV)で表わされる試
    薬結合部、または更に前記試薬結合部に加え(c)酸塩
    基指示薬が結合した下記式(IV)で表わされる試薬結合
    部、を有することを特徴とする試薬結合ポリマー。 【化1】 【化2】 (式中、Xはハロゲン、R1 はベンゼン環の任意の位置
    をとり得る炭素数1〜4のアルキレン基、R2 及びR3
    はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基
    を示す。) −R1−Sp−CO−A (III) (式中、R1は一般式(I)と同じ意味、Spはアンモ
    ニアまたはジアミン類からなるスペーサー構造を示
    す。) 【化3】 (式中、R1およびXは一般式(I)と同じ意味、R4
    5、R6はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のア
    ルキル基、又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、
    B±は正または負にチャージした試薬成分、…は静電的
    結合を示す。)
  2. 【請求項2】 共重合体が、一般式(I)で表わされる
    モノマーと一般式(II)で表わされるモノマーとのモル
    比が3:1〜1:3の範囲で得られたものである請求項
    1記載の試薬結合ポリマー。
  3. 【請求項3】 カルボキシル基含有試薬が、酵素活性物
    質および免疫活性物質から選ばれる請求項1記載の試薬
    結合ポリマー。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の試薬結合ポリマーを成膜
    してなる試薬結合ポリマー膜。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の試薬結合ポリマーを液体
    吸収性の別の担体に含浸させてなる試薬結合ポリマー担
    持体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の試薬結合ポリマーを調製
    する方法であって、一般式(I)で表される構造を有す
    るハロゲン化アルキルスチレンと一般式(II)で表され
    るアクリル酸類との共重合体を不溶性担体とし、この共
    重合体の繰り返し単位中のR1に、(a)アンモニアま
    たはジアミン類からなるスペーサーを結合させ末端にア
    ミノ基を導入し、次にA−COOH(Aは主要部分)で
    表されるカルボキシル基含有試薬のカルボキシル基と該
    アミノ基を結合させることにより式(III)で表わされ
    る試薬結合部を形成し、又は(b)3級アミンを結合さ
    せて4級化しこれをスペーサーとして、次に酵素活性物
    質および免疫活性物質および/または酸塩基指示薬から
    選択された試薬を付加することにより式(IV)で表わさ
    れる試薬結合部を形成することを特徴とする試薬結合ポ
    リマー調製方法。
  7. 【請求項7】 スペーサーのアミノ基と試薬のカルボキ
    シル基の結合が、縮合試薬としてカルボジイミド試薬ま
    たはウッドワード試薬Kを用いて形成される請求項6記
    載の試薬結合ポリマー調製方法。
  8. 【請求項8】 スペーサー付担体ポリマーを有機溶媒中
    に溶解し、これに試薬を添加し、溶媒中で該試薬をスペ
    ーサーに結合させた後、成膜し又は別担体に含浸させ試
    薬結合部を形成するか、またはスペーサー付担体ポリマ
    ーを成膜し又は別担体に含浸させた後、試薬含有溶液中
    に浸漬することでスペーサーに該試薬を結合させ試薬結
    合部を形成する請求項6記載の試薬結合ポリマー調製方
    法。
JP5153743A 1993-06-24 1993-06-24 試薬結合ポリマーおよびその調製方法 Pending JPH0727766A (ja)

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