JPH07278644A - 高クロム高マンガン溶融合金鉄の脱りん方法 - Google Patents

高クロム高マンガン溶融合金鉄の脱りん方法

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JPH07278644A
JPH07278644A JP6925994A JP6925994A JPH07278644A JP H07278644 A JPH07278644 A JP H07278644A JP 6925994 A JP6925994 A JP 6925994A JP 6925994 A JP6925994 A JP 6925994A JP H07278644 A JPH07278644 A JP H07278644A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高Cr高Mn溶鉄の脱P方法を提供する。 【構成】Crを2%以上、Mnを2%以上含む溶鉄に、 Ba
O、BaCO3 、Ba(OH)2及びBaSO4 の1種以上が BaO換算で
20〜90%、BaCl2 及びBaF2の1種以上が20〜80%からな
る混合物に、更にその100 重量部に対してCr酸化物、Mn
酸化物、Fe酸化物及び酸化性ガスの1種以上を10〜30重
量部混合した脱P用添加剤を添加する高Cr高Mn溶鉄の脱
P方法。 【効果】約40〜70%の脱P率が達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高Cr高Mn溶融合金鉄か
ら不純物のりん(P)を効果的に除去する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高Mn鋼は、Niを含有するオーステナイト
系ステンレス鋼に比べ、低コスト、高強度、低透磁率で
あるという利点を有しており、近年、磁気浮上鉄道、核
融合装置、消磁装置、電気機器などの部材に用いる非磁
性鋼、構造用鋼、耐摩耗鋼としてその用途が拡大してい
る。
【0003】さらに近年では、その高Mn鋼の耐食性を改
善すべく、Crを2重量%以上含有する高Mn鋼も研究さ
れ、例えば、18%Cr15%Mn鋼のような高Cr高Mn鋼の需要
が増加している。
【0004】一般に高Cr高Mn鋼中のPは、熱間加工性お
よび溶融割れ性に悪影響を及ぼす有害成分である。高Cr
高Mn鋼の製造においては、Cr源およびMn源としてPを多
く含有するフェロクロムおよびフェロマンガンを〔P〕
規格の許容する限り添加し(あるいは、場合により
〔C〕規格の許容する限り添加することもあるが)、残
りのCr分およびMn分を金属Crおよび金属Mnで補充するこ
とにより、〔P〕規格を満足させるのが常である。
【0005】しかしこの方法では、高価な金属Crおよび
金属Mnを多量に使用するので、溶製コストが高くなる。
より安価に高Cr高Mn鋼を溶製するためには、大部分のCr
分およびMn分を安価なフェロクロムおよびフェロマンガ
ンにより供給し、高Cr高Mn溶融合金鉄(以下、溶融合金
鉄を溶鉄という)を脱りん(以下、脱Pと記す)精錬す
ることができる技術の確立が不可欠となる。
【0006】CrまたはMnを含む溶鉄の脱Pについては、
溶鉄表面に脱P精錬用添加剤を添加して脱P能を有する
スラグを形成し、機械的攪拌またはガスバブリングによ
り攪拌を与えて脱Pを行う、次のような技術が開示され
ている。
【0007】Crを含む溶鉄については、特開昭58−3101
1 号公報に BaO−BaCl2 −Cr酸化物系脱P用添加剤によ
る脱P方法、特開昭59−47349 号公報に BaCO3−BaCl2
系脱P用添加剤による脱P方法が示されている。
【0008】Mnを含む溶鉄については、特開昭62−3081
0 、特開昭61−272312、特開昭62−227063または特開平
2−267211の各号公報には、上記特開昭59−47349 号公
報の方法と同じ原理で、BaO 、BaCO3 、BaCl2 、Ba(OH)
2 などによる脱Pが可能であることが示されている。
【0009】すなわち、上記の各号公報に示される脱P
の原理は、下記 (1)式に示すようにCrまたはMnを酸化し
ない程度の弱い酸化力 (固体酸化物からの酸素または酸
素ガス) で溶鉄中のPを酸化し、次に下記 (2)式に示す
ように、転炉スラグ中の CaOよりも著しく強い塩基性酸
化物であるBaO により、脱P生成物である酸性酸化物P2
O5をスラグ中で安定化させることにより、溶鉄のPを除
去するというものである。
【0010】 2〔P〕+5〔O〕→ (P2O5) ・・・・・・(1) (P2O5)+3(BaO) → (3BaO ・ P2O5) ・・・(2) BaCO3 、BaCl2 、Ba(OH)2 などは、反応後 BaOを含むス
ラグとなるものであり、これらは BaO系フラックス、ス
ラグは BaO系スラグと総称される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来の技術に
は、CrとMnを同時に高濃度で含有する溶鉄の場合に、Cr
やMnを損失させることなくPを効果的に除去する方法
は、何ら示されておらず、その最適な脱りん方法の開発
が望まれている。
【0012】本発明の目的は、高Cr高Mn溶融合金鉄を対
象とする好適な脱P方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の脱P
方法にある。
【0014】重量%で、Crを2%以上、Mnを2%以上含
む溶鉄に、 BaO、BaCO3 、Ba(OH)2およびBaSO4 の1種
以上が BaO換算で20〜90%、BaCl2 およびBaF2の1種以
上が20〜80%からなる混合物に、さらにその100 重量部
に対してCr酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物および酸化性ガ
スの1種以上を10〜30重量部混合した脱P用添加剤を添
加することを特徴とする高Cr高Mn溶融合金鉄の脱P方
法。
【0015】脱P用添加剤は、BaO 系フラックスの1種
以上に、媒溶剤としてBaCl2 およびBaF2の1種以上およ
び更にMn、Crの酸化を抑制すべく酸化剤としてMn、Crま
たはFeの酸化物もしくは酸化性ガスの1種以上をそれぞ
れ配合して使用する。
【0016】
【作用】本発明方法が脱Pの対象とする溶鉄は、〔C
r〕、〔Mn〕がともに2%以上の高Cr高Mn溶鉄であり、
例えばMn:2〜30%の高マンガン鋼で、MnのほかにCr:
2%以上とその他の合金元素を含む鋼を溶製するための
溶鉄である。これは、Mn源、Cr源として主に安価なフェ
ロマンガン、フェロクロムを使用して、電気炉、転炉な
どにより通常の方法で溶製される。
【0017】このような溶鉄を、炉底から攪拌ガスを導
入できる炉または取鍋のような容器に収容し、脱P用添
加剤をインジョクション法または上置き法などで添加し
て脱P反応を行わせる。なお、容器としては、ガス吹込
ランスやインペラー攪拌装置を備えた取鍋やAOD炉の
ような精錬炉も使用できる。
【0018】本発明の方法で用いる脱P用添加剤は、Ba
O 系フラックス、媒溶剤および酸化剤の3種類の成分か
らなる。すなわち、強塩基性酸化物であって脱P能を有
するBaO あるいは高温でBaO を生成する化合物であるBa
CO3 、Ba(OH)2 、BaSO4 の少なくとも1種の BaO系フラ
ックスと、BaCl2 とBaF2の少なくとも1 種の媒溶剤とか
らなる混合物をベース(以下、 BaO系フラックスと媒溶
剤とからなる混合物をベース混合物という)として、こ
のベース混合物にさらに前記(1) 式によりPを酸化させ
る酸化剤としてMn酸化物、Cr酸化物、Fe酸化物および酸
素などに代表される酸化性ガスの1種以上を配合したも
のである。
【0019】本発明の方法で用いる脱P用添加剤の組成
を、前記のように定めた理由について説明する。%は重
量%を意味する。
【0020】(1) ベース混合物中のBaO について:図1
は、〔C〕=3%、〔Cr〕=18%、〔Mn〕=15%の溶鉄
を脱P処理した場合の、スラグ中の(BaO) 濃度と脱P率
との関係の一例を示す図である。脱P率 (%) とは、下
記の式で定義されるものである。
【0021】 脱P前の溶鉄の〔P〕−脱P後の溶鉄の〔P〕 × 100 脱P前の溶鉄の〔P〕 脱P処理は、2kgの上記高Cr高Mn溶鉄を高周波炉で大
気溶解し、1400℃に維持しながら、BaO とBaCl2 を配合
したベース混合物に、さらにMn酸化物とCr酸化物を配合
した脱P用添加剤を溶鉄の上方から添加し、Arガスでバ
ブリングしながら30分間行った。
【0022】溶鉄中の〔P〕は、先に記した (1)式と
(2)式にしたがって反応してスラグ中に移行し、およそ
0.060〜0.100 %の初期値から 0.020〜0.050 %程度ま
で低下した。
【0023】図示するとおり、(BaO) が60%までは(Ba
O) が上昇するにつれ、脱P率は向上する。これは、(Ba
O) が高いほどスラグの塩基度が高くなり、酸性酸化物
であるP2O5がスラグ中で安定化されるためである。しか
し、(BaO) が60%を超えると脱P率はむしろ低下する傾
向にある。これは、(BaO) が高いほどスラグの粘性が高
くなるため、脱Pが物理的に進行しにくくなるためと考
えられる。
【0024】以上の結果から、(BaO) は20〜90%、より
望ましくは40〜80%の範囲にするのがよいことが明らか
であり、よって、ベース混合物中のBaO の範囲は20〜90
%とした。
【0025】BaO 系フラックスの成分としては、BaO の
他に、反応後BaO を生成する BaCO3、Ba(OH)2 、BaSO4
を使用することができる。BaO に替え、あるいはBaO と
ともに、BaCO3 、Ba(OH)2 、BaSO4 を使用する場合も、
BaO に換算した値またはその和が上記の範囲になるよう
に配合量を調整すればよい。
【0026】(2) ベース混合物中のBaCl2 、BaF2につい
て:BaCl2とBaF2は、いずれもスラグ中に残存してスラ
グの融点を下げ、滓化を促進し、脱P反応を速やかに進
行させるための媒溶剤として作用する成分であり、いず
れかの一方または両方を選んで20〜80%の範囲で配合す
る必要がある。
【0027】その配合量の上限80%は、脱P能を有する
前記の (BaO)をスラグ中に少なくとも20%以上確保する
ために必要な値である。媒溶剤の比率が80%を超える
と、 (BaO)濃度が低下しすぎ、脱P率が低下する。一
方、下限20%は、脱P処理においてスラグに十分な流動
性を与え、脱Pを促進させるために必要な値である。す
なわち、媒溶剤の比率が20%未満であるか、または80%
を超えると、脱P効率が低下する。
【0028】(3) 脱P用添加剤中の酸化剤について:上
記の組成を有するベース混合物に、さらにPを酸化させ
るための酸化剤を配合して本発明の方法で用いる脱P用
添加剤とする。
【0029】酸化剤としては、溶鉄中の有価金属である
Cr、Mnを酸化させないような、酸素ガスよりも弱い酸化
力を有し、かつ BaO系スラグ中の(MnO) 、(Cr2O3) を脱
P処理の初期から高位に維持することができるMn酸化
物、Cr酸化物の1種または2種を使用することが望まし
い。
【0030】しかし、MnあるいはCrの損失を若干許容す
る場合については、 Mn酸化物とCr酸化物のいずれかに、安価で一般的なFe
酸化物または酸素などに代表される酸化性ガス Mn酸化物とCr酸化物の両方に、Fe酸化物または酸素な
どに代表される酸化性ガス を配合することも何ら問題ない。
【0031】前記のベース混合物に対する酸化剤の適正
配合率は、ベース混合物 100重量部に対して10〜30重量
部である。ここで、ベース混合物 100重量部とは、 Ba
O、BaCO3 、Ba(OH)2 およびBaSO4 の1種以上からなる
BaO系フラックスにおいて BaO換算した重量の和と、BaC
l2 とBaF2の1種以上からなる媒溶剤の重量の和の総和
を 100としたものである。
【0032】酸化剤の適正配合率を上記の範囲に限定し
た理由を、図2および図3に基づいて説明する。
【0033】図2は、脱P用添加剤のベース混合物の組
成と酸化剤の配合率を一定とした場合の、酸化剤中のMn
酸化物とCr酸化物の配合率と、脱P処理前後の溶鉄中の
〔Mn〕、〔Cr〕の変化との関係の一例を示す図である。
溶鉄の成分および温度条件は図1の場合と同様である。
【0034】図示するように、酸化剤中のMn酸化物の配
合率を20〜80%にすることで、Mn、Crの損失を抑制でき
ることがわかる。
【0035】図3は、脱P用添加剤のベース混合物の組
成を一定とした場合の、酸化剤の配合率と脱P率との関
係の一例を示す図である。溶鉄の成分および温度条件は
図1の場合と同様である。
【0036】図示するように、平均で約40%以上の脱P
率を得るためには、酸化剤の合計配合率は10〜30重量部
とする必要があることがわかる。ここで下限は脱Pに必
要な最低限の酸化力を得る値、上限は脱P用添加剤の流
動性を確保し、脱Pを物理的に促進せしめる値である。
【0037】上記の BaO系フラックスと媒溶剤とからな
るベース混合物の添加量は、処理する溶鉄のP含有量、
脱燐後の目標P含有量、その他の諸条件から決定される
が、およそ溶鉄1トン当たり20〜120kg 、通常は50〜10
0kg の範囲でよい。
【0038】脱燐用添加剤の溶鉄への添加方法として
は、粒あるいは塊状のものを浴面に上置きする方法でも
よいが、粉体状の脱P用添加剤を溶鉄中に適当なガスで
吹き込むインジェクション法によれば良好な脱燐効果が
得られる。この場合の粉体の粒径は50〜200 μmの範囲
とするのが望ましい。この粒径の上限と下限は、粉体を
キャリアーガスにより円滑に輸送できる最小、最大の粒
径である。酸化剤として酸化性ガスを用いる場合は、酸
化性ガスと不活性ガスとの混合ガスをインジェクション
用のキャリアーガスとするのがよい。
【0039】脱P処理温度は、前述の (1)式の反応が発
熱反応であり、耐火物の溶損を少なくするために、でき
るだけ低温であることが望ましい。
【0040】
【実施例】表1および表2に示す成分を有する高Cr高Mn
溶鉄を50トン電気炉で大気溶解し、50トンAOD炉に注
銑した約1600℃の溶鉄に、同表に示す組成の塊状の脱P
用添加剤(粒径10〜50mm)を上置き法で添加し、横底吹
き羽口からArガスを10分間吹込むバブリング処理により
攪拌した。脱P処理前後の成分の変化と脱P率を表1お
よび表2に併せて示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】本発明の方法による脱P処理では、いずれ
も処理後の〔P〕は低値であり、脱P率は約40〜70%が
達成された。比較例1、2に示すように、ベース混合物
中の(BaO) 換算値が20〜90重量%の範囲を外れている場
合、および比較例3、4に示すように、酸化剤の配合率
がベース混合物の 100重量部に対して10〜30重量部の範
囲を外れている場合については、いずれも到達〔P〕、
脱P率ともに不良であった。
【0044】
【発明の効果】本発明方法によれば、高Cr高Mn溶鉄から
不純物のPを効果的に除去することができ、約40〜70%
の脱P率が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】〔C〕=3%、〔Cr〕=18%、〔Mn〕=15%の
溶鉄を、本発明方法(上置き法) で脱P処理した場合
の、スラグ中の(BaO) 濃度と脱P率との関係の一例を示
す図である。
【図2】同じく、酸化剤中のMn酸化物とCr酸化物の配合
率と、脱P処理前後の溶鉄中の〔Mn〕、〔Cr〕の変化と
の関係の一例を示す図である。
【図3】同じく、酸化剤の配合率と脱P率との関係の一
例を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、Crを2%以上、Mnを2%以上含
    有する溶融合金鉄に、 BaO、BaCO3、Ba(OH)2 およびBaS
    O4 の1種以上が BaO換算で20〜90%、BaCl2 およびBaF
    2の1種以上が20〜80%からなる混合物に、さらにその1
    00 重量部に対してCr酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物およ
    び酸化性ガスの1種以上を10〜30重量部混合した脱りん
    用添加剤を添加することを特徴とする高Cr高Mn溶融合金
    鉄の脱りん方法。
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