JPH07284623A - 放散ガスに含まれる濃厚なガス状炭化水素の処理・回収方法 - Google Patents

放散ガスに含まれる濃厚なガス状炭化水素の処理・回収方法

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JPH07284623A
JPH07284623A JP7023377A JP2337795A JPH07284623A JP H07284623 A JPH07284623 A JP H07284623A JP 7023377 A JP7023377 A JP 7023377A JP 2337795 A JP2337795 A JP 2337795A JP H07284623 A JPH07284623 A JP H07284623A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 濃厚なガス状炭化水素含有放散ガスを処理
し、炭化水素濃度を1VOL%以下で大気中に放出し、同
時に該炭化水素を回収する方法を提供すること。 【構成】 公知の吸収法又はガス分離膜法と吸着法とを
併用するにあたり、吸着法として真空加熱再生吸着法(P
TSA法)を採用すること。具体的には、約40VOL%のガソ
リン蒸気を含む放散ガスを吸収塔3に導入し、2〜5VOL
%のガソリン蒸気含有ガス(排気ガス8)を排出させる。
次に、この排気ガス8を吸着塔11(12)に送り、ここで残
余のガソリンを吸着除去し、ガソリン濃度を1VOL%以
下にして大気中に放出する。上記吸着塔11(12)の除熱の
ため水を用い、この水の真空度を吸着層内の温度に連動
させることにより、吸着層内の温度を約60℃に設定する
PTSA法を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、濃厚なガス状炭化水素
を含んだままの状態で放散されるガスの処理、並びに該
ガス状炭化水素の補集・回収方法に関する。特に本発明
は、光化学スモックの原因物質の一つであるガス状炭化
水素の濃度を1VOL%以下にして大気中に放出するため
の工業的手段に係る、放散ガスに含まれる濃厚なガス状
炭化水素の処理・回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大気汚染の原因の一つである光化学スモ
ックがNOXとガス状炭化水素の反応によって生じるこ
とは、従来から知られている。このため、以前から日
本、米国、欧州をはじめとする先進国、最近では台湾、
メキシコ、中国、韓国等にいたるまで、発生源の要因と
なるNOX及び大気中に含まれる揮発性炭化水素の排出
濃度を法的に厳しく規制しており、この規則値をクリヤ
−するための工業的規模の装置が各地に多数設置されて
いる。
【0003】ところで、ガス状炭化水素の発生源として
特に問題視されているのは、揮発性炭化水素類を貯蔵す
る際の荷揚げ時や積み卸し時に貯蔵タンク又は油槽船か
ら発生する放散ガスであり、また、タンクロ−リ−に積
む時にロ−リ−車から発生する放散ガスである。
【0004】このようなガス状炭化水素含有放散ガスの
処理・回収法として、従来から広く用いられているの
は、(1) 特公昭54−8632号公報、特公昭54−5789号公
報、特公昭58−022503号公報等に記載の手段による吸収
法、(2) ガス分離膜を用いる方法(ガス分離膜法)、(3)
−60〜−70℃に深冷して液化する方法、(4) 活性炭や合
成ゼオライトを用いる吸着法、である。
【0005】上記(1)〜(4)の方法のうち、(1)の吸収法
によるガス状炭化水素含有放散ガスの処理・回収法は、
日本ではもっとも広く使用されている方法である。この
吸収法による処理・回収法について、以下説明すると、
この方法は、 ・吸収塔にガス状炭化水素含有放散ガスを導入し、該放
散ガスと有機液体の吸収液とを向流的に気液接触せし
め、放散ガス中のガス状炭化水素を吸収液に吸収させる
工程、 ・吸収後のガスを吸収塔の頂部から大気中に放出する工
程、 ・ガス状炭化水素を吸収した吸収液を真空容器中にフラ
ッシュ蒸発させ、該吸収液からガス状炭化水素を分離・
回収する工程、 ・分離・回収後の吸収液を再度吸収塔に戻し、循環使用
する工程、 を含む方法である(前掲の特公昭58−022503号公報参
照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の“吸収法に
よるガス状炭化水素含有放散ガスの処理・回収法”で
は、吸収塔の頂部から大気中に放散されるガス状炭化水
素の濃度は、真空容器の真空度によって決定される。従
って、吸収塔頂部から大気中に放出されるガス状炭化水
素濃度を、例えば日本の各都府県が制定した公害防止条
例に基づいて5VOL%以下にするためには、30mmHg以下
の真空度に保持する必要がある。
【0007】ところで、日本を除く欧米先進国、台湾、
メキシコ等の諸国では、米国の環境保護局(EPA)が定
めた1VOL%以下(38mg/L以下)の排出濃度にすることを
義務づけられている。この規制値をクリヤ−するために
は、前記(1)の吸収法を例に取れば、真空容器の真空度
を7mmHg以下にする必要があり、特に配管中を流れる吸
収液の抵抗ロスを考慮すると2mmHgないしはそれ以下に
する必要がある。
【0008】しかしながら、このような真空度で操作す
る場合、吸収液自身も一部蒸発し、循環使用に耐えられ
ない。一方、2mmHg程度の高真空で、しかも100〜2000
m3/Hrの大量の放散ガスを処理する真空ポンプは見当
らない。従って、前記(1)の吸収法では、放散ガス中の
炭化水素濃度を1VOL%以下にすることは至難であり、
未だに実現されていない。
【0009】また、前記(2)のガス分離膜を用いる方法
(ガス分離膜法)についても同様であって、放散ガス中の
炭化水素濃度を1VOL%以下にする技術は、未だ完成さ
れていない。
【0010】一方、前記(3)の−60〜−70℃に深冷して
液化する方法では、露点に達する迄はガス状炭化水素は
液化しない。例えば、放散ガス中の炭化水素の濃度が50
〜100VOL%の場合、その中のメタン、エタン、プロパン
等の軽い成分が少量であれば、−70℃以下に深冷すれば
辛うじてメタン、エタンを除いて露点に達し、1VOL%
をキ−プできる可能性がある。
【0011】しかしながら、放散ガス中の炭化水素濃度
は、この炭化水素(ガソリン等)の貯蔵又は出荷の場合を
例にとれば通常5〜50VOL%である。そして、ガソリンの
場合についていえば、−100℃近くまで深冷しないと1V
OL%以下をキ−プできない。なお、−70℃程度であれば
冷媒としてメチルクロライドが使用できるが、最近その
毒性が問題になっており、まして−100℃を達成できる
冷媒として経済的に使用可能なものが見当らない。
【0012】従って、放散ガス中の炭化水素濃度を1VO
L%以下にキ−プし得る方法としては、現状では、前記
(4)の活性炭や合成ゼオライトを用いる吸着法である
が、この方法においても以下のような問題がある。即
ち、活性炭を用いてガス状炭化水素を吸着させる場合の
吸着熱は、ガソリンベ−パ−を例にとれば、10〜15KCAL
/モルであり、このガス量(ガソリン量)が多いと発生す
る吸着熱は莫大な量となる。このため、活性炭吸着塔の
温度が上昇し、しばしば発火する事故が生じる。
【0013】この事故を防止する手段として、(A)吸着
塔に導入する放散ガスに空気を混合し、単位時間当りの
吸着熱を減少させ、該吸着塔の温度上昇を約60℃以内に
保持することが考えられる。しかしながら、放散ガスに
わざわざ空気で薄めることは、不経済であり、しかも空
気の混合による被処理ガスの増加量に比例して吸着塔及
び付属装置が大きくなり、経済的に成立しない。
【0014】また、(B)吸着塔を水で冷却し、除熱する
ことも考えられるが、冷却水を使用してもこの水の潜熱
しか利用できないので、さほどの冷却効果は期待できな
いものである。なお、冷却面積を大きくすることも、単
に冷却効果のみの理由で吸着塔を必要以上に大きくする
ことは、経済的ではない。
【0015】更に、(C)四塩化炭素のような沸点の低い
不燃性の冷媒による除熱方法も考えられるが、この方法
を採用すると、吸着熱を奪って蒸発した四塩化炭素を大
気中に放出することができず、この四塩化炭素ベ−パ−
を沸点以下に冷却して再度元の液体四塩化炭素に戻す必
要があり、この方法も経済的でない。
【0016】一方、活性炭吸着塔の除熱手段として、蒸
発潜熱の大きな液状炭化水素(例えば液体ガソリン)を冷
媒として使用する方法が開発されており、諸外国で広く
採用されている。この方法は、吸着塔の内外部に液状炭
化水素の通路を配設し、この中に液状炭化水素を通し、
その蒸発潜熱を利用して熱除去を行い、蒸発した炭化水
素ガスを同種の液体炭化水素で洗浄して回収する方法で
ある。
【0017】上記方法は、冷却水を使用する場合に比し
て冷却効果が優れているが、若し液体炭化水素の通路が
破損した場合、火災事故につながる恐れがあり、このた
め、家屋から遠く離して設置する必要があるという欠点
を有している。なお、この方法は、日本では許可されて
いない。
【0018】また、吸着塔の操作方法としては、吸着工
程及び脱着工程を交互に切り換えながら運転するのが一
般的である。この方法として、 ・PSA(Pressure Swing Adsorption)サイクル方式、 ・TSA(Temperature Swing Adsorption)サイクル方
式、 が従来より知られている。
【0019】PSAサイクル方式とは、脱着工程におけ
るパ−ジガスとしてスチ−ムを用いる方法であるが、こ
の方法の欠点は、連続向流接触が難しいため、操作が非
定常化し、また、パ−ジガス中のN2、O2が一部吸着
し、吸着能の低下が生じ、その結果として吸着帯の一部
分でしか仕事をしないので効率が悪い。また、この方法
では、組み立てたままの状態で現地に設置できること、
いわゆる“スキットマウント”ができないという欠点も
有している。
【0020】上記PSAサイクル方式の改良型であるT
SAサイクル方式は、脱着手段として電熱加熱などを用
いて加熱する方法であるが、この方法では、脱着は加熱
によって行われるので、吸着塔全体を加温、冷却する結
果になり、熱の損失が多く、伝熱に長時間を要する欠点
を有している。
【0021】ところで、ガス状炭化水素の濃度が1VOL
%以下の希薄な放散ガスの処理法については、公知の活
性炭や合成ゼオライトを用いる吸着法が有効であり、こ
のような低濃度の放散ガス処理法としてこの吸着法が一
般的であが、濃厚なガス状炭化水素を含む100m3/Hr以
上の放散ガスを処理し、該ガスから効率よく炭化水素を
回収し、且つ大気中に排出するガス中の残存濃度を1VO
L%以下にするという経済的な方法が現存しない。
【0022】本発明は、上記点に鑑み成されたものであ
って、その目的は、濃厚なガス状炭化水素含有放散ガス
を処理し、該ガス状炭化水素を補集・回収する方法にお
いて、該放散ガスから効率よく炭化水素を回収すると共
に、大気中に排出するガス中の残存濃度を1VOL%以下
にし得る、濃厚なガス状炭化水素含有放散ガスの処理・
回収方法を提供することにある。また、本発明の目的
は、光化学スモックの原因物質の一つであるガス状炭化
水素の濃度を1VOL%以下にして放出するための工業的
手段を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、公知の吸収法又はガス分離膜法と吸着法と
を併用するにあたり、吸着法として新規な真空加熱再生
吸着法(PTSA法)を採用することを特徴とする。
【0024】即ち、本発明は、「濃厚なガス状炭化水素
を含む放散ガスを処理し、上記ガス状炭化水素を回収す
る方法において、吸収法又はガス分離膜法と真空加熱再
生吸着法とを組み合せることを特徴とする放散ガスに含
まれる濃厚なガス状炭化水素の処理・回収方法。」を要
旨とする。
【0025】また、本発明は、前記真空加熱再生吸着法
(PTSA法)を採用するに当って、吸着装置として ・吸着層内部に減圧水を導入する内筒、管あるいはコイ
ルを埋設した吸着装置を使用し、及び/又は、 ・ジャケットにコイルを巻き付け或いはジャケット内に
該減圧水を供給する吸着装置を使用し、そして、上記減
圧水として大気圧以下(望ましくは約150mmHg)の蒸気圧
を持つ減圧水により、吸着層内部の温度を80℃以下(望
ましくは約60℃)に保持するようにした。
【0026】更に、本発明は、吸着熱の発生によって生
じる吸着層内部の温度上昇をコントロ−ルする手段とし
て、循環水の循環経路内に真空装置を配設し、循環水の
蒸気圧、即ち真空度を任意に変えるようにした。
【0027】本発明は、上記構成により、これまで実現
が困難であった「濃厚なガス状炭化水素を含む放散ガス
を処理し、大気中に排出するガス中の残存炭化水素濃度
を1VOL%以下にする」ことが容易に、しかも小型装置
により実施することができるものである。
【0028】以下、本発明を詳細に説明する。本発明者
等は、濃厚なガス状炭化水素の分離に広く使われている
吸収法又はガス分離膜法と、希薄なガス状炭化水素の分
離に広く使われている吸着法のそれぞれの長所を考慮に
入れながら、その欠点を克服することを技術的課題とし
て鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成したものであ
る。
【0029】即ち、公知の吸収法又はガス分離膜法は、
濃厚なガス状炭化水素を含む放散ガスを処理するのに好
適であるが、前記したとおり、放散ガス中の炭化水素濃
度を1VOL%以下にする技術は完成されていない。な
お、この吸収法又はガス分離膜法によれば、処理後に大
気中に放出するガス中の該濃度は、通常2〜5VOL%であ
る。
【0030】一方、公知の吸着法の利点は、吸着熱の発
生が少ない希薄なガス状炭化水素を含む放散ガスを処理
する場合に有効であり、この場合、通常入口の該濃度が
1VOL%以下、出口の該濃度がPPMのオ−ダである。この
吸着法の欠点は、前記したとおり、濃厚なガス状炭化水
素を含む放散ガスを処理する場合、多量の吸着熱が発生
するということである。
【0031】この吸着熱を除去する冷媒として、蒸発潜
熱の大きな液体炭化水素(例えば液体ガソリン)を用いる
方法が開発されているが、前記したとおり危険を伴う。
また、冷媒として水又は低沸点で不燃性の四塩化炭素等
を用いることも考えられるが、前記したとおり、水の場
合、所望する冷却効果が期待できず、また、四塩化炭素
等の場合、吸着熱を奪って蒸発した四塩化炭素等を大気
中に放出することができず、沸点以下に冷却して再度元
の液体に戻す必要があり、経済的ではない。
【0032】そこで、本発明は、濃厚なガス状炭化水素
を含む放散ガスの処理法として有効な吸収法又はガス分
離膜法と、希薄なガス状炭化水素を含む放散ガスの処理
法として有効な吸着法とを併用することを意図したもの
である。そして、この吸収法又はガス分離膜法と吸着法
とを併用するシステムを構築するに当たり、この併用の
メリットを生かすため、吸収法の場合は真空容器の真空
度を軽減して、また、ガス分離膜法の場合は膜にかける
放散ガス圧力を軽減して、次工程の吸着塔に導入するガ
ス中の炭化水素濃度を1VOL%に近づけるのではなく、
5VOL%程度の比較的高い炭化水素濃度にすることによ
って、この吸収法又はガス分離膜法による放散ガス処理
工程を極めて簡略化し、且つ小さな処理装置にする。
【0033】上記処理工程に続く吸着法による処理工程
(以下“吸着工程”という)では、吸着塔に導入するガス
中の炭化水素濃度は、通常実施されている1VOL%以下
(入口濃度)に比べればかなり濃いため、吸着層の温度が
高くなる。しかしながら、本発明は、本発明者等が提案
する新規な真空加熱再生吸着法(PTSA法)による吸着
熱除去法を採用し、これによって吸着工程を簡素にし、
且つ小さな装置にすることが可能となり、これによっ
て、これまで実現が困難であった「濃厚なガス状炭化水
素を含む放散ガスを処理し、大気中に排出するガス中の
残存炭化水素濃度を1VOL%以下にする」ことが容易
に、しかも小型装置により実施することができ、極めて
経済的に有利なシステムを構築することができる。
【0034】ここで本発明で採用する新規な真空加熱再
生吸着法(PTSA法:Pressure and Temperature Swing Ads
orption method)による吸着熱除去法について説明す
る。本発明者等は、吸着熱を除去するための冷媒として
水を用い、吸着熱によって際限なく上昇する吸着層内の
温度を安全な温度範囲内にコントロ−ルするべく冷却水
の真空度を該温度に連動させることにより吸着層内の温
度を任意に設定し、そして、冷却水を排出することなく
循環使用することが可能になる方法を見いだした。
【0035】具体的には、吸着剤を内蔵した吸着塔であ
って、 ・該吸着塔の内部に冷媒としての水を供給する内筒、管
あるいはコイルを埋設した吸着塔を使用し、及び/又
は、 ・ジャケットにコイルを巻き付け或いはジャケット内に
冷媒としての水を供給する吸着塔を使用し、上記内筒、
管、コイル、ジャケット内に冷媒としての水を循環さ
せ、吸着熱を除去する方法であり、この際、冷却水の真
空度を吸着層内の温度に連動させることにより、吸着層
内の温度を任意に設定できるようにしたものである。
【0036】なお、上記吸着塔として、その内部に内筒
を埋設した吸着塔にあっては、該吸着塔に対して縦断な
いしは横断するように1つ又はその外側にさらに1以上
の内筒を配設した吸着塔であって、該内筒の内・外部に
吸着剤を挿入した吸着塔を使用することができる。ま
た、吸着塔として、その内部に管を埋設した吸着塔にあ
っては、該吸着塔に対して縦断ないしは横断するように
1以上の管を配設した吸着塔であって、該管の外側に吸
着剤を挿入した吸着塔を使用することができる。
【0037】そして、吸着塔内の吸着層の温度は、プロ
グラマブル指示計でTIC(Temperature Indicator Contro
ller)の信号とPIC(Pressure Indicator Controller)と
の信号とを比較し、常時TICの設定値(例えば60℃)をキ
−プするように、PIC弁をコントロ−ルして真空度を調
整するようにしたものである(後記図2参照)。
【0038】周知のように水の沸点は真空度によって決
まり、安全な温度として約60℃が適当であれば、150mmH
gの減圧下で水を循環させることによって、60℃の水の
沸点に基づく蒸発潜熱(〉540Kcal/Kg)を吸着層から
奪って自らは気化する。この気化した水のベ−パ−(水
蒸気)は、循環水の貯槽の上部を真空ポンプ若しくはス
チ−ムエジェクタ−を用いて吸引し、大気中に吐出さ
せ、系外に排出させる。
【0039】また、本発明で採用する真空加熱再生吸着
法(PTSA法)によれば、水の沸点は真空度を変えるこ
とにより任意に設定できるので、これを吸着塔の温度に
連動させて真空度や減圧水の循環量を変えることによ
り、吸着層内の温度を安全な範囲にキ−プすることがで
きる。
【0040】本発明における吸着工程において、真空加
熱再生吸着法(PTSA法)を選んだ理由は、以下のとお
りである。即ち、従来から用いられている真空再生吸着
法(PSA法)は、放散ガス中の炭化水素を活性炭乃至合
成ゼオライトに吸着させ置換パ−ジを行った後、真空ポ
ンプにて炭化水素を脱着させることにより、放散ガス中
の炭化水素を高濃度で回収することができるが、真空ポ
ンプで吸引する前の予備処理としての置換パ−ジ(N2、O
2)の際の置換ガスは、製品ガス、即ち真空ポンプで吸引
したガス状炭化水素を用いている。
【0041】しかし、このパ−ジガスの量は、製品ガス
の数倍にもなるため、該ガスの循環に要する動力が非常
に大きなものになる。そこで本発明では、前記したPT
SA法を用いることにより、吸着完了後吸着層をヒ−タ
−或いは熱交換器を用いて加熱し、吸着剤中の高濃度炭
化水素を脱着させるものであり、そのため置換パ−ジ工
程を省略できるという顕著な利点を有する。
【0042】本発明において、使用する吸着剤について
は、限定するものではないが、合成ゼオライト、特に活
性シリカが好適である。また、本発明は、これも限定す
るものではないが、ガソリン蒸気含有放散ガスの処理・
回収に好適であり、その他ベンゼン、アセトン、メタノ
−ルなどの低沸点の炭化水素を含む放散ガスにも適用で
き、これも本発明に包含されるものである。
【0043】
【実施例】次に、本発明の実施例を図1及び図2に基づ
いて説明する。図1は、本発明の一実施例を説明するた
めの炭化水素処理・回収装置を示したもので、前段に吸
収法を用いた場合の図である。また、図2は、吸着塔の
除熱についての本発明の真空加熱再生吸着法(PTSA
法)の一例を示す図である。
【0044】図1に示すように、炭化水素類(ガソリン)
の貯蔵タンク1から放散される約40VOL%のガソリンベ
−パ−は、導管2を経て吸収塔3に入る。吸収塔3の頂
部では、揮発しない重質な吸収液4が散布され、この中
にガソリンベ−パ−が吸収される。
【0045】吸収塔3の底部から排出されたガソリンを
含む吸収液4′は真空槽5に入る。この槽5は、真空ポ
ンプ6によって約30mmHgの真空度に保たれている。真空
槽5において、ガソリンを蒸発分離した吸収液4は、ポ
ンプ(図示せず)により再度吸収塔3の頂部に戻し、循環
使用する。
【0046】一方、真空ポンプ6で吸引されたガソリン
ベ−パ−は、100VOL%に近い濃度で回収塔7に導入す
る。回収塔7の頂部には、別に設けられているガソリン
タンク(図示せず)からのフレッシュな液体ガソリンが散
布され、この中にガソリンベ−パ−が溶け込み、そのま
ま元のガソリンタンクに戻して回収する。
【0047】吸収塔3の頂部から排出される排気ガス8
は、2〜5VOL%のガソリンベ−パ−を含んでおり、この
ガスをブロワ−9及び水によるク−ラ−10を経て吸着塔
11、12に送る。吸着塔11、12は、吸着工程と脱着工程と
を交互に切り換えながら運転する。この切り換え時間は
3〜10分である。
【0048】吸着工程を終えた後、吸着塔11、12は加熱
用交換器で安全な温度範囲まで加熱され、更に真空ポン
プ13で吸引することにより脱着させる。脱着したガソリ
ンベ−パ−は、回収塔7に戻して液体ガソリンとして回
収する。吸着塔11(脱着工程に切り換え後は吸着塔12)の
頂部から排出されるクリ−ンな乾燥ガスは、1VOL%以
下のガソリンベ−パ−を含む湿分のある空気として大気
中に放出する。
【0049】図2は、吸着塔の除熱についての本発明の
真空加熱再生吸着法(PTSA法)の一例を示す図であ
る。図2において、吸着層22を内蔵する吸着塔20の内部
には、コイル21が埋め込まれており、この中を減圧水23
が50〜60℃の沸点を持ったまま循環しており、この減圧
水23は真空容器24に貯えられる。
【0050】真空容器24は、真空ポンプ25で吸引するこ
とにより一定の真空度に保たれている。真空ポンプ25の
吐出ガスは、水蒸気であるので大気に放出しても差し支
えない。吸着層22の温度は、プログラマブル指示計でTI
C(Temperature Indicator Controller)の信号とPIC(Pre
ssure Indicator Controller)との信号とを比較して、
常時TICの設定値(例えば60℃)をキ−プするように、PIC
V(PIC弁)をコントロ−ルして真空度を調整する。
【0051】また、真空容器24にはLI(Level Indicato
r)が設けられており、循環水(減圧水23)の途中には水の
補給口26が設けられている。
【0052】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、公知の
ガス分離膜法又は吸収法と吸着法とを併用するにあた
り、吸着法として新規な真空加熱再生吸着法を採用する
ことを特徴とし、これにより、これまで実現が困難であ
った「濃厚なガス状炭化水素を含む放散ガスを処理し、
大気中に排出するガス中の残存炭化水素濃度を1VOL%
以下にする」ことが容易に、しかも小型装置により実施
することができる効果が生じる。
【0053】そして、本発明によれば、大気汚染物質で
あるガス状炭化水素を処理・回収する方法において、従
来用いられていた吸収法或いはガス分離膜法では到底達
成できなかった米国の環境保護局(EPA)が定めた1VOL%
以下の規制値を完全にクリヤ−でき、さらに厳しくなる
ことが予想される規制値にも充分対応できるシステムを
構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明するための炭化水素処
理・回収装置を示したもので、前段に吸収法を用いた場
合の図。
【図2】吸着塔の除熱についての本発明の真空加熱再生
吸着法(PTSA法)の一例を示す図。
【符号の説明】
1 貯蔵タンク 2 導管 3 吸収塔 4、4′吸収液 5 真空槽 6 真空ポンプ 7 回収塔 8 排気ガス 9 ブロワ− 10 ク−ラ− 11、12 吸着塔 13 真空ポンプ 20 吸着塔 21 コイル 22 吸着層 23 減圧水 24 真空容器 25 真空ポンプ 26 水の補給口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C10L 3/10 ZAB

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濃厚なガス状炭化水素を含む放散ガスを
    処理し、上記ガス状炭化水素を回収する方法において、
    吸収法又はガス分離膜法と真空加熱再生吸着法とを組み
    合せることを特徴とする放散ガスに含まれる濃厚なガス
    状炭化水素の処理・回収方法。
  2. 【請求項2】 前記真空加熱再生吸着法は、吸着層内部
    に大気圧以下の蒸気圧を持つ減圧水を導入する内筒、管
    あるいはコイルを埋設し及び/又はジャケットにコイル
    を巻き付け或いはジャケット内に該減圧水を供給する吸
    着装置を使用し、吸着層内部の温度を80℃以下に保持す
    ることを特徴とする請求項1記載の放散ガスに含まれる
    濃厚なガス状炭化水素の処理・回収方法。
  3. 【請求項3】 吸着熱の発生によって生じる吸着層内部
    の温度上昇をコントロ−ルする手段として、循環水の循
    環経路内に真空装置を配設し、循環水の蒸気圧、即ち真
    空度を任意に変えるようにすることを特徴とする請求項
    1記載の放散ガスに含まれる濃厚なガス状炭化水素の処
    理・回収方法。
  4. 【請求項4】 吸着塔から大気に排出されるクリ−ンな
    ガス中の炭化水素濃度を1VOL%以下にすることを特徴
    とする請求項1記載の放散ガスに含まれる濃厚なガス状
    炭化水素の処理・回収方法。
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