JPH0728639B2 - 練りパイの製造方法 - Google Patents

練りパイの製造方法

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JPH0728639B2
JPH0728639B2 JP2925487A JP2925487A JPH0728639B2 JP H0728639 B2 JPH0728639 B2 JP H0728639B2 JP 2925487 A JP2925487 A JP 2925487A JP 2925487 A JP2925487 A JP 2925487A JP H0728639 B2 JPH0728639 B2 JP H0728639B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は練りパイの製造方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
パイの種類は大きく分けて折りパイと練りパイの二種類
が知られており、このうち練りパイは浮率が小さく、か
つ層のできかたが折りパイに比べて均一ではないが、比
較的しっかりしたパイが得られる特徴を有し、タルト、
パルミエ等の製造に利用されている。従来、この種の練
りパイは小麦粉に、融点の比較的高い(通常32℃以上)
ロールイン用油脂と水とを添加して混捏した後、圧延、
折りたたみの操作を繰り返し行って(折りたたみ工程)
得た生地を焼成する方法によって製造されている。一般
にパイの食感は折りたたみ工程における折りたたみ回
数、圧延面積の大小や熟成時間の長短、粉のバランス等
によって左右されることが知られ(例えば外国菓子研究
スプラウト会発行の「実用オリジナル・ブレッタータイ
ク教本」:1975年10月8日発行)、従来より種々の観点
からパイの食感向上のための検討が加えられており、練
りパイの食感、風味等を向上する方法として例えば小麦
粉の配合割合、強力粉と薄力粉の使用比率、折りたたみ
回数等に関する検討及びロールイン用油脂の改良等の提
案がなされている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、より優れた食感、風味を有する練りパイ
を製造すべく、練りパイ製造に用いる食用油脂の改良と
いう観点から研究を続けた結果、混捏工程において従来
より用いられていた比較的高い融点を有するロールイン
用油脂とともに、乳化剤を1〜30重量%含有する食用油
脂組成物を併用することによって、従来にないソフトな
歯ごたえ、口溶け性を有するとともに、パイのクラムの
弾力性が極めて小さく、食感において軽さとサクさ及び
風味に優れた練りパイが得られることを見出し本発明を
完成するに至った。
即ち本発明は小麦粉100重量部に対し、乳化剤を1〜30
重量%含有する食用油脂組成物1〜30重量部、ロールイ
ン用油脂20〜120重量部及び水20〜70重量部の割合で混
捏する混捏工程と、混捏工程で得た生地の圧延、折りた
たみを行う折りたたみ工程と、折りたたみ工程で得た生
地を成型して焼成する工程とからなることを特徴とする
練りパイの製造方法を要旨とするものである。
本発明において用いられる乳化剤を1〜30重量%含有す
る食用油脂組成物における乳化剤としては例えば脂肪酸
モノグリセライド、脂肪酸ジグリセライド、レシチン、
プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の食用乳
化剤が挙げられる。また食用油脂としては牛脂、豚脂等
の動物性油脂;ヤシ油、パーム油、パーム核油等の固体
植物性油脂;大豆油、ナタネ油、綿実油、サフラワー
油、落花生油、米糖油等の液体植物性油脂;上記動物性
樹脂、植物性油脂の硬化油;魚硬化油;固体動植物性油
脂、硬化油を分別して得られる分別固体状油脂、分別液
体状油脂等の分別油;動植物性、硬化油の1種または2
種以上の混合油をエステル交換して得られるエステル交
換油等が挙げられる。これらの食用油脂は1種または2
種以上混合して用いることができる。
上記乳化剤を1〜30重量%含有する食用油脂の形態とし
ては可塑性ショートニング、可塑性マーガリン、流動性
ショートニングが挙げられる。ここにいう流動性ショー
トニングとは透明或いは不透明油脂で、5℃以下で流動
性を有するショートニングである。また可塑性マーガリ
ン、可塑性ショートニングは常温または30℃以下にて可
塑性を有するマーガリン、ショートニングをいう。上記
食用油脂組成物として乳化剤が1重量%未満のものを用
いた場合、乳化剤量が少ないため練込用並びにロールイ
ン用を合わせた油脂組成物を多量に用いない限り歯切れ
が悪く、ソフトさやサクさに欠ける食感のパイとなり、
30重量%を超えるものを用いた場合、ドウ中のグルテン
の結合に欠けるため、サクさはでるが浮きが悪く、崩れ
易いパイとなる。またパイ中に含まれる乳化剤の量が多
くなると、乳化剤臭によりパイの風味が極めて損なわれ
るとともに、火通りが悪いパイとなる。上記食用油脂組
成物における乳化剤量の好ましい範囲は5〜30重量%で
あり、パイの風味を損ねることなくクラムの弾力性がよ
り少なく、軽さやサクさに優れた食感を更に向上でき
る。また上記食用油脂組成物として可塑性ショートニン
グ、可塑性マーガリン等の可塑性油脂組成物を用いる場
合、従来のパイに比べ歯切れがよい優れた食感の軽いパ
イが得られる。更に流動性ショートニングを用いた場合
にはドウ中への分散が良く、乳化剤の効果が充分に発揮
できるとともに、短時間のミキシングでドウを作ること
ができる。この結果、可塑性マーガリン、可塑性ショー
トニングを用いた場合よりも更に歯切れと浮きの良い軽
い食感のパイが得られる。
本発明方法では、まず小麦粉100重量部当たりに対し、
上記乳化剤を1〜30重量%含有する食用油脂組成物1〜
30重量部、好ましくは3〜28重量部、ロールイン用油脂
20〜120重量部、好ましくは40〜100重量部、水20〜70重
量部、好ましくは25〜65重量部の割合で混捏するが(混
捏工程)、乳化剤を1〜30重量%含有する食用油脂組成
物とロールイン用油脂とは同時に添加して混捏してもよ
く、また乳化剤を1〜30重量%含有する食用油脂組成物
のみを先に添加して混捏した後、ロールイン用油脂を添
加して軽く捏ねる方法を採用しても良く。小麦粉100重
量部に対し、乳化剤を1〜30重量%含有する食用油脂組
成物の量が1重量部未満であると、練込用並びにロール
イン用を合わせた食用油脂組成物を多量に用いても歯切
れの悪い、ソフトさやサクさに欠けた食感のパイしか得
られず、30重量部を超える場合、ロールイン用油脂の添
加量が少ないと生地の延びが悪く、折りたたみがスムー
ズにいかず、浮きの良い層が得られ難く、またロールイ
ン用油脂の量が多くなると浮きは良くなるが折りたたみ
はスムーズにならず、風味や食感が劣り、かつ崩れ易い
パイとなる。
小麦粉としては強力粉と薄力粉を適宜混合して用いるこ
とができるが、強力粉100〜30重量%、薄力粉0〜70重
量%の割合で用いることが好ましい。また小麦粉、食用
油脂組成物及び水の他に必要に応じて甘味料、食塩、
卵、牛乳、粉乳、ナッツ、チーズ、スパイス、香料等を
適宜添加することができる。上記混捏工程における混捏
時間は30秒〜8分程度、特に40秒〜4分が好ましく、混
捏時の温度は0〜30℃、特に5〜15℃が好ましい。
混捏工程において乳化剤を1〜30重量%含有する食用油
脂組成物と併用されるロールイン用油脂には、例えばロ
ールインマーガリンとしてパイやデニッシュ・ペストリ
ー、クロワッサン等の折り込みに用いる油脂で、広い温
度範囲で強い可塑性を有し、30℃でも溶け出さないとい
う性状を有するものが挙げられ、またロールイン用油脂
はドウと共に圧延、折りたたみ操作を繰り返して行うた
め、ドウ中に練込まれないような腰の強さと、ドウと一
緒に延びる伸展性等の物性を有するものであればよく、
通常のロールインに用いられる油脂としてラード、ロー
ルインショートニング等も用いることができる。ロール
イン用油脂の添加量が20重量部未満ではパイの層ができ
難く、ボリュームが出ず、食感の硬い浮きの悪いパイと
なる。また120重量部を超えると出来たパイの浮きは良
いが油層が表面に滲み出て来て油っぽくなり風味が劣っ
たり、また熱により加熱された層がパリパリした硬さと
なり、パイの食味が失われるとともに、層が剥がれ易い
パイとなる。
生地における水の量は小麦粉100重量部当たりに対して2
0〜70重量部の範囲で適宜調整され、乳化剤を1〜30重
量%含有する食用油脂組成物として可塑性マーガリン、
可塑性ショートニングを用いた場合、生地が締まりぎに
みなることから水量を多くすることが好ましいが、70重
量部を超えた場合には生地が軟らかくなりすぎ、また乳
化剤含有量の多い流動性ショートニングを用いた場合に
は生地が軟らかくなるために、水の量を少な目にするこ
とが好ましいが、水量を20重量部未満とすると生地が硬
くなりすぎ、いずれの場合も以下の折りたたみ工程にお
ける圧延・折りたたみ作業を行うことが困難となる。
次いで上記混捏工程で得た生地を圧延した後、折りたた
む操作を繰り返し行う(折りたたみ工程)。圧延した生
地の折りたたみ方法としては、3つ折り、4つ折り等が
挙げられ、この操作を1〜6回程度繰り返して層状とす
る。折りたたみ工程は0〜15℃で行うことが好ましい。
以上のようにして得られた生地を適宜の大きさに切り取
り、成型して焼成することによって練りパイが得られる
が、焼成温度、焼成時間は通常、各々160〜250℃、5〜
60分である。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1〜8、比較例1〜2 強力粉60重量部、薄力粉40重量部、第1表に示す食用油
脂組成物15重量部、食塩1.5重量部、水37重量部をミキ
サーで155回転/分の攪拌速度で40秒間練合した後、こ
れにロールイン用油脂(ミヨン油脂(株)製:ヨーロピ
アンFKシート〔w/o型シート状マーガリン〕)60重量部
を5℃にて加え、更に155回転/分の攪拌速度で45秒間
練合した。次いでこの生地を5℃にて30分間休ませた
後、5℃にて4mmの厚さに圧延し、次いで3つ折りに折
りたたみ、再び4mmの厚さに圧延した後、4つ折りに折
りたたんだ。同様の操作を再度繰り返し、層状(3つ折
り2回、4つ折り2回)に折りたたみ、5℃で30分間休
ませた後、最終的に1.25mmの厚さに圧延した。この生地
の性状を第2表に示す。次にこの生地より50mmφの型抜
きし、195±5℃にコントロールされたオーブン中で10
分間焼成した。得られたパイの性状及び食感を第2表に
示す。
実施例9〜12 強力粉50重量部、薄力粉50重量部及び第1表に示す食用
油脂組成物10重量部、食塩1.5重量部及び水52重量部を
実施例1〜8と同様にしてミキサーで練合した後、ロー
ルイン用油脂(ミヨン油脂(株)製:ニューロールイン
マーガリン〔o/w型マーガリン〕)80重量部を添加して
更にミキサーにて155回転/分の速度で50秒間練合し
た。この生地を実施例1〜8と同様にして層状に折りた
たみ、最終的に1.25mmの厚さに圧延した。この生地の性
状を第2表に示す。次にこの生地より50mmφに型抜き
し、195±5℃のオーブン中で10分間焼成した。得られ
たパイの性状及び食感を第2表に合わせて示す。
尚、第1表中の乳化剤の種類の欄における略記号はそれ
ぞれ以下の乳化剤の略であり、また略記号の後の括弧内
の数字は配合割合(重量部)を示す。
Lec:レシチン(大豆レシチン) MG :ステアリン酸モノグリセライド(理研ビタミン製:
エマルジーMSA) PGE:プロピレングリコールステアリン酸モノエステル
(理研ビタミン製:PS100) PG :ポリグリセリンエステル(阪本薬品工業製:SYグリ
スターPS500) SE :ソルビタンエステル(理研ビタミン製:ソルマンS3
00) また、油脂は実施例1〜3、10、比較例1では魚硬化油
(融点38℃、沃素価70)55重量%、大豆硬化油(融点34
℃、沃素価72)15重量%、パーム油15重量%、ナタネ白
絞油15重量%の混合油、実施例4〜6、11、比較例2で
は大豆硬化油(融点34℃、沃素価72)50重量%、パーム
油20重量%、分別液体パーム油15重量%、ナタネ白絞油
15重量%の混合油、実施例7〜9、12ではナタネ白絞油
のみを用いた。
※1生地の性状は ◎・・・均質で表面が滑らかで、延びが極めて良い。
○・・・やや不均質であるが表面は滑らかで延びが良
い。
△・・・不均一で伸延性やや不良。
×・・・生地が硬く、伸延性不良。
として評価した。
※2得られたパイの厚さを焼成前の生地重量で割った
値。単位はmm/g ※3得られたパイの厚さを焼成前の生地の厚さで割った
値。
※4パネルテスター10人により「歯ごたえ」と「風味」
を以下の基準により判定した。
歯ごたえ 焼成したパイを口に含み、歯で噛んだ時の食感を「サク
さ」と「軽さ」より ◎・・・10人中8人以上がサクくて軽いとしたもの。
○・・・10人中6〜7人がサクくて軽いとしたもの。
△・・・10人中4〜5人がサクくて軽いとしたもの。
×・・・10人中0〜3人がサクくて軽いとしたもの。
として判定した。
風味 焼成したパイを食した時の「味」と「香り」を以下の基
準により判定した。
◎・・・10人中8人以上が風味良好としたもの ○・・・10人中6〜7人が風味良好としたもの △・・・10人中3〜5人が風味良好としたもの ×・・・10人中2人以下が風味良好としたもの ※5レオメーター(不動工業(株)製)にアダプターN
o.15を用いて焼成後のパイに荷重(最高2kg)をかけて
パイが裁断された時の荷重(g)を測定した。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明の練りパイの製造方法は、小
麦粉とロールイン用油脂と水とを練合する混捏工程にお
いて、従来より用いられていたロールイン用油脂ととも
に乳化剤を1〜30重量%含有する食用油脂組成物を特定
割合で併用したことにより、従来にない軽くサクサクし
た歯ごたえや優れた風味を有する等極めて食感、風味に
優れた練りパイを製造することができる。また混捏工程
において従来のロールイン用油脂と、乳化剤を1〜30重
量%含有する食用油脂組成物とを併用したことにより、
両者が相乗的に作用してパイのクラムの弾力性が極めて
小さく、食感において軽さとサクさ並びに風味をより向
上でき、極めて優れた食感、風味を有する練りパイを製
造することができる等の種々の効果を有する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】小麦粉100重量部に対し、乳化剤を1〜30
    重量%含有する食用油脂組成物1〜30重量部、ロールイ
    ン用油脂20〜120重量部及び水20〜70重量部の割合で混
    捏する混捏工程と、混捏工程で得た生地の圧延、折りた
    たみを行う折りたたみ工程と、折りたたみ工程で得た生
    地を成型して焼成する工程とからなることを特徴とする
    練りパイの製造方法。
  2. 【請求項2】乳化剤を1〜30重量%含有する食用油脂組
    成物が可塑性ショートニングである特許請求の範囲第1
    項記載の練りパイの製造方法。
  3. 【請求項3】乳化剤を1〜30重量%含有する食用油脂組
    成物が可塑性マーガリンである特許請求の範囲第1項記
    載の練りパイの製造方法。
  4. 【請求項4】乳化剤を1〜30重量%含有する食用油脂組
    成物が流動性ショートニングである特許請求の範囲第1
    項記載の練りパイの製造方法。
  5. 【請求項5】混捏工程において乳化剤を1〜30重量%含
    有する食用油脂組成物を先に添加して小麦粉と水とを混
    捏した後、ロールイン用油脂を添加する特許請求の範囲
    第1項〜第4項のいずれかに記載の練りパイの製造方
    法。
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