JPH07288199A - シンクロトロンリング - Google Patents

シンクロトロンリング

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JPH07288199A
JPH07288199A JP7898294A JP7898294A JPH07288199A JP H07288199 A JPH07288199 A JP H07288199A JP 7898294 A JP7898294 A JP 7898294A JP 7898294 A JP7898294 A JP 7898294A JP H07288199 A JPH07288199 A JP H07288199A
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Takashi Yano
隆 矢野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子ビーム2が蓄積された時に偏向部におい
て電子ビーム2から発生されるシンクロトロン放射光3
が真空容器1内壁に照射されることにより発生する多量
のガスを、安価に効率良く排除するシンクロトロンリン
グの提供。 【構成】 それぞれ正及び負の電圧を印加される一対の
電極10を真空容器1内に設け、前記ガスが前記シンク
ロトロン放射光3によりイオン化ガスに電離されること
を利用して、前記イオン化ガスを電気的に吸引して排除
する。一対の電極引き出し部105は、一対の電極10
から、真空容器1に対して絶縁された状態で真空容器1
の外部に引き出され、一対の電極引き出し部105に正
及び負の電圧が印加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シンクロトロンリング
に関し、特に、シンクロトロンリングの真空容器内で発
生したシンクロトロン放射光が真空容器内壁に照射され
ることにより発生する多量のガスを排除して真空容器内
を超真空に維持するためのガス排除装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2はレーストラック型のシンクロトロ
ンリングを示している。このシンクロトロンリングは、
入射用加速器200にて加速された電子又は陽電子をレ
ーストラック型の軌道に沿って周回させるものである。
以下、電子の場合を例にとって説明する。このため、こ
のシンクロトロンリングは、レーストラック型の真空容
器1を有している。一対の偏向部201は、いずれも偏
向用電磁石からなり、この真空容器1の外部に設けられ
て、真空容器1内において、電子ビーム2を一対の円弧
状軌道に沿わせるべく偏向させる。一対の円弧状軌道の
間を連絡する2本の直線軌道を決める真空容器1の周囲
には、入射用加速器200からの電子ビーム2を真空容
器1内に入射する入射用電磁石202と、各々が4極電
磁石からなる8つの収束用電磁石203とが配置されて
いる。高周波加速空洞204は、入射用電磁石202が
設けられた直線軌道とは異なる直線軌道に設けられて、
電子ビーム2を加速する機能を有する。
【0003】このようにして、シンクロトロンリング
は、真空容器1内において、電子ビーム2を、円弧状軌
道を含む所定軌道に沿って、周回させ、蓄積させる。こ
の際、電子ビーム2が蓄積されると、偏向部201にお
いて電子ビーム2の運動の接線方向にシンクロトロン放
射光3が発生する。このシンクロトロン放射光3が真空
容器1の内壁を照射するため多量のガスが発生し、真空
度が悪化し、電子ビーム2の蓄積寿命を縮めるという問
題がある。
【0004】図3を参照すると、従来のシンクロトロン
リングは、シンクロトロン放射光3が真空容器1の内壁
に照射されることにより真空容器1内に発生するガスを
排除するガス排除装置として、真空排気ポンプ5及び8
を備えている。真空容器1の中央部は、電子ビーム2を
安定に周回させるために真空容器1の内壁とスリット6
及び7によりビームダクト部100を構成している。電
子ビーム2の軌道の外側のスリット6を隔てて真空排気
ポンプ5が配置され、また電子ビーム2の軌道の内側の
スリット7を隔てて真空排気ポンプ8が配置されてい
る。また、シンクロトロン放射光3に照射される部分に
はビームダンプ4が設置され、ビームダンプ4を冷却す
る手段等により発生するガスの低減がはかられている。
【0005】なお、図示のように真空排気ポンプ5及び
8やスリット6及び7は仮想中立面102の両側に設け
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】真空容器1内は外部に
設けられた粗引き排気ポンプ(図示せず)により中真空
まで排気された後、内蔵された真空排気ポンプ5及び8
により超高真空に排気される。しかし、電子ビーム2が
蓄積されると、シンクロトロン放射光3が真空容器1内
を照射するため、上述のように、多量のガスが発生す
る。この際、スリット6により、発生したガスの存在を
図中B部に限定しつつ真空排気ポンプ5により排気する
ことで、ビームダクト部100への侵入を防ぎ、電子が
周回するビームダクト部100内を超高真空に維持しよ
うとするものであるが、多量のガスは、真空排気ポンプ
5及び8により(主として真空排気ポンプ5により)排
気されるが、真空度の悪化は避けられず、電子ビーム2
の蓄積寿命を縮めることになってしまう。
【0007】また、これらの内蔵型の真空排気ポンプ5
及び8にはイオンポンプ、クライオポンプ、蒸発/非蒸
発型ゲッターポンプが採用されているが、これらは一般
に高価、構造の複雑さ、排気能力の不安定、活性化時の
汚染/発熱、排気能力不足等の問題がある。
【0008】従って本発明の課題は、シンクロトロン放
射光が真空容器内壁に照射されることにより発生する多
量のガスを安価に効率良く排除して真空容器内を超真空
に維持できるガス排除装置を備えたシンクロトロンリン
グを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、真空容
器と、この真空容器の外部に設けられ、該真空容器内に
おいて、電子又は陽電子からなるビームを円弧状軌道に
沿わせるべく偏向させると共に、前記ビームからシンク
ロトロン放射光を放射させる偏向部とを有し、前記真空
容器内において、前記ビームを、前記円弧状軌道を含む
所定軌道に沿って、周回させ蓄積させるシンクロトロン
リングにおいて、前記シンクロトロン放射光が前記真空
容器の内壁に照射されることにより前記真空容器内に発
生するガスを排除するガス排除装置を備えている前記シ
ンクロトロンリングにおいて、前記ガス排除装置は、前
記真空容器内に設けられ、それぞれ正及び負の電圧を印
加された一対の電極を含み、該一対の電極は、前記ガス
が前記シンクロトロン放射光に照射されることによりイ
オン化ガスに電離されることを利用して、前記イオン化
ガスを電気的に吸引して排除するあるいは排除を促進す
るものであることを特徴とするシンクロトロンリングが
得られる。
【0010】更に本発明によれば、前記一対の電極が非
蒸発型ゲッター材料またはクライオパネルから構成され
ることを特徴とするシンクロトロンリングが得られる。
【0011】また本発明によれば、前記ガス排除装置
は、前記一対の電極から、前記真空容器に対して絶縁さ
れた状態で前記真空容器の外部に引き出された一対の電
極引き出し部を、更に、有し、前記一対の電極引き出し
部に前記正及び負の電圧が印加されることを特徴とする
シンクロトロンリングが得られる。
【0012】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
【0013】図4は、本発明の第1の実施例によるシン
クロトロンリングにおける、図2のA−A断面に対応す
る部分の断面を示している。真空容器1の外部に配置さ
れている偏向部201は、コイル205及び206と鉄
芯207とからなる偏向用電磁石からなっている。本発
明の第1の実施例によるシンクロトロンリングにおいて
は、図2におけるもう一方の偏向部201も図4と同様
な構造を有する。
【0014】図1は、本発明の第1の実施例によるシン
クロトロンリングにおける主要部を示しており、図4の
真空容器1及びその内部の断面を示している。図1にお
いて、図3と同じ部分には同じ参照符号が付されてい
る。
【0015】スリット6の外側に構成された室(B部)
には、シンクロトロン放射光3と干渉しないように仮想
の中立面102を挟むように一対の電極10が配置され
ている。一対の電極10は中立面102に平行に延在し
ている。一対の電極10は真空容器1に対して絶縁材料
103で絶縁固定されている。一対の電極10からは、
真空シール及び絶縁された端子104をそれぞれ介して
真空容器1の外部(大気中)に一対の電極引き出し線1
05が引き出されており、一対の電極引き出し線105
は電源11に接続されている。電源11によって、一対
の電極10の一方には例えば数V〜数十ボルトの正の電
圧が印加され、一対の電極10のもう一方には例えば−
数V〜−数十ボルトの負の電圧が印加される。真空容器
1は、アースされている。一対の電極10は、銅、アル
ミ等の金属板、または非蒸発型ゲッター材料、またはク
ライオパネルから構成される。
【0016】一対の電極10は、電子ビーム2がレース
トラック型の軌道に蓄積された後に発生されるシンクロ
トロン放射光3が、真空容器1の内壁に照射されること
により真空容器1内に発生するガスを排除するガス排除
装置として働くものであり、一対の電極10は、前記ガ
スがシンクロトロン放射光3によりイオン化ガスに電離
されることを利用して、イオン化ガスを電気的に吸引し
て排除するものである。即ち、一対の電極10のうち正
の電圧が印加されている電極は、イオン化ガスのうち陰
(負)イオンを電気的に吸引して排除するもので、イオ
ン化ガスのうち陽(正)イオンは、一対の電極10のう
ち負の電圧が印加されている電極の方に電気的に反発さ
せる。逆に、一対の電極10のうち負の電圧が印加され
ている電極は、イオン化ガスのうち陽(正)イオンを電
気的に吸引して排除するもので、イオン化ガスのうち陰
(負)イオンは、一対の電極10のうち正の電圧が印加
されている電極の方に電気的に反発させる。
【0017】図5は本発明による第2の実施例によるシ
ンクロトロンリングの主要部を示す断面図で、図1及び
図3と同じ部分には同じ参照符号が付してある。図5に
おいては、一対の電極10は中立面102に垂直に延在
させて、一対の電極10をバッフル(じゃま板)として
配置した例であり、一対の電極10の各々は複数枚(3
枚)の電極板からなる。
【0018】図6は本発明による第3の実施例によるシ
ンクロトロンリングの主要部を示す断面図で、図5と同
じ部分には同じ参照符号が付してある。図6において
は、一対のスリット6を真空容器1に対して絶縁材料1
06で絶縁して一対のスリット兼電極とした上で、一対
のスリット兼電極6からは、真空シール及び絶縁された
端子107をそれぞれ介して真空容器1の外部(大気
中)に一対の電極引き出し線108が引き出されてお
り、一対の電極引き出し線108は電源11´に接続さ
れている。電源11´によって、一対のスリット兼電極
6の一方には例えば数V〜数十ボルトの正の電圧が印加
され、一対のスリット兼電極6のもう一方には例えば−
数V〜−数十ボルトの負の電圧が印加される。
【0019】同様に、一対のスリット7を真空容器1に
対して絶縁材料109で絶縁して一対の電極とした上
で、一対のスリット兼電極7からは、真空シール及び絶
縁された端子109をそれぞれ介して真空容器1の外部
(大気中)に一対の電極引き出し線108が引き出され
ており、一対の電極引き出し線108は電源11´に接
続されている。電源11´によって、一対のスリット兼
電極7の一方には例えば数V〜数十ボルトの正の電圧が
印加され、一対のスリット兼電極7のもう一方には例え
ば−数V〜−数十ボルトの負の電圧が印加される。
【0020】スリット兼電極6及び7への電圧の印加に
よりビームダクト部100に存在する電離ガスを吸引排
除する。また、電子ビーム2自身により電離され、電子
ビーム2に捕捉され電子ビーム2と一緒に周回している
イオン(このイオンは電子ビーム2を不安定にするもの
である。)を除去することも可能となる。
【0021】スリット兼電極6及び7には数V〜数十ボ
ルト程度の電圧が印加されるけれども、電子ビーム2は
通常600MeV〜1GeVのエネルギーを持っている
ため、スリット兼電極6及び7に印加される電圧の電子
ビーム2に対する影響は皆無であるといってよい。
【0022】図1及び図5及び図6において、真空容器
1内は前述の粗引き排気ポンプ及び内蔵真空排気ポンプ
8により超高真空に排気された後、電子ビーム2が蓄積
される。電子ビーム2の蓄積により発光したシンクロト
ロン放射光3が真空容器1内壁を照射することにより図
中B部には多量のガスが発生する。このガスはB部に存
在するため、シンクロトロン放射光3により高い確率で
直接或いは間接的に電離され電荷を持つ状態となる。つ
まり、電子ビーム2を蓄積した状態で多量に発生して問
題となる(排気すべき)ガスの殆どがイオン状態とな
る。一方、一対の電極10には正及び負電圧がそれぞれ
印加されており,電離されたガスはこれらの電極に引き
寄せられ排気される。
【0023】電極10を非蒸発型ゲッター材料、または
クライオパネルとした場合には本来有する排気能力が飛
躍的に向上することになる。つまり、図3の従来の場合
は排気すべきガスがイオン化されたことを利用していな
いため無秩序に運動している状態で排気しているが、本
実施例では排気すべきガスがイオン化されていることを
利用して電界を発生させることにより吸着面に向かって
電気的な吸引力や反発力で運動するため吸着効率が増大
することになる。
【0024】図5及び図6では吸着面である電極10が
バッフル(じゃま板)として配置されており、真空容器
1の内壁において発生したガスが、よりビームダクト部
100内に侵入しにくい構造となっている。
【0025】図6では図5の場合に加えて、ビームダク
ト部100を構成するスリット兼電極6及び7にも電源
11´から正及び負の電圧が印加される。したがって、
ビームダクト部100内に存在するイオンガスの排気が
可能である。更にスリット兼電極6及び7を非蒸発型ゲ
ッター材料またはクライオパネルとした場合にはイオン
ガス以外のガスの排気も可能となる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、シンクロ
トロンリングの真空容器内でシンクロトロン放射光が真
空容器内壁に照射されることにより発生するガスがシン
クロトロン放射光により高い確率で直接或いは間接的に
電離され電荷を持つ状態となることに着目して、電圧を
印加した電極により当該ガスを排気しようとするもので
あり、安価に当該ガスを効率良く排気することができ
る。電極として、より安価な、銅、アルミ等の金属板を
用いることができ、この場合は安価で構造、運転共に簡
単となり、発熱や汚染の問題も発生しない。電極とし
て、非蒸発型ゲッター材料またはクライオパネルを用い
た場合は、本来有する排気能力が飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるシンクロトロンリ
ングの主要部の断面図である。
【図2】本発明が適用されるシンクロトロンリングの全
体構造を示す平面図である。
【図3】従来のシンクロトロンリングの主要部の断面図
である。
【図4】前記第1の実施例によるシンクロトロンリング
の図2のA−A断面に対応する部分の断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例によるシンクロトロンリ
ングの主要部の断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例によるシンクロトロンリ
ングの主要部の断面図である。
【符号の説明】
1 真空容器 2 電子ビーム 3 シンクロトロン放射光 4 ビームダンプ 5 真空排気ポンプ 6 スリット(スリット兼電極) 7 スリット(スリット兼電極) 8 真空排気ポンプ 10 電極 11 電源 11´ 電源

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器と、この真空容器の外部に設け
    られ、該真空容器内において、電子又は陽電子からなる
    ビームを円弧状軌道に沿わせるべく偏向させると共に、
    前記ビームからシンクロトロン放射光を放射させる偏向
    部とを有し、前記真空容器内において、前記ビームを、
    前記円弧状軌道を含む所定軌道に沿って、周回させ蓄積
    させるシンクロトロンリングにおいて、前記シンクロト
    ロン放射光が前記真空容器の内壁に照射されることによ
    り前記真空容器内に発生するガスを排除するガス排除装
    置を備えている前記シンクロトロンリングにおいて、 前記ガス排除装置は、 前記真空容器内に設けられ、それぞれ正及び負の電圧を
    印加された一対の電極を含み、該一対の電極は、前記ガ
    スが前記シンクロトロン放射光に照射されることにより
    イオン化ガスに電離されることを利用して、前記イオン
    化ガスを電気的に吸引して排除するあるいは排除を促進
    するものであることを特徴とするシンクロトロンリン
    グ。
  2. 【請求項2】 前記一対の電極が非蒸発型ゲッター材料
    またはクライオパネルから構成されることを特徴とする
    請求項1に記載のシンクロトロンリング。
  3. 【請求項3】 前記ガス排除装置は、前記一対の電極か
    ら、前記真空容器に対して絶縁された状態で前記真空容
    器の外部に引き出された一対の電極引き出し部を、更
    に、有し、前記一対の電極引き出し部に前記正及び負の
    電圧が印加されることを特徴とする請求項1または2に
    記載のシンクロトロンリング。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2025210961A1 (ja) * 2024-04-01 2025-10-09 株式会社 東芝 真空ダクト及び加速器

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