JPH07293571A - 軸受の密封装置 - Google Patents

軸受の密封装置

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JPH07293571A
JPH07293571A JP6084451A JP8445194A JPH07293571A JP H07293571 A JPH07293571 A JP H07293571A JP 6084451 A JP6084451 A JP 6084451A JP 8445194 A JP8445194 A JP 8445194A JP H07293571 A JPH07293571 A JP H07293571A
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一寿 梶原
Motoji Kawamura
基司 河村
Kunio Yanai
邦夫 柳井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】軸受内部の圧力上昇を効果的に防止できるよう
にしながらも、空気抜き溝から外部へのグリース漏れお
よび外部からの異物の侵入を長期にわたり効果的に防止
できるようにすること。 【構成】径方向内向きにほぼ垂直に延ばされかつ内輪2
1の外周面に設けられる周溝28内に臨まされる外側シ
ールリップ12を備える軸受の密封装置10において、
外側シールリップ12の内周部に軸方向に沿う空気抜き
用の溝17が設けられているとともに、この外側シール
リップ12が軸受20の中心側へ傾くように周溝28の
テーパ状内壁面30に対して圧接させられて、空気抜き
用の溝17の底面が軸線に対して傾斜して当該溝17が
軸受20の内外を常時連通する通気口となるようにして
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軸受の密封装置に係
り、特に内輪の外周面に周方向に連続して設けられる周
溝の内部に臨まされるシールリップの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来例1の軸受の密封装置の上
半分の縦断面図であり、図中、50は密封装置、61は
内輪、62は外輪、63はボールである。
【0003】密封装置50は、外輪62の内周肩部64
に係止されて内輪61側へ延ばされるシール本体部51
と、このシール本体部51の内周に設けられて内輪61
の外周面との間で密封部を形成する2つのシールリップ
52、53とを備えている。シール本体部51は鋼板な
どの環状芯金54にゴムなどの弾性体55を被着したも
のからなり、シールリップ52、53は前述の弾性体5
5と一体に形成されるものである。前記2つのシールリ
ップ52、53は、シール本体部51の内周に内径側へ
二股に延びるように設けられており、内輪61の外周面
に周方向に連続して設けられる周溝65の内部に臨まさ
れている。この周溝65の一方の内壁面66は、ほぼ垂
直に立ち上がっているが、他方の内壁面67は、溝幅を
径方向外向きに広げるようにテーパ状に立ち上がってい
る。
【0004】そして、外側のシールリップ52は、径方
向内向きにほぼ垂直に延ばされて内輪61の周溝65の
テーパ状の内壁面67に対して軽く接触させられてお
り、内側のシールリップ53は、径方向内向きに斜めに
延ばされて内輪61の周溝65の垂直な内壁面66に対
して非接触に近接させられている。
【0005】このような密封装置50では、外側のシー
ルリップ52を周溝65の内壁面67に接触させてい
て、軸受内外をほぼ遮断しているため、温度上昇などに
伴い軸受内圧が上昇したときに、外側のシールリップ5
2が浮き上がったり、甚だしい場合には密封装置50そ
のものが外れたりすることになる。
【0006】そこで、本願出願人は、図9に示すよう
に、密封装置50の外側のシールリップ52の内周の厚
肉部56の円周数箇所に空気抜き溝57を設けて、この
空気抜き溝57により軸受内外を常時連通させるように
したものを考えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9の
密封装置50では、空気抜き溝57が径方向に沿ってい
るために、回転動作中の遠心力により周溝65内に存在
するグリースが空気抜き溝57から漏れやすいことが指
摘される。特に、密封装置50の使用対象を内輪61を
固定として外輪62を回転とするタイミングベルト用ア
イドラー軸受とした場合において、密封装置50を回転
側の外輪62に装着するとき、前記不具合が顕著に発生
する。
【0008】したがって、本発明は、軸受内部の圧力上
昇を効果的に防止できるようにしながらも、空気抜き溝
から外部へのグリース漏れおよび外部からの異物の侵入
を長期にわたり効果的に防止できるようにすることを課
題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、軸受の一方の
軌道輪の軌道側周面の肩部に係止されて軸受の他方の軌
道輪側へ延ばされるシール本体部と、このシール本体部
の先端から径方向にほぼ垂直に延ばされかつ他方の軌道
輪の軌道側周面に周方向に連続して設けられる周溝の内
部に臨まされるシールリップとを備える密封装置におい
て、次のように構成する。
【0010】本発明では、前記シールリップの内周部に
軸方向に沿う空気抜き用の溝が設けられており、前記シ
ールリップが軸受中心側へ傾くように前記周溝の内壁面
に対して圧接させられるもので、その状態において前記
空気抜き用の溝の底面が軸線に対して傾斜して当該溝が
軸受内外を常時連通する通気口となる。
【0011】なお、前述のシールリップの径方向長さA
と軸方向厚みBとの比を、4.5≦A/B≦7となるよ
うに設定するのが好ましい。
【0012】
【作用】本発明では、シールリップの内周部に軸方向に
沿う空気抜き用の溝を設け、このシールリップを周溝の
内壁面に対して圧接させて軸受中心側へ傾かせることに
より、前記空気抜き用の溝の底面が軸線に対して傾斜し
て当該溝が軸受内外を常時連通する通気口となるように
している。これにより、軸受内部で圧力上昇してもその
圧力を効果的に逃がせるようになる。しかも、軸線に対
して傾斜する空気抜き用の溝の底面は、周溝内のグリー
スが外部へ向けて移動したときに、このグリースを軸受
内部側へ戻すように案内する。
【0013】また、前述のようにシールリップの径方向
長さAと軸方向厚みBとの比を特定すれば、シールリッ
プの剛性を適度とし軸受の内・外輪の相対運動に対する
追従性を高めるようにしている。これにより、軸受が振
動や衝撃を受けても軌道輪の周溝内壁面に対するシール
リップの接触状態(シール締め代)があまり変化せずに
安定することになる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の詳細を図1ないし図6に示す
実施例に基づいて説明する。図1ないし図5は本発明の
一実施例であり、図1は、密封装置の縦断面図、図2
は、シールリップの空気抜き用の溝を示す正面図、図3
は、密封装置を装着したアイドラー軸受の上半分の縦断
面図、図4は、図3の密封装置の拡大図、図5は、図4
のシールリップの拡大図である。図中、10は密封装
置、20はアイドラー軸受である。
【0015】本発明の密封装置10の説明に先立ち、そ
れの使用対象となるタイミングベルト用のアイドラー軸
受20の構成を簡単に説明する。このアイドラー軸受2
0は、ボス形状の内輪21と、内輪21の軸方向左端側
の外周に同心状に配置されて図示しないタイミングベル
トが掛合される幅広の外輪22と、内・外輪21、22
の両軌道溝間に転動自在に介装される複数個のボール2
3と、ボール23を回転自在に保持する冠型の保持器2
4と、内輪21の軸方向右端側の外周に外嵌装着される
ブラケット25とを備えている。この軸受20は、ブラ
ケット25により所望の固定部(図示しない)に係止さ
れ、内輪21の端面に設けてある長孔26を貫通したボ
ルトなどの固定部材(図示しない)により固定部に固定
されるが、長孔26内での位置を適宜選択することによ
り、軸受20全体を左右方向に変位させてタイミングベ
ルトに適正な張力を付与するようになっている。
【0016】密封装置10は、外輪22の内周肩部27
に係止されて内輪1側へ延ばされるシール本体部11
と、このシール本体部11の内周に設けられて内輪21
の外周面との間で密封部を形成する2つのシールリップ
12、13とを備えている。
【0017】シール本体部11は鋼板などの環状芯金1
4にゴムなどの弾性体15を被着したものからなり、シ
ールリップ12、13は前述の弾性体15と一体に形成
されるものである。前記2つのシールリップ12、13
は、シール本体部11の内周に内径側へ二股に延びるよ
うに設けられており、内輪21の外周面に周方向に連続
して設けられる周溝28の内部に臨まされている。な
お、周溝28の一方の内壁面29は、ほぼ垂直に立ち上
がっているが、他方の内壁面30は、溝幅を径方向外向
きに広げるようにテーパ状に立ち上がっている。
【0018】また、外側シールリップ12は、径方向内
向きにほぼ垂直に延ばされて内輪21の周溝28のテー
パ状の内壁面30に対して軸受中心側へ傾くように圧接
させられており、内側シールリップ13は、径方向内向
きに斜めに延ばされて内輪21の周溝28の垂直な内壁
面29に対して非接触に近接させられている。このう
ち、外側シールリップ12の内周の厚肉部16の円周数
箇所には、軸方向に沿う空気抜き用の断面ほぼ半円形の
溝17が設けられている。この溝17は、その底面が外
側シールリップ12が傾くことにより軸線に対して傾斜
するようになっており、結局、使用状態では当該溝17
が軸受20内外を常時連通する通気口となる。なお、空
気抜き用の溝17は、少なくとも一つあればよく、その
数や断面形状については特に限定されない。
【0019】次に、密封装置10による動作を説明す
る。回転動作中において、内側シールリップ13は、周
溝28の垂直内壁面29に対して非接触であるたってシ
ール抵抗がないが、この隙間は微小であっていわゆるラ
ビリンス隙間と呼ばれるものであるから、ここからの外
部へのグリース漏れは少なく制限される。また、軸受2
0内の内輪近傍のグリースは、回転遠心力により内側シ
ールリップ13の内側傾斜面を介して外輪側へ送られる
ことになって、軸受20内でグリース循環が効率よく行
われ、前記ラビリンス隙間の側へグリースが移動しにく
くなる。
【0020】一方、外側シールリップ12は、その先端
部の厚肉部16が周溝28のテーパ状内壁面30に圧接
されているから、グリース漏れおよび外部から塵埃など
の異物侵入を阻止する。そして、外側シールリップ12
の空気抜き用の溝17が、軸受20内外を常時連通する
通気口となるから、軸受20の高速回転時などに軸受2
0の内部に発生する圧力を減じることができる。
【0021】しかも、回転中における前記軸受20内外
を常時連通する通気口となる溝17からのグリース漏れ
は、微量だけ発生したけれども、図9に示す従来例に比
べてかなり少なくて済んでいる。このことは、密封装置
10を装着した軸受を回転させながら振動を与えるよう
にしたときの軸受からのグリース漏れを調べる実験によ
り判った。実験に用いた軸受は、呼び番号JIS600
7であり、軸受の保持器を強化ポリアミド樹脂、グリー
スをウレア系グリース、溝17とテーパ状内壁面30と
の間のラジアル隙間を7〜17μm、周溝28へのグリ
ース付着量0.1gとしている。実験での回転数は70
00rpm、実験時間を3時間、軸受に対する荷重を9
80N(100kgf)としている。結果としてグリー
ス漏れ量は、本実施例構造の場合だと0g、図9に示す
従来例構造の場合だと0.03gであった。したがっ
て、本発明のように、溝17を軸方向に沿う形状として
外側シールリップ12を傾けて溝17を軸線に対して傾
斜させる構造により、漏れようとするグリースを内部へ
戻す作用が発生することによりグリース漏れを低減でき
るようになったと考えられる。また、前述の実験に用い
た軸受を雰囲気温度150℃の高温槽に6時間放置した
が、密封装置10の浮き上がりや外れが認められなかっ
た。したがって、前述の溝17により軸受内部圧力の低
減作用が発揮されたと言える。
【0022】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
ない。まず、本発明の他の実施例にかかる図6に示すよ
うに、密封装置10を内輪21に取り付けて、密封装置
10のシールリップ12、13による密封部を外輪22
側に形成するようにしてもよい。図6は、図4に対応す
る図であり、図において図4と対応するものに同一符号
を付してある。この場合も、回転遠心力による溝17の
グリース戻し作用が得られる。また、本発明の密封装置
10の使用対象とする軸受についても図3に示すアイド
ラー軸受だけに限定されるものでなく、種々なタイプの
軸受が考えられる。さらに、密封装置10の外側シール
リップ12は、その径方向長さAと軸方向厚みBとの比
を4.5≦A/B≦7となるように設定するのが好まし
い。このA/Bの数値は、小さくなればリップ剛性が増
加し、大きくなればリップ剛性が低下する。この数値
は、後述する実験結果に基づいて特定している。すなわ
ち、実験としては、溝17が形成されていない外側シー
ルリップ12を持つ密封装置10を装着した軸受を回転
させながら振動を与えたときに、軸受からのグリース漏
れを調べるものである。実験に用いた軸受は、呼び番号
JIS6007であり、軸受の保持器を強化ポリアミド
樹脂、動定格荷重〔C〕を1250kg(OLD)、静
定格荷重〔C0〕を915kg(OLD)、グリースを
ウレア系グリースとしている。実験に用いた密封装置1
0では、弾性体15の素材をフッ素系ゴム、外径寸法D
をφ62mm、外径から外側シールリップ12の先端ま
での径方向長さCを7.1mmで一定とし、前述の外側
シールリップ12の径方向長さAと軸方向厚みBとの比
を種々に設定した複数種類N1〜N11の密封装置10
を用いている。このうちN1〜N7が4.5≦A/B≦
7に含まれるものであり、N8〜N11が4.5≦A/
B≦7に含まれないものである。結果としては、図7に
示すように、N1〜N5がグリース漏れ無し、N6〜N
11がグリース漏れ有りとなった。これらの結果から、
外側シールリップ12の径方向長さAと軸方向厚みBと
の比A/Bの下限値を4.5、上限値を7にそれぞれ特
定した。但し、4.5≦A/B≦7に含まれるN6とN
7でもグリース漏れがあったことからすると、実験に用
いた密封装置10の例では、外側シールリップ12の軸
方向厚みBが0.2mm未満になるとリップ剛性が低下
し過ぎることになり、また、0.4mmを越えるとリッ
プ剛性が高くなり過ぎることになる。このことから、実
験に用いた密封装置10の例に限ると、軸方向厚みBに
ついても0.2〜0.4mmの範囲内に設定するのがよ
り好ましいと言える。したがって、最も好ましくは、図
7において太い実線Xの範囲内に特定するように、径方
向長さAと軸方向厚みBとの比A/Bに加えて軸方向厚
みBを設定するのがよい。このように外側シールリップ
12の径方向長さAと軸方向厚みBとの比を考慮しなが
ら溝17を形成することにより、グリース洩れ防止を図
る上でより効果的な構造とすることができる。
【0023】
【発明の効果】本発明では、シールリップを傾かせて当
該シールリップの内周に設けた空気抜き用の溝を軸線に
対して傾斜させていることにより、軸受内部で圧力上昇
してもその圧力を効果的に逃がせるようにしているとと
もに、軸受の一方軌道輪に設けられる周溝内のグリース
が外部へ漏れようとしてもこのグリースを軸受内部側へ
戻すように案内させるようにしているから、軸受内部の
圧力上昇を効果的に防止できるようにしながらも、空気
抜き溝から外部へのグリース漏れおよび外部からの異物
の侵入を長期にわたり効果的に防止できるようになる。
【0024】また、本発明では、密封装置のシールリッ
プの径方向長さと軸方向厚みとの比を特定することによ
り、シールリップの剛性を適度とし軸受の内・外輪の相
対運動に対する追従性を高めるようにしているから、軸
受が振動や衝撃を受けても軌道輪の周溝内壁面に対する
シールリップの接触状態(シールしめしろ)をほとんど
変化させずに安定化することができて、軸受内部からの
グリース漏れを阻止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密封装置の一実施例の上半分の縦断面
図。
【図2】同密封装置のシールリップの空気抜き用の溝を
示す正面図。
【図3】同密封装置を装着したアイドラー軸受の上半分
の縦断面図。
【図4】図3の密封装置の拡大図。
【図5】図4のシールリップの拡大図。
【図6】本発明の密封装置の他の実施例にかかり、図4
に対応する縦断面図。
【図7】グリース漏れ実験の結果を示すグラフ。
【図8】従来例1の軸受の密封装置の上半分の縦断面
図。
【図9】従来例2の軸受の密封装置の上半分の縦断面
図。
【符号の説明】
10 密封装置 11 密封装置のシール本体部 12 密封装置の外側シールリップ 20 アイドラー軸受 21 内輪 22 外輪 27 外輪の内周肩部 28 内輪の周溝 30 周溝のテーパ状内壁面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
ない。まず、本発明の他の実施例にかかる図6に示すよ
うに、密封装置10を内輪21に取り付けて、密封装置
10のシールリップ12、13による密封部を外輪22
側に形成するようにしてもよい。図6は、図4に対応す
る図であり、図において図4と対応するものに同一符号
を付してある。この場合も、回転遠心力による溝17の
グリース戻し作用が得られる。また、本発明の密封装置
10の使用対象とする軸受についても図3に示すアイド
ラー軸受だけに限定されるものでなく、種々なタイプの
軸受が考えられる。さらに、密封装置10の外側シール
リップ12は、その径方向長さAと軸方向厚みBとの比
を4.5≦A/B≦7となるように設定するのが好まし
い。このA/Bの数値は、小さくなればリップ剛性が増
加し、大きくなればリップ剛性が低下する。この数値
は、後述する実験結果に基づいて特定している。すなわ
ち、実験としては、溝17が形成されていない外側シー
ルリップ12を持つ密封装置10を装着した軸受を回転
させながら振動を与えたときに、軸受からのグリース漏
れを調べるものである。実験に用いた軸受は、呼び番号
JIS6007であり、軸受の保持器を強化ポリアミド
樹脂、動定格荷重〔C〕を1250kg(旧JIS)、
静定格荷重〔C0〕を915kg(旧JIS)、グリー
スをウレア系グリースとしている。実験に用いた密封装
置10では、弾性体15の素材をフッ素系ゴム、外径寸
法Dをφ62mm、外径から外側シールリップ12の先
端までの径方向長さCを7.1mmで一定とし、前述の
外側シールリップ12の径方向長さAと軸方向厚みBと
の比を種々に設定した複数種類N1〜N11の密封装置
10を用いている。このうちN1〜N7が4.5≦A/
B≦7に含まれるものであり、N8〜N11が4.5≦
A/B≦7に含まれないものである。結果としては、図
7に示すように、N1〜N5がグリース漏れ無し、N6
〜N11がグリース漏れ有りとなった。これらの結果か
ら、外側シールリップ12の径方向長さAと軸方向厚み
Bとの比A/Bの下限値を4.5、上限値を7にそれぞ
れ特定した。但し、4.5≦A/B≦7に含まれるN6
とN7でもグリース漏れがあったことからすると、実験
に用いた密封装置10の例では、外側シールリップ12
の軸方向厚みBが0.2mm未満になるとリップ剛性が
低下し過ぎることになり、また、0.4mmを越えると
リップ剛性が高くなり過ぎることになる。このことか
ら、実験に用いた密封装置10の例に限ると、軸方向厚
みBについても0.2〜0.4mmの範囲内に設定する
のがより好ましいと言える。したがって、最も好ましく
は、図7において太い実線Xの範囲内に特定するよう
に、径方向長さAと軸方向厚みBとの比A/Bに加えて
軸方向厚みBを設定するのがよい。このように外側シー
ルリップ12の径方向長さAと軸方向厚みBとの比を考
慮しながら溝17を形成することにより、グリース洩れ
防止を図る上でより効果的な構造とすることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受の一方の軌道輪の軌道側周面の肩部
    に係止されて軸受の他方の軌道輪側へ延ばされるシール
    本体部と、このシール本体部の先端から径方向にほぼ垂
    直に延ばされかつ他方の軌道輪の軌道側周面に周方向に
    連続して設けられる周溝の内部に臨まされるシールリッ
    プとを備える密封装置であって、 前記シールリップの内周部に軸方向に沿う空気抜き用の
    溝が設けられており、 前記シールリップが軸受中心側へ傾くように前記周溝の
    内壁面に対して圧接させられるもので、その状態におい
    て前記空気抜き用の溝の底面が軸線に対して傾斜して当
    該溝が軸受内外を常時連通する通気口となる、ことを特
    徴とする軸受の密封装置。
  2. 【請求項2】 前記シールリップの径方向長さAと軸方
    向厚みBとの比が、4.5≦A/B≦7となるように設
    定されている、ことを特徴とする請求項1の軸受の密封
    装置。
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