JPH07294063A - 冷凍サイクル用膨張弁 - Google Patents

冷凍サイクル用膨張弁

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JPH07294063A
JPH07294063A JP6085017A JP8501794A JPH07294063A JP H07294063 A JPH07294063 A JP H07294063A JP 6085017 A JP6085017 A JP 6085017A JP 8501794 A JP8501794 A JP 8501794A JP H07294063 A JPH07294063 A JP H07294063A
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JP
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refrigerant
temperature
pressure
expansion valve
refrigeration cycle
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JP6085017A
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Hidetaka Shinkai
英隆 新開
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Denso Corp
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NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製品コストの上昇を抑えながらも、製品の小
型化や取付スペースの縮小化に伴う吸着剤35の封入量
の減少により発生する冷凍サイクル1の蒸発圧力の変動
を抑制できる温度作動式膨張弁5を提供する。 【構成】 温度作動式膨張弁5の感温筒15内に封入さ
れた多数の吸着剤35からキャピラリチューブ26を介
してダイヤフラム25の上側圧力室23に至る導圧経路
中にフィルター37を設けて、冷媒蒸発器の出口側の冷
媒配管内を流れる冷媒の温度変化に対して、ダイヤフラ
ム25の上側圧力室23内の圧力変化の応答速度を遅ら
せるようにした。これにより、冷媒蒸発器より流出した
冷媒の温度が変化しても温度作動式膨張弁5の絞り孔1
9の開度がゆっくりと変化するため、冷媒蒸発器に供給
される液冷媒量の変化が小さくなるので、冷凍サイクル
の蒸発圧力の変動がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、冷媒蒸発器に供給さ
れる冷媒を減圧膨張させると共に、冷媒蒸発器を流出し
た冷媒の温度変化に基づいて冷媒循環量を調節する冷凍
サイクル用温度作動式膨張弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば自動車用空気調和装置
の冷凍サイクルにおいては、冷媒蒸発器の出口の冷媒過
熱度を感温筒で検出して冷凍サイクル中の冷媒循環量、
つまり冷媒蒸発器に供給される液冷媒量を調節する温度
作動式の膨張弁が利用されている。
【0003】なお、膨張弁の感温筒は、熱伝導率の大き
い金属により製造されており、冷媒蒸発器の出口側の冷
媒配管に直接接触させて取り付けられている。このた
め、冷媒配管内の冷媒の温度が若干変化するだけで、感
温筒から弁体を駆動する駆動部に至る導圧経路中に封入
されたガス冷媒等の媒体の圧力が応答良く変化して絞り
孔の開度を頻繁に変化させてしまう。したがって、膨張
弁の弁体のハンチング現象を引き起こすため、冷媒蒸発
器に供給される液冷媒量が頻繁に変化することにより、
冷凍サイクルの蒸発圧力が変動する。この結果、冷媒蒸
発器を通過する際に冷却される空気の吹出温度が変動す
るため、車室内に吹き出す空気の温度も変化するので、
乗員に不快感を与えるという不具合があった。
【0004】そこで、その不具合を解消する目的で、実
公平4−13579号公報においては、感温筒の周囲を
伝熱抵抗となる樹脂製チューブで被覆して冷媒配管から
感温筒への伝熱速度を遅延させると共に、冷媒配管と樹
脂製チューブとに面接触する金属箔テープを設けて冷媒
配管から樹脂製チューブへの伝熱速度を促進させるよう
にした技術が提案されている。また、感温筒内に活性炭
等の吸着剤を封入して、吸着剤によるガス冷媒等の媒体
の吸着作用を利用することによって、冷媒配管内の冷媒
の温度の変化に対する媒体の圧力の変化速度を遅延させ
るようにした技術も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者の技術
においては、冷媒蒸発器の出口側の冷媒配管の周囲に樹
脂製チューブや金属箔テープを設けたり、さらに樹脂製
チューブと金属箔テープと冷媒配管を囲む断熱材を設け
たりしているので、部品点数が増加し、組付作業性が悪
化することにより製品コストを上昇させる要因となると
いう不具合があった。
【0006】また、後者の技術においては、製品の小型
化や取付スペースの縮小化の要求を満たすために感温筒
の小型化を図る場合、感温筒内の活性炭等の吸着剤の封
入量を減少させると、冷媒配管内の冷媒の温度の変化に
対する媒体の圧力の変化速度を促進させることになり、
冷凍サイクルの蒸発圧力の変動を抑制しきれないという
不具合があった。
【0007】この発明は、製品コストの上昇を抑えなが
らも、製品の小型化や取付スペースの縮小化に伴う吸着
剤の封入量の減少により発生する冷凍サイクルの蒸発圧
力の変動を抑制できる冷凍サイクル用膨張弁の提供を目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、内部を冷媒
蒸発器に向かう冷媒が流れる冷媒通路を有する弁本体
と、この弁本体内において変位自在に配され、前記冷媒
通路の開度を調節する弁体と、前記冷媒蒸発器より流出
する冷媒の温度が伝わる感温部と、内部の圧力の変化に
基づいて前記弁体を駆動する駆動部と、前記感温部から
前記駆動部に至る導圧経路中に充填され、前記冷媒蒸発
器より流出する冷媒の温度変化を圧力変化に変換して前
記駆動部内に伝える媒体と、前記感温部内に封入され、
前記冷媒蒸発器より流出する冷媒の温度変化に応じて媒
体を吸着する吸着剤と、この吸着剤から前記駆動部に至
る導圧経路内に設けられ、前記冷媒蒸発器より流出する
冷媒の温度変化に対する媒体の圧力の伝達速度を遅延さ
せる遅延手段とを備えた技術手段を採用した。
【0009】なお、前記遅延手段として、内部を媒体が
通過する通過口を有する非通気性の一体成形品、および
前記通過口を通過する媒体の移動速度を制限する通気性
の制限手段を利用しても良い。また、前記遅延手段とし
て、前記導圧経路内を移動する媒体の移動速度を制限す
る通気性の一体成形品を利用しても良い。そして、前記
媒体として、HFC−23またはHFC−134a等の
飽和ガスを利用しても良い。
【0010】
【作用】この発明によれば、冷媒蒸発器より流出した冷
媒の温度が低くなると、感温部内に封入された吸着剤
に、感温部から駆動部に至る導圧経路中に充填された媒
体が遅延手段を経て徐々に吸着されて駆動部内の圧力が
徐々に低下する。これにより、駆動部が弁体を駆動する
ことによって、弁体が弁本体内を変位して冷媒通路の開
度を狭めて冷媒蒸発器に供給される液冷媒量を徐々に減
少させる。
【0011】逆に、冷媒蒸発器より流出した冷媒の温度
が高くなると、感温部内に封入された吸着剤より媒体が
放出され、遅延手段を経て感温部から駆動部に至る導圧
経路内に移動して、徐々に駆動部内の圧力が上昇する。
これにより、駆動部が弁体を駆動することによって、弁
体が弁本体内を変位して冷媒通路の開度を拡げて冷媒蒸
発器に供給される液冷媒量を徐々に増加させる。
【0012】したがって、冷媒蒸発器より流出した冷媒
の温度が変化しても駆動部内へ伝達される媒体の圧力変
化は、冷媒の温度変化に対して遅れて伝わるので、仮に
製品の小型化や取付スペースの縮小化に伴って感温部内
の吸着剤の封入量を減少させた場合でも、弁体が頻繁に
冷媒通路の開度を変化させることはなくなる。これによ
り、弁体のハンチング現象を引き起こさず、冷媒蒸発器
に供給される液冷媒量が頻繁に変化せず、冷凍サイクル
の蒸発圧力の変動が抑制される。
【0013】
【実施例】次に、この発明の冷凍サイクル用膨張弁を図
に示す複数の実施例に基づいて説明する。
【0014】〔第1実施例の構成〕図1ないし図3はこ
の発明の第1実施例を示したもので、図1は冷凍サイク
ルを示した図である。この冷凍サイクル1は、自動車用
空気調和装置に使用されるもので、冷媒圧縮機2、冷媒
凝縮器3、レシーバ4、温度作動式膨張弁5、冷媒蒸発
器6、蒸発圧力調整弁7およびこれらを環状に接続する
冷媒配管8より構成されている。
【0015】冷媒圧縮機2は、自動車用エンジンまたは
電動モータ等の駆動手段(図示せず)によって回転駆動
され、冷媒蒸発器6の出口より蒸発圧力調整弁7を介し
て吸入した冷媒を圧縮して高温、高圧のガス冷媒を吐出
する冷媒圧縮手段である。冷媒凝縮器3は、冷媒圧縮機
2の吐出口より吐出されたガス冷媒を冷却ファン9の送
風を受けて凝縮液化する冷媒凝縮手段である。
【0016】レシーバ4は、冷媒凝縮器3より流入した
冷媒を一時的に蓄えておき、冷房負荷に応じて液冷媒の
みを流出する気液分離手段である。冷媒蒸発器6は、ブ
ロワ10の送風を受けて、温度作動式膨張弁5より流入
した霧状冷媒を蒸発気化させる冷媒蒸発手段である。な
お、冷媒との熱交換によって冷却された空気はブロワ1
0によって車室内へ送られ、車室内を冷房する。
【0017】蒸発圧力調整弁7は、冷凍サイクル1の蒸
発圧力を調整する蒸発圧力調整手段であって、冷房負荷
が小さくなり、冷媒蒸発器6での蒸発圧力が低い場合
に、絞り弁(図示せず)の開度を小さくして、冷媒蒸発
器6の出口から冷媒圧縮機2の吸入口に吸入されるガス
冷媒の流量(冷媒循環量)を減少させて、冷媒蒸発器6
での蒸発圧力を設定値(例えば1.9kg/mm2 〜2.1
kg/mm2 )に保持する。逆に、冷凍負荷が大きくなり、
冷媒蒸発器6での蒸発圧力が大きい場合は、絞り弁を全
開して、冷媒蒸発器6の出口から冷媒圧縮機2の吸入口
に吸入されるガス冷媒の流量(冷媒循環量)を増加させ
る。
【0018】次に、温度作動式膨張弁5の構造を図2に
基づいて詳細に説明する。この温度作動式膨張弁5は、
本発明の冷凍サイクル用膨張弁であって、弁ケースを構
成する弁本体11と、この弁本体11と共に絞り弁を構
成するボール弁(ニードル弁)12と、このボール弁1
2を図示上方に付勢するコイルスプリング13と、ボー
ル弁12を駆動するエレメント14と、このエレメント
14に連結する感温筒15とから構成されている。
【0019】弁本体11は、真鍮製で断面形状が略T字
形状に形成されている。この弁本体11は、内部空間を
高圧側通路16と低圧側通路17とに2分割する区画壁
18が冷媒の流れ方向に直交する方向に設けられてい
る。この区画壁18には、高圧側通路16と低圧側通路
17より内径の小さい絞り孔(オリフィス)19がその
区画壁18の両側端面を連通するように形成されてい
る。
【0020】高圧側通路16の入口(図示下端部の開
口)は、レシーバ4の出口に冷媒配管8を介して連結さ
れている。また、低圧側通路17の出口(図示左端部の
開口)は、冷媒蒸発器6の入口に冷媒配管8を介して連
結されている。そして、絞り孔19は、本発明の冷媒通
路であって、円形状に形成されており、内部に流入した
高温、高圧の液冷媒を低圧側通路17に噴射することに
より急激に減圧膨張させて、低温、低圧の霧状冷媒(気
液二相状態の冷媒)にする減圧部である。
【0021】ボール弁12は、本発明の弁体であって、
高圧側通路16内に往復変位自在に配され、図示上側に
作動棒20の先端部が当接し、図示下側に弁座21が当
接している。このボール弁12は、絞り孔19からのリ
フト量に応じて冷媒循環量、つまり冷媒蒸発器6へ供給
する液冷媒量を調節する。作動棒20は、丸棒状に形成
されており、エレメント14の変位をボール弁12に伝
えるもので、図示下端部(先端部)が絞り孔19内を往
復移動する伝達手段である。
【0022】コイルスプリング13は、図示上端が弁座
21に保持され、図示下端部が弁本体11の高圧側通路
16の中央部分に螺着された調節ねじ22に保持されて
いる付勢手段である。この調節ねじ22は、弁本体11
の固定位置に応じてボール弁12の開弁圧を変更する開
弁圧変更手段である。
【0023】エレメント14は、本発明の駆動部であっ
て、内部空間を上側圧力室(ダイヤフラム室)23と下
側圧力室24とに区画するダイヤフラム25が変位自在
に配されている。上側圧力室23は、キャピラリチュー
ブ26を介して感温筒15の内部に連通している。
【0024】下側圧力室24は、弁本体11に形成され
た均圧通路27、外均管28を介して蒸発圧力調整弁7
の出口側の冷媒配管8の内部に連通している。このた
め、下側圧力室24内には、蒸発圧力調整弁7の出口側
の圧力、つまり冷凍サイクル1の蒸発圧力(低圧圧力)
が加わることになる。
【0025】なお、外均管28は、一端部が弁本体11
の均圧通路27の開口部に溶接等の手段を用いて接合さ
れるキャピラリチューブ29、このキャピラリチューブ
29の他端部に溶接等の手段を用いて接合されるバルジ
パイプ30、および冷媒配管8の取付部(図示せず)に
バルジパイプ30をボルト等の締結手段を用いて取り付
けるためのジョイントブロック31等より構成されてい
る。
【0026】ダイヤフラム25は、上側圧力室23内の
圧力変化に基づいて、作動棒20を介してボール弁12
を駆動する駆動手段である。なお、ダイヤフラム25の
代わりにベローズ等の駆動手段を用いても良い。また、
ダイヤフラム25の下側圧力室24側面には、中央部に
作動棒20の図示上端部に連結する円板状のストッパ3
2が同軸的に装着されている。
【0027】さらに、弁本体11と作動棒20との間に
は、低圧側通路17と下側圧力室24との間を密封する
円筒状のシール部材33およびOリング34が装着され
ている。
【0028】感温筒15は、本発明の感温部であって、
熱伝導性に優れるアルミニウム合金等の金属により円管
状に形成されており、冷媒蒸発器6の出口と蒸発圧力調
整弁7の入口とを連結する冷媒配管8に直接接触するよ
うに取り付けられている。この感温筒15の両端部は、
他部より径を絞られており、その部分に多数の吸着剤3
5の流出を防ぐための保持部材36とフィルター37と
を固定している。
【0029】多数の吸着剤35は、感温筒15の温度が
低下するとガス冷媒を吸着し、感温筒15の温度が上昇
するとガス冷媒を放出(脱着)する性能を有する活性
炭、合成ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ等を使
用している。これらの吸着剤35は、感温筒15の感温
室38(保持部材36とフィルター37とで挟まれた空
間)内に略緊密的に封入されている。
【0030】また、感温筒15の感温室38からキャピ
ラリチューブ26の導圧通路39を介してダイヤフラム
25の上側圧力室23までの導圧経路中には、冷凍サイ
クル1内に充填された冷媒と同一のガス冷媒等が充填さ
れている。このガス冷媒は、本発明の媒体であって、H
FC−23またはHFC−134a等の飽和圧力の比較
的に高いフロン系飽和ガスで、冷媒蒸発器6の出口より
流出したガス冷媒の温度変化を圧力変化に変換する充填
媒体である。また、充填媒体として、アンモニア、臭化
リチウムや水等を用いても良い。
【0031】なお、感温筒15の図示上端部の開口部分
には、キャピラリチューブ26の端部が差し込まれてお
り、図示下端部の開口部分には、ガス冷媒を封入するた
めの封入管15aが溶接等の手段を用いて接合されてい
る。この封入管15aは、ガス冷媒を感温筒15内に封
入した後に端部が閉じられる。
【0032】保持部材36は、吸着剤35の径より目の
細かい金網であって、感温筒15の図示下端部に感温筒
15の絞り成形による固定方法や溶接等の手段を用いて
接合され、多数の吸着剤35が感温室38内から流出す
るのを防止している。
【0033】次に、フィルター37の構造を図3に基づ
いて詳細に説明する。このフィルター37は、本発明の
遅延手段であって、樹脂により一体成形された非通気性
のフィルター本体40、およびこのフィルター本体40
内に装着された通気性の抵抗部材41よりなり、感温筒
15のキャピラリチューブ26との結合部付近のガス流
が生じる箇所に取り付けられている。なお、フィルター
37は、感温筒15の吸着剤35からダイヤフラム25
の上側圧力室23に至る導圧経路中であれば例えばキャ
ピラリチューブ26内などどこに配されていても良い。
【0034】フィルター本体40は、本発明の一体成形
品であって、内部にガス冷媒が移動可能な通過口42を
形成している。また、フィルター本体40の感温室38
側端部の外周には、感温筒15の内周に当接すると共
に、多数の吸着剤35を保持する円環状の鍔部43が形
成されている。
【0035】また、フィルター本体40の外周と感温筒
15の内周とを通過しようとするガス冷媒は、円錐形状
に絞り成形した縮径部15bの内周に沿うように円錐形
状に成形されたシール部44により密封(シール)され
ている。なお、鍔部43とシール部44との間には、鍔
部43より外径が小さく、シール部44の最大外径部分
と同一の外径の円環部45が形成されている。
【0036】抵抗部材41は、本発明の制限手段であっ
て、合成繊維、メッシュ等の通気性の濾過部材が利用さ
れている。この抵抗部材41は、フィルター本体40の
樹脂成形時にフィルター本体40の素材内にモールドさ
れた状態でフィルター本体40に一体成形されていると
共に、フィルター本体40の鍔部43の内周面に形成さ
れた円環溝46内に保持されてなる。そして、抵抗部材
41は、感温筒15の感温室38内からキャピラリチュ
ーブ26の導圧通路39内へ向かうガス冷媒の移動速
度、およびキャピラリチューブ26の導圧通路39内か
ら感温筒15の感温室38内へ向かうガス冷媒の移動速
度を制限する働きをする。
【0037】〔第1実施例の作用〕次に、この実施例の
冷凍サイクル1の作用を図1ないし図3に基づいて簡単
に説明する。冷媒圧縮機2で圧縮され、吐出された高
温、高圧のガス冷媒は、冷媒凝縮器3を通過する際に冷
却ファン9の送風を受けて凝縮液化する。その後、レシ
ーバ4を通って高温、高圧の液冷媒のみが温度作動式膨
張弁5の弁本体11の高圧側通路16内に導かれる。高
圧側通路16内に流入した液冷媒は、絞り孔19で急激
に減圧膨張されて低温、低圧の霧状冷媒となり、低圧側
通路17を通って冷媒蒸発器6内に導かれる。
【0038】冷媒蒸発器6内に流入した霧状冷媒は、ブ
ロワ10の送風を受けて蒸発気化し、ガス冷媒となって
冷媒蒸発器6より流出し、蒸発圧力調整弁7を介して冷
媒圧縮機2に戻される。以上のような作用を繰り返すこ
とによって、冷媒蒸発器6を通過する際に冷却された空
気がブロワ10の作用により車室内へ吹き出されること
により、車室内が冷房される。
【0039】上記の冷媒蒸発器6の熱交換において、冷
房負荷が小さくなり、冷媒蒸発器6の出口の冷媒の過熱
度が低くなった場合、すなわち、冷媒蒸発器6の出口よ
り流出した冷媒の温度が低くなった場合には、その冷媒
の温度が伝わる感温筒15の感温室38の温度も下降す
る。このため、感温筒15の感温室38からキャピラリ
チューブ26の導圧通路39を介してダイヤフラム25
の上側圧力室23までの導圧経路中に充填されたガス冷
媒が感温室38内に封入された多数の吸着剤35に吸着
される。
【0040】ここで、ガス冷媒は、冷媒蒸発器6の出口
側の冷媒配管8内を流れる冷媒の温度に対応した飽和圧
力になる過程において、感温筒15内のガス冷媒がボー
ル弁12と作動棒20を介して連結するダイヤフラム2
5の上側圧力室23との均圧現象の際に、キャピラリチ
ューブ26を介してダイヤフラム25の上側圧力室23
と感温筒15の感温室38との間にガス流を発生する。
そこで、この実施例では、ガス流の流速をフィルター3
7で抑制することにより、感温筒15で発生した冷媒の
温度に対応した飽和圧力の変化の伝達速度を遅らせて上
側圧力室23内へ伝わるようにしている。
【0041】また、ダイヤフラム25の上側圧力室23
からキャピラリチューブ26の導圧通路39までに存し
たガス冷媒は、フィルター37のフィルター本体40の
通過口42を通過する際に抵抗部材41により感温室3
8内へ移動する速度を抑えられている。このため、感温
筒15で検出した冷媒の温度変化に対して、ダイヤフラ
ム25の上側圧力室23に伝わる圧力の伝達速度(低下
速度)が抑えられる。
【0042】したがって、感温筒15で検出した冷媒の
温度変化に対して、ダイヤフラム25がゆっくりと上昇
し、ボール弁12がコイルスプリング13のばね力によ
り上方に変位して、絞り孔19の開度がゆっくりと狭め
られる。これにより、レシーバ4から冷媒蒸発器6へ向
かう冷媒の流量、つまり高圧側通路16から絞り孔19
を通って低圧側通路17へ流入する液冷媒の流量がゆっ
くりと減少する。この結果、冷媒蒸発器6内に供給され
る液冷媒の流量が減少するので、液冷媒はゆっくりと蒸
発し、冷媒蒸発器6の出口の冷媒過熱度が上昇し始め
る。
【0043】そして、冷凍サイクル1内の冷媒循環量が
減少して冷媒蒸発器6の出口より流出する冷媒の過熱度
が上昇すると、冷媒蒸発器6の出口側冷媒配管8内を流
れる冷媒の温度も上昇するので、感温筒15の感温室3
8内に封入された多数の吸着剤35よりガス冷媒が離脱
される。
【0044】多数の吸着剤35より離脱したガス冷媒
は、フィルター37のフィルター本体40の通過口42
を通過する際に抵抗部材41によりキャピラリチューブ
26の導圧通路39内へ移動する速度を抑えられてい
る。このため、感温筒15で検出した冷媒の温度変化に
対して、ダイヤフラム25の上側圧力室23に伝わる圧
力の伝達速度(上昇速度)が抑えられる。
【0045】したがって、感温筒15で検出した冷媒の
温度変化に対して、ダイヤフラム25がゆっくりと下降
し、ボール弁12がコイルスプリング13のばね力によ
り下方に変位して、絞り孔19の開度がゆっくりと拡げ
られる。これにより、レシーバ4から冷媒蒸発器6へ向
かう液冷媒の流量がゆっくりと増加する。この結果、冷
媒蒸発器6内に供給される液冷媒の流量が増加するの
で、液冷媒はす早く蒸発し、冷媒蒸発器6の出口の冷媒
過熱度が下降し始める。
【0046】〔第1実施例の効果〕以上のように、冷凍
サイクル1は、冷媒蒸発器6の出口側の冷媒配管8内を
流れる冷媒の温度が変化しても、感温筒15の感温室3
8からキャピラリチューブ26の導圧通路39を介して
ダイヤフラム25の上側圧力室23までの導圧経路中に
封入されたガス冷媒の圧力が徐々に変化して絞り孔19
の開度をゆっくりと変化させる。
【0047】したがって、ボール弁12のハンチング現
象の発生を抑制できるので、冷媒蒸発器6の出口の冷媒
の過熱度の変化に対して、冷媒蒸発器6に供給される液
冷媒量がゆっくりと変化することにより、冷凍サイクル
1の蒸発圧力の変動が抑えられる。この結果、冷媒蒸発
器6から吹き出される空気の吹出温度の変動が小さくな
るため、車室内に吹き出す空気の温度変化も小さくなる
ので、乗員に不快感を与えることはない。
【0048】また、冷媒蒸発器6の出口側の冷媒配管8
の周囲に樹脂製チューブや金属箔テープを設けていない
ので、それらを設けた従来の膨張弁と比較して部品点数
を減少でき、組付作業性が向上することにより製品コス
トが低減するという効果を備える。
【0049】さらに、温度作動式膨張弁5の小型化や取
付スペースの縮小化の要求を満たすために感温筒15の
小型化を図る場合に、感温筒15内に封入する吸着剤3
5の封入量を減らしても、冷媒蒸発器6の出口側の冷媒
配管8内の冷媒の温度の変化に対するガス冷媒の圧力の
変化速度を鈍化させることになり、冷凍サイクル1の蒸
発圧力の変動を抑制することができる。よって、温度作
動式膨張弁5の小型化や取付スペースの縮小化の要求を
満たしながらも、冷凍サイクル1の蒸発圧力を安定させ
ることができる温度作動式膨張弁5を提供することがで
きる。
【0050】そして、温度作動式膨張弁5の感温筒15
内のガス冷媒の飽和圧力値に影響を与えないことから温
度作動式膨張弁5の流量制御特性等の基本性能を維持し
たまま、冷媒蒸発器6の出口より流出した冷媒の温度変
化に対するダイヤフラム25の上側圧力室23内の圧力
変化の時定数のコントロール(遅らす)が可能となる。
【0051】〔第1実施例の実験評価〕この実施例の温
度作動式膨張弁5について実験を行ったので図4のグラ
フおよび図5のグラフに基づいて説明する。ここで、実
験に用いた膨張弁の仕様条件を述べる。遅延手段とし
て、キャピラリチューブ26の中間部に治具を用いて取
り付けた0.45μm×2枚の樹脂フィルターを利用
し、通路面積をキャピラリチューブ26の内径(φ0.
8)相当とした。内部に充填する媒体は、吸着剤として
の活性炭の吸着量を考慮してフロンガス(HFC−13
4a)の飽和特性に近づける必要性からフロンガス(H
FC−23)を用いた。
【0052】以上のようなフィルター付膨張弁(実施
品)の感温筒とフィルター無し膨張弁(従来品)の感温
筒を水温が0℃の水槽と水温が10℃の水槽との間で瞬
時に入れ替えを行い、ダイヤフラム25の上側圧力室2
3の圧力の変化およびボール弁12のリフト量の変化を
経時的に確認した。その実験結果を図4のグラフおよび
図5のグラフに示した。
【0053】図4のグラフからも確認できるように、フ
ィルター付膨張弁(実施品)は、水温が0℃の水槽から
水温が10℃の水槽へ入れ替えを行った感温筒の加熱時
に、全変化幅の63%まで変化するまでに42秒間かか
り、フィルター無し膨張弁(従来品)よりも変化時間が
17%遅れるようになった。
【0054】また、図5のグラフからも確認できるよう
に、フィルター付膨張弁(実施品)は、水温が10℃の
水槽から水温が0℃の水槽へ入れ替えを行った感温筒の
冷却時に、全変化幅の63%まで変化するまでに34秒
間かかり、フィルター無し膨張弁(従来品)よりも変化
時間が31%遅れるようになった。
【0055】〔第2実施例〕図6はこの発明の第2実施
例を示したもので、遅延手段をなすフィルター37を示
した図である。この実施例のフィルター37は、陶器や
セラミックにより一体成形したもので、抵抗部材41の
代わりに通気性を有する抵抗部47を通過口42内に形
成している。
【0056】〔第3実施例〕図7はこの発明の第3実施
例を示したもので、遅延手段をなすフィルター37を示
した図である。この実施例では、第2実施例のフィルタ
ー37の外周と感温筒15の内周との間からガス冷媒が
洩れるのを防ぐために、フィルター37の外周と感温筒
15の内周との間にOリング等のシール部材48を装着
している。
【0057】
【発明の効果】この発明は、製品の小型化や取付スペー
スの縮小化に伴って感温部内に封入する吸着剤の封入量
を減少したとしても、冷媒蒸発器より流出する冷媒の温
度変化に対する駆動部内の圧力変化の応答速度を抑制す
ることにより冷凍サイクルの圧力変動を抑制できる。ま
た、樹脂製チューブ、金属箔テープおよび断熱材を設け
ることなく、冷媒蒸発器より流出する冷媒の温度変化に
対する駆動部内の圧力変化の応答速度をコントロールで
きるため、部品点数の減少および組付作業性の向上が図
れるので、製品コストの上昇を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に用いた冷凍サイクルを
示した構成図である。
【図2】図1の冷凍サイクルに組み込まれた温度作動式
膨張弁を示した断面図である。
【図3】図2の温度作動式膨張弁のフィルターを示した
断面図である。
【図4】感熱筒の加熱時の実施品と従来品との時定数改
良効果を示したグラフである。
【図5】感熱筒の冷却時の実施品と従来品との時定数改
良効果を示したグラフである。
【図6】この発明の第2実施例に用いた温度作動式膨張
弁のフィルターを示した断面図である。
【図7】この発明の第3実施例に用いた温度作動式膨張
弁のフィルターを示した断面図である。
【符号の説明】
1 冷凍サイクル 5 温度作動式膨張弁(冷凍サイクル用膨張弁) 6 冷媒蒸発器 8 冷媒配管 11 弁本体 12 ボール弁(弁体) 14 エレメント(駆動部) 15 感温筒(感温部) 19 絞り孔(冷媒通路) 35 吸着剤 37 フィルター(遅延手段) 40 フィルター本体(一体成形品) 41 抵抗部材(制限手段) 42 通過口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)内部を冷媒蒸発器に向かう冷媒が流
    れる冷媒通路を有する弁本体と、 (b)この弁本体内において変位自在に配され、前記冷
    媒通路の開度を調節する弁体と、 (c)前記冷媒蒸発器より流出する冷媒の温度が伝わる
    感温部と、 (d)内部の圧力の変化に基づいて前記弁体を駆動する
    駆動部と、 (e)前記感温部から前記駆動部に至る導圧経路中に充
    填され、前記冷媒蒸発器より流出する冷媒の温度変化を
    圧力変化に変換して前記駆動部内に伝える媒体と、 (f)前記感温部内に封入され、前記冷媒蒸発器より流
    出する冷媒の温度変化に応じて媒体を吸着する吸着剤
    と、 (g)この吸着剤から前記駆動部に至る導圧経路内に設
    けられ、前記冷媒蒸発器より流出する冷媒の温度変化に
    対する媒体の圧力の伝達速度を遅延させる遅延手段とを
    備えた冷凍サイクル用膨張弁。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の冷凍サイクル用膨張弁に
    おいて、 前記遅延手段は、内部を媒体が通過する通過口を有する
    非通気性の一体成形品、および前記通過口を通過する媒
    体の移動速度を制限する通気性の制限手段よりなること
    を特徴とする冷凍サイクル用膨張弁。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の冷凍サイクル用膨張弁に
    おいて、 前記遅延手段は、前記導圧経路内を移動する媒体の移動
    速度を制限する通気性の一体成形品よりなることを特徴
    とする冷凍サイクル用膨張弁。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の冷凍サイクル用膨張弁において、 前記媒体には、HFC−23またはHFC−134a等
    の飽和ガスが利用されることを特徴とする冷凍サイクル
    用膨張弁。
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