JPH0729490U - 温度差制御型高温拡散霧箱 - Google Patents
温度差制御型高温拡散霧箱Info
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- JPH0729490U JPH0729490U JP5839293U JP5839293U JPH0729490U JP H0729490 U JPH0729490 U JP H0729490U JP 5839293 U JP5839293 U JP 5839293U JP 5839293 U JP5839293 U JP 5839293U JP H0729490 U JPH0729490 U JP H0729490U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 霧箱の容器内に発生した霧の流れを一定にし
て、放射線の飛跡が現れる有効領域を安定に維持制御可
能で操作が容易な温度差制御型高温拡散霧箱を提供す
る。 【構成】 含浸布部ヒータ32が容器10の上部内周面
に沿って設けられ、含浸布部34が含浸布部ヒータ32
を覆うように取り付けられ、温度検出素子44が含浸布
部中に配置され、含浸布部温度制御指示計により含浸布
部の温度が所望の温度に制御されることにより、含浸布
部からエチレングリコールの一定量の蒸気が安定に発生
する。過熱蒸気層38とエチレングリコールの液面26
との温度差を検出する温度検出素子40、42が設けら
れ、上蓋部ヒータ22がその温度差が所望の温度差にな
るよう温度差制御指示計により含浸布部ヒータとは独立
に制御される。これらにより、有効領域92が安定に形
成、保持され、放射線の飛跡が安定に観察される。
て、放射線の飛跡が現れる有効領域を安定に維持制御可
能で操作が容易な温度差制御型高温拡散霧箱を提供す
る。 【構成】 含浸布部ヒータ32が容器10の上部内周面
に沿って設けられ、含浸布部34が含浸布部ヒータ32
を覆うように取り付けられ、温度検出素子44が含浸布
部中に配置され、含浸布部温度制御指示計により含浸布
部の温度が所望の温度に制御されることにより、含浸布
部からエチレングリコールの一定量の蒸気が安定に発生
する。過熱蒸気層38とエチレングリコールの液面26
との温度差を検出する温度検出素子40、42が設けら
れ、上蓋部ヒータ22がその温度差が所望の温度差にな
るよう温度差制御指示計により含浸布部ヒータとは独立
に制御される。これらにより、有効領域92が安定に形
成、保持され、放射線の飛跡が安定に観察される。
Description
【0001】
本考案は、放射線の飛跡を観察するための温度差制御型高温拡散霧箱に関し、 特に霧の流れを一定に制御し安定な有効領域を保持する構造に関するものである 。
【0002】 なお、放射線に関してその飛跡を観察することは非常に重要であり、教育訓練 用として、温度差制御型高温拡散霧箱は、中学生、高校生、又は放射線作業従事 者にとっても、放射線の性質、放射線の管理の基本的な知識を習得することに適 したものである。
【0003】
従来の高温拡散霧箱の要部の構造を概略示すため断面図の形で図4に示す。図 4において、10は上面が開口した円筒形のガラス容器を、12は上蓋部を、1 4は容器10の側壁の内周面に沿って上蓋部12の近傍に取り付けられ、エチレ ングリコールを含浸した含浸布部を、16は容器10の側壁の外周面に含浸布部 14と対向して取り付けられ含浸布部14を容器10の側壁を介して加熱しエチ レングリコールの蒸気を発生させる含浸布部ヒータを、18は容器10の底面近 傍のエチレングリコールの蒸気を冷却して凝縮させるため容器10の底部の外側 に設けられた冷却ファンをそれぞれ示す。上蓋部12は、観察用窓20と、容器 10の内部空間における上蓋部12の近傍を加熱するための上蓋部ヒータ22と を有する。24は、含浸布部ヒータ16および上蓋部ヒータ22の加熱をON− OFF制御するためサーモスタット(図示せず)の温度検出素子を示し、当該温 度検出素子24は、容器10内で水平方向において含浸布部14を含む空間の部 分でかつ含浸布部14から離間した位置に配設されている。
【0004】 上記のように構成された従来の高温拡散霧箱においては、サーモスタットの温 度検出素子24により検出された温度と設定温度との差に従いサーモスタットが 含浸布部ヒータ16および上蓋部ヒータ22を同時にON−OFF制御すること により、含浸布部14からエチレングリコールを気化させ、容器10内にエチレ ングリコールの霧を発生させている。一方、冷却ファン18により容器10の底 部の付近にあるエチレングリコールの霧を冷却して凝縮させエチレングリコール の液体26を生じさせる。このような動作により、容器10の空間の含浸布部1 4とエチレングリコールの液体26との間で放射線の飛跡を捕らえる有効領域( 過飽和蒸気層)28が形成される。
【0005】
従来の高温拡散霧箱は上記したように構成され、動作するので次のような問題 点を有していた。即ち、 上蓋部ヒータ22および含浸布部ヒータ16のON−OFFをサーモスタット によって同時に行っているため、エチレングリコールの霧の発生量と霧箱の容器 10内の温度勾配を一定に保持することが困難であり、有効領域(過飽和蒸気層 )28の形成が不安定であった。
【0006】 また、サーモスタットの温度検出素子24が容器10の内部空間に配置されて いるため、その空間の温度とは異なる温度である含浸布部14から一定の量の霧 を発生させることが困難であった。
【0007】 さらに、含浸布部ヒータ16によって霧箱の容器10の円筒ガラス側壁の外壁 を介して、ガラス側壁の内壁に取り付けられた含浸布部14を間接的に加熱して いるため、エチレングリコールの霧の発生量を制御するのに時間遅れが生じる。 そのため、霧箱の容器10内の温度勾配とエチレングリコールの霧の流量とが一 定になる定常状態の形成に時間がかかり、しかも上記時間遅れを考慮して操作者 は設定温度等を時間に対して変える等、従来の高温拡散霧箱を操作するのに、操 作者はかなりの熟練と経験とを要した。
【0008】 このような問題点を有するため、従来の高温拡散霧箱は、中学生、高校生にと っては不確かで適切でない教育機器であった。
【0009】 本考案は、上記問題点を解決して、霧箱の容器内に発生した霧の流れを一定に して、放射線の飛跡が現れる有効領域を安定に維持制御可能で操作が容易な温度 差制御型高温拡散霧箱を提供することを目的とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本考案の温度差制御型高温拡散霧箱は、側壁部と底 部とを有し、上面が開口した容器と、前記容器の内部を密閉するため前記容器の 上面を覆い、かつ前記容器の内部を見得る構造を有する上蓋部と、前記容器の内 部空間における前記上蓋部近傍を加熱するため前記上蓋部に設けられた上蓋部加 熱手段と、前記容器の側壁部の内周面に沿い、かつ前記上面の近傍でそれから離 間して設けられ、かつ液体を含浸した含浸布部と、前記含浸布部に含浸した液体 を気化するため前記含浸布部を加熱する含浸布部加熱手段と、前記容器の底面近 傍にある前記気化した液体の蒸気を冷却して凝縮させるため前記容器の底部の外 側に設けられた冷却手段とを備え、さらに、前記含浸布部加熱手段は前記容器の 側壁部の内周面と前記含浸布部との間に、かつ前記含浸布部により覆われるよう に設けられ、前記容器の内部空間における前記上蓋部近傍の温度と、前記冷却手 段により冷却され凝縮して前記容器の底部に存在する液体の液面の温度との差を 検出する温度差検出手段と、前記温度差検出手段により検出された温度差が所定 の値となるよう前記上蓋部加熱手段を制御する温度差制御手段と、前記含浸布部 の温度を検出するため前記含浸布部内に配置された含浸布部温度検出手段と、前 記含浸布部温度検出手段により検出された前記含浸布部の温度が所定の値となる よう前記含浸布部加熱手段を制御する制御手段とを設けることを特徴とする。
【0011】
上記のように構成された本考案の温度差制御型高温拡散霧箱は、含浸布部加熱 手段が容器の側壁部の内周面と含浸布部との間に、かつ前記含浸布部により覆わ れるように設けられることにより、液体を含浸した前記含浸布部からの霧の発生 を容易にし、かつ加熱に対して霧を時間遅れなく発生させる。そして、含浸布部 温度検出手段により前記含浸布部自体の温度が検出され、前記含浸布部加熱手段 を制御する制御手段により前記含浸布部加熱手段が制御されることにより前記含 浸布部の温度が所定の値にされる。これらにより、含浸布部からのエチレングリ コールの蒸気発生量が容易に一定に保たれる。
【0012】 また、温度差検出手段により前記容器の内部空間の上蓋部近傍の温度と、前記 冷却手段により冷却され凝縮して前記底部に存在する液体の液面の温度との差が 検出され、温度差制御手段により前記上蓋部加熱手段が制御されることにより前 温度差が所定の値にされる。
【0013】 さらに、上蓋部加熱手段は前記容器の内部空間における上蓋部の近傍の温度と 、前記冷却手段により冷却され凝縮して前記底部に存在する液体の液面の温度と の差に基づき、一方前記含浸布部加熱手段は前記含浸布部の温度に基づき、それ ぞれの制御手段により独立に制御される。
【0014】 これらの作用により、発生された霧の流れが一定に制御され、容器内に上から 過熱蒸気層、飽和蒸気層、過飽和蒸気層である有効領域、および液体の凝縮液面 が容易にかつ安定に形成、保持され、その結果、放射線の飛跡が形成される有効 領域(過飽和蒸気層)において放射線の飛跡が安定に観察される。
【0015】
本考案の温度差制御型高温拡散霧箱の一実施例を図面を参照して以下に説明す る。図1の(A)は本考案の一実施例の温度差制御型高温拡散霧箱をその上面か らみた平面図であり、図1の(B)はその正面からみた正面図である。また、図 2は、図1の(A)においてラインA−Aでの断面図を示し、温度差制御型高温 拡散霧箱の主要構成要素を概略示している。図3は、図1および図2に示される 温度差制御型高温拡散霧箱の電気回路を示すブロック図である。なお、本考案の 理解を容易にするため、構成要素は必要に応じて摸式的に示されており、実際の 大きさを示すものではない。また、図1および図2において、図4に示す参照番 号と同一の参照番号のものは、図4の同一参照番号の構成要素と同様の機能を有 するものであるので説明を繰り返さない。
【0016】 図1において、温度差制御型高温拡散霧箱の筺体30の中に内径150mmφ 高さ55mmのガラス製の円筒形状をしている容器10が配置され、その容器1 0の内部を密閉状態にするためその上面の開口を覆うように筺体30の上面に上 蓋部12が取り付けられている。その上蓋部12には放射線の飛跡を観察するた めのガラス製の観察用窓20が取り付けられている。筺体30の正面側の側面に は、図1の(B)に示されるように、後述する表示および設定用のスイッチSS1 、SS2、可変抵抗器のボリューム64(VR1)および66(VR2)、ランプ PL、過熱蒸気層と液体の凝縮液面との温度差設定部80、その温度差表示部8 2、含浸布部の温度設定部84、およびその温度表示部86が取り付けられてい る。
【0017】 図2において、上蓋部12に取り付けられている観察用窓20の内側には観察 に支障のない従来のものと同じ形式の上蓋部ヒータ22が設けられている。含浸 布部ヒータ32が、容器10の側壁の内周面に沿って、かつ上蓋部12の近傍で それから離間して取り付けられている。そして、含浸布部34が、含浸布部ヒー タ32を覆うようにその上に、容器10の側壁の内周面に沿って取り付けられて いる。図1の(A)に示されるように、含浸布部34の数箇所から容器10の底 部に存在する液体のエチレングリコール(図2の26参照)を含浸布部34に吸 い上げるための吸い上げ布36がエチレングリコールの液体26まで垂れ下がっ ている。観察用窓20の内側面から含浸布部34の間の容器10内の空間、好ま しくは観察用窓20の内側の直下に生じる過熱蒸気層38とエチレングリコール の液体26の凝縮液面との温度差を検出するため、熱電対等の温度検出素子40 および42がそれぞれ、観察用窓20の内側面から含浸布部34の間の容器10 内の空間、好ましくは観察用窓20の内側の直下と、液体26の液面とに配置さ れており、かつ直列に接続され、後述する温度差制御指示計(TIC)50に接 続されている。含浸布部34の温度を測定するためその含浸布部34の中に、熱 電対等の温度検出素子44が配置され、後述する含浸布部温度制御指示計(TI C)52に接続されている。
【0018】 図3において、54はAC100Vの外部ラインに接続するためのコンセント を、56は共通ラインを、58はコンセント54にヒューズF1およびスイッチ SS1を介して接続されたAC100Vの+側ラインをそれぞれ示す。スイッチ SS1による電源投入を示すランプPLが+側ライン58と共通ライン56間に 接続されている。容器10の内部を照らすための100V50Wのハロゲンラン プLがスイッチSS2を介して+側ライン58と共通ライン56間に接続されて いる。含浸布部ヒータ32に電力を供給するための電源となる第1の半導体制御 整流器(SCR)60と、上蓋部ヒータ22に電力を供給する電源となる第2の 半導体制御整流器(SCR)62のそれぞれの入力側が+側ライン58と共通ラ イン56に接続されている。温度差制御指示計50および含浸布部温度制御指示 計52のそれぞれ電源入力端子部が+側ライン58と共通ライン56とに接続さ れている。第1の半導体制御整流器60および第2の半導体制御整流器62には それぞれのDC出力電圧を調整するためのボリューム型の可変抵抗器64および 66がそれぞれ接続されている。
【0019】 なお、第1の半導体制御整流器60および可変抵抗器64と、第2の半導体制 御整流器62および可変抵抗器66との具体的構成は、上記機能を有するもので あれば従来のいずれの構成のものでもよい。
【0020】 第1の半導体制御整流器60は、AC電圧を整流してDC出力電圧を含浸布部 温度制御指示計52に供給するため含浸布部温度制御指示計52のDC電圧入力 端子に接続されている。第2の半導体制御整流器62もまた、AC電圧を整流し てDC出力電圧を温度差制御指示計50に供給するため温度差制御指示計50の DC電圧入力端子に接続されている。含浸布部温度制御指示計52のDC電圧出 力端子と共通ライン56との間に含浸布部ヒータ32が接続され、温度差制御指 示計50のDC電圧出力端子と共通ライン56との間に上蓋部ヒータ22が接続 されている。温度差制御指示計50は、図1の(B)に示されるように過熱蒸気 層38と液体26の凝縮液面との温度差を所望の値に設定するための温度差設定 部80と、その実際の温度を表示する温度差表示部82と、前記温度差と所望の 値とを比較する比較器(図示せず)と、DC電圧入力端子とDC電圧出力端子間 に介挿されたON−OFF制御スイッチ(図示せず)であって比較器が前記温度 差が所望の値より低いことを示すときにON(両端子間を導通)し、高いことを 示すときにOFF(両端子間を遮断)するON−OFF制御スイッチとを有する 。含浸布部温度制御指示計52は、図1の(B)に示されるように含浸布部ヒー タ32の温度を所望の値に設定するための温度設定部84と、その実際の温度を 表示する温度表示部86と、含浸布部ヒータ32の実際の温度と所望の値とを比 較する比較器(図示せず)と、DC電圧入力端子とDC電圧出力端子間に介挿さ れたON−OFF制御スイッチ(図示せず)であって比較器が含浸布部ヒータ3 2の実際の温度が所望の値より低いことを示すときにON(両端子間を導通)し 、高いことを示すときにOFF(両端子間を遮断)するON−OFF制御スイッ チとを有する。なお、温度差制御指示計50および含浸布部温度制御指示計52 の具体的構成は、上記機能を有するものであればいずれの構成のものでもよい。
【0021】 次に、上述にように構成された温度差制御型高温拡散霧箱の動作を述べる。液 体としてエチレングリコールを使用した場合は、スイッチSS1により電源投入 した後の初期設定値として、過熱蒸気層38と液体26の凝縮液面との温度差Δ T=T1−T0(T1は過熱蒸気層38の温度を、T0は液体26の凝縮液面の温度 を示す。)はほぼ105〜110°Cが好ましく、例えば当該温度差の所望の値 を温度差設定部80により105°Cに設定する。含浸布部34の温度T2は、 前記温度差ΔTが含浸布部34の温度よりほぼ10〜20°C高い状態のとき( このとき、T1はT2よりほぼ10〜20°C高い状態にある)飽和蒸気は過飽和 蒸気となり、観察用窓20に液滴が発生しないことが実験的に確認されているこ とから、ほぼ100〜105°Cが好ましく、例えば当該温度の所望の値を温度 設定部84により100°Cに設定する。容器10内が安定状態に達するまでに 必要な電力を上蓋部ヒータ22および含浸布部ヒータ32に加えるのに適切なD C電圧をそれぞれの可変抵抗器66および64により設定する。上蓋部ヒータ2 2は、温度差制御指示計50により、過熱蒸気層38と液体26の凝縮液面との 温度差ΔTが105°Cより低いときは第2の半導体制御整流器62のDC出力 電圧が印加されて加熱し、ΔTが105°Cに達すると、それより高いときには 当該DC電圧の印加を遮断して加熱を休止し、またそれより低いときには当該D C電圧を印加して加熱して、過熱蒸気層38と液体26の凝縮液面との温度差Δ Tが一定になるように動作する。同様に、含浸布部ヒータ32は、含浸布部温度 制御指示計52により、含浸布部ヒータ32の温度T2が100°Cより低いと きは第1の半導体制御整流器60のDC出力電圧が印加されて加熱し、T2が1 00°Cに達すると、それより高いときには当該DC出力電圧の印加を遮断して 加熱を休止し、またそれより低いときには当該DC出力電圧を印加して加熱して 、T2が一定になるように動作する。このような安定状態においては、通常は観 察用窓20の内側に液滴が発生しないので放射線の飛跡を観測できる状態となる が、観察用窓20の内側に液滴が発生する場合には、ΔTとT2とあるいはいず れか一方の設定値を変える操作により液滴の発生を抑えるようにする。
【0022】 なお、冷却ファン18は上記動作の間従来のものと同様に容器10の底部の近 傍に存在するエチレングリコールの蒸気を冷却液化するように動作する。
【0023】 また、可変抵抗器64および66は、温度差制御型高温拡散霧箱の操作者が上 蓋部ヒータ22および含浸布部ヒータ32への印加電力を時間に対して調整でき るようにして、容器10内の状態が過渡状態から安定状態へのより迅速でスムー ズな移行および安定状態において温度制御のリンギングがなるべく少なくなるよ うにするために設けられたものであり、これら可変抵抗器64および66を固定 にした、即ち第1の半導体制御整流器60および第2の半導体制御整流器62が 固定の一定DC電圧を出力する半導体制御整流器であっても本考案の温度差制御 型高温拡散霧箱は動作可能である。
【0024】 本考案の温度差制御型高温拡散霧箱は上述のように動作することにより、図2 に示されるように、容器10内において、観察用窓20と含浸布部34との間の 空間、好適には観察用窓20の直下に過熱蒸気層38が形成され、水平方向に含 浸布部34を含む空間に飽和蒸気層90が形成され、含浸布部34とエチレング リコールの液体26の凝縮液面との間の空間に有効領域92である過飽和蒸気層 が形成され、容器10の底部にエチレングリコールの液体26の層が形成される 。本考案においては、含浸布部ヒータ32が、容器10の側壁の内周面に沿って 上蓋部12の近傍に取り付けられ、そして含浸布部34が、含浸布部ヒータ32 を覆うようにその上に、容器10の側壁の内周面に沿って取り付けられ、さらに 温度検出素子44が含浸布部34の中に配置されて含浸布部34の温度を直接所 望の値、上記の例では100°Cに制御されるため、エチレングリコールの蒸気 発生量が一定に保たれる。また、過熱蒸気層38とエチレングリコールの液体2 6の凝縮液面の温度差ΔTが一定になるように上蓋部ヒータ22の印加電力が制 御されるので、霧箱の容器10内の蒸気層の温度差が一定に保持される。さらに 、上蓋部ヒータ22と含浸布部ヒータ32の加熱電力はそれぞれ独立に制御され るため、霧箱の容器10内の深さ方向の温度勾配と、発生したエチレングリコー ルの霧の流れが一定に制御されて、最適の安定な有効領域92が形成され、かつ その保持が容易になる。従って、過熱蒸気層38、飽和蒸気層90、過飽和蒸気 層である有効領域92、および液体26の凝縮液面が容易にかつ安定に形成、保 持され、その結果、放射線の飛跡が形成される過飽和蒸気層である有効領域92 が安定に保持され、放射線の飛跡が安定に観察される。例えば、本実施例では、 上記の温度設定条件で、宇宙線の飛跡が安定に観察された。
【0025】 なお、本実施例はエチレングリコールを液体として用いているが、本考案は温 度差制御型高温拡散霧箱に使用しうる液体のいずれにも適用可能である。但し、 使用される液体の性質(沸点の差)によって安定な有効領域の高さ(上下の幅) は変わる。
【0026】
【考案の効果】 本考案の温度差制御型高温拡散霧箱は、以上説明したように構成されているの で、以下に記載されるような効果を奏する。
【0027】 含浸布部加熱手段が容器の側壁部の内周面と含浸布部との間に、かつ前記含浸 布部により覆われるように設けられることにより、液体を含浸した前記含浸布部 からの霧の発生を容易にし、かつ加熱に対して霧を時間遅れなく発生させる。そ して、含浸布部温度検出手段により前記含浸布部自体の温度が検出され、当該検 出温度に基づいて含浸布部加熱手段を制御する制御手段により前記含浸布部加熱 手段が制御されることにより前記含浸布部の温度が所定の値に容易に保持される 。これらにより、含浸布部からのエチレングリコールの蒸気発生量を容易に一定 に保つことができる。
【0028】 また、温度差検出手段により前記容器の内部空間における上蓋部近傍の温度と 、前記冷却手段により冷却され凝縮して前記底部に存在する液体の液面の温度と の差が検出され、当該検出された温度差に基づいて温度差制御手段により前記上 蓋部加熱手段が制御されることにより前記温度差が所定の値に容易に保持される 。
【0029】 さらに、上蓋部加熱手段は前記容器の内部空間における上蓋部近傍の温度と、 前記冷却手段により冷却され凝縮して前記底部に存在する液体の液面の温度との 差により、一方、含浸布部加熱手段は前記含浸布部の温度により、それぞれ独立 に制御されるため、霧箱の容器の深さ方向の温度勾配と、発生したエチレングリ コールの霧の流れが一定に制御されて、最適の安定な有効領域が形成され、かつ 保持が容易になる。
【0030】 その結果、宇宙線(μ、π粒子等)、α、β、γ線(反跳電子)および中性子 線(反跳陽子)等の放射線の飛跡が安定に観察でき、放射線と物質の相互作用を 理解することが容易になる。
【図1】(A)は本考案による一実施例の温度差制御型
高温拡散霧箱をその上面からみた平面図を、(B)はそ
の正面からみた正面図をそれぞれ示す。
高温拡散霧箱をその上面からみた平面図を、(B)はそ
の正面からみた正面図をそれぞれ示す。
【図2】図1の(A)のラインA−Aでの断面図を示
し、温度差制御型高温拡散霧箱の主要構成要素を概略示
す図である。
し、温度差制御型高温拡散霧箱の主要構成要素を概略示
す図である。
【図3】図1および図2に示される温度差制御型高温拡
散霧箱の電気回路を示すブロック図である。
散霧箱の電気回路を示すブロック図である。
【図4】従来の高温拡散霧箱の要部の構造を概略示すた
めの断面図である。
めの断面図である。
10:容器 12:上蓋部 18:冷却ファン 20:観察用窓 22:上蓋部ヒータ 26:液体 32:含浸布部ヒータ 34:含浸布部 40、42、44:温度検出素子 50:温度差制御指示計 52:含浸布部温度制御指示計 60:第1の半導体制御整流器 62:第2の半導体制御整流器
Claims (1)
- 【請求項1】 側壁部と底部とを有し、上面が開口した
容器と、 前記容器の内部を密閉するため前記容器の上面を覆い、
かつ前記容器の内部を見得る構造を有する上蓋部と、 前記容器の内部空間における前記上蓋部近傍を加熱する
ため前記上蓋部に設けられた上蓋部加熱手段と、 前記容器の側壁部の内周面に沿い、かつ前記上面の近傍
でそれから離間して設けられ、かつ液体を含浸した含浸
布部と、 前記含浸布部に含浸した液体を気化するため前記含浸布
部を加熱する含浸布部加熱手段と、 前記容器の底面近傍にある前記気化した液体の蒸気を冷
却して凝縮させるため前記容器の底部の外側に設けられ
た冷却手段とを備える温度差制御型高温拡散霧箱におい
て、 前記含浸布部加熱手段は前記容器の側壁部の内周面と前
記含浸布部との間に、かつ前記含浸布部により覆われる
ように設けられ、 前記容器の内部空間における前記上蓋部近傍の温度と、
前記冷却手段により冷却され凝縮して前記容器の底部に
存在する液体の液面の温度との差を検出する温度差検出
手段と、 前記温度差検出手段により検出された温度差が所定の値
となるよう前記上蓋部加熱手段を制御する温度差制御手
段と、 前記含浸布部の温度を検出するため前記含浸布部内に配
置された含浸布部温度検出手段と、 前記含浸布部温度検出手段により検出された前記含浸布
部の温度が所定の値となるよう前記含浸布部加熱手段を
制御する制御手段とを設けることを特徴とする温度差制
御型高温拡散霧箱。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5839293U JPH0729490U (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | 温度差制御型高温拡散霧箱 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5839293U JPH0729490U (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | 温度差制御型高温拡散霧箱 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0729490U true JPH0729490U (ja) | 1995-06-02 |
Family
ID=13083084
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5839293U Pending JPH0729490U (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | 温度差制御型高温拡散霧箱 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0729490U (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007232416A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Nakamura Scientific Co Ltd | 低温拡散型霧箱 |
| CN113189638A (zh) * | 2021-04-21 | 2021-07-30 | 中国科学院国家空间科学中心 | 一种基于粒子径迹成像云室的粒子运动轨迹成像装置 |
| JP7385329B1 (ja) * | 2023-06-30 | 2023-11-22 | 株式会社関東技研 | 霧箱 |
-
1993
- 1993-10-28 JP JP5839293U patent/JPH0729490U/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007232416A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Nakamura Scientific Co Ltd | 低温拡散型霧箱 |
| CN113189638A (zh) * | 2021-04-21 | 2021-07-30 | 中国科学院国家空间科学中心 | 一种基于粒子径迹成像云室的粒子运动轨迹成像装置 |
| CN113189638B (zh) * | 2021-04-21 | 2024-04-05 | 中国科学院国家空间科学中心 | 一种基于粒子径迹成像云室的粒子运动轨迹成像装置 |
| JP7385329B1 (ja) * | 2023-06-30 | 2023-11-22 | 株式会社関東技研 | 霧箱 |
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