JPH0729879B2 - 透光性磁性イットリウム鉄ガーネット膜及びその製造方法 - Google Patents

透光性磁性イットリウム鉄ガーネット膜及びその製造方法

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JPH0729879B2
JPH0729879B2 JP2146455A JP14645590A JPH0729879B2 JP H0729879 B2 JPH0729879 B2 JP H0729879B2 JP 2146455 A JP2146455 A JP 2146455A JP 14645590 A JP14645590 A JP 14645590A JP H0729879 B2 JPH0729879 B2 JP H0729879B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気記録材料、電磁波遮蔽材料、磁気遮蔽材
料、光学機能性磁気材料及びセンサー等に用いられる光
透性磁性イットリウム鉄ガーネット(以下、YIGと略記
する)膜及びその製造方法に関するものである。
〔従来の技術及びその問題点〕
今日最も広く用いられている酸化物磁性材料は、マグネ
タイトで代表されるスピネル型フェライト、バリウムフ
ェライトで代表されるマグネトプランバイト型フェライ
ト、そしてYIGで代表されるガーネット型フェライトで
ある。この三種類の中でガーネット型フェライトは、使
用される量が非常に少なく、利用のされ方も付加価値の
高い所となっており、単結晶として用いられる例が多い
という特徴がある。
単結晶としてのYIGの利用は、(1)マイクロ波用共鳴
素子、(2)光アイソレーター用素子、(3)磁気バブ
ル用素子である。マイクロ波用共鳴素子は、同調発振
器、同調ろ波器、周波数選択パワーリミッターなどの心
臓部品として、直径1mm以下の球の形で用いられる(特
開昭55−100702、51−86375、58−182302、59−10340
3、103404、60−2576078、62−11303、10102、200709、
256501、特開平01−14082、152802)。光アイソレータ
ー用素子は、YIGの磁気光学結晶に方解石等の偏光子を
組み合わせた形で、ファラデー回転形アイソレーター及
び共鳴形アイソレーターの部品として用いられる(特開
昭55−138711、58−173703、59−−74526、63−13250
3、特開平01−19309、90412)。磁気バルブ用素子は、
ハードバルブ抑制のためバルブ保持層の表面にYIG単結
晶をもうけている(特開昭56−143585)。
YIG単結晶の育成法は、(1)PbOを主体としたフラック
ス用いて徐冷する方法、(2)PbO以外を主体としたフ
ラックスを用いて徐冷する方法、(3)水熱法、(4)
気相法、(5)溶液引き上げ法等が試みられているが現
在市販されているYIG単結晶は、すべてPbO系フェラック
スを用いて育成されたものである。
しかし、近年ますます装置の小型化、低コスト化及び量
産化等の要望が増加しているため、YIGの直接薄膜化に
ついて検討が行なわれている。その結果、真空技術の進
歩により、YIG単結晶バルブを使用したデバイスに変わ
るものとして単結晶磁性YIG膜が使われるようになって
きた。
磁性YIG膜の作成法は、(1)真空蒸着法、(2)スパ
ッタリング法、(3)イオンプレーティング法、(4)
イオンビーム蒸着法、(5)イオン注入蒸着法、(6)
常圧・減圧CVD法、(7)プラズマCVD法、(8)MO−CV
D法、(9)光CVD法、(10)レーザーCVD法、(11)液
相エピタキシャル成長法などがある。(1)〜(10)の
方法は、基板に被膜を形成し、適当な雰囲気下の熱処理
で結晶性磁性YIG膜としている。これらの方法は、極め
て多量のエネルギーを消費することや、製造装置が高価
な上、大がかりで量産性に乏しいこと、操作が煩雑で基
板が高融点の物でなければならないことなどの大きな欠
点を持ち、工業的に難点が多くコスト高となる欠点があ
る(特開昭48−99100、49−12398、49−12399、50−904
96、50−119299、52−103385、53−142388、56−14358
5、60−257607)。(11)の液相エピタキシャル成長法
も、(1)〜(10)の磁性YIG膜の作成方法と同様に多
くの育成時間を必要とするため量産性に乏しく、ガドリ
ニウム・ガリウム・ガーネット(Gd3Ga5O12)のような
誘導体基板上に磁性YIG結晶を作成するためコスト高に
なる欠点がある(特開昭55−23661、143009、58−18230
2、59−103403、103404、175201、60−257607、61−224
702、62−11302、11303、200709、224101、234403、250
701、250702、256501、260121、271501、63−10901、10
902、10903、103501、122303、211901、特開平01−1930
9、51901、236724)。従って、(1)〜(11)の方法は
現在までのところ透光性磁性YIG膜を得る方法として利
用するには小型化、低コスト化、量産化の点で限界があ
る。
〔発明の課題〕
本発明は、従来の技術の問題点を除去、克服すると共
に、さらに高度で新しい機能を発揮する透光性磁性YIG
膜及びその製造方法を提供することをその課題とするも
のである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記課題を解決すべく、鋭意研究を重ね
た結果、本発明をなすに至った。
すわち、本発明によれば、基体上に形成された有機化合
物が炭素数10以上の1,2−ジオール又はオキシカルボン
酸である可溶性有機鉄イットリウム化合物膜の熱分解に
より形成された透光性磁性イットリウム鉄ガーネット膜
が提供される。
また、本発明によれば、有機化合物が炭素数10以上の1,
2−ジオール又はオキシカルボン酸である可溶性有機鉄
イットリウム化合物の有機溶媒溶液を基体上に塗布し、
乾燥させ、アニール処理して熱分解することを特徴とす
る透光性磁性イットリウム鉄ガーネット膜の製造方法が
提供される。
本明細書で言う有機鉄イットリウム化合物とは、可溶剤
の鉄化合物及びイットリウム化合物と含酸素有機化合物
である、炭素数10以上のポリオールとがその酸素原子を
介して反応結合した化合物を意味する。また、この場合
の反応結合には、共有結合の他、錯結合も包含される。
本発明で用いる有機鉄イットリウム化合物は、有機溶媒
可溶性のものであり、このようなもとしては、一般的に
は、炭素数10以上のポリオールとオキシカルボン酸と鉄
化合物及びイットリウム化合物とが反応した生成物が挙
げられるが、特に、炭素数10以上の1,2−ジオールやオ
キシカルボン酸と鉄化合物及びイットリウム化合物との
反応生成物が好ましい。有機溶媒に対して不溶性の有機
鉄イットリウム化合物たとえば後記する比較例1〜5に
示されるような低級ポリオールを有機成分とする有機鉄
イットリウム化合物を用いても、基体上に均質な塗膜を
形成することができず、目的とする透光性YIG膜を得る
ことはできない。
本発明で用いる有機鉄イットリウム化合物の有機化合物
成分として用いるポリオールとしては、価格、入手のし
やすさ及び作業性などから、1,2−デカンジオール及び
1,2−ドデカンジオールが特に優れている。
オキシカルボン酸は特に限定されるものではないが、価
格、入手のしやすさ及び作業性などから選ばれ、例えば
クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、テトラヒドロキシ
コハク酸、デソキサン酸、タルトロン酸、グリコール
酸、グリセリン酸などを挙げることができる。
有機鉄イットリウム化合物の有機化合物成分を形成する
前記有機化合物は、単独でも二種以上の混合物としても
使用でき、その添加量は鉄化合物とイットリウム化合物
の全量に対して一倍モル以上の使用でよい。
鉄化合物及びイットリウム化合物は溶媒に溶解し易く、
上記含酸素有機化合物と所望の化合物を形成するもので
あればいずれも使用可能であるが、一般的には価格、使
い易さなどの点から、鉄化合物としては、硝酸鉄、塩化
鉄、酢酸鉄、アセチルアセトン鉄(III)などの鉄塩や
キレート化合物が、イットリウム化合物としては、硝酸
イットリウム、塩化イットリウム、酢酸イットリウム、
アセチルアセトンイットリウムなどのイットリウム塩や
キレート化合物が選ばれる。鉄化合物とイットリウム化
合物との使分割合は、鉄化合物1モルに対してイットリ
ウム化合物0.05〜2.0モル、好ましくは0.4〜0.8モルの
割合である。
前記有機鉄イットリウム化合物を製造するには、まず原
料の鉄化合物、イットリウム化合物及び含酸素有機化合
物を有機溶媒に溶解する。反応温度は、本反応が進行す
る温度であればいかなる温度でもよいが、反応速度や使
用する溶媒の沸点はなどの関係で適当に選ぶ。一般に
は、反応は、70〜120℃、好ましくは100〜120℃で1〜
5時間反応後、120〜150℃、好ましくは120〜140℃で1
〜5時間反応させ、徐々に有機溶媒を留去しながら濃縮
するように行うのが良い。150℃以上は有機鉄イットリ
ウム化合物の分解を招くおそれがあるので好ましくな
い。さらに過剰の含酸素有機化合物を油浴温度130℃以
下、好ましくは120℃以下で減圧留去することにより均
一で均質な粘性のある有機鉄イットリウム化合物を製造
することがきる。なお、本発明法によって透光性磁性YI
G膜を製造する場合、原料の有機鉄イットリウム化合物
中に多少の含酸素有機化合物が残留しても膜の製造には
支障はなく、含酸素有機化合物の使用量が比較的少量の
場合は、これらを留去することなく次工程へ進んでも大
きな支障はない。
上記有機鉄イットリウム化合物の製造時に用いられる有
機溶媒は、原料の鉄塩、イットリウム化合物及び含酸素
有機化合物を溶解するものであれば特に規定されるもの
ではないが、沸点が70〜150℃、好ましくは100〜120℃
の範囲にある低級アルコール、ケトン、ジオキサン及び
これらの混合溶媒がよい。このようなものとしては、例
えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2
−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、is
o−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノー
ル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノー
ル、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、メチルイソ
ブチルケトン、ジオキサンなどが挙げられる。
本発明によれば、磁性YIG膜は有機鉄イットリウム化合
物を基体に塗布し、焼成することによって形成される。
塗布の段階では、磁性YIG膜が均一かつ均質にできるよ
うに有機鉄イットリウム化合物に流動性を付与するのが
好ましい。また、前記反応で得られる有機鉄イットリウ
ム化合物は、粘性が高く流動性が悪いためこの点から
も、有機鉄イットリウム化合物を有機溶媒に溶解希釈し
て塗布するのが好ましい。このとき使用する有機溶媒
は、有機鉄イットリウム化合物が溶解すればいずれのも
のでも良いが、入手の容易さ及び価格などから一般には
低級アルコール、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水
素、芳香族炭化水素などが選ばれる。具体的に例示する
と、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−
プロパノール、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジク
ロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサ
ン、ペンタン、2−メトキシエタノール、2−エトキシ
エタノールなどが挙げられるが、これらの溶媒に限定さ
れるものではない。
基体上に有機鉄イットリウム化合物膜を形成するための
塗布方法は、回転する基体のうえに有機鉄イットリウム
化合物の溶液を滴下し、回転時の遠心力によって塗布す
るスピンコート法でもよいし、基台を有機鉄イットリウ
ム化合物の溶液に浸すことによるディップ法でも良い
が、大面積に塗布する場合はスピンコート法で塗布する
方が均一性に優れた膜が得られ易い傾向にある。
透光性磁性YIG膜とする最終段階のアニール処理は、塗
布で得られた有機鉄イットリウム化合物の薄膜を空気雰
囲気下、室温〜1400℃、好ましくは100〜1000℃の範囲
で多段階昇温させ、熱処理することによって行われる。
アニール処理の最終温度は、1000℃、好ましくは800〜1
000℃の範囲である。アニール処理開始温度は室温〜100
℃であるが、特に制約されない。最終アニール処理温度
までの1分間当りの平均昇温速度は、1〜40℃、好まし
くは5〜10℃である。
以上の操作で所望の基板上に透光性磁性YIG膜を形成さ
せることができ、溶液濃度の調整で膜厚も変えられる
が、一回の操作で好みの膜厚を得ることができない場合
は、塗布とアニール処理を繰り返せばよい。
本発明の透光性磁性YIG膜は、少なくとも300Åの膜厚を
有するものであり、一般的には、300Å〜1μmの膜厚
を有するものである。本発明の透光性磁性YIG膜は、こ
のような膜厚においてもすぐれた透光性を有し、可視光
線に対して高い光線透過率を示す。例えば、本発明の磁
性YIG膜は、300〜5000Åの膜厚において、可視光線であ
る波長700nmの光線に対し、少なくとも50%の光線透過
率を示す。
また、本発明の透光性磁性YIG膜は、良好な磁性特性を
有し、その飽和磁化量は、15KOeの条件で、40〜90emu/g
を示す。
〔発明の効果〕
本発明では、鉄化合物及びイットリウム化合物を上記含
酸素有機化合物である、炭素数10以上のポリオール又は
オキシカルボン酸と共に有機溶媒に溶解し、基体上に塗
布してから空気中又は酸素中でアニール処理するという
手軽で実用的な方法で透光磁性YIG膜を得ることができ
る。
本発明で用いる含酸素有機化合物は、その特性により、
(1)鉄及びイットリウムと基体の間を架橋配位子とな
って固定したり、(2)YIGの前駆体である有機鉄イッ
トリウム化合物の構造を鋳型となって規定したり、ある
いは(3)熱処理時の有機鉄イットリウム化合物の重合
を制御したりする効果を示す。このため最終的に基体上
に生じるYIGは、(1)の効果により基体との密着性が
良く、剥がれにくく、シンタリングも起きにくいため光
透過性の良い細かい粒径を保持したものとなる。また
(2)の効果により、トリポタキシー的にYIGの構造が
規定され磁性の発現にきわめて好合となる。さらに
(3)の効果によって、粒子径が揃うので、本発明では
透光性も良く磁性も充分なYIGが極めて簡単に得られる
ことになる。以上のことは、現在までに得ることができ
なかった新事実である。さらに本発明では膜厚を自由か
つ手軽に調節できるという利点を持っている。本発明に
よれば、ガラス、陶磁器、コンクリートなどの表面を容
易に磁性化できるので、光電磁気材料の作成や電子機
器、調理器等の電波遮蔽なども容易に行うことができ、
YIGの用途拡大が期待される。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1 硝酸鉄(III)9水和物4.04g(0.01M)、硝酸イットリ
ウム6水和物2.30g(0.006M)及び1,2−デカンジオール
27.88g(0.16M)を、50mlのビーカー中で2−メトキシ
エタノール30gに溶解し、ホットプレート上、反応温度
を100〜120℃にコントロールしながら3時間反応させ
た。反応につれ、NO3イオンの分解によるNO発生が起
こり、鉄、イットリウム及び1,2−ドデカンジオールの
有機鉄イットリウム化合物が生成し、溶液の色が、赤茶
色から黒褐色へと変化した。さらに、反応を120〜150℃
で3時間おこない、NOの発生を完結させると同時に2
−メトキシエタノールを留去した。最後にロータリーエ
バポレーターを用い、130℃、5mmHg減圧下、過剰の1,2
−ドデカンジオールを留去することにより均一な有機鉄
イットリウム化合物9.83gを得た。
参考例2 硝酸鉄(III)9水和物4.04g(0.01M)、硝酸イットリ
ウム6水和物2.30g(0.006M)及び1,2−ドデカンジオー
ル32.37g(0.16M)を、50mlのビーカー中で2−メトキ
シエタノール30gに溶解し、ホットプレート上、反応温
度を100〜120℃にコントロールしながら3時間反応させ
た。後の工程は参考例1と同様に行ない、均一な有機鉄
イットリウム化合物10.25gを得た。
参考例3 硝酸鉄(III)9水和物4.04g(0.01M)、硝酸イットリ
ウム6水和物2.30g(0.006M)、1,2−デカンジオール1
3.9g(0.08M)及び1,2−ドデカンジオール16.19g(0.08
M)を、50mlのビーカー中で2−メトキシエタノール30g
を溶解し、ホットプレート上、反応温度を100〜120℃に
コントロールしながら3時間反応させた。後の工程は参
考例1と同様に行い、均一な有機鉄イットリウム化合物
10.11gを得た。
比較例1〜5 参考例1において、原料化合物として上記ジオールを用
いない場合及び他の各種低級1,2−ジオールを用いた場
合の結果を表−1に示す。低級1,2−ジオールを用いた
場合は、1,2−デカンジオール及び1,2−ドデカンジオー
ルと異なり、反応中に、不溶物を生成し均一な有機鉄イ
ットリウム化合物を合成することができなかった。
参考例4 硝酸鉄(III)9水和物20.2g(0.05M)及び硝酸イット
リウム6水和物11.49g(0.03M)を、500mlのビーカー中
でエタノール60mlに溶解し攪拌しながら60℃に保った。
その中にクエン酸84.06g(0.40M)をエタノール150mlに
溶解した溶液を徐々に加え、ホットプレート上、反応温
度を70〜80℃にコントロールしながら5時間反応させ
た。反応につれ、NO3イオンの分解によるNO3の発生が起
こり、鉄、イットリウム及びクエン酸の反応による有機
鉄イットリウム化合物が生成し、溶液の色が、赤茶色か
ら黒褐色へと変化した。さらに、反応を120℃で3時間
行い、NOの発生を完結させると同時にエタノールを留
去することにより均一な有機鉄イットリウム化合物90.2
2gを得た。
参考例5〜12 参考例4において、原料有機化合物として各種のオキシ
カルボン酸を用いた場合の結果を表−2に示す。
比較例6〜9 参考例4において、原料有機化合物として各種キレート
試薬を用いた場合の結果を表−3に示す。表からも明ら
かなようにキレート能の高い試薬でも反応途中、不溶物
を生じてしまい均一な有機鉄イットリウム化合物を合成
することができなかった。
実施例1 参考例4で得られた均一な有機鉄イットリウム化合物10
gを、エタノール100mlに溶解し、スピンコート用塗布溶
液とする。
石英板(面積:2×2cm、厚さ:0.1mm)を回転円盤の中心
に固定し、1000rpmで円盤を回転させながら、塗布溶液
を石英板の中心に毎分6ccの速度で10秒間滴下した。次
いで、昇温プログラムの付いた箱型炉を用い、空気雰囲
気下、1000℃までのアニール処理を行った(室温→200
→400→600→800→1000℃、各焼成温度800℃までは10分
保持、1000℃では1時間保持)。こ一連の操作を10回繰
り返し、石英板上に亀裂のない剥離の生じにくい膜を作
成した。この膜は、X線回析の結果、YIGの曲型的なX
線パターンを示した。
この膜を、振動試料型磁力計を用い磁力測定を行うと、
強磁性を示し、15KOe(キロエルステッド)の時の飽和
磁化は35.7emu/gであった。
実施例2 実施例1において、石英板の代わりにマイカ板(面積:2
×2cm、厚さ:0.1mm)を用いて8コートした場合、15KOe
の時の飽和磁化は35.4emu/gであった。
実施例3 実施例1において、塗布工程とアニール工程とを繰返し
行うことによって基体上に種々の膜厚のYIG膜を形成
し、その光線透過率を測定した。その結果を表−4に示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 真々田 忠博 (56)参考文献 特開 昭58−41722(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に形成された有機化合物が炭素数10
    以上の1,2−ジオール又はオキシカルボン酸である可溶
    性有機鉄イットリウム化合物膜の熱分解により形成され
    た透光性磁性イットリウム鉄ガーネット膜。
  2. 【請求項2】有機化合物が炭素数10以上の1,2−ジオー
    ル又はオキシカルボン酸である可溶性有機鉄イットリウ
    ム化合物の有機溶媒溶液を基体上に塗布し、乾燥させ、
    アニール処理して熱分解することを特徴とする透光性磁
    性イットリウム鉄ガーネット膜の製造方法。
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