JPH0730365B2 - 多孔質層を有する部材の製造方法 - Google Patents

多孔質層を有する部材の製造方法

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JPH0730365B2
JPH0730365B2 JP63001383A JP138388A JPH0730365B2 JP H0730365 B2 JPH0730365 B2 JP H0730365B2 JP 63001383 A JP63001383 A JP 63001383A JP 138388 A JP138388 A JP 138388A JP H0730365 B2 JPH0730365 B2 JP H0730365B2
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修平 前田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は,所望の多孔質層を有する金属部材の製造方法
に関し,特に,複雑な形状を有し,強固に固着した多孔
質層を持つ金属部材を製造する方法に関する。
[従来の技術] 従来,複雑な形状のインプラント体(Co-Cr合金)に,
同じ合金材の粉末(ビーズ)を焼結して多孔質層を形成
する多孔質層を持つ金属部材を製造する方法があるが,
合金焼結時に結晶粒が粗大化して疲労強度が低下するこ
と,また,生体親和性がチタン合金に比べ劣ること等の
欠点がある。亦,純チタン細線を押し固めたパッド状の
ものをTi-6Al-4V合金製インプラント本体に拡散接合す
ることにより固着した多孔質生体材料を製造する方法が
あるが,これは,純チタン細線では強度が弱く,強度確
保のためにTi-6Al-4V製の細線にすると,その細線の加
工が非常に困難である点に短所がある。また,Ti-6Al-4V
の合金粉末を同じ金属材料のインプラント本体に常圧で
焼結することにより固着する製法もあるが,この焼結温
度は1200〜1400℃と高温でなければならないために,イ
ンプラント本体に結晶粒粗大化が生じ,更に,針状組
織,粒界の相の肥大化などの材質劣化が生じること等に
短所がある。更に,常圧焼結処理では接合強度に限界が
あり,大粒径の粉末を強固に固着させることが困難であ
る点に短所がある。
チタン合金はβ−トランザス温度,即ち,β単相領域に
なる温度は,Ti-6Al-4V合金では1000℃付近以上の温度に
加熱されると,結晶粒が粗大化し,針状組織となるため
延性が低下するが、β−トランザス温度以下の温度への
加熱では,実質的な材質,強度の低下がない。複雑な形
状のインプラント材或いは複雑な多孔質層を有するイン
プラント材の作製は非常に困難であり,未だ,実用にな
った製品が見当らなく,実際に使用されている製品は単
純な形状のものだけである。
[発明が解決しょうとする問題点] 本発明は,複雑な形状の金属部材の表面に多孔質層を強
固に固着させ,形成したものを容易に製造できる方法を
提供することを目的とする。また,本発明は,複雑形状
のインプラント本体表面に多孔質層(ポーラスコーテイ
ング)を設けて,生体骨からの骨組織の成長を利用し
て,従来からの骨セメントを用いることなく,生体骨と
インプラント材とを強固に結合させ得る多孔質層生体材
料を形成するために,比較的に低温で任意の粒径の粉末
を充分強固に結合させ,且つ,曲面,多面等の三次元的
形状に同時に固着コーテイングする製造方法を提供する
ことを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 前記のように比較的に複雑な形状の多孔質層を有する部
材を製造するために,本発明は、所定形状の金属部材の
表面に、所望の粉末金属材料によりなる粉末金属層を形
成した後、該粉末金属層上に冠着した薄肉のカプセルを
介して、高圧気体を作用させながら、加熱して、被覆金
属部材を製造する方法において、前記薄肉のカプセル
は、超塑性材金属材料であり、化学的に容易に除去でき
る金属材料であり、該カプセル内の所定の空間に該粉末
金属材料を充填し、該カプセル内を真空に引き、金属部
材の材質劣化の生じない温度範囲で、且つ該金属カプセ
ルが充分に超塑性現象を示す温度範囲即ち、600℃以
上、金属材料のトランザス温度以下の温度範囲に加熱
し、該カプセルを熱間で等方的に、1MPa〜20MPaの圧力
下に加圧することにより、該所定形状の金属部材の表面
に、該粉末金属材料による多孔質層を強固に固着形成さ
せ、次に、ケミカルミーリングにより化学的に該多孔質
層に固着した該カプセルを除去し、形成された多孔質層
を、任意の形状に機械加工し、該金属部材表面に適正な
固着力で固着された多孔質層を有する被覆金属部材を作
製することを特徴とする前記被覆金属部材の製造方法で
ある。金属部材は、生体内置換用若しくは補綴用がよ
い。また該金属部材及び該粉末金属材料は、チタン若し
くはチタン合金、すなわちTi-6Al-4V合金がよい。
[発明の構成] 本発明による多孔質層を有する金属部材では,所定形状
の用途にしたがって形成されたインプラント本体金属部
材を,所定形状のHIP処理のための金属カプセル中に設
置し,その金属カプセルの中の多孔質層を成形すべきイ
ンプラント本体表面に相当する所定の空間に金属粉末材
料を充填し,次に,その金属カプセル内を真空に引き,
密封し,その密封した金属材料の材質劣化の生じない温
度範囲にて,HIP処理し,熱間で等方的に加圧する。次
に,このHIP処理したことによりカプセル内でカプセル
とともに固着形成された金属粉末による多孔質層を有す
るインプラント本体に対して,機械加工或いはケミカル
ミーリングし,その金属カプセルを除去し,製品とす
る。または,得られた多孔質層を有する金属部材を任意
の形状にするために,固着形成された多孔質層を機械加
工して,製品とする。
本発明方法により,人工骨に適する金属部材が提供され
る。即ち,金属部材のインプラント材料としてチタン合
金を用い,その表面に多孔質層を設け,生体骨からの骨
組織成長によって骨とインプラント材とを結合させるの
に都合のよい部材を提供できるものである。本発明によ
ると,このための多孔質層が比較的に低温で形成でき,
しかも,インプラント材に対して強固に固着されたもの
を提供する。即ち,通常の常圧焼結法では多孔質層を焼
結固着するために,1300℃程度の高温を必要とするに対
して,本発明による製造方法では,材質劣化のない約10
00℃近傍以下の温度で,多孔質層を強固に固着形成でき
るものである。
このような製造方法によると,常圧焼結法に比べ格段に
強く接合できるために,これにより製造した人工骨を移
植する時の荷重による多孔質層の剥離の危険性が軽減さ
れ,更に,材質が劣化する程に高温に加熱する必要がな
いために,常圧焼結に比べ強度特に疲労強度が著しく改
善され,また,従来,不可能であった複雑形状に対する
コーテイングができるようになった。
本発明の製造方法によると,密封したカプセルをチタン
合金のトランザス温度以下に例えば,600〜950℃程度に
加熱し,圧力をかけてHIP処理する。この加圧力は0.1〜
2.0kgf/mm2の範囲の適当な圧力で行なう。高温高圧に保
持する時間は任意でよいが,0.3〜3時間が好適である。
また,真空封入処理は,真空脱気後に,その脱気口を封
じ切る方法か又は電子ビーム溶接が可能な材質を使用し
た場合は,電子ビーム溶接を用いることが好適である。
このようにHIP処理すると,曲面,多面等を有する複雑
な形状を含む所定形状の金属部材表面に,その形状に合
わせ,形成すべき多孔質層を形成できる。
次に,このように形成されたカプセル金属部材粉末構成
物に対して,機械加工或いはケミカルミーリングによ
り,該カプセルを除去し,更に,任意の形状に固着形成
された多孔質層を機械加工することにより,任意の形状
の多孔質層を有する部材を得ることができる。この場
合,機械加工によるバリが生じ,健全な多孔質層が得ら
れない場合には,表面を研削,研摩してバリを取り除い
てやるか,或いはケミカルミーリングでバリを取り除い
てやる。
このように本発明による製造方法は,HIP処理を利用する
ことにより,インプラント材の任意の面に一度に多孔質
層を設けることができ,カプセルを機械的に除去し製品
とすることができ,また,一度に多量に処理して,低コ
スト化をはかることができる。
本発明により製造されるインプラント材の表面に多孔質
層を固着したものの多孔質層への骨侵入を利用して固定
する人工骨固定法,即ち,セメントレス法は,骨セメン
ト法によるゆるみの問題,モノマーによる人体への悪影
響の問題等を避ける手段として非常に有効であり,この
セメントレス法が人工骨固定法の主流になると考えられ
る。また,Co-Cr合金は現在多用されているが,最近では
Ti-6Al-4V合金が生体適合性,即ち,生体親和性,比強
度,即ち,軽くて強く,生体内耐食性の点からインプラ
ント材として最適であるとされ,今後この材料が多く使
用されていくと思われる。現在のところチタン合金イン
プラント材にチタン合金粉末焼結体により多孔質層を設
け、尚かつ,適切な多孔質の固着強度を有するものは実
用になっていない。これは上記のように多孔質層をイン
プラント本体に材質低下なしで強固に固着する方法がな
いことによるものと思われる。人工骨に用いられる場合
多孔質層の空孔寸法は100〜300μmのものが骨組織侵入
による固定にとって適切であると言われるが,粉末でそ
の空孔寸法を得ようとすればかなりの大きい粒径の粉末
を用いなければならなく,その粒径の粉末を常圧焼結に
より接合すると適正な接合強度が得られないものであっ
た。
[作用] 本発明の製造方法においては,所定形状のインプラント
材の所定表面に,金属粉末を充填したカプセルを真空封
入し,HIP(熱間静水圧プレス,Hot Isostatic Pressin
g)処理することにより等方的に圧力をかけて,多孔質
層をインプラント体の所定表面に固着成形するものであ
る。
多孔質層に用いる金属材料の材質劣化しない温度範囲に
保持し,応力をかけて,多孔質形成すると,結晶粒の粗
大化や針状組織の生成がなく,適正な空孔寸法を持ち,
適正な接合強度で固着された多孔質層が得られる。
次にその具体的な例により,本発明の多孔質層を有する
部材の製造方法を説明する。
[実施例] 図に示すような円柱形状のインプラント本体4(チタン
合金)に対して,多孔質層を形成する場合について説明
する。まず,インプラント本体4を金属製カプセル1中
に挿入する。そして,インプラント本体4とカプセル1
との空間,即ち,多孔質層を形成すべき場所に金属粉末
3を充填し,開放端には蓋2を装着する。この金属充填
カプセルを真空に脱気した後に,その端部のシールド部
5を,電子ビームその他で密封した。
密封したカプセルを800〜950℃程度に加熱し,圧力をか
けてHIP処理した。
加圧力は0.3〜0.5kgf/mm2で行なった。保持時間は約1
時間で行なった。
次に,得られたカプセルと焼結粉末とインプラント本体
の結合体をケミカルミーリングによりカプセルを除去し
て製品とするか,または,所望の形状に機械加工して製
品とした。更に,この機械加工によるバリが生じた場合
には,表面を研削研摩してバリを取り除いてやるかケミ
カルミーリングを行なうことよりバリを取り除いた。
以上のように本発明のインプラント本体に多孔質層を形
成する方法は,人工歯根を含む人工骨一般,ソケットの
バックアップの生体骨と接する面の表面層部構造の形
成,骨に沿って固定する骨用補綴材,骨欠損部再建用材
の表面層構造の形成など生体骨と骨組織成長によって結
合させ有効に働く生体用人工部材のすべての製造に用い
られる。
[発明の効果] 本発明による多孔質層を有する部材の製造方法により次
のような著しい技術的な効果が得られた。第1に,多孔
質層を材料劣化のない温度で接合するために,結晶粒粗
大化や針状組織になる問題が解消され,多孔質層接合に
よる材質,強度の劣化がない多孔質層を有する金属部材
を製造する方法が提供された。第2に,多孔質層を適当
な圧力を加えて接合するために,適正な空孔寸法を有
し,且つ適正な接合強度で固着された多孔質層を有する
金属部材が提供される。第3に,HIP処理を用いているた
めに,任意の複雑な形状の面に一度に多孔質層を形成で
きる製造方法を提供し,また,一度に多量の製品を処理
製造することができる方法が提供された。第4に,多孔
質層をインプラント本体に固着形成させた後に,機械加
工を行なうことにより,複雑な形状の本体に対して,複
雑な多孔質層形状の製品が容易に低コスト製造できる方
法を提供された。従って,本発明の製造方法により,高
い信頼性の複雑な形状の多孔質層を有するインプラント
材が安価に多量に製造できる方法を提供するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明の製造方法による多孔質層を有する金
属部材の製造方法をその断面図で順次示すものである。 [主要部分の符号の説明] 1……金属カプセル 3……金属粉末 4……インプラント本体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定形状の金属部材の表面に、所望の粉末
    金属材料によりなる粉末金属層を形成した後、該粉末金
    属層上に冠着した薄肉のカプセルを介して、高圧気体を
    作用させながら、加熱して、被覆金属部材を製造する方
    法において; 前記薄肉のカプセルは、超塑性材金属材料であり、化学
    的に容易に除去できる金属材料であり、該カプセル内の
    所定の空間に該粉末金属材料を充填し、該カプセル内を
    真空に引き、金属部材の材質劣化の生じない温度範囲
    で、且つ該金属カプセルが充分に超塑性現象を示す温度
    範囲即ち、600℃以上、金属材料のトランザス温度以下
    の温度範囲に加熱し、該カプセルを熱間で等方的に、1M
    Pa〜20MPaの圧力下に加圧することにより、該所定形状
    の金属部材の表面に、該粉末金属材料による多孔質層を
    強固に固着形成させ、次に、ケミカルミーリングにより
    化学的に該多孔質層に固着した該カプセルを除去し、 形成された多孔質層を、任意の形状に機械加工し、該金
    属部材表面に適正な固着力で固着された多孔質層を有す
    る被覆金属部材を作製することを特徴とする前記被覆金
    属部材の製造方法。
  2. 【請求項2】該金属部材は,生体内置換用若しくは補綴
    用であることを特徴とする請求項1記載の被覆金属部材
    の製造方法。
  3. 【請求項3】該金属部材及び該粉末金属材料は、チタン
    若しくはチタン合金であることを特徴とする請求項1記
    載の被覆金属部材の製造方法。
  4. 【請求項4】該金属部材及び粉末金属材料は、Ti-6Al-4
    V合金である請求項1記載の被覆金属部材の製造方法。
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