JPH07306367A - 可変光学面、可変光学面ユニット、光スキャニングシステム及び集光点位置可動光学システム - Google Patents

可変光学面、可変光学面ユニット、光スキャニングシステム及び集光点位置可動光学システム

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JPH07306367A
JPH07306367A JP12171594A JP12171594A JPH07306367A JP H07306367 A JPH07306367 A JP H07306367A JP 12171594 A JP12171594 A JP 12171594A JP 12171594 A JP12171594 A JP 12171594A JP H07306367 A JPH07306367 A JP H07306367A
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稔 坂田
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博史 後藤
Yoshihiro Ueda
佳弘 上田
Yoshiyuki Morita
善之 森田
Masaaki Ikeda
正哲 池田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フレーム12の内周に弾性変形可能な薄肉状
の基板13を設ける。基板13の表面は光反射用の光学
面14とし、裏面には絶縁層15を介して起歪層17を
設けている。起歪層17は圧電薄膜等からなるものであ
って、その両面には電極層16が設けられている。両電
極層16に電圧を印加して起歪層17に横方向歪を発生
させると、基板13の変形によって光学面14も凹面状
もしくは凸面状に変形し、光学面14に入射させられて
いる光ビームを集光もしくは発散させる。 【目的】 起歪層を用いたことにより光学面の変形の自
由度を大きくすることができる。また、駆動電圧を小さ
くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可変光学面、可変光学
面ユニット、光スキャニングシステム及び集光点位置可
動光学システムに関する。具体的にいうと、起歪層によ
り光学面を変形させる可変光学面と可変光学面ユニット
に関する。また、その可変光学面を利用した光スキャニ
ングシステム及び集光点位置可動光学システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来例の可変光学面を図1に示す。これ
は、IEEE MEMS’93(MicroElectro Mechanic
al Systems)に発表された可変光学面(可変焦点ミラ
ー)1であって、上面に凹部2aを有する絶縁体基板2
の上に環状のシリコンフレーム3を固定してあり、シリ
コンフレーム3の内周部には放物面状をした薄肉状のシ
リコン製ミラー部4がシリコンフレーム3と一体に形成
され、ミラー部4の上面は鏡面4aとなっている。ま
た、このミラー部4は導電性を有していて全体が電極と
して機能し、絶縁体基板2の凹部2a底面には対向電極
5が形成されている。
【0003】しかして、この可変光学面1のミラー部4
に例えば平行光束6が入射すると、ミラー部4は放物面
鏡として働くので、その焦点位置7に集光される。ま
た、シリコンフレーム3を通してミラー部4と対向電極
5間に電圧を印加すると、ミラー部4と対向電極5間に
静電引力が発生してミラー部4が弾性変形するので、そ
の焦点距離が変化し、光束6の焦点位置7を変化させる
ことができる。例えば、直径9.75mmのミラー部
で、印加電圧750Vのときの焦点距離を250mmと
した場合、コリメートされた6mm径のHe−Neレー
ザー光を光源とし、直径45μmのスポット光を得てい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の可動光
学面にあっては、ミラー部を放物面鏡として機能させる
ために必要な放物線の断面プロファイルを実現するため
には、特別な製作プロセス(すなわち、light intensit
y profile method)を使用し、ミラー部の加工時のレジ
スト膜厚を制御しなければならなかった。
【0005】さらに、ミラー部を変形させるためには対
向電極を必要とするため、可動光学面の構造や製造プロ
セスも複雑になるという問題があった。
【0006】また、静電引力によってミラー部を変形さ
せるため1方向にしか光学面(ミラー部)を変形させる
ことができず、しかも、対向電極とのギャップ量がミラ
ー部の変形量の上限となるので、光学面変形の自由度が
低かった。
【0007】さらに、静電引力によってミラー部を強制
的に弾性変形させるため、ミラー部を変形させるための
駆動電圧が高かった。
【0008】さらに、ミラー部を別体の絶縁体基板に接
合しているため、ミラー部と絶縁体基板との熱膨張係数
の差により可動光学面の温度特性が劣化する恐れがあっ
た。
【0009】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、起歪層を用
いて光学面を駆動する新規な原理による可動光学面を提
案することにより、駆動電圧が低く、変形の自由度も高
い可動光学面を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の可動光学面は、
変形可能な基板と、基板に支持された光学面及び起歪層
とからなり、前記起歪層への電圧の印加により前記光学
面が変形することを特徴としている。
【0011】前記起歪層は、絶縁膜及び起歪層への入力
用電極を介して基板に形成されている。さらに、前記起
歪層には、該起歪層への他方の入力用電極および該入力
用電極の保護層を形成したことを特徴としている。
【0012】また、前記起歪層は、前記基板の変形領域
にのみ形成することができる。
【0013】前記基板は、少なくとも二辺をフレームに
固定してもよい。特に、基板を矩形状とし、該基板の少
なくとも対向する1組の辺をフレームに固定することが
できる。また、前記基板の全周をフレームに固定しても
よい。特に、基板を円形状とし、該基板の全周をフレー
ムに固定してもよい。
【0014】また、前記基板の起歪層が形成されていな
い領域には開口部を設けてもよい。あるいは、前記基板
の厚みが一定でないようにしてもよい。
【0015】さらに、前記入力用電極は、それぞれ複数
の電極部分からなっていてもよい。その場合には、各電
極部分に異なる大きさの信号を印加するようにできる。
【0016】また、前記基板上には歪検出手段を設けて
もよい。
【0017】前記歪検出手段としてピエゾ抵抗を用い、
該ピエゾ抵抗上に誘電体膜を介して金属薄膜もしくは低
抵抗のポリシリコンを形成し、該金属薄膜もしくはポリ
シリコンと前記基板とを電気的に導通させることもでき
る。
【0018】また、前記歪検出手段には、フレームに設
けた温度補償用の抵抗やオフセット調整用の抵抗をつな
いでもよい。
【0019】また、前記起歪層への入力を制御する回路
や前記歪検出手段からの出力を検知する回路等の回路部
分をフレーム上に設けてもよい。
【0020】起歪層としては、圧電薄膜や電歪薄膜、磁
歪薄膜等の内部歪を発生する機能薄膜を用いることがで
きる。
【0021】また、この可動光学面においては、複数の
光学面をアレイ状に配列してもよい。
【0022】本発明の可動光学面ユニットは、前記可動
光学面を不活性ガスと共にパッケージ内に封止したこと
を特徴としている。
【0023】本発明の別な可動光学面ユニットは、前記
可動光学面をパッケージ内に減圧封止したことを特徴と
している。
【0024】本発明の光スキャニングシステムは、前記
可動光学面と光源とを備え、光源からの光を可変光学面
の変形によって走査させるようにしたことを特徴として
いる。
【0025】本発明の集光点位置可動光学システムは、
前記可動光学面と光源とを備え、光源からの光を集光さ
せ、その集光点を可変光学面の変形によって移動させる
ようにしたことを特徴としている。
【0026】
【作用】本発明の可動光学面によれば、光学面を有する
基板に起歪層を設け、起歪層により光学面を変形させる
ようにしているので、光学面の両方向への変位が可能と
なる。また、従来例のように対向電極を持たないので光
学面の変位の上限も存在しない。従って、光学面の変形
の自由度が高いという利点がある。
【0027】また、起歪層に電圧を印加して光学面を変
形させるので、駆動電圧も低くできる。さらに、光学面
を変形させるために対向電極が必要なく、基板等の形状
や構造も簡略化できるため、製造プロセスも簡単にする
ことができ、製造コストを安価にすることができる。
【0028】また、従来例のように基板を別体の絶縁体
基板等に取り付ける必要がないので、熱膨張係数の違い
による温度特性の劣化がない。
【0029】また、起歪層を基板の全体でなく、変形領
域にのみ形成すれば、基板の変形が容易となり、光学面
をより小さな駆動電圧により大きく変形させることがで
きる。
【0030】また、前記基板の二辺をフレームに固定し
たり、全周をフレームに固定したり、フレームを矩形状
にしたり、円形状にしたりすることにより、基板に設け
られた光学面の変形時のプロファイルを制御することが
できる。
【0031】さらに、基板の起歪層が形成されていない
領域に開口部を設ければ、開口部によって基板が変形し
易くなるので、小さな駆動電圧で光学面の変形を大きく
することができる。さらに、開口部のパターンによって
基板の変形の仕方を変化させることができる。
【0032】また、入力用電極が複数の電極部分からな
っていれば、その電極パターンや各電極部分に印加する
異なる電圧により、所望の形状に光学面を変形させるこ
とができる。
【0033】また、前記基板上に歪検出手段を設けてあ
れば、該歪検出手段によって基板ないし光学面の変形の
具合を検出することができ、光学面の変形をコントロー
ルすることができる。
【0034】さらに、歪検出手段であるピエゾ抵抗上に
誘電体膜を介して金属薄膜もしくは低抵抗のポリシリコ
ンを形成し、これを基板と導通させておけば、外部電磁
波をシールドできると共にピエゾ抵抗の温度特性も向上
し、出力ノイズを低減できる。
【0035】また、歪検出手段に温度補償用の抵抗をつ
ないでおけば、歪検出手段から出力される信号の温度特
性を安定させることができる。あるいは、歪検出手段に
オフセット調整用の抵抗をつないでおけば、歪検出手段
によって構成されるブリッジ回路等の出力をオフセット
調整することができる。
【0036】また、前記起歪層への入力を制御する回路
や前記歪検出手段からの出力を検知する回路等の回路部
分をフレーム上に設ければ、当該回路部分を含めた可動
光学面の構成をコンパクトにまとめることができ、可動
光学面を小型化することができる。
【0037】また、複数の光学面をアレイ状に配列して
おけば、可動光学面に入射する光を各光学面毎に個々に
調整することができる。
【0038】本発明の可動光学面ユニットでは、可動光
学面を不活性ガスと共にパッケージ内に封止しているの
で、内部の可動光学面の経年的な変化を小さくでき、寿
命を長くすることができる。また、可動光学面をパッケ
ージ内に減圧封止しておけば、可動光学面の周波数特性
を向上させることができる。
【0039】
【実施例】図2(a)は本発明の一実施例による可動光
学面11を示す一部破断した斜視図、図2(b)は図2
(a)のX1部拡大断面図である。以下、この可動光学
面11の構造を図2(a)(b)に従って説明する。矩
形枠状をしたフレーム12の内周部には、弾性変形可能
な薄肉状の基板13が設けられ、基板13の全周はフレ
ーム12の内周部に固定ないし一体形成されており、基
板13の表面にはスパッタ等によってアルミニウムや銀
等の金属薄膜を蒸着させることにより光学面(反射ミラ
ー面)14が形成されている。また、図2(b)に示す
ように、基板13及びフレーム12の裏面全面には絶縁
層15が形成されている。例えば、フレーム12及び基
板13は、シリコンウエハをエッチング加工及びダイシ
ングカットすることによって作製することができ、その
場合には絶縁層15はシリコンウエハの酸化膜(SiO
2)ないし窒化膜(SiN)によって形成することがで
きる。さらに、裏面側において、絶縁層15の上には金
属蒸着膜等によって電極層16が形成され、電極層16
の上にはスパッタ法やデポジション法等によって起歪層
17が設けられ、起歪層17の上には同じく金属蒸着膜
等によって電極層16が形成されている。電極層16は
保護層18によって覆われており、使用環境下における
腐食ガスや湿気等から保護されている。起歪層17は、
起歪層17を挟んで両面に形成された電極層16間に電
圧を印加すると、横方向歪(すなわち、電極層16と平
行な方向の伸縮歪)を発生するものであって、例えば圧
電薄膜、電歪薄膜、磁歪薄膜などの内部応力を発生する
機能薄膜を用いることができる。
【0040】この実施例においては、両電極層16間に
電圧を印加していない場合には基板13、起歪層17及
び光学面14はいずれも平板状をしており、光学面14
は単なる平面ミラーとしての機能しか有していないが、
両電極層16間に電圧を印加すると起歪層17に横方向
歪が発生するために基板13が変形し、それによって光
学面14が変形する。例えば、起歪層17に収縮横歪が
発生する場合には基板13が座屈して弧面状に湾曲し、
あるいは起歪層17に伸張横歪が発生する場合には基板
13が膨らみ、やはり弧面状に湾曲する。このようにし
て例えば図3(a)に示すように光学面14が凹面状に
引っ込むと、光学面14は凹面鏡として働き、光学面1
4に入射したコリメート光rは集光する。しかも、電極
層16間に印加する駆動電圧を変化させることによって
基板13及び光学面14の変形量(曲率)も変化するの
で、焦点位置を調整することができる。逆に、図3
(b)に示すように光学面14が膨出すると、光学面1
4は凸面鏡として働き、光学面14に入射したコリメー
ト光rは発散する。この場合も駆動電圧によって基板1
3及び光学面14の湾曲具合を調整できるので、発散光
の発散中心も駆動電圧によって制御できる。
【0041】図4(a)は本発明の別な実施例による可
動光学面21を示す一部破断した斜視図、図4(b)は
図4(a)のX2部拡大断面図である。この実施例にあ
っては、起歪層17及び両面の電極層16を基板13の
全面でなく、基板13の変形領域にのみ設けている。こ
の可動光学面21では、基板13の周囲領域には起歪層
17等が設けられていないので、基板13が変形し易く
なっており、小さな駆動電圧によって光学面14を大き
く変形させることができる。
【0042】図5は本発明のさらに別な実施例による可
動光学面22を示す一部破断した斜視図である。この実
施例では、円環状をしたフレーム12の内周部に円形状
をした基板13を設けて基板13の全周をフレーム12
に固定している。このような可動光学面22によれば、
駆動電圧を印加して起歪層17を変形させた時、基板1
3や光学面14の変形が中心軸に関して軸対称となる。
従って、光学面14も中心軸に対して軸対称な放物面鏡
のように変形し、光学面14で反射される光線の光学的
な収差を小さくすることができる。
【0043】図6は本発明のさらに別な実施例による可
動光学面23を示す一部破断した斜視図である。この可
動光学面23では、起歪層17等を備えた矩形薄膜状の
基板13を矩形枠状をしたフレーム12の内周部に配置
し、基板13の対向する二辺のみをフレーム12の内周
部に固定している。この可動光学面23では、基板13
の二辺24が固定され、他の二辺25がフリーになって
いるので、起歪層17が変形すると基板13は略円筒状
に変形する。このため、駆動電圧を印加したときにシリ
ンドリカルミラー状の光学面14を得ることができ、そ
の曲率は駆動電圧によって調整することができる。
【0044】図7は本発明のさらに別な実施例による可
動光学面26を示す一部破断した斜視図である。この実
施例にあっては、基板13の全周をフレーム12の内周
に固定し、起歪層17及び両面の電極層16を基板13
の周辺領域を除く領域にのみ設けている。さらに、基板
13の起歪層17等の設けられていない周辺領域には、
適宜複数個の開口部27があけられている。この可動光
学面26では、基板13の周辺領域には起歪層17等が
設けられておらず、さらに開口部27が設けられている
ので、より一層基板13が変形し易くなっており、駆動
電圧に対する光学面14の変形が大きくなる。また、開
口部27のパターンによって基板13の変形具合を調整
することもできる。さらに、可動光学面26の製造後に
おいても、開口部27を設けることによって光学面14
の変形の大きさを調整することができる。
【0045】図8(a)は本発明の別な実施例による可
動光学面28を示す一部破断した斜視図、図8(b)は
図8(a)のX3部拡大断面図である。この実施例にあ
っては、基板13の厚みが一定でなく、基板13の厚み
の異なる部分が設けられている。具体的にいうと、図8
(a)では基板13の下面に突出した環状の厚肉部29
が設けられているが、このようなパターンに限るもので
はない。例えば、同心状に複数個の環状厚肉部を設けた
り、放射状に厚肉部を設けたり、その他任意のパターン
で設けることができる。そして、この基板13の厚みや
厚みの変化のパターンを変えることによって、駆動電圧
を印加されたときの基板13及び光学面14の変形時の
プロファイルを制御することができる。また、図示しな
いが、基板13の厚みは連続的に変化させることもでき
る。
【0046】図9(a)は本発明のさらに別な実施例に
よる可動光学面30を示す平面図、図9(b)は図9
(a)のYーY線に沿った断面図である。この実施例に
あっては、各電極層16を分割して複数の電極部分16
a,16a,…を起歪層17の両面に配置している。こ
の可動光学面30にあっては、電極部分16a,16
a,…の配置パターンによって起歪層17における歪の
分布パターンを決めることができるので、基板13及び
光学面14の変形時のプロファイルを自由に設計するこ
とができる。しかも、起歪層17自体の変形をコントロ
ールできるので、基板13の厚みを変える方法よりも効
果的にプロファイルをコントロールすることができる。
また、電極部分16a,16a,…のパターンによって
プロファイルを変えるだけでなく、各電極パターンが独
立していれば、可動光学面30の製造後においても、各
電極部分16a,16a,…に印加する電圧を異ならせ
ることによってもプロファイルをコントロールすること
ができる。
【0047】図10は本発明のさらに別な実施例による
可動光学面31を示す断面図である。この可動光学面3
1はシリコンウエハ32に半導体製造技術を適用して作
製されている。エッチング加工前のシリコンウエハ32
はp型シリコンウエハ(p層33)の下面に基板13の
厚みとなるようにn型不純物を注入してn層34が形成
されている。このp層33とn層34からなるシリコン
ウエハ32の中央部においてp層33をエッチング除去
することによって周囲にp層33からなるフレーム12
を形成すると共にその下面内周部にn層34からなる基
板13が形成されている。また、エッチング後のシリコ
ンウエハ32の上面には光学面14が形成されている。
この光学面14はn層34等の表面そのものとしてもよ
い。また、n層34の下面に、酸化膜や窒化膜等によっ
て形成されている絶縁層15は、適宜開口されており、
絶縁層15にあけた窓からn層34へp型不純物を注入
することによってピエゾ抵抗35がn層34に埋め込ま
れている。なお、36はピエゾ抵抗35に接続された金
属配線、37は金属配線を覆う絶縁層である。38はn
+層39を介してn層34の電位を一定に保つための電
極パッドである。また、基板13の下面には両面に電極
層16を設けられた起歪層17が設けられている。
【0048】しかして、この可動光学面31にあって
は、基板13の適宜箇所に埋め込まれたピエゾ抵抗35
によって基板13の各部の歪を検出することができるの
で、基板13の各部の歪をモニターしながら起歪層17
に印加する駆動電圧を調整することができる。
【0049】図11は本発明のさらに別な実施例による
可動光学面40を示す断面図である。この実施例におい
ては、さらに、n層34に埋め込まれたピエゾ抵抗35
を覆うように誘電体膜41を介して金属薄膜もしくは低
抵抗のポリシリコン42を形成してあり、この金属薄膜
もしくはポリシリコン42はn+層43を通してn層3
4と電気的に接続されている。この可動光学面40にお
いては、基板13と導通した金属薄膜もしくは低抵抗の
ポリシリコン42によってp型のピエゾ抵抗35を覆っ
ているので、ピエゾ抵抗35はほぼ全周囲を基板13な
いしフレーム12と等しい電位によって囲まれており、
外部電磁波をシールドされると共に温度特性も向上し、
ピエゾ抵抗35からの出力のノイズを低減することがで
きる。
【0050】また、図12(a)(b)は本発明のさら
に別な実施例による可動光学面44を示す下面図(起歪
層17等を省略している)及びピエゾ抵抗35により構
成されたブリッジ回路45を示す図である。この実施例
にあっては、基板13周囲の4箇所に埋め込まれたピエ
ゾ抵抗35によって図12(b)に示すようなブリッジ
回路45を構成し、その出力電圧Vをモニターすること
により基板13が均等に変形しているかどうか監視する
ことができる。さらに、フレーム12の下面(n層3
4)には温度補償用の抵抗46を埋め込んであり、この
温度補償用抵抗46を図12(b)のようにピエゾ抵抗
35の1つと並列接続してブリッジ回路45に挿入して
いる。この温度補償用抵抗46はピエゾ抵抗35とは逆
の温度特性を有するものであって、この温度補償用抵抗
46をブリッジ回路45に挿入することによりブリッジ
回路45の温度特性を安定させることができる。
【0051】また、図13(a)(b)は本発明のさら
に別な実施例による可動光学面47を示す下面図(起歪
層17等を省略している)及びピエゾ抵抗35により構
成されたブリッジ回路45を示す図である。この実施例
にあっては、フレーム12の下面(n層34)にオフセ
ット調整用のトリム抵抗48を埋め込んであり、このト
リム抵抗48を図12(b)に示すようにピエゾ抵抗3
5の1つと直列接続してブリッジ回路45に挿入してい
る。この実施例にあっては、トリム抵抗48をレーザー
光等によって一部蒸発させることによって抵抗値を調整
し、ブリッジ回路45の出力電圧Vのオフセット量を調
整することができる。
【0052】図14は本発明のさらに別な実施例による
可動光学面49を示す断面図であって、フレーム12の
下面に回路部分50を埋め込んだものである。例えば、
この回路部分50としては、プリッジ回路等から出力さ
れる信号(出力電圧V)の変化を検知するための回路や
起歪層17への入力を制御するための回路等とすること
ができる。
【0053】図15は本発明のさらに別な実施例による
可動光学面51を示す概略断面図である。この実施例に
おいては、起歪層17に駆動電圧を印加していない状態
で基板13及び光学面14が湾曲しており、起歪層17
に駆動電圧を印加して起歪層17を変形させると、基板
13及び光学面14がより大きく湾曲する方向に、ある
いは湾曲が小さくなる方向に変形する。
【0054】なお、上記各実施例において、光学面は基
板側でなく、起歪層側に形成することも可能であるが、
基板の上に形成することにより平滑度を高めることがで
き、光学面の反射率を高くすることができる。
【0055】図16に示すものは本発明による可動光学
面ユニット52を示す断面図である。この可動光学面ユ
ニット52は、本発明による可動光学面53をベース5
4の上面に実装すると共に電極層16やピエゾ抵抗35
等を端子55にワイヤボンディング等で接続してあり、
ガラスや透明プラスチック等の透光部56と筒部57か
らなるパッケージ58内に可動光学面53を封止し、パ
ッケージ58内部を減圧している。あるいは、パッケー
ジ58内にNeやAr等の不活性ガスを封入しておいて
もよい。
【0056】このように可動光学面53をパッケージ5
8内に封止しておけば、耐環境性が保証され、素子寿命
を長くすることができる。さらに、内部に不活性ガスを
封入してあれば、可動光学面53の経年的な劣化を小さ
くでき、内部を減圧してあれば、可動光学面53の周波
数特性を向上させることができる。
【0057】図17はアレイ状に構成された可動光学面
59を示す平面図である。すなわち、シリコンウエハ等
から形成された格子状をした共通のフレーム12に一定
ピッチ毎にアレイ状に配列させて弾性変形可能な複数の
基板13を設け、各基板13にそれぞれ光学面14と起
歪層17等を設けたものである。このようにアレイ状に
形成された可動光学面59によれば、複数個分を小さな
スペースに構成することができる。また、各光学面14
は各起歪層17によって互いに独立して駆動される。こ
のようなアレイ状をした可動光学面59を用いれば、各
光学面14にそれぞれ異なる光ビームを照射させるよう
にしてもよく、あるいは全体に1本の光ビームを照射さ
せてマイクロレンズアレイと似た使い方をしてもよい。
【0058】図18は本発明による光スキャニングシス
テム60を示す概略構成図である。この光スキャニング
システム60は本発明の可動光学面53と、その光学面
14に光ビームを照射する光源61とからなっている。
可動光学面53の起歪層17には交流電圧が印加されて
おり、それによって光学面14は一定周期で膨張した
り、収縮したりするように周期的に変形している。光源
61から出射されている光ビームrは、このようにして
振動している光学面14の中心から外れた位置に照射さ
れており、光学面14で反射された光ビームrは光学面
14の振動によって反射方向が変化し、図18に示すよ
うに走査される。
【0059】図19は本発明による集光点位置可動光学
システム62を示す概略構成図である。この集光点位置
可動光学システム62は、本発明の可動光学面53と、
コリメート光ないしコヒーレント光を出射する発光ダイ
オード(及びレンズ系)や半導体レーザ素子のような光
源63とからなる。図3(a)(b)において説明した
ように、この集光点位置可動光学システム62において
は、光源63から出射され光学面14で反射された光は
集光し、その集光点64の位置は起歪層17に印加する
駆動電圧によって可変とすることができる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、起歪層により光学面を
変形させるようにしているので、光学面の両方向への変
位が可能となり、また、従来例のように対向電極を持た
ないので光学面の変位の上限もなく、光学面の変形の自
由度の高い可動光学面を製作することができるという利
点がある。また、起歪層に電圧を印加して光学面を変形
させるので、駆動電圧も低くできる。さらに、光学面を
変形させるために対向電極が必要なく、基板等の形状や
構造も簡略化できるため、製造プロセスも簡単にするこ
とができ、製造コストを安価にできる。しかも、スクィ
ーズドフィルムダンピングによる高周波領域における応
答の低下も起こらないという利点がある。また、従来例
のように基板を別体の絶縁体基板等に取り付ける必要が
ないので、熱膨張係数の違いによる温度特性の劣化がな
い。
【0061】また、起歪層を基板の変形領域にのみ形成
したり、基板の起歪層以外の部分に開口部を設けたりす
れば、基板の変形が容易となり、光学面をより小さな駆
動電圧により大きく変形させることができ、バッテリー
駆動等も可能になる。
【0062】また、前記基板の全周や一部をフレームに
固定したり、フレームの形状を変化させたり、基板に開
口部を設けたり、複数の電極部分のパターンを変えた
り、複数の電極部分に印加する電圧を異ならせたりする
ことにより、駆動電圧印加時の光学面のプロファイルを
コントロールすることができる。
【0063】また、ピエゾ抵抗等の歪検出手段を設けて
おけば、光学面の変形のようすを検知することができ、
歪検出手段の出力をモニターしながら、光学面を変形さ
せることによって光学面を高い形状精度で変形させるこ
とができる。
【0064】さらに、前記起歪層への入力を制御する回
路や前記歪検出手段からの出力を検知する回路等の回路
部分をフレーム上に設ければ、当該回路部分を含めた可
動光学面の構成をコンパクトにまとめることができ、可
動光学面を小型化することができる。
【0065】また、複数の光学面を並べてアレイ状の可
動光学面を構成したり、パッケージ内に不活性ガス封止
又は減圧封止したりすることもでき、用途に応じた形態
で使用することができる。
【0066】さらに、本発明の可動光学面を用いれば、
光ビームの集光位置等の調整の自由度が高く、駆動電圧
も低く、小型の光スキャニングシステムや集光点位置可
動光学システムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の可動光学面の構造を示す一部破断した斜
視図である。
【図2】(a)は本発明の一実施例による可動光学面を
示す一部破断した斜視図、(b)は(a)のX1部を示
す拡大断面図である。
【図3】(a)(b)は同上の動作説明図である。
【図4】(a)は本発明の別な実施例による可動光学面
を示す一部破断した斜視図、(b)は(a)のX2部を
示す拡大断面図である。
【図5】本発明のさらに別な実施例による可動光学面を
示す一部破断した斜視図である。
【図6】本発明のさらに別な実施例による可動光学面を
示す一部破断した斜視図である。
【図7】本発明のさらに別な実施例による可動光学面を
示す一部破断した斜視図である。
【図8】(a)は本発明のさらに別な実施例による可動
光学面を示す一部破断した斜視図、(b)は(a)のX
3部を示す拡大断面図である。
【図9】(a)は本発明のさらに別な実施例による可動
光学面を示す平面図、(b)は(a)のY−Y線断面図
である。
【図10】本発明のさらに別な実施例による可動光学面
を示す断面図である。
【図11】本発明のさらに別な実施例による可動光学面
を示す断面図である。
【図12】(a)は本発明のさらに別な実施例による可
動光学面を示す一部省略した下面図、(b)はそのピエ
ゾ抵抗によるブリッジ回路の構成を示す図である。
【図13】(a)は本発明のさらに別な実施例による可
動光学面を示す一部省略した下面図、(b)はそのピエ
ゾ抵抗によるブリッジ回路の構成を示す図である。
【図14】本発明のさらに別な実施例による可動光学面
を示す断面図である。
【図15】(a)は本発明のさらに別な実施例による可
動光学面を示す一部破断した斜視図、(b)は同上の基
板部分の一部を示す拡大断面図である。
【図16】本発明のさらに別な実施例による可動光学面
ユニットを示す断面図である。
【図17】本発明のさらに別な実施例による可動光学面
を示す平面図である。
【図18】本発明のさらに別な実施例による光スキャニ
ングシステムを示す概略図である。
【図19】本発明のさらに別な実施例による集光点位置
可動光学システムを示す概略図である。
【符号の説明】
12 フレーム 13 基板 14 光学面 16 電極層 17 起歪層 35 ピエゾ抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 善之 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内 (72)発明者 池田 正哲 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変形可能な基板と、基板に支持された光
    学面及び起歪層とからなり、 前記起歪層への電圧の印加により前記光学面が変形する
    ようになった可変光学面。
  2. 【請求項2】 前記起歪層は、絶縁膜及び起歪層への入
    力用電極を介して基板に形成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の可変光学面。
  3. 【請求項3】 さらに、前記起歪層に、該起歪層への他
    方の入力用電極および該入力用電極の保護層を形成した
    ことを特徴とする請求項2に記載の可変光学面。
  4. 【請求項4】 前記起歪層は、前記基板の変形領域にの
    み形成されていることを特徴とする請求項1,2又は3
    に記載の可変光学面。
  5. 【請求項5】 前記基板の少なくとも二辺をフレームに
    固定したことを特徴とする請求項1,2,3又は4に記
    載の可変光学面。
  6. 【請求項6】 前記基板の全周をフレームに固定したこ
    とを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の可変光
    学面。
  7. 【請求項7】 前記基板は矩形状をなし、該基板の少な
    くとも対向する1組の辺がフレームに固定されているこ
    とを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の可変光
    学面。
  8. 【請求項8】 前記基板は円形状をなし、該基板の全周
    がフレームに固定されていることを特徴とする請求項
    1,2,3又は4に記載の可変光学面。
  9. 【請求項9】 前記基板の、起歪層が形成されていない
    領域に開口部が存在することを特徴とする請求項1,
    2,3,4,5,6,7又は8に記載の可変光学面。
  10. 【請求項10】 前記基板の厚みが一定でないことを特
    徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9
    に記載の可変光学面。
  11. 【請求項11】 前記入力用電極は、それぞれ複数の電
    極部分からなることを特徴とする請求項2,3,4,
    5,6,7,8,9又は10に記載の可変光学面。
  12. 【請求項12】 前記各電極部分に異なる大きさの信号
    を印加するようにした請求項11に記載の可変光学面。
  13. 【請求項13】 前記基板上に歪検出手段を備えた請求
    項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11又
    は12に記載の可変光学面。
  14. 【請求項14】 前記歪検出手段がピエゾ抵抗であっ
    て、該ピエゾ抵抗上に誘電体膜を介して金属薄膜もしく
    は低抵抗のポリシリコンを形成し、該金属薄膜もしくは
    ポリシリコンと前記基板とを電気的に導通させたことを
    特徴とする請求項13に記載の可変光学面。
  15. 【請求項15】 前記歪検出手段に、フレームに設けら
    れた温度補償用の抵抗をつないでいることを特徴とする
    請求項13に記載の可変光学面。
  16. 【請求項16】 前記歪検出手段に、フレームに設けら
    れたオフセット調整用の抵抗をつないでいることを特徴
    とする請求項13に記載の可変光学面。
  17. 【請求項17】 前記起歪層への入力を制御する回路や
    前記歪検出手段からの出力を検知する回路等の回路部分
    をフレーム上に設けたことを特徴とする請求項1,2,
    3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,1
    3,14,15又は16に記載の可動光学面。
  18. 【請求項18】 前記起歪層として、圧電薄膜や電歪薄
    膜、磁歪薄膜等の内部歪を発生する機能薄膜を用いたこ
    とを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16又
    は17に記載の可動光学面。
  19. 【請求項19】 複数の前記光学面がアレイ状に配列さ
    れていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,
    6,7,8,9,10,11,12,13,14,1
    5,16,17又は18に記載の可動光学面。
  20. 【請求項20】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16,
    17,18又は19に記載の可動光学面を、不活性ガス
    と共にパッケージ内に封止したことを特徴とする可動光
    学面ユニット。
  21. 【請求項21】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16,
    17,18又は19に記載の可動光学面をパッケージ内
    に減圧封止したことを特徴とする可動光学面ユニット。
  22. 【請求項22】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16,
    17,18又は19に記載の可動光学面と光源とを備
    え、光源からの光を可変光学面の変形によって走査させ
    るようにした光スキャニングシステム。
  23. 【請求項23】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16,
    17,18又は19に記載の可動光学面と光源とを備
    え、光源からの光を集光させ、その集光点を可変光学面
    の変形によって移動させるようにした集光点位置可動光
    学システム。
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