JPH07309616A - チタニア−シリカ及び透明薄膜の製造方法 - Google Patents

チタニア−シリカ及び透明薄膜の製造方法

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JPH07309616A JP12191294A JP12191294A JPH07309616A JP H07309616 A JPH07309616 A JP H07309616A JP 12191294 A JP12191294 A JP 12191294A JP 12191294 A JP12191294 A JP 12191294A JP H07309616 A JPH07309616 A JP H07309616A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可視光透明性の高いチタニア−シリカ及び薄
膜を製造する方法を提供すること。 【構成】 アモルファスチタニア微粒子1gに対して3
1%過酸化水素水20mlの割合で加え、これにTEO
SをTi/Si比が1/0〜1/9になるように添加
し、混合した後放置すると黄色のゲル体が得られる。こ
のゲル体に31%過酸化水素水を添加し、混合すると透
明黄色のチタニア−シリカ溶液が得られる。このチタニ
ア−シリカ溶液を基板に塗布又は含浸することにより、
基板表面に可視光透明性の高い薄膜が形成され、また前
記ゲル体に例えば1273Kにて熱処理を施すことによ
りチタニア−シリカフレークからなる可視光透明性の高
い薄膜を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチタニア−シリカ溶液、
チタニア−シリカフレ−ク等のチタニア−シリカの製造
方法及び透明薄膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チタンの複合酸化物であるチタニア−シ
リカは、耐食性、耐熱性、耐摩耗性に優れた材料として
知られており、また高い熱安定性、低い熱膨張率、高い
屈折率等を有することから、宇宙往還機の外装や反射望
遠鏡ミラーの薄膜コーティング等に利用されている。こ
こでチタニア−シリカの薄膜の可視光透明性を高めるこ
とにより、光学レ−ザ−や色素材料への応用が期待でき
ることから、可視光透明性の高いチタニア−シリカ薄膜
(透明薄膜)が求められている。
【0003】従来チタニア−シリカを調整する方法とし
ては、例えば図5のフローチャートに示すように、チタ
ンテトライソプロポキシド(Ti(OC3 7 4 :T
IP)、テトラエチルオルトシリケート((C2
5 O)4 Si:TEOS)、エタノール(C2 5
H)を所定のモル比で混合した後、水(H2 O)とエタ
ノールの混合液を添加して、加水分解及び縮重合反応を
行い、この後混合液を303Kのインキュベーター内で
放置することによりゲル化させ、ゲル化したものを33
3Kで50時間、373Kで恒量になるまで通気乾燥を
行うことにより、チタニア−シリカ成型体を得る方法が
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら上述
の方法により調整されるチタニア−シリカ成型体は透明
性が低く、これはチタニア−シリカが相分離を起しやす
く、組成の均一性が低いためと考えられているが、この
ように透明性が低いと、上述のようにチタニア−シリカ
により例えば反射望遠鏡ミラーの薄膜コーティングを行
う場合には、ミラーの反射率が悪くなるなど基板の本来
の機能を低下させてしまうという問題があった。
【0005】本発明は、このような事情の下になされた
ものであり、その目的は、可視光透明性の高い透明薄膜
を得るのに適したチタニア−シリカの製造方法及び当該
チタニア−シリカを用いた透明薄膜の製造方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、アモ
ルファスチタニアと酸性溶液と有機系シリケートとを混
合した後、放置してゲル体を生成する工程と、前記ゲル
体に酸性溶液を添加してチタニア−シリカ溶液を得る工
程と、を含むことを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、請求項1記載の発明に
おいて、アモルファスチタニアは、チタンテトラアルコ
キシドと前記アルコキシドに対応するアルコールとを混
合し、更に水を添加し、この後固液分離を行い、得られ
た固体成分を乾燥することにより得られたアモルファス
チタニア微粒子であることを特徴とする。
【0008】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
発明において、前記ゲル体に熱処理を施してチタニア−
シリカフレークを得ることを特徴とする。
【0009】請求項4の発明は、請求項1、2又は3記
載の発明において、酸性溶液は過酸化水素水からなるこ
とを特徴とする。
【0010】請求項5の発明は、請求項1又は2に記載
のチタニア−シリカ溶液を基板に塗布及び/又は含浸さ
せることを特徴とする。
【0011】
【作用】アモルファスチタニアと酸性溶液と有機系シリ
ケートとを混合した後ゲル化し、得られたゲル体を再度
酸性溶液に溶解させると可視光透明性が高いチタニア−
シリカ溶液が製造される。このように可視光透明性が高
いチタニア−シリカ溶液が得られるのは、アモルファス
チタニアを酸性溶液に溶解させることによりチタニアの
凝集が分散され、組成が均一になり、粒界が形成されな
いためと考えられる。また前記ゲル体に熱処理を施した
り、前記チタニア−シリカ溶液を基板に塗布及び/又は
含浸することにより、薄膜が得られるが、この薄膜も可
視光透明性の高いものとなる。
【0012】
【実施例】本発明者らは、可視光透明性の高いチタニア
−シリカの薄膜を得るに当たり、先ず薄膜を透明にする
には、光を吸収する不純物や光を散乱する粒界をなくす
ことが必要であることから、粒界が存在しない性質を有
するアモルファスに着目した。そこで後述する方法でア
モルファスチタニア微粒子を製造したところ、この微粒
子はアモルファスであるにもかかわらず白色を呈してい
たため、この白色の原因を微粒子の凝集によるものと考
え、微粒子を再分散させる方法について検討した。その
結果アモルファスチタニア微粒子を酸性溶液に溶解した
後、再度ゲル化させる方法を見出し、本発明を完成する
に至った。以下に本発明のチタニア−シリカ及び透明薄
膜の製造方法について説明する。
【0013】本発明のチタニア−シリカ溶液は、アモル
ファス酸化チタン例えばアモルファスチタニア微粒子を
原料として製造されるが、このアモルファスチタニア微
粒子は、例えば図1のフローチャートに示す方法により
製造される。即ちチタンテトラアルコキシド例えばチタ
ンテトライソプロポキシド(Ti(OC3 7 4 :T
IP)と、このアルコキシドに対応するアルコール例え
ばイソプロパノール(iso−C3 7 OH:IPA)
とを所定のモル比例えばTIP/IPA/H2O=1/
10/4で混合し、さらに対応するアルコール例えばイ
ソプロパノールと水との混合液を加えて反応させ、この
反応により得られた白色懸濁液を固液分離し、乾燥する
ことにより得ることができる。
【0014】そして本発明のチタニア−シリカ溶液は、
例えば図2のフローチャートに示す方法により製造され
る。即ちアモルファスチタニア微粒子と酸性溶液例えば
過酸化水素水とを、アモルファスチタニア微粒子1gに
対して例えば31%過酸化水素水20mlの割合で混合
し、さらに有機系シリケート例えばテトラエチルオルト
シリケート((C2 5 O)4 Si:TEOS)を所定
のモル比例えばTi/Si=1/0〜1/9となるよう
に混合して、この混合溶液を例えば温度293Kの下で
2時間攪拌すると赤橙色透明溶液が得られる。そして例
えばTi/Si=1/1の場合は、この溶液を室温例え
ば温度300Kの下で例えば1週間〜10日間放置して
ゲル化させると黄色のゲル体が生成する。このゲル体に
さらに酸性溶液例えば31%過酸化水素水を所定量添加
して、例えば温度293Kの下で1時間攪拌すると、黄
色透明のチタニア−シリカ溶液が得られる。
【0015】ここで酸性溶液としては、上述の過酸化水
素水以外に酸化剤としてオゾンや酸素、次亜塩素酸ナト
リウム、次亜塩素酸、塩素酸ナトリウム、二酸化塩素等
を用いた溶液であってよいが、処理後に酸成分が残留し
たり、不純物が混入したりすると純度に問題を生じるた
め、過酸化水素水やオゾン、酸素等を用いることが好ま
しい。また有機系シリケートはシリコン成分供給源であ
り、金属を含まない有機系シリケートであればテトラエ
チルオルトシリケート以外のもの、例えばSi4 8
244 やSi4 4 164 も用いることができる。
【0016】そして前記チタニア−シリカの黄色ゲル体
に例えば大気雰囲気下においた電気炉で焼成するという
方法にて熱処理を施すと、板状の無色透明のチタニア−
シリカフレークが得られ、また前記黄色透明のチタニア
−シリカ溶液を例えば金属やセラミック、ガラス等から
なる基板表面にコーティングし、この後例えば大気雰囲
気下においた電気炉で焼成するという方法にて例えば3
0分間熱処理を施すと、前記基板表面には可視光透明性
の高いチタニア−シリカ薄膜が形成される。なお基板へ
のチタニア−シリカ溶液のコーティングは、例えばチタ
ニア−シリカ溶液を基板に塗布するかまたは例えばチタ
ニア−シリカ溶液に基板を浸漬させて基板に前記溶液を
含浸させることにより行なわれ、チタニア−シリカ溶液
の塗布または含浸は繰り返し行ってもよい。
【0017】このような方法により製造されたチタニア
−シリカフレーク及びチタニア−シリカ薄膜は、チタニ
ア−シリカの一般的な性質である高熱安定性、高屈折
率、低熱膨張性、耐食性、耐熱性、耐摩耗性を有し、か
つ可視光透明性の高いものとなるが、かかる性質を有す
るチタニア−シリカフレーク及びチタニア−シリカ薄膜
は、例えば高屈折率と反射特性を利用した光学分野、耐
食性を利用する腐食防止膜、低熱膨張率に着目する耐
火、耐熱材料、光透過性と表面活性を利用する光触媒設
計等の多くの分野への利用が考えられる。なおチタニア
−シリカフレ−クは塗膜用溶液中に懸濁させて使用する
方法等が考えられる。
【0018】次に本発明方法の効果を確認するために行
った実験例及び本発明方法により製造されたチタニア−
シリカフレークの性質を検討するために行った実験例に
ついて説明する。酸性溶液として31%過酸化水素水、
アルキルシリケートとしてTEOSを用い、TEOSの
混合量をTi/Si比が1/0.5、1/1および1/
9となるように調整してチタニア−シリカ溶液を製造
し、これに温度1273Kで1時間熱処理チタニア−シ
リカフレークを得た。このフレークの可視光透過性を紫
外可視拡散反射分光法(UV−Vis DRS)により
測定したところ、チタニア−シリカ組成比が異なるどの
フレークにおいても、可視光透過性が高いことが認めら
れた。従ってアモルファスチタニア微粒子を酸性溶液に
溶解することにより凝集していた微粒子が再分散し、こ
の後にゲル化することにより、透明化を妨げる粒界を失
くして可視光透明性を高めることができることが確認さ
れた。
【0019】またこれらのフレークに対して赤外拡散反
射分析法(FT−IR DRS)による分析を行ったと
ころ、図3に示す吸収スペクトルの測定結果が得られ、
このスペクトルには、960〜970cm-1と770m
-1付近に、シリカおよびチタニア単独のスペクトルに
は存在しない吸収ピークが認められた。アモルファスチ
タニアにおいても960〜990cm-1付近にTi=0
結合に帰属すると考えられる吸収ピークが現われるため
これと区別がつきにくいが、図3のスペクトルではTi
の比率が高くなるにつれてピークの高さが減じており、
このピークがチタニアによるものとは考えにくい。この
ためチタニア−シリカフレークのFT−IR DRSに
現われる960〜970cm-1及び770cm-1付近の
吸収ピークはTi−O−Si結合の伸縮に帰属するもの
であると判断した。
【0020】またこのスペクトルより、チタニアの大部
分はチタニア−シリカ結合を形成するのではなく、チタ
ニアとして存在することが示唆された。そこでチタニア
−シリカフレークに対してUV−Vis DRSにより
分析を行なうこととした。なおTi/Si比は1/0.
5、1/0.7、1/1および1/9としてチタニア−
シリカ溶液を調整し、熱処理は773Kと1273Kで
行った。この結果を図4に示すが、図中TiOxはアモ
ルファスチタニア微粒子を意味する。
【0021】図4に示すように基礎吸収端はシリカ含有
率が増すにつれて、高エネルギー側にシフトする。しか
しシフトの度合はそれほど大きくないため基礎吸収端が
チタニアの吸収に支配されていると考えられ、これによ
り大部分のチタニアがTi−O−Si結合を形成せずに
存在していると推定される。
【0022】以上の実験結果より、本発明方法によれば
広範囲のチタニア−シリカ組成比で可視光透光性の高い
薄膜が得られることが確認された。またチタニア−シリ
カフレークに対するFT−IR DRSとUV−Vis
DRSによる分析結果より、本発明方法で製造された
チタニア−シリカは、チタニアの一部分はTi−O−S
i結合を形成し、残りの部分は透明なチタニア膜がシリ
カのネットワークをうずめるような形で存在しているた
め、相分離が起らず、このため粒界も形成されないので
可視光透明性が高くなるものと推定される。
【0023】
【発明の効果】請求項1、2、4に記載の発明によれ
ば、アモルファスチタニアを酸性溶液に溶解させて分散
させた後、ゲル化させ、このゲル体を再度酸性溶液に溶
解させているので、可視光透明性の高いチタニア−シリ
カ溶液を製造することができる。また請求項3、5に記
載の発明によれば、前記ゲル体に熱処理を施したり、前
記チタニア−シリカ溶液を基板に塗布及び/又は含浸す
ることにより薄膜を形成しているので可視光透明性の高
いチタニア−シリカフレ−クや薄膜を製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アモルファスチタニア微粒子の製造方法を示す
フローチャートである。
【図2】チタニア−シリカ溶液の製造方法を示すフロー
チャートである。
【図3】チタニア−シリカフレークのFT−IR DR
S測定結果を示す図である。
【図4】チタニア−シリカフレークのUV−Vis D
RS測定結果を示す図である。
【図5】従来のチタニア−シリカ成型体の製造方法を示
すフローチャートである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファスチタニアと酸性溶液と有機
    系シリケ−トとを混合した後、放置してゲル体を生成す
    る工程と、 前記ゲル体に酸性溶液を添加してチタニア−シリカ溶液
    を得る工程と、 を含むことを特徴とするチタニア−シリカの製造方法。
  2. 【請求項2】 アモルファスチタニアは、チタンテトラ
    アルコキシドと前記アルコキシドに対応するアルコール
    とを混合し、更に水を添加し、この後固液分離を行い、
    得られた固体成分を乾燥することにより得られたアモル
    ファスチタニア微粒子であることを特徴とする請求項1
    記載のチタニア−シリカの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ゲル体に熱処理を施してチタニア−
    シリカフレークを得ることを特徴とする請求項1又は2
    記載のチタニア−シリカの製造方法。
  4. 【請求項4】 酸性溶液は過酸化水素水からなることを
    特徴とする請求項1、2又は3記載のチタニア−シリカ
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載のチタニア−シリ
    カ溶液を基板に塗布及び/又は含浸させることを特徴と
    する透明薄膜の製造方法。
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