JPH07310199A - ジルコニウム及びジルコニウム合金の防食方法 - Google Patents
ジルコニウム及びジルコニウム合金の防食方法Info
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- JPH07310199A JPH07310199A JP6099765A JP9976594A JPH07310199A JP H07310199 A JPH07310199 A JP H07310199A JP 6099765 A JP6099765 A JP 6099765A JP 9976594 A JP9976594 A JP 9976594A JP H07310199 A JPH07310199 A JP H07310199A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ジルコニウム、もしくはジルコニウムを主成
分とするジルコニウム合金の、高温純水環境での耐食性
を向上させる。 【構成】 表面が酸化されたジルコニウムもしくはジル
コニウム合金からなる部材を、90℃の水酸化ナトリウ
ム、水酸化ニッケル及び塩化リチウムの混合溶液に浸漬
して、電解によりその表面にジルコニウム−ニッケルの
複合酸化物(ZrNiO3)である不動態皮膜を形成させ
る。
分とするジルコニウム合金の、高温純水環境での耐食性
を向上させる。 【構成】 表面が酸化されたジルコニウムもしくはジル
コニウム合金からなる部材を、90℃の水酸化ナトリウ
ム、水酸化ニッケル及び塩化リチウムの混合溶液に浸漬
して、電解によりその表面にジルコニウム−ニッケルの
複合酸化物(ZrNiO3)である不動態皮膜を形成させ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジルコニウム及びジルコ
ニウム合金の防食方法に係り、特にATRの炉心部に相
当する圧力管の腐食予防保全やBWR核燃料被覆管の腐
食防止に関する。
ニウム合金の防食方法に係り、特にATRの炉心部に相
当する圧力管の腐食予防保全やBWR核燃料被覆管の腐
食防止に関する。
【0002】
【従来の技術】ニッケルは耐食性材料として古くから活
用されている。ニッケルの標準電極電位は−0.24V
(水素基準電極電位)であり、ニッケルイオンは銅イオン
などよりも還元され難いが次亜リン酸のような強い還元
剤とともに塩化ニッケルや硫酸ニッケルとして共存させ
ると次式のように金属に還元されることが知られてい
る。
用されている。ニッケルの標準電極電位は−0.24V
(水素基準電極電位)であり、ニッケルイオンは銅イオン
などよりも還元され難いが次亜リン酸のような強い還元
剤とともに塩化ニッケルや硫酸ニッケルとして共存させ
ると次式のように金属に還元されることが知られてい
る。
【0003】
【数1】
【0004】この方法では90℃以上の高温で処理する
のが望ましい。
のが望ましい。
【0005】これに対して、雑誌 表面技術( Vol42 No
9 p918〜922 1991年)に「次亜リン酸塩を還元剤とする
低温タイプの無電解ニッケルめっき浴の開発」(松岡、
小川、他)と題する論文が報告されている。この論文に
よれば、次亜リン酸ナトリウム、硫酸ニッケル、酢酸ナ
トリウム及び硫酸アンモニウムからなる標準的なニッケ
ル−リン化学めっき浴(中性)にマレイン酸を添加して
酸性(pH=4)に維持すると、燐含有率が高く引張り
強さの大きい耐食性に優れた非晶質構造のニッケルめっ
き層が得られることが述べられている。この表面処理技
術は工業水や海水環境では卓越した防食技術となり得る
ものである。しかし、原子炉炉水冷却環境のように中性
子照射(放射線照射)を伴う高温純水環境では、ニッケ
ルめっき層に存在する燐もしくは燐化ニッケルが選択的
に溶解して燐酸が排出されるために、前記いずれの方法
でも実用的とはいえない。また、上記論文には、ジルコ
ニウム、もしくはジルコニウムを主成分とするジルコニ
ウム合金の表面に燐を含有させることなくジルコニウム
−ニッケル複合酸化物を形成させる工夫は開示されてい
ない。
9 p918〜922 1991年)に「次亜リン酸塩を還元剤とする
低温タイプの無電解ニッケルめっき浴の開発」(松岡、
小川、他)と題する論文が報告されている。この論文に
よれば、次亜リン酸ナトリウム、硫酸ニッケル、酢酸ナ
トリウム及び硫酸アンモニウムからなる標準的なニッケ
ル−リン化学めっき浴(中性)にマレイン酸を添加して
酸性(pH=4)に維持すると、燐含有率が高く引張り
強さの大きい耐食性に優れた非晶質構造のニッケルめっ
き層が得られることが述べられている。この表面処理技
術は工業水や海水環境では卓越した防食技術となり得る
ものである。しかし、原子炉炉水冷却環境のように中性
子照射(放射線照射)を伴う高温純水環境では、ニッケ
ルめっき層に存在する燐もしくは燐化ニッケルが選択的
に溶解して燐酸が排出されるために、前記いずれの方法
でも実用的とはいえない。また、上記論文には、ジルコ
ニウム、もしくはジルコニウムを主成分とするジルコニ
ウム合金の表面に燐を含有させることなくジルコニウム
−ニッケル複合酸化物を形成させる工夫は開示されてい
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】Zr母相1の表面に
は、大気中での酸化により、ZrO2からなる不動態膜
層2が形成される。高温純水中におけるジルコニウムも
しくはジルコニウム合金の腐食は、一般的に図3に示す
ような過程として考えられている。同図に示されるよう
に、Zr母相1からZrが4価のプラスイオンとなって
結晶格子を離れて不動態膜層(ZrO2)2に向かって
拡散するとともに、電子(e~)が不動態膜層2から水溶
液3との界面に伝導する。水と酸素空孔の還元反応によ
り生成した酸素アニオン(O~2)は、不動態膜層2中の酸
素欠陥と呼ばれるアニオン空孔を経由して母相に達して
ZrO2を形成して酸化が進行する。さらに、Zrが4
価のプラスイオンとなって不動態膜2を介して水溶液/
不動態膜界面に拡散する際に、図4に示されるようにZ
rの4価のプラスイオンが溶出すると、カチオン空孔4
が生成する。このカチオン空孔4が不動態膜に移行し
て、不動態膜/合金界面に集積する。そしてこれらが繋
がり、不動態膜層2にき裂状の欠陥を生起して脆くなる
ことが知られている。
は、大気中での酸化により、ZrO2からなる不動態膜
層2が形成される。高温純水中におけるジルコニウムも
しくはジルコニウム合金の腐食は、一般的に図3に示す
ような過程として考えられている。同図に示されるよう
に、Zr母相1からZrが4価のプラスイオンとなって
結晶格子を離れて不動態膜層(ZrO2)2に向かって
拡散するとともに、電子(e~)が不動態膜層2から水溶
液3との界面に伝導する。水と酸素空孔の還元反応によ
り生成した酸素アニオン(O~2)は、不動態膜層2中の酸
素欠陥と呼ばれるアニオン空孔を経由して母相に達して
ZrO2を形成して酸化が進行する。さらに、Zrが4
価のプラスイオンとなって不動態膜2を介して水溶液/
不動態膜界面に拡散する際に、図4に示されるようにZ
rの4価のプラスイオンが溶出すると、カチオン空孔4
が生成する。このカチオン空孔4が不動態膜に移行し
て、不動態膜/合金界面に集積する。そしてこれらが繋
がり、不動態膜層2にき裂状の欠陥を生起して脆くなる
ことが知られている。
【0007】本発明の課題は、ジルコニウム、もしくは
ジルコニウムを主成分とするジルコニウム合金の、高温
純水環境での耐食性を向上させるにある。
ジルコニウムを主成分とするジルコニウム合金の、高温
純水環境での耐食性を向上させるにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記従来技術におけるニ
ッケル−リン化学めっき浴(中性)によるニッケルめっ
きはニッケルめっき層中に多量の燐あるいは燐化ニッケ
ルが含有される。これらは高温純水中においては燐酸を
排出するために原子炉炉水環境における防食技術として
は適用できない。
ッケル−リン化学めっき浴(中性)によるニッケルめっ
きはニッケルめっき層中に多量の燐あるいは燐化ニッケ
ルが含有される。これらは高温純水中においては燐酸を
排出するために原子炉炉水環境における防食技術として
は適用できない。
【0009】本発明は上記課題を解決するために、ジル
コニウム、もしくはジルコニウムを主成分とするジルコ
ニウム合金の表面にジルコニウム−ニッケル複合酸化物
を形成させることを特徴とする。
コニウム、もしくはジルコニウムを主成分とするジルコ
ニウム合金の表面にジルコニウム−ニッケル複合酸化物
を形成させることを特徴とする。
【0010】ジルコニウム−ニッケル複合酸化物を形成
させる方法としては、ジルコニウムもしくはジルコニウ
ム合金からなる部材をアルカリ性環境において燐を含有
しないニッケルもしくはニッケル塩類と反応させてジル
コニウム−ニッケル複合酸化物を形成させるとよい。
させる方法としては、ジルコニウムもしくはジルコニウ
ム合金からなる部材をアルカリ性環境において燐を含有
しないニッケルもしくはニッケル塩類と反応させてジル
コニウム−ニッケル複合酸化物を形成させるとよい。
【0011】表面が酸化されたジルコニウムもしくはジ
ルコニウム合金からなる部材にたいしても、同様に該部
材をアルカリ性環境においてニッケルもしくはニッケル
塩類と反応させて、その酸化皮膜上にジルコニウム−ニ
ッケル複合酸化物を形成させるとよい。
ルコニウム合金からなる部材にたいしても、同様に該部
材をアルカリ性環境においてニッケルもしくはニッケル
塩類と反応させて、その酸化皮膜上にジルコニウム−ニ
ッケル複合酸化物を形成させるとよい。
【0012】また、酸化されたジルコニウムもしくはジ
ルコニウム合金からなる部材表面にジルコニウム−ニッ
ケル複合酸化物を一定厚さに形成させた後にさらにニッ
ケルメッキを施すようにしてもよい。
ルコニウム合金からなる部材表面にジルコニウム−ニッ
ケル複合酸化物を一定厚さに形成させた後にさらにニッ
ケルメッキを施すようにしてもよい。
【0013】
【作用】先に述べたようなジルコニウムもしくはジルコ
ニウム合金の酸化を抑制する方法として、不動態膜層
(ZrO2)上に酸素アニオンを捕捉してこれを消費す
る酸化物を形成させることは極めて有効な手段である。
Niは次式に示すように漸次、高次な酸化物を形成する
こが知られている。
ニウム合金の酸化を抑制する方法として、不動態膜層
(ZrO2)上に酸素アニオンを捕捉してこれを消費す
る酸化物を形成させることは極めて有効な手段である。
Niは次式に示すように漸次、高次な酸化物を形成する
こが知られている。
【0014】
【数2】
【0015】ニッケルをジルコニウム、もしくはジルコ
ニウムを主成分とするジルコニウム合金の表面に電着さ
せるのに、電気めっきによる方法がある。電気めっきの
場合、NaOH、LiOHなどのアルカリ性溶液(PH1
1〜13)に、ジルコニウムもしくはジルコニウム合金
(Zr−2.5Nb)とニッケルを浸漬する。両者には、
それぞれ電源端子をつけておく。この場合、ニッケル極
にはNi(OH)2が生成され、ジルコニウムもしくはジル
コニウム合金極(以下ジルコニウム極という)にはHZ
rO3~が生成される。前記アルカリ性溶液を90℃前後
の高温としたのち、両電極に通電される。通電により、
ニッケル極からニッケルの2価の陽イオンが溶出し、ジ
ルコニウム極で還元されてジルコニウム−ニッケル複合
酸化物であるZrNiO3(=ZrO2・NiO)が生成され
る。このNiOが、酸素アニオンを捕捉してこれを消費
する役目をする。前記ZrNiO3(=ZrO2・NiO)が
生成される過程は次の式で表現される。
ニウムを主成分とするジルコニウム合金の表面に電着さ
せるのに、電気めっきによる方法がある。電気めっきの
場合、NaOH、LiOHなどのアルカリ性溶液(PH1
1〜13)に、ジルコニウムもしくはジルコニウム合金
(Zr−2.5Nb)とニッケルを浸漬する。両者には、
それぞれ電源端子をつけておく。この場合、ニッケル極
にはNi(OH)2が生成され、ジルコニウムもしくはジル
コニウム合金極(以下ジルコニウム極という)にはHZ
rO3~が生成される。前記アルカリ性溶液を90℃前後
の高温としたのち、両電極に通電される。通電により、
ニッケル極からニッケルの2価の陽イオンが溶出し、ジ
ルコニウム極で還元されてジルコニウム−ニッケル複合
酸化物であるZrNiO3(=ZrO2・NiO)が生成され
る。このNiOが、酸素アニオンを捕捉してこれを消費
する役目をする。前記ZrNiO3(=ZrO2・NiO)が
生成される過程は次の式で表現される。
【0016】
【数3】
【0017】しかし、電気めっきでは平板や球状のよう
な単純形状のものや小さな部品では比較的に容易にめっ
きできるものの、大口径の長尺のジルコニウム管、もし
くはジルコニウムを主成分とするジルコニウム合金から
なる部品では不可能に近い。これについて水酸化ニッケ
ルもしくは塩化ニッケルを含む強アルカリ性溶液に、ジ
ルコニウムもしくはジルコニウムを主成分とするジルコ
ニウム合金からなる部品を浸漬すると、次式のようにジ
ルコニウム表面にはアルカリ性溶液と反応してジルコン
酸(HZrO3~)が生成する。ジルコン酸自体は不動態で
はないため、溶液中のニッケルイオンを取り込み腐食に
対して安定な不動態皮膜(ZrNiO3)を形成する。
例えば次式のような反応の結果、ジルコニウム−ニッケ
ルが複合した不動態皮膜(ZrNiO3)が形成され
る。
な単純形状のものや小さな部品では比較的に容易にめっ
きできるものの、大口径の長尺のジルコニウム管、もし
くはジルコニウムを主成分とするジルコニウム合金から
なる部品では不可能に近い。これについて水酸化ニッケ
ルもしくは塩化ニッケルを含む強アルカリ性溶液に、ジ
ルコニウムもしくはジルコニウムを主成分とするジルコ
ニウム合金からなる部品を浸漬すると、次式のようにジ
ルコニウム表面にはアルカリ性溶液と反応してジルコン
酸(HZrO3~)が生成する。ジルコン酸自体は不動態で
はないため、溶液中のニッケルイオンを取り込み腐食に
対して安定な不動態皮膜(ZrNiO3)を形成する。
例えば次式のような反応の結果、ジルコニウム−ニッケ
ルが複合した不動態皮膜(ZrNiO3)が形成され
る。
【0018】
【数4】
【0019】(10)式は、水溶液が強アルカリ性である
場合にジルコン酸(HZrO3~)が生成する反応である。
ジルコニウム合金の酸化は、その表面に形成されたジル
コニウム−ニッケルの複合酸化物である不動態皮膜(主
としてZrNiO3)により酸素アニオンが消費される
結果、ジルコニウム母相に到達する酸素アニオンが著し
く少なくなるために抑制されることになる。酸素アニオ
ンが消費されるのは下記の化学式で示される作用によ
る。なお、下記の式中の酸素(O2)は、イオン化され
て金属中に拡散し、実際には酸素アニオンの形で変化に
係っている。
場合にジルコン酸(HZrO3~)が生成する反応である。
ジルコニウム合金の酸化は、その表面に形成されたジル
コニウム−ニッケルの複合酸化物である不動態皮膜(主
としてZrNiO3)により酸素アニオンが消費される
結果、ジルコニウム母相に到達する酸素アニオンが著し
く少なくなるために抑制されることになる。酸素アニオ
ンが消費されるのは下記の化学式で示される作用によ
る。なお、下記の式中の酸素(O2)は、イオン化され
て金属中に拡散し、実際には酸素アニオンの形で変化に
係っている。
【0020】 2Ni +O2 →2NiO ………(12) 3Ni +2O2→Ni3O4 ………(13) 6NiO+O2 →2Ni3O4 ………(14) 4Ni3O4+O2→6Ni2O3 ………(15) 2Ni2O3+O2→4NiO2 ………(16)
【0021】
【実施例】本発明の一実施例として、表1に示す化学成
分を有するジルコニウム合金から図5に示す形状の試験
片を加工した。これら腐食試験片1の一部を90℃の水
酸化ナトリウム、水酸化ニッケル及び塩化リチュウムの
混合溶液に浸漬して、電解によりその表面にジルコニウ
ム−ニッケルの複合の不動態皮膜(ZrNiO3)を形
成させた。これを腐食試験片6とした。比較のための他
方の腐食試験片1を400℃の大気中に24h保持して
表面に単一の斜方晶型酸化皮膜(ZrO2)を形成させ
た。これを腐食試験片5とした。この2種類の腐食試験
片5,6を、表2に示した288℃の純水中に最大20
00h保持してその重量変化量を調べるとともにその酸
化皮膜厚さを測定した。図1にその手順をフローチャー
トとして示す。
分を有するジルコニウム合金から図5に示す形状の試験
片を加工した。これら腐食試験片1の一部を90℃の水
酸化ナトリウム、水酸化ニッケル及び塩化リチュウムの
混合溶液に浸漬して、電解によりその表面にジルコニウ
ム−ニッケルの複合の不動態皮膜(ZrNiO3)を形
成させた。これを腐食試験片6とした。比較のための他
方の腐食試験片1を400℃の大気中に24h保持して
表面に単一の斜方晶型酸化皮膜(ZrO2)を形成させ
た。これを腐食試験片5とした。この2種類の腐食試験
片5,6を、表2に示した288℃の純水中に最大20
00h保持してその重量変化量を調べるとともにその酸
化皮膜厚さを測定した。図1にその手順をフローチャー
トとして示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】試験片の重量変化量は、前記純水中に保持
する前の重量と純水中に保持後に試験片を真空乾燥した
後天秤で測定して得た重量の差として求めた。試験片の
重量変化量を最大最小の範囲で図6に示す。図中、実線
6は腐食試験片6の重量変化を、破線5は腐食試験片5
の重量変化を、それぞれ示す。また、酸化皮膜厚さを測
定するために試験片の重量測定後に腐食表面に対して垂
直方向にこれを切断して、これをエポキシ樹脂で固定し
てからエメリペーパーで研摩した後バフ研摩した。酸化
皮膜厚さの測定は走査型電子顕微鏡を用いておこなっ
た。試験片の酸化皮膜厚さの測定結果を最大最小の範囲
で図7に示した。図7においても、実線6は腐食試験片
6の酸化皮膜厚さ変化を、破線5は腐食試験片5の酸化
皮膜厚さ変化を、それぞれ示す。図2は腐食試験片6の
表層部の断面構造を模式的に示すもので、Zr母相1の
上にZrO2の不動態膜層2が形成され、この不動態膜層
2の表面がジルコニウム−ニッケル複合酸化物7で被わ
れている状態を示している。
する前の重量と純水中に保持後に試験片を真空乾燥した
後天秤で測定して得た重量の差として求めた。試験片の
重量変化量を最大最小の範囲で図6に示す。図中、実線
6は腐食試験片6の重量変化を、破線5は腐食試験片5
の重量変化を、それぞれ示す。また、酸化皮膜厚さを測
定するために試験片の重量測定後に腐食表面に対して垂
直方向にこれを切断して、これをエポキシ樹脂で固定し
てからエメリペーパーで研摩した後バフ研摩した。酸化
皮膜厚さの測定は走査型電子顕微鏡を用いておこなっ
た。試験片の酸化皮膜厚さの測定結果を最大最小の範囲
で図7に示した。図7においても、実線6は腐食試験片
6の酸化皮膜厚さ変化を、破線5は腐食試験片5の酸化
皮膜厚さ変化を、それぞれ示す。図2は腐食試験片6の
表層部の断面構造を模式的に示すもので、Zr母相1の
上にZrO2の不動態膜層2が形成され、この不動態膜層
2の表面がジルコニウム−ニッケル複合酸化物7で被わ
れている状態を示している。
【0025】図6から、試験片の重量変化量は保持時間
とともに増加していることが認められる。保持時間に対
する重量変化量の増加傾向は単一のジルコニウム酸化皮
膜からなる腐食試験片5の方が本発明の実施例である腐
食試験片6の方よりも大きいことが認められる。次に、
図7から、保持時間に対する試験片の酸化皮膜厚さ変化
は単一のジルコニウム酸化皮膜からなる腐食試験片5の
方が本発明の実施例である腐食試験片6よりも著しく大
きいことが認められる。また、腐食試験片6の酸化皮膜
厚さは保持時間にかかわりなく変化が少ない傾向にあ
り、この点、酸化が著しく抑制されたことがうかがわ
れ、本発明の効果が認められた。
とともに増加していることが認められる。保持時間に対
する重量変化量の増加傾向は単一のジルコニウム酸化皮
膜からなる腐食試験片5の方が本発明の実施例である腐
食試験片6の方よりも大きいことが認められる。次に、
図7から、保持時間に対する試験片の酸化皮膜厚さ変化
は単一のジルコニウム酸化皮膜からなる腐食試験片5の
方が本発明の実施例である腐食試験片6よりも著しく大
きいことが認められる。また、腐食試験片6の酸化皮膜
厚さは保持時間にかかわりなく変化が少ない傾向にあ
り、この点、酸化が著しく抑制されたことがうかがわ
れ、本発明の効果が認められた。
【0026】上記実施例においては、防食対象物を90
℃の水酸化ナトリウム、水酸化ニッケル及び塩化リチュ
ウムの混合溶液に浸漬して、その表面にジルコニウム−
ニッケル複合酸化物を形成したが、この防食対象物にさ
らに、先に述べたような方法で電気めっきを行ってもよ
い。すなわち、NaOH、LiOHなどのアルカリ性溶液
(PH11〜13)に、先にジルコニウム−ニッケル複
合酸化物を形成した防食対象物とニッケルを浸漬する。
両者には、それぞれ電源端子をつけておく。この場合、
ニッケル極にはNi(OH)2が生成され、防食対象物極
(以下ジルコニウム極という)にはHZrO3~が生成さ
れる。前記アルカリ性溶液を90℃前後の高温としたの
ち、両電極に通電する。通電により、ニッケル極からニ
ッケルの2価の陽イオンが溶出し、ジルコニウム極で還
元されてジルコニウム−ニッケル複合酸化物であるZr
NiO3(=ZrO2・NiO)が生成される。この方法に
よれば、ジルコニウム−ニッケル複合酸化物の膜厚を厚
くすることができる。
℃の水酸化ナトリウム、水酸化ニッケル及び塩化リチュ
ウムの混合溶液に浸漬して、その表面にジルコニウム−
ニッケル複合酸化物を形成したが、この防食対象物にさ
らに、先に述べたような方法で電気めっきを行ってもよ
い。すなわち、NaOH、LiOHなどのアルカリ性溶液
(PH11〜13)に、先にジルコニウム−ニッケル複
合酸化物を形成した防食対象物とニッケルを浸漬する。
両者には、それぞれ電源端子をつけておく。この場合、
ニッケル極にはNi(OH)2が生成され、防食対象物極
(以下ジルコニウム極という)にはHZrO3~が生成さ
れる。前記アルカリ性溶液を90℃前後の高温としたの
ち、両電極に通電する。通電により、ニッケル極からニ
ッケルの2価の陽イオンが溶出し、ジルコニウム極で還
元されてジルコニウム−ニッケル複合酸化物であるZr
NiO3(=ZrO2・NiO)が生成される。この方法に
よれば、ジルコニウム−ニッケル複合酸化物の膜厚を厚
くすることができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、高温純水中におけるジ
ルコニウムもしくはジルコニウム合金の腐食を抑制する
ことが可能である。
ルコニウムもしくはジルコニウム合金の腐食を抑制する
ことが可能である。
【図1】本発明の実施例を示すフローチャートである。
【図2】本発明が適用された部材の表層部の断面構造を
模式的に示す断面図である。
模式的に示す断面図である。
【図3】ジルコニウム合金の腐食メカニズムの模式図で
ある。
ある。
【図4】ジルコニウム合金の不動態皮膜中の空孔の移動
模式図である。
模式図である。
【図5】腐食試験片の形状を示す断面図及び側面図であ
る。
る。
【図6】腐食試験片の重量変化量に及ぼす高温純水中の
保持時間の影響を示すグラフである。
保持時間の影響を示すグラフである。
【図7】腐食試験片の酸化皮膜厚さに及ぼす高温純水中
の保持時間の影響を示すグラフである。
の保持時間の影響を示すグラフである。
1 Zr母相 2 不動態膜層(ZrO2) 3 水溶液 4 空孔 5 単一のジルコニウム酸化皮膜からなる腐食試験片 6 本発明の実施例である腐食試験片 7 ジルコニウム−ニッケル複合酸化物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木本 寛 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 鈴木 賢一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 道下 秀紀 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 穴沢 和美 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内
Claims (4)
- 【請求項1】 ジルコニウム、もしくはジルコニウムを
主成分とするジルコニウム合金の表面にジルコニウム−
ニッケル複合酸化物を形成させることを特徴とするジル
コニウム及びジルコニウム合金の防食方法。 - 【請求項2】 ジルコニウムもしくはジルコニウム合金
からなる部材をアルカリ性環境においてニッケルもしく
はニッケル塩類と反応させて、該部材の表面に、ジルコ
ニウム−ニッケル複合酸化物を形成させることを特徴と
するジルコニウム及びジルコニウム合金の防食方法。 - 【請求項3】 表面が酸化されたジルコニウムもしくは
ジルコニウム合金からなる部材をアルカリ性環境におい
てニッケルもしくはニッケル塩類と反応させて、該部材
の酸化皮膜上にジルコニウム−ニッケル複合酸化物を形
成させることを特徴とするジルコニウム及びジルコニウ
ム合金の防食方法。 - 【請求項4】 表面が酸化されたジルコニウムもしくは
ジルコニウム合金からなる部材表面にジルコニウム−ニ
ッケル複合酸化物を形成させた後、さらにニッケルメッ
キを施すことを特徴とするジルコニウム及びジルコニウ
ム合金の防食方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09976594A JP3213782B2 (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | ジルコニウム及びジルコニウム合金の防食方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09976594A JP3213782B2 (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | ジルコニウム及びジルコニウム合金の防食方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07310199A true JPH07310199A (ja) | 1995-11-28 |
| JP3213782B2 JP3213782B2 (ja) | 2001-10-02 |
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ID=14256075
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09976594A Expired - Fee Related JP3213782B2 (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | ジルコニウム及びジルコニウム合金の防食方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3213782B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100552481B1 (ko) * | 2002-12-06 | 2006-02-14 | 주식회사 호진플라텍 | 지르코늄 및 지르코늄 합금소재에 고 밀착성의 도금층을 형성하기 위한 공정 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4686679B2 (ja) | 2005-12-27 | 2011-05-25 | Smc株式会社 | 電磁弁駆動制御装置 |
-
1994
- 1994-05-13 JP JP09976594A patent/JP3213782B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| KR100552481B1 (ko) * | 2002-12-06 | 2006-02-14 | 주식회사 호진플라텍 | 지르코늄 및 지르코늄 합금소재에 고 밀착성의 도금층을 형성하기 위한 공정 |
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| Publication number | Publication date |
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| JP3213782B2 (ja) | 2001-10-02 |
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