JPH07312359A - 半導体装置の洗浄方法及びその評価方法、処理装置、並びに水の溶存酸素量の制御方法 - Google Patents

半導体装置の洗浄方法及びその評価方法、処理装置、並びに水の溶存酸素量の制御方法

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JPH07312359A
JPH07312359A JP19392994A JP19392994A JPH07312359A JP H07312359 A JPH07312359 A JP H07312359A JP 19392994 A JP19392994 A JP 19392994A JP 19392994 A JP19392994 A JP 19392994A JP H07312359 A JPH07312359 A JP H07312359A
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JP
Japan
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dissolved oxygen
semiconductor device
cleaning
hydrofluoric acid
silicon layer
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Withdrawn
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JP19392994A
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English (en)
Inventor
Hiroteru Ogawa
洋輝 小川
Kenji Ishikawa
健治 石川
Shuzo Fujimura
修三 藤村
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡便でバッチ処理にも向いている湿式洗浄処
理で、初期の半導体層の表面の平坦性を維持又は向上さ
せることができる半導体装置の洗浄方法を提供する。 【構成】 溶存酸素量が10ppm以下である純水によ
り希釈したふっ酸水溶液を用いてシリコン層表面を洗浄
する。初期の半導体層の表面の平坦性を維持又は向上さ
せることができ、湿式洗浄処理なので、簡便でバッチ処
理にも適している。ふっ酸水溶液と接する気体中の酸素
の体積比率を21%以下にすれば、ふっ酸水溶液の溶存
酸素量を維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の洗浄方法
及びその評価方法、処理装置、並びに水の溶存酸素量の
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の高集積化が進むにつれ、半
導体装置の製造工程における表面洗浄の役割は益々重要
となっている。半導体装置の表面洗浄の役割は、被加工
物表面の異物や汚染物質を除去する他に、近年、その表
面状態を所定の状態に保障するという新たな役割の比重
が高まってきている。
【0003】従来、半導体装置の製造工程における洗浄
工程は、主として表面の異物あるいは汚染物の除去を主
眼においていた。しかしながら、近年、半導体装置の高
集積化に伴い、それを構成する各種の膜の膜厚が益々薄
くなっている。このことは各種の膜に占める界面構造の
割合が相対的に大きくなることを意味し、界面の物理化
学的な構造が膜自体の質を左右する可能性がある。した
がって、被洗浄物の表面状態が、その後その上に形成す
る膜の膜質を左右する可能性があり、これらは当然半導
体装置の電気的な特性や信頼性に大きな影響を及ぼす結
果となる。
【0004】特に、半導体素子の動作は電子やホール等
のキャリアの移動により行われ、キャリアの移動は界面
に沿って行われるため、界面の凹凸形状は半導体素子の
電気的特性に非常に強い影響を与える。元来、半導体装
置における半導体基板と膜の界面、膜と膜の界面という
のは平坦であるという前提の下で設計されているので、
当然それら界面は平坦であることが望ましい。そのため
には、半導体基板の表面や、成膜前の膜は、できるだけ
平坦であることが必要であり、初期の半導体基板の表面
の平坦性が非常に重要になってきている。
【0005】これまで半導体基板の表面の平坦性という
のは、半導体基板の製造業者において行われる機械化学
的研磨の精度に大きく依存しており、実際の半導体装置
の製造工程においては、いかにして初期の半導体基板の
平坦性を維持するかということが最大の関心事であっ
た。例えば、半導体基板表面の異物、不純物を除去する
ために行われるアンモニア水と過酸化水素水と水の混合
液での洗浄において、半導体基板表面の平坦性を悪化さ
せないためにアンモニア水の混合比を低くするという報
告がある(例えば、T.Ohmi et al,: IEEE Trans. Elect
ron Device 39 (1992) 537. )。
【0006】このような洗浄処理の改良に加えて、近
年、初期の半導体基板表面の平坦性を維持するだけでな
く、何らかの処理を施すことにより半導体基板表面の平
坦性をさらに良くしようという気運が高まってきてい
る。分子線エピタキシ(MBE)などの方法を用いれば
原子レベルで平坦な再構成表面が得られることは分かっ
ている。しかし、分子線エピタキシの方法は、超高真空
が必要であること、基本的に枚葉処理であることを考え
ると実際の製造工程に用いるのは困難である。
【0007】したがって、簡便な方法でバッチ処理にも
適している湿式洗浄処理により、初期の半導体基板表面
の平坦性を向上させることが、実際の製造工程に適用で
きるものとして強く求められている。このように半導体
基板表面の平坦度は、半導体装置の電気的な特性や信頼
性に大きな影響を及ぼすので、界面や表面の凹凸である
ラフネスを評価する技術は非常に重要である。
【0008】従来の界面や表面の凹凸の評価は、表面や
界面の2次元観察や、界面の断面観察、化学構造や結晶
構造の遷移領域観察等により行われていた。半導体基板
であるシリコン層とシリコン酸化膜との界面を2次元観
察するためには、ふっ酸により表面のシリコン酸化膜を
選択剥離した後、露出したシリコン層の表面形状を測定
することにより行われていた。
【0009】しかしながら、従来のシリコン酸化膜の選
択剥離処理では、巨視的には界面形状を露出させる一方
で、微視的には界面形状をふっ酸処理により変化させて
しまっていた。したがって、従来のシリコン酸化膜の選
択剥離により露出させた界面の2次元形状を観察して
も、正確な界面や表面の凹凸評価が行えないという問題
があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来か
ら、簡便な方法でバッチ処理にも適している湿式洗浄処
理により、初期の半導体基板表面の平坦性を向上させる
ことが、強く求められていた。一方、従来のシリコン酸
化膜の選択剥離処理により露出させた界面の2次元形状
を観察しても、正確な界面や表面の凹凸評価が行えない
という問題を解決することが強く求められていた。
【0011】本発明の第1の目的は、簡便でバッチ処理
にも向いている湿式洗浄処理で、初期の半導体層の表面
の平坦性を維持又は向上させることができる半導体装置
の洗浄方法を提供することにある。本発明の第2の目的
は、界面形状を微視的に変化させることなくシリコン層
からシリコン酸化膜を選択剥離して、正確な界面や表面
の凹凸評価を行うことができる半導体装置の評価方法を
提供することにある。
【0012】本発明の第3の目的は、上述した半導体装
置の洗浄方法や評価方法に適し、低溶存酸素量の処理溶
液による処理が可能な処理装置を提供することにある。
本発明の第4の目的は、上述した半導体装置の洗浄方法
や評価方法に適し、安定した低溶存酸素量の水を得るこ
とができる水の溶存酸素量の制御方法を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、溶存
酸素量が10ppm以下である純水により希釈したふっ
酸水溶液を用いてシリコン層表面を洗浄する洗浄工程を
有することを特徴とする半導体装置の洗浄方法により達
成される。上述した半導体装置の洗浄方法において、前
記洗浄工程で用いられるふっ酸水溶液と接する気体の大
部分が室温において不活性な気体であることが望まし
い。
【0014】上述した半導体装置の洗浄方法において、
前記不活性な気体は窒素であることを特徴とする半導体
装置の洗浄方法。上述した半導体装置の洗浄方法におい
て、前記洗浄工程で用いられるふっ酸水溶液と接する気
体中の酸素の体積比率が21%以下であることが望まし
い。上述した半導体装置の洗浄方法において、前記洗浄
工程の前に、前記シリコン層上のシリコン酸化膜を除去
する酸化膜除去工程を更に有することが望ましい。
【0015】上述した半導体装置の洗浄方法において、
前記酸化膜除去工程後の前記シリコン層表面は、水素原
子、ハロゲン系原子、水酸基のいずれかにより終端され
ていることが望ましい。上述した半導体装置の洗浄方法
において、前記酸化膜除去工程は、ふっ化アンモニウム
を用いてシリコン酸化膜を除去することが望ましい。
【0016】上述した半導体装置の洗浄方法において、
前記シリコン層の面方位が、ほぼ(111)面であるこ
とが望ましい。上記第2の目的は、シリコン層とシリコ
ン酸化膜の界面形状を評価する半導体装置の評価方法に
おいて、溶存酸素量が10ppm以下である純水により
希釈したふっ酸水溶液を用いて前記シリコン酸化膜を除
去する酸化膜除去工程と、露出した前記シリコン層の表
面を、表面観察手法により観察することにより評価する
評価工程とを有することを特徴とする半導体装置の評価
方法によって達成される。
【0017】上述した半導体装置の評価方法において、
前記酸化膜除去工程及び前記評価工程における雰囲気
は、酸素の体積比率が21%以下の気体であることが望
ましい。上述した半導体装置の評価方法において、前記
表面観察手法は、赤外分光法であることが望ましい。
【0018】上述した半導体装置の評価方法において、
前記シリコン層の面方位が、ほぼ(111)面であるこ
とが望ましい。上記第3の目的は、試料に対する処理を
行うための処理槽と、前記処理槽の処理雰囲気を維持す
るための処理室と、前記処理室に隣接し、前記試料の搬
入時に前記処理室に外気が直接流入することを防止する
ための中間室とを有し、前記処理槽内の処理溶液により
前記試料を処理することを特徴とする処理装置によって
達成される。
【0019】上述した処理装置において、前記処理室内
の雰囲気を前記処理槽内の処理溶液に吹き込む吹き込み
手段を更に有することが望ましい。上記第4の目的は、
溶存酸素量を低減させた第1の溶存酸素量の水に、前記
第1の溶存酸素量よりも多い第2の溶存酸素量の水を所
定の割合で混合することにより、水の溶存酸素量を制御
することを特徴とする水の溶存酸素量の制御方法によっ
て達成される。
【0020】上述した水の溶存酸素量の制御方法におい
て、前記第2の溶存酸素量の水は、室温の大気中におい
て平衡状態である溶存酸素量の水であることが望まし
い。
【0021】
【作用】本発明によれば、溶存酸素量が10ppm以下
である純水により希釈したふっ酸水溶液を用いてシリコ
ン層表面を洗浄するようにしたので、初期の半導体層の
表面の平坦性を維持又は向上させることができ、湿式洗
浄処理なので、簡便でバッチ処理にも向いている。
【0022】上述した半導体装置の洗浄方法において、
洗浄工程で用いられるふっ酸水溶液と接する気体の大部
分を室温において不活性な気体とすれば、ふっ酸水溶液
の溶存酸素量を維持することができる。上述した半導体
装置の洗浄方法において、不活性な気体を窒素とすれ
ば、簡便に雰囲気を形成することができる。
【0023】上述した半導体装置の洗浄方法において、
洗浄工程で用いられるふっ酸水溶液と接する気体中の酸
素の体積比率を21%以下にすれば、ふっ酸水溶液の溶
存酸素量を維持することができる。上述した半導体装置
の洗浄方法において、洗浄工程の前に、シリコン層上の
シリコン酸化膜を除去するようにすれば、初期の半導体
層の表面の平坦性を維持又は向上させることができる。
【0024】上述した半導体装置の洗浄方法において、
酸化膜除去工程後のシリコン層表面を、水素原子、ハロ
ゲン系原子、水酸基のいずれかにより終端するようにす
れば、初期の半導体層の表面の平坦性を維持又は向上さ
せることができる。上述した半導体装置の洗浄方法にお
いて、ふっ化アンモニウムを用いてシリコン酸化膜を除
去するようにすれば、初期の半導体層の表面の平坦性を
維持又は向上させることができる。
【0025】上述した半導体装置の洗浄方法において、
シリコン層の面方位がほぼ(111)面であれば、初期
の半導体層の表面の平坦性を維持又は向上させることが
でき本発明によれば シリコン層とシリコン酸化膜の界
面形状を評価する半導体装置の評価方法において、溶存
酸素量が10ppm以下である純水により希釈したふっ
酸水溶液を用いてシリコン酸化膜を除去し、露出したシ
リコン層の表面を、表面観察手法により観察することに
より評価するようにしたので、界面形状を微視的に変化
させることなくシリコン層からシリコン酸化膜を選択剥
離して、正確な界面や表面の凹凸評価を行うことができ
る。
【0026】上述した半導体装置の評価方法において、
酸化膜除去工程及び評価工程における雰囲気を、酸素の
体積比率が21%以下の気体にすれば、ふっ酸水溶液の
溶存酸素量を維持することができる。上述した半導体装
置の評価方法において、表面観察手法として赤外分光法
を用いれば、正確な界面や表面の凹凸評価を簡単に行う
ことができる。
【0027】上述した半導体装置の評価方法において、
シリコン層の面方位がほぼ(111)面であれば、正確
な界面や表面の凹凸評価を行うことができる。本発明に
よれば、試料に対する処理を行うための処理槽と、処理
槽の処理雰囲気を維持するための処理室と、処理室に隣
接して試料の搬入時に処理室に外気が直接流入すること
を防止するための中間室とを設け、処理槽内の処理溶液
により試料を処理するようにしたので、上述した半導体
装置の洗浄方法や評価方法に適し、低溶存酸素量の処理
溶液による処理が可能である。
【0028】上述した処理装置において、処理室内の雰
囲気を処理槽内の処理溶液に吹き込む吹き込み手段を更
に設けたので、処理溶液の溶存酸素量の平衡状態に短時
間で到達することができる。本発明によれば、溶存酸素
量を低減させた第1の溶存酸素量の水に、第1の溶存酸
素量よりも多い第2の溶存酸素量の水を所定の割合で混
合するようにしたので、安定した低溶存酸素量の水を得
ることができる。
【0029】上述した水の溶存酸素量の制御方法におい
て、第2の溶存酸素量の水として室温の大気中において
平衡状態である溶存酸素量の水を用いれば、簡便に溶存
酸素量が一定の水を安定して得ることができる。
【0030】
【実施例】本発明の第1の実施例による半導体装置の洗
浄方法を図1乃至図4を用いて説明する。本実施例によ
る半導体装置の洗浄方法の基本は、ふっ酸水溶液を用い
てシリコン層表面を洗浄するものである。最初に、シリ
コン層に対するふっ酸の反応について説明する。
【0031】ふっ酸(HF)は酸化シリコン(Si
2 )を溶液中に溶かす能力がある。これは次の反応式
で示す反応が進行しているものと考えられる。 6HF+SiO2 →H2 SiF6 +2H2 O ふっ酸分子(HF)も酸化シリコン分子(SiO2 )も
分極しているので、電気的に引き合って反応式の右辺に
進行する。これに対し、シリコン層におけるSi−Si
結合は分極していないため、ふっ酸による化学的な反応
は進行しない。このため、ふっ酸を用いて処理すると、
酸化シリコンのみが溶解し、シリコン層は溶解せず、酸
化シリコンの選択剥離が行われる。
【0032】しかしながら、ふっ酸中に溶存酸素が存在
すると、シリコン層の酸化、その酸化物の剥離という繰
り返しの反応によって、シリコン層が溶液中に溶け出し
ていくと考えられる。ふっ酸中に溶存酸素が存在する場
合の反応のメカニズムについて、図1を用いて説明す
る。ここで、Siはシリコン原子であり、Hは水素原子
あり、Fはふっ素原子であり、Oは酸素原子であり、実
線は化学結合を示し、点線は電気力で引き合っている状
態を示す線である。
【0033】最初は、シリコン層表面のシリコン原子S
iが水素原子Hにより終端されている状態とする(図1
(a))。水素原子により終端されたシリコン層に溶存
酸素が加わると、溶存酸素がシリコン原子とシリコン原
子の間に挿入される(図1(b))。この状態でふっ酸
が加わると、ふっ酸分子も酸化シリコン分子も分極して
いるので、ふっ酸分子(HF)のふっ素原子(F- )と
酸化シリコン分子(SiO2)のシリコン原子(S
+ )が電気的に引き合い、ふっ酸分子(HF)の水素
原子(H+ )と酸化シリコン分子(SiO2 )の酸素原
子(Si- )が電気的に引き合った状態となる(図1
(c))。すると、一点鎖線で囲った部分がシリコン原
子(Si)を剥離して溶解する。
【0034】この状態でふっ酸が加わっても、シリコン
層におけるSi−Si結合は分極していないため、シリ
コン層表面はふっ素原子で終端され化学的な反応は進行
せず(図1(d))、シリコン層表面が水素原子で終端
された最初の状態になる(図1(e))。この反応を繰
り返すと、溶存酸素がある限りシリコン層はふっ酸によ
り徐々に溶解されることになる。すなわち、ふっ酸水溶
液中の溶存酸素は、シリコン層を酸化して酸化物を形成
する。形成された酸化物は、上述した反応メカニズムに
よって溶液中に溶け出していく。このため、溶存酸素を
含むふっ酸水溶液により洗浄すると、シリコン層の表面
の平坦性を維持することができないばかりでなく、平坦
性を劣化させるおそれがある。
【0035】したがって、本願発明者等は、溶存酸素量
を十分低減したふっ酸水溶液により洗浄すれば、シリコ
ン層表面の平坦性を維持できると考え、種々の溶存酸素
量のふっ酸水溶液によりシリコン層を洗浄し、その後の
シリコン層表面の平坦性を評価した。シリコン層表面の
平坦性を評価する方法について説明する。
【0036】露出したシリコン層表面の凹凸は、走査ト
ンネル顕微鏡(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)等
による2次元像の直接観察によって行うことができる。
両者とも、原子・分子程度の分解能があり、溶存酸素に
よる凹凸形状への影響を観察することができる。また、
赤外分光法の一手法である減衰全反射吸収分光法(IR
−ATR)によって、界面形状の間接的な観察を行うこ
とができる。観察できる対象は、化学結合する元素種と
その結合状態である。本実施例では減衰全反射吸収分光
法(IR−ATR)によりシリコン層表面の凹凸を評価
する。
【0037】シリコン層表面に凹凸が存在せず全く平坦
である場合には、図2に示すように、表面のシリコン原
子(Si)は水素原子(H)により終端され、シリコン
−水素(Si−H)結合しか存在しない。一方、シリコ
ン層表面に凹凸が存在している場合には、図3に示すよ
うに、表面には、シリコン原子(Si)にひとつの水素
原子(H)が結合しているシリコン−水素(Si−H)
結合の他に、シリコン原子(Si)に2つの水素原子
(H)が結合しているシリコン−水素(Si−H2 )結
合や、シリコン原子(Si)に3つの水素原子(H)が
結合しているシリコン−水素(Si−H3 )結合が存在
する。
【0038】減衰全反射吸収分光法(IR−ATR)に
より観察すると、シリコン(Si)に配位する水素
(H)数によって異なる波数位置にピークを生じる。こ
れら結合の吸収ピークは、Si−H結合、Si−H2
合、Si−H3 結合の順で吸収ピークの波数が低くなる
(周波数が高くなる)ので、シリコン表面のシリコン−
水素結合の種類を峻別することができる。
【0039】したがって、これら結合によるピークを観
察することにより、シリコン層表面の凹凸を評価するこ
とができる。すなわち、シリコン層表面が平坦であれ
ば、Si−H結合(モノハイドライド(M))の吸収し
か観察されないが、シリコン層表面に凹凸があると、S
i−H2 結合(ダイハイドライド(D))とSi−H3
結合(トリハイドライド(T))が観察されるはずであ
る。
【0040】図4は、溶存酸素量の異なるふっ酸水溶液
により、表面が(111)面のシリコン層(シリコン基
板)を処理した後のシリコン−水素結合による赤外吸収
スペクトルである。図4において、(a)の実線は、シ
リコン基板上に形成された約120nm厚のシリコン酸
化膜を通常の純水(溶存酸素量:10ppm)で希釈し
て5vol%にしたふっ酸水溶液で除去した直後の赤外
吸収スペクトルである。(a)の点線は、その後5分間
同液で処理した後の赤外吸収スペクトルである。これら
一連の(a)及び(b)の処理は全て大気中で行った。
【0041】また、(b)の実線は、(a)と同じ処理
を施した直後の赤外吸収スペクトルである。(b)の点
線は、溶存酸素量が800ppbの純水で50vol%
から5vol%に希釈したふっ酸水溶液で5分間処理し
た後の赤外吸収スペクトルである。(b)の点線の処理
は酸素濃度1250volppmの窒素中で行った。さ
らに、(c)の実線は、(a)と同じ処理を施した直後
の赤外吸収スペクトルである。(c)の点線は、溶存酸
素量が1ppbの純水で50vol%から5vol%に
希釈したふっ酸水溶液で5分間処理した後の赤外吸収ス
ペクトルである。(c)の点線の処理は酸素濃度25v
olppmの窒素中で行った。
【0042】図4の(a)、(b)、(c)の実線を観
察すると、いずれもシリコン酸化膜を除去した直後のス
ペクトルであるので非常によく似ている。Si−H結合
(モノハイドライド(M))による吸収だけでなく、S
i−H2 結合(ダイハイドライド(D))による吸収
も、Si−H3 結合(トリハイドライド(T))による
吸収も存在しているので、シリコン酸化膜を除去した直
後のシリコン層の(111)面は平坦ではなく微視的に
は非常に粗いことがわかる。
【0043】図4の(a)、(b)、(c)の点線を比
較すると、これら処理後のシリコン層表面は非常に異な
っていることがわかる。すなわち、図4(a)の点線
は、溶存酸素量が10ppm以上の通常の純水で希釈し
たふっ酸水溶液を用い、酸素を含む大気中で処理した場
合であり、Si−H2 結合(ダイハイドライド(D))
による吸収やSi−H3 結合(トリハイドライド
(T))による吸収が実線に比べて増加し、表面が更に
粗くなっていることがわかる。
【0044】これに対し、図4(b)の点線は、溶存酸
素量が800ppbの低溶存酸素量の純水で希釈したふ
っ酸水溶液を用い、酸素濃度1250volppmの窒
素中で処理した場合であり、Si−H2 結合(ダイハイ
ドライド(D))による吸収やSi−H3 結合(トリハ
イドライド(T))による吸収が実線に比べて減少する
と共に、Si−H結合(モノハイドライド(M))によ
る吸収(Mterrace )が実線に比べて鋭く増加してお
り、表面の平坦性が向上していることがわかる。
【0045】さらに、図4(c)の点線は、溶存酸素量
が1ppbの超低溶存酸素量の純水で希釈したふっ酸水
溶液を用い、酸素濃度25volppmの窒素中で処理
した場合であり、Si−H2 結合(ダイハイドライド
(D))による吸収やSi−H 3 結合(トリハイドライ
ド(T))による吸収が実線に比べて更に減少すると共
に、Si−H結合(モノハイドライド(M))による吸
収(Mterrace )が実線に比べて更に鋭く増加してお
り、表面の平坦性が更に向上していることがわかる。
【0046】このような実験結果から、ふっ酸水溶液中
の溶存酸素量を、大気中において通常の純水で希釈した
ふっ酸水溶液中の溶存酸素量よりも低減すれば、シリコ
ン層表面の平坦性の向上が実現できることがわかる。す
なわち、ふっ酸水溶液を希釈する際に用いる純水の溶存
酸素量が10ppm以下であれば、シリコン層表面の平
坦性の向上が期待できる。
【0047】また、ヘンリーの法則によれば、ある溶液
に溶けているある気体の濃度は、液体が接している気体
の分圧に比例することから、通常のふっ酸水溶液が接す
る気体の酸素濃度を低くすれば、溶存酸素量を低減する
ことができる。したがって、ふっ酸水溶液に接する処理
中の雰囲気の酸素の体積比率を大気中における21%以
下にすれば、シリコン層表面の平坦性の向上が更に期待
できる。
【0048】なお、雰囲気中に含まれる不活性な気体は
ふっ酸水溶液の溶存酸素量を増加しないものであればよ
く、例えば、窒素や、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガ
スでよい。本発明の第2の実施例による半導体装置の洗
浄方法を図5を用いて説明する。
【0049】本実施例による半導体装置の洗浄方法の基
本は、低溶存酸素量の純水を用い、酸素の体積比率が大
気よりも低い雰囲気中でシリコン層表面を洗浄するもの
である。第1の実施例では低溶存酸素量の純水により希
釈したふっ酸水溶液を用いたが、低溶存酸素量の純水に
よりシリコン層表面を洗浄しても、シリコン層表面の平
坦性が向上した。
【0050】図5は、シリコン層(シリコン基板)をふ
っ化アンモニウム(NH4 F)により処理して表面のシ
リコン酸化膜を除去した後に、溶存酸素量の異なる純水
により洗浄した後のシリコン−水素結合による赤外吸収
スペクトルである。図5の(a)はふっ化アンモニウム
による処理後に室温で低溶存酸素量の純水(溶存酸素量
<10ppb)により洗浄した後の赤外吸収スペクトル
である。このときは、雰囲気をほぼ窒素で置換して酸素
濃度を20volppm以下にして行った。
【0051】図5の(b)はふっ化アンモニウムによる
処理後に室温で通常の純水(溶存酸素量:約10pp
m)により洗浄した後の赤外吸収スペクトルである。こ
のときの雰囲気は大気中である。なお、シリコン層(シ
リコン基板)をふっ化アンモニウムにより処理するの
は、シリコン酸化膜の除去した後の表面を水素で終端す
るためである。シリコン層の(111)表面が平坦で水
素により終端されていると、最表面のシリコン原子は表
面に対して1本垂直にダングリングポンドが出ていて、
そのポンドを水素が終端しているので、いわゆるモノハ
イドライドの吸収しか観察できないはずである。
【0052】図5においては、(a)、(b)いずれの
場合にも、2083cm-1付近にモノハイドライドによ
る吸収のみ観察でき、ダイハイドライド(D)やトリハ
イドライド(T)等の他の吸収が観察できないことか
ら、ふっ化アンモニウム処理後に通常の純水又は低溶存
酸素量の純水で洗浄した後のシリコン層の(111)表
面はほぼ平坦であることが分かる。
【0053】しかしながら、図5から明らかなように、
(a)と(b)の場合とで、モノハイドライドによる吸
収ピークの吸光度と半値幅が大きく異なっている。すな
わち、(b)の場合(通常の純水で洗浄)は吸光度が
1.6×10-3で半値幅が2.53cm-1であり、
(a)の場合(低溶存酸素量の純水で洗浄)は吸光度が
3.6×10-3で半値幅が1.15cm-1である。吸光
度と半値幅の積はほぼ吸収ピークの面積強度となり、こ
の面積強度は対象とするモノハイドライドの量に比例す
る。
【0054】したがって、図5によれば、(a)の場合
(低溶存酸素量の純水で洗浄)も(b)の場合(通常の
純水で洗浄)も、吸光度と半値幅の積はほぼ等しいの
で、シリコン表面にあるモノハイドライドの量は両者と
もほぼ等しいことが分かる。しかしながら、両者の間で
吸収ピークの吸光度と半値幅が異なるのは、低溶存酸素
量の純水で洗浄した(a)の場合の方がシリコン表面で
のモノハイドライドの存在の仕方に、より一層の均一性
があるために、通常の純水での洗浄の(b)の場合より
吸光度が大きく、半値幅が狭くなったと考えられる。
【0055】そして、モノハイドライドの均一性という
のは表面の平坦性に大きく依存することから、この場
合、低溶存酸素量の純水での洗浄の(a)の場合の方
が、通常の純水での洗浄の(b)の場合より表面の平坦
性が向上していることを示しており、水中の溶存酸素量
を低減することにより、表面の平坦性を向上させること
ができることがわかる。
【0056】また、ヘンリーの法則によれば、ある溶液
に溶けているある気体の濃度は、液体が接している気体
の分圧に比例することから、通常の純水が接する気体の
酸素濃度を低くすれば、溶存酸素量を低減することがで
きる。したがって、純水に接する処理中の雰囲気の酸素
の体積比率を大気中における21%以下にすれば、シリ
コン層表面の平坦性の向上が更に期待できる。
【0057】なお、雰囲気中に含まれる不活性な気体は
ふっ酸水溶液の溶存酸素量を増加しないものであればよ
く、例えば、窒素や、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガ
スでよい。本発明の第3の実施例による半導体装置の評
価方法を図6乃至図11を用いて説明する。
【0058】本実施例による半導体装置の評価方法の基
本は、シリコン層(シリコン基板)とシリコン酸化膜の
界面形状を評価するに当たり、低溶存酸素量の純水によ
り希釈したふっ酸水溶液を用いてシリコン酸化膜を除去
した後に、露出したシリコン層の表面を表面観察手法に
より観察することにより評価するものである。低溶存酸
素量の純水により希釈したふっ酸水溶液を用いてシリコ
ン酸化膜を除去すれば、前述した実施例からもわかるよ
うに、シリコン層とシリコン酸化膜との界面形状を変化
させることなくシリコン酸化膜だけを選択剥離できるの
で、選択剥離後のシリコン層の表面を観察すれば、界面
形状を評価することができる。
【0059】表面観察法としては、走査トンネル顕微鏡
(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)等による2次元
像の直接観察による方法や、赤外分光法の一手法である
減衰全反射吸収分光法(IR−ATR)による界面形状
の間接的な観察方法がある。本実施例では減衰全反射吸
収分光法(IR−ATR)によりシリコン層とシリコン
酸化膜との界面形状を評価する。
【0060】図6乃至図8を用いて、シリコン酸化膜を
除去した後に用いるふっ酸水溶液の溶存酸素量の影響に
ついて説明する。図6は、シリコン層(シリコン基板)
上に形成されたシリコン酸化膜をふっ化アンモニウムに
より除去した後のシリコン層表面のSi−H結合による
赤外吸収スペクトルである。
【0061】図7は、図6の基板を、希釈濃度が5%の
通常のふっ酸水溶液に浸漬した後のシリコン層表面のS
i−H結合による赤外吸収スペクトルである。図8は、
図6の基板を、低溶存酸素量のふっ酸水溶液に浸漬した
後のシリコン層表面のSi−H結合による赤外吸収スペ
クトルである。この低溶存酸素量のふっ酸水溶液は、溶
存酸素量を50ppb以下まで減少させた純水で希釈し
たものである。処理を大気下で行うと酸素が溶け込んで
溶存酸素量が増加するため、雰囲気中の酸素濃度も減少
させた窒素雰囲気で行った。
【0062】図7と図8を比較すると、通常のふっ酸水
溶液処理後の表面形態は変化しており、低溶存酸素量の
ふっ酸水溶液処理後の表面形態はほとんど変化していな
いことが分かる。したがって、低溶存酸素量のふっ酸水
溶液によるシリコン酸化膜の選択剥離を行った後で、表
面凹凸の微視的観察評価を行うことにより、界面形状を
変化させることなく有効な評価を行うことができる。
【0063】図6の基板は、微傾斜なしの面方位(11
1)のシリコン基板を用い、緩衝ふっ酸(BHF)溶液
への浸漬によってその表面形態を平坦に制御したもので
ある。図6に示すように、表面形態が一つの鋭い大きな
ピークで表されるので一様に平坦であることがわかる。
なお、処理前の基板表面が図6のように平坦ではなく凹
凸があると、溶存酸素量を減少させたふっ酸水溶液で処
理しても、残存する酸素による酸化が進行する。
【0064】図9乃至図11を用いて、シリコン酸化膜
を除去した後に用いるふっ酸水溶液の溶存酸素量の影響
について説明する。図9は、図5と同じシリコン基板に
対し、化学薬液洗浄後にふっ酸処理して酸化膜を剥離し
た後のシリコン表面のSi−H結合による赤外吸収スペ
クトルである。図9から明らかなように、吸収ピークが
多く存在しており、幅も広いことから、表面形態は乱雑
で凹凸が大きく存在することがわかる。
【0065】図10は、図9の基板を、希釈濃度が5%
の通常のふっ酸水溶液に浸漬した後のシリコン層表面の
Si−H結合による赤外吸収スペクトルと図9の赤外吸
収スペクトルの差スペクトルである。上向きのピークが
処理後に増加したピークで、下向きのピークが処理後に
減少したピークである。図11は、図9の基板を、低溶
存酸素量のふっ酸水溶液に浸漬した後のシリコン層表面
のSi−H結合による赤外吸収スペクトルと図9の赤外
吸収スペクトルの差スペクトルである。上向きのピーク
が処理後に増加したピークで、下向きのピークが処理後
に減少したピークである。溶存酸素量を50ppb以下
まで減少させた純水で希釈したものである。処理を大気
下で行うと酸素が溶け込んで溶存酸素量が増加するた
め、雰囲気中の酸素濃度も減少させた窒素雰囲気で行っ
た。
【0066】図10と図11を比較すると、通常のふっ
酸水溶液処理後の表面形態は更に変化して平坦性が劣化
しているのに対し、低溶存酸素量のふっ酸水溶液処理後
の表面形態はモノハイドライドによる吸収ピークがはっ
きりと現れて、平坦性が向上していることが分かる。し
たがって、化学薬液洗浄後に低溶存酸素量のふっ酸水溶
液によるシリコン酸化膜の選択剥離を行った後で、表面
凹凸の微視的観察評価を行うことにより、界面形状を変
化させることなく有効な評価を行うことができる。
【0067】なお、図9の基板のように、表面に凹凸が
存在する場合には、シリコン酸化膜の剥離時間を制御す
る必要がある。その時間は、処理に使用するふっ酸の、
剥離する酸化膜に対する剥離速度を調べておき、処理前
の膜厚からちょうど剥離される時間として決定する。こ
の時間制御を伴う酸化膜の選択剥離においても、溶存酸
素量を減少させることで、時間制御の許容範囲を大きく
取れるという効果がある。
【0068】本発明の第4の実施例による処理装置につ
いて図12を用いて説明する。前述した半導体装置の洗
浄方法及び評価方法においては、低溶存酸素量のふっ酸
水溶液や純水を用いると共に、その処理雰囲気の酸素濃
度もこれら溶液の溶存酸素量を決定するため、酸素濃度
を低い雰囲気にする必要がある。本実施例の処理装置
は、このような処理を可能にするものである。
【0069】試料に対する処理を行うために処理槽10
が設けられている。処理槽10全体は、処理雰囲気を維
持する処理室12内に載置されている。この処理室12
に隣接して中間室14が設けられている。この中間室1
4は処理基板を外部から搬入する際に処理室12に外気
が直接流入することを防止するために設けられたもので
ある。
【0070】処理室12には窒素吹出口16が設けら
れ、処理室12内に窒素を吹き込むことにより処理室1
2内部の雰囲気の酸素濃度を低くするようにしている。
中間室14には雰囲気置換装置(図示せず)が設けら
れ、注入管18を介して内部の雰囲気を置換するように
している。処理槽10には注入管20が設けられてお
り、ポンプ22により処理室12内の雰囲気を溶液に吹
き込むようにしている。
【0071】処理槽10上にはふっ酸流出口24と純水
流出口26が配置されている。ふっ酸流出口24と純水
流出口26から流出されるふっ酸と純水により処理槽1
0が処理溶液28で満たされる。シリコン基板等の試料
30は処理槽10内に固定されている。試料30に接触
している検出装置32は、シリコン基板30との接触角
を気泡により観察することにより疎水性表面を検出する
もので、シリコン酸化膜の剥離終了点を検出することが
できる。
【0072】シリコン基板等の試料30は矢印で示すよ
うに外部から中間室14を介して処理室12に搬入さ
れ、処理槽10内に固定される。処理槽10の置かれて
いる処理室12の雰囲気の酸素濃度と溶液温度が、ふっ
酸水溶液中の溶存酸素量を決定する。溶存酸素量を低減
するには、雰囲気中の酸素を減らせばよいが、雰囲気中
の酸素を減らしても、平衡値にはすぐに達しない。した
がって、本実施例では、ポンプ22により処理室12内
の雰囲気を注入管20により処理槽10に吹き込むこと
により、平衡値への到達時間が短くなるようにしてい
る。
【0073】また、処理室12の雰囲気中の酸素は、外
気から持ち込まれるものがほとんどである。したがっ
て、本実施例では、外気と処理室12の雰囲気とを中間
室14により分離し、中間室14の雰囲気のみを置換す
るようにしている。本実施例の処理装置による処理方法
について説明する。まず、処理槽10にふっ酸流出口2
4と純水流出口26からふっ酸と純水を所定量注入して
処理溶液28で満たす。ポンプ22により処理室12内
の雰囲気を注入管20により処理槽10に吹き込むこと
により、処理溶液28中の溶存酸素量を低い平衡値にし
ておく。
【0074】次に、外部からシリコン基板30を中間室
14に搬入し、中間室14の雰囲気を処理室12の雰囲
気と同じにした後、中間室14から処理室2に搬入し、
処理槽10内に固定する。次に、処理槽10において低
溶存酸素量の処理溶液(ふっ酸水溶液)28によりシリ
コン酸化膜を選択剥離する。その後、水洗処理、乾燥処
理を行い搬出し、必要であれば、表面形態観察を行う。
【0075】なお、上記実施例では、ポンプ22により
処理溶液28中の溶存酸素量を積極的に平衡値に達する
ようにしているが、処理槽10の表面積を大きくするよ
うにしてもよい。いずれの場合でも、平衡値に達するま
での時間を予め測定して制御する必要がある。また、ふ
っ酸水溶液による処理時間を、シリコン基板30との接
触角を気泡により観察することにより検出しているが、
剥離速度から決定するようにしてもよい。
【0076】本発明の第5の実施例による水の溶存酸素
量の制御方法について図13及び図14を用いて説明す
る。前述した半導体装置の洗浄方法及び評価方法におい
ては、ふっ酸水溶液や純水の溶存酸素量が低いことが非
常に重要であることがわかったが、半導体装置の製造ラ
インにおいては、溶存酸素量が単に低ければよいという
わけではなく、溶存酸素量が常に一定であることが非常
に重要である。
【0077】大気中、室温で平衡状態の水には約10p
pmの酸素が溶け込んでいる。この溶存酸素量は気圧と
温度を正確に制御すれば極めて正確に一定に保つことが
できる。一方、溶存酸素量を低減するためには、真空脱
気法や還元法等の方法による溶存酸素低減装置が用いら
れ、0.1〜10ppb程度まで溶存酸素量を低減する
ことができる。しかしながら、これらの溶存酸素低減装
置は、装置間の能力のバラツキが大きく、また、装置の
立上がりにも長時間を必要とし、得られる水の溶存酸素
量は徐々に低下して能力限界に達する。
【0078】このため、従来の溶存酸素低減装置を用い
て安定した溶存酸素量の水を得ることは極めて困難であ
った。溶存酸素低減装置からの水をそのまま用いると、
水の溶存酸素量がばらついて、安定した特性の半導体装
置を製造することが非常に難しい。そこで、本実施例
は、安定した溶存酸素量の水を得ることができる水の溶
存酸素量の制御方法を提供するものである。
【0079】本実施例では、溶存酸素低減装置からの純
水に、大気中、室温で平衡状態である純水(溶存酸素濃
度:約10ppm)を所定の割合で混合することにより
純水の溶存酸素量を制御しようとするものである。図1
3に示すように、溶存酸素低減装置からの純水に、大気
中、室温で平衡状態である通常の純水を混合する。流量
計40により通常の純水の流量を測定し、流量計42に
より混合された純水の流量を測定し、溶存酸素計44に
より混合された純水の流量を測定する。
【0080】前述したように通常の純水の溶存酸素量は
約10ppmで一定であるから、溶存酸素低減装置から
の純水の溶存酸素量に応じて、通常の純水の混合量を調
節し、混合された純水の溶存酸素量が一定になるように
制御する。図14は、1リットル/分、2リットル/
分、5リットル/分の低溶存酸素量(1ppb)の純水
に、通常の純水(溶存酸素量:10ppm)を添加した
結果得られた純水の溶存酸素量を示すグラフである。
【0081】グラフ中の実線、点線、一点鎖線は、それ
ぞれ低溶存酸素量の純水が5リットル/分、2リットル
/分、1リットル/分の場合の計算値であり、○、△、
□はそれぞれの実験値である。図14から明らかなよう
に計算値と実験値は良い一致を示し、溶存酸素量が1p
pbと8ppmの間であれば、流量を調節することによ
り安定した溶存酸素量の水を得ることができることがわ
かる。
【0082】なお、流量計40により流量を調節する純
水は、必ずしも大気中、室温で平衡状態である通常の純
水である必要はなく、一定の溶存酸素量の純水であれば
よく、低い溶存酸素量の純水であれば更に望ましい。本
発明は上記実施例に限らず種々の変形が可能である。例
えば、上記実施例では、処理するシリコン層表面を水素
原子により終端したが、ハロゲン系原子、水酸基等の他
の原子等により終端してもよい。
【0083】また、上記実施例では、処理するシリコン
層の面方位がほぼ(111)面であったが、他の面方位
のシリコン層に対しても適用してもよい。
【0084】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、溶存酸素
量が10ppm以下であるふっ酸水溶液を用いてシリコ
ン層表面を洗浄するようにしたので、初期の半導体層の
表面の平坦性を維持又は向上させることができ、湿式洗
浄処理なので、簡便でバッチ処理にも向いている。
【0085】上述した半導体装置の洗浄方法において、
洗浄工程で用いられるふっ酸水溶液と接する気体の大部
分を室温において不活性な気体とすれば、ふっ酸水溶液
の溶存酸素量を維持することができる。上述した半導体
装置の洗浄方法において、不活性な気体を窒素とすれ
ば、簡便に雰囲気を形成することができる。
【0086】上述した半導体装置の洗浄方法において、
洗浄工程で用いられるふっ酸水溶液と接する気体中の酸
素の体積比率を21%以下にすれば、ふっ酸水溶液の溶
存酸素量を維持することができる。上述した半導体装置
の洗浄方法において、洗浄工程の前に、シリコン層上の
シリコン酸化膜を除去するようにすれば、初期の半導体
層の表面の平坦性を維持又は向上させることができる。
【0087】上述した半導体装置の洗浄方法において、
酸化膜除去工程後のシリコン層表面を、水素原子、ハロ
ゲン系原子、水酸基のいずれかにより終端するようにす
れば、初期の半導体層の表面の平坦性を維持又は向上さ
せることができる。上述した半導体装置の洗浄方法にお
いて、ふっ化アンモニウムを用いてシリコン酸化膜を除
去するようにすれば、初期の半導体層の表面の平坦性を
維持又は向上させることができる。
【0088】上述した半導体装置の洗浄方法において、
シリコン層の面方位がほぼ(111)面であれば、初期
の半導体層の表面の平坦性を維持又は向上させることが
でき本発明によれば シリコン層とシリコン酸化膜の界
面形状を評価する半導体装置の評価方法において、溶存
酸素量が10ppm以下であるふっ酸水溶液を用いてシ
リコン酸化膜を除去し、露出したシリコン層の表面を、
表面観察手法により観察することにより評価するように
したので、界面形状を微視的に変化させることなくシリ
コン層からシリコン酸化膜を選択剥離して、正確な界面
や表面の凹凸評価を行うことができる。
【0089】上述した半導体装置の評価方法において、
酸化膜除去工程及び評価工程における雰囲気を、酸素の
体積比率が21%以下の気体にすれば、ふっ酸水溶液の
溶存酸素量を維持することができる。上述した半導体装
置の評価方法において、表面観察手法として赤外分光法
を用いれば、正確な界面や表面の凹凸評価を簡単に行う
ことができる。
【0090】上述した半導体装置の評価方法において、
シリコン層の面方位がほぼ(111)面であれば、正確
な界面や表面の凹凸評価を行うことができる。本発明に
よれば、試料に対する処理を行うための処理槽と、処理
槽の処理雰囲気を維持するための処理室と、処理室に隣
接して試料の搬入時に処理室に外気が直接流入すること
を防止するための中間室とを設け、処理槽内の処理溶液
により試料を処理するようにしたので、上述した半導体
装置の洗浄方法や評価方法に適し、低溶存酸素量の処理
溶液による処理が可能である。
【0091】上述した処理装置において、処理室内の雰
囲気を処理槽内の処理溶液に吹き込む吹き込み手段を更
に設けたので、処理溶液の溶存酸素量の平衡状態に短時
間で到達することができる。本発明によれば、溶存酸素
量を低減させた第1の溶存酸素量の水に、第1の溶存酸
素量よりも多い第2の溶存酸素量の水を所定の割合で混
合するようにしたので、安定した低溶存酸素量の水を得
ることができる。
【0092】上述した水の溶存酸素量の制御方法におい
て、第2の溶存酸素量の水として室温の大気中において
平衡状態である溶存酸素量の水を用いれば、簡便に溶存
酸素量が一定の水を安定して得ることができる。したが
って、本発明によれば、半導体装置の電気的な特性の向
上や高信頼性に寄与すると共に、界面凹凸の微視的かつ
正確な観察が行うことができ、半導体素子製造に寄与す
るところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ふっ酸中に溶存酸素が存在する場合の反応のメ
カニズムの説明図である。
【図2】シリコン層の平坦な表面の微視的構造を示す図
である。
【図3】シリコン層の凹凸ある表面の微視的構造を示す
図である。
【図4】本発明の第1の実施例による半導体装置の洗浄
方法による処理後の赤外吸収スペクトルを示すグラフで
ある。
【図5】本発明の第2の実施例による半導体装置の洗浄
方法による処理後の赤外吸収スペクトルを示すグラフで
ある。
【図6】ふっ化アンモニウムによりシリコン酸化膜を除
去した後のシリコン層表面の赤外吸収スペクトルを示す
グラフである。
【図7】図6の基板を通常のふっ酸水溶液に浸漬した後
のシリコン層表面の赤外吸収スペクトルを示すグラフで
ある。
【図8】図6の基板を低溶存酸素量のふっ酸水溶液に浸
漬した後のシリコン層表面の赤外吸収スペクトルを示す
グラフである。
【図9】化学薬液洗浄後にふっ酸処理してシリコン酸化
膜を除去した後のシリコン表面の赤外吸収スペクトルを
示すグラフである。
【図10】図9の基板を通常のふっ酸水溶液に浸漬した
後のシリコン層表面の赤外吸収スペクトルと図9の赤外
吸収スペクトルの差スペクトルを示すグラフである。
【図11】図9の基板を低溶存酸素量のふっ酸水溶液に
浸漬した後のシリコン層表面の赤外吸収スペクトルと図
9の赤外吸収スペクトルの差スペクトルを示すグラフで
ある。
【図12】本発明の第4の実施例による処理装置を示す
図である。
【図13】本発明の第5の実施例による水の溶存酸素量
の制御方法の説明図である。
【図14】本発明の第5の実施例による水の溶存酸素量
の制御方法による実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10…処理槽 12…処理室 14…中間室 16…窒素吹出口 18…注入管 20…注入管 22…ポンプ 24…ふっ酸流出口 26…純水流出口 28…処理溶液 30…試料 32…検出装置 40…流量計 42…流量計 44…溶存酸素計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G01N 21/27 C

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶存酸素量が10ppm以下である純水
    により希釈したふっ酸水溶液を用いてシリコン層表面を
    洗浄する洗浄工程を有することを特徴とする半導体装置
    の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置の洗浄方法に
    おいて、 前記洗浄工程で用いられるふっ酸水溶液と接する気体の
    大部分が室温において不活性な気体であることを特徴と
    する半導体装置の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の半導体装置の洗浄方法に
    おいて、 前記不活性な気体は窒素であることを特徴とする半導体
    装置の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の半導体装置の洗浄
    方法において、 前記洗浄工程で用いられるふっ酸水溶液と接する気体中
    の酸素の体積比率が21%以下であることを特徴とする
    半導体装置の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の半導
    体装置の洗浄方法において、 前記洗浄工程の前に、前記シリコン層上のシリコン酸化
    膜を除去する酸化膜除去工程を更に有することを特徴と
    する半導体装置の洗浄方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の半導体装置の洗浄方法に
    おいて、 前記酸化膜除去工程後の前記シリコン層表面は、水素原
    子、ハロゲン系原子、水酸基のいずれかにより終端され
    ていることを特徴とする半導体装置の洗浄方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の半導体装置の洗浄
    方法において、 前記酸化膜除去工程は、ふっ化アンモニウムを用いてシ
    リコン酸化膜を除去することを特徴とする半導体装置の
    洗浄方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載の半導
    体装置の洗浄方法において、 前記シリコン層の面方位が、ほぼ(111)面であるこ
    とを特徴とする半導体装置の洗浄方法。
  9. 【請求項9】 シリコン層とシリコン酸化膜の界面形状
    を評価する半導体装置の評価方法において、 溶存酸素量が10ppm以下である純水により希釈した
    ふっ酸水溶液を用いて前記シリコン酸化膜を除去する酸
    化膜除去工程と、 露出した前記シリコン層の表面を、表面観察手法により
    観察することにより評価する評価工程とを有することを
    特徴とする半導体装置の評価方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の半導体装置の評価方法
    において、 前記酸化膜除去工程及び前記評価工程における雰囲気
    は、酸素の体積比率が21%以下の気体であることを特
    徴とする半導体装置の洗浄方法。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10記載の半導体装置の
    評価方法において、 前記表面観察手法は、赤外分光法であることを特徴とす
    る半導体装置の洗浄方法。
  12. 【請求項12】 請求項9乃至11のいずれかに記載の
    半導体装置の評価方法において、 前記シリコン層の面方位が、ほぼ(111)面であるこ
    とを特徴とする半導体装置の評価方法。
  13. 【請求項13】 試料に対する処理を行うための処理槽
    と、 前記処理槽の処理雰囲気を維持するための処理室と、 前記処理室に隣接し、前記試料の搬入時に前記処理室に
    外気が直接流入することを防止するための中間室とを有
    し、 前記処理槽内の処理溶液により前記試料を処理すること
    を特徴とする処理装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の処理装置において、 前記処理室内の雰囲気を前記処理槽内の処理溶液に吹き
    込む吹き込み手段を更に有することを特徴とする処理装
    置。
  15. 【請求項15】 溶存酸素量を低減させた第1の溶存酸
    素量の水に、前記第1の溶存酸素量よりも多い第2の溶
    存酸素量の水を所定の割合で混合することにより、水の
    溶存酸素量を制御することを特徴とする水の溶存酸素量
    の制御方法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の水の溶存酸素量の制
    御方法において、 前記第2の溶存酸素量の水は、室温の大気中において平
    衡状態である溶存酸素量の水であることを特徴とする水
    の溶存酸素量の制御方法。
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