JPH07313068A - 乳牛用配合飼料及びこれを用いる乳牛の飼育方法 - Google Patents

乳牛用配合飼料及びこれを用いる乳牛の飼育方法

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JPH07313068A
JPH07313068A JP6239220A JP23922094A JPH07313068A JP H07313068 A JPH07313068 A JP H07313068A JP 6239220 A JP6239220 A JP 6239220A JP 23922094 A JP23922094 A JP 23922094A JP H07313068 A JPH07313068 A JP H07313068A
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cow
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Hiroyuki Sato
弘之 佐藤
Hiroyuki Suzuki
宏侑 鈴木
Ii Jiyurian Uiriamu
ウイリアム・イー・ジュリアン
Takeshi Tojo
武司 藤條
Kazumasa Watanabe
一正 渡辺
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Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 反すう動物の飼育において、泌乳牛の高泌乳
量をさらに増加し、且つ泌乳牛の排泄物に伴う環境への
影響を最小限に抑える。 【構成】 反すう動物の必須アミノ酸のうち、飼料素材
中に含まれる供給アミノ酸量より乳牛が必然的に要求す
るアミノ酸量が大となる不足アミノ酸を、反すう動物の
第一胃(ル−メン)中では安定であって、第四胃より下
部の消化器官で放出することを可能にする被覆剤で被覆
し、第四胃より下部の消化器官で該不足アミノ酸を乳牛
に消化吸収させることを可能にした反すう動物用飼料添
加組成物を含有し、かつ乳牛への供給アミノ酸量より乳
牛が必然的に要求するアミノ酸量が小となる過剰アミノ
酸量が乳牛1頭当り150g/日以下である乳牛用配合
飼料及び該飼料を一定期間給餌することを特徴とする泌
乳牛の飼育方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高泌乳牛用配合飼料並び
にこれを用いる高泌乳牛の飼育方法に関する。さらに詳
しくは、反すう動物の必須アミノ酸のうち、飼料素材中
に含まれる供給アミノ酸量より乳牛が必然的に要求する
アミノ酸量が大となる不足アミノ酸を、反すう動物の第
一胃(ル−メン)中では安定であって、第四胃より下部
の消化器官で放出することを可能にする被覆剤で被覆
し、第四胃より下部の消化器官で該不足アミノ酸を乳牛
に消化吸収させることを可能にした反すう動物用飼料添
加組成物を含有し、かつ乳牛への供給アミノ酸量より乳
牛が必然的に要求するアミノ酸量が小となる過剰アミノ
酸総量が乳牛1頭当り150g/日以下である乳牛用配
合飼料及びこれを用いる分娩前並びに分娩後の乳牛の飼
育方法である。
【0002】
【従来の技術】反すう動物は、形態的に異なる4つの胃
からなる複胃を持つ動物であり、これらの胃は第一胃、
第二胃、第三胃そして第四胃である。前三者は食道の末
端部から派生したものであり、第四胃だけが真の胃と考
えられる。食物は最初の2つの胃に入った後一部が口部
に戻される。第一胃と第二胃は発酵作用を行なう部分
で、細菌、原生動物および真菌が共生し、食物中の繊維
質(植物組織)は、これらの微生物によって分泌される
セルラ−ゼ、キシラ−ゼやセロビア−ゼ等で消化され
る。
【0003】牛や羊のような反すう動物で、アミノ酸、
蛋白質、糖分、薬品又はビタミン他の生物学的活性物質
が経口的に投与されると問題が起こる。つまり、投与さ
れた物質特に蛋白質やアミノ酸の一部分は、第一胃内の
微生物によってアンモニアや揮発性脂肪酸に分解され、
最終的には微生物体の蛋白質の合成に利用される。従っ
て、反すう動物にとっては飼料中に含まれる蛋白質やア
ミノ酸の利用効率は単胃動物よりも少し低くなる。この
ように、反すう動物は栄養分の一部を第一胃内の微生物
の保持と形成のために失う。一方、飼料中に含まれる栄
養分の一部は未消化のまま下部消化管に流下する。これ
は当然反すう動物の栄養として寄与している。反すう動
物にはその他経口摂取に因らない栄養源があり、それは
第一胃内の微生物由来の蛋白質である。したがって、こ
の種の蛋白質を常に生産する第一胃の微生物集団を維持
することも重要である。
【0004】吸収代謝され得る特定の栄養分や薬物を反
すう動物に経口投与する場合、第一胃内の環境状態(例
えば、微生物による分解や弱酸性またはアルカリ性pH
等の環境状態)からこれらの物質を保護することが重要
である。これにより物質の活性状態を維持し、目的の消
化または吸収作用のある部位にこれらの物質を到達させ
ることができる。すなわち、動物自体による飼料の消化
吸収は第四胃及び小腸で行なわれるから、ある種の栄養
分や薬物を第一胃を通って第三胃に達する間に微生物に
よる影響を受けないようにすることが望ましい。栄養分
等の保護技術に関しては、例えば、U.S.Patents 4,976,
976、4,937,083、3,619,200、5,093,128、4,837,004、
3,959,493、4,842,863、5,023,091、4,957,748、4,797,
288、5,064,665、5,244,669、および5,227,166 に記載
されており、さらに特開昭59-66842、58-175449、63-31
7053、60-168351および59-198946、特開平2-027950、2-
128654、2-128655、3-056755、3-155756、3-155757、4-
079844および5-023114にも記載されている。
【0005】動物の体の全ての蛋白質は20種以上のア
ミノ酸の組み合わせから成り、これらのうち、10種の
アミノ酸は動物体内(未成熟ラットの場合)では合成さ
れず、外部から摂取されなければならない。ある種の蛋
白質を構成するアミノ酸は、その蛋白質に特異的で他の
アミノ酸では置換できない。したがって、必須アミノ酸
のうちで供給が最も少ないアミノ酸(制限アミノ酸)に
より、動物によって生産される蛋白質量が調整されてし
まう。腸から吸収されるアミノ酸中に必須アミノ酸が欠
乏していると、反すう動物の成長や乳生産等全てに負の
影響を与える。
【0006】一方、反すう動物の飼料として用いられる
素材としては植物性素材が主である。これらの素材とし
ては、草、まめ科植物とコ−ン、あるいは、細粒飼料、
まめ科植物と草、あるいは、細粒乾草、穀物副産物、穀
粒、脂肪種子とコ−ン細粒様の脂肪種子荒粉、穂付コ−
ン、殻付コ−ン、大麦、とうもろこし細粒、大豆荒粉、
綿の実、コ−ングルテン荒粉、貯蔵コ−ン、乾草、アル
ファルファ乾草、プレイリ−乾草である。
【0007】これらの素材のみでは乳牛にとってアミノ
酸バランスが悪く、効率的にアミノ酸を摂取しているこ
とにはならない。従って不足するアミノ酸を飼料とは別
に投与することにより、乳牛に対するアミノ酸バランス
を維持し、これらが効率的に乳牛に吸収されるよう試み
た。しかし、素材の構成によっては必要量以上にアミノ
酸が含まれることもあり、結果として乳牛はいたずらに
これらを摂取させられていることもあった。この場合、
全アミノ酸が乳牛の要求するアミノ酸に比べ全て過剰に
なることもあるし叉一部のアミノ酸が異常に過剰になる
こともあった。乳牛に不必要な過剰のアミノ酸は乳牛に
とって、排泄のためのエネルギーを必要とし叉ストレス
であった。
【0008】前述の飼料素材を基にして乳牛用飼料を配
合した多くの場合には蛋白質が不足することは知られて
おり、漁粉や血粉を添加していた。しかし蛋白の構成成
分であるアミノ酸レベルで評価してみると乳牛にとって
必要なアミノ酸は決してバランスが良いとは言えなかっ
た。アミノ酸の種類としてはリジン、メチオニン等が不
足していることは過去において研究者達の一致した見解
であった。しかしその他の不足アミノ酸につては統一的
な見解はなかった。
【0009】反すう動物の第一胃の微生物の作用から保
護された種々の形態のアミノ酸(第一胃保護アミノ酸)
を反すう動物用の飼料に加える量は、数多くの要因によ
り決まり、反すう動物のアミノ酸要求量、飼料から供給
されるアミノ酸量、動物が保有するアミノ酸量等から計
算される。一般に、第一胃保護アミノ酸の反すう動物へ
の投与量は反すう動物の発育、健康維持及び乳量生産性
に必要な量と言うことになる。この必要量は米国政府の
提示する基準や大学の研究デ−タ等に基づく。
【0010】例えば、Heinbackは、アミノ酸主薬に対す
る酪農食糧を公式化するモデル系を開発した(Degusa技
術シンポジウム,Saskatoon,Saskatchewan,Canada19
89年9月18日,参考文献としてここに引用)。この
モデルは二つの部分からなり、一つは反すう動物の維持
と産生に必要なアミノ酸量の計算に関するもので、他の
一つは飼料によって供給されるアミノ酸量に関する。
【0011】このモデル系によれば、飼料によって供給
されるアミノ酸量は飼料成分の文献並びに成分分析によ
るアミノ酸含量により計算出来る。飼料によって供給さ
れるアミノ酸は代謝効率を加味し、反すう動物によって
代謝された微生物粗蛋白質に由来するアミノ酸量に加え
られ、総アミノ酸量として反すう動物に供給される。例
えば、次の組成物の飼料(微生物蛋白質を含む)、すな
わちアルファルファサイレージ(乾物摂取量1日当り
8.2kg,粗蛋白含有量17.6%)、干草(同2.
7kg,同16%)、高水分コーン(同9.3kg、同
9.6%)、濃厚飼料(同3.4kg、同36.4%)
を乳牛が摂取後、乳牛の前胃を通過するアミノ酸の中、
メチオニン量(前胃を通過し、反すう動物により代謝さ
れるメチオニン量)の計算値は52.5g である。
【0012】一方、反すう動物のメチオニン要求量は泌
乳量が1日当り40kgの泌乳牛では同上記計算法によ
ると59g/日であるから、上記飼料は必要量より6.5g
/日少ないメチオニンを供給(一日当たり必要量の89%)
している。上記の飼料を乳牛に与え、乳牛が必然的に要
求するアミノ酸量を満足させるためにはRPAAとして
メチオニンを6.5g/日補充することになる。リジンにつ
いてもその必要量、飼料によって供給される量、補充必
要量もメチオニンの場合と同様に算定される。
【0013】そして、現今の反すう家畜用飼料の世界的
な供給事情ならびに微生物蛋白質のアミノ酸組成から、
周知の如く、主としてリジンおよび/またはメチオニン
が制限アミノ酸であると言われた。そこで反すう動物の
第一胃の微生物の作用から保護された種々の形態のリジ
ンおよび/またはメチオニンが、反すう家畜用飼料とし
てすでに市販されている。
【0014】反すう動物のアミノ酸必要量及び飼料のア
ミノ酸供給量の算出に有効なその他の方法は、牛の食餌
算定のための炭水化物と蛋白質系に関するコ−ネルモデ
ル(Search: Agriculture.Ithaca, NY: Cornell Univ.
Agr. Exp. No.34, 128pp.1990,ISSN 0362-2754,参考文
献としてここに引用)である。これは乳牛のアミノ酸必
要量や飼料利用の予測のためのモデルとして提供され、
乳牛の必要栄養量の調整、飼料配合、繁殖管理、飼育管
理、環境条件管理等で幅広く利用することを意図して提
唱されたものである。このモデルはコンピュ−タ−スプ
レッドシ−トに有効で異なるレベルと生産タイプで肉牛
と乳牛の両方に応用出来る。コ−ネルモデルにより、乳
牛各個体の特定な状況下(すなわち、乳牛が維持サイク
ルにいるか、授乳期いるか、増殖期にいるか等)で、種
類、出産時体重、総体重等に基づき、乳牛の代謝蛋白質
を計算出来る。さらにこのモデルは、飼料組成、消化
率、消化性蛋白質(前胃の作用の影響をのがれた消化性
蛋白質や消化された細菌の蛋白質の両方)等に基づいて
与えられた飼料に乳牛が反応するよう考慮されている。
特定の反すう動物が必要とする代謝蛋白質はこのように
計算され、与えられた飼料によって供給される代謝性蛋
白質の計算量と比較出来る。生理状態、授乳期を考慮し
た特定の乳牛が必要とする量より少ない消化性蛋白質量
を与えた場合は、上記の乳牛の第一胃保護アミノ酸を含
有した飼料添加物を必要レベルまで補充する。このモデ
ルは泌乳量増、乳質改善を目的とするものであって、制
限アミノ酸としてリジン及びメチオニンを乳牛の弟一胃
保護アミノ酸として飼料中に添加した。
【0015】しかしながらこれらのモデルには配合飼料
の配合素材中の総アミノ酸と泌乳牛が必要とする要求ア
ミノ酸との差をアミノ酸毎に求め、これらの全ての不足
するアミノ酸とその量を全て補充した例はなく、一方、
泌乳牛が摂取した過剰のアミノ酸は結果として泌乳牛よ
り体外に排泄される。排泄物による環境問題も引き起こ
す一因になることも懸念されるが、数量的に言及した開
示はなかった。
【0016】
【本発明が解決しようとする課題】反すう動物の飼育に
おいて、泌乳牛の高泌乳量をさらに増加し、配合飼料の
配合素材中の総アミノ酸と乳牛又は高泌乳牛が必要とす
る要求アミノ酸との差である不足するアミノ酸種とその
量を決定し、全ての該アミノ酸をRPAAとして補充
し、かつ過剰のアミノ酸総量を押える泌乳牛用配合飼料
を開発することにより乳牛の排泄物に伴う環境への影響
を最小限に抑えることにある。
【0017】
【問題を解決するための手段】反すう動物の必須アミノ
酸のうち、飼料素材中に含まれる供給アミノ酸量より乳
牛が必然的に要求するアミノ酸量が大となる不足アミノ
酸を、反すう動物の第一胃(ル−メン)中では安定であ
って、第四胃より下部の消化器官で放出することを可能
にする被覆剤で被覆し、第四胃より下部の消化器官で該
不足アミノ酸を乳牛に消化吸収させることを可能にした
反すう動物用飼料添加組成物(以下RPAAと略す)を
含有し、かつ乳牛への供給アミノ酸量より乳牛が必然的
に要求するアミノ酸量が小となる過剰アミノ酸量が乳牛
1頭当り150g/日以下である乳牛用配合飼料並びに
該乳牛用配合飼料を泌乳期間少なくとも7日間、毎日給
餌することを特徴とする泌乳牛の飼育方法、さらに該乳
牛用配合飼料を分娩前の乳牛に少なくとも7日間摂取さ
せることを特徴とする乳牛の飼育方法である。
【0018】飼料中に含まれる供給アミノ酸は給餌に用
いられる飼料素材中のアミノ酸含有量より求められる。
又乳牛の十二指腸等下部消化管より吸収される吸収アミ
ノ酸も泌乳量との関係から求めることができるので、こ
の差から不足するアミノ酸も又計算で求められる。従っ
て不足アミノ酸の種類とその量は一定でなく供給される
飼料の素材、泌乳牛の場合なら泌乳量、肉牛なら体重、
育成牛にあっては成長期毎の体重により各々異なってく
る。
【0019】従って、本発明の目的は反すう動物の飼育
において、泌乳牛の高泌乳量は維持しつつ、且つ泌乳牛
の排泄物に伴う環境への影響を最小限に抑えることにあ
る。さらに第2の目的は第1の目的を実現するために配
合飼料の配合素材中の総アミノ酸と泌乳牛が必要とする
要求アミノ酸との差である不足するアミノ酸と補充する
ことのできるRPAAを開発することにある。さらに第
3の目的は過剰のアミノ酸総量を泌乳牛1頭当り150
g/日以下とする泌乳牛用配合飼料を開発することにあ
る。
【0020】飼料に加えたRPAA添加量は、飼料中に
不足している消化性蛋白質量を前胃の作用から保護され
たメチオニン、リジンおよび/またイソロイシンをこの
不足分に代えることで計算される。この添加量は、例え
ば、Chlupaら(1991年飼料製造のためのコ−ネル会議。
p44,参考文献としてここに引用)、あるいは、上記のコ
−ネルモデルに記載された方法により消化性蛋白質(飼
料から供給された)のアミノ酸分析を行うことで可能で
ある。前胃で分解された飼料の蛋白質分画と、前胃で分
解されない蛋白質分画をまず最初に分けることで、ある
いは、特定の反すう動物が必要とするメチオニン、リジ
ン及びイソロイシンの量は、コ−ネルモデルによって計
算された授乳とその維持に必要なメチオニン、リジン及
びイソロイシンの量を合計することで算定出来る。
【0021】例えば、3.05%の粗蛋白質を含む乳を一日
当たり88ポンド産生する泌乳牛は、88lb x 453.6g x 3.
05%= 1220g/日の粗蛋白質を一日分の乳中に補給するの
に必要とする。授乳中のメチオニンとリジンのパ−セン
トは分析することができ、授乳に必要な最少のリジン、
メチオニンを供給するためには、授乳に必要な粗蛋白質
量によって増やすことが出来る。この量は、摂取するメ
チオニンとリジンに対する泌乳牛の代謝効率で調整され
る。例えば、メチオニン 2.7%,リジン 8.3%である粗
蛋白質乳では、牛のメチオニンとリジンの消化効率は
75%であるから、泌乳牛の授乳に必要なメチオニンの量
は、1220g/日 x 0.027÷0.75= 43.9gとなる。リジンの
量も同様にして計算すると135.0gとなる。
【0022】もちろん泌乳牛自身の体力維持のための蛋
白質も必要となる。この維持に必要な量は上記のコ−ネ
ルモデルに基づき、特定の泌乳牛が必要としたスカ−
フ、尿、糞便蛋白質の合計として計算出来る。この泌乳
牛の体力維持用蛋白質は0.028を掛けてメチオニン必要
量を決定し、0.082を掛けてリジン必要量を決定する。
コ−ネルモデルによる代謝可能な蛋白質量を完全に算出
するには、糞便蛋白質を上記のスカ−フ、尿、糞便蛋白
質量に加え、これに0.028(メチオニン)、0.082(リジ
ン)を掛けてメチオニン、リジン総必要量を得る。
【0023】泌乳牛に供給される代謝可能なアミノ酸も
コ−ネルモデルによって計算され、これは、消化された
細菌の蛋白質由来のリジンとメチオニン量と、飼料由来
の前胃を通過してきたリジンとメチオニン量の合計から
なる。コ−ネルモデルは、反すう動物が下部の胃で受け
るの細菌由来の総蛋白質の決定にも適用され、この総蛋
白質量はメチオニンには0.028、リジンには0.082ファク
タ−を掛けることで概算出来る。同様に、コ−ネルモデ
ルは、特定の飼料組成に基づく飼料由来の、前胃を通過
する総蛋白質量の決定についても適用され、消化された
メチオニンとリジンの量が、特定の飼料組成分の各々の
消化性蛋白質分画に含まれるメチオニンとリジンの量を
もとに計算出来る。
【0024】この様に、本発明により、反すう動物に与
える飼料に前胃の作用から保護された少なくともメチオ
ニン、リジン及びイソロイシンをどのくらい加ればよい
かは明らかとなる。もちろん、多くも少なくも望みの量
を加えることが出来る。
【0025】高泌乳牛と低泌乳牛に与える飼料素材の代
表的な構成例を表1乃至表4に示した。表1に示した飼
料を高泌乳牛(70Lbs)が摂取した時に生じる供給
アミノ酸の種類とその量及び泌乳牛の要求する要求アミ
ノ酸の種類とその量及び不足アミノ酸の種類とその量を
表5に示した。同様に表2は表6に示し、表3に示した
飼料を低泌乳牛(55Lbs)が摂取した場合のアミノ
酸バランスは表7に、表4は表8に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【表7】
【0033】
【表8】
【0034】このようにアミノ酸の過不足量のうち不足
分はRPAAの形で飼料添加物として飼料中に添加する
必要がある。これらのアミノ酸を補充供給することによ
り乳量や乳質改善に効果があり、個々のアミノ酸につい
ては言えばリジンが乳量増加と乳蛋白質の改善効果が、
メチオニンは乳量増加と乳脂肪の増加に寄与し、イソロ
イシンは乳量増加に寄与している。
【0035】本発明に用いる反すう動物用飼料添加組成
物はコーネルコンピューターモデルにより求められた泌
乳牛にとっての不足アミノ酸を被覆剤で被覆し、反すう
動物の第一胃(ル−メン)中では安定で、第四胃より下
部の消化器官で、該生物学的活性物質を消化吸収させる
ことを可能にしたものであり、不足アミノ酸の種類を例
示するならばリジン、メチオニン、イソロイシン、バリ
ン、ヒスチジン等が挙げられる。しかしこれらのアミノ
酸以外にも飼料素材と配合によってはさらに不足するア
ミノ酸で新たに加わることは当然予測し得る。
【0036】これらのアミノ酸を第一胃保護アミノ酸と
するためにはこれらのアミノ酸を結合剤や保護剤と共に
粒状化するか、結合剤と共に顆粒化した後、この表面を
保護剤で被覆する方法がある。これらの製剤化技術は先
に示した先行文献に示された方法、これ以外でも本目的
に叶う被覆方法であればいかなる方法を用いても良い。
【0037】これらの不足アミノ酸は全種類を同時に保
護剤で被覆したRPAAとして与えることもできるし、
またこれらのアミノ酸の1種または2種以上を個別にし
たRPAAとして用意しておき、必要に応じてこれらを
単独または組合せて乳牛または泌乳牛に投与してもよ
い。
【0038】保護対象とするアミノ酸に加え乳牛に必要
な他の栄養素、例えば炭水化物、ミネラル、ビタミン、
脂肪、獣薬等を生物学的活性物質として含んでいても一
向に差し支えない。
【0039】一方、乳牛が過剰のアミノ酸を摂取後、体
外に排出するために肝臓で分解され、窒素化合物として
体外に排出される。従って過剰分を少なくすればするほ
ど、乳牛へのストレス防止及び排泄物による環境への影
響を低減でき、産業上たいへん有意義である。この場
合、コーネルコンピューターモデルにより計算式で求め
た過剰アミノ酸の合計が泌乳牛1頭あたり150g/日
であると乳牛の排泄物中の窒素量が比較的少ないがこれ
が200g/日を超えると窒素量が予想以上に増大し
た。従って、過剰アミノ酸量は低く抑えることに越した
ことはないが150g/日以下が望まれる。さらに好ま
しくは100g/日以下とすることがより好ましい。
【0040】これらの過剰アミノ酸としては少なくとも
アルギニン、フェニルアラニン又はロイシンが挙げられ
る。
【0041】本発明の乳牛用配合飼料を乳牛に投与する
時期及び期間につては分娩日以前から分娩後にわたり一
定期間継続的にまた断続的に継続してもよい。また分娩
後投与開始する場合特に制限はないが泌乳期間の一定期
間少なくとも7日は継続することが望ましい。分娩前に
少なくとも7日投与すると分娩後乳量生産の立ち上がり
がよくなる。しかしながら全泌乳期間にわたって連続的
に投与すれば泌乳量が増加したのでなるべく継続的長期
にわたって投与することが望ましい。
【0042】以下に、本発明を実施例、及び比較例によ
り更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施
例に限定されることはない。
【0043】なお、実施例中のアミノ酸の溶出量に関し
ては液体クロマトグラフィ−で分析を行った。
【0044】第1胃内の保護性調製した試料約1gを、
300ml三角フラスコ中に投入し、第1胃液に相当す
るMc Dougall緩衝液200mlを注入して、39℃で2
4時間振とうした。振とう終了後、生物学的活性物質の
溶出量を分析し、第1胃内での保護性を算出した。
【0045】*Mc Dougall緩衝液:水1000ml中に
以下の試薬を溶解した緩衝液。 炭酸水素ナトリウム :7.43g リン酸2ナトリウム・12水塩:7.00g 塩化ナトリウム :0.34g 塩化カリウム :0.43g 塩化マグネシウム・6水塩 :0.10g 塩化カルシウム :0.05g
【0046】第4胃内の溶出性 保護性試験終了後、振とうしたサンプルを回収し、さら
に300ml三角フラスコに投入し、第4胃液に相当す
るClark-Lubs緩衝液200mlを注入して、39℃の温
度下で1時間振とうした。振とう終了後、生物学的活性
物質の溶出量を分析し、第4胃の溶出性を算出した。
【0047】*Clark-Lubs緩衝液:1000ml中に以
下の試薬を溶解した緩衝液。 塩化カリウム:3.73g 塩酸 :2.1ml
【0048】小腸内の溶出性 第4胃内の溶出性試験終了後、振とうしたサンプルを回
収し、さらに300ml三角フラスコに投入し、小腸液
に相当する緩衝液200mlを注入して、39℃の温度
下で7時間振とうした。振とう終了後、生物学的活性物
質の溶出量を分析し、小腸の溶出性を算出した。
【0049】上記第4胃相当液中での溶出率と小腸相当
液中での溶出率の合計値を第4胃より下部の消化器官の
溶出率(以下、消化器官相当溶出率と呼ぶ)とした。
【0050】
【実施例1】L−リジン塩酸塩325g、メチオニン9
9.5g,イソロイシン273g、バリン135.7
g,ヒスチジン57.4g、タルク172.5g、カル
ボキシメチルセルロ−スナトリウム2.5g、水135
gをニ−ダ−に仕込み、混練した後、1.5mmфの目
開きのスクリ−ンを有する押し出し造粒機を用いて円柱
状の顆粒を得た。得られた顆粒を球形化装置(マルメラ
イザ−、不二パウダル社製)を用いて整粒し球形に近い
顆粒とした。得られた球状顆粒を流動乾燥し、粒径1m
mから2.5mmの粒度分布を有するL−リジン塩酸塩
を含有する核を得た。
【0051】硬化牛脂98.32重量部に対し、リパ−
ゼA「アマノ」6(天野製薬社製)を1.68重量部を
含有する保護物質を溶融し、ふるいにより平均1.5m
mの粒径にふるった核100重量部に対し、35.8重
量部の割合で核に被覆し、次いで核100重量部に対し
7.2重量部の溶融した硬化牛脂を被覆した。この被覆
粒子について上記評価試験を行った結果、第1胃溶出率
9%、消化器官相当溶出率76%であった。
【0052】
【実施例2】ホルスタイン種泌乳牛8頭を2頭づつ4群
に分け4X4のラテン方格法にて試験した。試験(1)
は基礎飼料(リジン、メチオニン及びイソロイシン共に
泌泌乳牛要求量に対し不足)、同(2)群は基礎飼料に
リジン及びメチオニンを加えて泌乳牛のこの2種のアミ
ノ酸要求量を満たした、同(3)群は基礎飼料にイソロ
イシンを加えて泌乳牛のイソロイシン要求量を満たし
た、同(4)群は基礎飼料にリジン、メチオニン及びイ
ソロイシンを加えて泌乳牛のこの3種のアミノ酸要求量
を満たした。試験開始時期は分娩直後の乳量生産の多い
時期は統計処理に際しバラツキが大きいので乳量産生の
安定する分娩後8週目より開始し、試験期間は試験開始
より各群とも上記試験(1)ないし(4)を順次4週間
づつ計16週間にわたって行った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウイリアム・イー・ジュリアン アメリカ合衆国、68122、ネブラスカ州、 オマハ、サリー・ヒルズ・ドライブ、 7207、ダブリュー・イー・ジュリアン・ア ンド・アソシエイツ・インコーポレイテッ ド気付 (72)発明者 藤條 武司 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 渡辺 一正 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反すう動物の必須アミノ酸のうち、飼料素
    材中に含まれる供給アミノ酸量より乳牛が必然的に要求
    するアミノ酸量が大となる不足アミノ酸を、反すう動物
    の第一胃(ル−メン)中では安定であって、第四胃より
    下部の消化器官で放出することを可能にする被覆剤で被
    覆し、第四胃より下部の消化器官で該不足アミノ酸を乳
    牛に消化吸収させることを可能にした反すう動物用飼料
    添加組成物を含有し、かつ乳牛への供給アミノ酸量より
    乳牛が必然的に要求するアミノ酸量が小となる過剰アミ
    ノ酸総量が乳牛1頭当り150g/日以下である乳牛用
    配合飼料。
  2. 【請求項2】不足アミノ酸が少なくともリジン、メチオ
    ニン及びイソロイシンである請求項1記載の乳牛用配合
    飼料。
  3. 【請求項3】反すう動物の必須アミノ酸のうち、飼料素
    材中に含まれる供給アミノ酸量より乳牛が必然的に要求
    するアミノ酸量が大となる不足アミノ酸を、反すう動物
    の第一胃(ル−メン)中では安定であって、第四胃より
    下部の消化器官で放出することを可能にする被覆剤で被
    覆し、第四胃より下部の消化器官で該不足アミノ酸を乳
    牛に消化吸収させることを可能にした反すう動物用飼料
    添加組成物を含有し、かつ乳牛への供給アミノ酸量より
    乳牛が必然的に要求するアミノ酸量が小となる過剰アミ
    ノ酸総量が乳牛1頭当り150g/日以下である乳牛用
    配合飼料を泌乳牛に泌乳期間少なくとも7日間、毎日給
    餌することを特徴とする泌乳牛の飼育方法。
  4. 【請求項4】不足アミノ酸が少なくともリジン、メチオ
    ニン及びイソロイシンである請求項1記載の泌乳牛の飼
    育方法。
  5. 【請求項5】反すう動物の必須アミノ酸のうち、飼料素
    材中に含まれる供給アミノ酸量より乳牛が必然的に要求
    するアミノ酸量が大となる不足アミノ酸を、反すう動物
    の第一胃(ル−メン)中では安定であって、第四胃より
    下部の消化器官で放出することを可能にする被覆剤で被
    覆し、第四胃より下部の消化器官で該不足アミノ酸を乳
    牛に消化吸収させることを可能にした反すう動物用飼料
    添加組成物を含有し、かつ乳牛への供給アミノ酸量より
    乳牛が必然的に要求するアミノ酸量が小となる過剰アミ
    ノ酸総量が乳牛1頭当り150g/日以下である乳牛用
    配合飼料を乳牛に分娩前少なくとも7日間、毎日給餌す
    ることを特徴とする乳牛の飼育方法。
  6. 【請求項6】不足アミノ酸が少なくともリジン、メチオ
    ニン及びイソロイシンである請求項1記載の乳牛の飼育
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998004152A1 (en) * 1996-07-26 1998-02-05 Ajinomoto Co., Inc. Method for breeding highly lactiferous cows by using lumen-protective amino acids
US6834001B2 (en) 2001-09-26 2004-12-21 Sanyo Electric Co., Ltd. Multi-stage switched capacitor DC-DC converter

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