JPH0731467A - 糸状菌の培養法 - Google Patents

糸状菌の培養法

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JPH0731467A
JPH0731467A JP5179417A JP17941793A JPH0731467A JP H0731467 A JPH0731467 A JP H0731467A JP 5179417 A JP5179417 A JP 5179417A JP 17941793 A JP17941793 A JP 17941793A JP H0731467 A JPH0731467 A JP H0731467A
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JP
Japan
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culture
filamentous fungus
culturing
culture method
cultured
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JP5179417A
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English (en)
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Kazuto Ishihara
一人 石原
Kenichi Ishiwatari
健一 石渡
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 糸状菌を液体培地中でペレット状に培養す
る。 【構成】 糸状菌をローズベンガル、ソルボース、デオ
キシコール酸ナトリウムなどの菌糸伸長阻害物質を添加
した液体培地中でペレット状に培養する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は糸状菌の培養法に関す
る。更に詳しくは糸状菌を液体培養する際に菌糸伸長阻
害物質を添加した液体培地を用いペレット状に培養する
ことを特徴とする糸状菌の培養法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(ペレットの定義)液体培養における糸状菌の形態は、
大きな球状の菌糸塊、小さな不整形の菌糸塊及び均一に
分散した繊維状の菌糸群、あるいはそれらの混合した状
態等、多種多様であるが、それらの諸形態はペレット状
とパルプ状との2つの代表的な形態に大別できる。ペレ
ット状とは、1個ずつ完全に独立した菌糸塊で、球状ま
たは球状に近く、肉眼で容易に認め得る大きさのもので
あり、パルプ状とは、多数の分岐のある繊維状の菌糸群
で、液中にほぼ均一に分散しているものであると考えら
れている[カビ応用開発研究会”カビの分離・培養・同
定と有用物質の生産・応用,テクノアイ出版部,p.249(19
85)]。 (ペレット化の意義)一般的に糸状菌や放線菌を培養し
て菌体・抗生物質・酵素・有機酸・糖類・生理活性物質
などの生産物を得ようとする時、好気的深部培養を行う
が、この際溶存酸素濃度が目的とする生産物の収率に及
ぼす影響は非常に大きい。一方、糸状菌の形態と培養液
の粘度との間には密接な関係があり、菌糸形態が均一な
パルプ状になる程培養液の粘度は著しく増大し[日本農
芸化学会誌,Vol.33,p.707(1959)]、菌糸の分散や培養
装置内の均一化ができなかったり、酸素を液中に十分供
給できなくなる。これに対し、菌糸形態がペレット状に
なる場合、培養液の粘性が増加せず、液の混合や均一
化、さらに酸素の供給も容易になる。例えば、気泡塔型
培養装置により、ペレット状菌糸形態を比較的とりやす
いアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)をペレ
ット状に培養し、ビート糖蜜からクエン酸を高収率で得
ることができる[Ind. Eng. Chem.,Vol.44,p.2229(195
2)]。又、K.Gbewonyo らは、ペニシリウム・クリソゲ
ナム(Penicillium chrysogenum)の胞子を直径300か
ら500μmのセライトのビーズに吸着させ、ビーズ上
で増殖させることにより微細なペレット状菌体と同じ菌
糸形態を得ることに成功した。液量3Lの気泡塔型培養
装置で、ビーズ上吸着菌糸とビーズを用いないパルプ状
菌糸を培養し結果を比較したところ、ビーズ上吸着菌糸
は菌体濃度(g/L)が1.7倍、ペニシリンG生産量(g/L)
が11倍であった。パルプ状菌糸の場合生産性が低下す
る原因は、酸素供給能が低下し培養液中の溶存酸素濃度
レベルが臨界値以下になった為であった[Biotechnol.
Bioeng.,Vol.25,p.2873(1983)]。又、特開平3−63
350号には植物由来粉末を含有する液体培地中でペニ
シリウム(Penicillium)属、アスペルギルス(Asperugill
us)属、セフアロスポリウム(Cephalosporium)属、又は
リゾープス(Rhizopus)属に属する糸状菌を培養する方法
が開示されている。この方法を用いれば、大きな菌糸塊
に生育してしまうところを微細な菌糸塊に培養でき、培
地の攪拌効率も改善され、有機酸、抗生物質、L−アミ
ノ酸、プロテアーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースオ
キシダーゼなどの酵素類の生産が促進されることが報告
されている。これらの結果のように菌糸形態がペレット
状になる場合、培養液の粘性が増加しないために、液の
混合や均一化が容易になり、酸素の供給が効率的に行わ
れ、有用物質生産が高収率となる。 (従来のペレット化法とその問題点)従来、糸状菌を微
細化したペレット状に培養する方法については、ペレッ
ト状菌体の核となる物質を加えた培地で培養する方法が
知られている。例えば、K.Gbewonyo らは、胞子を直径
300から500μmのセライトのビーズに吸着させ、
ビーズ上で増殖させることにより微細なペレット状菌体
と同じ菌糸形態を得ることに成功している[Biotechno
l. Bioeng.,Vol.25,p.2873(1983)]。又、特開平3−6
3350号には植物由来粉末を含有する液体培地中でペ
ニシリウム(Penicillium)属、アスペルギルス(Asperugi
llus)属、セフアロスポリウム(Cephalosporium)属、又
はリゾープス(Rhizopus)属に属する糸状菌を培養する方
法が開示されている。この方法を用いれば、大きな菌糸
塊に生育してしまうところを微細な菌糸塊に培養でき
る。しかし、これらの従来技術は比較的ペレット状にな
りやすい性質を有している糸状菌に対しては有効である
が、発明者自らの検討によれば、ドレクスレラ(Drechsr
ela)属の糸状菌のようにペレット状になりにくい糸状菌
では微細なペレット状に培養することが困難であること
が発明者自らの検討によって明かとなっているし、また
実際そのような技術は知られていない。ところで、土壌
からの糸状菌の分離の際などにコロニーを小さくするた
め、あるいは菌糸伸長阻害剤の阻害活性の強さを測定す
るために寒天培地に菌糸伸長阻害剤を加えることは行わ
れている[例えば獅山慈考”植物病理学実験マニュア
ル”,養賢堂,p125(1989)]。しかし、菌糸伸長阻害剤を
液体培地を用いた糸状菌の培養に供した例はなく、況や
糸状菌の培養形態をペレット状に制御する目的で菌糸伸
長阻害剤を使用した例もこれまで全く知られていなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、糸状
菌を菌糸伸長阻害剤を添加した液体培地中でペレット状
に培養する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこの課題を
解決するために、菌糸伸長阻害物質をある濃度加えた寒
天培地上で糸状菌を培養すると菌糸が密集したコロニー
を形成することからヒントを得て鋭意検討の結果、液体
培地への菌糸伸長阻害物質の添加が糸状菌のペレット状
増殖に有効であることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は糸状菌を菌糸伸長阻害物質を添加し
た液体培地中でペレット状に培養することを特徴とする
糸状菌の培養法を提供するものである。
【0005】本発明において用いる糸状菌としては、例
えばドレクスレラ・モノセラスMH5018(微工研菌
寄11994号)、MH9011(微工研菌寄第121
29号)、MH5511(微工研菌寄第12130号)
などがある。本発明において使用する液体培地は菌糸伸
長阻害剤を添加する以外は糸状菌が生育する液体培地で
あればどのような培地でも使用できる。例えば Czapek
培地[Catalogue of Strains (American Type Culture
Collection),Vol.10,p.230(1972)]、Leonian 培地[Ca
talogue of Strains (American Type Culture Collecti
on),Vol.10,p.254(1972)]、ポテト・デキストロース培
地[Catalogue of Strains (American Type Culture Co
llection),Vol.10,p.244(1972)]で寒天を加えない液体
培地、あるいは第2表[表2]、第4[表4]〜6表
[表6]に記載の培地が使用される。本発明における菌
糸伸長阻害剤とは胞子からの発芽を阻害せず菌糸伸長の
みを阻害する物質であり、例えば ローズベンガル, ソ
ルボース, デオキシコール酸ナトリウム を例示するこ
とができる。ローズベンガル の培地への添加濃度範囲
は通常 0.0001%〜0.1% であり、好ましくは 0.00025%〜
0.008% である。ソルボース の培地への添加濃度範囲は
通常 0.001%〜10% であり、好ましくは 0.01%〜1% であ
る。デオキシコール酸ナトリウム の培地への添加濃度
範囲は通常 0.01%〜1% であり、好ましくは 0.04%〜0.4
% である。本発明においてはこれら菌糸伸長阻害剤を液
体培地へ単独或いは2種以上の組み合せて添加すればよ
い。培養温度は糸状菌が生育できる温度であればどのよ
うな温度でもよい。培養法は、三角フラスコによる回転
振盪培養、通気攪拌型培養槽による培養、気泡塔型培養
槽による培養など何れの培養法でもよい。
【0006】
【作用】本発明によれば従来技術では不可能であったパ
ルプ状増殖をする糸状菌の液体培養によるペレット状菌
体の培養が達成できる。その理由は必ずしも明らかでは
ないが、菌糸伸長阻害剤を加えた培地中で糸状菌を培養
すると伸長が抑制され分岐した菌糸が密に絡み合った形
態が観察されるため、これがペレット状増殖を起こす理
由ではないかと推測される。
【0007】
【実施例】以下に実施例で本発明を詳細に説明する。以
下において%は重量基準である。培養菌体の形態は肉眼
観察あるいは顕微鏡観察により評価した。 実施例1 ドレクスレラ・モノセラスMH9011(微工研菌寄第
12129号)を第1表[表1]に示す天然寒天培地に
接種し、25℃にて14日間培養後、胞子を採取し、1
%NaCl溶液に懸濁し、これを接種用胞子懸濁液とし
た。第2表[表2]に示す液体培地にローズベンガルを
0.00025, 0.002, 0.008% となるように加えた培地、ソ
ルボース を 0.01, 0.1, 1.0% となるように加えた培
地、デオキシコール酸ナトリウム を 0.04, 0.16, 0.32
% となるように加えた培地、比較として無添加の培地を
それぞれ500mL容三角フラスコに150mL仕込
み、蒸気滅菌した後、接種用胞子懸濁液の一定容量を約
10個胞子/mLとなるように接種し、25℃にて7日
間90rpmで回転振盪培養を行った。培養後、菌糸の
形態を観察した。その結果を第3表[表3]に示す。ま
た、ペレット状に生育した培養菌糸を第1図[図1]
に、ペレットの倍率80倍の顕微鏡写真を第2図[図
2]にそれぞれ示す。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】
【表3】 無添加の場合糸状菌はパルプ状に生育したが、ローズベ
ンガル, ソルボース,デオキシコール酸ナトリウム を添
加した場合、何れもペレット状に増殖した。
【0011】実施例2 ドレクスレラ・モノセラスMH9011(微工研菌寄第
12129号)を第1表[表1]に示す天然寒天培地に
接種し、25℃にて14日間培養後、胞子を採取し、1
%NaCl溶液に懸濁し、これを接種用胞子懸濁液とし
た。第4表[表4]に示すローズベンガルを 0.003% 添
加した液体培地に炭素源として Glucose、Potato starc
h、Soluble starch、Galactose、Lactose 、Maltose、S
orbitol、Mannitolをそれぞれ添加した培地を調製し、
それぞれ500mL用三角フラスコに150mL仕込
み、蒸気滅菌した後、接種用胞子懸濁液の一定容量を約
10個胞子/mLとなるように接種し、25℃にて7日
間90rpmで回転振盪培養を行った。培養後、菌糸の
形態を観察した。その結果を第5表[表5]に示す。
【0012】
【表4】
【0013】
【表5】 何れの炭素源を用いた時もローズベンガルを 0.003% 含
む培地で培養した場合ペレット状に増殖した。比較のた
めローズベンガルを含まない培地で培養した場合、パル
プ状に増殖した。
【0014】実施例3 ドレクスレラ・モノセラスMH9011(微工研菌寄第
12129号)を第1表[表1]に示す天然寒天培地に
接種し、25℃にて14日間培養後、胞子を採取し、1
%NaCl溶液に懸濁し、これを接種用胞子懸濁液とし
た。第6表[表6]に示すローズベンガルを 0.003% 含
む液体培地を2000mL用通気攪拌型培養槽に150
0mL仕込み、また2000mL用気泡塔型培養槽に1
500mL仕込み、蒸気滅菌した後、接種用胞子懸濁液
の一定容量を約10個胞子/mLとなるように接種し
た。通気攪拌型培養槽は25℃にて7日間500mL/
分の通気量、150rpmの攪拌数で培養を行った。気
泡塔型培養槽は25℃にて7日間1500mLの通気量
で培養した。培養後、菌糸の形態を観察した。その結果
を第7表[表7]に示す。
【0015】
【表6】
【0016】
【表7】 V ローズベンガル0.003% を添加した培地を用いた場
合、通気攪拌型培養槽、気泡塔型培養槽の何れの培養槽
で培養してもペレット状に増殖した。比較のためローズ
ベンガルを含まない培地で培養した場合、パルプ状に増
殖した。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術ではペレット
状に培養することが困難であった糸状菌をペレット状に
培養することが可能になる。即ち、従来技術ではパルプ
状型増殖を示す糸状菌をペレット状に培養することはで
きなかったが、本発明培養法によれば、実施例1〜3に
示すとおり本来ペレット状増殖を示さない糸状菌をペレ
ット状に培養することが達成できる。本発明の方法はペ
レット状菌体の培養に好適であり、そのため、有用物質
を生産する糸状菌を効率よく増殖させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は実施例1のローズベンガル0.002% を
含む液体培地で培養して得られたペレット状菌体の写真
である。
【図2】第2図は実施例1のローズベンガル0.002% を
含む液体培地で培養して得られたペレット状菌体の倍率
80倍の顕微鏡写真である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸状菌を菌糸伸長阻害物質を添加した液
    体培地中でペレット状に培養することを特徴とする糸状
    菌の培養法。
  2. 【請求項2】 糸状菌がドレクスレラ(Drechslera)属に
    属する糸状菌である請求項1記載の培養法。
  3. 【請求項3】 菌糸伸長阻害物質がローズベンガルであ
    る請求項1または2記載の培養法。
  4. 【請求項4】 菌糸伸長阻害物質がソルボースである請
    求項1または2記載の培養法。
  5. 【請求項5】 菌糸伸長阻害物質がデオキシコール酸ナ
    トリウムである請求項1または2記載の培養法。
  6. 【請求項6】 ローズベンガルの濃度が0.0001〜
    0.1%の範囲である請求項3記載の培養法。
  7. 【請求項7】 ソルボースの濃度が0.001〜10%
    の範囲である請求項4記載の培養法。
  8. 【請求項8】 デオキシコール酸ナトリウムの濃度が
    0.01〜1%の範囲である請求項5記載の培養法。
JP5179417A 1993-07-20 1993-07-20 糸状菌の培養法 Pending JPH0731467A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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