JPH0731490A - 共重合体の製造方法及び該共重合体を生成する微生物 - Google Patents
共重合体の製造方法及び該共重合体を生成する微生物Info
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- JPH0731490A JPH0731490A JP5184142A JP18414293A JPH0731490A JP H0731490 A JPH0731490 A JP H0731490A JP 5184142 A JP5184142 A JP 5184142A JP 18414293 A JP18414293 A JP 18414293A JP H0731490 A JPH0731490 A JP H0731490A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 シュードモナス属に属し、乾燥菌体中80〜
95%、モノマーユニット3HHx及び3HO、更に場
合により3HD及び3HDDからなる共重合体を産生す
る微生物を培養し、該共重合体を採取する該共重合体の
製造方法。 【効果】 医薬品、食品、衛生用品、農園芸品、包装材
料等に有用な共重合体を高収率で得ることができる。
95%、モノマーユニット3HHx及び3HO、更に場
合により3HD及び3HDDからなる共重合体を産生す
る微生物を培養し、該共重合体を採取する該共重合体の
製造方法。 【効果】 医薬品、食品、衛生用品、農園芸品、包装材
料等に有用な共重合体を高収率で得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品、食品、衛生用
品、農園芸品、包装材料等広範な分野に応用可能な生分
解性の共重合体の製造方法及び該共重合体を生成する微
生物に関する。
品、農園芸品、包装材料等広範な分野に応用可能な生分
解性の共重合体の製造方法及び該共重合体を生成する微
生物に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物の多くは、各種の共重合体を生成
することが知られている。それらの共重合体は熱可塑性
を有する、いわゆるプラスチックから、粘弾性を有する
ゴム状のものまで、多岐にわたっており、しかも、これ
らはいずれも生分解性を有するものである。
することが知られている。それらの共重合体は熱可塑性
を有する、いわゆるプラスチックから、粘弾性を有する
ゴム状のものまで、多岐にわたっており、しかも、これ
らはいずれも生分解性を有するものである。
【0003】例えば、近年、エネルギー貯蔵物質として
注目されているポリ−3−ヒドロキシブチレート〔P
(3HB)〕については特開昭56−117793号、
同57−74084号、同57−150393号に、3
−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの
共重合体〔P(3HB−co−3HV)〕については特
開昭57−150393号、同58−69224号、同
58−212792号、同59−220192号、同5
9−205992号、同61−293385号、同63
−269989号に、3−ヒドロキシブチレートと4−
ヒドロキシブチレート〔P−(3HB−co−4H
B)〕については特開平1−48821号、同1−15
6320号、同1−222788号、同1−30489
1号、同2−27992号、同2−234683号、同
3−216193号等にそれぞれ共重合体及びその製造
方法が開示されている。
注目されているポリ−3−ヒドロキシブチレート〔P
(3HB)〕については特開昭56−117793号、
同57−74084号、同57−150393号に、3
−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの
共重合体〔P(3HB−co−3HV)〕については特
開昭57−150393号、同58−69224号、同
58−212792号、同59−220192号、同5
9−205992号、同61−293385号、同63
−269989号に、3−ヒドロキシブチレートと4−
ヒドロキシブチレート〔P−(3HB−co−4H
B)〕については特開平1−48821号、同1−15
6320号、同1−222788号、同1−30489
1号、同2−27992号、同2−234683号、同
3−216193号等にそれぞれ共重合体及びその製造
方法が開示されている。
【0004】更に、A.Steinbuchelらの、
Appl.Environ.Microbiol.Vo
l.56,No.11,p3360−3367(199
0)には、3−ヒドロキシヘキサノエートと3−ヒドロ
キシオクタノエートの共重合体〔P(3HHx−co−
3HO)〕等の3HB単位を持たない共重合体が微生物
によって生成されることが報告されている。すなわち、
炭素源としてオクタン酸を添加した栄養塩培地で、例え
ばシュードモナス・オーレオファシンス DSM500
82を培養すると乾燥菌体中18.0%の〔P(3HH
x−co−3HO)〕〔3HHx20.8モル%,3H
O89.2モル%〕を生成し、シュードモナス・シトロ
ネロリス DSM50332を培養すると乾燥菌体中7
5.3%の〔P(3HO−co−3HD)〕〔3HHx
93.8モル%,3HD6.2モル%〕を生成し、ま
た、シュードモナス・オレオボランス ATCC293
47を培養すると乾燥菌体中44.0%の〔P(3HH
x−co−3HO,3HD)〕〔3HHx5.4モル
%,3HO92.0モル%,3HD2.6モル%〕を生
成する。更に、炭素源としてグルコン酸を添加した栄養
塩培地で、例えばシュードモナス・メンドシナ DSM
50017を培養すると乾燥菌体中50.7%のP(3
HHx−co−3HO,3HD,3HDD)〔3HHx
4.3モル%,3HO29.8モル%,3HD61.9
モル%,3HDD4.2モル%〕を生成する。
Appl.Environ.Microbiol.Vo
l.56,No.11,p3360−3367(199
0)には、3−ヒドロキシヘキサノエートと3−ヒドロ
キシオクタノエートの共重合体〔P(3HHx−co−
3HO)〕等の3HB単位を持たない共重合体が微生物
によって生成されることが報告されている。すなわち、
炭素源としてオクタン酸を添加した栄養塩培地で、例え
ばシュードモナス・オーレオファシンス DSM500
82を培養すると乾燥菌体中18.0%の〔P(3HH
x−co−3HO)〕〔3HHx20.8モル%,3H
O89.2モル%〕を生成し、シュードモナス・シトロ
ネロリス DSM50332を培養すると乾燥菌体中7
5.3%の〔P(3HO−co−3HD)〕〔3HHx
93.8モル%,3HD6.2モル%〕を生成し、ま
た、シュードモナス・オレオボランス ATCC293
47を培養すると乾燥菌体中44.0%の〔P(3HH
x−co−3HO,3HD)〕〔3HHx5.4モル
%,3HO92.0モル%,3HD2.6モル%〕を生
成する。更に、炭素源としてグルコン酸を添加した栄養
塩培地で、例えばシュードモナス・メンドシナ DSM
50017を培養すると乾燥菌体中50.7%のP(3
HHx−co−3HO,3HD,3HDD)〔3HHx
4.3モル%,3HO29.8モル%,3HD61.9
モル%,3HDD4.2モル%〕を生成する。
【0005】これら生分解性の共重合体は加水分解性を
有し、土中や河川水中、海水中、生体内の微生物の作用
で二酸化炭素と水に分解され自然環境に戻るものであ
り、近年、地球環境保全に対する意識の高まりから注目
され、研究開発がなされ、実用化が検討されている。
有し、土中や河川水中、海水中、生体内の微生物の作用
で二酸化炭素と水に分解され自然環境に戻るものであ
り、近年、地球環境保全に対する意識の高まりから注目
され、研究開発がなされ、実用化が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、微生物
が生成する共重合体は、その理化学的性質が多岐にわた
っており、それぞれの使用目的に適合する共重合体の探
索が要求されている。
が生成する共重合体は、その理化学的性質が多岐にわた
っており、それぞれの使用目的に適合する共重合体の探
索が要求されている。
【0007】一方、共重合体の微生物による生産は、通
常の化学合成法による生産に比較して、培地成分が高価
である、微生物のポリマー生成速度が遅い、菌体中のポ
リマー含有率が低い等のため生産コストが高くなるとい
う欠点を有しており、この問題の解決が望まれていた。
常の化学合成法による生産に比較して、培地成分が高価
である、微生物のポリマー生成速度が遅い、菌体中のポ
リマー含有率が低い等のため生産コストが高くなるとい
う欠点を有しており、この問題の解決が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み鋭意検討した結果、千葉県佐倉市の土壌より分
離したシュードモナス属に属する細菌を培養すれば、3
HB単位を有しない共重合体が極めて高収率で得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
情に鑑み鋭意検討した結果、千葉県佐倉市の土壌より分
離したシュードモナス属に属する細菌を培養すれば、3
HB単位を有しない共重合体が極めて高収率で得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、シュードモナス属に
属し、乾燥菌体中に80〜95%下記理化学的性質、
(A)〜(E)を有する共重合体を産生する微生物を培
養し、該共重合体を採取することを特徴とする共重合体
の製造方法を提供するものである。
属し、乾燥菌体中に80〜95%下記理化学的性質、
(A)〜(E)を有する共重合体を産生する微生物を培
養し、該共重合体を採取することを特徴とする共重合体
の製造方法を提供するものである。
【0010】(A)構成成分及び組成 下記(a)、(b)、(c)及び(d); (a)下記式(1)及び/又は(2)及び/又は(3)で表わされる3−ヒド ロキシヘキサノエート単位(3HHx) 1〜40モル%、
【0011】
【化5】
【0012】 (b)下記式(4)及び/又は(5)及び/又は(6)で表わされる3−ヒド ロキシオクタノエート単位(3HO) 10〜95モル%、
【0013】
【化6】
【0014】 (c)下記式(7)及び/又は(8)及び/又は(9)で表わされる3−ヒド ロキシデカノエート単位(3HD) 0〜70モル%、
【0015】
【化7】
【0016】 (d)下記式(10)及び/又は(11)及び/又は(12)で表わされる3 −ヒドロキシドデカノエート単位(3HDD) 0〜40モル%、
【0017】
【化8】
【0018】からなる共重合体。 (B)数平均分子量 50,000〜1,000,000。 (C)融点 35〜70℃又は明確な融点を示さない。 (D)ガラス転移点 −20〜−50℃。 (E)溶解性 クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ン及びアセトンに可溶、水に不溶。
ン及びアセトンに可溶、水に不溶。
【0019】本発明は、更に上記共重合体を生成するシ
ュードモナス エスピー(Pseudomonas s
p.) 31−1株(微工研菌寄第13280号)を提
供するものである。
ュードモナス エスピー(Pseudomonas s
p.) 31−1株(微工研菌寄第13280号)を提
供するものである。
【0020】上記共重合体を生成する微生物の菌学的性
質は以下のとおりである。
質は以下のとおりである。
【0021】(1)形態学的性質 寒天培地、30℃、一夜培養で0.6〜0.8μm ×
1.7〜2.3μm の直状桿菌である。液体培地、30
℃、一夜培養で0.8〜1.1μm ×2.5〜5.7μ
m の直状桿菌である。べん毛染色で極毛が観察され、運
動性が認められる。多形性、胞子、グラム染色性及び抗
酸性は認められない。
1.7〜2.3μm の直状桿菌である。液体培地、30
℃、一夜培養で0.8〜1.1μm ×2.5〜5.7μ
m の直状桿菌である。べん毛染色で極毛が観察され、運
動性が認められる。多形性、胞子、グラム染色性及び抗
酸性は認められない。
【0022】(2)各種培地における生育状態 (イ)肉汁寒天平板培養 コロニーは平滑で周縁はやや粗造である。特徴的コロニ
ー色素、拡散性色素の産生は認められない。 (ロ)肉汁寒天斜面培地 菌苔は平滑で周縁はやや粗造である。特徴的コロニー色
素、拡散性色素の産生は認められない。 (ハ)肉汁液体培地 培地全体に生育が認められるが、表面皮膜は認められな
い。 (ニ)肉汁ゼラチン穿刺培養 培地の上部に生育が認められるが、液化は認められな
い。 (ホ)リトマスミルク アルカリの産生は認められるが、凝固は認められない。
ー色素、拡散性色素の産生は認められない。 (ロ)肉汁寒天斜面培地 菌苔は平滑で周縁はやや粗造である。特徴的コロニー色
素、拡散性色素の産生は認められない。 (ハ)肉汁液体培地 培地全体に生育が認められるが、表面皮膜は認められな
い。 (ニ)肉汁ゼラチン穿刺培養 培地の上部に生育が認められるが、液化は認められな
い。 (ホ)リトマスミルク アルカリの産生は認められるが、凝固は認められない。
【0023】(3)生理的性質 (イ)硝酸塩の還元 :陰性 (ロ)脱窒反応 :陰性 (ハ)MRテスト :陰性 (ニ)VPテスト :陰性 (ホ)インドールの生成 :陰性 (ヘ)硫化水素の生成 TSI寒天 :陰性 酢酸鉛寒天 :陰性 (ト)デンプンの加水分解 :陰性 (チ)クエン酸塩の利用 Koserの培地 :陽性 Christensenの培地:陽性 (リ)無機窒素源の利用 硝酸塩 :陽性 アンモニウム塩 :陽性 (ヌ)色素の生成 コロニー :陰性 水溶性 :陰性 (ル)ウレアーゼ :陰性 (ヲ)オキシダーゼ :陽性 (ワ)カタラーゼ :陽性 (カ)生育の範囲 pH :5.5〜9.0 温度 :−3〜36℃ (ヨ)酸素に対する態度 :好気性 (タ)O−Fテスト(Hugh Leifson法):
O (レ)糖類からの酸及びガスの生成 :表1に記載
O (レ)糖類からの酸及びガスの生成 :表1に記載
【0024】
【表1】
【0025】以上の菌学的性質から、この微生物はシュ
ードモナス属に属する菌であり、更に公知の菌株と比較
しても同じものが存しないため新規の菌株と判断し、シ
ュードモナス エスピー(Pseudomonas s
p.) 31−1と命名して、工業技術院微生物工業技
術研究所に微工研菌寄第13280号(FERM P−
13280)として寄託した。
ードモナス属に属する菌であり、更に公知の菌株と比較
しても同じものが存しないため新規の菌株と判断し、シ
ュードモナス エスピー(Pseudomonas s
p.) 31−1と命名して、工業技術院微生物工業技
術研究所に微工研菌寄第13280号(FERM P−
13280)として寄託した。
【0026】本発明の微生物は自然又は紫外線、X線、
化学薬剤等により変異を起す。従って、本発明の共重合
体の製造方法は、これら変異株を用いることもできる。
化学薬剤等により変異を起す。従って、本発明の共重合
体の製造方法は、これら変異株を用いることもできる。
【0027】本発明の菌株を用いて、本発明の共重合体
を製造する方法は、培地に該菌株を接種し、培養し、こ
の培養物より乾燥菌体中80〜95%を占める共重合体
を採取する方法である。この培地中には、資化し得る炭
素源、窒素源及びその他の栄養源を適当量含有せしめて
おく。これらは特に制限はないが、具体的には、炭素源
としてはオクタン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウ
ム、吉草酸、ブイヨン、シュクロース、デンプン、糖
蜜、アラビノース、ソルビトール、メタノール、二酸化
炭素等が挙げられ、窒素源としては塩化アンモニウム、
硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウムなどの無機窒素源の
他、酵母エキス、肉エキス、ペプトン、大豆粉、油粕な
どの有機窒素源も挙げることができ、その他の添加物と
しては、必要に応じてマグネシウム、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、マンガン、銅、モリブデン、亜鉛、
鉄等の金属塩、リン酸塩、硝酸塩、塩化物、炭酸塩等、
クエン酸ナトリウム等の有機酸塩が挙げられる。
を製造する方法は、培地に該菌株を接種し、培養し、こ
の培養物より乾燥菌体中80〜95%を占める共重合体
を採取する方法である。この培地中には、資化し得る炭
素源、窒素源及びその他の栄養源を適当量含有せしめて
おく。これらは特に制限はないが、具体的には、炭素源
としてはオクタン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウ
ム、吉草酸、ブイヨン、シュクロース、デンプン、糖
蜜、アラビノース、ソルビトール、メタノール、二酸化
炭素等が挙げられ、窒素源としては塩化アンモニウム、
硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウムなどの無機窒素源の
他、酵母エキス、肉エキス、ペプトン、大豆粉、油粕な
どの有機窒素源も挙げることができ、その他の添加物と
しては、必要に応じてマグネシウム、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、マンガン、銅、モリブデン、亜鉛、
鉄等の金属塩、リン酸塩、硝酸塩、塩化物、炭酸塩等、
クエン酸ナトリウム等の有機酸塩が挙げられる。
【0028】培養は好気的条件下で行うのが好ましく、
静置、振とう、通気攪拌培養のいずれも可能であるが、
振とうあるいは通気攪拌培養が有利である。培養温度は
約10〜36℃が好ましく、特に約20〜32℃が好適
である。また、培地のpHは約5.5〜9.0が適当であ
るが、特に6.5〜8.0が最適である。
静置、振とう、通気攪拌培養のいずれも可能であるが、
振とうあるいは通気攪拌培養が有利である。培養温度は
約10〜36℃が好ましく、特に約20〜32℃が好適
である。また、培地のpHは約5.5〜9.0が適当であ
るが、特に6.5〜8.0が最適である。
【0029】培養期間は培地の組成、温度等の培養条件
によって異なるが、通常約0.5〜6日程度、好ましく
は1〜3日程度である。
によって異なるが、通常約0.5〜6日程度、好ましく
は1〜3日程度である。
【0030】また、このとき主として菌体を増殖させる
前段の培養と、窒素及び/又はリンを制限して菌体内に
共重合体を生成、蓄積させる後段の培養との二段階によ
り培養したほうが、通常、共重合体の生成量が多くなる
ため好ましい。すなわち、上記の培養条件で前段の培養
を行い、得られた培養液から菌体を濾過あるいは遠心分
離のような手段で分離回収し、その菌体を後段の窒素及
び/又はリンを制限した培地での培養に移行させるか、
又は、前段の培養において窒素及び/又はリンを枯渇さ
せ、菌体を分離回収することなく、その培養液を後段の
培養に移行させてもよい。この後段の培養は培養液中に
窒素及び/又はリンを実質的に含有させない点でのみ前
段の培養と異なる。
前段の培養と、窒素及び/又はリンを制限して菌体内に
共重合体を生成、蓄積させる後段の培養との二段階によ
り培養したほうが、通常、共重合体の生成量が多くなる
ため好ましい。すなわち、上記の培養条件で前段の培養
を行い、得られた培養液から菌体を濾過あるいは遠心分
離のような手段で分離回収し、その菌体を後段の窒素及
び/又はリンを制限した培地での培養に移行させるか、
又は、前段の培養において窒素及び/又はリンを枯渇さ
せ、菌体を分離回収することなく、その培養液を後段の
培養に移行させてもよい。この後段の培養は培養液中に
窒素及び/又はリンを実質的に含有させない点でのみ前
段の培養と異なる。
【0031】以上の培養における培地のオクタン酸ナト
リウム等の炭素源の量は、共重合体を生成させることが
でき、かつ、微生物の生育を阻害しない量であればよい
が、共重合体を構成するモノマーユニットの種類あるい
はモノマーユニット数の割合により変化させることが好
ましい。通常は培養液1lあたり1〜100g程度、好
ましくは5〜30g程度である。
リウム等の炭素源の量は、共重合体を生成させることが
でき、かつ、微生物の生育を阻害しない量であればよい
が、共重合体を構成するモノマーユニットの種類あるい
はモノマーユニット数の割合により変化させることが好
ましい。通常は培養液1lあたり1〜100g程度、好
ましくは5〜30g程度である。
【0032】上記により培養された培養物中から、濾過
あるいは遠心分離などの通常の手段によって菌体を分離
回収し、この菌体を洗浄、乾燥して乾燥菌体を得る。菌
体の収量は1〜10g/l程度である。この菌体から目
的の共重合体を採取するには、常法により、例えばクロ
ロホルムのような有機溶剤で生成した共重合体を抽出
し、例えば共重合体を溶解しにくいメタノール、ヘキサ
ンなど貧溶媒を加えて上記共重合体を沈澱させる。
あるいは遠心分離などの通常の手段によって菌体を分離
回収し、この菌体を洗浄、乾燥して乾燥菌体を得る。菌
体の収量は1〜10g/l程度である。この菌体から目
的の共重合体を採取するには、常法により、例えばクロ
ロホルムのような有機溶剤で生成した共重合体を抽出
し、例えば共重合体を溶解しにくいメタノール、ヘキサ
ンなど貧溶媒を加えて上記共重合体を沈澱させる。
【0033】かくして得られた共重合体は3HHx及び
3HO、更に場合により3HD及び3HDDのモノマー
ユニットがエステル結合した前記理化学的性質を有する
共重合体である。各モノマーユニットの割合及び分子量
は、オクタン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムなど
の炭素源の種類や濃度を変えることによって、制御する
ことができる。
3HO、更に場合により3HD及び3HDDのモノマー
ユニットがエステル結合した前記理化学的性質を有する
共重合体である。各モノマーユニットの割合及び分子量
は、オクタン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムなど
の炭素源の種類や濃度を変えることによって、制御する
ことができる。
【0034】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】実施例1保存菌株の復元と予備培養 凍結保存したシュードモナス エスピー 31−1株
(微工研菌寄第13280号)を室温で解凍し、1%グ
ルコース添加ブイヨン培地に植菌して、30℃、24時
間培養し復元した。この復元菌株を1%グルコース添加
ブイヨン液体培地5mlに植菌し、30℃、24時間往復
振とう培養した。前段培養 下記に示す組成の培地を2lジャーファメンターに入
れ、予備培養した前記シュードモナス エスピー 31
−1株を30℃で20時間好気培養した。
(微工研菌寄第13280号)を室温で解凍し、1%グ
ルコース添加ブイヨン培地に植菌して、30℃、24時
間培養し復元した。この復元菌株を1%グルコース添加
ブイヨン液体培地5mlに植菌し、30℃、24時間往復
振とう培養した。前段培養 下記に示す組成の培地を2lジャーファメンターに入
れ、予備培養した前記シュードモナス エスピー 31
−1株を30℃で20時間好気培養した。
【0036】
【表2】 (培地組成) NH4Cl 0.4g KH2PO4 2.7g NaH2PO4 3.2g MgSO4 0.2g ミネラル溶液* 1.0ml 蒸留水 1,000ml pH 7.0
【0037】
【表3】 *:次の成分を含む CoCl 119.0mg CaCl2 7.8mg CrCl2 62.2mg FeCl3・6H2O 9.7mg NiCl3 118.0mg CuSO4 156.0mg 0.1N-HCl水溶液 1.0l
【0038】後段培養 次に、前段培養を行った培地組成と同じ培地に炭素源と
してオクタン酸ナトリウム5g/l培地を加えた培地
で、30℃で30時間好気培養した。pHは無調整で7.
0〜7.5であった。菌体の分離 得られた培養物から遠心分離(10,000rpm )によ
って、菌体を分離した。次に、得られた菌体を凍結乾燥
し乾燥菌体8.0g/lを得た。共重合体の分離・精製 得られた乾燥菌体にクロロホルム(ウォーターバス90
℃)を加え共重合体を抽出して濃縮し、これにメタノー
ルを加えて共重合体を沈澱させた後、上澄のメタノール
を取り除き、真空乾燥機で乾燥し、乾燥菌体中88%の
共重合体(1)を得た。共重合体(1)の理化学的性質 以上のようにして得られた共重合体(1)の組成、数平
均分子量、融点、ガラス転移点及び溶解性を下記により
測定した。
してオクタン酸ナトリウム5g/l培地を加えた培地
で、30℃で30時間好気培養した。pHは無調整で7.
0〜7.5であった。菌体の分離 得られた培養物から遠心分離(10,000rpm )によ
って、菌体を分離した。次に、得られた菌体を凍結乾燥
し乾燥菌体8.0g/lを得た。共重合体の分離・精製 得られた乾燥菌体にクロロホルム(ウォーターバス90
℃)を加え共重合体を抽出して濃縮し、これにメタノー
ルを加えて共重合体を沈澱させた後、上澄のメタノール
を取り除き、真空乾燥機で乾燥し、乾燥菌体中88%の
共重合体(1)を得た。共重合体(1)の理化学的性質 以上のようにして得られた共重合体(1)の組成、数平
均分子量、融点、ガラス転移点及び溶解性を下記により
測定した。
【0039】
【表4】 組 成:1H−NMRスペクトル,13C−NMRスペク
トル 分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GP
C)測定(日立製作所製L−6200,データ処理装置
D−2520) 融 点:示差走査熱量計(DSC)測定(10℃/min
)(島津製作所製DSC−50) ガラス転移点:示差走査熱量計(DSC)測定(20℃
/min ) 溶解性:各種溶剤に対する溶解性
トル 分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GP
C)測定(日立製作所製L−6200,データ処理装置
D−2520) 融 点:示差走査熱量計(DSC)測定(10℃/min
)(島津製作所製DSC−50) ガラス転移点:示差走査熱量計(DSC)測定(20℃
/min ) 溶解性:各種溶剤に対する溶解性
【0040】測定結果を併せて表5に示す。乾燥菌体中
の共重合体(1)は88%の高含有率であった。共重合
体(1)の溶解性はクロロホルム、ジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタン、アセトンに可溶で、水に不溶
であった。共重合体(1)はゴム状であった。また、1
00MHz 13C−NMRスペクトルを図1に、500
MHz 1H−NMRスペクトルを図2に、GPC測定チ
ャートを図3に、DSC測定チャートを図4に示す。
の共重合体(1)は88%の高含有率であった。共重合
体(1)の溶解性はクロロホルム、ジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタン、アセトンに可溶で、水に不溶
であった。共重合体(1)はゴム状であった。また、1
00MHz 13C−NMRスペクトルを図1に、500
MHz 1H−NMRスペクトルを図2に、GPC測定チ
ャートを図3に、DSC測定チャートを図4に示す。
【0041】実施例2 後段の培養にて、炭素源としてオクタン酸ナトリウム1
2g/l培地とした以外は実施例1と同様に行った。
2g/l培地とした以外は実施例1と同様に行った。
【0042】測定結果を併せて表5に示す。乾燥菌体中
の共重合体(2)は93%の高含有率であった。また、
共重合体(2)の溶解性はクロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、アセトンに可溶で、水に
不溶であった。共重合体(2)はゴム状であった。
の共重合体(2)は93%の高含有率であった。また、
共重合体(2)の溶解性はクロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、アセトンに可溶で、水に
不溶であった。共重合体(2)はゴム状であった。
【0043】実施例3 培養を前段、後段の二段階に分けることなく、実施例1
の前段培養のときに、炭素源としてオクタン酸ナトリウ
ム5g/l培地を加え72時間培養し、後段培養を行わ
なかった以外は、実施例1と同様に行った。
の前段培養のときに、炭素源としてオクタン酸ナトリウ
ム5g/l培地を加え72時間培養し、後段培養を行わ
なかった以外は、実施例1と同様に行った。
【0044】測定結果を併せて表5に示す。乾燥菌体中
の共重合体(3)は83%の高含有率であった。共重合
体(3)の溶解性はクロロホルム、ジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタン、アセトンに可溶で、水に不溶
であった。共重合体(3)はゴム状であった。
の共重合体(3)は83%の高含有率であった。共重合
体(3)の溶解性はクロロホルム、ジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタン、アセトンに可溶で、水に不溶
であった。共重合体(3)はゴム状であった。
【0045】実施例4 前段培養及び後段培養の培地の組成中NH4Clを0.5g
/l培地とし、後段培養の培地に炭素源としてオクタン
酸ナトリウムに変えて、グルコン酸ナトリウム15g/
l培地を加えた以外は実施例1と同様に行った。
/l培地とし、後段培養の培地に炭素源としてオクタン
酸ナトリウムに変えて、グルコン酸ナトリウム15g/
l培地を加えた以外は実施例1と同様に行った。
【0046】測定結果を併せて表5に示す。乾燥菌体中
の共重合体(4)は80%の高含有率であった。共重合
体(4)の溶解性はクロロホルム、ジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタン、アセトンに可溶で、水に不溶
であった。共重合体(4)はドロドロした油状であっ
た。また、100MHz 13C−NMRスペクトルを図
5に、500MHz 1H−NMRスペクトルを図6に、
GPC測定チャートを図7に、DSC測定チャートを図
8に示す。
の共重合体(4)は80%の高含有率であった。共重合
体(4)の溶解性はクロロホルム、ジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタン、アセトンに可溶で、水に不溶
であった。共重合体(4)はドロドロした油状であっ
た。また、100MHz 13C−NMRスペクトルを図
5に、500MHz 1H−NMRスペクトルを図6に、
GPC測定チャートを図7に、DSC測定チャートを図
8に示す。
【0047】
【表5】
【0048】
【発明の効果】本発明の製造方法により、乾燥菌体中8
0〜95%を占める高含有率のモノマーユニット3HH
x、3HO、3HD及び3HDDからなる共重合体を得
ることができる。これにより、従来の製造方法に比し、
生産コストを著しく低減せしめることが可能であり、工
業的メリットは大である。更に、本発明により得られる
共重合体は医薬品、食品、衛生用品、農園芸品、包装材
料等、広範な分野での応用が期待される。
0〜95%を占める高含有率のモノマーユニット3HH
x、3HO、3HD及び3HDDからなる共重合体を得
ることができる。これにより、従来の製造方法に比し、
生産コストを著しく低減せしめることが可能であり、工
業的メリットは大である。更に、本発明により得られる
共重合体は医薬品、食品、衛生用品、農園芸品、包装材
料等、広範な分野での応用が期待される。
【図1】実施例1で得られた共重合体の100MHzで
の13C−NMRスペクトルを示す図面である。
の13C−NMRスペクトルを示す図面である。
【図2】実施例1で得られた共重合体の500MHzで
の1H−NMRスペクトルを示す図面である。
の1H−NMRスペクトルを示す図面である。
【図3】実施例1で得られた共重合体のGPC測定チャ
ートを示す図面である。
ートを示す図面である。
【図4】実施例1で得られた共重合体のDSC測定チャ
ートを示す図面である。
ートを示す図面である。
【図5】実施例4で得られた共重合体の100MHzで
の13C−NMRスペクトルを示す図面である。
の13C−NMRスペクトルを示す図面である。
【図6】実施例4で得られた共重合体の400MHzで
の1H−NMRスペクトルを示す図面である。
の1H−NMRスペクトルを示す図面である。
【図7】実施例4で得られた共重合体のGPC測定チャ
ートを示す図面である。
ートを示す図面である。
【図8】実施例4で得られた共重合体のDSC測定チャ
ートを示す図面である。
ートを示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/20 C12R 1:38) (72)発明者 平野 元三 千葉県四街道市鷹の台1丁目3番 株式会 社日本製鋼所内
Claims (2)
- 【請求項1】 シュードモナス属に属し、乾燥菌体中に
80〜95%下記理化学的性質(A)〜(E)を有する
共重合体を産生する微生物を培養し、該共重合体を採取
することを特徴とする共重合体の製造方法。 (A)構成成分及び組成 下記(a)、(b)、(c)及び(d); (a)下記式(1)及び/又は(2)及び/又は(3)で表わされる3−ヒド ロキシヘキサノエート単位 1〜40モル%、 【化1】 (b)下記式(4)及び/又は(5)及び/又は(6)で表わされる3−ヒド ロキシオクタノエート単位 10〜95モル%、 【化2】 (c)下記式(7)及び/又は(8)及び/又は(9)で表わされる3−ヒド ロキシデカノエート単位 0〜70モル%、 【化3】 (d)下記式(10)及び/又は(11)及び/又は(12)で表わされる3 −ヒドロキシドデカノエート単位 0〜40モル%、 【化4】 からなる共重合体。 (B)数平均分子量 50,000〜1,000,000。 (C)融点 35〜70℃又は明確な融点を示さない。 (D)ガラス転移点 −20〜−50℃。 (E)溶解性 クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ン及びアセトンに可溶、水に不溶。 - 【請求項2】 請求項1記載の共重合体を生成するシュ
ードモナス エスピー(Pseudomonas s
p.) 31−1株(微工研菌寄第13280号)。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5184142A JPH0731490A (ja) | 1993-07-26 | 1993-07-26 | 共重合体の製造方法及び該共重合体を生成する微生物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5184142A JPH0731490A (ja) | 1993-07-26 | 1993-07-26 | 共重合体の製造方法及び該共重合体を生成する微生物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0731490A true JPH0731490A (ja) | 1995-02-03 |
Family
ID=16148109
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5184142A Pending JPH0731490A (ja) | 1993-07-26 | 1993-07-26 | 共重合体の製造方法及び該共重合体を生成する微生物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0731490A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003048969A (ja) * | 2001-05-31 | 2003-02-21 | Canon Inc | [(置換フェニル)メチル]スルファニル構造を側鎖に有するユニットを含む新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法 |
| JP2004315782A (ja) * | 2002-10-24 | 2004-11-11 | Canon Inc | 新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法;それを含む樹脂組成物、それを用いた成形品の製造方法;新規なポリヒドロキシアルカノエートを含有する荷電制御剤、該荷電制御剤を用いたトナー;前記樹脂組成物を含むバインダー樹脂;前記トナーを用いた画像形成方法および画像形成装置 |
| JP2009171883A (ja) * | 2008-01-23 | 2009-08-06 | Agri Bioindustry:Kk | ポリヒドロキシアルカノエートおよびポリヒドロキシアルカノエートの製造方法 |
| JP2022514244A (ja) * | 2018-12-20 | 2022-02-10 | ロレアル | 油性媒体中にポリヒドロキシアルカノエートを含む化粧用組成物 |
-
1993
- 1993-07-26 JP JP5184142A patent/JPH0731490A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003048969A (ja) * | 2001-05-31 | 2003-02-21 | Canon Inc | [(置換フェニル)メチル]スルファニル構造を側鎖に有するユニットを含む新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法 |
| JP2004315782A (ja) * | 2002-10-24 | 2004-11-11 | Canon Inc | 新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法;それを含む樹脂組成物、それを用いた成形品の製造方法;新規なポリヒドロキシアルカノエートを含有する荷電制御剤、該荷電制御剤を用いたトナー;前記樹脂組成物を含むバインダー樹脂;前記トナーを用いた画像形成方法および画像形成装置 |
| JP2009171883A (ja) * | 2008-01-23 | 2009-08-06 | Agri Bioindustry:Kk | ポリヒドロキシアルカノエートおよびポリヒドロキシアルカノエートの製造方法 |
| JP2022514244A (ja) * | 2018-12-20 | 2022-02-10 | ロレアル | 油性媒体中にポリヒドロキシアルカノエートを含む化粧用組成物 |
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