JPH07317006A - 半たわみ性舗装構造物およびその施工法 - Google Patents

半たわみ性舗装構造物およびその施工法

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JPH07317006A
JPH07317006A JP10685994A JP10685994A JPH07317006A JP H07317006 A JPH07317006 A JP H07317006A JP 10685994 A JP10685994 A JP 10685994A JP 10685994 A JP10685994 A JP 10685994A JP H07317006 A JPH07317006 A JP H07317006A
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semi
pavement structure
resin
flexible pavement
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JP10685994A
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English (en)
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Masaaki Uryu
雅昭 瓜生
Shizuo Shimooka
静夫 下岡
雅敏 ▲吉▼田
Masatoshi Yoshida
博俊 ▲吉▼田
Hirotoshi Yoshida
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YOSHIDA DORO KK
Kanebo NSC KK
Original Assignee
YOSHIDA DORO KK
Kanebo NSC KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低温下での硬化性に優れ、硬化時間および養生
時間が短く、圧縮強度,曲げ強度,耐摩耗性等の耐久性
に優れた半たわみ性舗装構造物を提供する。 【構成】下地面4に対して開粒度アスファルトコンクリ
ート1が敷設され、このアスファルトコンクリート中の
空隙が存在する層の少なくとも一部が、下記の(A)〜
(E)成分を含有する浸透層2に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アスファルトコンクリ
ートのたわみ性と、セメントコンクリートの剛性の二つ
の特性を備えた半たわみ性舗装構造物およびその施工法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、道路等の舗装材として、施工
性やコスト的見地からアスファルトコンクリートが汎用
されている。また、このアスファルトコンクリートは、
たわみ性にも優れているため、特に、橋梁道路等のたわ
みが発生するような道路に賞用されている。しかし、こ
のアスファルトコンクリートは、たわみ性に優れる反面
剛性に劣るため、大形車両が走行する産業道路や飛行場
等の大きな重量がかかるような道路等の舗装に用いる
と、短期間でわだち堀れ等が発生し、路面の平滑性が損
なわれるという問題を有する。一方、アスファルトコン
クリートと逆の性質を有する舗装材として、セメントコ
ンクリートがあげられる。すなわち、このセメントコン
クリートは、剛性に優れるため、上記わだち堀れ等が発
生しにくい舗装材である。しかし、たわみ性に劣るた
め、このセメントコンクリートを橋梁道路等のたわみが
発生するような場所の舗装に用いると、ひび割れ等の損
傷が発生するという問題がある。
【0003】そこで、アスファルトコンクリートのたわ
み性と、セメントコンクリートの剛性とを兼ね備えた半
たわみ性舗装構造物が提案され一部で実施されている。
これは、開粒度アスファルトコンクリートを基体とし、
このアスファルトコンクリート中の空隙の一部あるいは
全部に、ゴムラッテクス,セメント,細粒骨材,水等か
らなるセメント組成物を浸透硬化させて浸透層を形成し
たものである。このようにアスファルトコンクリート中
の空隙に浸透層を形成すると、開粒度アスファルトコン
クリート中の骨材が、上記浸透層により相互に結合され
るため、アスファルトコンクリートに剛性が付与される
ようになる。また、基体が、大きな骨材を用いた開粒度
アスファルトコンクリートであるため、たわみ性も備え
ている。このような半たわみ性舗装構造物は、わだち堀
れやひび割れ等の損傷が発生しにくいため、大きな重量
がかかる産業道路や飛行場等およびたわみが発生する橋
梁道路等はもちろん、一般道路,駐車場,倉庫の床,遊
歩道,公園道路等の種々舗装対象においても積極的に採
用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
半たわみ性舗装構造物は、つぎの問題を有する。すなわ
ち、この半たわみ性舗装構造物の浸透層の形成に用いら
れるセメント組成物は、硬化および養生に長時間を必要
とするため、半たわみ性舗装構造物の施工期間が長期化
していた。このため、例えば、一般道路に半たわみ性舗
装構造物を施工する場合、交通を遮断して実施される
が、上記のように施工に長時間を必要とするため、遮断
した交通の開放にも長時間を要し、この結果、交通渋滞
を招いていた。また、上記セメント組成物は、低温下で
の硬化性がわるく、冬季の施工が困難であった。そし
て、従来の半たわみ性舗装構造物は、ある程度の曲げ強
度および圧縮強度を備えているが、最近の、道路や建造
物の高度化,複雑化および用途の多様化等にともない、
より高い曲げ強度および圧縮強度が要求されている。こ
のため、アスファルトコンクリート全体にセメント組成
物からなる浸透層を形成して半たわみ性舗装構造物を作
製することが行われているが、このようにしても従来の
半たわみ性舗装構造物の圧縮強度や曲げ強度は、現在の
状況においては充分なものとはいえない。また、従来の
半たわみ性舗装構造物は、耐摩耗性等の耐久性がわるい
ため、寿命が短いという問題もある。
【0005】上記施工時間の問題を解決するために、作
業性の改善を主目的とした半たわみ性舗装構造物用セメ
ント組成物(特開平3−295905号公報)や、半た
わみ性舗装構造物用の舗装材(特開平5−1401号公
報)が提案されている。これらのセメント組成物や舗装
材を用いれば、作業性が向上するため、アスファルトコ
ンクリート中へのセメント組成物の充填浸透等の作業時
間は、ある程度短縮されるようになる。しかし、施工時
間の殆どを占める浸透層形成の際の硬化時間や養生時間
の改善はなされていないため、結局、従来と同様の長時
間の施工時間を必要とする。したがって、交通開放まで
の時間は、従来通りの長時間を必要とし、これにより発
生する交通渋滞等の問題は解決されていない。そして、
上記の方法においては、セメント組成物の低温下での硬
化性の改善、および半たわみ性舗装構造物の圧縮強度や
曲げ強度、耐摩耗性等の耐久性の向上もなされていな
い。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、低温下での硬化性に優れ、硬化時間および養生
時間が短く、圧縮強度,曲げ強度,耐摩耗性等の耐久性
に優れた半たわみ性舗装構造物およびその施工法の提供
をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の半たわみ性舗装構造物およびその施工法
は、下地面に対し開粒度アスファルトコンクリートが敷
設され、このアスファルトコンクリート中の空隙が存在
する層の少なくとも一部が、下記の(A)〜(E)成分
を含有する浸透層に形成されている半たわみ性舗装構造
物を第1の要旨とする。 (A) 重合性不飽和モノマー。 (B) ビニルエステル樹脂。 (C) 空気酸化機能を有する成分。 (D) 重合開始剤。 (E) 骨材。
【0008】そして、下地面に対し開粒度アスファルト
コンクリートを敷設する工程と、このアスファルトコン
クリート中の空隙が存在する層の少なくとも一部に下記
の(A)〜(E)成分を含有する樹脂組成物を浸透させ
て浸透層を形成する工程とを備えた半たわみ性舗装構造
物の施工法を第2の要旨とする。 (A) 重合性不飽和モノマー。 (B) ビニルエステル樹脂。 (C) 空気酸化機能を有する成分。 (D) 重合開始剤。 (E) 骨材。
【0009】
【作用】上記課題を解決するために、本発明者等は、一
連の研究を重ねた。その過程で、開粒度アスファルトコ
ンクリート中の浸透層の形成に用いられるセメント組成
物に代えて、硬化時間が短いアクリル系樹脂を主成分と
する特殊な樹脂組成物を用いるという着想を得た。その
結果、この樹脂組成物を用いて半たわみ性舗装構造物を
作製すれば、浸透層形成の際の硬化,養生時間が短時間
となって半たわみ性舗装構造物の施工時間が著しく短縮
化されることを突き止めた。また、上記樹脂組成物は、
低温での硬化性も優れているため、この樹脂組成物を用
いれば冬季のような低温条件下でも半たわみ性舗装構造
物の施工が可能となることも突き止めた。そして、この
特殊な樹脂組成物は、接着力が強いため、この樹脂組成
物を用いて浸透層を形成した半たわみ性舗装構造物は、
耐摩耗性等の耐久性が優れるようになり、また開粒度ア
スファルトコンクリート全体に浸透層を形成すれば、半
たわみ性舗装構造物の圧縮強度および曲げ強度が優れる
ようになることを見出し、上記知見と併せて本発明に到
達した。本発明により、優れたたわみ性および剛性を備
えた長寿命の半たわみ性舗装構造物を短時間で施工する
ことが可能となる。
【0010】つぎに、本発明について詳しく説明する。
【0011】本発明の半たわみ性舗装構造物は、下地面
に対し、半たわみ性舗装構造物の基体となる開粒度アス
ファルトコンクリート(以下「アスコン」と略す)を敷
設し、このアスコン中の空隙が存在する層に、特殊な樹
脂組成物を浸透硬化させて浸透層を形成したものであ
る。なお、本発明において、アスコン中の空隙が存在す
る層とは、アスコン中の骨材間の空隙が存在する層だけ
でなく、凹部が存在するアスコン表面層も含む趣旨であ
る。したがって、本発明において、浸透層は、アスコン
中に形成される浸透層だけでなく、上記樹脂組成物によ
りアスコンの表面上に形成される樹脂組成物層も含む趣
旨である。これは、後述のように、アスコンの浸透層の
形成は、一般に、アスコン表面からの樹脂組成物の塗工
により行われ、このようにすると、必然的にアスコン表
面にも樹脂組成物層が形成されるからである。また、本
発明では、浸透層を形成するのは、アスコン中の空隙が
存在する層の一部または全部である。
【0012】上記アスコンは、骨材をアスファルトで結
合させたもので、半たわみ性舗装物の基体となるもので
ある。このアスコンとしては、いわゆる開粒度アスコン
とよばれる、粒径の大きい骨材を用いたアスコンが用い
られる。すなわち、骨材の粒径が大きいと、それだけ空
隙が多くなり、得られる半たわみ性舗装構造物のたわみ
性が優れるようになるからである。
【0013】上記骨材としては、特に制限するものでは
なく、アスコンに通常使用される骨材を用いることがで
き、例えば、川砂,海砂,山砂,川砂利,海砂利、山砂
利,硅砂,砕石等があげられる。
【0014】そして、上記骨材の平均粒度は、2〜30
mm,好ましくは2〜20mm,特に好ましくは3〜1
5mmの範囲である。すなわち、2mm未満であると、
得られる半たわみ性舗装構造物のたわみ性が劣る傾向が
あるからである。また、30mmを超えると、アスコン
の空隙率が増加し、浸透層を形成するための樹脂組成物
を大量に必要とするため、コスト高となる傾向があるか
らである。上記のように、骨材の粒度が、2〜30mm
の範囲であれば、剛性を損なうことなくたわみ性が著し
く向上するようになる。
【0015】上記アスファルトは、上記骨材を相互に結
合させるバインダーとして使用されるものである。この
ような、アスファルトとしては、特に制限するものでは
なく、ストレートアスファルト,カットバックアスファ
ルト等があげられる。
【0016】つぎに、上記アスコン中の空隙の浸透層の
形成に用いられる特殊な樹脂組成物について説明する。
この樹脂組成物は、上記アスコンに剛性を付与する目的
で使用されるものであり、重合性不飽和モノマー(A成
分),ビニルエステル樹脂(B成分),空気酸化機能を
有する成分(C成分),重合開始剤(D成分),骨材
(E成分)を含有している。
【0017】上記A成分である重合性不飽和モノマーと
しては、アクリル酸エステルモノマーおよびメタクリル
酸エステルモノマーがあげられる。
【0018】アクリル酸エステルモノマーとしては、ア
クリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸n−ブ
チル,アクリル酸i−ブチル,アクリル酸t−ブチル,
アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル等の炭素数が1〜18のアルキル,アラルキ
ル,ヒドロキシアルキル,アミノアルキル,シアノアル
キル等とアクリル酸とのエステルがあげられる。
【0019】メタクリル酸エステルモノマーとしては、
炭素数が1〜18のアルキル,アラルキル,ヒドロキシ
アルキル,アミノアルキル,シアノアルキル等とメタク
リル酸とのエステルがあげられる。具体的には、例え
ば、メタクリル酸メチル,メタクリル酸ラウリルがあげ
られる。
【0020】上記アクリル酸エステルモノマーおよびメ
タクリル酸エステルモノマーは、単独でまたは2種類以
上併用することができる。好ましくは、たわみ性の見地
から、ポリマーとしたときのガラス転移温度が高いもの
(約60℃)、例えば、メタクリル酸メチルやメタクリ
ル酸エチルと、ポリマーとしたときのガラス転移温度の
低いもの(約10℃)、例えば、アクリル酸2−エチル
ヘキシルやアクリル酸n−ブチルとを併用することであ
る。
【0021】このような重合性不飽和モノマー(A成
分)の配合割合は、浸透層施工時の諸条件により適宜決
定されるものであるが、一般に、A成分〜E成分全体の
20〜60重量%(以下「%」と略す)、好ましくは2
5〜50%、特に好ましくは30〜45%の範囲であ
る。すなわち、重合性不飽和モノマー(A成分)の配合
割合が20%未満であると、硬化時間や養生時間が長く
なるおそれがあり、また60%を超えると、アスコン基
体の溶融(カットバック)が発生するおそれがあるから
である。
【0022】つぎに、上記B成分であるビニルエステル
樹脂としては、以下の2種類の樹脂(a),(b)をあ
げることができる。 (a) 分子末端にアクリレート基およびメタクリレー
ト基の少なくとも一つの基を有するエポキシアクリレー
ト。 (b) 分子末端にアクリレート基およびメタクリレー
ト基の少なくとも一つの基を有するポリエステルアクリ
レート。
【0023】上記(a)の分子末端にアクリレート基お
よびメタクリレート基の少なくとも一つの基を有するエ
ポキシアクリレートは、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸
とをエステル化触媒の存在下で反応させて得られるエポ
キシビニルエステルである。上記エポキシ樹脂として
は、ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂単独またはビ
スフェノールタイプのエポキシ樹脂とノボラックタイプ
のエポキシ樹脂とを混合した樹脂が使用される。このエ
ポキシ樹脂としては、平均エポキシ当量が、150〜4
50のものを使用することが好ましい。
【0024】上記ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂
としては、例えば、以下の3種類のエポキシ樹脂があげ
られる。 エピクロルヒドリンとビスフェノールAもしくはビ
スフェノールFとの反応により得られる、1分子中に2
個以上のエポキシ基を有するグリシジルエーテル型のエ
ポキシ樹脂。 メチルエピクロルヒドリンとビスフェノールAもし
くはビスフェノールFとの反応により得られるジメチル
グリシジルエーテル型のエポキシ樹脂。 ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物と
エピクロルヒドリンもしくはメタエピクロルヒドリンと
を反応させて得られるエポキシ樹脂。
【0025】上記ノボラックタイプのエポキシ樹脂とし
ては、フェノールノボラックまたはクレゾールノボラッ
クとエピクロルヒドリンまたはメチルエピクロルヒドリ
ンとの反応により得られるエポキシ樹脂、臭素化フェノ
ールノボラックまたは臭素化クレゾールノボラックとエ
ピクロルヒドリンまたはメチルエピクロルヒドリンとの
反応により得られるエポキシ樹脂があげられる。これら
のエポキシ樹脂は、硬化収縮の低減,耐熱性,耐薬品性
に優れるため、目的,用途により、ビスフェノールタイ
プのエポキシ樹脂と適量で混合して用いられる。また、
この配合割合は、適宜選択して設定することができる。
【0026】上記不飽和一塩基酸としては、例えば、ア
クリル酸,メタクリル酸,クロトン酸,モノメチルマレ
ート,モノプロピルマレート,ソルビン酸,モノ(2−
エチルヘキシル)マレートがあげられる。これら不飽和
一塩基酸は、単独であるいは2種類以上併用できる。
【0027】上記不飽和一塩基酸としては、物性,経済
性の見地から、アクリル酸,メタクリル酸が好ましい。
また、上記エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応は、
通常、温度が、60〜140℃,好ましくは80〜12
0℃で、触媒の存在下で反応させることが好ましい。ま
た、この反応により得られるエポキシアクリレートにお
いて、数平均分子量は、900〜2500、好ましくは
1200〜2300の範囲に調整する。すなわち、数平
均分子量が、900未満であると、得られる樹脂硬化物
の物性が低下するおそれがあり、逆に、2500を超え
ると硬化時間が長くなって作業性の低下を来すおそれが
あるからである。
【0028】つぎに、他のビニルエステル樹脂である上
記(b)の分子末端にアクリレート基およびメタクリレ
ート基の少なくとも一つの基を有するポリエステルアク
リレートとしては、アクリレート基およびメタクリレー
ト基の少なくとも一つの基を1分子中に有する飽和ある
いは不飽和のポリエステルがあげられる。また、このポ
リエステルと、アクリル酸エステルモノマーやメタクリ
ル酸エステルモノマーの重合性不飽和モノマーとの混合
液があげられる。好ましくは、両分子末端にカルボキシ
ル基を有する飽和および/または不飽和ポリエステルに
不飽和グリシジル化合物を反応させて得られる両分子末
端にアクリレート基および/またはメタクリレート基を
有するポリエステルアクリレートである。
【0029】上記飽和あるいは不飽和ポリエステルは、
グリコール成分あるいはトリオール成分と、二塩基酸あ
るいは三塩基酸とのエステル反応により得られるもので
ある。なお、必要に応じて、モノエポキサイド化合物,
エポキシ化合物,イソシアネート化合物等を併用しても
よい。
【0030】上記グリコール成分としては、以下のグリ
コール類があげられる。 エチレングリコール,プロピレングリコール,ブチ
レングリコール等のアルキレングリコール類。 ジエチレングリコール,ポリエチレングリコール,
ジプロピレングリコール,ポリプロピレングリコール等
のポリアルキレングリコール類。 ビスフェノールA,ビスフェノールF,ビスフェノ
ールS等の2価フェノールと、エチレンオキサイドやプ
ロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの付加
反応生成物。
【0031】上記トリオールとしては、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,
2,6−ヘキサントリオール等があげられる。
【0032】そして、二塩基酸には酸無水物も含まれ、
このような二塩基酸あるいは酸無水物としては、i−フ
タル酸,o−フタル酸,テトラヒドロ無水フタル酸,ヘ
キサヒドロ無水フタル酸,テトラクロルフタル酸,マロ
ン酸,コハク酸,アジピン酸,マレイン酸,無水マレイ
ン酸等があげられる。
【0033】上記三塩基酸としては、トリメット酸、ア
コニット酸、ブタントリカルボン酸、6−カルボキシ−
3−メチル−1,2,3,6ヘキサヒドロフタル酸等が
あげられる。
【0034】そして、これらグリコールおよびトリオー
ルと、二塩基酸および三塩基酸との好ましい組み合わせ
としては、グリコールおよびトリオールと二塩基酸との
組合わせ、トリオールと二塩基酸との組合わせ、グリコ
ールと二塩基酸との組合わせである。これら組合わせに
より得られるポリエステルポリアクリレートにより、得
られる樹脂硬化物のたわみ性や強靱性が優れるようにな
る。
【0035】このようなビニルエステル樹脂(B成分)
の配合割合は、浸透層施工時の諸条件により適宜決定さ
れるものであるが、一般に、A成分〜E成分全体の25
〜75%、好ましくは30〜70%、特に好ましくは4
0〜60%の範囲である。すなわち、ビニルエステル樹
脂(B成分)の配合割合が25%未満であると、たわみ
性および硬化物性の低下の傾向があり、また75%を超
えると、作業性の低下,硬化速度の低下の傾向があるか
らである。
【0036】つぎに、上記空気酸化機能を有する成分
(C成分)について説明する。
【0037】上記C成分である空気酸化機能を有する成
分とは、空気存在下で硬化反応を起こす成分を意味す
る。そして、本発明では、この空気酸化機能を有する成
分を導入した樹脂(以下「空気酸化機能成分含有樹脂」
という)も、空気酸化機能を有する成分(C成分)に含
める趣旨である。
【0038】この空気酸化機能を有する成分(C成分)
を用いる理由は、つぎのとおりである。上記重合性不飽
和モノマー(A成分)は、前述のように、アスコンのカ
ットバックを発生させる。したがって、浸透層形成用樹
脂組成物中の重合性不飽和モノマー(A成分)の濃度を
できる限り低くする必要がある。しかし、重合性不飽和
モノマー(A成分)の濃度を低くすると、空気存在下で
は、樹脂組成物の硬化反応および養生に長時間を必要と
する。したがって、重合性不飽和モノマー(A成分)
が、アスコン中に長時間存在することとなり、結果的に
は、アスコンのカットバックを起こしてしまう。そこ
で、上記樹脂組成物中に、空気酸化機能を有する成分
(C成分)を配合することにより、樹脂組成物の硬化反
応および養生時間が著しく短縮され、かつアスコンのカ
ットバックが防止されるようになる。これが、本発明の
特徴の一つである。
【0039】上記空気酸化機能成分含有樹脂は、不飽和
ポリエステル樹脂等のビニルエステル樹脂に空気酸化機
能を有する成分を導入することにより得ることができ
る。
【0040】上記不飽和ポリエステル樹脂等のビニルエ
ステル樹脂としては、前述のビニルエステル樹脂(B成
分)であげた樹脂等を使用することができる。
【0041】そして、上記不飽和ポリエステル樹脂等の
ビニルエステル樹脂に、空気酸化機能を有する成分を導
入する方法は、例えば、以下の(1)〜(4)の4つの
方法があげられる。
【0042】(1) グリコール成分に、アリルエーテ
ル基を含有する化合物を併用する。 (2) 酸成分に、環状脂肪族不飽和多塩基酸およびそ
の誘導体を含有する化合物を併用する。 (3) ジシクロペンタジエンを含有する化合物を併用
する。 (4) 乾性油およびエポキシ反応性希釈剤の少なくと
も一つを併用する。
【0043】上記(1)の方法で用いられる、アリルエ
ーテル基は、下記の式で表されるものである。
【0044】−O−CH2 −CH=CH2
【0045】そして、上記アリルエーテル基を含有する
化合物としては、例えば、エチレングリコールモノアリ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリ
エチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレング
リコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコール
モノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノア
リルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエ
ーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテ
ル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、
ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレン
グリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパ
ンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリ
ルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリ
ンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリル
エーテル、ペンタエリストールトリアリルエーテル等の
多価アルコール類のアリルエーテル化合物や、アリルグ
リシジルエーテル等のオキシラン環を有するアリルエー
テル化合物があげられる。このなかでも、空気酸化機能
および経済性の見地からトリエチレングリコールモノア
リルエーテル,トリメチロールプロパンモノアリルエー
テル,トリメチロールプロパンジアリルエーテル,アリ
ルグリシジルエーテル,グリセリンジアリルエーテルが
好ましく、特に好ましくは、トリメチロールプロパンジ
アリルエーテル,アリルグリシジルエーテルである。そ
して、上記アリルエーテル化合物は、単独であるいは2
種類以上併用することが可能である。
【0046】上記アリルエーテル化合物とともに使用さ
れるグリコール成分としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノー
ルA、エチレングリコールカーボネート等があげられ
る。このなかでも、経済的見地から、工業的に量産され
る汎用品が好ましく、特に好ましくは、プロピレングリ
コール、トリエチレングリコール、ビスフェノールA、
1,4−ブタンジオールである。上記グリコール成分
は、単独であるいは2種類以上併用される。また、この
他にも、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等
の酸化物も用いることができる。そして、ポリエチレン
テレフタレート等の重縮合物も、上記不飽和ポリエステ
ル等の調製材料であるグリコール成分および酸性分の一
部として使用することができる。
【0047】上記(2)の方法で用いられる環状脂肪族
不飽和多塩基酸およびその誘導体を含有する化合物とし
ては、テトラヒドロ無水フタル酸,エンドメチレンテト
ラヒドロ無水フタル酸,メチルテトラヒドロ無水フタル
酸,α−テルヒネン−無水マレイン酸付加物,ロジン,
エステルガム等があげられる。このなかで、産業的ある
いは物性、特に耐候性の見地から、テトラヒドロ無水フ
タル酸,エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸,メ
チルテトラヒドロ無水フタル酸が好ましく、特に好まし
くはテトラヒドロ無水フタル酸である。そして、上記環
状脂肪族不飽和多塩基酸等は、単独であるいは2種類以
上併用される。
【0048】上記環状脂肪族不飽和多塩基酸等とともに
用いる酸としては、先のB成分の箇所で述べたもの等が
あげられるが、具体的には、以下にあげる酸が使用され
る。すなわち、α、β−不飽和二塩基酸またはその酸無
水物としては、マレイン酸,無水マレイン酸,フマル
酸,イタコン酸,シトラコン酸,クロルマレイン酸や、
これらの酸あるいは酸無水物のエステル等があげられ
る。また、芳香族飽和二塩基酸またはその酸無水物とし
ては、フタル酸,無水フタル酸,イソフタル酸,テレフ
タル酸,ニトロフタル酸,ハロゲン化無水フタル酸や、
これらの酸あるいは酸無水物のエステル等があげられ
る。そして、脂肪族あるいは脂肪族飽和二塩基酸として
は、シュウ酸,マロン酸,コハク酸,アジピン酸,セバ
シン酸,アセライン酸,グルタル酸,ヘキサヒドナ無水
フタル酸や、これらの酸のエステル等があげられる。こ
のなかで、物性および経済的な見地から、無水マレイン
酸,マレイン酸,フタル酸,無水フタル酸,アジピン
酸,フマル酸が好ましく、特に好ましくは、無水マレイ
ン酸,無水フタル酸である。これらの酸および酸無水物
等は、単独であるいは2種類以上併用される。
【0049】上記(3)の方法で用いられるジシクロペ
ンタジエンを含有する化合物は、特に制限するものでは
ないが、例えば、ヒドロキシ化ジシクロペンタジエンが
あげられる。
【0050】上記(4)の方法で用いられる乾性油およ
びエポキシ反応性希釈剤は、それぞれ単独で用いても、
あるいは乾性油とエポキシ反応性希釈剤とを同時に用い
てもよい。
【0051】上記乾性油としては、アマニ油,大豆油,
綿実油,落花生油,やし油等や、これらの脂肪油とグリ
セリン等の多価アルコールとの反応物があげられる。こ
のなかでも、コスト的な見地から、アマニ油,大豆油,
綿実油が好ましく、特に好ましくはアマニ油,大豆油で
ある。また、上記乾性油は、単独であるいは2種類以上
併用される。
【0052】また、上記(4)の方法で、乾性油ととも
に、あるいは単独で用いられるエポキシ反応性希釈剤と
しては、モノエポキシ化合物,ポリエポキシ化合物等が
あげられる。そして、モノエポキシ化合物の具体例とし
ては、アリルグリシジルエーテル,n−ブチルグリシジ
ルエーテル,フェニルグリシジルエーテル,グリシジル
メタクリル酸エステル等があげられる。そして、ポリエ
ポキシ化合物の具体例としては、ジグリシジルエーテル
等があげられる。このなかでも、モノエポキシ化合物が
好ましく、特に好ましくはグリシジルメタクリレート,
フェニルグリシジルエーテル,アリルグリシジルエーテ
ルである。また、上記エポキシ反応性希釈剤は、単独で
あるいは2種類以上併用される。
【0053】このような空気酸化機能を有する成分(C
成分)の配合割合は、浸透層形成時の諸条件により適宜
決定されるものであるが、一般に、A成分〜E成分全体
の0.1〜20%、好ましくは0.2〜15%、特に好
ましくは0.3〜10%の範囲である。すなわち、空気
酸化機能を有する成分(C成分)が0.1%未満である
と、硬化,養生時間が長くかかるようになり、アスコン
のカットバックが発生するおそれがあるからである。逆
に、20%を超えると、硬化物性および可撓性の低下の
傾向があるからである。
【0054】つぎに、上記A成分〜C成分からなる樹脂
組成物を硬化させるために使用される重合開始剤(D成
分)について説明する。
【0055】上記重合開始剤(D成分)は、通常、硬化
剤と硬化促進剤からなるレドックス系触媒が使用され
る。また、このレドックス系触媒の種類は、特に制限す
るものではなく、各種のものを使用することができる。
そして、重合開始剤(D成分)の形態は、粉体状あるい
は液体状のいずれであってもよい。
【0056】上記レドックス系触媒の構成成分である硬
化剤は、特に制限されないが、有機過酸化物を使用する
ことが好ましい。この有機過酸化物としては、ジアシル
パーオキサイド系,パーオキシエステル系,ハイドロパ
ーオキサイド系,ジアルキルパーオキサイド系,ケトン
パーオキサイド系,パーオキシケタール系,アルキルパ
ーエステル系,パーカーボネート系等があげられる。こ
れらの有機過酸化物は、混練条件や養生温度等の浸透層
の形成時の種々条件によって適宜選択して使用される。
このなでも、結晶水を有する無機粉体で表面処理された
過酸化ベンゾイルを用いることが特に好ましい。上記無
機粉体としては、リン酸カルシウム,硫酸カルシウム,
炭酸マグネシウム,水酸化アルミニウム等があげられ
る。なお、これら有機過酸化物取扱いの際の危険を回避
するために、不活性の液体あるいは粉体によって濃度が
50%、好ましくは35%以下、特に30%に希釈され
たペースト状または粉体状のものを用いることが望まし
い。
【0057】また、上記レドックス系触媒の他の構成成
分である硬化促進剤としては、特に制限するものではな
いが、三級アミン,第四級アンモニウム塩や、コバル
ト,バナジウム,マンガン等の金属を有する金属石鹸等
があげられる。
【0058】上記三級アミンとしては、窒素原子に、少
なくとも1個の芳香族酸基が直接結合しているものを用
いるのが好ましい。特に好ましくは、N′−ジメチルア
ニリン、N,N′−ジメチル−p−トルイジン、N,
N′−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、N,N′
−ジ−2−ヒドロキシプロピル−p−トルイジン等があ
げられる。これらは、単独であるいは2種類以上併用さ
れる。
【0059】このような重合開始剤(D成分)の配合割
合は、浸透層施工時の諸条件により適宜決定されるもの
であるが、一般に、30%濃度に希釈したもので、A成
分〜E成分全体の1〜15%、好ましくは2〜12%、
特に好ましくは3〜10%の範囲である。すなわち、重
合開始剤(D成分)が、1%未満であると、硬化時間に
長時間を要して速硬化の目的を達成できなくなる傾向が
あるからである。逆に、15%を超えると、硬化が速す
ぎて作業が困難になったり、コスト高になる傾向がある
からである。
【0060】つぎに、上記骨材(E成分)について説明
する。この骨材(E成分)としては、天然骨材および人
工骨材があげられる。
【0061】天然骨材としては、川砂,海砂,山砂,川
砂利,海砂利、山砂利,硅砂,砕石,粘土,火山灰,汚
泥度,スラグ砕石,石粉等があげられる。
【0062】人工骨材としては、産業廃棄物を人工的に
加工したものや、ガラスビーズ,ガラス瓶やガラス板の
破砕片,セラミックボール,陶器の破砕片,アルミナ等
があげられる。また、ナイロン,ポリエステル,ポリプ
ロピレン,ビニルポリマー等の粒子およびこれらの発泡
粒子や、FRP等のプラスチック破砕片や粒子等があげ
られる。
【0063】このような、骨材粒子としては、各種粒径
のものが使用できるが、たわみ性,浸透性の観点から、
0.1〜3mm、好ましくは0.1〜2mm、特に好ま
しくは0.1〜1mmの範囲のものを使用することが好
ましい。また、骨材の粒径は、均一であっても不均一で
あってもよい。そして、骨材の粒子形状は、特に制限す
るものではなく、粒子の断面形状が、円,楕円,偏平
状,三角や四角の多角形状のものを用いることができ
る。また、骨材の種類としては、3号硅砂〜8号硅砂が
好ましい。そして、骨材(E成分)の粒径,種類等の選
択により、樹脂組成物のアスコンへの浸透の深さを調節
することができ、浸透層の厚みを適当な範囲に設定する
ことが可能となる。
【0064】そして、上記骨材(E成分)には、充填材
を併用することができる。このような充填材としては、
例えば、炭酸カルシウム粉,クレー,タルク,硫酸バリ
ウム粉,アルミナ粉,硅砂粉,ガラスビーズ,ガラス
粉,マイカ,水酸化アルミニウム,シリカパウダー,フ
ライアッシュ,セメント等があげられる。
【0065】上記骨材(E成分)の配合割合は、用いる
骨材の種類,粒子径,充填量等により適宜決定されるも
のであるが、通常、上記A成分〜E成分全体の10〜8
5%、好ましくは20〜80%、特に好ましくは、30
〜75%の範囲である。すなわち、10%未満である
と、相対的に樹脂組成物(A成分〜D成分)の配合量が
多くなってコスト的に不利になる傾向がみられ、逆に8
0%を超えて配合すると、得られる半たわみ性舗装構造
物のたわみ性が劣る傾向がみられるからである。
【0066】つぎに、本発明の半たわみ性舗装構造物の
施工法について説明する。本発明の半たわみ性舗装構造
物は、上記A成分〜E成分を用いて、例えば、以下に示
すようにして作製される。
【0067】まず、下地面に対しアスコンを敷設する。
このアスコンの敷設は、特に制限するものではなく、従
来公知の方法が適用される。そして、アスコンの厚み
は、舗装対象物の種類等により適宜決定されるが、一般
に、3〜20cm、好ましくは5〜15cm、特に好ま
しくは6〜10cmの範囲である。
【0068】一方、樹脂組成物を調製する。すなわち、
ビニルエステル樹脂(B成分)および空気酸化機能を有
する成分(C成分)を、重合性不飽和モノマー(A成
分)に所定の割合で、温度20〜80℃、好ましくは温
度25〜60℃の条件で溶解させ樹脂溶液を調製する。
ついで、この樹脂溶液に、重合開始剤(D成分)および
骨材(E成分)を添加し、攪拌機で攪拌して均一に溶
解,分散させて樹脂組成物を調製する。
【0069】そして、上記樹脂組成物を上記アスコン表
面に塗工して、アスコン中の空隙に充填する。上記塗工
法は、特に制限するものではなく、例えば、レーキによ
る塗工があげられる。また、塗工の割合は、形成する浸
透層の厚み等により決定されるが、例えば、アスコンの
単位面積当たり、1〜30kg/m2 の範囲、好ましく
は2〜20kg/m2 の範囲である。すなわち、1kg
/m2 未満であると、得られる半たわみ性舗装構造物の
耐久性が劣る傾向がみられ、逆に、30kg/m2 を超
えると、コスト的に不利となる傾向がみられるからであ
る。また、樹脂組成物の充填は、アスコン中の空隙全部
でも、アスコンの表面から一定の深さまでの一部の浸透
でもよい。この浸透の深さとしては、半たわみ性舗装構
造物の用途等により適宜決定されるが、一般に、アスコ
ン厚みと浸透層厚みとの比で、アスコン厚み/浸透層厚
み=100/1〜100/100、好ましくは100/
2〜100/100、特に好ましくは100/5〜10
0/100の範囲である。そして、上記塗工充填された
樹脂組成物は、雰囲気温度20℃の条件で、通常、30
〜50分の短時間で硬化,養生して、図1に示すような
半たわみ性舗装構造物を作製することができる。図にお
いて、1はアスコンを示し、2は浸透層を示し、3はア
スコン1中の骨材を示し、4は下地面を示す。また、図
2は、浸透層2をアスコン1中の空隙全部に形成した状
態を示す。図において、図1と同一部分に同一符号を付
している。
【0070】
【発明の効果】以上のように、本発明は、半たわみ性舗
装構造物において、浸透層の形成に、従来のセメント組
成物に代えて、硬化時間が短いアクリル系樹脂を主成分
とする特殊な樹脂組成物を使用している。したがって、
浸透層形成の硬化,養生時間が短時間となり、半たわみ
性舗装構造物の施工時間が著しく短縮化されるようにな
る。このため、例えば、本発明の半たわみ性舗装構造物
を道路舗装に適用すれば、舗装工事にともなう交通遮断
の時間が短くなり、交通渋滞を緩和することが可能とな
る。また、上記特殊な樹脂組成物は、低温下での硬化性
にも優れるため、これを用いた本発明の半たわみ性舗装
構造物は、冬季のような低温条件下での施工も可能とな
る。そして、上記特殊な樹脂組成物は、接着力が強いた
め、これを用いた本発明の半たわみ性舗装構造物では、
アスコン中の骨材相互が強固に結合するようになり、耐
摩耗性等の耐久性が向上するようになる。また、浸透層
をアスコン全体に形成して本発明の半たわみ性舗装構造
物を作製すれば、圧縮強度や曲げ強度にも優れるように
なる。このように、本発明の半たわみ性舗装構造物は、
優れたたわみ性および剛性を備え、耐久性にも優れた高
性能の舗装材である。したがって、本発明の半たわみ性
舗装構造物を、大きい荷重が加わる飛行場やたわみが発
生する橋梁道路等に適用すれば、わだち堀れやひび割れ
等の発生が抑制されて補修工事の回数が減るようにな
り、メンテナンス等に係るコストの低減を図ることが可
能となる。さらに、本発明の半たわみ性舗装構造物にお
いて、アスコンや樹脂組成物の骨材として、特定の種類
や粒径の骨材を用いることにより、半たわみ性舗装構造
物にノンスリップ性を付与することも可能である。した
がって、遊歩道,倉庫床,駐車場等のスリップ防止舗装
が必要な舗装対象にも、本発明の半たわみ性舗装構造物
を適用することが可能となる。また、本発明の半たわみ
性舗装構造物において、浸透させる樹脂組成物に顔料を
添加配合すれば、得られる舗装構造物(道路等)の美観
を向上させることができるようになる。さらに、本発明
の半たわみ性舗装構造物において、蛍光顔料,蛍光染
料,蓄光型セラミック骨材等を添加配合あるいは散布等
すれば、夜間や雨天時において路面確認性に優れた舗装
構造物とすることが可能となる。
【0071】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0072】
【実施例1】まず、20mmトップ開粒度アスコン(厚
み5cm)を下地面に対し敷設した。
【0073】一方、以下に示すようにして、重合性不飽
和モノマー(A成分)、ビニルエステル樹脂(B成
分)、空気酸化機能を有する成分(C成分)を調製し
た。
【0074】〔重合性不飽和モノマー(A成分)〕メタ
クリル酸メチル(MMA)およびメタクリル酸n−ブチ
ル(n−BA)を、重量比で、MMA/n−BA=50
/50の割合で混合したものを重合性不飽和モノマー
(A成分)とした。
【0075】〔ビニルエステル樹脂(B成分)〕ビニル
エステル樹脂(B成分)として、不飽和ポリエステルア
クリレートを調製した。すなわち、まず、イソフタル酸
2モルおよび、1,2−プロピレングリコール2モルを
不活性ガス気流中220℃で10時間加熱脱水縮合させ
て、固形分酸価が5の縮重合体を得た。ついで、100
℃まで冷却し、この縮重合体に無水マレイン酸1モルを
添加し、再度220℃に昇温して5時間加熱脱水縮合さ
せて、固形分酸価が254の縮重合体を得た。さらに、
これにハイドロキノンを重量割合で50ppm添加し、
140℃まで冷却した。ついで、これに、グリシジルメ
タクリレート2モルを添加し、140℃で10時間反応
させて固形分酸価10の不飽和ポリエステルアクリレー
トを得た。
【0076】〔空気酸化機能を有する成分(C成分)〕
空気酸化機能を有する成分(C成分)として、不飽和ポ
リエステルを調製した。すなわち、テレフタル酸2モ
ル,ジエチレングリコール1.5モル,ペンタエリスト
ール・トリアリルエーテル1モルを、温度200℃、8
時間分の条件で加熱縮重合させて酸価20の不飽和ポリ
エステルを得た。
【0077】そして、上記B成分およびC成分を、重量
比で、B成分/C成分=90/10の割合で混合した。
ついで、この混合物を、上記A成分に溶解し、モノマー
濃度が20%の樹脂溶液(X)を調製した。
【0078】つぎに、上記樹脂溶液(X)100重量部
(以下「部」と略す)に対し、炭酸マグネシウムで表面
処理された過酸化ベンゾイル(実質成分30%)5部、
石粉100部,硅砂7号40部,弁柄3部を順次配合し
攪拌混合して樹脂組成物を作製した。
【0079】そして、上記樹脂組成物を、上記アスコン
の表面に、レーキを用いて20kg/m2 の割合で塗工
充填し、アスコン全体に均一に浸透させた。その結果、
浸透した樹脂組成物は、気温20℃で40分後、完全に
硬化,養生して交通開放可能状態となり、厚み5cmの
半たわみ性舗装構造物を作製することができた。
【0080】
【実施例2】実施例1で調製した樹脂溶液(X)100
部に、炭酸マグネシウムで表面処理された過酸化ベンゾ
イル(実質成分30%)5部,石粉250部,弁柄3部
を順次配合して攪拌混合して樹脂組成物を作製した。そ
して、この樹脂組成物を、実施例1と同様のアスコンの
表面に、実施例1と同様にして、5kg/m2 の割合で
塗工充填し、アスコンの表面から2cm深さまで均一に
浸透させた。その結果、浸透した樹脂組成物は、気温2
0℃で40分後、完全に硬化,養生して交通開放可能状
態となり、厚み5cmの半たわみ性舗装構造物を作製す
ることができた。
【0081】
【比較例1】セメント40部,フライアッシュ20部,
硅砂7号15部を混合してセメント混合物を調製した。
このセンメント混合物に、スチレン−ブタジエンラバ−
(SBR)ラテックス4.5部および水3部を順次添加
して攪拌混合し、セメント組成物を得た。このセメント
組成物を、実施例1と同様の方法で、アスコン表面の2
2kg/m2 の割合で塗工充填し、アスコン全体に浸透
させた。その結果、セメント組成物は、気温20℃で、
交通開放可能状態まで硬化するのに6時間を要した。こ
のようにして、厚み5cmの半たわみ性舗装構造物を作
製した。
【0082】
【比較例2】セメント40部,フライアッシュ20部,
硅砂7号15部を混合してセメント混合物を調製した。
このセンメント混合物に、SBRラテックス4.5部お
よび水25部を順次添加して攪拌混合し、セメント組成
物を得た。このセメント組成物を、実施例1と同様の方
法で、アスコン表面に7kg/m2 の割合で塗工充填
し、アスコン表面から2cm深さまで均一に浸透させ
た。その結果、セメント組成物は、気温20℃で、交通
開放可能状態まで硬化するのに4時間を要した。このよ
うにして、厚み5cmの半たわみ性舗装構造物を作製し
た。
【0083】このようにして得られた実施例1,2品お
よび比較例1,2品の半たわみ性舗装構造物について、
曲げ強度,圧縮強度,耐摩耗性の特性について調べた。
その結果を、下記の表1に示す。なお、上記特性の試験
は、それぞれ、JIS A1106,JIS A 11
08,JIS K 7204に準じた。
【0084】
【表1】
【0085】上記表1の結果から、実施例1,2品の半
たわみ性舗装構造物は、優れた曲げ強度,圧縮強度,耐
摩耗性を有することがわかる。これに対し、比較例1品
の半たわみ性舗装構造物は、曲げ強度および耐摩耗性が
悪く、比較例2品の半たわみ性舗装構造物は、圧縮強度
および耐摩耗性が悪かった。
【0086】
【実施例3】浸透層の硬化条件を、気温5℃の低温条件
で行った。これ以外は、実施例1と同様にして半たわみ
性舗装構造物を作製した。その結果、50分後に、充分
に硬化養生して交通解放可能状態となり、半たわみ性舗
装構造物を作製することができた。また、この半たわみ
性舗装構造物は、実施例1品の半たわみ性舗装構造物と
同様の曲げ強度,圧縮強度,耐摩耗性の特性を備えてい
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半たわみ性舗装構造物の一実施例の断
面図である。
【図2】本発明の半たわみ性舗装構造物のその他の実施
例の断面図である。
【符号の説明】
1 開粒度アスファルトコンクリート 2 浸透層 4 下地面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼田 雅敏 石川県金沢市中屋町西505−2 (72)発明者 ▲吉▼田 博俊 石川県七尾市本府中町カ部36−3

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地面に対し開粒度アスファルトコンク
    リートが敷設され、このアスファルトコンクリート中の
    空隙が存在する層の少なくとも一部が、下記の(A)〜
    (E)成分を含有する浸透層に形成されていることを特
    徴とする半たわみ性舗装構造物。 (A) 重合性不飽和モノマー。 (B) ビニルエステル樹脂。 (C) 空気酸化機能を有する成分。 (D) 重合開始剤。 (E) 骨材。
  2. 【請求項2】 上記(A)成分である重合性不飽和モノ
    マーが、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル
    酸アルキルエステルの少なくとも一方である請求項1記
    載の半たわみ性舗装構造物。
  3. 【請求項3】 上記(B)成分であるビニルエステル樹
    脂が、下記の(a)および(b)の少なくとも一つのビ
    ニルエステル樹脂である請求項1または2記載の半たわ
    み性舗装構造物。 (a) 分子末端にアクリレート基およびメタクリレー
    ト基の少なくとも一つの基を有するエポキシアクリレー
    ト。 (b) 分子末端にアクリレート基およびメタクリレー
    ト基の少なくとも一つの基を有するポリエステルアクリ
    レート。
  4. 【請求項4】 上記(C)成分である空気酸化機能を有
    する成分が、飽和ポリエステル樹脂,不飽和ポリエステ
    ル樹脂,ビニルエステル樹脂からなる群から選択された
    少なくとも一つの樹脂に空気酸化機能を有する成分を導
    入した空気酸化機能成分含有樹脂である請求項1〜3の
    いずれか一項に記載の半たわみ性舗装構造物。
  5. 【請求項5】 上記(D)成分である重合開始剤が、硬
    化剤および硬化促進剤からなる請求項1〜4のいずれか
    一項に記載の半たわみ性舗装構造物。
  6. 【請求項6】 下地面に対し開粒度アスファルトコンク
    リートを敷設する工程と、このアスファルトコンクリー
    ト中の空隙が存在する層の少なくとも一部に下記の
    (A)〜(E)成分を含有する樹脂組成物を浸透させて
    浸透層を形成する工程とを備えたことを特徴とする半た
    わみ性舗装構造物の施工法。 (A) 重合性不飽和モノマー。 (B) ビニルエステル樹脂。 (C) 空気酸化機能を有する成分。 (D) 重合開始剤。 (E) 骨材。
  7. 【請求項7】 上記(A)成分である重合性不飽和モノ
    マーが、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル
    酸アルキルエステルの少なくとも一方である請求項6記
    載の半たわみ性舗装構造物の施工法。
  8. 【請求項8】 上記(B)成分であるビニルエステル樹
    脂が、下記の(a)および(b)の少なくとも一つのビ
    ニルエステル樹脂である請求項6または7記載の半たわ
    み性舗装構造物の施工法。 (a) 分子末端にアクリレート基およびメタクリレー
    ト基の少なくとも一つの基を有するエポキシアクリレー
    ト。 (b) 分子末端にアクリレート基およびメタクリレー
    ト基の少なくとも一つの基を有するポリエステルアクリ
    レート。
  9. 【請求項9】 上記(C)成分である空気酸化機能を有
    する成分が、飽和ポリエステル樹脂,不飽和ポリエステ
    ル樹脂,ビニルエステル樹脂からなる群から選択された
    少なくとも一つの樹脂に空気酸化機能を有する成分を導
    入した空気酸化機能成分含有樹脂である請求項6〜8の
    いずれか一項に記載の半たわみ性舗装構造物の施工法。
  10. 【請求項10】 上記(D)成分である重合開始剤が、
    硬化剤および硬化促進剤からなる請求項6〜9のいずれ
    か一項に記載の半たわみ性舗装構造物の施工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011052442A (ja) * 2009-09-01 2011-03-17 Mie Univ 舗装構造物および舗装施工方法
CN111825813A (zh) * 2020-08-07 2020-10-27 广东晨宝复合材料股份有限公司 一种用于柏油路面快速修复的uv树脂及其制备方法

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