JPH07322636A - 三相インバータのパルス幅変調方法 - Google Patents

三相インバータのパルス幅変調方法

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JPH07322636A
JPH07322636A JP6115593A JP11559394A JPH07322636A JP H07322636 A JPH07322636 A JP H07322636A JP 6115593 A JP6115593 A JP 6115593A JP 11559394 A JP11559394 A JP 11559394A JP H07322636 A JPH07322636 A JP H07322636A
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JP
Japan
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voltage
voltage vector
inverter
pulse mode
command value
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Application number
JP6115593A
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English (en)
Inventor
Takahisa Maruyama
高央 丸山
Yoshinori Hatano
善範 波多野
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 3パルスモードから1パルスモードに切り換
えるときの出力電圧の不連続変化幅を小さくでき、滑ら
かにパルスモードの切り換えを実現できる三相インバー
タのパルス幅変調方法を提供する。 【構成】 空間電圧ベクトルの考え方に基づき、インバ
ータ出力電圧指令値を電圧ベクトル指令値として与え、
電圧ベクトル指令値を合成する3種類の電圧ベクトルと
して電圧ベクトル指令値に対して±60°方向の2種類
の電圧ベクトルと、電圧ベクトル指令値と同方向の電圧
ベクトルまたはゼロ電圧ベクトルを用いる。スイッチン
グ素子によって決まる最小オンオフ時間に対応したスイ
ッチング状態で、正弦波三角波比較方式の3パルスモー
ドより出力電圧の可変範囲が大きくなり、1パルスモー
ドに切り換えるときの出力電圧の不連続変化幅を小さく
でき、滑らかなパルスモードの切り換えを実現し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば直流電力を交
流電力に変換する三相インバータの出力電圧を可変する
三相インバータのパルス幅変調方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図11は、例えば日立評論VOL.68 No.8
(1986−8)p.23〜P.28「インバータ電車の制御システ
ム」に記載された従来のパルス幅変調方法を説明するた
めの図である。図11(a)は正弦波三角波比較方式の
3パルスモード(PWM制御の最終モード)時のU相の
変調波である正弦波と搬送波である三角波の関係を示し
たものである。これらの変調波と三角波の大きさを比較
して、変調波の方が搬送波より大きいときには、図13
に原理的に示した三相インバータ回路のU相の上アーム
スイッチSU1にオン信号を供給し、その下アームスイ
ッチSU2にはオフ信号を供給する。変調波と搬送波と
の大小関係が上記以外のときには上アームスイッチSU
1にオフ信号を供給し、下アームスイッチSU2にオン
信号を供給する。その結果、U相出力点UとアースGと
間のU相電圧は、図11(b)に示した波形となる。
【0003】図示していないが同様に、変調波をU相に
対して120゜遅らせて搬送波と比較することにより、
図11(c)に示すV相電圧が得られる。図11(d)
は、U相とV相の出力点間の電圧、すなわちU相V相線
間電圧である。この線間電圧の大きさは、変調波の振幅
を変更して相電圧ゼロの間の位相幅θを変化させること
で可変とすることが可能である。一方、図11(e)
は、位相幅θがゼロの状態に対応したU相V相線間電圧
波形、つまり、120°幅一杯の方形波である。この状
態は全電圧を出す1パルスモードと呼ばれ、三相インバ
ータで出力可能な線間電圧の最大値が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のパルス幅変調方
法では、以上のようにしてインバータ出力電圧を可変と
できるが、図13に示した各アームのスイッチは実際に
は例えば図14のようにダイオード10とGTO(ゲー
トターンオフサイリスタ)11を逆並列に接続したもの
であり、GTO11のゲートにオンオフ信号を供給する
ことでスイッチング状態を制御する。
【0005】GTO11を安全に使用するために最小オ
ンオフ時間が規定されており、これより短い時間間隔で
スイッチング状態を変化させてはならない。この制約の
ため、つまり、3パルスモードではインバータ各相上下
アームのスイッチの切換余裕時間を確保するため、位相
幅θの最小値が存在する。したがって、従来のパルス幅
変調方法では、図12のようにインバータ周波数に比例
してインバータ出力電圧を出力し、1パルスモードまで
使用する場合、位相幅θの最小値に対応した出力電圧で
3パルスモードから1パルスモードに切り換えなくては
ならないが、その際に1パルスモードでの出力電圧は位
相幅θのスリット分だけ大きくなってしまい、同図に破
線で示したように、全電圧の10%程度の電圧跳躍が生
じ、その点で出力電圧が不連続に変化して電圧やトルク
の急変が発生し、またフィルタの電圧振動等が生じ易い
という問題点があった。
【0006】この発明はこのような問題点を解決するた
めになされたもので、3パルスモードから1パルスモー
ドに切り換えるときの出力電圧の不連続変化幅を小さく
でき、滑らかにパルスモードの切り換えを実現できる三
相インバータのパルス幅変調方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項第1項の発明に係
る三相インバータのパルス幅変調方法は、インバータ周
波数を基準とした60°毎にインバータ出力電圧指令値
を空間電圧ベクトル指令値として与え、空間電圧ベクト
ル指令値を合成する3種類の空間電圧ベクトルとして空
間電圧ベクトル指令値に対して±60°方向の2種類の
空間電圧ベクトルと空間電圧ベクトル指令値と同方向の
空間電圧ベクトルまたはゼロ電圧ベクトルとを用いるも
のである。
【0008】請求項第2項の発明に係る三相インバータ
のパルス幅変調方法は、ゼロ電圧ベクトルとして三相イ
ンバータで出力可能なゼロ電圧ベクトルのうちスイッチ
ング状態変化の少ない方のゼロ電圧ベクトルを用いるも
のである。
【0009】請求項第3項の発明に係る三相インバータ
のパルス幅変調方法は、インバータ出力電圧指令値に対
応するインバータ出力電圧が所定値より小さいときは、
正弦波三角波比較方式の3パルスモードに切り換えるも
のである。
【0010】請求項第4項の発明に係る三相インバータ
のパルス幅変調方法は、インバータ周波数が所定値より
小さいときは、正弦波三角波比較方式の3パルスモード
に切り換えるものである。
【0011】請求項第5項の発明に係る三相インバータ
のパルス幅変調方法は、±60°方向の2種類の空間電
圧ベクトルの出力時間が所定の設定時間より短くなると
きは、1パルスモードに切り換えるものである。
【0012】請求項第6項の発明に係る三相インバータ
のパルス幅変調方法は、±60°方向の2種類の空間電
圧ベクトルの出力時間が所定の設定時間より短くなると
きは、空間電圧ベクトル指令値の方向の空間電圧ベクト
ルをインバータ周波数を基準とした60°に対応した時
間だけ出力するものである。
【0013】請求項第7項の発明に係る三相インバータ
のパルス幅変調方法は、インバータ出力電圧指令値に対
応するインバータ出力電圧が所定値以上となるときは、
1パルスモードに切り換えるものである。
【0014】請求項第8項の発明に係る三相インバータ
のパルス幅変調方法は、インバータ周波数が所定値以上
となるときは、1パルスモードに切り換えるものであ
る。
【0015】
【作用】請求項第1項の発明においては、インバータ周
波数を基準とした60°毎にインバータ出力電圧指令値
を空間電圧ベクトル指令値として与えると共に、空間電
圧ベクトル指令値を合成する3種類の空間電圧ベクトル
として空間電圧ベクトル指令値に対して±60°方向の
2種類の空間電圧ベクトルと空間電圧ベクトル指令値と
同方向の空間電圧ベクトルまたはゼロ電圧ベクトルを用
いるため、スイッチング素子によって決まる最小オンオ
フ時間に対応したスイッチング状態で、従来の正弦波三
角波比較方式の3パルスモードより出力電圧を大きくで
き、1パルスモードに切り換えるときの出力電圧の不連
続幅を小さくでき、滑らかなパルスモードの切り換えが
可能となる。
【0016】請求項第2項の発明においては、ゼロ電圧
ベクトルとして三相インバータで出力可能なゼロ電圧ベ
クトルのうちスイッチング状態変化の少ない方のゼロ電
圧ベクトルを用いることから、スイッチング素子のスイ
ッチング回数が減少し、電力損失を少なくすることが可
能となる。
【0017】請求項第3項の発明においては、インバー
タ出力電圧が小さい領域では、従来の正弦波三角波比較
方式の3パルスモードの方がインバータ出力電圧の高調
波成分が少なくなるので、インバータ出力電圧が所定値
より小さいときは正弦波三角波比較方式の3パルスモー
ドに切り換えるものであり、インバータ出力電圧が小さ
い領域でのインバータ出力電圧の高調波成分を低減する
ことが可能となる。
【0018】請求項第4項の発明においては、インバー
タ出力電圧とインバータ周波数とが比例関係にある場
合、インバータ周波数が小さい領域ではインバータ出力
電圧が小さく、従来の正弦波三角波比較方式の3パルス
モードの方がインバータ出力電圧の高調波成分が少なく
なるので、インバータ周波数が所定値より小さいときは
正弦波三角波比較方式の3パルスモードに切り換えるも
のであり、インバータ出力電圧が小さい領域でのインバ
ータ出力電圧の高調波成分を低減することが可能とな
る。
【0019】請求項第5項の発明においては、±60°
方向の2種類の空間電圧ベクトルの出力時間が所定の設
定時間より短くなるときは1パルスモードに切り換える
ものであり、スイッチング素子の最小オンオフ時間より
短い時間間隔でスイッチング状態を変化させることを防
止することが可能となる。
【0020】請求項第6項の発明においては、±60°
方向の2種類の空間電圧ベクトルの出力時間が所定の設
定時間より短くなるときは空間電圧ベクトル指令値の方
向の空間電圧ベクトルをインバータ周波数を基準とした
60°に対応した時間だけ出力し、自動的に1パルスモ
ードに切り換えるものであり、スイッチング素子の最小
オンオフ時間より短い時間間隔でスイッチング状態を変
化させることを防止することが可能となる。
【0021】請求項第7項の発明においては、インバー
タ出力電圧が大きくなるに従って±60°方向の2種類
の空間電圧ベクトルの出力時間が短くなっていくので、
インバータ出力電圧が所定値以上となるときは1パルス
モードに切り換えるものであり、スイッチング素子の最
小オンオフ時間より短い時間間隔でスイッチング状態を
変化させることを防止することが可能となる。
【0022】請求項第8項の発明においては、インバー
タ出力電圧とインバータ周波数とが比例関係にある場
合、インバータ周波数が大きくなるに従ってインバータ
出力電圧が大きくなり、±60°方向の2種類の空間電
圧ベクトルの出力時間が短くなっていくので、インバー
タ周波数が所定値以上となるときは1パルスモードに切
り換えるものであり、スイッチング素子の最小オンオフ
時間より短い時間間隔でスイッチング状態を変化させる
ことを防止することが可能となる。
【0023】
【実施例】
実施例1.以下、図面を参照しながら、この発明に係る
パルス幅変調方法の一実施例を説明する。図1および図
2は、この発明における空間電圧ベクトル指令値と、そ
の空間電圧ベクトル指令値を合成する空間電圧ベクトル
の関係を示したものである。図1は相順がU,V,Wで
回転方向が右回りの場合、図2は相順がU,W,Vで回
転方向が左回りの場合に対応する。
【0024】ここで、空間電圧ベクトルについて説明す
る。空間電圧ベクトルVは、(1)式で定義される。こ
こで、Vu,Vv,Vwは各相電圧、α=−2π/3であ
る。つまり、三相二相変換の一形式であり、二相を実
部、虚部に分け、ベクトルとして扱うものである。
【0025】
【数1】
【0026】図13に示した三相インバータのスイッチ
ング状態に対応して、(1)式で空間電圧ベクトルを計
算すると表1が得られる。Reは実部、Imは虚部であ
る。
【0027】
【表1】
【0028】表1で、各相のスイッチング状態0は図1
3の下アームのSU2,SV2,SW2のスイッチング
素子がオン、すなわち相電圧がゼロに、一方スイッチン
グ状態1は図13の上アームのSU1,SV1,SW1
のスイッチング素子がオン、すなわち相電圧が直流電圧
(Ed)に対応する。表1は、図13の三相インバータ
で出力可能な電圧ベクトルは、各相のスイッチング状態
に対応したv0からv7の8種類であり、v0とv7は大き
さがゼロ(「ゼロ電圧ベクトル」と呼ぶ)の電圧ベクト
ル、その他は大きさが (2/3)・Edで、互いに6
0°ずつ方向の異なる電圧ベクトルであることを示して
いる。図3は、表1の空間電圧ベクトルを複素平面上に
表示した図である。
【0029】本例は、これらの電圧ベクトルを使って、
インバータ周波数finvを基準とした60°に相当する
時間Ts=1/(6・finv)毎に、インバータ出力電
圧に対応した空間電圧ベクトル指令値vp(vp1
p6)を与え、この空間電圧ベクトル指令値vpを表2
および表3に示した電圧ベクトルV1,V2,V3で合成
するものである。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】なお、表2は図1に、表3は図2に対応し
た表である。表中のKは、インバータ出力電圧の大きさ
を決めるものであり、Kを用いて線間電圧は(2)式で
表され、K=π/3が1パルスモードに対応する。ここ
でいう線間電圧は電圧ベクトル指令値の大きさであり、
K=π/3の時vp=√(2/3)・Edであり、基本
波成分は√6/π・Edである。
【0033】 線間電圧= √6・K・Ed/π ,0≦K≦π/3 ・・・(2)
【0034】以下に、電圧ベクトル指令値vpを合成す
るための3種類の電圧ベクトルV1,V2,V3の出力時
間T1,T2,T3の演算方法を説明する。電圧ベクトル
指令値vpと電圧ベクトルV1,V2,V3の間には、以下
の(3)式および(4)式が成立するので、電圧ベクト
ル指令値vpおよび時間Ts=1/(6・finv)が与え
られれば、、電圧ベクトル指令値vpが表2または表3
のvp1〜vp6のいずれに対応するかが決まるので、出力
時間T1〜T3を求めることができる。この結果を用い
て、図4に示すように電圧ベクトルV1,V2,V3を順
番に、T1,T2,T3の時間だけ出力すれば、電圧ベク
トル指令値vpを合成できる。
【0035】 vp・Ts=V1・T1+V2・T2+V3・T3 ・・・(3)
【0036】 Ts=T1+T2+T3 ・・・(4)
【0037】具体的に、表2のvp=vp1、V1=v2
2=v1、V3=v6の場合について、T1,T2,T3
求めてみる。電圧ベクトル指令値の大きさは、線間電圧
の大きさと1対1に対応するので、(5)式のようにお
く。
【0038】 vp1=√6・K・Ed/π ・・・(5)
【0039】この(5)式を(3)式に代入し、虚部が
ゼロであることを使って整理すると、(6)式のように
なる。
【0040】 √6・K・Ts/π=√(2/3)・T2+√(2/3)・T ・・(6)
【0041】また、(4)式は、(7)式のようにな
る。
【0042】 Ts=2T+T2 ・・・(7)
【0043】これにより、T1,T2,T3は、以下の
(8)式および(9)式のように得られる。
【0044】 T=T1=T3=(1−3K/π)Ts ・・・(8)
【0045】 T2=(6K/π−1)Ts ・・・(9)
【0046】ここで、(7)式より、T2=0となる条
件を求めると、K=π/6で、T2=0となることがわ
かる。すなわち、K=π/6に相当した線間電圧を出力
するとき、V2の出力時間がゼロになる。したがって、
K<π/6では、V2として表2または表3に示したよ
うにゼロ電圧ベクトルを用いないと、指令通りの電圧ベ
クトルを合成できないことがわかる。図5は、表2のK
<π/6に対応したvp1の合成を、図6は表3のK<π
/6に対応したvp1の合成を示した図である。このよう
に、K<π/6で、V2として電圧ベクトル指令値と同
方向の電圧ベクトル(例えばv1)とゼロ電圧ベクトル
(例えばv7)を切り換えて使用することで、Kがπ/
6より小さい領域にも適用することができる。
【0047】なお、ゼロ電圧ベクトルはv0とv7の2種
類があり、いずれの電圧ベクトルを使用しても出力電圧
は変化しないので、どちらを使ってもよいが、スイッチ
ング素子のスイッチング回数に着目すると、スイッチン
グ状態変化を少なくすることは電力損失等の点で好まし
いので、表2,表3に示したようにv0とv7を使い分け
る方が望ましく、例えば電圧ベクトル指令値がvp1,v
p3,vp5のときはv7を使用し、電圧ベクトル指令値が
p2,vp4,vp6のときはv0を使用すればよい。ま
た、スイッチング素子は、GTOを想定したが、トラン
ジスタ、IGBT、FET等、ゲート信号またはベース
信号によってスイッチング状態を制御できるものであれ
ばよい。
【0048】なお、本実施例で得られる基本波成分と電
圧ベクトル指令値の大きさとの関係は、その詳細は省略
するが、波形の高調波解析結果から上記(2)式を用い
ると、基本波成分は次式のように表される。
【0049】 基本波成分=√6/π・Ed・sin(3/2・K) ・・・(10)
【0050】一方、従来の正弦波三角波比較方式の3パ
ルスモードの場合、同様の高調波解析によれば、基本波
成分は次式のように表される。
【0051】 基本波成分=3√6/π2・K・Ed ・・・(11)
【0052】ここで、インバータ周波数finvを100
Z,T1,T2を共に200μsとして3パルスモード
から1パルスモードに移行する場合を考えると、この時
のKの値は上記(8)式よりK=0.92となる。そこで、
このKを上記(10)式および(11)式にそれぞれ代
入して、基本波成分を計算してみると、本実施例ではほ
ぼ0.98・√6/π・Ed、従来の正弦波三角波比較方式
ではほぼ0.88・√6/π・Edとなる。従って、上述の
ようにK=π/3すなわち1パルスモードにおける基本
波成分は√6/π・Edであるので、3パルスモードか
ら1パルスモード移行時の電圧変化は、従来の正弦波三
角波比較方式では12%であったものが、本実施例では
2%となり、ほぼ連続的に3パルスモードから1パルス
モードへの移行が実現でき、3パルスモードから1パル
スモード移行時の出力電圧の不連続変化幅を小さくして
滑らかにパルスモードの切り換えが行われることが分か
る。
【0053】実施例2.実施例1で述べたように、イン
バータ出力電圧が小さい領域でも、空間電圧ベクトルに
基づくパルス幅変調方式の3パルスモードの適用が可能
であるが、インバータ出力電圧の高調波成分に着目する
と、インバータ出力電圧の小さい領域では、従来の正弦
波三角波比較方式による3パルスモードの方が高調波成
分が少なく好ましい。そこで、図7に示すように、イン
バータ出力電圧E0を設定し、これ以上のインバータ出
力電圧領域では空間電圧ベクトルに基づく3パルスモー
ドを適用し、電圧E0より小さいインバータ出力電圧領
域では従来の正弦波三角波比較方式の3パルスモードを
適用する。
【0054】三相インバータの負荷が誘導電動機の場
合、V/f(電圧/周波数)一定制御がよく用いられる
が、このときには、図8に示すようにインバータ出力電
圧E0の代わりに、インバータ周波数f0を設定し、f0
以上のインバータ周波数領域では空間電圧ベクトルに基
づく3パルスモードを適用し、f0より小さいインバー
タ周波数領域では従来の正弦波三角波比較方式の3パル
スモードを適用することもできる。
【0055】実施例3.インバータ出力電圧が大きくな
ると、上記(8)式、(9)式のKも大きくなり、電圧
ベクトルV1,V3の出力時間T1,T3は短くなり、V2
の出力時間T2は長くなる。つまり、上述したスイッチ
ング素子の最小オンオフ時間の影響が現れるのは、
1,V3の出力であることがわかる。この最小オンオフ
時間をTminとすると、(8)式で求めたT=T1=T3
がT<Tminとなるときは、V1,V3の出力を無くし、
Ts時間だけV2を出力するようにすれば、自動的に1
パルスモードに移行できる。
【0056】すなわち、例えば電圧ベクトル指令値vp1
に対して±60°方向の電圧ベクトルv2,v6の出力時
間が所定の時間より短くなるときは、これらの電圧ベク
トル出力をやめて、電圧ベクトル指令値vp1と同方向の
電圧ベクトルv1だけ出力する。これによって、空間電
圧ベクトルに基づく3パルスモードから自動的に1パル
スモード(この場合、本実施例による1パルスモードで
ある)への移行ができる。なお、Tminは最小オンオフ
時間である必然性はなく、最小オンオフ時間以上であれ
ば任意の値に設定可能である。また、1パルスモードの
処理は、従来のように各相180°毎にEdと0を出力
する(この場合、慣用の1パルスモードである)ことで
も実現することができる。
【0057】実施例4.また、正弦波三角波比較方式の
3パルスモードと空間電圧ベクトルに基づく3パルスモ
ードの切り換えと同様に、図9および図10に示すよう
に、インバータ出力電圧E1またはインバータ周波数f1
を設定して、空間電圧ベクトルに基づく3パルスモード
と1パルスモードを切り換えて使うことも可能である。
インバータ出力電圧設定値E0,E1、インバータ周波数
0,f1は、実際にはヒステリシス特性を持たせること
で、チャッタリングの防止が図られる。また、上述せず
もパルス幅変調方法の処理はマイコン等のソフトウエア
処理として実現される。
【0058】
【発明の効果】請求項第1項の発明によれば、インバー
タ周波数を基準とした60°毎にインバータ出力電圧指
令値を空間電圧ベクトル指令値として与えると共に、空
間電圧ベクトル指令値を合成する3種類の空間電圧ベク
トルとして空間電圧ベクトル指令値に対して±60°方
向の2種類の空間電圧ベクトルと空間電圧ベクトル指令
値と同方向の空間電圧ベクトルまたはゼロ電圧ベクトル
を用いるものであり、スイッチング素子によって決まる
最小オンオフ時間に対応したスイッチング状態で、従来
の正弦波三角波比較方式の3パルスモードより出力電圧
の可変範囲を大きくでき、1パルスモードに切り換える
ときの出力電圧の不連続幅を小さくでき、滑らかなパル
スモードの切り換えが可能となり、パルスモードの切り
換えの際の電流やトルクの急変等の不要な現象を生じる
ことがなくなる等の効果がある。
【0059】請求項第2項の発明によれば、ゼロ電圧ベ
クトルとして三相インバータで出力可能なゼロ電圧ベク
トルのうちスイッチング状態変化の少ない方のゼロ電圧
ベクトルを用いるものであり、スイッチング素子のスイ
ッチング回数が減少し、電力損失を少なくできる等の効
果がある。
【0060】請求項第3項の発明によれば、インバータ
出力電圧指令値に対応するインバータ出力電圧が所定値
より小さいときは、正弦波三角波比較方式の3パルスモ
ードに切り換えるものであり、インバータ出力電圧が小
さい領域でのインバータ出力電圧の高調波成分を低減で
きる等の効果がある。
【0061】請求項第4項の発明によれば、インバータ
周波数が所定値より小さいときは、正弦波三角波比較方
式の3パルスモードに切り換えるものであり、インバー
タ出力電圧とインバータ周波数とが比例関係にある場合
には、インバータ出力電圧が小さい領域でのインバータ
出力電圧の高調波成分を低減できる等の効果がある。
【0062】請求項第5項の発明によれば、±60°方
向の2種類の空間電圧ベクトルの出力時間が所定の設定
時間より短くなるときは、1パルスモードに切り換える
ものであり、スイッチング素子の最小オンオフ時間より
短い時間間隔でスイッチング状態を変化させることを防
止できる等の効果がある。
【0063】請求項第6項の発明によれば、±60°方
向の2種類の空間電圧ベクトルの出力時間が所定の設定
時間より短くなるときは、空間電圧ベクトル指令値の方
向の空間電圧ベクトルをインバータ周波数を基準とした
60°に対応した時間だけ出力するものであり、自動的
に1パルスモードに切り換えるので、スイッチング素子
の最小オンオフ時間より短い時間間隔でスイッチング状
態を変化させることを防止できる等の効果がある。
【0064】請求項第7項の発明によれば、インバータ
出力電圧指令値に対応するインバータ出力電圧が所定値
以上となるときは、1パルスモードに切り換えるもので
あり、インバータ出力電圧が大きくなるに従って±60
°方向の2種類の空間電圧ベクトルの出力時間が短くな
ることから、スイッチング素子の最小オンオフ時間より
短い時間間隔でスイッチング状態を変化させることを防
止できる等の効果がある。
【0065】請求項第8項の発明によれば、インバータ
周波数が所定値以上となるときは、1パルスモードに切
り換えるものであり、インバータ出力電圧がインバータ
周波数と比例関係にある場合にはインバータ周波数が大
きくなるに従って±60°方向の2種類の空間電圧ベク
トルの出力時間が短くなることから、スイッチング素子
の最小オンオフ時間より短い時間間隔でスイッチング状
態を変化させることを防止できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に基づく空間電圧ベクト
ル指令値とそれを合成する空間電圧ベクトルとの関係を
示す図である。
【図2】 この発明の一実施例に基づく空間電圧ベクト
ル指令値とそれを合成する空間電圧ベクトルとの関係を
示す図である。
【図3】 三相インバータの出力可能な電圧ベクトルを
示す図である。
【図4】 3種類の電圧ベクトルとそれぞれの出力時間
を示す図である。
【図5】 空間電圧ベクトル指令値の合成例を示す図で
ある。
【図6】 空間電圧ベクトル指令値の合成例を示す図で
ある。
【図7】 インバータ出力電圧に基づくパルスモードの
切り換えを説明するための図である。
【図8】 インバータ周波数に基づくパルスモードの切
り換えを説明するための図である。
【図9】 インバータ出力電圧に基づくパルスモードの
切り換えを説明するための図である。
【図10】 インバータ周波数に基づくパルスモードの
切り換えを説明するための図である。
【図11】 従来のパルス幅変調方法を説明するための
図である。
【図12】 3パルスモードから1パルスモードへの切
り換え時のインバータ出力電圧変化を説明するための図
である。
【図13】 三相インバータの原理を説明するための図
である。
【図14】 スイッチの具体的構成例を示す図である。
【符号の説明】
V 空間電圧ベクトル、finv インバータ周波数、vp
空間電圧ベクトル指令値。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータ周波数を基準とした60°毎
    にインバータ出力電圧指令値を空間電圧ベクトル指令値
    として与え、 上記空間電圧ベクトル指令値を合成する3種類の空間電
    圧ベクトルとして上記空間電圧ベクトル指令値に対して
    ±60°方向の2種類の空間電圧ベクトルと、上記空間
    電圧ベクトル指令値と同方向の空間電圧ベクトルまたは
    ゼロ電圧ベクトルとを用いることを特徴とする三相イン
    バータのパルス幅変調方法。
  2. 【請求項2】 上記ゼロ電圧ベクトルとして三相インバ
    ータで出力可能なゼロ電圧ベクトルのうちスイッチング
    状態変化の少ない方のゼロ電圧ベクトルを用いることを
    特徴とする請求項1記載の三相インバータのパルス幅変
    調方法。
  3. 【請求項3】 上記インバータ出力電圧指令値に対応す
    るインバータ出力電圧が所定値より小さいときは、正弦
    波三角波比較方式の3パルスモードに切り換えることを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の三相インバー
    タのパルス幅変調方法。
  4. 【請求項4】 上記インバータ周波数が所定値より小さ
    いときは、正弦波三角波比較方式の3パルスモードに切
    り換えることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の三相インバータのパルス幅変調方法。
  5. 【請求項5】 上記±60°方向の2種類の空間電圧ベ
    クトルの出力時間が所定の設定時間より短くなるとき
    は、1パルスモードに切り換えることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の三相インバータのパルス幅変
    調方法。
  6. 【請求項6】 上記±60°方向の2種類の空間電圧ベ
    クトルの出力時間が所定の設定時間より短くなるとき
    は、上記空間電圧ベクトル指令値の方向の空間電圧ベク
    トルを上記インバータ周波数を基準とした60°に対応
    した時間だけ出力することを特徴とする請求項1または
    請求項2記載の三相インバータのパルス幅変調方法。
  7. 【請求項7】 上記インバータ出力電圧指令値に対応す
    るインバータ出力電圧が所定値以上となるときは、1パ
    ルスモードに切り換えることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の三相インバータのパルス幅変調方
    法。
  8. 【請求項8】 上記インバータ周波数が所定値以上とな
    るときは、1パルスモードに切り換えることを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載の三相インバータのパル
    ス幅変調方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010527306A (ja) * 2007-05-03 2010-08-12 ルノー・エス・アー・エス 電力分路を制御するための装置と方法、同回路を有するハイブリッド車両
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