JPH07322752A - たまねぎの機械定植用成形苗の育成方法およびたまねぎの機械定植用成形苗育苗用培土 - Google Patents

たまねぎの機械定植用成形苗の育成方法およびたまねぎの機械定植用成形苗育苗用培土

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JPH07322752A
JPH07322752A JP6117811A JP11781194A JPH07322752A JP H07322752 A JPH07322752 A JP H07322752A JP 6117811 A JP6117811 A JP 6117811A JP 11781194 A JP11781194 A JP 11781194A JP H07322752 A JPH07322752 A JP H07322752A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 たまねぎ苗の根鉢の固結性・膠着性を向上さ
せ、根鉢の崩壊を防止して育苗用トレーからのたまねぎ
苗の機械定植が確実に行えるようにする。 【構成】 機械定植に使用する育苗用トレーのポット内
に培土を詰め、各ポットごと苗を生育させるたまねぎの
機械定植用成形苗の育成方法において、前記培土とし
て、熱処理を施して殺菌した土壌にピートモスと根鉢の
崩壊防止用として固結剤のモンモリロナイト系素材と、
膠着剤のアルギン酸を加えて混合し、肥料養分の水溶液
を加えて造粒した後、再度熱処理を施して素材の殺菌・
雑草防止および水分調整した育苗用培土を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はたまねぎの機械定植ある
いは手植え用苗の育苗に好適に使用できるたまねぎ育苗
用培土及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】農作物の栽培においては労働力の減少や
作業者の老齢化に鑑み作業の省力化が問題となってい
る。たまねぎ栽培においても同様であり、とくにたまね
ぎの定植作業に非常な労力がかかることが問題になって
いる。たまねぎの定植は十数センチ間隔でかなり密に行
わなければならないから、広い面積を手植えする場合は
きわめてきつい作業になる。また、たまねぎ栽培の問題
として定植時の植え傷みで生育が遅れるといった栽培上
の問題もあった。
【0003】そこで、成型苗育苗方法を利用して成型苗
(プラグ苗)を生育させ、成形苗を差し込み定植するこ
とによって定植時の畑土壌と育苗培土との親和性を向上
させ、植え傷み等による生育障害を抑えること、及び、
成形苗による機械定植を利用することにより定植時間を
短縮し、定植作業の労力を軽減させる試みが行われてい
る。成型苗育苗方法は成型苗育苗用トレーを使用して育
苗する方法であり、この方法ではトレーの穴に培土を詰
め、各穴ごと1株ずつ苗を育てる。定植時には1株ずつ
トレーから引き抜いて移植するが、機械定植の場合はト
レーから簡単に成形苗を引き抜くことができ、引き抜く
際に根鉢が崩壊したりしないようにしなければならな
い。
【0004】稲などでは苗が伸長するにしたがってトレ
ーの穴に詰めた培土全体に根張りして根鉢がしっかり形
成されるから、苗をトレーから引き抜く際に根鉢が崩壊
したりすることが少なく機械定植も容易である。ところ
が、たまねぎはその性質上、根がまっすぐに伸びるだけ
で培土内で均一に根が張るということがなく、トレーか
ら引き抜く際に根鉢が簡単に崩壊してしまって土壌が脱
落しやすいという問題があった。たまねぎを機械定植す
る場合はトレーから次々と機械的に苗を引き抜き、2つ
のローラで根鉢部分を両側から挟んで支持しながら移植
するから、根鉢がしっかりできていないとこの時に崩壊
しやすくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように機械定植
でトレーから苗を引き抜いて移植した際に根鉢が崩壊し
てしまうと、移植後の畑土壌との親和性が損なわれ、生
育障害が生じて実用に供することができなくなる。した
がって、たまねぎの機械定植を可能にするためには、た
まねぎの根と培土との固結性および膠着性を高めること
が重要になる。
【0006】培土と根との固結性および膠着性を高める
方法としては、たとえば、培土に合成糊を混ぜて固結性
を高めるようにする方法がある。しかし、この方法の場
合は土壌が湿っている場合は問題ないのであるが、土壌
が乾いてくるとその表面に糊膜ができ水分が浸透しなく
なるといった問題が生じる。また、別の方法として根鉢
をいったん凝集剤の中に浸漬して土を固めるようにする
方法もあるが、この方法は非常に手間がかかるという問
題がある。本発明は上述したように、たまねぎの成型育
苗を好適に行うことができ、根と培土との固結・膠着を
好適にして機械定植に有効に利用することができるたま
ねぎ育苗用培土及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、たまねぎ育苗用
培土の製造方法としては、熱処理を施して殺菌した土壌
にピートモス等の有機物と土壌を固結・膠着させて根鉢
の崩壊を防止するための固結剤及び膠着剤を添加して攪
拌し、肥料養分を水に溶かした溶液を加えて造粒機にて
造粒した後、素材の殺菌および雑草防止と過剰な水分を
除いて適水分とする熱処理を施すことを特徴とする。ま
た、前記固結剤として土壌改良剤であるモンモリロナイ
ト系素材を使用し、膠着剤としてアルギン酸を使用する
ことを特徴とする。また、たまねぎ育苗培土として、熱
処理して殺菌した土壌と、ピートモス等の有機物と、根
鉢の崩壊を防止して土壌を固結させるためのモンモリロ
ナイト系素材の固結剤および膠着剤としてアルギン酸が
混合されて攪拌、造粒され、肥料養分が添加されて成る
ことを特徴とする。
【0008】
【発明の概要】たまねぎ育苗用培土はたまねぎの苗の生
育にきわめて重要な役割をもっているものであり、発芽
から定植前までの初期生育が良好になされるように水分
や肥料養分の保持、通気性がバランスよく保たれるよう
に構成する必要がある。本発明に係るたまねぎ育苗用培
土では土壌に有機物としてピートモスを加えているが、
これによって根鉢が好適に形成されるようにすることが
できる。ピートモスには水分保持に好適な黒ピートと、
未熟で繊維質に富む白ピートを併用するのが好適であ
る。白ピートは培土中の孔隙量(空気率)を確保する作
用があり、二次的に水分を保持する作用がある。
【0009】根鉢が崩壊することを防止する培土の固結
剤としてはベントナイト等のモンモリロナイト系素材が
好適である。モンモリロナイト系素材は非常に粒が細か
く、膨潤性があって粘着性を有する。したがって、土壌
にたとえばベントナイトを混ぜて水分を加えると膨潤し
て粘着性が生じ、土壌を固まらせるように作用する。ま
た、高分子剤アルギン酸物質をベントナイトと同時に加
えて混ぜ合わせると、ベントナイトの固結剤の助剤とし
て作用し、土壌の固結および粘着、膠着性を一層強化す
ることができる。たまねぎ育苗用培土として、このよう
にベントナイト等のモンモリロナイト系素材に加えて高
分子剤アルギン酸物質を加えることは土壌の固結性およ
び膠着性を向上させる上で非常に有効であり、これによ
ってたまねぎの根鉢の崩壊を防止し、機械定植の際に根
鉢が崩壊することを防止して確実な移植を可能にする。
【0010】なお、育苗用培土としては作物生育用に必
要な肥料養分及び微量要素を含有する必要があるから、
適宜これを添加するようにする。肥料養分としては、窒
素、りん酸、カリ成分、微量要素としては、ホウ素、モ
リブデン、鉄、マンガン、マグネシウム等がある。
【0011】育苗用培土の作製にあたっては、まず、土
壌を熱処理して完全殺菌する。約120℃で7分〜10
分程度加熱すればよい。次に、殺菌処理した土壌に有機
物としてピートモス、固結剤としてベントナイト等のモ
ンモリロナイト系素材、膠着剤として高分子剤アルギン
酸物質を加えて十分に攪拌する。
【0012】次に、肥料成分としてN、P2 O5 、K2
Oの各成分を培土1リットルあたりNを130 〜150mg 、
P2 O5 を1000〜1500mg、K2 Oを130 〜150mg 加え、
さらに総合微量要素材を100 mg程度加えてから、肥料が
均一になるように造粒機で約5分〜7分程度混ぜ合わせ
て造粒する。この場合の粒度は4mm以下とし、2mm
程度が好適である。次に、混ぜ合わせた素材を殺菌し、
かつ適当な水分とするため再度熱処理する。肥料養分と
して肥料の水溶液を加えるから、この熱処理によって適
当な水分に調節する意味がある。熱処理としては70℃〜
80℃で6分程度でよい。たまねぎ培土としては、水分は
20〜25%程度が好適である。
【0013】たまねぎ栽培において成型苗育苗用トレー
を使用して育苗した場合は、徒長苗や苗の生育のばらつ
きがなくなり、均一に揃った苗を得ることができる。こ
れによって機械植えの際に断根がなく、植え傷みをなく
すことができて、確実な定植を行うことが可能になる。
また、定植後の畑土壌との活着が良くなり、これによっ
て生育が促進され仕上げ期間(収穫期間)を短縮するこ
とができる。この結果、作業労力の軽減化を図ることが
でき、経営を合理化することができる。また、経験の浅
い人でも作業することができるようになる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例として、たまね
ぎ育苗用培土の作製例および根鉢の崩壊試験について説
明する。 (実施例1)たまねぎ育苗用培土として、第1次熱処理
で土壌のみ120℃で8分熱処理した後、容積比で土壌
50%、有機物15%、ベントナイト30%、高分子剤
アルギン酸物質5%を混合して攪拌し、肥料養分として
は硝酸アンモニウム、りん酸液、塩化カリ、総合微量要
素剤の各肥料を規定の濃度に溶かしたものを噴霧し、造
粒機で造粒した後、第2次熱処理として70℃で約6分
間処理して培土を得た。 (実施例2)たまねぎ育苗用培土の他の実施例として、
培土組成として土壌55%、有機物20%、ベントナイ
ト20%、高分子剤アルギン酸物質5%とし、上記実施
例1と同様な製法によって培土を得た。
【0015】上記各実施例の培土を成型苗育苗トレーの
穴に詰め、一穴に一粒蒔きとして播種した後、育苗箱を
施肥、耕起、整地した畑地に伏せるようにして定植する
状態までに育苗した。なお、標準区として土壌と有機物
のみからなる従来の培土を用いた。育苗後、根鉢の崩壊
試験として上記の成型苗育苗トレーで生育させた苗を育
苗トレーから引き抜き、30cmと50cmの高さから
落下させて、根鉢が崩壊する様子を観察した。試験で
は、上記実施例1および2、標準区の各々について30
株ずつ抜きとって試験した。
【0016】たまねぎ苗は育苗トレーで生育させること
によって根鉢が形成されるが、標準区のものについて上
記の試験を行ったところ、50cmの高さから落下させ
た場合は根鉢の培土がほとんどばらばらの状態に分離
し、たまねぎの根がそのまま露出する状態になり、ま
た、30cmの高さから落下させたものでは半数以上が
崩壊した。これに対して、実施例1、2の培土では、と
もに50cmの高さから落下させても根鉢はしっかりと
固結・膠着し、培土がばらけて崩壊することはなかっ
た。この崩壊試験の結果は、上記の実施例1、2に示す
培土が十分な固結・膠着性を有し、たまねぎ苗の機械定
植に対して十分に有効に使用できることを示している。
【0017】なお、実施例1の培土(ベントナイト30
%)と実施例2の培土(ベントナイト20%)とを比較
した場合、実施例1の培土は播種時の灌水によって溌水
性がひどく、透水性が悪いのに対して、実施例2の培土
はこのような傾向が低く、また、培土を製造する際に素
材を混合する場合もそれほどの困難性が見られないこと
から、機械定植用のたまねぎ培土としては実施例2の培
土、ベントナイト20%、高分子剤アルギン酸物質5%
混合したものが好適である。
【0018】また、アルギン酸の混入量による培土の性
質を調べるため、実施例2と同様に、ベントナイトを2
0%含む培土で、アルギン酸の混入量を3%、5%、7
%とした培土について、育苗用トレーで定植前の状態ま
で生育させた際の苗の様子と、機械定植時の根鉢の押し
出し荷重について試験した。以下にその試験結果を示
す。
【0019】
【表1】
【0020】上記の試験結果はアルギン酸3%と5%の
混入区は草丈、葉数に及ぼす影響は大きな差がなく、7
%混入区では草丈、葉数の数値がやや低くなった。ま
た、茎径、玉径、地上部重については5%混入区>3%
混入区>7%混入区の順に数値が低くなった。
【0021】押し出し荷重は育苗用トレーから苗を引き
抜く際に要する力を測定したものである。押し出し荷重
が大きいということは育苗トレーから引き抜く際に大き
な力が必要で、引き抜き難いことを意味し、押し出し荷
重が小さいということは引き抜きやすく、したがって、
引き抜き時に根鉢が崩壊しにくくなることを示す。上記
試験結果は、5%混入区のものの押し出し荷重がもっと
も小さいことを示す。上記のたまねぎ苗の生育の様子お
よび押し出し荷重の測定結果は、5%混入区のものが培
土として好適であることを示している。実際、上記各培
土を機械定植に使用し、根鉢の膠着、崩壊度からみて5
%混入区のものがもっとも適していることを確かめるこ
とができた。
【0022】
【発明の効果】本発明に係るたまねぎ育苗用培土及びそ
の製造方法によれば、上述したように、成型苗育苗トレ
ーを用いて根鉢を好適に形成してたまねぎ苗を生育させ
ることができる。また、培土の固結性・膠着性が良好と
なり育苗用トレーを用いた機械定植の際の根鉢の崩壊を
防止して好適な機械定植を可能にする。また、定植後の
たまねぎの生育が好適にでき、品質のよいたまねぎを栽
培することが可能になる等の著効を奏する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 たまねぎの機械定植用成形苗の育成
方法およびたまねぎの機械定植用成形苗育苗用培土
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はたまねぎの機械定植に好
適な成形苗の育成方法およびたまねぎの機械定植用成形
苗の育成に好適に使用できる育苗用培土に関する。
【0002】
【従来の技術】農作物の栽培においては労働力の減少や
作業者の老齢化に鑑み作業の省力化が問題となってい
る。たまねぎ栽培においても同様であり、とくにたまね
ぎの定植作業に非常な労力がかかることが問題になって
いる。たまねぎの定植は十数センチ間隔でかなり密に行
わなければならないから、広い面積を手植えする場合は
きわめてきつい作業になる。また、たまねぎ栽培の問題
として定植時の植え傷みで生育が遅れるといった栽培上
の問題もあった。
【0003】そこで、成型苗育苗方法によって成型苗
(プラグ苗)を生育させ、成形苗を差し込み定植するこ
とによって定植時の畑土壌と育苗培土との親和性を向上
させ、植え傷み等による生育障害を抑える方法が検討さ
れている。また、成形苗による機械定植を利用すること
により定植時間を短縮し、定植作業の労力を軽減させる
試みが行われている。ところで、成型苗育苗方法では成
型苗育苗用トレーを使用して育苗するが、この育苗方法
はトレーのポット内に培土を詰め、各ポットごと1株ず
つ苗を育て、定植の際には1株ずつトレーから引き抜い
て移植するようにする。したがって、移植する際にトレ
ーから簡単に成形苗が引き抜け、引き抜く際に根鉢が崩
壊したりしないようにしなければならない。
【0004】稲などでは苗が伸長するにしたがってトレ
ーのポット内の培土全体に均一に根張りして根鉢がしっ
かり形成されるから、苗をトレーから引き抜く際に根鉢
が崩壊したりせず容易に機械定植することができる。と
ころが、たまねぎはその性質上、根がまっすぐに伸びる
だけで培土内で均一に根が張るということがなく、機械
植えのためにトレーから引き抜く際に根鉢が簡単に崩壊
してしまって土壌が脱落しやすいという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように機械定植
でトレーから苗を引き抜いて移植した際に根鉢が崩壊し
てしまうと、移植後の畑土壌との親和性が損なわれ、生
育障害が生じて実用に供することができなくなる。した
がって、たまねぎの機械定植を可能にするためには、た
まねぎの根と培土との固結性および膠着性を高めること
が重要になる。
【0006】培土と根との固結性を高める方法として
は、たとえば、培土に合成糊を混ぜて固結性を高めるよ
うにする方法がある。しかし、この方法の場合は土壌が
湿っている場合は問題ないのであるが、土壌が乾いてく
るとその表面に糊膜ができ水分が浸透しなくなるといっ
た問題が生じる。また、この問題を解消する方法として
根鉢をいったん凝集剤の中に浸漬して土を固めるように
する方法もあるが、この方法は非常に手間がかかるとい
う問題がある。本発明は上述したように、たまねぎの栽
培で問題となる定植作業を機械化することによって能率
的に作業できるようにするため、たまねぎの成型育苗を
好適に行うことができ、根と培土との好適な固結性が得
られ機械定植に有効に適用することができるたまねぎの
機械定植用成形苗の育成方法およびたまねぎの機械定植
用成形苗育苗用培土を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、機械定植に使用
する育苗用トレーのポット内に培土を詰め、各ポットご
と苗を生育させるたまねぎの機械定植用成形苗の育成方
法において、前記培土として、熱処理を施して殺菌した
土壌にピートモスと根鉢の崩壊防止用として固結剤のモ
ンモリロナイト系素材と、膠着剤のアルギン酸を加えて
混合し、肥料養分の水溶液を加えて造粒した後、再度熱
処理を施して素材の殺菌・雑草防止および水分調整した
育苗用培土を使用することを特徴とする。また、たまね
ぎの機械定植用成形苗育苗用培土おいて、熱処理して殺
菌した土壌と、ピートモス等の有機物と、根鉢の崩壊を
防止して土壌を固結させるためのモンモリロナイト系素
材の固結剤および膠着剤としてアルギン酸が混合されて
攪拌、造粒され、肥料養分が添加されて成ることを特徴
とする。
【0008】
【発明の概要】たまねぎの機械定植用として育苗用トレ
ーでたまねぎの成形苗を育成するに際しては、育苗用ト
レーのポット内に詰める育苗用培土がたまねぎの苗の生
育にきわめて重要な役割をもっている。すなわち、この
育苗用培土は発芽から定植前までの初期生育が良好にな
されるよう水分や肥料養分の保持、通気性がバランスよ
く保たれる組成が要求される。そのため、本発明のたま
ねぎ育苗用培土では土壌に有機物としてピートモスを加
えているが、これによって根鉢が好適に形成されるよう
にすることができる。ピートモスには水分保持に好適な
黒ピートと、未熟で繊維質に富む白ピートを併用するの
が好適である。白ピートは培土中の孔隙量(空気率)を
確保する作用があり、二次的に水分を保持する作用があ
る。
【0009】根鉢が崩壊することを防止する培土の固結
剤としてはベントナイト等のモンモリロナイト系素材が
好適である。モンモリロナイト系素材は非常に粒が細か
く、膨潤性があって粘着性を有する。したがって、土壌
にたとえばベントナイトを混ぜて水分を加えると膨潤し
て粘着性が生じ、土壌を固まらせるように作用する。ま
た、高分子剤アルギン酸物質をベントナイトと同時に加
えて混ぜ合わせると、ベントナイトの固結剤の助剤とし
て作用し、土壌の固結および粘着、膠着性を一層強化す
ることができる。たまねぎ育苗用培土として、このよう
にベントナイト等のモンモリロナイト系素材に加えて高
分子剤アルギン酸物質を加えることは土壌の固結性およ
び膠着性を向上させる上で非常に有効であり、これによ
ってたまねぎの根鉢の崩壊を防止し、機械定植の際に根
鉢が崩壊することを防止して確実な移植を可能にする。
【0010】なお、育苗用培土としては作物生育用に必
要な肥料養分及び微量要素を含有する必要があるから、
適宜これを添加するようにする。肥料養分としては、窒
素、りん酸、カリ成分、微量要素としては、ホウ素、モ
リブデン、鉄、マンガン、マグネシウム等がある。
【0011】育苗用培土の作製にあたっては、まず、土
壌を熱処理して完全殺菌する。約120℃で7分〜10
分程度加熱すればよい。次に、殺菌処理した土壌に有機
物としてピートモス、固結剤としてベントナイト等のモ
ンモリロナイト系素材、膠着剤として高分子剤アルギン
酸物質を加えて十分に攪拌する。
【0012】次に、肥料成分としてN、P2 O5 、K2
Oの各成分を培土1リットルあたりNを130 〜150mg 、
P2 O5 を1000〜1500mg、K2 Oを130 〜150mg 加え、
さらに総合微量要素材を100 mg程度加えてから、肥料が
均一になるように造粒機で約5分〜7分程度混ぜ合わせ
て造粒する。この場合の粒度は4mm以下とし、2mm
程度が好適である。次に、混ぜ合わせた素材を殺菌し、
かつ適当な水分とするため再度熱処理する。肥料養分と
して肥料の水溶液を加えるから、この熱処理によって適
当な水分に調節する意味がある。熱処理としては70℃〜
80℃で6分程度でよい。たまねぎ培土としては、水分は
20〜25%程度が好適である。
【0013】たまねぎ栽培において成型苗育苗用トレー
を使用して育苗した場合は、徒長苗や苗の生育のばらつ
きがなくなり、均一に揃った苗を得ることができる。こ
れによって機械植えの際に断根がなく、植え傷みをなく
すことができて、確実な定植を行うことが可能になる。
また、定植後の畑土壌との活着が良くなり、これによっ
て生育が促進され仕上げ期間(収穫期間)を短縮するこ
とができる。この結果、作業労力の軽減化を図ることが
でき、経営を合理化することができる。また、経験の浅
い人でも作業することができるようになる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例として、機械定
植用の育苗用トレーを用いてたまねぎの成形苗を育成
し、本発明方法と従来方法による場合とで苗の生育比較
および根鉢の崩壊試験について説明する。 (実施例1)たまねぎ育苗用培土として、第1次熱処理
で土壌のみ120℃で8分熱処理した後、容積比で土壌
50%、有機物15%、ベントナイト30%、高分子剤
アルギン酸物質5%を混合して攪拌し、肥料養分として
は硝酸アンモニウム、りん酸液、塩化カリ、総合微量要
素剤の各肥料を規定の濃度に溶かしたものを噴霧し、造
粒機で造粒した後、第2次熱処理として70℃で約6分
間処理して培土を得た。 (実施例2)たまねぎ育苗用培土の他の実施例として、
培土組成として土壌55%、有機物20%、ベントナイ
ト20%、高分子剤アルギン酸物質5%とし、上記実施
例1と同様な製法によって培土を得た。
【0015】上記各実施例の培土を成型苗育苗トレーの
ポットに詰め、1ポットに一粒蒔きとして播種した後、
育苗箱を施肥、耕起、整地した畑地に伏せるようにして
定植する状態までに育苗した。なお、標準区として土壌
と有機物のみからなる従来の培土を用いた。育苗後、根
鉢の崩壊試験として上記の成型苗育苗トレーで生育させ
た苗を育苗トレーから引き抜き、30cmと50cmの
高さから落下させて、根鉢が崩壊する様子を観察した。
試験では、上記実施例1および2、標準区の各々につい
て30株ずつ抜きとって試験した。
【0016】たまねぎ苗は育苗トレーで生育させること
によって根鉢が形成されるが、標準区のものについて上
記の試験を行ったところ、50cmの高さから落下させ
た場合は根鉢の培土がほとんどばらばらの状態に分離
し、たまねぎの根がそのまま露出する状態になり、ま
た、30cmの高さから落下させたものでは半数以上が
崩壊した。これに対して、実施例1、2の培土では、と
もに50cmの高さから落下させても根鉢はしっかりと
固結・膠着し、培土がばらけて崩壊することはなかっ
た。この崩壊試験の結果は、上記の実施例1、2に示す
培土が十分な固結・膠着性を有し、たまねぎ苗の機械定
植に対して十分に有効に使用できることを示している。
【0017】なお、実施例1の培土(ベントナイト30
%)と実施例2の培土(ベントナイト20%)とを比較
した場合、実施例1の培土は播種時の灌水によって溌水
性がひどく、透水性が悪いのに対して、実施例2の培土
はこのような傾向が低く、また、培土を製造する際に素
材を混合する場合もそれほどの困難性が見られないこと
から、機械定植用のたまねぎ培土としては実施例2の培
土、ベントナイト20%、高分子剤アルギン酸物質5%
混合したものが好適である。
【0018】また、アルギン酸の混入量による培土の性
質を調べるため、実施例2と同様に、ベントナイトを2
0%含む培土で、アルギン酸の混入量を3%、5%、7
%とした培土について、育苗用トレーで定植前の状態ま
で生育させた際の苗の様子と、機械定植時の根鉢の押し
出し荷重について試験した。以下にその試験結果を示
す。
【0019】
【表1】
【0020】上記の試験結果はアルギン酸3%と5%の
混入区は草丈、葉数に及ぼす影響は大きな差がなく、7
%混入区では草丈、葉数の数値がやや低くなった。ま
た、茎径、玉径、地上部重については5%混入区>3%
混入区>7%混入区の順に数値が低くなった。
【0021】押し出し荷重は育苗用トレーから苗を引き
抜く際に要する力を測定したものである。押し出し荷重
が大きいということは育苗トレーから引き抜く際に大き
な力が必要で、引き抜き難いことを意味し、押し出し荷
重が小さいということは引き抜きやすく、したがって、
引き抜き時に根鉢が崩壊しにくくなることを示す。上記
試験結果は、5%混入区のものの押し出し荷重がもっと
も小さいことを示す。上記のたまねぎ苗の生育の様子お
よび押し出し荷重の測定結果は、5%混入区のものが培
土として好適であることを示している。実際、上記各培
土を機械定植に使用し、根鉢の膠着、崩壊度からみて5
%混入区のものがもっとも適していることを確かめるこ
とができた。
【0022】
【発明の効果】本発明に係るたまねぎの機械定植用成形
苗の育成方法及びたまねぎの機械定植用成形苗育苗用培
土によれば、上述したように、育苗用トレーを用いてた
まねぎの成形苗を育成する際に好適に根鉢を張らせるこ
とができ、根鉢がしっかりと形成できることから育苗用
トレーからの機械定植の際に根鉢が崩壊するといった問
題を解消して、好適に機械定植ができる成形苗を育成す
ることができる。また、これによって定植後の生育も良
好になり良質のたまねぎ栽培を可能にする等の著効を奏
する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱処理を施して殺菌した土壌にピートモ
    ス等の有機物と土壌を固結・膠着させて根鉢の崩壊を防
    止するための固結剤及び膠着剤を添加して攪拌し、 肥料養分を水に溶かした溶液を加えて造粒機にて造粒し
    た後、 素材の殺菌および雑草防止と過剰な水分を除いて適水分
    とする熱処理を施すことを特徴とするたまねぎ育苗用培
    土の製造方法。
  2. 【請求項2】 固結剤として土壌改良剤であるモンモリ
    ロナイト系素材を使用し、膠着剤としてアルギン酸を使
    用することを特徴とする請求項1記載のたまねぎ育苗用
    培土の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱処理して殺菌した土壌と、ピートモス
    等の有機物と、根鉢の崩壊を防止して土壌を固結させる
    ためのモンモリロナイト系素材の固結剤および膠着剤と
    してアルギン酸が混合されて攪拌、造粒され、肥料養分
    が添加されて成ることを特徴とするたまねぎ育苗用培
    土。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002171831A (ja) * 2000-12-04 2002-06-18 Okutama Kogyo Co Ltd 機械定植用育苗培土
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