JPH07324720A - ごみ焼却灰の溶融設備 - Google Patents

ごみ焼却灰の溶融設備

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JPH07324720A
JPH07324720A JP12026494A JP12026494A JPH07324720A JP H07324720 A JPH07324720 A JP H07324720A JP 12026494 A JP12026494 A JP 12026494A JP 12026494 A JP12026494 A JP 12026494A JP H07324720 A JPH07324720 A JP H07324720A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 システム構成が簡単にして、耐久性及び環境
性に優れ、メインテナンスが容易で消費エネルギの無駄
も少ないごみ焼却灰の溶融設備を提供する。 【構成】 ごみ焼却炉2と、該焼却炉から排出されるご
み焼却灰を溶融する灰溶融炉19とを備えたごみ焼却灰
の溶融設備において、前記ごみ焼却炉の出口に700℃
〜950℃の高温に耐える高温サイクロン50を設け、
該高温サイクロンの灰出し口と前記灰溶融炉の灰供給口
とを管路51,52にて直結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ごみ等の焼却灰の
溶融設備に係り、特に、設備構成の簡素化と省エネルギ
化とを図るための手段に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、都市ごみ等の焼却灰は埋立てなど
に使用されていたが、最近、処理ごみ量の増加によって
埋立て用地の確保が困難となってきたことに伴い、灰の
溶融固化による減容処理が求められている。
【0003】図6に、従来より知られているごみ焼却灰
溶融設備の一例を示す。この図において、1はごみの投
入シュート、2はごみ焼却炉、13はごみ焼却炉2に燃
焼用空気を供給する送風機であって、投入シュート1か
ら投入されたごみは、送風機13から供給される燃焼用
空気によって、ごみ焼却炉2内で燃焼される。燃焼用空
気は、空気予熱器4にて予熱された後に、弁14を経由
した1次空気と弁15を経由した2次空気とに分けら
れ、ごみ焼却炉2内に供給される。ごみ焼却炉2の排ガ
スは、誘引送風器9によって誘引され、ガスクーラ3、
空気予熱器4、ガスクーラ5、バグフィルタ6を経由し
て煙突12より排煙される。
【0004】ガスクーラ3は、ごみ焼却炉2の出口で8
00〜950℃にも達する高温燃焼ガスを、空気予熱器
4に熱損傷を与えない程度の300〜500℃まで冷却
する装置であって、通常は、煙道内に水を噴射すること
によって燃焼ガスを冷却する方式(水噴射方式)のもの
が採用されている。一方、ガスクーラ5は、約300℃
の空気予熱器4の出口ガスをバグフィルタ6の適正ガス
温度である約200℃まで冷却する装置であって、通常
は、これについても水噴射方式のものが採用されてい
る。
【0005】31は粉末状もしくは微粒子状の消石灰
(Ca(OH)2 )を貯溜する消石灰ホッパであり、32
は消石灰ホッパ31に貯溜された消石灰を一定量ずつ煙
道34内に供給する定量供給機である。定量供給機10
から供給された消石灰は、搬送用空気33と共に煙道3
4内に吹き込まれ、ごみ中に含まれる塩素分によって発
生し、ごみ焼却炉2の燃焼ガス中に数百ppmの濃度で
含まれている気体の塩化水素(HCl)を、下記の反応
によって固体の塩化カルシウム(CaCl2 )に変化さ
せる。これを脱塩処理という。 2HCl+Ca(OH)2 →CaCl2 +2H2 O 固体のCaCl2 は、ごみの焼却灰と共にバグフィルタ
6にて捕集される。このCaCl2 を含む捕集灰は、中
継ホッパ17、弁16、灰搬送管18を経由して灰溶融
炉19に搬送され、重油バーナ20の高温火炎により溶
融される。溶融灰は、灰溶融炉19の炉壁、スラグタッ
プ21を流下し、スラグホッパ22に落下して固化す
る。重油バーナ20には、送風器30から供給され、空
気予熱器26にて予熱された燃焼用空気が導入される。
【0006】灰溶融炉19の排ガスは、誘引送風器28
にて誘引され、ガスクーラ23、空気予熱器26、ガス
クーラ35、バグフィルタ39を経由して、煙突29か
ら排煙される。灰溶融炉19では、1400〜1600
℃に達する高温の排ガスが発生する。この高温排ガス
は、ガスクーラ23にて300〜500℃まで冷却され
て空気予熱器26に導入され、空気予熱器26を通過
後、ガスクーラ35によりさらに約200℃程度にまで
冷却されて、バグフィルタ39に導入される。
【0007】灰溶融炉19では、灰中のCaCl2 が高
温により再び大気中の水分と反応し、元のHClガスと
なって排ガス中に放出される。そのため、図6の設備で
は、灰溶融炉19からの排ガスに対しても脱塩処理が必
要であり、同図に示すように消石灰ホッパ31に貯溜さ
れた消石灰をバグフィルタ39の入口の煙道27内に吹
き込んで排ガス中のHClを再びCaCl2 とし、バグ
フィルタ39で捕集している。
【0008】バグフィルタ39で捕集された灰には、C
aCl2 、水銀、鉛などが高濃度に含まれているため、
有害物質が溶出しないように化学的に安定にしなくては
ならない。このため、バグフィルタ39で捕集された灰
は、中継ホッパ40、弁41を経由して灰安定化装置3
6に導入され、薬剤供給管37から供給される固化薬剤
の作用によって安定化された後、排出管38より外部に
排出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記した従
来のごみ焼却灰の溶融設備には、以下に示すような種々
の改善すべき点があった。
【0010】灰溶融炉19にて高濃度のHClガスが
発生するので、灰溶融炉19を構成する耐火材、灰溶融
炉19からバグフィルタ39に至るまでの煙道、当該煙
道の途中に設けられたガスクーラ23,35及び空気予
熱器26の侵蝕や腐食が著しく、頻繁な点検作業や補修
作業それに機器の交換作業が必要になる。
【0011】図7に、計算にて求めた、ごみ可燃分中の
Cl濃度とバグフィルタ捕集灰中のCaCl2 濃度及び
未反応Ca(OH)2 濃度との関係を示す。この図から明
らかなように、バグフィルタ6で捕集した灰、すなわち
灰溶融炉19への供給灰中には、ごみ可燃物中に通常1
%以下の濃度で含まれているClにより、CaCl2
数%含まれているので、この灰中のCaCl2 が高温に
より再び大気中の水分と反応して元のHClガスとな
り、灰溶融炉19の排ガス中に放出される。
【0012】例えば、溶融すべき灰中にCaCl2
3.5重量%含まれているとき、灰溶融炉19の排ガス
中には1.22体積%のHClが含まれることになり、
人体に有害であるばかりでなく、灰溶融炉19を構成す
る耐火材や煙道等を著しく腐食させるために、頻繁な点
検、補修、それに機器の交換が必要になる。ごみ焼却炉
2の燃焼ガス中のHCl濃度が通常数百ppm程度であ
るのに対して、灰溶融炉19の排ガス中のHCl濃度は
1体積%以上にもなるので、HClによる機器の障害が
大きな問題となる。
【0013】ごみ中のClに対してごみ焼却炉側と灰
溶融炉側で重複して脱塩処理を行っているので、設備的
にも消石灰等の有効利用の面からも無駄が多い。
【0014】前出の図7に示したように、灰溶融炉で
処理する灰中には、本来溶融固化に適さないCaCl2
及び溶融固化が不要な未反応の消石灰が合わせて10%
以上も含まれており、このための溶融エネルギが無駄に
なっている。
【0015】元々、ごみ焼却炉で800〜950℃で
あった燃焼灰を約100〜150℃に冷却した後、再度
1500℃以上に加熱する構成になっているため、熱エ
ネルギの無駄が多い。
【0016】ガスクーラ、空気予熱器、バグフィルタ
等の設備が2系統必要であるため、システムが複雑で高
価になる。
【0017】本発明の目的は、かかる従来技術の不都合
を解消し、システム構成が簡単にして、耐久性及び環境
性に優れ、メインテナンスが容易で消費エネルギの無駄
も少ないごみ焼却灰の溶融設備を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
達成するため、ごみ焼却炉と、該焼却炉から排出される
ごみ焼却灰を溶融する灰溶融炉とを備えたごみ焼却灰の
溶融設備において、前記ごみ焼却炉の出口に集じん器を
設け、該集じん器の灰出し口と前記灰溶融炉の灰供給口
とを管路にて連結するという構成にした。
【0019】
【作用】サイクロン集じん器等は、700℃〜950℃
の高温に耐え得る。かかる高温集じん器をごみ焼却炉の
出口に設け、脱塩剤を吹き込む前にごみ焼却炉から排出
される焼却灰を捕集し、これを灰溶融炉に送って溶融す
ると、前記の焼却灰中には塩化物がほとんど含まれない
ので、灰溶融炉からのHClなどの発生を著しく低減で
きる。よって、環境の汚染が防止されると共に、灰溶融
炉及びその下流側に配置される装置及び煙道の腐食が低
減され、メインテナンスが容易になる。
【0020】また、このように、ごみ焼却炉から排出さ
れる焼却灰を直接灰溶融炉に導入して溶融すると、灰溶
融炉からのHClなどの発生を著しく低減できるので、
灰溶融炉の出口ガスに対する脱塩処理が不要となり、シ
ステム構成を簡易化できると共に、脱塩剤の使用量を半
減できる。
【0021】さらに、このように、ごみ焼却炉から排出
される焼却灰を直接灰溶融炉に導入して溶融すると、高
温集じん器で捕集された灰中には余分なCaCl2 や未
反応のCa(OH)2 が含まれないので、その分、灰溶
融炉の処理量を減らすことができ、灰溶融炉における消
費エネルギを節減できる。
【0022】また、高温集じん器の灰出し管と灰溶融炉
とを直結すると、放熱による灰の冷却が防止されるの
で、この点からも灰溶融炉における消費エネルギを節減
を図ることができる。
【0023】
【実施例】
〈第1実施例〉第1実施例に係る灰溶融設備を、図1の
システム構成図に基づいて説明する。
【0024】この図において、50は高温サイクロン、
51は高温サイクロン50の灰出し管、52は灰溶融炉
19の給灰管、53は水管、54は水管53に設けられ
た開閉弁、55は炉内圧力制御器、56は差圧計、57
はガスクーラ35の出口管路、58は出口管路57に設
けられた圧力調整ダンパを示し、その他、前出の図6と
対応する部分には、それと同一の符号が表示されてい
る。
【0025】高温サイクロン50は、耐火材を内張りす
ることによって、ごみ焼却炉2の出口ガス温度である7
00℃〜950℃の高温に耐えるように構成された集じ
ん器であって、ごみ焼却炉2の出口に連設される。該高
温サイクロン50の灰出し管51と灰溶融炉19の給灰
管52とは直結されており、高温サイクロン50にて捕
集された灰を、放熱による冷却を極力防止した状態で灰
溶融炉19に供給できるようになっている。また、これ
ら灰出し管51及び給灰管52は、水平面に対して45
度以上の角度に傾斜して設定されており、高温サイクロ
ン50の捕集灰が円滑に灰溶融炉19に供給できるよう
になっている。
【0026】水冷バイパス管53は、給灰管52あるい
は灰溶融炉19に何らかのトラブルが発生したときに、
高温サイクロン50の捕集灰を一時的に図示を省略した
別のホッパに逃がすために設けられたものであって、ト
ラブル発生時に開閉弁54を開くことによって、捕集灰
を給灰管52、灰溶融炉19に送らず、別の場所に排出
するようになっている。
【0027】差圧計56は、灰溶融炉19の炉内圧力と
高温サイクロン50の内部圧力との差圧を検出する。炉
内圧力制御器55は、差圧計56の検出値に応じて圧力
調整ダンパ58の開度を調整し、灰溶融炉19の炉内圧
力が高温サイクロン50の内部圧力よりも常時低圧とな
るように制御する。
【0028】その他、前出の図6と同一の符号が付され
た部分については、従来技術の欄で説明済みであるの
で、重複を避けるため説明を省略する。
【0029】以下、本例に係るごみ焼却灰溶融設備の動
作について説明する。
【0030】ごみは、投入シュート1からごみ焼却炉2
内に投入され、送風機13から供給される燃焼用空気に
よって、ごみ焼却炉2内で焼却される。送風機13から
の燃焼用空気は、空気予熱器4を経由して予熱され、次
いで、弁14を経由した1次空気と弁15を経由した2
次空気とに分けられてごみ焼却炉2に導入される。ごみ
焼却炉2から発生する燃焼ガスは、管路2aを経由して
高温サイクロン50に導入され、焼却灰が分離される。
高温サイクロン50にて除じんされた燃焼ガスは、ガス
クーラ3により冷却され、空気予熱器4、ガスクーラ
5、バグフィルタ6、煙突12を経由して排煙される。
燃焼ガスの排煙は、誘引ポンプ9によって行われる。
【0031】高温サイクロン50を通過した燃焼ガスに
は、ごみ中の塩素に起因するHClが数百ppm含まれ
ている。これを除去(脱塩)するため、消石灰ホッパ3
1から粉末状の消石灰を定量供給機32を介して気流搬
送により煙道34内に吹き込み、前出の化学式で示され
る反応によって、気体のHClを固体のCaCl2 に変
化させ、バグフィルタ6によりごみの焼却灰と共に捕集
する。また、水銀、カドミウム、ヒ素などの低沸点金属
等もごみ焼却炉2で気化し、ごみの燃焼ガス中に含まれ
るが、ガスクーラ5で約200℃にまで冷却することに
よってこれらを固体の粒子とすることができるので、バ
グフィルタ6で捕集できる。
【0032】バグフィルタ6で捕集された灰は、中継ホ
ッパ40、弁41を経由して灰安定化装置36に入り、
薬剤供給管37から供給される固化薬剤の作用によって
灰中に高濃度に含まれるCaCl2 、水銀、鉛などの有
害物質の安定化が行われる。安定化処理後の灰は、排出
管38より外部に排出される。
【0033】高温サイクロン50にて捕集された塩化物
をほとんど含まない灰は、灰出し管51及び給灰管52
を通って灰溶融炉19に搬送され、重油バーナ20の高
温火炎により溶融される。溶融灰は、灰溶融炉19の炉
壁、スラグタップ21を流下し、スラグホッパ22に落
下して固化する。
【0034】一方、灰溶融炉19で発生する1400〜
1600℃の高温排ガスは、下流に設置された圧力調整
ダンパ58が損傷しないようにガスクーラ35によって
300〜500℃に冷却された後、圧力調整ダンパ58
を経由して空気予熱器4の入口でごみ焼却炉2からの燃
焼ガスと合流し、前記の手順で脱塩と除じんとが行われ
る。
【0035】灰溶融炉19から高温サイクロン50への
高温排ガスの逆流防止は、炉内圧力制御器55で圧力調
整ダンパ58の開度を調整することによって行われる。
すなわち、ごみ焼却炉2では、通常、ごみ焼却炉2の炉
内ガスが外部にもれないように、誘引送風器9で燃焼ガ
スを吸引し、炉内圧力を大気圧力と同程度あるいはやや
負圧としておく、いわゆる平衡通風方式が採用されてい
る。そのため、ごみ焼却炉2から誘引送風器9までの系
では、ごみ焼却炉2の炉内圧力が最も高く(ほぼ0mm
2 O)、それよりも下流側では、各機器の圧力損失に
応じて下流に至るにつれて煙道内圧力が低くなり、最終
的には、誘引送風器9の入口部が最も圧力が低く、−数
百mmH2 Oの負圧となっている。したがって、図1に
示した空気予熱器4の入口の圧力は、必ず高温サイクロ
ン50内の圧力よりも低いので、圧力調整ダンパ58を
開閉することによって、灰溶融炉19の炉内圧力を高温
サイクロン50の内部圧力よりも常時低圧となるように
制御できる。このようにすると、灰溶融炉19から高温
サイクロン50への高温排ガスの逆流が防止されるの
で、高温サイクロン50から灰溶融炉19への灰の流れ
が円滑になると共に、高温サイクロン50内で灰が溶融
固着するといったトラブルを防止できる。
【0036】なお、灰溶融炉19では、供給灰量の増減
によって炉内圧力が変化するが、それに対しては公知に
属する通常の炉内温度制御回路(図示省略)にて、重油
量並びに燃焼用空気量を制御することで安定化が図られ
ている。また、これによって、供給灰量の増減に拘ら
ず、灰を安定に溶融排出できる。
【0037】本例の灰溶融設備は、700℃〜950℃
の高温に耐える高温サイクロン50をごみ焼却炉2の出
口に設け、ごみ焼却炉2から排出される塩化物をほとん
ど含まない焼却灰を捕集し、これを灰溶融炉19に送っ
て溶融するので、灰溶融炉19からのHClの発生を著
しく低減できる。よって、環境の汚染が防止されると共
に、灰溶融炉19及びその下流側に配置される装置及び
煙道の腐食が低減され、メインテナンスが容易になる。
【0038】また、本例の灰溶融設備は、合流管路34
にのみ脱塩剤である消石灰を吹き込む構成としたこと、
及び前記のように灰溶融炉19からのHClの発生を著
しく低減できることから、図2に示すように、消石灰の
使用量を従来の設備に比べて半減できる。
【0039】さらに、本例の灰溶融設備は、ごみ焼却炉
2から排出される余分なCaCl2や未反応の消石灰を
含まない焼却灰を直接灰溶融炉19に送って溶融するの
で、灰溶融炉の処理量を減らすことができ、灰溶融炉に
おける消費エネルギを節減できる。
【0040】また、本例の灰溶融設備は、高温サイクロ
ン50と灰溶融炉19とを直結したので、放熱による灰
の冷却が防止され、この点からも灰溶融炉19における
消費エネルギを節減を図ることができる。図3に、灰溶
融炉19に供給される灰の温度と、溶融処理灰量対使用
重油量比(以下、灰/重油比という)との関係を示す。
このグラフから明らかなように、灰溶融炉19の炉内温
度を灰の溶融処理に必要な1500℃以上に保つために
は、灰溶融炉19に供給される灰温度が150℃の場
合、灰/重油比を6.2以下で運転しなくてはならない
が、灰温度を900℃にすると、灰/重油比を12とす
ることができ、単位重量の重油で溶融処理できる灰の量
をほぼ倍増できることが判る。
【0041】〈第2実施例〉図4に、第2実施例に係る
灰溶融設備を示す。この図において、60はLバルブを
示し、その他、前出の図1と対応する部分には、それと
同一の符号が表示されている。この図から明らかなよう
に、本例の灰溶融設備は、高温サイクロン50と灰溶融
炉19との間に、灰溶融炉19への灰供給量を安定化す
るための装置として、Lバルブ60を設けたことを特徴
とする。
【0042】Lバルブ60は、図5に示すように、灰溶
融炉19の炉壁に開口された灰導入孔19aを覆うよう
に設けられた灰収納容器61と、該灰収納容器61の下
部と灰出し管51とを連結するL字管62と、前記灰収
納容器61の下部に作動用空気を供給する第1の空気供
給管63と、前記L字管62の曲折部Pに作動用空気を
供給する第2の空気供給管64と、各管路に設けられた
空気量調整用の弁65〜67とから主に構成されてい
る。灰収納容器61は、空気分散板68を介して、上部
61aと下部61bとに分割されており、上部61aに
高温サイクロン50からの灰が導入される。
【0043】通常運転時、すなわちごみ焼却炉2が一定
負荷で運転されている場合には、弁66,67を通じて
絶えず一定量の空気が第1の空気供給管63及び第2の
空気供給管64に供給される。この状態では、灰収納容
器61内に溜った灰は、第1の空気供給管63を通じて
供給される作動用空気で吹き上げられて、穏やかな流動
状態を保っている。一方、第2の空気供給管64を通じ
てL字管62の曲折部Pに供給される作動用空気は、曲
折部P→L字管62→灰収納容器61→灰導入孔19a
を経由して灰溶融炉19に入る空気と、曲折部P→L字
管62→灰出し管51を経由して高温サイクロン50に
入る空気とに分れる。その分配比率は、それぞれの経路
の通気抵抗の逆比となる。
【0044】通常運転時においては、灰出し管51内に
常時ある程度の量の灰が残留し、充填層を構成してい
る。このときの灰量をレベルBとする。このときには、
曲折部Pから灰出し管51を経由して高温サイクロン5
0に至る管路の通気抵抗が高いために、大半の作動用空
気は、曲折部PからL字管62を経由して灰溶融炉19
に入る。このため、流動層を構成している灰収納容器6
1内の灰は、この作動用空気に搬送されて灰導入孔19
aから灰溶融炉19に供給され、灰溶融炉19への給灰
量に応じた灰が、灰出し管51からL字管62を経由し
て灰収納容器61内に導入される。したがって、このと
きには、灰溶融炉19への給灰が安定に行われる。
【0045】何らかの原因で、高温サイクロン50の捕
集灰量が通常運転時の捕集灰量を下回わり、灰出し管5
1内の灰量がレベルCまで低下すると、曲折部Pから灰
出し管51を経由して高温サイクロン50に至る管路の
通気抵抗が低下するために、第2の空気供給管64を通
じてL字管62の曲折部Pに供給された作動用空気の大
半が高温サイクロン50側に流れる。その結果、曲折部
PからL字管62を経由して灰溶融炉19に入る空気流
量が減少し、灰導入孔19aから灰溶融炉19に供給さ
れる灰量も減少する。そして、最終的には、灰の捕集量
に見合った高さで、充填層のレベルが安定する。
【0046】なお、仮に、高温サイクロン50による捕
集灰の供給が途絶えたとしても、充填層のレベルは、灰
導入孔19aの設定位置(レベルC)よりも低下するこ
とはない。その理由は、灰出し管51内の灰量がレベル
Cまで低下すると、第2の空気供給管64を通じてL字
管62の曲折部Pに供給された作動用空気の大半が高温
サイクロン50側に流れるため、灰収納容器61内の灰
と共に灰出し管51内の灰も流動化し、流体と同様の挙
動を示すからである。また、この場合にも、第2の空気
供給管64から灰出し管51を経由して高温サイクロン
50に流入する空気量は、高温サイクロン50を通過す
る燃焼ガス量の1/1000以下の微量であるので、高
温サイクロン50における固気分離に何らの不都合を生
じることもない。
【0047】逆に、何らかの原因で、高温サイクロン5
0の捕集灰量が通常運転時の捕集灰量を上回わり、灰出
し管51内の灰量がレベルAまで上昇すると、曲折部P
から灰出し管51を経由して高温サイクロン50に至る
管路の通気抵抗が上昇するために、第2の空気供給管6
4を通じてL字管62の曲折部Pに供給され、L字管6
2を経由して灰溶融炉19に入る空気流量が増加し、こ
れに伴って、灰導入孔19aから灰溶融炉19に供給さ
れる灰量が増加する。そして、最終的には、灰の捕集量
に見合った高さで、充填層のレベルが安定する。
【0048】かように、高温サイクロン50と灰溶融炉
19との間にLバルブ60を設定すると、高温サイクロ
ン50からの給灰量が急激に変化しても、Lバルブ60
がバッファとなって、灰溶融炉19への給灰量の増減が
緩和されるので、常に安定な灰の溶融処理を行うことが
できる。そのバッファ効果は、灰出し管51から灰収納
容器61に至るまでの容積を増減することによって、任
意に設定できる。
【0049】高温サイクロン50からの給灰量変化が急
激で、灰出し管51内に溜った灰が高温サイクロン50
にオーバーフローするおそれがある場合には、図5に示
すように、高温サイクロン50の出口にバイパス管71
を介してバイパスホッパ72を連設し、該バイパスホッ
パ72内に高温サイクロン50からの灰が流入したこと
を検知器73にて検知し、制御器74からの信号で弁6
5の開度を大きくし、灰溶融炉19への給灰を促進する
ようにすることもできる。この場合、オーバーフローの
発生を運転員に知らせるため、検知器73からの信号に
応じて、警報器を作動させることもできる。前記検知器
73としては、温度検出器やレベルスイッチなどを用い
ることができる。バイパスホッパ72内に溜った灰は、
水冷弁75を介して外部に排出される。
【0050】なお、本例の灰溶融設備にも、前記第1実
施例の装置と同様に、Lバルブ60あるいは灰溶融炉1
9に何らかのトラブルが発生したとき、トラブルにより
機能を停止したLバルブ60あるいは灰溶融炉19に捕
集灰を送らないようにするための水冷バイパス管53及
び開閉弁54を設けることもできる。
【0051】また、前記各実施例においては、重油燃焼
方式の灰溶融炉を備えた設備を例にとって説明したが、
本発明は、他の方式、例えば電気加熱方式の灰溶融炉を
備えた設備にも適用することができ、前記実施例の場合
と同様の効果を得ることができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
700℃〜950℃の高温に耐える集じん器をごみ焼却
炉の出口に設け、ごみ焼却炉から排出される塩化物をほ
とんど含まない焼却灰を捕集し、これを灰溶融炉に送っ
て溶融するので、灰溶融炉からのHClの発生を著しく
低減できる。よって、環境の汚染が防止されると共に、
灰溶融炉及びその下流側に配置される装置及び煙道の腐
食が低減され、メインテナンスが容易になる。また、ご
み焼却炉から排出される余分なCaCl2 や未反応の消
石灰を含まない焼却灰を直接灰溶融炉に送って溶融する
ので、灰溶融炉の処理量を減らすことができ、灰溶融炉
における消費エネルギを節減できる。さらに、高温サイ
クロンと灰溶融炉とを直結したので、放熱による灰の冷
却が防止され、この点からも灰溶融炉における消費エネ
ルギを節減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る灰溶融設備の構成図である。
【図2】本発明の効果を示すグラフ図である。
【図3】本発明の効果を示すグラフ図である。
【図4】第2実施例に係る灰溶融設備の構成図である。
【図5】Lバルブの説明図である。
【図6】従来例に係る灰溶融設備の構成図である。
【図7】従来技術の問題点を示すグラフ図である。
【符号の説明】
2 ごみ焼却炉 3,5 ガスクーラ 4 空気予熱器 6 バグフィルタ 13 送風機 19 灰溶融炉 31 消石灰ホッパ 32 消石灰の定量供給機 37 薬剤供給管 50 高温サイクロン(高温集じん器) 51 灰出し管 52 給灰管 53 水管 54 開閉弁 55 炉内圧力制御器 56 差圧計 58 圧力調整ダンパ 60 Lバルブ 61 灰収納容器 62 L字管 63 第1の空気供給管 64 第2の空気供給管 65〜67 弁
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 敏昭 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 上田 美喜 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみ焼却炉と、該焼却炉から排出される
    ごみ焼却灰を溶融する灰溶融炉とを備えたごみ焼却灰の
    溶融設備において、前記ごみ焼却炉の出口に集じん器を
    設け、該集じん器の灰出し口と前記灰溶融炉の灰供給口
    とを管路にて連結したことを特徴とするごみ焼却灰の溶
    融設備。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、前記集
    じん器と灰溶融炉とを連結する管路を、水平面に対して
    45度以上の角度に傾斜したことを特徴とするごみ焼却
    灰の溶融設備。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の装置において、前記集
    じん器と灰溶融炉とを連結する管路に、バイパス管を連
    設したことを特徴とするごみ焼却灰の溶融設備。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の装置において、前記集
    じん器から延びる排ガス管路と前記灰溶融炉から延びる
    排ガス管路との合流管路に、脱塩剤を吹き込むことを特
    徴とするごみ焼却灰の溶融設備。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の装置において、前記灰
    溶融炉の炉内圧力が、前記集じん器の内部圧力よりも常
    時低圧となるように制御する炉内圧力制御器を備えたこ
    とを特徴とするごみ焼却灰の溶融設備。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の装置において、前記集
    じん器と灰溶融炉とを連結する管路に、前記集じん器か
    ら排出される灰量が変化した場合にも、前記灰溶融炉に
    供給される灰量を自動的に安定化する灰量安定化装置を
    設けたことを特徴とするごみ焼却灰の溶融設備。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の装置において、前記集
    じん器の灰出し口もしくはそれと連通する部分に、前記
    集じん器と灰溶融炉とを連結する管路内に滞留する灰量
    が所定値を超えたか否かを検知する検出器を設け、前記
    管路内に滞留する灰量が所定値を超えたとき、前記検出
    器からの信号によって、前記灰量安定化装置による前記
    灰溶融炉への供給灰量を自動的に増加することを特徴と
    するごみ焼却灰の溶融設備。
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