JPH0732597A - インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法

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JPH0732597A
JPH0732597A JP18022393A JP18022393A JPH0732597A JP H0732597 A JPH0732597 A JP H0732597A JP 18022393 A JP18022393 A JP 18022393A JP 18022393 A JP18022393 A JP 18022393A JP H0732597 A JPH0732597 A JP H0732597A
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ink
substrate
recording
ink supply
supply port
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JP18022393A
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Toshiaki Sasaki
敏明 佐々木
Akira Goto
顕 後藤
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Canon Inc
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 封止剤の揮発分が発熱抵抗素子の表面を汚染
することなく、インクの発泡を安定化して記録品位を向
上させる。 【構成】 天板300に設けられたインク供給口301
とインク供給部材900に設けられた流路1300との
間の空隙の周囲に熱により膨張する膨張材1000が設
けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録ヘッ
ドおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在知られている各種の記録装置のなか
でも、記録時に騒音の発生がほとんどないノンインパク
ト記録方法であって、高速記録が可能であり、しかも普
通紙に特別の定着処理を必要とせずに記録の行えるいわ
ゆるインクジェット記録装置は、極めて有用である。こ
のインクジェット記録装置については、これまでに様々
の装置が提案され改良が加えられ商品化されている。
【0003】インクジェット記録装置は、インクと称さ
れる記録液(以下、インクと言う)滴を種々の作用原理
で飛翔させ、この液滴を紙などの被記録媒体に付着させ
て記録を行うものである。
【0004】本出願人は、このようなインクジェット記
録方式に関係する新規方法について既に提案を行ってい
る。この新規方法は特開昭52−118798号公報等
において開示されている。
【0005】ところで、この記録方法は高密度マルチア
レイ構成として高速記録、カラー記録に適合され易く、
装置の構成が簡略であるため、記録ヘッドとして全体的
にはコンパクト化が図れ、かつ、量産に向くこと、半導
体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC
技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に利用すること
で長尺化が容易であること等の利点があり、適用範囲の
広い記録方法である。
【0006】このようなインクジェット記録方法に適用
されるインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドと
言う)には、一般に、インクが吐出されるインク吐出口
と、このインク吐出口に供給するためのインクを貯える
インク液室と、インク吐出口とインク液室とを連通する
インク流路と、インク流路の一部に設けられたインクを
吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素
子と、インク液室に外部からインクを供給するためにイ
ンク供給口とが設けられている。このインク供給口とイ
ンク供給部材との間は圧接されていて、その周りを樹脂
等を用いて封止することによりインクが外部に流れ出す
ことを防止している。ところで、従来の記録ヘッドの製
造方法としては次のようなものが知られている。
【0007】(1)エネルギー発生素子が設けられた第
1の基板を備え、ガラス,金属等からなる第2の基板に
切削,エッチング等の加工手段によりインク吐出口、イ
ンク流路およびインク液室を形成するための凹部ならび
にインク液室と外部とを連通するためのインク供給口を
設ける。その後、エネルギー発生素子が設けられた第1
の基板と第2の基板に形成されたインク流路とを位置合
わせして接着剤等により貼り合わせる。その後、インク
供給部材をインク供給口に重ね合わせて密着させた後、
インク供給部材を固定してからインク連絡通路の周りに
封止剤を流し込み固着させる。
【0008】(2)エネルギー発生素子が設けられた第
1の基板を備え、第2の基板として射出成形することに
より、インク吐出口、インク流路、およびインク液室を
一体的に樹脂を用いて形成し、エネルギー発生素子が設
けられた第1の基板とインク流路が設けられた第2の基
板とを位置合わせして、ばね等により予め隙間を持たせ
て圧接固定する。その後、片持ち構造になっているイン
ク供給部材と成形品のインク供給口を密着させて、第1
の基板と第2の基板との隙間およびインク供給口とイン
ク供給口の圧接部分を数種類の封止剤を流し込み同時に
封止する。
【0009】(3)エネルギー発生素子が設けられたガ
ラス等からなる第1の基板に、ポジ型またはネガ型の感
光性ドライフィルムを貼り付け、この感光性ドライフィ
ルムのうちインク吐出口、インク流路、およびインク液
室に対応するパターンをマスクを用いて露光するかまた
は露出させて露光し、現像してインク吐出口,インク流
路およびインク液室に対応するパターンの固体層を第1
の基板に設ける。この固体層および第1の基板上に硬化
剤を混合した液状の硬化性材料を適宜の厚さに塗布し、
所定の温度において長時間放置して硬化性材料を硬化さ
せる。
【0010】次に、硬化性材料が硬化した第1の基板を
インク吐出口が形成される位置で切断して固体層の端面
を露出させた後、固体層を溶解する溶剤中に浸漬し、硬
化性材料が硬化した第1の基板から固体層を溶解除去し
て、内部にインク流路およびインク液室を形成する空間
を設け、ついでインク供給部材をインク供給口に重ね合
わせて固定した後、予め2液混合した封止剤を重ね合わ
せ部の周りに塗布して封止する(特開昭61−1549
7号公報)。
【0011】(4)エネルギー発生素子が設けられた第
1の基板にポジ型またはネガ型の感光性ドライフィルム
を貼り、この感光性ドライフィルムのうちインク吐出
口、インク流路、およびインク液室に対応するパターン
をマスクを用いて露光するかまたは露出させて露光し、
現像してインク吐出口、インク流路およびインク液室に
対応するパターンの固体層を第1の基板上に設ける。固
体層および第1の基板の上に活性エネルギー線を照射す
ることにより硬化する活性エネルギー線硬化性材料を適
宜の厚さに塗布し、インク液室の一部を形成するための
凹部およびインク供給口が設けられた活性エネルギー線
を透過する第2の基板を活性エネルギー線硬化材料の上
に凹部をインク液室が形成される予定部位に合致させて
貼り付け積層体を形作する。次に、活性エネルギー線硬
化材料のうちインク液室が形成される予定部位を覆うよ
うに、第2の基板をマスクして活性エネルギー線を第2
の基板を通して活性エネルギー線硬化材料に照射し硬化
させる。次に、活性エネルギー線硬化性材料が硬化され
た積層体をインク吐出口を形成する位置で切断して固体
層の端面を露出させた後、固体層と未硬化の活性エネル
ギー線硬化性材料とを溶解する溶剤中に浸漬し、積層体
から固体層および未硬化の活性エネルギー線硬化性材料
を溶解除去して、内部にインク流路およびインク液室を
形成する空間を設ける。次に、インク供給部材をインク
供給口に一定の隙間を持たせて重ね合わせて固定しその
周りに封止剤を流し込む(特開昭62−253457号
公報)。
【0012】(5)エネルギー発生素子が設けられたガ
ラス等からなる第1の基板上に、液状の感光性レジスト
等の溶剤により除去可能な材料からなる固体により、イ
ンク吐出口、インク流路、およびインク液室に対応する
部分を形成する。固体層および第1の基板の上にトラン
スファーモールド成形法により、固体層の表面のうち、
少なくともインク液室の一部に対応する部分の表面を除
く他の部分をモールド樹脂により被覆する。次に、第1
の基板をインク吐出口を形成する位置で切断して固体層
の端面を露出させた後、固体層を溶解する溶剤中に浸漬
し、モールド樹脂により被覆された第1の基板から固体
層を溶解除去して、内部にインク流路およびインク液室
を形成する空間を設け、次に、インク供給部材をインク
供給口に一定の隙間を持たせて重ね合わせて固定しその
周囲に封止剤を流し込む。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の記録ヘッドの製造方法には、以下に述べるよう
な問題点があった。
【0014】まず、(1),(3)および(4)の記録
ヘッドの製造方法では、第2の基板に設けられたインク
供給口とインク供給部材を密着させる際、第2の基板の
厚みの精度およびインク供給部材の成形精度により、第
2の基板とインク供給部材の間に隙間が発生することが
ある。この隙間より封止剤が流れ込んだり封止剤の揮発
分が発熱抵抗素子の表面を汚染したり、インク吐出口を
詰まらせ、インクの発泡の不安定化を引き起こして記録
品位の低下を起こすなどの問題があった。
【0015】(2)に記載の記録ヘッドの製造方法で
は、第1の基板と第2の基板との間に予め隙間を設けて
組み立てられている部分と、射出成形による第2の基板
とをモールド成形したインク供給部材の弾性力を利用し
て密着させている部分を同時に封止している。この時、
第2の基板とインク供給部であるモールド成形部材の部
品精度により第2の基板が変形したり第1の基板と第2
の基板との隙間にばらつきが発生する。
【0016】その結果、封止剤がその隙間に流れ込み、
封止剤から発生する揮発分によって発熱抵抗素子の表面
を汚染したりしてインク吐出口が詰まったり、また、イ
ンクの発泡の不安定化を引き起こして記録品位の低下を
起こす等の問題があった。
【0017】(5)に記載の記録ヘッドの製造方法で
は、第1の基板上にトランスファーモールド成形された
固体層の表面にインク供給部材を圧接または予め隙間を
設けて組み立てられている。圧接して組み立てられる場
合、圧接される圧力により固体層が変形する。また、予
め隙間を設けて組み立てる時、トランスファーモールド
成形の精度、第1の基板の厚みの精度によりインク供給
部材とインク供給口の間に不規則な隙間が発生する。こ
れらの変形や不規則な隙間に封止剤が流れ込み、封止剤
から発生する揮発分が発熱抵抗素子の表面を汚染した
り、インク吐出口が詰まり、インクの発泡の不安定化を
引き起こして記録品位の低下を起こす等の問題があっ
た。
【0018】そこで、本発明の目的は、上述した問題点
を解消し、インク供給部材とインク供給口との間に隙間
より、封止剤から発生する揮発分が発熱抵抗素子の表面
を汚染することなく、これにより、インクの発泡を安定
化して記録品位が改善されたインクジェット記録ヘッド
およびその製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明のインクジェット記録ヘッドは記録液
滴を吐出口より吐出するためのエネルギー発生素子が設
けられた第1の基板と、該第1の基板上に、前記エネル
ギー発生素子に対応して設けられた記録液用溝へ記録液
を送るための供給口が設けられた第2の基板と、前記第
2の基板上に、前記供給口へ前記記録液を送るための流
路が設けられた第3の基板と、前記第2の基板に設けら
れた前記供給口と前記第3の基板に設けられた前記流路
との間の空隙の回りに熱により膨張する材料が設けられ
ていることを特徴とする。
【0020】さらに、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの製造方法は、記録液滴を吐出口より吐出するための
エネルギー発生素子が設けられた第1の基板を形成する
工程と、該第1の基板上に、前記エネルギー発生素子に
対応して設けられた記録液用溝へ記録液を供給するため
の供給口が設けられた第2の基板を形成する工程と、前
記第2の基板上に前記供給口へ前記記録液を送るための
流路が設けられた第3の基板を形成する工程と、前記第
2の基板に設けられた前記供給口と前記第3の基板に設
けられた前記流路との間の空隙の回りに熱により膨張す
る材料を設ける工程とを含むことを特徴とする。
【0021】加熱により材料を膨張させるには、インク
供給口とインク供給部材(第3の基板)を組み合わせた
後、加熱により膨張させる方法と、膨張させてからイン
ク供給口とインク供給部材を組み合わせる方法、予め膨
張させた素材を塗布剤に混合してから塗布する方法等が
ある。また、加熱により材料を膨張させるには、インク
供給口に塗布する方法とインク供給部材に塗布する方法
とがあり、いずれの方法を選択するかは、インク供給口
およびインク供給部材の材料により選択すればよい。さ
らにまた、加熱により膨張する材料の塗布方法は、スク
リーン印刷、タンポ印刷、デスペンサー塗布、ハケ塗り
等を用いて行うことができる。これらの塗布方法は、加
熱により膨張する材料の種類と膨張方法により使い分け
られる。なお、加熱により膨張する材料は、インク供給
口とインク供給部材を圧接することなく組み合わせ圧接
による変形を回避することができる。また、予め設ける
隙間は膨張材料の膨張寸法以内に入る精度で組み込めば
よい。
【0022】
【作用】本発明によれば、膨張材の弾性力を利用して封
止されたインク供給口とインク供給部材との隙間は、イ
ンクジェット記録ヘッドの製造工程の途中で発生するゴ
ミ、封止剤による発熱抵抗素子の表面の汚染、その他の
汚染から守ることが可能となる。また、隙間を弾力性を
利用して封止することにより封止性の信頼性が向上し、
従来の封止方法では封止部の管理ができず封止剤が流入
するままに任せて、封止の不足が発生した場合、管理が
できず記録検査工程における漏れによりインクジェット
記録ヘッドの中に空気溜りが発生し、インク落ちの原因
となっていた。しかし、本発明の方法によれば、塗布層
の厚みの調整、膨張材の膨張寸法を制御することにより
隙間からの漏れを管理することが可能となった。また、
より完全にするためには、インク供給口とインク供給部
材を膨張材を用いて封止した後、接続部の回りを従来の
封止剤を用いて封止することにより更にその信頼性を向
上させることが可能となる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0024】実施例1 図1は本発明のインクジェット記録ヘッドの基本的構成
を示す透視的斜視図である。
【0025】本例のインクジェット記録ヘッドは、電気
信号に応じて膜沸騰をインクに対して生成せしめるため
の熱エネルギーを生成する電気熱変換体を用いて被記録
媒体に記録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド
である。
【0026】図1において、100はSi基板303上
に複数の列状に配され、HfB2 等からなる電気熱変換
素子500(吐出ヒーター)と、これに電力を供給する
Al等の電気配線600とが成膜技術により形成されて
なるヒーターボードである。200はヒーターボード1
00に対するプリント配線基板であり、ヒーターボード
100の電気配線に対応する配線(例えば、ワイヤーボ
ンディング202により接続される)と、この配線の端
部に位置しインクジェット記録装置本体からの電気信号
を受けるパット201とを有している。
【0027】300は複数のインク流路へインクを供給
するインク供給口301とそれぞれのインク供給口30
1から供給されたインクを区分するための隔壁や各イン
ク流路へインクを供給するために、インクを収納するた
めの共通液室302等が設けられた溝付天板である。こ
の溝付天板300は、後述するインクカートリッジから
供給されるインクを受けて共通液室302へ導入するイ
ンク供給口301を複数個有する。溝付天板300の加
工ガラスとしては硼硅酸ガラスが好ましいが、他のガラ
スあるいは成形用樹脂材料でも良い。溝付天板300と
ヒーターボード100とは、エポキシ系の接着剤により
接着される。この接着剤には光硬化型接着剤、あるいは
光硬化と熱硬化の組み合わせにより硬化するもの、熱に
よりのみ硬化するもの等が用いられる。ヒーターボード
100は、シリコン系接着剤あるいはエポキシ系接着剤
により接着される。この接着剤は接着力を持たせると共
に、ヒーターボード100が発生する熱を放熱するため
の熱伝導性の良い材料が選ばれる。
【0028】なお、400はSi基板303を支持する
ベースプレートであり、700Aと700Bは、記録ヘ
ッド保温ヒータである。800は液路形成部材であって
液状であっても常温硬化、熱硬化、紫外線硬化等の材料
を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂、ジグリコールアルキルカーボネート樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂などを挙
げることができる。
【0029】図2は、図1に示したインク供給口が設け
られた溝付天板とインク供給部材とを接続する前の構成
を示す斜視図である。
【0030】図3は、図2(C)の構成にさらにインク
供給部材900を設けてA′−A″線に沿って破断し
て、吐出口側から見た模式的断面図である。
【0031】図2,図3を参照しつつ本発明の具体的構
成について説明する。
【0032】図2(A)は、Y,M,CとBkのインク
供給パイプIPが貫通したインク供給部材900の模式
的斜視図であり、このインク供給部材900には前面プ
レート1100が設けられている。1200は図2
(C)に示すベースプレート400を支持する舌状部材
である。
【0033】図2(B)は、図2(A)の矢印X方向か
ら見た斜視図であり、1000は本発明の特徴である膨
張材であり、加熱によって膨張する材料からなり、この
膨張材の成分、添加量等については後に詳しく説明す
る。
【0034】また、図2(C)は図1に示したインクジ
ェット記録ヘッドの斜視図である。
【0035】図3において、インク供給部材900を貫
通する流路1300と溝付天板300に開口したインク
供給口300との間の空隙の回りに膨張材1000がス
クリーン印刷法により設けられている。
【0036】この時、膨張材1000を溝付天板300
に塗布した後、インク供給部材900と組み合わせても
良く、膨張材1000をインク供給部材900に塗布し
て組み合わせても良い。
【0037】このように、空隙の回りに膨張材1000
を設けることにより溝付天板300とインク供給部材9
00との間の封止剤の揮発分が発熱抵抗素子の表面を汚
染したりインク吐出口が詰ったりすることがなくなる。
従って、インクの発泡の不安定化および記録品位の向上
することができる。
【0038】図4は、図2および図3に示した膨張材の
塗布方法のうち、塗布してから膨張させた時の状況を示
す説明図である。
【0039】図4(A)は、上方向にのみ膨張した場合
の状態を表し、図4(B)は上方向および左右方向に膨
張させた時の状態を表す。上方向に膨張させた場合の代
表的寸法とその公差を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】本例では、感光性を有しないメッキレジス
ト(MA−830,太陽インキ製造(株))を主成分と
してエクスパンセル(55IPU−20マイクロバルー
ン,スウェーデン国,エクスパンセル社製)を2%重量
添加して、混合したレジスト材料を用いた。
【0042】ここでは、エクスパンセルの添加量は2重
量%としたが、0.1〜10重量%の範囲で使用するこ
とができた。添加量が少なめの場合は、ほぼベース材料
の物性が保たれるが、期待した膨張を得るためには、よ
り高い温度での加熱を必要とし、このことがエクスパン
セル自身を破裂させ、逆に、所望の膨張量が得られない
ということもある。また、添加量が多めの場合には、ベ
ース材料の物性が大きく変化する可能性があり、この場
合、例えば、スクリーン印刷性、樹脂皮膜形成時の耐樹
脂フロー性、クッション性が劣る等の弊害が起こること
もあった。従って、これらのことに注意して、所定の膨
張量を得るための最適な添加量を決定することが望まし
い。
【0043】なお、膨張材1000をスクリーン印刷し
た後、60℃において、2時間乾燥した。この乾燥後の
固体層(a)の膜厚は、100±10μmであり、エク
スパンセルを2重量%添加することによる弊害(印刷時
の剥離、膜厚、印刷にじみ精度等)は見られなかった。
【0044】次に、組み立てる前に、120℃まで加熱
させる。この時、固体層(a)に添加されていたエクス
パンセルが膨張し始め、3分間後には180μmの膜厚
に達した(図4(B)の状態)。従って、60μmの潰
し代を得ることができた。本実施例では、固体層中のエ
クスパンセルは、膨張前に体積平均粒径は7μmであ
り、膨張後は約20μmであったが、膨張後に100μ
mになる場合もあり、用途に応じて使い分けなくてはな
らない。本実施例では、インク供給口301とインク供
給部材900とのクリアランスが70〜100μmの許
容幅を持って組み立てられていて非接触の隙間を埋める
ために用いられる。これにより、膨張後180μmの膜
厚を得ることができ、組立工程のコストダウン、工程管
理の低減、歩留りの向上等の効果が得られた。
【0045】本実施例においては、膨張材1000とし
てエクスパンセルを用いたが、熱可塑性樹脂を主成分と
したシェルと、主に常温より加熱することにより気化・
膨張するコアとを含むマイクロカプセルであっても良
い。この時、マイクロカプセルは膨張材に0.02〜1
0重量%添加分散させることが好ましい。
【0046】この場合、熱可塑性樹脂としては、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−塩化ビニ
ル共重合体、アクリルニトリル−塩化ビニル共重合体、
酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体のいずれかを主成分と
することが好ましい。
【0047】また、常温より加熱すると気化・膨張する
コアとしてはイソブタン、ないしはイソブチレンである
ことが好ましい。
【0048】実施例2 実施例1は、膨張材1000をスクリーン印刷により塗
布し、加熱により膨張させた後、組み合わせる方法であ
ったが、実施例2は、スクリーン印刷の直後にインク供
給部材900とインク供給口301を組みつけ、その
後、全体を加熱することにより膨張材1000を膨張さ
せてインク供給部材900とインク供給口301の隙間
を埋める方法であり、インクジェット記録ヘッドの中で
特に加熱による影響の少ない部材についてよく用いら
れ、実施例1と同様な効果を得ることができた。
【0049】実施例3 実施例1および実施例2は、膨張材1000の膨張はス
クリーン印刷により印刷した後、加熱してベース材料と
共に膨張させインク供給部材900とインク供給口30
1との隙間を埋める方法である。本実施例は、予め膨張
材1000を加熱膨張させて膨張したものをベース材料
に混合してから印刷し、乾燥後にインク供給部材900
とインク供給口301を組み合わせる。なお、本実施例
は比較的隙間の少ないもの、および組み合わせた後に加
熱することが好ましくないインクジェット記録ヘッドの
製造方法に特に有効であり、その効果は実施例1および
2と同様な効果が得られた。
【0050】図5は、図1に示した記録ヘッドとインク
カートリッジとの全体構成を示す斜視図である。
【0051】図5において、ディストリビュータDBに
は3箇所に位置決め用の穴が設けられていて、図1に示
した支持体400を位置決めし熱融着により融着保持す
る。ディストリビュータDBには4本のインク供給ノズ
ルが設けられていて、ブラック,イエロー,マゼンタお
よびシアンのインクカートリッジIKB,IKY,IK
MおよびIKCに接続されている。インクカートリッジ
は、マゼンタ,イエローおよびシアンの3色を用いるも
のとマゼンタ,イエロー,シアンおよびブラックの4色
のものとがあり、必要に応じて使い分ける。
【0052】インクカートリッジは利用者が取り替えで
きるようになっていて、インクがなくなった時には、古
いカートリッジを取りはずし新しいカートリッジを取り
つける。
【0053】この時、インク供給ノズルとインクタンク
の間に生じた泡はインクジェット記録装置本体に付随し
ている回復機能で回復することにより記録不良を防止す
ることができる。ディストリビュータDBの中には、ゴ
ミが流入するのを防止するためのフィルターが設けられ
ていて、インクタンクから流入してくるゴミを濾過す
る。また、ブラックのインクカートリッジIKBが接続
されるノズルにはフィルター弁(不図示)が設けられて
いて、フィルター部に溜る泡が回復時に通り抜けやすい
ように配慮されている。
【0054】ディストリビュータDBとヒーターボード
との接続は、インク供給部材900とインク供給口30
1の間に設けられた膨張材1000を機械的に押しつぶ
して封止していて、更に接続口の周りやワイヤーボンデ
ィングされた周囲等を同時に封止剤を用いて封止する。
本例のインクジェット記録ヘッドIJHは、キャリッジ
HCに固定されておりインクがなくなった時利用者はイ
ンクカートリッジの交換のみ行うことによる記録品位の
ばらつきを回避している。
【0055】図6は、本発明が適用されるインクジェッ
ト記録装置IJRAの模式的斜視図である。
【0056】駆動モーター5013の正逆回転に連動し
て駆動力伝達ギヤー5011,5009を介して回転す
るリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して
係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、矢印
a,b方向に往復移動される。5002は紙押え板であ
り、キャリッジHCの移動方向にわたって被記録媒体P
をプラテン5000に対して押圧する。5007,50
08はフォトカップラでキャリッジHCのレバー500
6はこの領域での存在を確認して、駆動モーター501
3の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション
検知手段である。5016は記録ヘッドの前面をキャッ
プするキャップ部材5022を支持する部材で、501
5はこのキャップ内を吸引する手段でキャップ内の開口
5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。501
7はクリーニングブレードで、5019はこのクリーニ
ングブレード5017を前後方向に移動可能にする部材
であり、本体支持板5018によりこれらは支持されて
いる。このブレードは、この形態でなく周知のクリーニ
ングブレードが本例に適用できることは言うまでもな
い。また、5012は、吸引回復の吸引を開始するため
のレバーで、キャリッジHCと係合するカム5020の
移動に伴って移動し、駆動モーター5013からの駆動
力がクラッチ切り換え等の公知の伝達手段で移動制御さ
れる。
【0057】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきた
時にリードスクリュー5005の作用によってそれらの
対応位置で所望の処理が行えるように構成されている
が、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれ
ば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は
単独でも複合的に見ても、本発明にとって好ましい構成
例を示している。
【0058】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0059】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0060】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0061】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0062】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0063】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0064】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0065】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0066】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
膨張材の弾性力を利用して封止されたインク供給口とイ
ンク供給部材との隙間は、インクジェット記録ヘッドの
製造工程の途中で発生するゴミ、封止剤による発熱抵抗
素子の表面の汚染、その他の汚染から守ることが可能と
なる。また、隙間を弾力性を利用して封止することによ
り封止性の信頼性が向上し、従来の封止方法では封止部
の管理ができず封止剤が流入するままに任せて、封止の
不足が発生した場合、管理ができず記録検査工程におけ
る漏れによりインクジェット記録ヘッドの中に空気溜り
が発生し、インク落ちの原因となっていた。しかし、本
発明の方法によれば、塗布層の厚みの調整、膨張材の膨
張寸法を制御することにより隙間からの漏れを管理する
ことが可能となった。また、より完全にするためには、
インク供給口とインク供給部材を膨張材を用いて封止し
た後、接続部の回りを従来の封止剤を用いて封止するこ
とにより更にその信頼性を向上させることが可能とな
る。
【0068】更に、本発明によれば封止剤からの揮発分
が発熱抵抗素子の表面を汚染することがないので、イン
クの発泡が安定化して記録品位を向上させることができ
る。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの基本的構
成を示す透視的斜視図である。
【図2】図1に示したインク供給口とインク供給部材と
を接続する前の構成を示す斜視図である。
【図3】図2(C)の構成をさらにインク供給部材を設
けてA′−A″線に沿って破断して、吐出口側から見た
模式的断面図である。
【図4】膨張材を塗布してから膨張させる時の状況を示
す説明図である。
【図5】図1に示した記録ヘッドとインクカートリッジ
との全体構成を示す斜視図である。
【図6】本発明が適用されるインクジェット記録装置の
模式的斜視図である。
【符号の説明】
100 ヒーターボード 200 プリント配線基板 201 パッド 202 ワイヤボンディング 300 溝付天板 301 インク供給口 302 供通液室 400 ベースプレート 500 電気熱変換素子 600 Al配線 700A,700B 記録ヘッド保温ヒータ 800 液路形成部材 900 インク供給部材 1000 膨張材 1100 前面プレート 1200 流路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録液滴を吐出口より吐出するためのエ
    ネルギー発生素子が設けられた第1の基板と、 該第1の基板上に、前記エネルギー発生素子に対応して
    設けられた記録液用溝へ記録液を送るための供給口が設
    けられた第2の基板と、 前記第2の基板上に、前記供給口へ前記記録液を送るた
    めの流路が設けられた第3の基板と、 前記第2の基板に設けられた前記供給口と前記第3の基
    板に設けられた前記流路との間の空隙の回りに熱により
    膨張する材料が設けられていることを特徴とするインク
    ジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記インクジェット記録ヘッドは、熱エ
    ネルギーを利用して記録液に気泡を生成させ、該気泡の
    生成に基づいて記録液滴を吐出することを特徴とする請
    求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 記録液滴を吐出口より吐出するためのエ
    ネルギー発生素子が設けられた第1の基板を形成する工
    程と、 該第1の基板上に、前記エネルギー発生素子に対応して
    設けられた記録液用溝へ記録液を供給するための供給口
    が設けられた第2の基板を形成する工程と、 前記第2の基板上に前記供給口へ前記記録液を送るため
    の流路が設けられた第3の基板を形成する工程と、 前記第2の基板に設けられた前記供給口と前記第3の基
    板に設けられた前記流路との間の空隙の回りに熱により
    膨張する材料を設ける工程とを含むことを特徴とするイ
    ンクジェット記録ヘッドの製造方法。
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