JPH07328020A - 医療用糸通し具及び前記医療用糸通し具に用いる糸付針 - Google Patents

医療用糸通し具及び前記医療用糸通し具に用いる糸付針

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JPH07328020A
JPH07328020A JP12494794A JP12494794A JPH07328020A JP H07328020 A JPH07328020 A JP H07328020A JP 12494794 A JP12494794 A JP 12494794A JP 12494794 A JP12494794 A JP 12494794A JP H07328020 A JPH07328020 A JP H07328020A
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正俊 福田
Haruo Isaki
春夫 伊崎
Kanji Matsutani
貫司 松谷
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Matsutani Seisakusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】一段階の操作で生体の組織間或いは組織内に糸
を通過させて結紮或いは縫合を行う。 【構成】糸7を保持する通過手段11,針状体12〜14を第
1駆動手段となる装着部材2の取付部2aに取り付け
る。糸7を直接或いは針状体12,13を介して受け取る受
取手段31〜38を第2駆動手段となる保持部材4の穴4a
に取り付ける。装着部材2と保持部材4を軸5に回動可
能に取り付けて糸通し具Aを構成する。装着部材,保持
部材を操作して針状体を駆動し、組織間或いは組織内を
通過させて保持部材の受取手段に嵌合させる。受取手段
では、嵌合した針状体或いは糸に押圧力を作用させて保
持する。装着部材と保持部材を離隔させたとき、糸或い
は針状体が受取手段に保持されて装着部材から離脱し、
組織間或いは組織内を通過する。糸付針を元端面から軸
方向に糸を延設すると共に所定の長さを持った直針状に
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、狭い部位や深い部位に
於ける結紮或いは切開部位の縫合を行う際に用いられる
医療用の糸通し具と、この糸通し具に用いられる糸付針
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】外科手術に際し、摘出すべき患部の周囲
にある血管を糸で結紮し、切開部位を糸で縫合すること
が行われる。血管の結紮或いは切開部位の縫合は、糸を
取り付けた縫合針を持針器或いは結紮糸誘導器を把持し
て操作することで糸を組織間或いは組織中を通過させ、
組織を通過した糸を施術者側に引き出して結ぶことで行
われる。
【0003】上記結紮,縫合を実施する際に、施術者は
一方の手に持針器を持って縫合針を組織間或いは組織内
を通過させた後、持針器を持ち替えて縫合針を抜き取る
操作を行うこととなる。このため、結紮すべき部位或い
は縫合すべき部位が生体の深い部位にあるような場合、
施術者による操作が困難であり、片手で速やかに且つ確
実に実施し得るような結紮具,縫合具の開発が要求され
ている。
【0004】例えば実公平5-11859号公報に開示された
縫合器は、上記要求に応えるものであり、鉗子の手動部
であるハンドル及びトリガーを片手で操作することによ
って、先端部に設けた縫合針を作動させ、手術部位を結
紮又は縫合し得るように構成したものである。
【0005】一方最近の手術では、切開部を小さくして
可及的に傷痕を小さくすることが行われるため、結紮や
縫合作業が益々狭い部位で行われるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記縫合器を用いて血
管の結紮を行う場合、ハンドル操作に伴う縫合針による
縫合動作とトリガー操作に伴う糸の把持動作の二段階の
操作を行うことが要求される。このため、極めて狭い部
位で結紮を行う場合に操作の煩雑さを払拭することが出
来ず、より簡単な操作で結紮し得る器具の開発が望まれ
ている。
【0007】本発明の目的は、一段階の操作で血管の結
紮、或いは切開部位の縫合を行うことが出来る医療用糸
通し具と該糸通し具に最適に用いられる糸付針を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る基本的な医療用糸通し具は、糸を保持し
て組織間又は組織内を通過させる通過手段と、組織間又
は組織内を通過した通過手段又は通過手段に保持された
糸を受け取る受取手段とを有して構成されるものであ
る。
【0009】また代表的な糸通し具は、糸を保持して組
織間又は組織内を通過する通過手段と、前記通過手段を
駆動して組織間又は組織内を通過させる第1駆動手段
と、組織間又は組織内を通過した糸を実質的に受け取る
受取手段と、前記受取手段を駆動する第2駆動手段とを
有し、前記通過手段と受取手段を対向させて配置して構
成されるものである。
【0010】上記糸通し具に於いて、第1駆動手段及び
第2駆動手段がレバー状の部材からなり、これ等の第1
駆動手段及び第2駆動手段を共通する軸に回動可能に取
り付けると共に端部側に力を付与する操作部を構成する
ことが好ましい。
【0011】また通過手段が第1駆動手段に対し先端が
該第1駆動手段から受取手段側に突出するように配置さ
れ且つ長手方向の軸心に沿って形成された糸を挿通する
溝又は孔と先端に形成された糸に形成された他の部分よ
りも大きい部分を係止する係止部を有し、受取手段が該
受取手段に嵌合した通過手段の先端に保持された糸に弾
性力を作用させて保持し、通過手段が受取手段から離脱
するのに伴って糸を受け取るものであることが好まし
い。
【0012】また通過手段が第1駆動手段に対し着脱可
能に装着されると共に先端が該第1駆動手段から受取手
段側に突出するように配置され且つ後端に糸を固定する
糸固定部を有し、受取手段が該受取手段に嵌合した通過
手段に弾性力を作用させて保持し、第1駆動手段及び第
2駆動手段の操作に伴って通過手段を第1駆動手段から
離脱させて受け取るものであることが好ましい。
【0013】また本発明に係る糸付針は、所定の長さを
持った直針状に形成されると共に元端面から軸方向に糸
を延設し、且つ元端面及び該元端面から所定距離離隔し
た位置に於ける形状が第1駆動手段に形成された取付部
の形状と略等しく且つ寸法が僅かに小さく形成されたも
のである。
【0014】
【作用】上記医療用糸通し具(以下『糸通し具』とい
う)では、通過手段と受取手段を対向させて配置したの
で、通過手段によって保持した糸を組織間或いは組織内
を通過させると共に糸の保持部分を受取手段に嵌合さ
せ、その後、通過手段を受取手段から離隔させること
で、組織間又は組織内を通過させた糸は受取手段によっ
て受け取られる。従って、糸を受け取った受取手段を結
紮部位或いは縫合部位から体外に引き出して結ぶことで
結紮し、或いは縫合することが出来る。
【0015】また糸通し具を、第1駆動手段によって通
過手段を駆動すると共に第2駆動手段によって受取手段
を駆動し得るように構成した場合には、施術者が片手で
第1,第2駆動手段を操作して通過手段と受取手段を接
近,離隔させることで、糸を組織間或いは組織内を通過
させると共に、組織間或いは組織内を通過した糸を受取
手段によって受け取ることが出来る。従って、糸を受け
取った受取手段を結紮部位或いは縫合部位から体外に引
き出して結ぶことで結紮し、或いは縫合することが出来
る。
【0016】また第1,第2駆動手段をレバー状に形成
すると共に、これ等の各手段を軸に回動可能に装着し、
端部に操作部を設けたので、施術者は鉗子を操作するの
と同様の感触で糸通し具の操作を行うことが出来る。こ
のため、施術者に違和感を懐かせることがなく、容易に
且つ確実な結紮或いは縫合を行うことが出来る。
【0017】また通過手段を先端が第1駆動手段から受
取手段側に突出するように配置し、長手方向の軸心に沿
って糸を挿通する溝又は孔を形成すると共に先端に糸に
形成された他の部分よりも大きい部分を係止する係止部
を形成し、且つ受取手段を該受取手段に嵌合した通過手
段の先端に保持された糸に弾性力を作用させて保持し得
るように構成したので、通過手段が受取手段に嵌合し、
その後、通過手段が受取手段から離脱するのに伴って糸
を受け取ることが出来る。
【0018】また通過手段が第1駆動手段に対し着脱可
能に装着されると共に先端が該第1駆動手段から受取手
段側に突出するように配置され、且つ通過手段の後端に
糸固定部を形成して該固定部に糸を固定し、更に、受取
手段が該受取手段に嵌合した通過手段に弾性力を作用さ
せて保持し得るように構成したので、通過手段が受取手
段に嵌合し、その後、第1,第2駆動手段が離隔するの
に伴って、通過手段を第1駆動手段から離脱させること
で受け取ることが出来る。
【0019】また本発明に係る糸付針は、所定の長さを
持った直針状に形成されると共に元端面に形成された盲
穴に糸を挿入してかしめ又は接着により一体化させ、且
つ元端面及び該元端面から所定距離離隔した位置に於け
る形状が第1駆動手段に形成された取付部の形状と略等
しく且つ寸法が僅かに小さく形成したので、第1駆動手
段に対し着脱可能に装着することが出来、第1駆動手段
の操作に伴う駆動力が元端面に伝達されて組織間或いは
組織内を通過することが出来る。また受取手段に嵌合し
たとき、第1,第2駆動手段の離隔に伴って容易に第1
駆動手段から離脱することが出来る。
【0020】
【実施例】以下上記糸通し具の実施例について図を用い
て説明する。図1は装着部材と保持部材を軸を中心に回
動させて通過手段と受取手段を離接させるように構成し
た糸通し具の全体構成を説明する側面図、図2は糸を引
っ掛けて受け取るように構成した第1実施例に係る糸通
し具の要部を説明する図、図3は第2実施例に係る通過
手段と受取手段の構成を説明する図、図4は通過手段の
他の構成を説明する図、図5は通過手段を装着部材に対
し着脱可能に構成した第3実施例に係る糸通し具の要部
を説明する図、図6は通過手段を着脱可能に取り付ける
装着部材の要部を説明する図、図7は結紮操作順序を説
明する図、図8は通過手段を装着部材に対し着脱可能に
構成した第4実施例に係る糸通し具の要部を説明する
図、図9は通過手段を装着部材に対し着脱可能に構成し
た第5実施例に係る糸通し具の要部を説明する図、図10
は通過手段を着脱可能に取り付ける装着部材の要部を説
明する図、図11は第5実施例の応用例を説明する図、図
12は受取手段の他の構成例を説明する図、図13は受取手
段の更に他の構成例を説明する図、図14は糸付針の構成
を説明する図、図15は装着部材と保持部材をバネ性を付
与して接続した糸通し具の全体構成を説明する側面図、
図16は装着部材の先端部分を円弧状に形成した糸通し具
の全体構成を説明する側面図、図17は深い部位を容易に
結紮し或いは縫合することを可能とした糸通し具の全体
構成を説明する側面図である。
【0021】本発明に係る糸通し具は、血管の結紮或い
は切開部位を縫合する際に施術者が片手で一段階の操作
を行って引き出すことで、糸を血管の周りの組織間を通
過させて結紮し、或いは切開部位の組織内を通過させて
縫合して糸を体外に引き出すことを可能にしたものであ
る。このため、生体の深い部位や狭い部位にある血管や
切開部位を速やかに且つ容易に結紮,縫合することが可
能である。尚、以下主として血管を結紮する場合につい
て説明するが、切開部位を縫合する場合であっても実質
的に同様の操作によって実施することが可能である。
【0022】図1に示す糸通し具Aは、通過手段1をレ
バー状に形成された第1駆動手段となる装着部材2に取
り付けると共に、受取手段3をレバー状に形成された第
2駆動手段となる保持部材4に取り付け、これ等の装着
部材2と保持部材4を軸5に回動可能に取り付けて構成
されている。装着部材2,保持部材4の軸5よりも一方
側(図1に於ける右側)には夫々操作部となる把手6が
設けられており、施術者が鉗子と同様の感触で操作する
ことが可能なように構成されている。
【0023】通過手段1は糸7を保持した状態で装着部
材2に取り付けられ、糸通し具Aの把持操作に伴って生
体の組織間或いは組織内を通過し、これにより、糸7を
組織間或いは組織内を通過させて結紮すべき血管の周り
を回すものである。
【0024】本発明に於いて、通過手段1を装着部材2
の先端(図1に於ける左側)に一体的に形成することが
可能である。然し、通過手段1には糸7を保持するため
の極めて微小なスリットや溝を形成することがあり、手
術後の滅菌処理を考慮した場合、前記スリットや溝に対
する滅菌処理が困難となることがある。このため、通過
手段1を装着部材2に対し着脱し得るように構成し、術
後は廃棄処分することが好ましい。
【0025】通過手段1は、糸7を保持して結紮すべき
血管の周囲にある組織間を通過し、或いは切開部位に於
ける組織内を通過するものである。このため、通過手段
1の形状及び構成は、後述するように多様な形態を採る
ことが可能であり、手術の内容及び目的に対応して最も
適したものを採用することが好ましい。
【0026】受取手段3は、通過手段1と共に組織間或
いは組織内を通過して血管の周りに回された糸7を直接
受け取り、或いは通過手段1を直接受け取ることで実質
的に糸7を受け取るものである。このため、受取手段3
の形状及び構成は、後述するように通過手段1の形状及
び構成に対応して多様な形態を採ることが可能である。
即ち、通過手段1の選択に伴って、最適な受取手段3を
採用し得るように構成されている。
【0027】受取手段3の好ましい形態は、糸通し具A
の把持操作により通過手段1が受取手段3に嵌合したと
き、該通過手段1に押圧力を作用させ、且つ糸通し具A
の開放操作により通過手段1が受取手段から離脱する際
に、前記押圧力の作用によって糸7を直接或いは通過手
段1を介して受け取るものである。
【0028】このため、受取手段3は、適度な弾性を有
し且つ生体に悪影響を及ぼす虞のないウレタンゴム,シ
リコンゴムを含む合成ゴム或いは天然ゴム等のゴムを成
形した弾性体、バネ性を有するステンレス板,リン青銅
板等の材料を成形した弾性体、或いは保持部材4にスリ
ット加工等を施すことによって保持部材自体に弾性を付
与することによって構成されている。また通過手段1を
磁性体又は磁石によって形成した場合、受取手段3を磁
石又は磁性体によって構成することも可能である。
【0029】上記の如く受取手段3をゴム,金属板,磁
石,磁性体等によって構成した場合、受取手段3は保持
部材4の先端に形成された穴4aに嵌合した状態で、或
いは接着剤によって接着した状態で保持される。このた
め、受取手段3と穴4aの間に極めて微小な空隙が形成
される虞があり、術後に完全な滅菌処理を行うことが困
難となる虞がある。従って、受取手段3を保持部材4に
対し着脱可能に構成し、手術後は該受取手段3を廃棄処
分することが好ましい。
【0030】また受取手段3を保持部材4に対するスリ
ット加工や特殊な機構を組み込んで構成した場合、該加
工部分や機構部分を充分に滅菌処理することが必須とな
る。
【0031】以下、具体的な実施例について個々に説明
する。
【0032】第1実施例に係る糸通し具Aは、図2に示
すように、装着部材2及び保持部材4把持操作により通
過手段11が受取手段3に対向したとき、該通過手段11の
先端部に保持された糸7を引っ掛けて直接受け取るよう
に構成されている。
【0033】図に於いて、通過手段11は装着部材2の先
端に固着されて一体的に構成されている。通過手段11の
先端は偏平状に形成されており、同図(a),(b)に
示すように、幅方向の中央に高さの高い中央突起11aが
形成され、該突起11aの両側に肩突起11bが形成されて
いる。また中央突起11aと肩突起11bの間には夫々スリ
ット11cが形成され、中央突起11aには軸方向に沿って
溝11dが形成されている。
【0034】スリット11cは糸7の太さに応じた寸法を
持って形成されている。即ち、スリット11cは糸7の太
さよりも僅かに狭い寸法を持って形成されている。そし
て同図(c)に示すように、中央突起11aの周囲であっ
て溝11d側に回した糸7をスリット11cに係合させるこ
とで、中央突起11aと肩突起11bとの協働によって糸7
を保持し得るように構成されている。
【0035】また保持部材4には前記溝11dと対向して
先端に鉤状の引掛部8aを形成した棒状体8が取り付け
られている。
【0036】上記の如く構成された糸通し具Aでは、把
手6を握って装着部材2と保持部材4を接近させると、
通過手段11は糸7を保持した状態で組織間或いは組織内
を通過し、通過手段11の溝11dに棒状体8の引掛部8a
が対向すると、該引掛部8aが糸7を引っ掛けて係合
し、更に、装着部材2と保持部材4との離隔に伴って糸
7は引掛部8aに係合した状態を維持して受け取ること
が可能である。
【0037】次に、図2により第2実施例に係る糸通し
具Aについて説明する。本実施例に於いて、通過手段1
としては第1実施例に於ける通過手段11と同様なものを
用いており、具体的な説明を省略する。然し、中央突起
11aに形成された溝11dは不要である。
【0038】受取手段31は通過手段11と対向して配置さ
れている。この受取手段31には、偏平状の通過手段11が
容易に嵌合し得るように、通過手段11の偏平形状に対応
したスリット31aが形成されている。また受取手段31の
通過手段11に対向する面は、通過手段11をスリット31a
に導入するために、円周側からスリット31aに向けて傾
斜した傾斜面31bとして形成されている。
【0039】受取手段31の通過手段11の反対側には凹部
31cが形成され、傾斜面31bと凹部31cとによって押圧
片31dが形成されている。従って、凹部31cの深さを適
宜設定することによって押圧片31dの厚さを設定するこ
とが可能であり、且つ押圧片31dの厚さを適宜設定する
ことによって、嵌合した通過手段11に作用する押圧力を
設定することが可能である。
【0040】上記の如く構成された通過手段11,受取手
段31を取り付けた糸通し具Aでは、予め糸7を通過手段
11に形成されたスリット11cに係合させることで、該糸
7を通過手段11によって保持し、この状態で患部に挿入
して糸通し具Aを把持操作し、通過手段11と受取手段31
を相対的に接近させて通過手段11を受取手段31に嵌合さ
せる。この把持操作によって、結紮すべき血管の周りに
糸7が回され、且つ糸7には受取手段31による押圧力が
作用する。
【0041】次いで、糸通し具Aを開放操作して通過手
段11と受取手段31を離隔させると、通過手段11が受取手
段31から離脱する。このとき、糸7は受取手段31の押圧
片31dによる押圧力によって通過手段11のスリット11c
から離脱して押圧片31dに挟持される。即ち、糸7は受
取手段31に受け取られる。その後、糸通し具Aを体外に
引き出すと、糸7は受取手段31の押圧片31dに挟持され
た状態を維持して体外に引き出される。そして糸通し具
Aを体外に引き出した後、糸7を引っ張ることで、該糸
7を容易に受取手段31から離脱させることが可能であ
る。
【0042】上記の如く、施術者が単に糸通し具Aの把
手6を握って開閉するという一段階の操作を行うことに
よって、通過手段11に保持された糸7を血管の周りを回
して受取手段31によって受け取ることが可能である。
【0043】更に、上記以外の通過手段11としては、図
4に示すように、先端に糸7を係止して保持する溝11e
を形成したものや、先端の近傍に糸7を通して保持する
穴11fを形成したもの等を用いることが可能である。
【0044】上記の如き通過手段11を用いた場合、受取
手段3としては、第1実施例に於ける引掛部8aを形成
した棒状体8或いは弾性を有する受取手段31を選択的に
用いることが可能である。
【0045】次に、図5により第3実施例に係る糸通し
具Aについて説明する。
【0046】本実施例に於いて、通過手段は予め設定さ
れた長さと太さを有する棒状の針状体12によって構成さ
れており、先端12aが生体の組織間或いは組織内を容易
に通過し得るように球状或いは尖状に形成され、且つ後
端面である元端面12bには図示しない盲穴が形成されて
いる。そして前記盲穴に糸7の一端を挿通して該盲穴の
周囲をかしめることで、糸7は針状体12に保持されてい
る。前記針状体12としては後述する糸付針12を用いるこ
とが好ましい。
【0047】糸通し具Aの装着部材2の先端には針状体
12を着脱可能に取り付ける取付部2aが形成されてい
る。取付部2aは取り付けられた針状体12を一時的に保
持する機能を有する。即ち、装着部材2及び保持部材4
の把持操作に伴って針状体12が受取手段32に嵌合し、そ
の後、前記各部材2,4の開放操作に伴って針状体12は
取付部2aから離脱して受取手段32に受け取られる。
【0048】針状体12を一時的に保持する取付部2a
は、図6に示すように、装着部材2の先端側の所定位置
に、針状体12の外径と略等しい径を持った凹部2aを形
成すると共に、該凹部2aと先端をスリット2bによっ
て接続して構成されている。
【0049】従って、予めを取り付けた糸7をスリット
2bを介して挿通すると共に、針状体12の元端面12b側
を取付部2aである凹部2aに嵌合させることで、針状
体12を装着部材2に取り付けることが可能である。この
ように取り付けられた針状体12は凹部2aに嵌合した状
態を保持して簡単に離脱することはない。
【0050】また針状体12を組織間或いは組織内を通過
させる際に発生する抵抗は、針状体12の元端面12bと凹
部2aとの当接面を介して装着部材2に伝達される。従
って、針状体12が組織を通過する際に通過抵抗によって
装着部材2から離脱したり、転倒するようなことがな
い。
【0051】受取手段32は、糸通し具Aの把持操作に伴
って針状体12が嵌合したとき該針状体12の外周を押圧し
て保持し、糸通し具Aの開放操作に伴って装着部材2と
保持部材4が離隔する際に針状体12に対する押圧状態を
維持して凹部2aから離脱させることで、糸7を実質的
に受け取るものである。
【0052】このため、受取手段32の中心には針状体12
の外径と略等しいか或いは僅かに小さい径を持った穴32
aが形成されており、針状体12と対向する面には該針状
体12を穴32aに案内するための案内面32bが形成されて
いる。
【0053】次に、上記の如く針状体12と受取手段32を
取り付けた糸通し具Aを用いて血管Eを結紮する場合に
ついて図7により説明する。
【0054】同図(a)に示すように、糸通し具Aを開
放した状態、即ち、針状体12と受取手段32を離隔させた
状態で結紮すべき血管Eの奥に挿入し、その後、把手6
を把持操作して同図(b)に示すように、針状体12を受
取手段32に嵌合させる。このとき針状体12は受取手段32
に押圧されて保持される。
【0055】次いで、糸通し具Aを開放操作することに
よって同図(c)に示すように、針状体12は凹部2aか
ら離脱して受取手段32に保持され、糸7は血管Eの周り
を回ると共に針状体12を介して実質的に受取手段32に受
け取られたこととなる。糸通し具Aの体外への引き出し
に伴って、同図(d)に示すように糸7も体外に引き出
される。そして糸通し具Aを体外に引き出した後、糸7
を引っ張ることで、該糸7及び針状体12を受取手段32か
ら離脱させることが可能である。
【0056】上記の如く構成された針状体12と受取手段
32では、穴32aの径と長さを適宜設定することによって
受取手段32による針状体12の保持力を調整することが可
能である。然し、針状体12を受取手段32から離脱させる
際に比較的大きな力が要求される虞がある。
【0057】次に、図8により第4実施例に係る糸通し
具Aの構成について説明する。
【0058】本実施例に係る糸通し具Aは、先端に球状
体13aを形成した針状体13を装着部材2に着脱可能に取
り付けると共に、前記球状体13aを受け入れる球状部33
aを形成した受取手段33を保持部材4の先端に取り付け
た糸通し具Aの要部を説明する図である。この糸通し具
Aは、受取手段33に押圧保持された針状体13を小さい力
で容易に離脱させることを可能としたものである。
【0059】針状体13の先端には針状体13の太さよりも
大きい径を持った球状体13aが形成されており、該球状
体13a以外の構成は前述した針状体12と同様に構成され
ている。
【0060】受取手段33の針状体13と反対側に球状体13
aを受け入れる球状部33aが形成されており、針状体13
と対向する面には球状体13aを球状部33aに案内する案
内面33bが形成されている。また球状部33aと案内面33
bを接続して針状体13の太さよりも僅かに大きく且つ球
状体13aの径よりも小さい径を持った穴33cが形成され
ている。従って、穴33cの周に沿って突起33dが形成さ
れている。
【0061】上記構成に於いて、糸通し具Aの把持操作
に伴って針状体13が受取手段33に接近し、球状体13aが
穴33cを通って球状部33aに嵌合する。そして糸通し具
Aを開放操作すると、この操作に伴って装着部材2と保
持部材4が離隔し、針状体13は凹部2aから離脱して受
取手段33の球状部33aに保持される。
【0062】糸通し具Aを体外に引き出して針状体13を
受取手段33から離脱させる際に、図8(b)に示すよう
に、糸7を保持部材4と平行になるようにして引っ張る
と、球状体13aの基部13bが突起33dと係合し、この係
合部位を支点として針状体13を回動させる。前記回動に
伴って、球状部13aの支点と反対側が突起33dを乗り越
えることで、針状体13が受取手段33から離脱する。
【0063】上記の如く、針状体13を受取手段33から離
脱させる際に梃の原理を応用することで、針状体13を離
脱させるのに要する力を前述した針状体12を受取手段32
から離脱させる際の力よりも極めて小さくすることが可
能である。
【0064】尚、針状体12,13を用いて結紮する場合、
一回の結紮を実施する毎に糸通し具Aに針状体12,13を
取り付けることが必要となり、且つ針状体12,13は一回
の結紮毎に廃棄処分されることとなる。
【0065】次に、図9により第5実施例に係る糸通し
具Aの構成について説明する。
【0066】図に示す位置通し具Aは、装着部材2に取
り付けた針状体14の軸方向に糸7を挿通して保持し、糸
通し具Aの把持操作に伴って針状体14を受取手段34に嵌
合させ、且つ糸通し具Aの開放操作に伴って針状体14を
受取手段34から離脱させると共に糸7を受取手段34によ
って受け取るように構成した糸通し具Aの要部を説明す
る図である。
【0067】針状体14は、一部に糸7を結んで形成した
糸玉,結び玉、或いは接着剤を塗布して固化させた玉,
ステンレスを含む金属の球を糸に固定して形成された玉
等の径大部7aを有する糸7を軸方向に沿って挿通する
と共に、前記径大部7aを先端に係止して保持し、糸通
し具Aの把持操作に伴って糸7と共に生体の組織間或い
は組織中を通過して受取手段34に嵌合し、且つ糸通し具
Aの開放操作に伴って受取手段34から離脱する際に糸7
を受取手段34によって受け取ることが可能なように構成
されている。
【0068】針状体14には、糸7を挿通するために該糸
7の太さに応じた寸法を持ったスリット14aが全長にわ
たって形成されている。スリット14aは底部が針状体14
の中心に到達するように形成されており、針状体14の先
端には糸7の径大部7aを保持するために球面状の保持
部14bが形成されている。また針状体14は装着部材2に
形成された取付部2aに着脱可能に取り付けられてい
る。
【0069】装着部材2の先端には、例えば図10に示す
ような針状体14の外径よりも僅かに小さい径を持った穴
2aからなる取付部2aが形成されている。この穴2a
はスリット2bによって装着部材2の先端側に開放され
ており、スリット2bを介して針状体14のスリット14a
に糸7を挿通することが可能である。
【0070】穴2aのスリット2bの反対側に比較的幅
の大きい長穴2cが形成されており、この長穴2cと穴
2aを結んでスリット2dが形成されている。即ち、装
着部材2の先端は、長穴2c,穴2a,スリット2d,
2bによってバネ性を持った二つの挟持片2eが形成さ
れている。
【0071】上記構成に於いて、穴2aが針状体14の外
径よりも小さい径を有することから、穴2aに針状体14
を取り付けたとき、針状体14は挟持片2eによって押圧
されて強固に保持される。挟持片2eによる針状体14に
対する保持力は、該針状体14の外径と穴2aの径の比
率,長穴2cの長さ等を適宜設定することによって所望
の値に設定することが可能である。従って、針状体14が
組織間或いは組織中を通過する際に穴2aから離脱する
ことはない。
【0072】受取手段34の中心には針状体14の先端部分
を嵌合させる穴34aが形成されており、針状体14と対向
する面には該針状体14の先端を穴34aに案内する案内面
34bが形成されている。また受取手段34の反対側には凹
部34cが形成されている。
【0073】上記穴34aは糸7の径大部7aを押圧して
受け取ることが可能なように極めて小さい寸法(ピンホ
ール)を持って形成されている。また針状体14の先端を
嵌合させる部分は必ずしも穴34aである必要はなく、受
取手段34の案内面34bから凹部34cまで一文字状,三叉
状,十字状に切込んで形成した片によって構成しても良
い。
【0074】針状体14が受取手段34に嵌合したとき、受
取手段34による針状体14に対する押圧力は、装着部材2
の挟持片2eによる針状体14の保持力よりも小さいこと
が必要である。受取手段34の針状体14に対する押圧力
は、受取手段34を構成する材料及び凹部34cの深さによ
って調整することが可能である。従って、受取手段34は
前記条件を考慮して設計される。
【0075】上記構成に於いて、針状体14を装着部材2
の取付部2aに取り付けると共に径大部7aを形成した
糸7を挿通し、糸通し具Aを把持操作すると、針状体14
は組織間或いは組織内を通過して径大部7aを係止した
先端が受取手段34に嵌合する。次いで、糸通し具Aを開
放操作すると、この操作に伴って針状体14は受取手段34
から離脱し、同時に糸7の径大部7aが受取手段34の穴
34aに押圧保持される。そして糸通し具Aを体外に引き
出し、糸7を引っ張ることで受取手段34から離脱させる
ことが可能である。
【0076】上記針状体14を用いた場合、一回の結紮毎
に針状体14に糸7を挿通することが必要であるが、針状
体14は継続して用いることが可能である。このため、結
紮部位の多い場合に糸7のみを交換すれば良いこととな
り、コスト的な面から有利である。
【0077】このような針状体14を用いた場合であって
も、針状体14と取付部2aである穴2aの間に空隙が形
成される虞がある。このため、術後の滅菌処理を実施す
る際に前記空隙を完全に滅菌し得ない虞が生じることか
ら、針状体14は一回の手術毎に廃棄処分することが好ま
しい。
【0078】図11は、前述の第5実施例に示す構造を応
用した糸通し具Aの要部を説明する図である。
【0079】針状体15の先端には径大部7aを有する糸
7を保持する溝15aが形成されており、後端には糸7を
装着部材2に沿って施術者側に案内するスリット15bが
形成されている。この針状端15は、前述した針状体14と
同様に装着部材2の先端に形成された穴2aからなる取
付部2aに着脱可能に取り付けられている。
【0080】受取手段35の中心には針状体15の先端に形
成された溝15aを嵌合させるスリット35aが形成されて
おり、針状体15と対向する面には該針状体15の先端をス
リット35aに案内する案内面35bが形成されている。ま
た受取手段35の反対側には凹部35cが形成されている。
【0081】上記構成に於いて、針状体15を装着部材2
の取付部2aに取り付けると共に径大部7aを形成した
糸7を挿通し、糸通し具Aを把持操作すると、針状体15
は組織間或いは組織内を通過して径大部7aを係止した
溝15aが受取手段35に嵌合する。次いで、糸通し具Aを
開放操作すると、この操作に伴って針状体15は受取手段
35から離脱し、同時に糸7の径大部7aが受取手段35の
スリット35aに押圧保持される。そして糸通し具Aを体
外に引き出し、糸7を引っ張ることで受取手段35から離
脱させることが可能である。
【0082】次に、受取手段3をバネ性を持った金属に
よって構成した場合について図12により説明する。
【0083】同図(a)に示す受取手段36は、バネ性を
持った或いは熱処理によってバネ性を発揮し得る金属
板、例えばステンレス鋼からなる厚さ約 0.1mmの板をプ
レス成形して構成したものであり、通過手段1として装
着部材2に対し着脱可能に装着された針状体12を受け取
ることを想定したものである。
【0084】受取手段36には、保持部材4の穴4aの通
過手段1と対向する側に形成された窪み4bに嵌合する
フランジ36a、針状体12の先端部分が嵌合したとき該嵌
合部分を押圧するロート状の受取部36b、受取部36bに
形成された複数のスリット36cが夫々形成されている。
【0085】上記スリット36cは受取部36bの裾36dを
始点として形成されている。このため、受取部36bに針
状体11の先端部分が嵌合したとき、裾56dが拡大して充
分に大きい押圧力を作用し得ない虞が生じる。この問題
を解決するために、受取部36bの裏側には、受取部36b
の裾36dが拡大することを防止するOリング状の部材36
eが設けられている。
【0086】上記の如く構成された受取手段36では、受
取部36bに針状体11の先端部分が嵌合したとき、受取部
36bによって嵌合した部分に押圧力を作用させることで
保持することが可能である。そして装着部材2と保持部
材4の離隔に伴って、針状体12は受取手段36に保持され
た状態を維持して装着部材2の取付部2aから離脱す
る。
【0087】同図(b)に示す受取手段37は、前述の受
取手段36と同様に針状体12を受け取ることを想定して構
成されたものである。この受取手段37は、機械加工、例
えば旋盤加工によって形成されている。
【0088】受取手段37にはフランジ37aとボス37bが
形成されており、ボス37bは保持部材4に形成された穴
4aと略等しい寸法を有している。ボス37bに連続して
鼓状の受取部37cが形成されており、該受取部37cの裾
37dは穴4aよりも僅かに大きい寸法を有している。ま
たフランジ37aからボス37bにかけて針状体12の先端を
受取部37cの方向に案内するテーパ状の案内面37eが形
成され、更に、受取部37cには複数のスリット37fが形
成されている。
【0089】従って、受取手段37を穴4aに嵌合したと
き、裾37dが穴4aに規制されて変形することで、受取
部37cにバネ性を付与することが可能である。
【0090】上記の如く構成された受取手段37では、受
取部37cに針状体11の先端部分が嵌合したとき、受取部
37cによって嵌合した部分に押圧力を作用させることで
保持することが可能である。そして装着部材2と保持部
材4の離隔に伴って、針状体12は受取手段37に保持され
た状態を維持して装着部材2の取付部2aから離脱す
る。
【0091】次に、受取手段3の更に他の構成について
図13により説明する。
【0092】図に示す受取手段38は、保持部材4に形成
された穴4aと協働して針状体12を受け取ることが可能
なように、保持部材4に組み込まれた板バネ38によって
穴4aに嵌合した針状体12に押圧力を作用させるように
構成したものである。
【0093】板バネ38は、バネ性を持った金属板、例え
ばステンレス鋼からなる厚さ約 0.3mmの板を加工して構
成されている。板バネ38には、保持部材4の穴4aに臨
み針状体12を押圧する押圧片38aと、押圧片38aの所定
位置に設けられた支持アーム38bとによって構成されて
いる。
【0094】保持部材4に形成された穴4aの近傍に
は、板バネ38を組み込む凹所4cが形成されており、こ
の凹所4cの所定位置に板バネ38の支持アーム38bを係
止する係止部4dが形成されている。また穴4aの針状
体12に対向する側にはテーパ状の案内面4eが形成され
ている。
【0095】上記の如く構成された受取手段38では、穴
4aに嵌合した針状体12に板バネ38の押圧片38aによっ
て押圧力を付与し、針状体12を穴4aに圧接させること
で保持することが可能である。そして装着部材2と保持
部材4の離隔に伴って、針状体12は受取手段37に保持さ
れた状態を維持して装着部材2の取付部2aから離脱す
る。
【0096】上記構成に於いて、針状体12をより確実に
受け取ることを目的として、針状体12に板バネ38の押圧
片38aと係合する溝を設けておくことが好ましい。この
場合、板バネ38を全長の長いレバー状に形成すると共に
保持部材4にピンを設け、板バネ38を回動可能にピンに
装着して押圧片38aが常に穴4aの内部に突出するよう
に付勢し、他方の端部側を保持部材から突出させて施術
者が該突出部を押すことで、押圧片38aを穴4aから退
避させると共に針状体12を穴4aから離脱させるように
構成しても良い。
【0097】次に、針状体12を構成する糸付針について
図14により説明する。尚、以下の糸付針の実施例に於い
て、針状体12と同一部分或いは同一の機能を有する部分
には同一の符号を付与する。
【0098】糸付針12は、所定の長さを持った直針状に
形成され、先端12aは組織間或いは組織内を円滑に刺通
し得るように、通過すべき組織に対応して例えば球状或
いは尖状等の形状に形成されている。また糸7は元端面
12bから糸付針12の軸方向に延設されている。即ち、糸
付針12の元端面12bには、糸7の仕様に対応する寸法を
持った盲穴或いは溝が形成され、この盲穴,溝に糸7の
端部を挿入して盲穴に対応する部分をかしめ(同図
(a)参照)て、或いは接着(同図(b),(c)参
照)して保持し得るように構成されている。更に、後述
するように糸7をインサート成形法によって一体成形し
て合成樹脂からなる糸付針12を構成することも可能であ
る。
【0099】糸付針12の胴部12cの断面形状は特に限定
するものではない。即ち、この糸付針12は手術に際し持
針器によって把持されることがないため、持針器による
把持を想定した形状である必要はない。
【0100】糸付針12の元端部12dは装着部材2に形成
した取付部2aに嵌合した状態で一時的に保持される。
このため、少なくとも取付部2aに嵌合する部分であっ
て該取付部2aの底部と縁部とに対応する部分は、取付
部2aと略等しいか或いは僅かに小さい寸法であること
が必要である。
【0101】即ち、同図(a)に示すように、かしめに
よって形成された溝12eが取付部2aの開口縁と一致し
たとき、糸付針12を安定した状態で取付部2aに保持さ
せることが困難である。
【0102】糸付針12を装着部材2の取付部2aに装着
したとき、元端面12bは取付部2aの底部と当接して装
着部材2に作用する駆動力が伝達される。このため、糸
7を保持した元端面12bには、該糸7と明確な段差を有
することが必要である。
【0103】血管を結紮する場合に使用される糸7の太
さは約 0.3mm〜 0.4mm程度であり、切開部位を縫合する
場合に使用される糸7の太さは約 0.2mm〜 0.3mm程度で
ある。また結紮或いは縫合を行う場合、糸付針12を組織
間或いは組織内を通過させるのに必要な力は約50g〜 2
00g程度である。元端面12bで前記程度の力を受ける場
合、糸7の周囲に約 0.1mm程度の段差(元端面12bの露
出面)が形成されれば良い。このため、糸付針12の太さ
を約 0.8mm〜1mm程度に設定している。
【0104】図1に示す糸通し具Aに糸付針12を装着し
て結紮或いは縫合を行う場合、糸付針12の先端12aは軸
5から取付部2aまでの距離に応じた回動運動を行って
受取手段3に嵌合する。このため、糸付針12の長さが長
いと、先端12aが受取手段3に嵌合する際に糸付針12の
長軸に交差する方向の力が作用して円滑な嵌合をなし得
ない虞がある。このため、糸付針12の全長は、3mm〜10
mm程度の範囲に設定されている。
【0105】糸付針12を図13に示すように、板バネ38に
よって構成された受取手段3を有する糸通し具Aに用い
る場合、糸付針12の先端12aから所定距離離隔した位置
に全周にわたって溝12fが形成される。溝12fは板バネ
38の押圧片38aが係合するためのものであり、この溝12
fを形成することによって保持部材4の穴4aに嵌合し
た糸付針12を確実に保持して受け取ることが可能であ
る。
【0106】尚、先端12aから溝12fまでの距離を限定
するものではない。然し、溝12fは該溝12fの両側に接
続する部分が平行で且つ穴4aの径と略等しい寸法を有
する部分、例えば胴部12cに形成されることが好まし
い。この場合、糸付針12が穴4aに嵌合して板バネ38に
よって保持されたときにぐらつくことがない。
【0107】糸付針12を構成する際の材料としては、比
較的価格の安いSUS303(ステンレス鋼)或いはBSBM(快
削黄銅)を用いることが好ましい。このような材料を用
いることによって糸付針12のコストを低減することが可
能である。
【0108】また合成樹脂材料を成形加工して糸付針12
を構成することも可能である。この場合、糸7をインサ
ート成形法により、糸付針12の成形と同時に一体化させ
て元端面12bから糸付針12の軸方向に延設することが好
ましい。この方法で製造された糸付針12は予め滅菌処理
した状態で医師に供給することが可能であり、使用後の
糸付針12を容易に廃棄処理することが可能である。
【0109】次に、通過手段1を取り付ける装着部材2
及び受取手段3を取り付ける保持部材4の他の構成につ
いて説明する。
【0110】図15は装着部材2と保持部材4をバネ性を
付与して接続した糸通し具Bの構成を説明する図であ
る。この糸通し具Bは施術者がピンセットと同様の感触
で操作することが可能なように構成されている。
【0111】糸通し具Bは、装着部材2及び保持部材4
の先端部分(図15の左側)が適度な剛性を持って形成さ
れ、且つ元部分(図15の右側)にバネ性が付与されて互
いに接合されている。このように構成した糸通し具Bで
あっても、前述した各実施例の如く装着部材2に通過手
段11を一体化させ、或いは針状体12〜14を着脱可能に取
り付けると共に、保持部材4に受取手段31〜38を取り付
けて血管の結紮や切開部位の縫合を行うことが可能であ
る。
【0112】図16は装着部材2の先端を円弧状に形成し
た糸通し具Cの構成を説明する図である。図に於いて、
装着部材2と保持部材4は糸通し具Aと同様に軸5に取
り付けられて互いに回動可能に構成されている。
【0113】装着部材2に於ける通過手段1の取付側
は、軸5から予め設定された長さを有する直線状の直線
部2fが形成され、該直線部2fの先端側に前記長さを
半径とする円弧部2gが形成されている。そして円弧部
2gの先端に通過手段1が取り付けられている。また保
持部材4に於ける受取手段3の取付側は軸5から直線状
に延設され、受取手段3は装着部材2の直線部2fの長
さと対応する位置に取り付けられている。
【0114】上記の如く構成された糸通し具Cでは、把
手6の開閉操作に伴って通過手段1は同一円周上を移動
することとなり、該円周上に配置された受取手段3に対
し略直線的に離接する。このため、受取手段3による糸
7の受け取り動作をより正確に且つ確実に行うことが可
能となる。
【0115】即ち、通過手段1が装着部材2に着脱可能
に取り付けた針状体12,13である場合、糸通し具Cの開
閉操作に伴って針状体12,13が受取手段3に対し直線的
に嵌合するため、針状体12,13に対し拗れるような力が
作用することがない。このため、針状体12,13を確実に
受取手段3に嵌合させることが可能である。
【0116】図17は極めて深い位置、例えば腹腔鏡内手
術に於ける結紮や縫合を行うことを可能とした糸通し具
Dの構成を説明する図である。図に於いて、装着部材2
及び保持部材4は所定の長さ(結紮すべき部位に応じて
約 300mm〜 400mm)を持ったケーシング41の先端側に配
置され、少なくとも一方の部材2,4は他方の部材に対
し離接し得るように構成されている。本実施例では、保
持部材4をケーシング41の先端に固着すると共に装着部
材2を図示しない軸に回動可能に取り付けている。
【0117】ケーシング41はトリガー43を設けた操作グ
リップ42に取り付けられており、トリガー43と装着部材
2とはケーシング41の内部に配置された図示しないワイ
ヤ或いはロッド等の伝導部材を介して接続されている。
尚、装着部材2及び保持部材4を互いに離接し得るよう
に構成する場合には、伝導部材によってトリガー43と装
着部材2及び保持部材4を接続することが必要である。
【0118】従って、施術者がトリガー43を操作したと
き、この操作力が伝導部材を介して装着部材2に伝達さ
れ、各部材2が保持部材4に接近して通過手段1に保持
された糸7が受取手段3に受け取られる。
【0119】上記の如く構成された糸通し具Eでは、ケ
ーシング41を可撓性を有する材料を用いて形成すること
が好ましく、太さを内視鏡に挿通し得る程度に形成する
ことが望ましい。前記条件で糸通し具Eを構成すること
によって、内視鏡が監視しつつ実施する腹腔鏡内手術に
於ける結紮や縫合を容易に行うことが可能である。
【0120】特に、腹腔鏡内手術の際に結紮する場合、
現在では所謂医療用クリップを用いることが多い。然
し、クリップを使用する場合、形状が大きい点、クリッ
プが結紮部位から外れる虞がある点、血管を周囲の組織
から剥離させなければならない点等の問題があるが、上
記糸通し具Eを用いることで、前記各問題点を回避する
ことが可能となる。
【0121】上記各糸通し具A〜Eでは、各構成部材を
ステンレス鋼等の金属材料によって形成することが可能
であるが、合成樹脂の成形品によって構成することも可
能である。例えば、装着部材2,保持部材4,軸5等の
部材を合成樹脂によって成形して組み立てることで糸通
し具A〜Eを構成した場合には、予め滅菌処理した状態
で医師に供給することが可能であり、且つ使用後の糸通
し具A〜Eを容易に廃棄処理することも可能である。
【0122】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
糸通し具では、糸通し具を開閉するという一段階の操作
で、血管の周りに糸を回して結紮し、或いは切開部位を
縫合することが可能であり、且つ前記操作を終了した
後、糸通し具を体外に引き出すことで糸を体外に引き出
すことが出来る。このため、結紮操作や縫合操作を容易
に且つ速やかに確実に行うことが出来る。
【0123】また本発明に係る糸付針を用いることによ
って上記糸通し具の操作性をより向上させることが出来
る等の特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】装着部材と保持部材を軸を中心に回動させて通
過手段と受取手段を離接させるように構成した糸通し具
の全体構成を説明する側面図である。
【図2】糸を引っ掛けて受け取るように構成した第1実
施例に係る糸通し具の要部を説明する図である。
【図3】第2実施例に係る通過手段と受取手段の構成を
説明する図である。
【図4】通過手段の他の構成を説明する図である。
【図5】通過手段を装着部材に対し着脱可能に構成した
第3実施例に係る糸通し具の要部を説明する図である。
【図6】通過手段を着脱可能に取り付ける装着部材の要
部を説明する図である。
【図7】結紮操作順序を説明する図である。
【図8】通過手段を装着部材に対し着脱可能に構成した
第4実施例に係る糸通し具の要部を説明する図である。
【図9】通過手段を装着部材に対し着脱可能に構成した
第5実施例に係る糸通し具の要部を説明する図である。
【図10】通過手段を着脱可能に取り付ける装着部材の要
部を説明する図である。
【図11】第5実施例の応用例を説明する図である。
【図12】受取手段の他の構成例を説明する図である。
【図13】受取手段の更に他の構成例を説明する図であ
る。
【図14】糸付針の構成を説明する図である。
【図15】装着部材と保持部材をバネ性を付与して接続し
た糸通し具の全体構成を説明する側面図である。
【図16】装着部材の先端部分を円弧状に形成した糸通し
具の全体構成を説明する側面図である。
【図17】深い部位を容易に結紮し或いは縫合することを
可能とした糸通し具の全体構成を説明する側面図であ
る。
【符号の説明】
A〜D 糸通し具 1,11 通過手段 11c スリット 11d,11e 溝 11f 穴 12 針状体,糸付針 12a 先端 12b 元端面 12c 胴部 12d 元端部 12e 溝 12f 溝 13〜15 針状体 13a 球状体 14a,15a スリット 2 装着部材 2a 取付部,凹部,穴 2e 挟持片 2f 直線部 2g 円弧部 3,31〜38 受取手段 31a スリット 32a 穴 33a 球状部 4 保持部材 4a 穴 5 軸 6 把手 7 糸 7a 径大部 41 ケーシング 42 グリップ 43 トリガー

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸を保持して組織間又は組織内を通過す
    る通過手段と、組織間又は組織内を通過した通過手段又
    は通過手段に保持された糸を受け取る受取手段とを有す
    ることを特徴とした医療用糸通し具。
  2. 【請求項2】 糸を保持して組織間又は組織内を通過す
    る通過手段と、前記通過手段を駆動して組織間又は組織
    内を通過させる第1駆動手段と、組織間又は組織内を通
    過した糸を実質的に受け取る受取手段と、前記受取手段
    を駆動する第2駆動手段とを有し、前記通過手段と受取
    手段を対向させて配置したことを特徴とした医療用糸通
    し具。
  3. 【請求項3】 前記第1駆動手段及び第2駆動手段がレ
    バー状の部材からなり、これ等の第1駆動手段及び第2
    駆動手段を共通する軸に回動可能に取り付けると共に端
    部側に力を付与する操作部を構成したことを特徴とした
    請求項2に記載した医療用糸通し具。
  4. 【請求項4】 前記通過手段が前記第1駆動手段に対し
    先端が該第1駆動手段から受取手段側に突出するように
    配置され且つ先端の近傍に糸を保持する糸保持部を有す
    ることを特徴とした請求項2又は3に記載した医療用糸
    通し具。
  5. 【請求項5】 前記受取手段が先端部に糸と対向したと
    き該糸を引っ掛けて受け取る引掛部を有することを特徴
    とした請求項4に記載した医療用糸通し具。
  6. 【請求項6】 前記通過手段が前記第1駆動手段に対し
    先端が該第1駆動手段から受取手段側に突出するように
    配置され且つ長手方向の軸心に沿って形成された糸を挿
    通する溝又は孔と先端に形成された糸に形成された他の
    部分よりも大きい部分を係止する係止部を有することを
    特徴とした請求項2乃至4の何れかに記載した医療用糸
    通し具。
  7. 【請求項7】 前記受取手段が該受取手段に嵌合した通
    過手段の先端に保持された糸に弾性力を作用させて保持
    し、通過手段が受取手段から離脱するのに伴って糸を受
    け取るものであることを特徴とした請求項2乃至4又は
    6の何れかに記載した医療用糸通し具。
  8. 【請求項8】 前記通過手段が前記第1駆動手段に対し
    着脱可能に装着されると共に先端が該第1駆動手段から
    受取手段側に突出するように配置され且つ後端に糸を固
    定する糸固定部を有することを特徴とした請求項2又は
    3に記載した医療用糸通し具。
  9. 【請求項9】 前記通過手段が磁性体又は磁石からなる
    ことを特徴とした請求項8に記載した医療用糸通し具。
  10. 【請求項10】 前記受取手段が該受取手段に嵌合した通
    過手段に弾性力を作用させて保持し、第1駆動手段及び
    第2駆動手段の操作に伴って通過手段を第1駆動手段か
    ら離脱させて受け取るものであることを特徴とした請求
    項2,3,8又は9の何れかに記載した医療用糸通し
    具。
  11. 【請求項11】 前記受取手段が磁石又は磁性体からな
    り、嵌合した通過手段に吸着力を作用させて保持し実質
    的に糸を受け取ることを特徴とした請求項9に記載した
    医療用糸通し具。
  12. 【請求項12】 前記第2駆動手段に保持部を設け、該保
    持部に前記受取手段を着脱可能に取り付けたことを特徴
    とした請求項2,3,5,7,10,11の何れかに記載し
    た医療用糸通し具。
  13. 【請求項13】 請求項8に記載した通過手段として用い
    られる糸付針であって、所定の長さを持った直針状に形
    成されると共に元端面から軸方向に糸を延設し、且つ元
    端面及び該元端面から所定距離離隔した位置に於ける形
    状が第1駆動手段に形成された取付部の形状と略等しく
    且つ寸法が僅かに小さく形成されたものであることを特
    徴とした糸付針。
  14. 【請求項14】 前記糸付針の先端部をテーパ状に形成す
    ると共に先端から所定距離離隔した位置に全周にわたっ
    て溝を形成したことを特徴とした請求項13に記載の糸付
    針。
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