JPH07328454A - 筒状ハニカム体へのスラリー塗布方法及びその装置 - Google Patents

筒状ハニカム体へのスラリー塗布方法及びその装置

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JPH07328454A
JPH07328454A JP6156714A JP15671494A JPH07328454A JP H07328454 A JPH07328454 A JP H07328454A JP 6156714 A JP6156714 A JP 6156714A JP 15671494 A JP15671494 A JP 15671494A JP H07328454 A JPH07328454 A JP H07328454A
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明秀 高見
Tomoji Ichikawa
智士 市川
Masateru Sasaki
雅晟 佐々木
Eizo Tamehira
栄三 為平
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Tokyo Roki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハニカム体の外周面にはスラリーを塗布せず
に該ハニカム体の内部に細孔状に形成された多数のセル
にのみスラリーを塗布することを目的とする。 【構成】 スラリー貯留部17の上部開口面を覆う受け
台35に設けた設置孔36に隙間なくワークWを嵌装
し、さらに該ワークWを押圧板44によって下方向へ押
圧支持する。この状態で、計量タンク11に貯留した必
要量のスラリーSを上記貯留部17へ導いて、過剰量の
スラリーSが上記ワークWの下面からセル内部に進入す
るようにし、所定時間経過後にバタフライ弁24を回動
してスラリーSを撹拌タンク10に戻す。さらに、上記
押圧板44の上方に備えられたエアノズル52から該ワ
ークWに向けてエアを噴出することにより塗布されたセ
ルの目詰まりを解消するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、相対向する二つの端面
を有し、これらの端面同士を連通する細孔状のセルが多
数個形成された筒状ハニカム体へのスラリー塗布方法、
特に該ハニカム体の外周面及び外周部のセルへはスラリ
ーが塗布されないスラリー塗布方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両等のエンジンから排出される排ガス
の浄化装置として用いられる触媒コンバータには触媒担
体が備えられ、該担体に排ガス浄化用触媒である白金や
ロジウム等が担持されて、該担体を通過する排ガスに含
まれる有害成分が浄化されるようになされている。
【0003】特にモノリス型の触媒担体は相対向する二
つの端面を有する筒状に成形され、且つこれらの端面同
士を連通する多数個の細孔状排ガス通路が該担体を貫い
て形成された構造(以下「ハニカム構造」という。)を
有し、エンジンから排出された排ガスが一方の端面から
上記排ガス通路に流入して他方の端面から流出するよう
に触媒コンバータの外筒内に挿入され設置される。従っ
て、この場合、浄化されるべき排ガスが通過する排ガス
通路の表面にのみ触媒を担持させればよく、排ガスが通
過しない筒状触媒担体の外周面には触媒を担持させる必
要はない。
【0004】一方、浄化用触媒を触媒担体に担持させる
方法としては、該触媒を吸着させたアルミナ粒等の分散
液を触媒担体に塗布した後、乾燥及び焼成することによ
って触媒担体の表面に触媒層を形成させることが一般に
行われている。従って、上記のようなハニカム構造を有
する触媒担体において排ガス通路の表面にのみ触媒層を
形成させるためには細孔状の該通路の一つ一つに分散液
を塗布する必要があるが、塗布作業の効率化から触媒担
体を上記分散液中に浸漬させることにより、排ガス通路
に分散液を塗布することが知られている。
【0005】しかしながら、単に触媒担体を分散液中に
浸漬させるだけでは分散液が触媒担体の全表面と接触
し、その結果、排ガスが通過しない該担体の外周面にも
不必要に塗布されることとなる。特に、該分散液に含有
される浄化用触媒は上記のように白金やロジウム等の高
価な貴金属であると共に、最近ではその触媒を吸着する
キャリアとして上記アルミナのほか高価なゼオライト等
が性能面から使用される傾向にあるため、該分散液の材
料コストを考慮するとかかる不必要な外周面への分散液
の塗布は回避されなければならない。
【0006】また、排ガス通路への分散液の塗布につい
ても、触媒担体に形成された多数個の排ガス通路の全て
に触媒層を形成させる必要がない場合がある。すなわ
ち、触媒担体がコンバータ外筒内に挿入され設置された
際、該担体はコージライト等のセラミックからなる一方
で、これを内装する側のコンバータ外筒は金属製である
ため、両者の熱膨張率が相違する結果、高温の排ガスの
通過によってコンバータ外筒による触媒担体の係合、支
承が不確実となる虞がある。また、排気脈動の発生によ
ってもかかる触媒担体の係合が外れて支承が不安定とな
る虞がある。そして、これを防止するために触媒担体
と、例えばセットプレート等のような該担体を支承する
部材との係合の度合を大きくする結果、セットプレート
が触媒担体の端面の外周部にまで張り出して該外周部に
おける排ガス通路の開口部を遮蔽する場合があり、この
遮蔽された排ガス通路、すなわち触媒担体外周部の排ガ
ス通路には排ガスが流入しないこととなって、当該排ガ
ス通路の表面には触媒層を形成させる必要がなくなるの
である。従って、この場合には上記の触媒担体外周面へ
の分散液の塗布を回避することと同様の理由により、触
媒担体外周部の排ガス通路への不必要な分散液の塗布を
も回避する必要がある。
【0007】以上のような問題に対して従来より種々の
技術が提案されている。例えば特開昭62−29444
5号公報(以下「イ号公報」という。)に開示されてい
るように、モノリス型触媒担体を隙間なく摺接して内装
し得る筒状装置に該担体を排ガス通路が上下方向を向く
ように挿入し、この筒状装置の上方から分散液を流し込
んで排ガス通路を通過させることにより該分散液を触媒
担体に塗布する方法(ウォッシュコート法)が知られて
いる(イ号公報の第3図参照)。このウォッシュコート
法によれば、触媒担体の外周面が上記筒状装置と隙間な
く摺接しているので、流し込まれた分散液は外周面と接
触することなく、上下方向を向いた排ガス通路のみを通
過して該通路の表面と接触し、その結果、該分散液が外
周面には塗布されず排ガス通路のみに塗布されることと
なる。
【0008】さらに、イ号公報には、上記セットプレー
ト(イ号公報では「リテーナ」と称されている。)によ
って遮蔽される触媒担体外周部の排ガス通路に、この塗
布工程の前に予め目詰めを施しておくことが開示されて
いる。これによれば、流し込まれた分散液は当該目詰め
が施された外周部の排ガス通路を通過することができ
ず、その結果、触媒コンバータ内に設置された際に排ガ
スが通過することのない排ガス通路への不必要な分散液
の塗布が回避されることとなる。同様に特開昭62−2
94446号公報(以下「ロ号公報」という。)にも外
周部の排ガス通路を予め目詰めする方法が開示され、触
媒層を必要としない排ガス通路へ分散液が塗布されるこ
とを防止している。
【0009】また、特開平3−157142号公報(以
下「ハ号公報」という。)には、直立して設置した触媒
担体の内部、換言すれば排ガス通路にのみ分散液を下方
から送り込むことにより、該排ガス通路のみに分散液を
塗布する技術が開示されている。これによっても、上記
ウォッシュコート法と同様、分散液が触媒担体の外周面
には塗布されないこととなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ウ
ォッシュコート法及びハ号公報に開示された塗布方法並
びにイ号公報及びロ号公報に開示された目詰め方法では
各々以下のような不都合が生じる。
【0011】まず、上記ウォッシュコート法において
は、分散液の排ガス通路の表面への塗布を、筒状装置に
内装された触媒担体の上方から該分散液を流し込んで、
重力によって排ガス通路を自然に通過させることにより
行うため、該分散液と被塗面である排ガス通路の表面と
の接触時間を調整することができないのである。その結
果、例えば水分が吸収され難い材質で成形されている触
媒担体の排ガス通路の表面に分散液を塗布するような場
合に、上記接触時間が不足して被塗面に該分散液が充分
に塗布されないという問題が生じる。
【0012】また、触媒担体の上方から流し込まれた分
散液は重力によって排ガス通路の内部を下方へ向けて移
動するため、該通路の全表面と接触することとなり、そ
の結果、排ガス通路の全長に渡って一種類の分散液が塗
布されることとなる。従って、余分な重ね塗りをするこ
となく排ガス通路の前部と後部とに二種類の分散液を塗
り分ける等の要求に対応することができない。
【0013】そして、触媒担体の外周面が塗布されない
ように該担体を隙間なく摺接して内装し得る筒状装置を
別途必要とするため、システムが過大化する虞があるば
かりでなく、触媒担体の形状に合わせて逐一用いる筒状
装置を取り替えることが必要となるため、製造コストを
圧迫することにもなる。さらには、かかる筒状装置の内
面と触媒担体の外周面との間に僅かでも間隙があると、
上方からの重力が作用しているため分散液が滲み込んで
外周面に塗布されることとなるので、筒状装置及び触媒
担体の双方に緻密な寸法精度が要求される。
【0014】一方、上記ハ号公報に開示された塗布方法
においては、直立して設置した触媒担体の排ガス通路に
分散液を下方から送り込むので上記のような不都合は生
じないが、触媒担体外周面への分散液の塗布を回避し得
るのみで、触媒担体外周部の排ガス通路への不必要な分
散液の塗布を回避することができない。
【0015】そして、上記イ号公報及びロ号公報に開示
された目詰め方法においては、触媒担体外周部の排ガス
通路を予め目詰めする工程が塗布工程の前に新たに追加
されるため、製造工程の長大化及び製造装置の過大化と
いう問題が生じる。
【0016】さらに、排ガス通路を目詰めすると該通路
はもはや通路としての機能を果たさなくなるため、当該
触媒担体の適用範囲が狭められると共に、例えばこの目
詰めされた排ガス通路に再度別種の分散液を通過させて
塗布する等の変更が行えなくなる。その結果、排ガス通
路毎に数種類の分散液を塗り分ける等の要求に対応する
ことができない。
【0017】そして、イ号公報に開示された目詰め方法
によれば、外周部の排ガス通路を目詰めする際に、その
目詰めする材料を含有する分散液中に触媒担体の外周部
及び外周面を浸漬するので、該外周面に余分に付着した
分散液を後に拭き取らなければならず、その結果、目詰
め材料が無駄に廃棄されて合理的でないと共に、ロ号公
報に開示された目詰め方法によれば、触媒担体の外周壁
を外周部排ガス通路に至るまで外周面側から切欠き、こ
こにセラミックスラリーを含浸させた後、乾燥、焼成す
ることにより外周部排ガス通路を目詰めするので、目詰
め工程自体が大掛かりなものとなる。またいずれにおい
ても、塗布すべき触媒分散液の他に、上記目詰め材料を
含有する分散液又はセラミックスラリーを別途調製しな
ければならず、製造コストを余分に圧迫することにもな
る。
【0018】さらには、目詰めし得る排ガス通路は触媒
担体の外周部に存在する排ガス通路に限られるため、換
言すれば外周部排ガス通路は必ず目詰めされることとな
るため、外周部排ガス通路には分散液を塗布し、担体の
内芯部に存在する排ガス通路には分散液を塗布しない等
の変更に対応することができない。
【0019】以上の諸問題は、ハニカム構造を有する触
媒担体に排ガス浄化用触媒の分散液を塗布する場合に限
らず、ハニカム構造に成形された筒状物一般(以下「筒
状ハニカム体」という。)への流体物一般(以下「スラ
リー」という。)の塗布の場合においても同様に起こり
得る問題である。
【0020】そこで本発明は、従来のウォッシュコート
法及びハ号公報に開示された塗布方法並びにイ号公報及
びロ号公報に開示された目詰め方法における上記諸問題
に対処するもので、システムを過大化させることなく単
一の工程で、筒状ハニカム体の外周面及び外周部のセル
(当該筒状ハニカム体において、該ハニカム体の相対向
する二つの端面同士を連通するように該ハニカム体を貫
いて多数形成された細孔状通路をいう。以下同じ。)の
表面にはスラリーを塗布せずに、塗布が必要なセルの表
面にのみ選択的にスラリーを該ハニカム体の材質如何に
拘らず充分に塗布することができるスラリー塗布方法及
びその装置を提供することを課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1に記載の発明(以下「第1発明」という。)は、相対
向する二つの端面同士を連通するセルが多数個形成され
た筒状ハニカム体へのスラリー塗布方法であって、上記
筒状ハニカム体をスラリーが貯留されるスラリー貯留部
の上部においてセルが上下方向に延びるように設置した
後、上記貯留部内のスラリーの液面を該ハニカム体の外
周部のセルの内部においては上昇させないように規制し
て該ハニカム体に対し所定の高さまで上昇させ、この所
定の高さで所定時間保持し、しかる後に下降させること
を特徴とする。
【0022】本願の請求項2に記載の発明(以下「第2
発明」という。)は、上記第1発明において、筒状ハニ
カム体の二つの端面のうちの一方の端面を下に向け、こ
の下方端面の外周部におけるセルの開口部が遮蔽される
ように該端面の外周部とスラリー貯留部の蓋部に設けら
れた孔の周縁部とを密着させることにより、該ハニカム
体を上記貯留部の上部においてセルが上下方向に延びる
ように設置し、且つスラリー液面上昇時における該ハニ
カム体の外周部のセルの内部における該液面の上昇を規
制することを特徴とする。
【0023】本願の請求項3に記載の発明(以下「第3
発明」という。)は、上記第1発明又は第2発明のいず
れかにおいて、スラリーの液面を下降させた後に、筒状
ハニカム体の上方から該ハニカム体に対してエアを吹き
つけることを特徴とする。
【0024】本願の請求項4に記載の発明(以下「第4
発明」という。)は、上記第1発明ないし第3発明のい
ずれかにおいて、筒状ハニカム体は多孔質の排ガス浄化
用触媒担体であることを特徴とする。
【0025】本願の請求項5に記載の発明(以下「第5
発明」という。)は、上記第4発明において、スラリー
は貴金属を含有する排ガス浄化用触媒のスラリーである
ことを特徴とする。
【0026】一方、本願の請求項6に記載の発明(以下
「第6発明」という。)は、相対向する二つの端面同士
を連通するセルが多数個形成された筒状ハニカム体への
スラリー塗布装置であって、スラリーを貯留するスラリ
ー貯留部の上部に、上記筒状ハニカム体をセルが上下方
向に延びるように設置する蓋部が備えられ、該ハニカム
体の下方端面の外周部と密着して該外周部におけるセル
の開口部を遮蔽する周縁部を有する孔が上記蓋部のハニ
カム体設置位置に設けられていると共に、上記貯留部内
のスラリーの液面を上昇させて上記蓋部のハニカム体設
置位置に設置されたハニカム体の内部に該スラリーを進
入させる液面調整手段が設けられていることを特徴とす
る。
【0027】本願の請求項7に記載の発明(以下「第7
発明」という。)は、上記第6発明において、蓋部のハ
ニカム体設置位置に設置された筒状ハニカム体の下方端
面の所定部位と密着するスラリー導入阻止部材が孔に設
けられていることを特徴とする。
【0028】本願の請求項8に記載の発明(以下「第8
発明」という。)は、上記第6発明又は第7発明のいず
れかにおいて、蓋部のハニカム体設置位置に設置された
筒状ハニカム体の上方から該ハニカム体に対してエアを
吹きつけるエアブロー手段が設けられていることを特徴
とする。
【0029】本願の請求項9に記載の発明(以下「第9
発明」という。)は、上記第6発明ないし第8発明のい
ずれかにおいて、蓋部のハニカム体設置位置に設置され
た筒状ハニカム体を上方から押圧する支持手段が設けら
れていることを特徴とする。
【0030】本願の請求項10に記載の発明(以下「第
10発明」という。)は、上記第6発明ないし第9発明
のいずれかにおいて、筒状ハニカム体は多孔質の排ガス
浄化用触媒担体であることを特徴とする。
【0031】本願の請求項11に記載の発明(以下「第
11発明」という。)は、上記第10発明において、ス
ラリーは貴金属を含有する排ガス浄化用触媒のスラリー
であることを特徴とする。
【0032】
【作用】上記の構成によれば次のような作用が得られ
る。
【0033】すなわち第1発明によれば、塗布すべきス
ラリーが貯留されるスラリー貯留部の上部に、筒状ハニ
カム体を該ハニカム体に形成されたセルが上下方向に延
びるように設置した後、上記貯留部内のスラリーの液面
を上昇させるので、この液面上昇に伴い、スラリーが上
記ハニカム体の下方端面のセル開口部からセルの内部に
導入され、その結果、ハニカム体をスラリー中に浸漬さ
せたときと同様の効果で、該スラリーがセルの表面と接
触し該表面に塗布されることとなる。
【0034】そして、このスラリーの液面上昇時に、該
液面をハニカム体の外周部のセルの内部においては上昇
させないように規制するので、スラリーはこの外周部の
セルの表面とは接触しないこととなり、その結果、ハニ
カム体外周部のセルの表面へのスラリーの塗布が防止さ
れることとなる。
【0035】また、スラリー液面を上昇させた後、所定
時間保持し、しかる後に下降させるので、従来のウォッ
シュコート法のように、スラリーをハニカム体の上方か
ら流し込んで自然落下により通過させるためにスラリー
とセル表面との接触時間が調製され得ないという問題が
解消し、ハニカム体の材質等に基づいて該接触時間を長
くすることが可能となり、その結果、ハニカム体の材質
如何に拘らずスラリーをセル表面に充分に塗布すること
ができる。
【0036】さらに、このときスラリー液面の上昇をハ
ニカム体に対し所定の高さまでとするので、従来のウォ
ッシュコート法のように、スラリーがセルの全長に渡っ
て塗布されることを規制し得ないという問題が解消し、
セルの所定の部分だけにスラリーを塗布することが可能
となる。その結果、セルの全長に渡って一種類のスラリ
ーを塗布することができるだけでなく、ハニカム体に対
する所定の高さをセル長さの途中としてスラリーをセル
長さの途中まで塗布し、次いでハニカム体の上下を逆に
して別種のスラリーを未だ塗布されていない部分に塗布
することにより、従来のウォッシュコート法では対応し
得なかったセルの前部と後部とへの二種類のスラリーの
塗り分けができることとなる。
【0037】尚、ハニカム体はスラリー貯留部の上部に
設置されるだけなので、従来のウォッシュコート法で用
いる筒状装置が不要となり、その結果、システムの過大
化、製造コストの圧迫、緻密な寸法精度の設定が回避さ
れる。
【0038】第2発明によれば、上記ハニカム体のスラ
リー貯留部の上部における設置が、該ハニカム体の二つ
の端面のうちの一方の端面を下に向け、この下方端面の
外周部と上記スラリー貯留部の蓋部に設けられた孔の周
縁部、すなわち蓋部とを密着させることにより行われる
ので、流体物を貯留する場合に普通に備えられる蓋部を
有効利用してハニカム体をセルが上下方向に延びるよう
に貯留部の上部に設置することができると共に、このと
き該下方端面の外周部におけるセルの開口部が該下方端
面と密着する上記孔の周縁部によって遮蔽され、スラリ
ー液面上昇時におけるハニカム体の外周部のセルの内部
における該液面の上昇が規制されることとなるので、従
来のウォッシュコート法における筒状装置を用いること
なく、蓋部を有効利用してハニカム体外周面及び外周部
のセル表面へのスラリーの塗布が防止されることとな
る。
【0039】第3発明によれば、スラリーの液面を下降
させて塗布工程を終了させた後に、ハニカム体の上方か
ら該ハニカム体に対してエアを吹きつけるので、被塗物
である該ハニカム体を移動させることなく、その設置位
置においてスラリー塗布工程と該スラリーによるセルの
目詰まり防止工程とを連続して行うことができ、当該シ
ステムの簡略化が図られることとなる。
【0040】第4発明によれば、被塗物である上記筒状
ハニカム体は多孔質の排ガス浄化用触媒担体であるの
で、該ハニカム体は水分を吸収し易く、その結果、これ
へのスラリーの塗布が容易となって、上昇させた液面の
保持時間を短縮化して充分な塗布が行えることとなる。
【0041】第5発明によれば、塗布すべき上記スラリ
ーは貴金属を含有する排ガス浄化用触媒のスラリーであ
るので、ハニカム体外周面及び外周部セル表面へのスラ
リーの余分な塗布の防止効果が該スラリーの材料コスト
面において顕著となり、製造コストの低減に大きく寄与
することとなる。また、上記第4発明と合わせて、これ
らにより必要な面にのみ排ガス浄化用触媒が担持された
触媒担体が得られることとなる。
【0042】一方、第6発明によれば、筒状ハニカム体
をセルが上下方向に延びるように設置する蓋部がスラリ
ー貯留部の上部に備えられたうえで、該蓋部のハニカム
体設置位置には、ハニカム体の下方端面の外周部と密着
して該外周部におけるセルの開口部を遮蔽する周縁部を
有する孔が設けられているので、上記蓋部のハニカム体
設置位置にハニカム体を設置することにより、該ハニカ
ム体をスラリー貯留部の上部、換言すればスラリーの液
面の上方において、そのセルが上下方向に延びるように
設置することができると共に、該ハニカム体の下方端面
の外周部と上記孔の周縁部、すなわち蓋部とが密着する
ので、上記孔が該ハニカム体によって覆われ、その結
果、蓋部まで上昇してきたスラリーが上記孔から外部へ
漏れ出すことがない。そしてこのとき、上記周縁部によ
って下方端面の外周部におけるセルの開口部が遮蔽され
るので、蓋部まで上昇してきたスラリーがハニカム体外
周部のセルの内部には導入されず、蓋部を有効利用して
ハニカム体外周面及び外周部のセル表面へのスラリーの
塗布が防止されることとなる。
【0043】そして、スラリー貯留部内のスラリーの液
面を上昇させて上記設置位置に設置されたハニカム体の
内部に該スラリーを進入させる液面調整手段が設けられ
ているので、該調整手段によってスラリー液面を上昇さ
せたときには、その液面上昇に伴い、スラリーが上記ハ
ニカム体の下方端面のセル開口部からセルの内部に導入
され、その結果、ハニカム体をスラリー中に浸漬させた
ときと同様の効果で、該スラリーがセルの表面と接触し
該表面に塗布されることとなる。
【0044】このスラリーの液面上昇時に、上記蓋部ま
で上昇してきたスラリーは、該蓋部ないし孔の周縁部に
よってその上昇が規制され、前述のように上記孔から外
部へ漏れ出すことがなく、且つ外周部セル内部には導入
されることがないので、ハニカム体内芯部セルの内部に
導入されたスラリーの液面は上昇しても、ハニカム体外
周面及び外周部セルの内部においてはスラリーの液面は
上昇しないこととなり、その結果、スラリーはハニカム
体外周面及び外周部セル表面と接触することがなく、こ
れらの面へのスラリーの塗布が防止されることとなる。
【0045】また、上記調整手段によってスラリー液面
をハニカム体の下方から上昇させるので、従来のウォッ
シュコート法のように、スラリーをハニカム体の上方か
ら流し込んで自然落下により通過させるためにスラリー
とセル表面との接触時間が調製され得ないという問題が
解消し、上昇させたスラリー液面を所定時間保持して上
記接触時間を調整することが可能となり、その結果、ハ
ニカム体の材質等に基づいて該接触時間を長くすること
もでき、ハニカム体の材質如何に拘らずスラリーをセル
表面に充分に塗布することができる。
【0046】さらに、スラリー液面をハニカム体の下方
から上昇させることにより、液面の上昇をハニカム体に
対し所定の高さまでとすることができ、従来のウォッシ
ュコート法のように、スラリーがセルの全長に渡って塗
布されることを規制し得ないという問題が解消してセル
の所定の部分だけにスラリーを塗布することが可能とな
る。その結果、セルの全長に渡って一種類のスラリーを
塗布することができるだけでなく、ハニカム体に対する
所定の高さをセル長さの途中としてスラリーをセル長さ
の途中まで塗布し、次いでハニカム体の上下を逆にして
別種のスラリーを未だ塗布されていない部分に塗布する
ことにより、従来のウォッシュコート法では対応し得な
かったセルの前部と後部とへの二種類のスラリーの塗り
分けができることとなる。
【0047】尚、ハニカム体は上記蓋部に設置されるの
で、従来のウォッシュコート法で用いる筒状装置が不要
となり、その結果、システムの過大化、製造コストの圧
迫、緻密な寸法精度の設定が回避される。
【0048】第7発明によれば、上記孔にスラリー導入
阻止部材が設けられて、この阻止部材が蓋部のハニカム
体設置位置に設置されたハニカム体の下方端面の所定部
位と密着するので、この密着した部位におけるセルの開
口部が該阻止部材によって遮蔽されることとなる。その
結果、スラリー液面を上昇させても当該遮蔽されたセル
の内部にはスラリーが導入されずに塗布が行われないこ
ととなり、多数のセルのうち外周部セルのほかに、所定
のセルの表面へのスラリー塗布の防止を選択的に行うこ
とが可能となる。
【0049】また、上記阻止部材はセルを目詰めするこ
となく、その開口部を遮蔽するだけなので、スラリーの
塗布が規制されたセルは未だ通路としての機能を失わ
ず、その結果、再度スラリーを該セル内へ導入して塗布
することができる。従って、例えば所定のセルの表面に
のみスラリーを一度塗布した後、上記阻止部材によって
遮蔽される所定部位を逆転して再度別種のスラリーを塗
布することにより、セル毎に数種類のスラリーを塗り分
けることも可能となる。
【0050】さらに、塗布工程において上記阻止部材が
ハニカム体の下方端面の所定部位と密着するだけなの
で、単一の塗布工程で上記のような選択的塗布が実現で
き、その結果、塗布工程自体が大きく変更されて大掛か
りなものとなることもなく、またセルを目詰めする等の
工程が追加されて製造工程が過大化することもない。
【0051】第8発明によれば、設置位置に設置された
ハニカム体の上方から該ハニカム体に対してエアを吹き
つけるエアブロー手段が設けられているので、被塗物で
ある該ハニカム体を蓋部に設置させたままでスラリー塗
布工程終了後、その設置位置においてセルの目詰まり防
止工程を連続して実行することができ、当該システムの
簡略化が図られることとなる。
【0052】第9発明によれば、設置位置に設置された
ハニカム体を上方から押圧する支持手段が設けられてい
るので、蓋部に設置されたハニカム体に上方から押圧力
が作用される結果、該ハニカム体に対して下方からスラ
リー液面が上昇してきたときでも、それに伴って該ハニ
カム体が上方向へ移動して下方端面と孔の周縁部との密
着の弛みが生じることがなく、塗布工程が円滑に実施さ
れることとなる。
【0053】第10発明によれば、被塗物である上記ハ
ニカム体は多孔質の排ガス浄化用触媒担体であるので、
該ハニカム体は水分を吸収し易く、その結果、これへの
スラリーの塗布が容易となって、充分な塗布が行えるこ
ととなる。
【0054】第11発明によれば、塗布すべき上記スラ
リーは貴金属を含有する排ガス浄化用触媒のスラリーで
あるので、ハニカム体外周面及び外周部セル表面へのス
ラリーの余分な塗布の防止効果が該スラリーの材料コス
ト面において顕著となり、製造コストの低減に大きく寄
与することとなる。また、上記第10発明と合わせて、
これらにより必要な面にのみ排ガス浄化用触媒が担持さ
れた触媒担体が得られることとなる。
【0055】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0056】この実施例における塗布装置は、コージラ
イトからなる多孔質素材をハニカム構造に成形した断面
楕円形のモノリス型触媒担体に排ガス浄化用触媒を含有
するスラリーを塗布する装置であって、図1及び図2に
示すように、塗布すべき上記スラリーSを一定の作業ル
ーチンで循環させるスラリー循環ユニット1、及び被塗
物である上記触媒担体Wが設置されるワーク作業ユニッ
ト3を有する。
【0057】このうちスラリー循環ユニット1には、予
め調整された白金、ロジウム及びパラジウムの三種類の
貴金属触媒を一定の比率で所定量吸着させたアルミナ粒
若しくはゼオライト粒のスラリーSを図示しない撹拌装
置によって撹拌し、常に均一な状態で備蓄する大型の撹
拌タンク10が備えられている。また、この撹拌タンク
10の上方には別の小型の計量タンク11が備えられて
いると共に、これら二つのタンク10及び11の間に汲
み上げパイプ12が配設され、該パイプ12の途中に設
けられた図示しないスラリー汲み上げ用のポンプによっ
て、撹拌タンク10内の上記スラリーSの一部が所定量
汲み上げられて上記計量タンク11に一時的に貯留され
るようになされている。
【0058】そして、この計量タンク11の漏斗状に形
成された底部から垂直下方向に延びる底部管13にはボ
ール弁14が設けられて、そのエア作動により該底部管
13の連通状態が切換えられるようになされていると共
に、このボール弁14には垂直下方向に延びる垂直パイ
プ15、及び該垂直パイプ15と連続して垂直下方向に
延びた後下り傾斜状に湾曲する曲げパイプ16がこの順
に接続されている。
【0059】さらに、上記撹拌タンク10の中央部上方
には、スラリー貯留部17を構成する中空スペースが形
成された浸漬ボックス18が床板19を介して載置され
ていると共に、該浸漬ボックス18の側壁の所定位置に
は上記貯留部17に向けて下り傾斜にスラリー供給孔2
0が該側壁を貫通して形成され、この供給孔20の外側
開口部に上記曲げパイプ16の終端部が嵌装されてい
る。
【0060】また、この浸漬ボックス18の下面には上
記スラリー貯留部17と連続した内径を有し、且つ上記
撹拌タンク10の天板21に形成された丸穴22を越え
て垂下して該タンク10内上方に至るスラリー戻しパイ
プ23が取り付けられていると共に、該戻しパイプ23
の取り付け部と上記供給孔20の内側開口部との間の上
記貯留部17内には、該貯留部17の水平断面形と同形
状に形成された平板状のバタフライ弁24が支軸25を
中心に回動自在に設けられて、このバタフライ弁24が
水平に位置したときには、上記貯留部17とスラリー戻
しパイプ23との間の連通状態が遮断されるようになさ
れている。
【0061】従って、上記ボール弁14を作動させて底
部管13を連通状態とすると、上記計量タンク11に一
時貯留されたスラリーSが垂直パイプ15、曲げパイプ
16及び供給孔20を経て浸漬ボックス18のスラリー
貯留部17まで導かれることとなり、このとき上記バタ
フライ弁24を水平に位置させておくことにより、導か
れたスラリーSを上記貯留部17に貯留させることがで
きる一方で、このバタフライ弁24を支軸25を中心に
回動させることにより、該貯留部17に貯留されたスラ
リーSを上記戻しパイプ23を介して最初に説明した撹
拌タンク10へ戻すことができ、ここに該撹拌タンク1
0から汲み出されたスラリーSが当該循環ユニット1に
沿って一巡されることとなる。
【0062】一方、ワーク作業ユニット3は、上記浸漬
ボックス18の上面に載置されたユニット底板30と、
該底板30側方で立設されたユニット側板31と、該側
板31上に設けられたユニット天板32とによって囲ま
れた作業スペース33を有し、該スペース33内に、触
媒担体Wに対して所定の作業を施す作業装置34が上下
方向に駆動可能に上記天板32から垂下して備えられた
構成とされ、この作業装置34と上記底板30との間に
触媒担体Wが二つの端面を各々上下方向に向けて設置さ
れる。
【0063】これらのうちユニット底板30の中央部に
はワーク受け台35が嵌め込まれて、当該底板30が浸
漬ボックス18上に載置されたときにスラリー貯留部1
7の上側開口面がこのワーク受け台35によって覆われ
るようになされていると共に、該ワーク受け台35の所
定位置には設置される触媒担体Wの断面形と同じ形状、
すなわち楕円形に形成されたワーク設置孔36が設けら
れて、上記貯留部17と作業スペース33とが該設置孔
36を介して連通している。従って、上記計量タンク1
1に汲み上げられたスラリーSの量が、バタフライ弁2
4によって閉じられたスラリー貯留部17の容積及び供
給孔20や曲げパイプ16の容積の総量よりも大きいと
きには、該貯留部17に導かれたスラリーSは上記設置
孔36から作業スペース33へ漏出することとなる。
【0064】この設置孔36は、図3に拡大して示すよ
うに大きさが異なる二つの部分からなり、このうち大径
の上部孔36aは触媒担体Wの下端部外周面と同じ寸法
に設定されて、触媒担体Wの設置時に該下端部外周面が
この上部孔36aに隙間なく密着して嵌装されるように
なされていると共に、下部孔36bはこの上部孔36a
に比べて小さく設定されて、両孔36a,36bの境に
一定の幅を有する棚部37が形成され、この棚部37の
上にセル遮蔽パッキン38が備えられる。
【0065】このセル遮蔽パッキン38は、例えばゴム
のような密着性の良い素材からなるリング状のパッキン
であって、上記上部孔36aに挿入されたときに棚部3
7上に係止するように該孔36aと略一致した寸法を有
する楕円状に成形されていると共に、触媒担体Wが上部
孔36aに嵌装されたときに該担体Wの下方端面の外周
部と当接して密着し、該担体W内に形成された多数の排
ガス通路のうちその下方端面の外周部において開口する
排ガス通路X1…X1を遮蔽するような肉幅を有してい
る。
【0066】従って、触媒担体Wを上記設置孔36に嵌
装し、且つ該担体Wの下方端面の外周部をこの遮蔽パッ
キン38に密着して当接させたときには、上記設置孔3
6は該担体Wによって閉塞されることとなり、この設置
孔36を介して保たれていたスラリー貯留部17と作業
スペース33との間の連通状態は、上記遮蔽パッキン3
8によって遮蔽されない触媒担体Wの内芯部の排ガス通
路X…Xのみを介して保たれることとなる。
【0067】その結果、前述したように計量タンク11
に汲み上げられたスラリーSの量が大きいときは、図4
に示すように該スラリーSは上記設置孔36から漏出す
ることがなく、且つ触媒担体Wの外周部排ガス通路X1
…X1には導入されず、代わりに遮蔽パッキン38によ
って遮蔽されていない内芯部の排ガス通路X…Xの内部
に進入して充満することとなり、該排ガス通路X…Xの
表面にスラリーSが接触して塗布されることとなる。こ
こで、排ガス通路X…Xの容積、バタフライ弁24を閉
じたときのスラリー貯留部17の容積、並びに供給孔2
0、曲げパイプ16及び垂直パイプ15の容積が予め判
明しているので、計量タンク11に汲み上げるスラリー
Sの量を加減することにより、排ガス通路X…X内に進
入するスラリーSの液面の高さを上下に調整することが
でき、これによってスラリーSを排ガス通路X…Xの全
長に渡って塗布することも、また上記図4に示したよう
に排ガス通路X…Xの所定の部分にだけ塗布することも
可能となる。
【0068】また、ユニット天板32上には載置台39
を介してシリンダ40が備えられ、該シリンダ40に接
続された駆動ロッド41が下方向に延びて上記天板32
及び載置台39にそれぞれ設けられた孔を貫通し、上記
作業スペース33の内部上方にまで至り、その下端部に
作業装置34がその天井フレーム42を介して取り付け
られていると共に、該天井フレーム42には四本のワー
ク押圧ロッド43…43が固設され、これら押圧ロッド
43…43の下端部には上記ワーク受け台35と対向し
てワーク押圧板44が取り付けられている。
【0069】そして、この押圧板44における上記ワー
ク設置孔36と対向する位置には、触媒担体Wの断面形
と同じ楕円形に形成されたワーク押圧孔45が設けられ
て、該押圧孔45に触媒担体Wの上端部が嵌合するよう
になされている。この押圧孔45は、上記図3に示した
ように上記ワーク設置孔36と略上下対称の形状を有
し、大径の下部孔45aが触媒担体Wの上端部と略同じ
寸法に設定されていると共に、上部孔45bはこの下部
孔45aに比べて小さく設定されて、両孔45a,45
bの境に一定の幅を有する棚部46が形成され、この棚
部46が上記ワーク受け台35に設置された触媒担体W
の上方端面の外周部と当接するようになされている。
【0070】従って、触媒担体Wの下端部外周面を嵌装
するワーク設置孔36が設けられた受け台35と、触媒
担体Wの上端部を嵌合するワーク押圧孔45が設けられ
た押圧板44とが上記シリンダ40の作動により互いに
近接離反し、両部材35,44が近接したときに該触媒
担体Wがそれらの間で押圧支持されることとなり、これ
により、該担体Wに対して下方からスラリーSの液面が
上昇してきたときでも、それに伴って該担体Wが上方向
へ浮き上がって位置ズレを起こしたりすることがなく、
セル遮蔽パッキン38と触媒担体Wの下方端面の外周部
との密着が弛んで、スラリーSが外周部排ガス通路X1
…X1へ進入したり、作業スペース33へ漏出するよう
な不都合が回避される。尚、押圧孔45の棚部46は上
記遮蔽パッキン38によって遮蔽されない内芯部排ガス
通路X…Xの上面開口部を遮蔽しないような大きさに形
成され、これによって該排ガス通路X…Xの連通状態が
保たれてスラリーSの該排ガス通路X…Xの下面開口部
からの進入が阻害されないようになされている。
【0071】さらに、この作業装置34には、このよう
に押圧支持された触媒担体Wの上方から上記ワーク押圧
孔45を介して下方向へエアを噴出するエアブロー機構
が備えられている。このエアブロー機構は、二つの支持
部材47,47によって当該作業装置34の前後方向に
延びるように上記天井フレーム42の下部に取り付けら
れたガイドレール48と、このガイドレール48に沿っ
て水平方向に摺動する移動部材49とを有する。そし
て、この移動部材49の下面に固設された取付板50
に、二つの支持部材51,51を介してエアノズル52
が、及び該エアノズル52の前方に取付板53を介して
位置センサ54がそれぞれ設けられ、上記移動部材49
に備えられた図示しないモータによってこれらの部材5
2,54が一体に当該作業装置34の前後方向に水平移
動するようになされている。
【0072】エアノズル52の一端にはエア供給パイプ
55が接続されて、図示しないエア供給装置によって送
り込まれたエアは供給口56を介して該エアノズル52
内に導かれると共に、該エアノズル52の最下部にはス
リット状の吹出し口52aがワーク押圧板44に近接
し、且つワーク押圧孔45の長径に渡って設けられて、
エアノズル52内に導かれたエアは該吹出し口52aか
ら下方向へ噴出されるようになされている。
【0073】これにより、ワーク押圧板44によって押
圧支持された触媒担体Wの上方から、ワーク押圧孔45
を介して該担体Wの全上面にエアを吹付けることがで
き、このとき遮蔽パッキン38によって遮蔽されず連通
状態が保たれている内芯部排ガス通路X…Xを上記エア
が通過して、スラリーS塗布後の通路X…Xの目詰まり
が防止されることとなる。さらに、触媒担体Wを押圧支
持したままでスラリーS塗布工程と連続して上記エア吹
付けを行うことができるので、当該装置による作業工程
が複雑化することがない。
【0074】また、上記モータは位置センサ54からの
信号に基づいて移動部材49を前進又は後退させるよう
になされており、上記吹出し口52aがワーク押圧孔4
5の短径に渡って該押圧孔45上を移動するように位置
センサ54の位置目標が設置されている。
【0075】尚、天井フレーム42にはユニット天板3
2及びシリンダ載置台39を貫通する二本のガイドロッ
ド57,57が立設され、シリンダ40によって上下駆
動される作業装置34が位置ズレしないようになされて
いる。
【0076】以上のような構成に加えて、この塗布装置
には図5に示すフローチャートに従って各部材の作動を
制御するコントロールユニットが備えられている。次
に、このコントロールユニットが行う制御について説明
する。
【0077】まず、コントロールユニットはステップS
1でボール弁14及びバタフライ弁24の双方を閉状態
として計量タンク11の底部管13の連通、及びスラリ
ー貯留部17と戻しパイプ23との間の連通をそれぞれ
遮断する。次いで、ステップS2で触媒担体Wがワーク
設置孔36に設置されていることを確認したうえで、ス
テップS3でシリンダ40を作動させることにより作業
装置34を降下させて上記触媒担体Wを上方から押圧支
持する。これによって、触媒担体Wがワーク受け台35
とワーク押圧板44との間で固定されることとなる。
【0078】次に、コントロールユニットはステップS
4において塗布レベルに基づき撹拌タンク10から計量
タンク11へ汲み上げるスラリーSの必要量(V)及び
スラリーSと触媒担体Wとの接触時間(T)を設定す
る。ここで塗布レベルとは、排ガス通路X…Xのどの部
分にまでスラリーSを塗布するか、換言すれば排ガス通
路X…X内に進入させるスラリーSの液面の高さをい
い、前述の各部材の容積から、例えば該通路X…Xの全
長に渡ってスラリーSを塗布する場合には該通路X…X
内の液面の高さが担体Wの上面まで上昇するようにスラ
リーSの必要量(V)を設定し、また該通路X…Xの途
中までスラリーSを塗布する場合にはその高さまでスラ
リーSの液面が上昇するようにスラリーSの必要量
(V)を設定する。さらに上記塗布レベルは、排ガス通
路X…Xの表面へのスラリーSの塗布量の程度をも含
み、例えば比較的多量にスラリーSを塗布する場合には
接触時間(T)を長く設定し、また比較的小量のスラリ
ーSを塗布する場合には接触時間(T)を短く設定す
る。このように接触時間(T)を調整することができる
ことにより、触媒担体Wの材質如何に拘らずスラリーS
を排ガス通路X…Xの表面に充分に塗布することができ
る。尚、この実施例における触媒担体Wは、前述のよう
に多孔質素材であるコージライトからなるので、水分を
吸収し易く、スラリーSが容易に塗布されるため、接触
時間(T)は比較的短く設定され、且つ該接触時間
(T)の調整により塗布量の程度が選択されることとな
る。
【0079】そして次に、ステップS5で汲み上げポン
プを作動させて撹拌タンク10内のスラリーSを計量タ
ンク11へ汲み上げ、この汲み上げられた計量タンク1
1内のスラリーSの量が上記ステップS4で設定された
必要量(V)となれば(ステップS6)、ステップS7
で該汲み上げポンプの作動を停止する。これによって、
排ガス通路X…X内で所望の液面の高さとなる量のスラ
リーSが計量タンク11に一時貯留される。
【0080】次いでステップS8でボール弁14を開い
て該計量タンク11の底部管13を連通させることによ
り、該タンク11に貯留された必要量(V)のスラリー
Sを貯留部17に導く。これにより、貯留部17に導か
れたスラリーSは設置孔36を越えて連通状態が保たれ
ている内芯部排ガス通路X…X内に導入され、その液面
が所定の塗布レベルにまで上昇することとなる一方で、
触媒担体Wの下端部外周面が隙間なく嵌装された該設置
孔36の外部へはスラリーSが漏出せず、その結果、該
担体Wの外周面におけるスラリーS液面の上昇が規制さ
れると共に、セル遮蔽パッキン38によって遮蔽された
外縁部排ガス通路X1内にもスラリーSが導入されず液
面の上昇が規制されることとなる。従って、遮蔽パッキ
ン38によって遮蔽されていない内芯部排ガス通路X…
Xの表面のみとスラリーSが接触することとなって、該
通路X…Xだけが選択的に塗布されることとなる。
【0081】さらにコントロールユニットは、ステップ
S9及びステップS10で、上記ステップS4で設定し
た接触時間(T)が経過するまで、かかる排ガス通路X
…XとスラリーSとの接触状態、換言すればスラリーS
の液面を所定の高さまで上昇させた状態を保持すること
により、所望のスラリーS塗布量の調整又は確実なスラ
リーS塗布の実現を図る。そして、上記所定の接触時間
(T)が経過したときにステップS11でバタフライ弁
24を開き、スラリー貯留部17に貯留されていたスラ
リーSを戻しパイプ23を介して撹拌タンク10へ戻
す。これにより、スラリーSが排ガス通路X…Xの下面
側開口部から除去されてその液面が下降されることとな
る。
【0082】以上でこの塗布装置による塗布工程が終了
し、以下、このようにしてスラリーSが充填され塗布さ
れた排ガス通路X…X内の残余スラリーSによる目詰ま
りを除去する工程が引き続いて行われる。
【0083】すなわち、スラリーSの液面を下降させた
後、ステップS12でエアブロー機構を作動させ、移動
部材49がガイドレール48に沿って予め設定された所
定の回数だけ前後方向に移動したときに(ステップS1
3)、その作動を停止する(ステップS14)。 これ
により、その吹出し口52aから下方向へエアを噴出し
ながらエアノズル52が触媒担体Wの上面全てに渡って
掃引するので、スラリーSが塗布された排ガス通路X…
X、すなわち連通状態にある通路X…X内を噴出された
エアが該担体Wの上面から下面に向けて通過することと
なり、その通路X…X内の目詰まりが除去されることと
なる。
【0084】そしてステップS15で作業装置34を上
昇させることにより、上記作業が施された触媒担体Wに
対する押圧支持を解除し、ここに該担体Wを作業スペー
ス33から取り出すことができて本制御は終了する。
【0085】以上説明した一連の作業により、図6に示
すように外周部の排ガス通路X1…X1にはスラリーS
が塗布されていない触媒担体Wが得られることとなる
が、ここで上記リング状のセル遮蔽パッキン38に代え
て、例えば図7に示すように、該遮蔽パッキン38で遮
蔽されなかった内芯部排ガス通路X…Xを遮蔽し、遮蔽
された外周部排ガス通路X1…X1を遮蔽しないように
形成された第2のセル遮蔽パッキン58を設置孔36の
棚部37に載置し、スラリーを別種のスラリーS1に替
えて同様の作業を行うことにより、図8に示すように内
芯部の排ガス通路X…XにはスラリーS及び外周部の排
ガス通路X1…X1にはスラリーS1がそれぞれ塗り分
けられた触媒担体Wを得ることができる。
【0086】このとき上記遮蔽パッキン38の肉幅と第
2のセル遮蔽パッキン58の遮蔽部位の大きさとを種々
組み合わせることによって、異種のスラリーSとS1の
塗布態様を変更できることはいうまでもない。
【0087】また例えば図9に示すような遮蔽パッキン
59を用いると、図10に示すように触媒担体Wの左右
で排ガス通路毎に異種のスラリーを塗り分けることも可
能となる。
【0088】さらに、排ガス通路X…X内部におけるス
ラリーSの液面の上昇を該通路X…Xの途中までとした
ときは、図11に示すように該通路X…Xの後部表面に
はスラリーSが塗布されない触媒担体Wが得られること
となるが、ここで該担体Wの上下を逆転して再度設置
し、スラリーを別種のスラリーS1に替えて同様の作業
を行うことにより、図12に示すように一つの排ガス通
路X…Xにおいて、その前部にはスラリーS及び後部に
はスラリーS1が、余分に重ね塗りされることなく、そ
れぞれ塗り分けられた触媒担体Wを得ることも可能とな
る。
【0089】尚、この実施例においては、スラリー貯留
部17等の総容積より大きい量のスラリーSを一度汲み
出した後、これを該貯留部17へ導いて過剰のスラリー
Sを排ガス通路X…X内に進入させる場合を示したが、
例えば撹拌タンク10の底部を上昇させて該タンク10
内に備蓄されているスラリーSの液面を該タンク10の
上部に設置された触媒担体Wに対して上昇させることに
よりスラリーSを上記通路X…X内に進入させるように
してもよい。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ハニカム体外周面及び外周部セル表面へのスラリーの塗
布を確実に防止しながら、ハニカム体内芯部に形成され
たセル表面にのみスラリーを塗布することが単一の工程
で可能となる。
【0091】また、スラリー液面をハニカム体の下方か
ら上昇させるので、スラリーと被塗面との接触状態を調
整することが可能となる結果、該ハニカム体の材質如何
に拘らずスラリーを充分に塗布することや、セルの前部
と後部とに二種類のスラリーを塗り分けたりすることが
可能となる。
【0092】さらに、スラリー液面上昇時に所定のセル
の連通状態を遮蔽するので、スラリーの選択的な塗布が
可能となり、セル毎に数種類のスラリーを塗り分けるこ
とも可能となる。
【0093】そして、セルを目詰めしたりしないので余
分に工程が増えることがないと共に、ハニカム体を移動
させずにその設置位置においてスラリー塗布工程とセル
の目詰まり除去工程とを連続して行うので、当該装置の
簡略化が図られることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における塗布装置を示す側
面図である。
【図2】 図1に示すア−ア線における断面図であ
る。
【図3】 上記塗布装置の要部拡大断面図である。
【図4】 上記塗布装置の作用を説明する要部拡大断
面図である。
【図5】 上記塗布装置に備えられたコントロールユ
ニットが行う制御のフローチャート図である。
【図6】 上記塗布装置によって得られる塗布態様を
示す説明図である。
【図7】 上記塗布装置に設けられる遮蔽パッキンの
一例を示す説明図である。
【図8】 上記塗布装置によって得られる別の塗布態
様を示す説明図である。
【図9】 上記塗布装置に設けられる遮蔽パッキンの
別の一例を示す説明図である。
【図10】 上記塗布装置によって得られる別の塗布態
様を示す説明図である。
【図11】 上記塗布装置によって得られる別の塗布態
様を示す説明図である。
【図12】 上記塗布装置によって得られる別の塗布態
様を示す説明図である。
【符号の説明】
1 スラリー循環ユニット 3 ワーク作業ユニット 11 計量タンク 14 ボール弁 17 スラリー貯留部 18 浸漬ボックス 24 バタフライ弁 35 ワーク受け台 36 ワーク設置孔 38 遮蔽パッキン 44 ワーク押圧板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 智士 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 佐々木 雅晟 広島県高田郡向原町360番地 東京濾器株 式会社広島工場内 (72)発明者 為平 栄三 広島県高田郡向原町360番地 東京濾器株 式会社広島工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向する二つの端面同士を連通するセ
    ルが多数個形成された筒状ハニカム体へのスラリー塗布
    方法であって、上記筒状ハニカム体をスラリーが貯留さ
    れるスラリー貯留部の上部においてセルが上下方向に延
    びるように設置した後、上記貯留部内のスラリーの液面
    を該ハニカム体の外周部のセルの内部においては上昇さ
    せないように規制して該ハニカム体に対し所定の高さま
    で上昇させ、この所定の高さで所定時間保持し、しかる
    後に下降させることを特徴とする筒状ハニカム体へのス
    ラリー塗布方法。
  2. 【請求項2】 筒状ハニカム体の二つの端面のうちの一
    方の端面を下に向け、この下方端面の外周部におけるセ
    ルの開口部が遮蔽されるように該端面の外周部とスラリ
    ー貯留部の蓋部に設けられた孔の周縁部とを密着させる
    ことにより、該ハニカム体を上記貯留部の上部において
    セルが上下方向に延びるように設置し、且つスラリー液
    面上昇時における該ハニカム体の外周部のセルの内部に
    おける該液面の上昇を規制することを特徴とする請求項
    1に記載の筒状ハニカム体へのスラリー塗布方法。
  3. 【請求項3】 スラリーの液面を下降させた後に、筒状
    ハニカム体の上方から該ハニカム体に対してエアを吹き
    つけることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれ
    かに記載の筒状ハニカム体へのスラリー塗布方法。
  4. 【請求項4】 筒状ハニカム体は多孔質の排ガス浄化用
    触媒担体であることを特徴とする請求項1ないし請求項
    3のいずれかに記載の筒状ハニカム体へのスラリー塗布
    方法。
  5. 【請求項5】 スラリーは貴金属を含有する排ガス浄化
    用触媒のスラリーであることを特徴とする請求項4に記
    載の筒状ハニカム体へのスラリー塗布方法。
  6. 【請求項6】 相対向する二つの端面同士を連通するセ
    ルが多数個形成された筒状ハニカム体へのスラリー塗布
    装置であって、スラリーを貯留するスラリー貯留部の上
    部に、上記筒状ハニカム体をセルが上下方向に延びるよ
    うに設置する蓋部が備えられ、該ハニカム体の下方端面
    の外周部と密着して該外周部におけるセルの開口部を遮
    蔽する周縁部を有する孔が上記蓋部のハニカム体設置位
    置に設けられていると共に、上記貯留部内のスラリーの
    液面を上昇させて上記蓋部のハニカム体設置位置に設置
    されたハニカム体の内部に該スラリーを進入させる液面
    調整手段が設けられていることを特徴とする筒状ハニカ
    ム体へのスラリー塗布装置。
  7. 【請求項7】 蓋部のハニカム体設置位置に設置された
    筒状ハニカム体の下方端面の所定部位と密着するスラリ
    ー導入阻止部材が孔に設けられていることを特徴とする
    請求項6に記載の筒状ハニカム体へのスラリー塗布装
    置。
  8. 【請求項8】 蓋部のハニカム体設置位置に設置された
    筒状ハニカム体の上方から該ハニカム体に対してエアを
    吹きつけるエアブロー手段が設けられていることを特徴
    とする請求項6又は請求項7のいずれかに記載の筒状ハ
    ニカム体へのスラリー塗布装置。
  9. 【請求項9】 蓋部のハニカム体設置位置に設置された
    筒状ハニカム体を上方から押圧する支持手段が設けられ
    ていることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいず
    れかに記載の筒状ハニカム体へのスラリー塗布装置。
  10. 【請求項10】 筒状ハニカム体は多孔質の排ガス浄化
    用触媒担体であることを特徴とする請求項6ないし請求
    項9のいずれかに記載の筒状ハニカム体へのスラリー塗
    布装置。
  11. 【請求項11】 スラリーは貴金属を含有する排ガス浄
    化用触媒のスラリーであることを特徴とする請求項10
    に記載の筒状ハニカム体へのスラリー塗布装置。
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