JPH07328531A - 自動車車体の塗装方法 - Google Patents

自動車車体の塗装方法

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JPH07328531A
JPH07328531A JP6133326A JP13332694A JPH07328531A JP H07328531 A JPH07328531 A JP H07328531A JP 6133326 A JP6133326 A JP 6133326A JP 13332694 A JP13332694 A JP 13332694A JP H07328531 A JPH07328531 A JP H07328531A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価にかつ簡便な施工により、塗膜にゴミ、
ホコリ等の異物が混入することを防止する技術を提供す
る。 【構成】 中塗り塗装工程および上塗り塗装工程の少な
くともいずれかにおける塗料塗布に先立ち、当該塗装工
程における非塗装部位に高沸点有機溶剤を塗布し、塗料
塗布ないし乾燥時における当該非塗装部位からの異物の
飛散を抑制する。また当該塗装工程における非塗装部位
のうち、塗装部位に比較的近接する領域には高沸点有機
溶剤を塗布し、塗装部位より比較的離れた領域には水ま
たは水を主成分とする水系溶媒を塗布してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車車体の塗装方法に
関するものであり、塗膜にゴミ、ホコリ等の異物が混入
することによる塗膜外観品質の低下を防止する技術に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体には、その防錆と美観付与
を主目的として塗装が施されている。一般に、塗料は1
つの材料により諸性能をすべて満足することはできず、
自動車車体の塗膜構成としては、従来、前処理した鋼板
基地表面上に、順に下塗り(電着)塗膜、中塗り塗膜、
上塗り塗膜を積層してなるものが一般的である。さら
に、上塗り塗膜の構成としては、ソリッド塗装における
ような一層のもの、あるいは、メタリック塗装、パール
トーン塗装におけるようなベースコートとその上部に設
けられるクリアコートからなる二層のものがある。この
ような自動車車体の塗装において自動車の商品価値を高
める上で外観品質は極めて重要であり、例えば、塗膜中
にゴミ、ホコリ等の異物が混入し外観不良が生じてしま
うといったことは極力防止する必要がある。
【0003】図4は、代表的な自動車車体の塗装工程の
一例を示すものであるが、各塗料塗装工程間において
は、塗膜品質を高めるために次のような工程が設けられ
ている。すなわち、図4に示すように、中塗り塗装55
を行なう前には、下塗り塗装(電着塗装)52において
形成された下塗り塗面の品質不良箇所をサンドペーパー
等での研ぎにより修正する研ぎ工程53、および、車体
内外表面及び鋼板の合せ目に付着しているゴミ、研ぎカ
ス等の異物をエアブロー等により除去する中塗り準備工
程54が設けられている。また同様に、上塗り塗装58
を行なう前には、中塗り塗装55において形成された中
塗り塗面の品質不良箇所をサンドペーパー等での研ぎに
より修正する研ぎ工程56、および自動車ボデー内外表
面及び鋼板の合せ目に付着しているゴミ、研ぎカス等の
異物をエアブロー等により除去する上塗り準備工程57
が設けられている。
【0004】しかしながら、前述のように中塗り準備工
程54および上塗り準備工程57においてエアブローを
行なった場合、圧縮空気によって舞い上がった異物がボ
デー外部に完全に運び去られることなく、複雑な形状を
有しかつ十分な開口部を有しないボデーフロア部(ボデ
ー内部)に再付着してしまうものであった。
【0005】この状態のまま、中塗り塗装55あるいは
上塗り塗装58を行なうと、塗装の際あるいはオーブン
内における塗膜の熱風乾燥の際に、ボデーフロア部の中
塗りあるいは上塗りの非塗装部位に付着しているこの除
去しきれなかった異物が再度舞い上がり、中塗り塗膜あ
るいは上塗り塗膜に付着してしまうこととなり、塗膜外
観品質の低下させる虞れがあった。
【0006】また、特開平3−137969号公報にお
いては、上塗りベースコートとして水性塗料を用いる場
合において、このベースコートの熱風乾燥工程において
ベースコート上にゴミ等の異物が付着し、ベースコート
とクリアコートの間に異物が存在することによる外観不
良の発生を防止するために、ベースコート塗布に先立ち
ボデー内板部に付着している異物を粘着性のある合成お
よび/または天然の樹脂により固定し、該異物が熱風乾
燥によって舞い上がり水性塗膜上に付着しないようにす
る技術が提唱されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに樹脂材料を含有する粘着剤を用いる場合、当該粘着
剤の粘度が高いゆえに、圧縮空気を用いて塗布を行なう
必要があり、この塗布の際に異物の舞い上がりが発生す
る虞れが高いものであった。
【0008】また樹脂が含まれているために、塗布の際
の微粒化が悪いと、上塗り塗装部位に飛散付着した液滴
によって、塗膜に凸状欠陥が発生する虞れが大きいもの
であった。
【0009】さらに、非塗装部位に塗布する粘着剤とし
て樹脂材料を含むために材料費が高くなり、特に、水系
塗料をベースコートとする態様以外の前記したような一
般的な中塗りないし上塗り塗装において適用すること
は、コスト的に問題が大きいものであった。
【0010】従って本発明は、自動車塗装において、よ
り安価にかつ簡便な施工により、塗膜にゴミ、ホコリ等
の異物が混入することを防止する技術を提供することを
課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する第1
の発明は、中塗り塗装工程および上塗り塗装工程の少な
くともいずれかにおける塗料塗布に先立ち、当該塗装工
程における非塗装部位に高沸点有機溶剤を塗布し、塗料
塗布ないし乾燥時における当該非塗装部位からの異物の
飛散を抑制することを特徴とする自動車車体の塗装方法
である。
【0012】上記第1の発明において、高沸点有機溶剤
は、当該塗装工程における非塗装部位のうち、塗装部位
に比較的近接する領域のみに塗布されるものであっても
よい。
【0013】上記課題を解決する第2の発明は、中塗り
塗装工程および上塗り塗装工程の少なくともいずれかに
おける塗料塗布に先立ち、当該塗装工程における非塗装
部位のうち、塗装部位に比較的近接する領域には高沸点
有機溶剤を塗布し、塗装部位より比較的離れた領域には
水または水を主成分とする水系溶媒を塗布し、塗料塗布
ないし乾燥時における当該非塗装部位からの異物の飛散
を抑制することを特徴とする自動車車体の塗装方法であ
る。
【0014】上記第1および第2の発明において、前記
高沸点有機溶剤は、パターンノズルによるエアレス霧化
により塗布されるものであることが望ましい。
【0015】上記第1および第2の発明において、前記
高沸点有機溶剤の塗布は、当該塗装工程における塗装部
位の清浄(ダスティング)作業前に行なわれ得るもので
ある。また、前記高沸点有機溶剤の塗布は、当該塗装工
程における非塗装部位の手作業による清浄操作時に行な
われ得るものである。
【0016】上記第1および第2の発明において、前記
高沸点有機溶剤は、リターダーシンナー、あるいは当該
塗装工程において使用される塗料に含有されている溶剤
を1種以上含む溶剤であることが望ましい。
【0017】
【作用】第1発明によれば、ボデーフロア部等の非塗装
部分を、塗布された高沸点有機溶剤によって湿潤状態と
し、当該非塗装部分に付着しているゴミ、研りカス等の
異物を固定化することができる。このため、中塗り塗装
ないしは上塗り塗装工程において、スプレー塗装に使用
される圧縮空気あるいは熱風乾燥における熱風の影響に
より当該非塗装部から異物が舞い上がり塗装部位に付着
して塗装不良を起すといった問題が抑制される。また、
この非塗装部分に塗布するのは、リターダーシンナー、
あるいは当該塗装工程において使用される塗料に含有さ
れている溶剤を1種以上含む溶剤といった高沸点有機溶
剤であるために、塗布する際に塗装部分にその飛沫がか
かったとしても塗装にハジキ等の不具合が発生すること
もないため、塗装部の近傍まで塗布可能である。
【0018】なお、前記第1発明の一実施態様において
は、高沸点有機溶剤は、当該塗装工程における非塗装部
位のうち、塗装部位に比較的近接する領域のみに塗布さ
れる。中塗り塗装ないしは上塗り塗装工程において、ス
プレー塗装の圧縮空気の影響を大きく受け、異物の舞い
上がりが生じやすいのは、非塗装部分のうち塗装部分に
比較的近接する領域、具体的には、例えば塗装部分末端
から該末端より100〜400mm程度離れた位置まで
の領域であるため、この領域にのみに塗布することによ
っても異物の舞い上がりを有効に抑制することができ、
当該高沸点有機溶剤の使用量を抑えて製造コストを削減
できる。
【0019】さらに、第2発明によれば、非塗装部分の
うち塗装部分に比較的近接する位置には前記第1発明と
同様に高沸点有機溶剤を塗布し、塗装部位より比較的離
れた位置には水または水を主成分とする水系溶媒を塗布
するために、より低い材料コストにおいて、前記第1発
明において非塗装部分の実質的全領域にわたり高沸点有
機溶剤を塗布した場合とほぼ同様の効果をもって、非塗
装部からの異物の舞い上がりを抑制することができる。
なお、水系溶媒が塗布されるのは塗装部位より比較的離
れた領域のみであるために、水系溶媒塗布の際に塗装部
分にその飛沫がかかる虞れは実質的にないものである。
【0020】また上記第1発明および第2発明の好まし
い実施態様においては、前記高沸点有機溶剤はパターン
ノズルでのエアレス霧化により塗布されるが、この場
合、当該有機溶剤塗布の際に噴霧圧によって非塗装部位
に付着していた異物が舞い上がる虞れも小さくなり、異
物に起因する塗装不良の発生の確率がより低減される。
このようにエアレス霧化により塗布可能であるのは、前
記高沸点有機溶剤は樹脂材料などと比較して低粘度のも
のであるためである。
【0021】さらに、上記第1および第2の発明におい
て、前記高沸点有機溶剤の塗布が、当該塗装工程におけ
る塗装部位の清浄操作前に行なわれると、例えばエアブ
ローなどによる清浄操作において非塗装部位へと飛散し
てくる異物を固定できるものである。また前記高沸点有
機溶剤の塗布が、当該塗装工程における非塗装部位の手
作業による清浄操作時に行なわれると、その後に自動ワ
イプ・エアブロー装置を用いて塗装部位の清浄操作を行
なう際に非塗装部位へと飛散してくる異物を固定できる
ものである。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。図1は、本発明の自動車車体塗装方法の一実
施例における工程図であり、また図2は、自動車車体に
おいて本発明に係る異物飛散防止処理を施す領域を示す
概略平面図、図3は図2のA−A矢視図である。
【0023】図1に示すように本発明の自動車車体塗装
方法においては、まず、常法と同様に、自動車ボデーB
は、脱錆、脱脂、化成皮膜処理などを含む前処理工程1
へ、次いで、電着塗装法による下塗り塗装工程2へ、さ
らに、下塗り塗膜の品質不良箇所の確認、サンドペーパ
ー、研磨ブラシ等を用いた不良箇所の研ぎによる修正、
および研ぎカスのワイプによる除去を行なう下塗り研ぎ
工程3へとかけられる。なお、必要に応じて、この後
に、シーリング塗装、アンダーコート塗装、ストーンガ
ードコート塗装、ヒュージブルインシュレータ取付けな
どといった工程を付加することも可能である。
【0024】その後、下塗り塗膜を形成された自動車ボ
デーBは、下塗り塗膜上に付着しているゴミ、研ぎカス
等の異物を除去し、清浄な表面として中塗り塗装を行な
うための中塗り準備工程4へと送られるが、本実施例に
おいては、この中塗り準備工程4へと入る前、すなわ
ち、図1で符号aで示す時期に、中塗り塗装を行なわな
い自動車ボデーBの部位(非塗装部位)に、高沸点有機
溶剤を塗布する異物飛散防止処理を施す。
【0025】高沸点有機溶剤としては、少なくとも、そ
の塗布から後続する塗装工程(この場合、中塗り塗装工
程5)において塗料塗布を行なうまでの間、より具体的
には、例えば塗布後約5分以上(約25℃±5℃条件
下)、乾燥ないし揮発しないものであれば使用可能であ
り、好ましくは、760Torr下における沸点が15
0℃以上、より好ましくは200〜220℃程度の有機
溶剤が用いられる。また、この高沸点有機溶剤の粘度と
しては、約20℃±1℃条件下において、フォードカッ
プNo.4で25秒以下、より好ましくは15〜20秒
程度であることが望ましい。すなわち、その粘度が25
秒を越えるものであると、その塗布が困難となり高い圧
力を使用して塗布することによって、その塗布時におけ
る異物の舞い上がりが発生する虞れがあるためである。
【0026】具体的には、例えば、シクロヘキサノン、
高沸点酢酸エステル、ソルベントナフサ、キシロールな
どから構成されるいわゆるリターダーシンナーや、例え
ば、エチレングリコールジアセテートなどといった当該
塗装工程で使用する塗料に含有されている溶剤を1種以
上含んでなる溶剤組成物などが使用可能である。
【0027】このような高沸点有機溶剤の非塗装部位へ
の塗布は、パターンノズルを用いたエアレス霧化による
スプレー、エアスプレーガンによるスプレー、あるいは
ハケ、ローラー、ウェス等の塗布媒体を用いた方法にて
行なわれ得るが、好ましくはパターンノズルでのエアレ
ス霧化により塗布することが望ましい。この場合、当該
有機溶剤塗布の際に噴霧圧によって非塗装部位に付着し
ていた異物が舞い上がる虞れも小さくなり、異物に起因
する塗装不良の発生の確率がより低減される。エアレス
霧化による噴霧圧は、0.2〜5kgf/cm2 程度が
適当である。さらに、上記のような高沸点有機溶剤は、
塗装部分にその飛沫が若干かかったとしても塗装にハジ
キ等の不具合が発生することもないため、ボデーフロア
部への高沸点有機溶剤の塗布は、例えば、ドア上部の開
口部よりノズルを挿入して塗布する簡易自動機などを用
いることにより、自動塗布することも可能である。
【0028】また、高沸点有機溶剤は、非塗装部位の実
質的全面に塗装することが最も望ましいが、図2および
図3に示すように、非塗装部位のうち、塗装部位に比較
的近接する領域のみ、具体的には、自動車ボデーフロア
部(非塗装部位)のうち、ドアオープニング(塗装部
位)部分末端から該末端より100〜400mm程度離
れた位置までの領域I(ホイルハウス部を含む)のみに
塗布するものであっても十分である。すなわち、このよ
うな領域Iが中塗り塗装ないしは上塗り塗装工程におい
て、スプレー塗装の圧縮空気の影響を大きく受け、異物
の舞い上がりが生じやすい部位であるためである。
【0029】中塗り準備工程4においては、最初に手作
業にて主としてボデーフロア部および狭窄部等のエアブ
ロー、ワイプによる清浄操作を行ない、これらの部位に
おいて下塗り塗膜上に付着しているゴミ、研ぎカス等の
異物を除去し、次いで、自動ワイプ・エアブロー装置を
通過させ、ボデーアウター部に付着しているゴミ、研ぎ
カス等の異物を除去する自動清浄操作を行なう。前記し
たように中塗り準備工程4に先立ち、ボデーフロア部に
は異物飛散防止処理が施されており高沸点有機溶剤によ
って湿潤状態とされているので、上記のような清浄操作
時にボデーフロア部に飛散してきた異物も捕捉される。
【0030】中塗り準備工程4においては、必要に応じ
て、このような清浄操作に続いて、静電塗装の安全対策
として、ボデーBと塗装台車(図示せず)とのアース状
態の点検が行なわれる。
【0031】次いで、中塗り塗装工程5において、中塗
り塗料をボデー塗装部位に塗装し、熱風乾燥炉において
焼付け乾燥するが、前記したようにボデーフロア部には
異物飛散防止処理が施されており高沸点有機溶剤によっ
て湿潤状態とされているので、スプレー塗装に使用され
る圧縮空気あるいは熱風乾燥における熱風の影響により
当該ボデーフロア部から異物が舞い上がり中塗り塗膜に
異物が付着する虞れが小さくなる。
【0032】本発明においては、中塗り塗装としては特
に限定されるわけではなく、常法に従い行なうことが可
能であり、例えば、スプレー塗装法あるいは静電スプレ
ー塗装法によって、メラミン−アルキド樹脂系中塗り塗
料を塗装し、その後、130〜150℃で、20〜25
分間という条件で焼付け乾燥を行なう。さらに、必要に
応じて、中塗り塗装工程においては、周知のごとく、チ
ッピングコート塗装、導電性付与プライマー塗装、黒色
塗装といった工程を付加することも可能である。
【0033】中塗り塗装工程5の後、自動車ボデーは、
中塗り塗膜の品質不良箇所の確認、サンドペーパー、研
磨ブラシ等を用いた不良箇所の研ぎによる修正、および
研ぎカスのワイプによる除去を行なう中塗り研ぎ工程6
へとかけられる。なお、必要に応じて、この後に、黒色
塗装マスキングなどといった工程を付加することも可能
である。
【0034】その後、上記中塗り塗装を行なう場合と同
様に、中塗り塗膜を形成された自動車ボデーは、中塗り
塗膜上に付着しているゴミ、研ぎカス等の異物を除去
し、清浄な表面として上塗り塗装を行なうための上塗り
準備工程7へと送られるが、本実施例においては、この
上塗り準備工程7へと入る前、すなわち、図1で符号c
で示す時期に、上塗り塗装を行なわない自動車ボデーB
の部位(非塗装部位)に、高沸点有機溶剤を塗布する異
物飛散防止処理を施す。使用される高沸点有機溶剤とし
ては、前記したものと同様なものが用いられ得、またそ
の塗布方法、塗布範囲としても前記したものと同様なも
のである。
【0035】上塗り準備工程7においては、前記中塗り
準備工程4におけると同様に、最初に手作業にて主とし
てボデーフロア部および狭窄部等のエアブロー、ワイプ
による清浄操作を行ない、これらの部位において中塗り
塗膜上に付着しているゴミ、研ぎカス等の異物を除去
し、次いで、自動ワイプ・エアブロー装置を通過させ、
ボデーアウター部に付着しているゴミ、研ぎカス等の異
物を除去する自動清浄操作を行なう。前記したように上
塗り準備工程7に先立ち、ボデーフロア部には異物飛散
防止処理が施されており高沸点有機溶剤によって湿潤状
態とされているので、上記のような清浄操作時にボデー
フロア部に飛散してきた異物も捕捉される。
【0036】上塗り準備工程7においては、必要に応じ
て、このような清浄操作に続いて、静電塗装の安全対策
として、ボデーBと塗装台車とのアース状態の点検が行
なわれる。
【0037】次いで、上塗り塗装工程8において、上塗
り塗料をボデー塗装部位に塗装し、熱風乾燥炉において
焼付け乾燥するが、前記したようにボデーフロア部には
異物飛散防止処理が施されており高沸点有機溶剤によっ
て湿潤状態とされているので、スプレー塗装に使用され
る圧縮空気あるいは熱風乾燥における熱風の影響により
当該ボデーフロア部から異物が舞い上がり上塗り塗膜に
異物が付着する虞れが小さくなる。
【0038】なお、本発明においては、上塗り塗装とし
ては特に限定されるわけではなく、常法に従い行なうこ
とが可能であり、例えば、スプレー塗装法あるいは静電
スプレー塗装法によって、メラミン−アルキド樹脂系等
の上塗りソリッド塗料を塗装し、その後、130〜15
0℃で、20〜25分間という条件で焼付け乾燥を行な
う。あるいは、アクリル樹脂系等の上塗りベースコート
塗料を塗装し、さらにウェット・オン・ウェットにてア
クリル樹脂系等の上塗りクリアコート塗料を塗装し、上
記と同様の条件で焼付け乾燥を行なう。もちろん、これ
以外にも、パールトーン塗装、あるいは2コート2ベー
クなどといった態様も取り得るものである。
【0039】上記実施例においては、非塗装部位に高沸
点有機溶剤を塗布する異物飛散防止処理は、中塗り準備
工程4直前(a時期)および上塗り準備工程7直前(c
時期)において行なわれたが、これらはそれぞれ中塗り
準備工程4における手作業による清浄操作と同時期、す
なわち図1における符号bで示す時期、および上塗り準
備工程7における手作業による清浄操作と同時期、すな
わち図1における符号dで示す時期において行なうこと
も可能である。このように、手作業による清浄操作と同
時期に行なえば、その後の自動ワイプ・エアブロー装置
を用いての清浄操作を行なう際に非塗装部位へと飛散し
てくる異物を固定でき、また前記と同様に中塗り塗装工
程ないし上塗り塗装工程における異物飛散防止効果が期
待できる。さらに本発明においては、上記のごとき異物
飛散防止処理は、前記a,b,c,d時期の少なくとも
いずれかにおいて行なえばよく、また複数の時期に行な
う場合における組合せも任意である。
【0040】また、上記第1発明に係る実施例において
は、異物飛散防止処理において非塗装部位に高沸点有機
溶剤のみを塗布したが、第2発明においては、図2およ
び図3に示すように、非塗装部位のうち、塗装部位に比
較的近接する領域のみ、具体的には、自動車ボデーフロ
ア部(非塗装部位)のうち、ドアオープニング(塗装部
位)部分末端から該末端より100〜400mm程度離
れた位置までの領域I(ホイルハウス部を含む)のみに
高沸点有機溶剤を塗布し、塗装部位より比較的離れた領
域、具体的には、ボデーフロア部のうち、前記領域Iよ
りもさらに内方に位置する領域IIには水または水を主成
分とする水系溶媒を塗布する。
【0041】領域IIは、塗装部位より離れており、該領
域にスプレー等により液状媒体を塗布した場合において
も、その飛沫が塗装部位にかかる虞れはなく、前記した
ような高沸点有機溶剤に代えて、水または水を主成分と
する水系溶媒を塗布しても塗装に不具合が発生する虞れ
はない。これにより、より低い材料コストにおいて、前
記第1発明において非塗装部分の実質的全領域にわたり
高沸点有機溶剤を塗布した場合とほぼ同様の効果をもっ
て、非塗装部からの異物の舞い上がりを抑制することが
できる。
【0042】なお、この第2発明において用いられる水
を主成分とする水系溶媒としては、例えば、水100重
量部に対し、20〜25重量部程度の親水性溶媒、例え
ば、アルコールもしくはグリコールエーテル等を添加し
たものなどが用いられ得る。また、水としては、純水で
あることが望ましいが、水道水、工水であっても十分使
用可能である。さらに、領域Iへの高沸点有機溶剤の塗
布と領域IIへの水または水を主成分とする水系溶媒の塗
布は、いずれを先に行なっても、また同時に行なっても
よい。
【0043】また、この第2発明において用いられる高
沸点有機溶剤の種類および塗布方法については前記第1
発明おいて述べたものと同様のものであり、また、第2
発明において上記したような水または水を主成分とする
水系溶媒と高沸点有機溶剤とを用いる異物飛散防止処理
を行なう時期についても、前記第1発明における異物飛
散防止処理を行なう時期(a,b,c,d時期)と同様
である。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本第1発明は、自動
車車体の塗装方法において、中塗り塗装工程および上塗
り塗装工程の少なくともいずれかにおける塗料塗布に先
立ち、当該塗装工程における非塗装部位に高沸点有機溶
剤を塗布するものであるので、これらの塗装工程におけ
る非塗装部分からの異物の舞い上がりを抑制することが
でき、かつこの高沸点有機溶剤の飛沫が塗装部分に付着
したとしても塗装にハジキ等の不具合が発生することも
ないため、高品質の自動車車体塗装を達成することがで
きるものである。
【0045】また、高沸点有機溶剤を、当該塗装工程に
おける非塗装部位のうち、塗装部位に比較的近接する領
域のみに塗布した場合であっても、塗装工程における異
物の舞い上がりを有効に抑制することができ、当該高沸
点有機溶剤の使用量を抑えて製造コストを削減できる。
【0046】さらに、本第2発明は、自動車車体の塗装
方法において、中塗り塗装工程および上塗り塗装工程の
少なくともいずれかにおける塗料塗布に先立ち、当該塗
装工程における非塗装部位のうち、塗装部位に比較的近
接する領域には高沸点有機溶剤を塗布し、塗装部位より
比較的離れた領域には水または水を主成分とする水系溶
媒を塗布するものであるので、より低い材料コストにお
いて、前記第1発明において非塗装部分の実質的全領域
にわたり高沸点有機溶剤を塗布した場合とほぼ同様の効
果をもって、非塗装部からの異物の舞い上がりを抑制す
ることができる。なお、水または水系溶媒が塗布される
のは塗装部位より比較的離れた領域のみであるために、
塗装部分にその飛沫がかかり塗装のハジキ等の不具合が
発生する虞れは実質的にないものである。
【0047】また上記第1発明および第2発明におい
て、前記高沸点有機溶剤をパターンノズルでのエアレス
霧化により塗布すれば、当該有機溶剤塗布の際に噴霧圧
によって非塗装部位に付着していた異物が舞い上がる虞
れも小さくなり、異物に起因する塗装不良の発生の確率
がより低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の自動車車体塗装方法の一実施例にお
ける工程図、
【図2】 自動車車体において本発明に係る異物飛散防
止処理を施す領域を示す概略平面図、
【図3】 図2のA−A矢視図、
【図4】 従来の自動車車体塗装方法の一例における工
程図。
【符号の説明】
1…前処理工程、2…下塗り塗装工程、3…下塗り研ぎ
工程、4…中塗り準備工程、5…中塗り塗装工程、6…
中塗り研ぎ工程、7…上塗り準備工程、8…上塗り塗装
工程、a,b,c,d…異物飛散防止処理時期、B…自
動車ボデー、I…非塗装部位のうち塗装部位に比較的近
接する領域、II…非塗装部位のうち塗装部位より比較的
離れた領域。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中塗り塗装工程および上塗り塗装工程の
    少なくともいずれかにおける塗料塗布に先立ち、当該塗
    装工程における非塗装部位に高沸点有機溶剤を塗布し、
    塗料塗布ないし乾燥時における当該非塗装部位からの異
    物の飛散を抑制することを特徴とする自動車車体の塗装
    方法。
  2. 【請求項2】 高沸点有機溶剤が、当該塗装工程におけ
    る非塗装部位のうち、塗装部位に比較的近接する領域の
    みに塗布されるものである請求項1に記載の自動車車体
    の塗装方法。
  3. 【請求項3】 中塗り塗装工程および上塗り塗装工程の
    少なくともいずれかにおける塗料塗布に先立ち、当該塗
    装工程における非塗装部位のうち、塗装部位に比較的近
    接する領域には高沸点有機溶剤を塗布し、塗装部位より
    比較的離れた領域には水または水を主成分とする水系溶
    媒を塗布し、塗料塗布ないし乾燥時における当該非塗装
    部位からの異物の飛散を抑制することを特徴とする自動
    車車体の塗装方法。
  4. 【請求項4】 前記高沸点有機溶剤が、パターンノズル
    によるエアレス霧化により塗布されるものである請求項
    1〜3のいずれかに記載の自動車車体の塗装方法。
  5. 【請求項5】 前記高沸点有機溶剤の塗布が、当該塗装
    工程における塗装部位の清浄作業前に行なわれるもので
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の自動車車体の塗装
    方法。
  6. 【請求項6】 前記高沸点有機溶剤の塗布が、当該塗装
    工程における非塗装部位の手作業による清浄操作時に行
    なわれるものである請求項1〜5のいずれか記載の自動
    車車体の塗装方法。
  7. 【請求項7】 前記高沸点有機溶剤が、リターダーシン
    ナー、あるいは当該塗装工程において使用される塗料に
    含有されている溶剤を1種以上含む溶剤である請求項1
    〜6のいずれかに記載の自動車車体の塗装方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018024224A (ja) * 2016-07-25 2018-02-15 株式会社ハセ・プロ 補修用貼付シート及び補修対象面の補修方法

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