JPH07331585A - 加色用皮革処理方法、該処理がなされた皮革に行う皮革加色方法及び該皮革加色方法によって製造された皮革製品 - Google Patents
加色用皮革処理方法、該処理がなされた皮革に行う皮革加色方法及び該皮革加色方法によって製造された皮革製品Info
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- JPH07331585A JPH07331585A JP7062606A JP6260695A JPH07331585A JP H07331585 A JPH07331585 A JP H07331585A JP 7062606 A JP7062606 A JP 7062606A JP 6260695 A JP6260695 A JP 6260695A JP H07331585 A JPH07331585 A JP H07331585A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】皮革に対して多色で高精細な画像の加色を行う
ための加色用皮革処理方法及び皮革加色方法を提供す
る。 【構成】 液状インクで加色される皮革の被加色面上
に、少なくとも該液状インクに対して可溶性を示す樹脂
を付与する工程と、前記液状インクに対して親和性を有
する官能基をもつ粒子の集合体を付与する工程と、を有
することを特徴とする加色用皮革処理方法、及びこの加
色用皮革処理方法によってできた皮革に液状インクで加
色を行い、その後前記樹脂の粘着性で前記粒子の集合体
を皮革上に保持させる皮革加色方法である。
ための加色用皮革処理方法及び皮革加色方法を提供す
る。 【構成】 液状インクで加色される皮革の被加色面上
に、少なくとも該液状インクに対して可溶性を示す樹脂
を付与する工程と、前記液状インクに対して親和性を有
する官能基をもつ粒子の集合体を付与する工程と、を有
することを特徴とする加色用皮革処理方法、及びこの加
色用皮革処理方法によってできた皮革に液状インクで加
色を行い、その後前記樹脂の粘着性で前記粒子の集合体
を皮革上に保持させる皮革加色方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮革に対して行われる
染色や塗装等の加色方法に関し、特に多色や濃淡を有す
る画像を高精度にかつ簡便に行うことのできる加色用皮
革処理方法及び皮革加色方法の改良に関するものであ
り、更に加色後において、皮革自身に折り曲げや摩擦等
の機械的外力が加わっても、その加色画像を劣化させる
ことがない皮革加色方法、及びこの加色を終えた後に加
工される財布や鞄などの皮革製品に関する。
染色や塗装等の加色方法に関し、特に多色や濃淡を有す
る画像を高精度にかつ簡便に行うことのできる加色用皮
革処理方法及び皮革加色方法の改良に関するものであ
り、更に加色後において、皮革自身に折り曲げや摩擦等
の機械的外力が加わっても、その加色画像を劣化させる
ことがない皮革加色方法、及びこの加色を終えた後に加
工される財布や鞄などの皮革製品に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に皮革、とりわけ天然皮革は、動物
よりはいだ生皮を脱毛し、鞣して得られる革、更には毛
をつけたままで鞣した毛皮の総称として定義されている
が、この中で原皮から鞣すまでの工程をいう準備工程か
ら鞣製工程は、工業的には次のような工程を経て行われ
る。まず動物より剥いで得られる原皮に対し、水漬け、
裏打ち、脱毛・石灰漬け、分割、垢出し、再石灰漬け、
脱灰・酵解の各工程(準備工程)を経た後に、クロム化
合物や植物タンニン等の各種鞣剤を用いて、皮に柔軟性
や耐熱性を付加した革とする鞣し(鞣製工程)を施す。
また脱毛をせずに鞣しまで行えば毛皮を得る。通常これ
らの工程に続いて染色・加脂・味入れ・ステーキング・
塗装などの各工程(仕上げ工程)を経た後に、最終製品
たる皮革製品に加工する。
よりはいだ生皮を脱毛し、鞣して得られる革、更には毛
をつけたままで鞣した毛皮の総称として定義されている
が、この中で原皮から鞣すまでの工程をいう準備工程か
ら鞣製工程は、工業的には次のような工程を経て行われ
る。まず動物より剥いで得られる原皮に対し、水漬け、
裏打ち、脱毛・石灰漬け、分割、垢出し、再石灰漬け、
脱灰・酵解の各工程(準備工程)を経た後に、クロム化
合物や植物タンニン等の各種鞣剤を用いて、皮に柔軟性
や耐熱性を付加した革とする鞣し(鞣製工程)を施す。
また脱毛をせずに鞣しまで行えば毛皮を得る。通常これ
らの工程に続いて染色・加脂・味入れ・ステーキング・
塗装などの各工程(仕上げ工程)を経た後に、最終製品
たる皮革製品に加工する。
【0003】
【技術課題】この中で皮革に対する染色あるいは塗装等
の加色方法に関しては、染料や顔料等の色材によって行
われているが、これらの色材は、従来から繊維の染色に
用いられている染料や顔料からとり入れられているもの
がほとんどである。そして原皮、鞣し方法、あるいは皮
革製品としての用途に応じて、それぞれに適した染色の
方法がとられている。例えば、浸染法、捺染法、ローケ
ツ染めなどの方法がある。
の加色方法に関しては、染料や顔料等の色材によって行
われているが、これらの色材は、従来から繊維の染色に
用いられている染料や顔料からとり入れられているもの
がほとんどである。そして原皮、鞣し方法、あるいは皮
革製品としての用途に応じて、それぞれに適した染色の
方法がとられている。例えば、浸染法、捺染法、ローケ
ツ染めなどの方法がある。
【0004】しかし、皮革はその種類により性質が多様
であり、実際の作業は経験に頼るところがいまだに多い
のが実状であり、着色が単一の色のみであっても、原皮
や鞣しの種類、あるいは用いる色の種類によっては、染
色のための作業に長時間を要したり、あるいは作業工程
が複雑であったり、また何回も同じ工程を繰り返さなけ
ればならないものもあった。従って同一の染色物を安定
して継続的に生産していくことには困難があった。
であり、実際の作業は経験に頼るところがいまだに多い
のが実状であり、着色が単一の色のみであっても、原皮
や鞣しの種類、あるいは用いる色の種類によっては、染
色のための作業に長時間を要したり、あるいは作業工程
が複雑であったり、また何回も同じ工程を繰り返さなけ
ればならないものもあった。従って同一の染色物を安定
して継続的に生産していくことには困難があった。
【0005】また濃淡画や多色画、あるいは一部分のみ
の着色を表現する場合においても、上記のような課題が
同様に発生することに加え、太鼓を用いた浸染の手法を
利用できない点から、大量に生産できない課題も生ず
る。従来は、この場合においてはスクリーン印刷や手描
き等により行っていたため、工芸的な用途がもっぱら多
く、しかもその画質は精細度や色数において高品質とは
言い難いものである。従って自動化も達成されていな
く、特に手描きにおいては、筆を使用する場合が多い
が、この際には染色液の量や皮革上での染色領域等にお
いて、正確に管理することはほとんど経験と勘に頼らざ
るを得ない状況であり、この管理を誤ればにじみなどの
画像不良を引き起こす。
の着色を表現する場合においても、上記のような課題が
同様に発生することに加え、太鼓を用いた浸染の手法を
利用できない点から、大量に生産できない課題も生ず
る。従来は、この場合においてはスクリーン印刷や手描
き等により行っていたため、工芸的な用途がもっぱら多
く、しかもその画質は精細度や色数において高品質とは
言い難いものである。従って自動化も達成されていな
く、特に手描きにおいては、筆を使用する場合が多い
が、この際には染色液の量や皮革上での染色領域等にお
いて、正確に管理することはほとんど経験と勘に頼らざ
るを得ない状況であり、この管理を誤ればにじみなどの
画像不良を引き起こす。
【0006】このように画質が低下する原因として、以
下のことが考えられる。即ち、生皮の状態の際に存在し
ていた毛穴や、各種のしわ等により、皮革とした後にも
凹凸や、大きなくぼみが残存していることに起因すると
ころが多いということがわかった。つまりこの状態で
は、部分的に顕著に染色剤が集中したりして、濃度のむ
らを生じさせるといえる。この凹凸や大きなくぼみを、
皮革の製造過程で完全になくし、平滑な面とすることは
難しく、結果として上記の工夫を施すことが生じてい
る。また鞣し方法が同一のものであっても、仕上がりの
風合いを維持するために鞣剤の配合や加脂剤の配合を変
更することもあり得る。この点からも染色の際の安定し
た色合いを困難にすることが生ずると考えられる。
下のことが考えられる。即ち、生皮の状態の際に存在し
ていた毛穴や、各種のしわ等により、皮革とした後にも
凹凸や、大きなくぼみが残存していることに起因すると
ころが多いということがわかった。つまりこの状態で
は、部分的に顕著に染色剤が集中したりして、濃度のむ
らを生じさせるといえる。この凹凸や大きなくぼみを、
皮革の製造過程で完全になくし、平滑な面とすることは
難しく、結果として上記の工夫を施すことが生じてい
る。また鞣し方法が同一のものであっても、仕上がりの
風合いを維持するために鞣剤の配合や加脂剤の配合を変
更することもあり得る。この点からも染色の際の安定し
た色合いを困難にすることが生ずると考えられる。
【0007】一方、日常の生活用品あるいは装飾品にお
いて高級感のある製品を切望する傾向の中で、皮革に対
しても多色で高精細の画像を得ることができれば、本来
の皮革のもつ高級感を更に高めることが可能であり、ま
た部分染めも容易に行うことが可能となれば、染色され
た皮革の応用範囲も広がってくる。
いて高級感のある製品を切望する傾向の中で、皮革に対
しても多色で高精細の画像を得ることができれば、本来
の皮革のもつ高級感を更に高めることが可能であり、ま
た部分染めも容易に行うことが可能となれば、染色され
た皮革の応用範囲も広がってくる。
【0008】更に皮革製品の製造過程に至る間におい
て、染色後に皮革自身は仕上げ工程や各種の製品形態へ
の縫製等が行われる。このため染色済みの皮革は、それ
らの加工に移る際に、移動や延伸、切断、輸送等があ
り、その染色面において摩擦や折り曲げ等の機械的な外
力を伴うことは十分あり得る。これらのことを考慮して
染色画像の劣化を防止するには、あらかじめ余分の色材
を用いて画像を形成させておくか、又は染色終了後、直
ちに十分な表面保護処理を施したりするなどの対応策が
考えられる。しかし皮革上に多色で高密度の画像形成を
行う場合には、皮革が受容し得る以上の大量の色材を付
着させることは、高精細の画像に対し、にじみや濃度む
らの回避のためには好ましくない。また染色面への十分
な表面保護の即時処理は、同一の加色画像を大量に作製
する場合において、各処理工程における連続した時間配
分等の面で工程管理に困難さが生じたり、あるいは皮革
自身の風合い劣化の点で難しい場合が多く見受けられ
る。従ってこのような機械的な外力を避けるために、皮
革自体の取り扱いに注意を払わねばならなくなるが、そ
れでは生産時の効率を落とし、コスト高を生じてしま
う。
て、染色後に皮革自身は仕上げ工程や各種の製品形態へ
の縫製等が行われる。このため染色済みの皮革は、それ
らの加工に移る際に、移動や延伸、切断、輸送等があ
り、その染色面において摩擦や折り曲げ等の機械的な外
力を伴うことは十分あり得る。これらのことを考慮して
染色画像の劣化を防止するには、あらかじめ余分の色材
を用いて画像を形成させておくか、又は染色終了後、直
ちに十分な表面保護処理を施したりするなどの対応策が
考えられる。しかし皮革上に多色で高密度の画像形成を
行う場合には、皮革が受容し得る以上の大量の色材を付
着させることは、高精細の画像に対し、にじみや濃度む
らの回避のためには好ましくない。また染色面への十分
な表面保護の即時処理は、同一の加色画像を大量に作製
する場合において、各処理工程における連続した時間配
分等の面で工程管理に困難さが生じたり、あるいは皮革
自身の風合い劣化の点で難しい場合が多く見受けられ
る。従ってこのような機械的な外力を避けるために、皮
革自体の取り扱いに注意を払わねばならなくなるが、そ
れでは生産時の効率を落とし、コスト高を生じてしま
う。
【0009】(本発明の概要)本発明は、上記皮革特有
の各問題点にそれぞれ鑑みてなされたものであって、そ
の目的とするところは、以下にあげる3点にまとめられ
る。即ち第1の目的としては、単色あるいは複色の、染
色、塗装、着色を含んだ総称である加色を皮革に対して
行うにあたり、安定して高精度な画像を表現するための
皮革加色処理方法を提供すること、第2の目的として
は、この皮革加色処理方法を実施した加色用皮革に対
し、効率的に画像を形成できる皮革加色方法を提供する
こと、更に第3の目的としては、このようにしてできあ
がった画像信頼性の高い加色皮革を用いて、各種の皮革
製品を提供することにある。
の各問題点にそれぞれ鑑みてなされたものであって、そ
の目的とするところは、以下にあげる3点にまとめられ
る。即ち第1の目的としては、単色あるいは複色の、染
色、塗装、着色を含んだ総称である加色を皮革に対して
行うにあたり、安定して高精度な画像を表現するための
皮革加色処理方法を提供すること、第2の目的として
は、この皮革加色処理方法を実施した加色用皮革に対
し、効率的に画像を形成できる皮革加色方法を提供する
こと、更に第3の目的としては、このようにしてできあ
がった画像信頼性の高い加色皮革を用いて、各種の皮革
製品を提供することにある。
【0010】上記第1の目的に対し、その代表的な発明
としては、液状インクで加色される皮革上に行う加色用
皮革処理方法であって、該皮革の被加色面上に、少なく
とも該液状インクに対して可溶性を示す樹脂を付与する
工程と、前記液状インクに対して親和性を有する官能基
をもつ粒子の集合体を付与する工程とを有することを特
徴とする加色用皮革処理方法である。
としては、液状インクで加色される皮革上に行う加色用
皮革処理方法であって、該皮革の被加色面上に、少なく
とも該液状インクに対して可溶性を示す樹脂を付与する
工程と、前記液状インクに対して親和性を有する官能基
をもつ粒子の集合体を付与する工程とを有することを特
徴とする加色用皮革処理方法である。
【0011】そしてこの加色用皮革処理方法において、
好ましくは、少なくとも上記の樹脂は皮革の被加色面か
ら内部に浸透させること、また上記の樹脂あるいは粒子
の集合体の少なくとも一方を、皮革の被加色面上で層形
成させることを特徴とし、より好ましくはそれぞれの付
与量が、皮革に対して0.01g/m2 以上10g/m
2 以下であることを特徴とするものである。
好ましくは、少なくとも上記の樹脂は皮革の被加色面か
ら内部に浸透させること、また上記の樹脂あるいは粒子
の集合体の少なくとも一方を、皮革の被加色面上で層形
成させることを特徴とし、より好ましくはそれぞれの付
与量が、皮革に対して0.01g/m2 以上10g/m
2 以下であることを特徴とするものである。
【0012】なお加色後において、色の素となる色材の
存在形態は、皮革の内部に浸透した形態、皮革の表層部
付近にのみ付着あるいは一部浸透した形態、皮革の被加
色面の上に付着された形態など、いずれの形態も含むも
のである。また加色の操作は液状インクで行うとしてい
るが、これはインクを皮革に与える時に液状をなしてい
ればよいのであって、非加色時にはこのインクは液体、
固体、いずれの形態であってもかまわない。そして液状
インクの皮革への与え方についても、筆等によって直接
塗る方法、捺染用の型版を用いて所望の部分にのみ付着
させる方法、液滴にしてスプレーガン等の噴射ノズルを
用いて噴射・付着させる方法、あるいはインクジェット
ヘッドにより微細な液滴として噴射・付着させる方法な
ど、いずれも含む。これらに加え、以降の説明におい
て、説明を簡略化するために、液状インクに関しては、
単に『インク』とし、更に液状インクに対して可溶性を
示す樹脂を『可溶性樹脂』、液状インクに対して親和性
を有する官能基をもつ粒子の集合体を『粒子集合体』と
称することとする。また、従来から皮革染色の染色液と
して、染料を水に溶解したものをよく用いており、本発
明においても水によって液状にしたインクは、その利用
しやすさの点から、以後は水を用いた液状インクで説明
を行っていく。従って上記の可溶性及び親和性は、水に
対する性質として捉えればよい。
存在形態は、皮革の内部に浸透した形態、皮革の表層部
付近にのみ付着あるいは一部浸透した形態、皮革の被加
色面の上に付着された形態など、いずれの形態も含むも
のである。また加色の操作は液状インクで行うとしてい
るが、これはインクを皮革に与える時に液状をなしてい
ればよいのであって、非加色時にはこのインクは液体、
固体、いずれの形態であってもかまわない。そして液状
インクの皮革への与え方についても、筆等によって直接
塗る方法、捺染用の型版を用いて所望の部分にのみ付着
させる方法、液滴にしてスプレーガン等の噴射ノズルを
用いて噴射・付着させる方法、あるいはインクジェット
ヘッドにより微細な液滴として噴射・付着させる方法な
ど、いずれも含む。これらに加え、以降の説明におい
て、説明を簡略化するために、液状インクに関しては、
単に『インク』とし、更に液状インクに対して可溶性を
示す樹脂を『可溶性樹脂』、液状インクに対して親和性
を有する官能基をもつ粒子の集合体を『粒子集合体』と
称することとする。また、従来から皮革染色の染色液と
して、染料を水に溶解したものをよく用いており、本発
明においても水によって液状にしたインクは、その利用
しやすさの点から、以後は水を用いた液状インクで説明
を行っていく。従って上記の可溶性及び親和性は、水に
対する性質として捉えればよい。
【0013】この構成による処理を皮革に施すことで、
以下に述べる効果を発現する。即ち皮革の被加色面上
に、可溶性樹脂及び粒子集合体が付与されていることに
より、加色時にインクがこの被加色面に接触した後、そ
のインクは可溶性樹脂の存在により被加色面に受容さ
れ、しかも皮革の厚さ方向と略同一の方向に浸透が促さ
れる。それと共に可溶性樹脂自身はインク中の水に溶解
する。一方粒子集合体の存在によりインクは被加色面上
におけるにじみ(2次元的な広がり)が抑制される。更
に可溶性樹脂の溶解に伴い、この樹脂自身は粘度低下又
は表面張力の低下を起こして、粒子集合体の間隙中に加
色前よりも入り込みやすくなり、粒子間及び粒子・皮革
間の物理的な固定、即ち粒子の保持ができる。
以下に述べる効果を発現する。即ち皮革の被加色面上
に、可溶性樹脂及び粒子集合体が付与されていることに
より、加色時にインクがこの被加色面に接触した後、そ
のインクは可溶性樹脂の存在により被加色面に受容さ
れ、しかも皮革の厚さ方向と略同一の方向に浸透が促さ
れる。それと共に可溶性樹脂自身はインク中の水に溶解
する。一方粒子集合体の存在によりインクは被加色面上
におけるにじみ(2次元的な広がり)が抑制される。更
に可溶性樹脂の溶解に伴い、この樹脂自身は粘度低下又
は表面張力の低下を起こして、粒子集合体の間隙中に加
色前よりも入り込みやすくなり、粒子間及び粒子・皮革
間の物理的な固定、即ち粒子の保持ができる。
【0014】このような作用から、加色の操作を筆等で
行う場合には、その描かれる線の細部にわたって忠実に
画像を残すことができ、特有のタッチを表現することが
でき、また液滴インクの噴射で行う場合にも、個々のイ
ンク滴が皮革上に着弾した際に安定したドットの形成が
なされ、高精細な画像を表現することができる。一方可
溶性樹脂及び粒子集合体の存在形態は、何れも皮革内部
に浸透していてもよいし、何れか一方が皮革上に層形成
していても構わない。またそれぞれが付与される順番も
特定されるものではない。更にそれぞれの付与が一工程
ずつでなければならないこともなく、例えば可溶性樹
脂、粒子集合体、可溶性樹脂の順に付与していても本発
明の作用は果たす。つまり各付与工程を、それぞれ複数
回行ってもよい。
行う場合には、その描かれる線の細部にわたって忠実に
画像を残すことができ、特有のタッチを表現することが
でき、また液滴インクの噴射で行う場合にも、個々のイ
ンク滴が皮革上に着弾した際に安定したドットの形成が
なされ、高精細な画像を表現することができる。一方可
溶性樹脂及び粒子集合体の存在形態は、何れも皮革内部
に浸透していてもよいし、何れか一方が皮革上に層形成
していても構わない。またそれぞれが付与される順番も
特定されるものではない。更にそれぞれの付与が一工程
ずつでなければならないこともなく、例えば可溶性樹
脂、粒子集合体、可溶性樹脂の順に付与していても本発
明の作用は果たす。つまり各付与工程を、それぞれ複数
回行ってもよい。
【0015】いずれにしても粒子集合体がインクの浸透
状態を皮革の厚さ方向に規制する作用をもつため、加色
時においてインクが粒子集合体と最初に接触する機会を
相対的に多くするよう、粒子集合体の付与が最終工程に
あるほうがよい。なお、上述の粒子集合体が皮革に浸透
しているという場合には、皮革内部に必ずしも全てが浸
透した形態のみをいうのではなく、一部が皮革内部に進
入している形態をも含む。つまりその粒子の径が皮革表
面の組織の空隙よりも小さいものであれば、進入が達成
できると考えられる。但し、このような可溶性樹脂及び
粒子集合体の存在形態によっては、加色表現される画像
を変化させることもあり得るので、所望の画像に対し、
後述する材料の選択や付与方法により、存在形態を調整
することを行ってもよい。
状態を皮革の厚さ方向に規制する作用をもつため、加色
時においてインクが粒子集合体と最初に接触する機会を
相対的に多くするよう、粒子集合体の付与が最終工程に
あるほうがよい。なお、上述の粒子集合体が皮革に浸透
しているという場合には、皮革内部に必ずしも全てが浸
透した形態のみをいうのではなく、一部が皮革内部に進
入している形態をも含む。つまりその粒子の径が皮革表
面の組織の空隙よりも小さいものであれば、進入が達成
できると考えられる。但し、このような可溶性樹脂及び
粒子集合体の存在形態によっては、加色表現される画像
を変化させることもあり得るので、所望の画像に対し、
後述する材料の選択や付与方法により、存在形態を調整
することを行ってもよい。
【0016】次いで、更に高画質を追求することをも検
討したところ、可溶性樹脂及び粒子集合体のそれぞれの
付与量をある範囲内にするとよいことも判明した。この
付与量としては、それぞれ皮革に対して0.01g/m
2 以上10g/m2 以下である。高画質の観点に立つ
と、0.01g/m2 より付与量が少ない場合、可溶性
樹脂によるインクの浸透や粒子集合体の間隙中への入り
込みや粒子集合体によるインクのにじみ抑制の効果が不
十分であり、また10g/m2 より多い場合には、皮革
に対する浸透あるいは付着状態が不完全となって、後に
可溶性樹脂及び粒子集合体の剥がれが生じて画像劣化を
招いたり、また皮革のもつ風合いを損ねたりすることが
ある。
討したところ、可溶性樹脂及び粒子集合体のそれぞれの
付与量をある範囲内にするとよいことも判明した。この
付与量としては、それぞれ皮革に対して0.01g/m
2 以上10g/m2 以下である。高画質の観点に立つ
と、0.01g/m2 より付与量が少ない場合、可溶性
樹脂によるインクの浸透や粒子集合体の間隙中への入り
込みや粒子集合体によるインクのにじみ抑制の効果が不
十分であり、また10g/m2 より多い場合には、皮革
に対する浸透あるいは付着状態が不完全となって、後に
可溶性樹脂及び粒子集合体の剥がれが生じて画像劣化を
招いたり、また皮革のもつ風合いを損ねたりすることが
ある。
【0017】次に本発明による加色用皮革処理方法につ
いて具体的な構成を説明する。
いて具体的な構成を説明する。
【0018】本発明に利用できる可溶性樹脂及び粒子集
合体としては、更に以下に述べる特徴の少なくとも1つ
をもつと、より有効である。
合体としては、更に以下に述べる特徴の少なくとも1つ
をもつと、より有効である。
【0019】まず可溶性樹脂に関しては、少なくともイ
ンクによる溶解で粘着性を帯びるものであることがよ
い。可溶性樹脂はインクによって溶解し、粒子集合体の
保持の役目を果たすことは前述した。従って可溶性樹脂
が溶解と共に粘着特性をもつということは、この粒子の
保持に際して有効に作用するものである。
ンクによる溶解で粘着性を帯びるものであることがよ
い。可溶性樹脂はインクによって溶解し、粒子集合体の
保持の役目を果たすことは前述した。従って可溶性樹脂
が溶解と共に粘着特性をもつということは、この粒子の
保持に際して有効に作用するものである。
【0020】このような性質を示す樹脂の具体例として
は、次のような水溶性樹脂を挙げることができる。即
ち、デンプン、カゼイン、ゼラチン、無水マレイン酸樹
脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、スチレンブタジエンゴ
ム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒ
ドロキシセルロース、ポリエチレンオキサイド、アクリ
ルアミド等である。これらの物質を皮革上に付与させる
には、水溶液の状態にしたものを、スプレーガンを用い
た噴霧や、バーコーターやロールコーター、アプリケー
ター、ドクターブレード等を用いた塗布、スクリーン印
刷、又はフィルム状に形成した上記材料を圧着させるな
ど、各種の方法が可能である。
は、次のような水溶性樹脂を挙げることができる。即
ち、デンプン、カゼイン、ゼラチン、無水マレイン酸樹
脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、スチレンブタジエンゴ
ム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒ
ドロキシセルロース、ポリエチレンオキサイド、アクリ
ルアミド等である。これらの物質を皮革上に付与させる
には、水溶液の状態にしたものを、スプレーガンを用い
た噴霧や、バーコーターやロールコーター、アプリケー
ター、ドクターブレード等を用いた塗布、スクリーン印
刷、又はフィルム状に形成した上記材料を圧着させるな
ど、各種の方法が可能である。
【0021】次に粒子集合体に関しては、少なくともイ
ンクが接する際に粒子の集合体を認識できる形態をもっ
ていれば、その機能は果たす。しかし、更にインクの進
行状態をより細かく制御しようとするならば、粒子の存
在形態として、粒子集合体が皮革の被加色面に沿った配
列面を形成していることは、本発明の一つの形態として
有効である。インクは粒子集合体内の間隙に沿って進行
していくため、このインクの進行距離が、被加色面の全
体にわたってほぼ一定であれば、皮革全体として安定し
た画像形成が可能となる。
ンクが接する際に粒子の集合体を認識できる形態をもっ
ていれば、その機能は果たす。しかし、更にインクの進
行状態をより細かく制御しようとするならば、粒子の存
在形態として、粒子集合体が皮革の被加色面に沿った配
列面を形成していることは、本発明の一つの形態として
有効である。インクは粒子集合体内の間隙に沿って進行
していくため、このインクの進行距離が、被加色面の全
体にわたってほぼ一定であれば、皮革全体として安定し
た画像形成が可能となる。
【0022】またこの粒子集合体において個々の粒子は
離散していることは必須ではなく、密に接して2次元的
に配列された形態で十分な機能を果たす。この密に接し
た状態とは、粒子同士が点接触した状態、個々の粒子の
一部が融着して部分的に面で接触した状態、更にはこれ
らの混在した形態等をも含む。ここでは、粒子集合体
が、その粒子同士で全く間隙の存在しない連続皮膜を形
成しなければよいのである。
離散していることは必須ではなく、密に接して2次元的
に配列された形態で十分な機能を果たす。この密に接し
た状態とは、粒子同士が点接触した状態、個々の粒子の
一部が融着して部分的に面で接触した状態、更にはこれ
らの混在した形態等をも含む。ここでは、粒子集合体
が、その粒子同士で全く間隙の存在しない連続皮膜を形
成しなければよいのである。
【0023】以上のように粒子集合体を形成させ、しか
もその各粒子にインクに対して親和性を有する官能基を
もたせるための手段としては、インクと同種の液体成分
で乳化処理されたエマルジョンの粒子の集合体を利用す
ることが有効である。通常のエマルジョン粒子は極性部
をもっており、分散媒に水を用いた水中油滴型の場合で
は、水に不溶性の物質に界面活性剤を吸着させ、その界
面活性剤の親水性基により水と親和性を維持するように
粒子を構成している。従って本発明において粒子集合体
を形成させるには、この界面活性剤の親水性基をインク
に対しての親和性として利用できるため、非常に有効な
形態である。
もその各粒子にインクに対して親和性を有する官能基を
もたせるための手段としては、インクと同種の液体成分
で乳化処理されたエマルジョンの粒子の集合体を利用す
ることが有効である。通常のエマルジョン粒子は極性部
をもっており、分散媒に水を用いた水中油滴型の場合で
は、水に不溶性の物質に界面活性剤を吸着させ、その界
面活性剤の親水性基により水と親和性を維持するように
粒子を構成している。従って本発明において粒子集合体
を形成させるには、この界面活性剤の親水性基をインク
に対しての親和性として利用できるため、非常に有効な
形態である。
【0024】このようにエマルジョンを利用した場合、
それが液体であるために、皮革に付与した後に、分散媒
は蒸発又は皮革内部への浸透を起こす。その結果、皮革
の表層部付近に粒子集合体ができあがる。しかしエマル
ジョンの一般的な挙動で、分散媒の量が少なくなるにつ
れて粒子間の融着が生ずるが、本発明でいう機能を発現
させるためには、粒子を与えることが構成要件であるた
め、この粒子間の融着が過度に進行して皮膜を形成させ
てはならない。通常この粒子間の融着は温度依存性をも
っており、エマルジョンの構成材料によって最低造膜温
度が定まる。従って、この最低造膜温度を管理すること
は粒子集合体に用いる材料選択の1つの指針となる。
それが液体であるために、皮革に付与した後に、分散媒
は蒸発又は皮革内部への浸透を起こす。その結果、皮革
の表層部付近に粒子集合体ができあがる。しかしエマル
ジョンの一般的な挙動で、分散媒の量が少なくなるにつ
れて粒子間の融着が生ずるが、本発明でいう機能を発現
させるためには、粒子を与えることが構成要件であるた
め、この粒子間の融着が過度に進行して皮膜を形成させ
てはならない。通常この粒子間の融着は温度依存性をも
っており、エマルジョンの構成材料によって最低造膜温
度が定まる。従って、この最低造膜温度を管理すること
は粒子集合体に用いる材料選択の1つの指針となる。
【0025】本発明の構成においては、エマルジョンの
最低造膜温度としては、皮革処理段階から皮革加色段階
までの処理環境よりも高い温度であることが好ましい。
ここで皮革処理段階から皮革加色段階までの処理環境の
温度を加色処理温度と呼ぶことにすると、最低造膜温度
が加色処理温度を下回った場合では、加色用皮革処理あ
るいは皮革への加色を実施する過程において、付与した
エマルジョン粒子同士が融着して皮膜となり、粒子集合
体の構成要件を満たさなくする。エマルジョン粒子は分
散媒に対して溶解しているわけではないため、このよう
に皮膜を形成するということは、界面活性剤の親水性基
がインクに対して作用できない状態となり、本発明の効
果を引き出すことができにくくなる。また、付与後に乾
燥等の工程を経ることを考慮すれば、最低造膜温度をよ
り高い温度に設定しておくことは好適であり、粒子集合
体を安定的に得るという点で、具体的な温度をあげると
するならば40℃以上、より好ましくは80℃以上とす
ることができる。但しこの皮膜化は、画像形成の終了後
に生じても画像を乱すわけではないので、上記の加色処
理温度で考慮すればよい。
最低造膜温度としては、皮革処理段階から皮革加色段階
までの処理環境よりも高い温度であることが好ましい。
ここで皮革処理段階から皮革加色段階までの処理環境の
温度を加色処理温度と呼ぶことにすると、最低造膜温度
が加色処理温度を下回った場合では、加色用皮革処理あ
るいは皮革への加色を実施する過程において、付与した
エマルジョン粒子同士が融着して皮膜となり、粒子集合
体の構成要件を満たさなくする。エマルジョン粒子は分
散媒に対して溶解しているわけではないため、このよう
に皮膜を形成するということは、界面活性剤の親水性基
がインクに対して作用できない状態となり、本発明の効
果を引き出すことができにくくなる。また、付与後に乾
燥等の工程を経ることを考慮すれば、最低造膜温度をよ
り高い温度に設定しておくことは好適であり、粒子集合
体を安定的に得るという点で、具体的な温度をあげると
するならば40℃以上、より好ましくは80℃以上とす
ることができる。但しこの皮膜化は、画像形成の終了後
に生じても画像を乱すわけではないので、上記の加色処
理温度で考慮すればよい。
【0026】なお、粒子集合体についてエマルジョンを
利用することで説明したが、本発明はこれに限定するも
のではなく、ほかに末端基の一部を親水性基に置き換え
た樹脂を粒子状に調製した後に、その粒子を皮革上に配
列させたり、あるいは埋めこんだりすることも可能であ
る。そして粒子集合体の形成方法においても、付与時液
状にしておいて、前述の可溶性樹脂を付与する場合と同
様の方法を適用することができるが、元来粒子のみの物
質であっても、公知の方法を用いて皮革上に形成させて
もよい。
利用することで説明したが、本発明はこれに限定するも
のではなく、ほかに末端基の一部を親水性基に置き換え
た樹脂を粒子状に調製した後に、その粒子を皮革上に配
列させたり、あるいは埋めこんだりすることも可能であ
る。そして粒子集合体の形成方法においても、付与時液
状にしておいて、前述の可溶性樹脂を付与する場合と同
様の方法を適用することができるが、元来粒子のみの物
質であっても、公知の方法を用いて皮革上に形成させて
もよい。
【0027】これまで述べてきた粒子集合体に使用でき
る材料としては、コロイダルシリカ、アルミナゾル等の
無機微粒子類の分散体、スチレン・アクリル共重合体、
酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル・アクリル共重合体、酢酸
ビニル・ベオバ共重合体、酢酸ビニル・マレート共重合
体、酢酸ビニル・エチレン共重合体、酢酸ビニル・エチ
レン・塩化ビニル共重合体、エポキシ樹脂等を乳化させ
たエマルジョン、などを挙げることができる。
る材料としては、コロイダルシリカ、アルミナゾル等の
無機微粒子類の分散体、スチレン・アクリル共重合体、
酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル・アクリル共重合体、酢酸
ビニル・ベオバ共重合体、酢酸ビニル・マレート共重合
体、酢酸ビニル・エチレン共重合体、酢酸ビニル・エチ
レン・塩化ビニル共重合体、エポキシ樹脂等を乳化させ
たエマルジョン、などを挙げることができる。
【0028】これらの材料は完全な球形を維持している
ことが必須要件ではないが、略球形であれば好ましい。
また粒子の大きさとしては特に限定を加えることはない
が、真球換算にて直径が0.01μmから100μmの
範囲が好ましいが、特にインクを液滴にして噴射させる
ような場合には、その液滴によって皮革上に形成される
ドットの径よりも粒子径が小さいことが好ましい。但し
上記のような分散体あるいはエマルジョンは、一般に粒
径が一定に揃っている状態は難しく、ある範囲を持って
分布している。従ってここでいう粒子径としては、この
分布の中で最も分布比率の高い粒径で規定する。また付
与方法としても、前述した可溶性樹脂の付与方法を適用
することができる。
ことが必須要件ではないが、略球形であれば好ましい。
また粒子の大きさとしては特に限定を加えることはない
が、真球換算にて直径が0.01μmから100μmの
範囲が好ましいが、特にインクを液滴にして噴射させる
ような場合には、その液滴によって皮革上に形成される
ドットの径よりも粒子径が小さいことが好ましい。但し
上記のような分散体あるいはエマルジョンは、一般に粒
径が一定に揃っている状態は難しく、ある範囲を持って
分布している。従ってここでいう粒子径としては、この
分布の中で最も分布比率の高い粒径で規定する。また付
与方法としても、前述した可溶性樹脂の付与方法を適用
することができる。
【0029】また可溶性樹脂及び粒子集合体の何れにお
いても、これまで例示した材料をそれぞれ単独で使用し
てもよいし、あるいは利用できる材料群の中から混合し
て使用してもよい。また必要に応じて従来から公知の添
加剤、例えば各種界面活性剤、消泡剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、分散剤、粘度調整剤、pH調整剤、防かび
剤、可塑剤などを加えてもよい。
いても、これまで例示した材料をそれぞれ単独で使用し
てもよいし、あるいは利用できる材料群の中から混合し
て使用してもよい。また必要に応じて従来から公知の添
加剤、例えば各種界面活性剤、消泡剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、分散剤、粘度調整剤、pH調整剤、防かび
剤、可塑剤などを加えてもよい。
【0030】これまで述べてきたように加色用皮革処理
で皮革に加色を行うにあたり、皮革上に十分な加色を施
すためには、付与する可溶性樹脂及び粒子集合体が非染
着性であると、それ自身には相対的に加色されず、皮革
自身へのインク加色をより効率よく行うことができる。
で皮革に加色を行うにあたり、皮革上に十分な加色を施
すためには、付与する可溶性樹脂及び粒子集合体が非染
着性であると、それ自身には相対的に加色されず、皮革
自身へのインク加色をより効率よく行うことができる。
【0031】またインクに関しては水を用いて液状とし
たもので述べてきたが、このインクの色材として利用で
きるものとしては各種のものが挙げられる。例えば、酸
性染料、金属錯塩染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒
染染料、可溶性バット染料など、従来の皮革の染色から
よく用いられているものや、主にセルロ−スやポリエス
テル系の繊維などに使用される直接染料、塩基性染料、
硫化染料、ナフト−ル染料、酸化染料、分散染料、反応
染料等である。インクとする際には、これらの色材を水
やアルコール等で溶解する。また顔料、更には染料と顔
料とを混合したものも用いることができる。いずれにし
てもこれらの色材はイオン性を持つものが多く、例えば
アニオン性の直接染料を用いるならば、可溶性樹脂及び
粒子集合体をアニオン性、又はノニオン性とすると、染
料とのイオン結合を起こさず、非染着性とすることがで
きる。また顔料の場合は、通常溶剤に不溶性であり、ま
た皮革そのものには染着性を示さないため、それ自身で
適用可能であるが、使用時においては分散媒に水を用い
たエマルジョンにすれば、これまで染料系のインクで説
明してきた場合と同様に、可溶性樹脂及び粒子集合体の
作用を理解することができる。
たもので述べてきたが、このインクの色材として利用で
きるものとしては各種のものが挙げられる。例えば、酸
性染料、金属錯塩染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒
染染料、可溶性バット染料など、従来の皮革の染色から
よく用いられているものや、主にセルロ−スやポリエス
テル系の繊維などに使用される直接染料、塩基性染料、
硫化染料、ナフト−ル染料、酸化染料、分散染料、反応
染料等である。インクとする際には、これらの色材を水
やアルコール等で溶解する。また顔料、更には染料と顔
料とを混合したものも用いることができる。いずれにし
てもこれらの色材はイオン性を持つものが多く、例えば
アニオン性の直接染料を用いるならば、可溶性樹脂及び
粒子集合体をアニオン性、又はノニオン性とすると、染
料とのイオン結合を起こさず、非染着性とすることがで
きる。また顔料の場合は、通常溶剤に不溶性であり、ま
た皮革そのものには染着性を示さないため、それ自身で
適用可能であるが、使用時においては分散媒に水を用い
たエマルジョンにすれば、これまで染料系のインクで説
明してきた場合と同様に、可溶性樹脂及び粒子集合体の
作用を理解することができる。
【0032】続いて上記の第2の目的に対する発明とし
ては、これまで述べてきた加色用皮革処理方法が皮革の
銀面及び/又は肉面に対してなされてできあがるもの
に、インクジェット方式で液状インクを噴射して加色を
行うことを特徴とする皮革加色方法である。更にこの発
明の発展形態として、この加色を行った皮革に粒子の集
合体を皮膜化させる温度以上で加熱処理を施すことを特
徴としてなる皮革加色方法である。
ては、これまで述べてきた加色用皮革処理方法が皮革の
銀面及び/又は肉面に対してなされてできあがるもの
に、インクジェット方式で液状インクを噴射して加色を
行うことを特徴とする皮革加色方法である。更にこの発
明の発展形態として、この加色を行った皮革に粒子の集
合体を皮膜化させる温度以上で加熱処理を施すことを特
徴としてなる皮革加色方法である。
【0033】これまでの説明で述べてきた加色用皮革処
理方法は、その作用からみて、皮革における銀面又は肉
面の何れかの面に限定して行う必要はない。従って加色
を実施する面としても何れの面も可能であり、そしてこ
の加色用皮革処理がなされた皮革を用いて、インクジェ
ット方式により更なる高画質化を実現する皮革加色方法
を提供することができる。また可溶性樹脂及び粒子集合
体は、本発明者らの研究によれば、皮革に付与した後に
経時的に特性が変化するものではなかった。従って加色
用皮革処理を複数枚の皮革に対してまとめて行い、その
後これらの皮革をインクジェット加色装置に順次装着す
ることも可能となる。
理方法は、その作用からみて、皮革における銀面又は肉
面の何れかの面に限定して行う必要はない。従って加色
を実施する面としても何れの面も可能であり、そしてこ
の加色用皮革処理がなされた皮革を用いて、インクジェ
ット方式により更なる高画質化を実現する皮革加色方法
を提供することができる。また可溶性樹脂及び粒子集合
体は、本発明者らの研究によれば、皮革に付与した後に
経時的に特性が変化するものではなかった。従って加色
用皮革処理を複数枚の皮革に対してまとめて行い、その
後これらの皮革をインクジェット加色装置に順次装着す
ることも可能となる。
【0034】このような皮革加色方法の中で、更に加色
後に、粒子集合体中の粒子同士を互いに融着させ、皮膜
形成させる皮革加色方法が挙げられる。前にも述べた
が、粒子集合体中の粒子同士の融着は温度に依存するた
め、この温度以上の加熱を行うことにより、加色後に連
続した皮膜形成を可能とし、表面保護を兼ねることもで
きる。
後に、粒子集合体中の粒子同士を互いに融着させ、皮膜
形成させる皮革加色方法が挙げられる。前にも述べた
が、粒子集合体中の粒子同士の融着は温度に依存するた
め、この温度以上の加熱を行うことにより、加色後に連
続した皮膜形成を可能とし、表面保護を兼ねることもで
きる。
【0035】本発明による加色用皮革処理方法でできあ
がった皮革に加色を行った後の画像は、可溶性樹脂及び
粒子集合体の作用により、機械的な外力に対しても欠落
することは生じにくい。一方、革の美観及び強度を向上
させるための仕上げ工程への移行に際して、加色済みの
皮革の移送や保管があり得る。この際に非常に高湿度で
ある場合、色材が水溶性の性質を呈するものであると、
皮革上から色材が流れ出し、画像劣化を招く場合も考え
られる。このような特殊な場合にも、粒子集合体を皮膜
化させておけば、画像劣化を回避できる。更に空気中に
浮遊する不純物等によって色材の特性を変化させること
を回避することも可能である。
がった皮革に加色を行った後の画像は、可溶性樹脂及び
粒子集合体の作用により、機械的な外力に対しても欠落
することは生じにくい。一方、革の美観及び強度を向上
させるための仕上げ工程への移行に際して、加色済みの
皮革の移送や保管があり得る。この際に非常に高湿度で
ある場合、色材が水溶性の性質を呈するものであると、
皮革上から色材が流れ出し、画像劣化を招く場合も考え
られる。このような特殊な場合にも、粒子集合体を皮膜
化させておけば、画像劣化を回避できる。更に空気中に
浮遊する不純物等によって色材の特性を変化させること
を回避することも可能である。
【0036】ここで加える熱に関しては、革内部のコラ
ーゲン繊維が一般的に耐熱性に弱いことを考慮し、あま
り高い温度に設定できない。一般に、クロム革の場合に
は90℃から100℃まで、タンニン革の場合には70
℃から80℃が限界であり、ここでの加熱処理温度の設
定もこれらの温度以下で行う。しかし瞬時の高熱に対し
ては更に高い温度まで耐えられるので、加熱時間を極め
て短く設定すれば、100℃以上の加熱温度も可能であ
る。以上のような処理を施すことで、加色を終えた皮革
に対して、保管環境に異常が起きても、従来から公知の
仕上げ工程に移行させることができる。なおここでいう
加熱処理は、加色済みの皮革の全体を所定の温度雰囲気
にさらすことに限っているわけではなく、所望の加色部
分のみに所定の温度をもつ熱風を当てる、又は所定の温
度に調節した熱線を照射する、所定の温度に調節した金
属板を接触させる、更にはレーザー光を照射するなど、
各種の手法を適用することができる。
ーゲン繊維が一般的に耐熱性に弱いことを考慮し、あま
り高い温度に設定できない。一般に、クロム革の場合に
は90℃から100℃まで、タンニン革の場合には70
℃から80℃が限界であり、ここでの加熱処理温度の設
定もこれらの温度以下で行う。しかし瞬時の高熱に対し
ては更に高い温度まで耐えられるので、加熱時間を極め
て短く設定すれば、100℃以上の加熱温度も可能であ
る。以上のような処理を施すことで、加色を終えた皮革
に対して、保管環境に異常が起きても、従来から公知の
仕上げ工程に移行させることができる。なおここでいう
加熱処理は、加色済みの皮革の全体を所定の温度雰囲気
にさらすことに限っているわけではなく、所望の加色部
分のみに所定の温度をもつ熱風を当てる、又は所定の温
度に調節した熱線を照射する、所定の温度に調節した金
属板を接触させる、更にはレーザー光を照射するなど、
各種の手法を適用することができる。
【0037】更に続いて上記の第3の目的に対する発明
として、これまで説明してきた皮革加色方法によってイ
ンク噴射加色がなされた皮革及び皮革製品が新たな形態
として生まれる。本発明によって得られた加色皮革は、
画像の信頼性を向上させているため、これを加工するこ
とにより各種の新しい皮革製品を生み出すことができ
る。
として、これまで説明してきた皮革加色方法によってイ
ンク噴射加色がなされた皮革及び皮革製品が新たな形態
として生まれる。本発明によって得られた加色皮革は、
画像の信頼性を向上させているため、これを加工するこ
とにより各種の新しい皮革製品を生み出すことができ
る。
【0038】以上、第1から第3の目的に対応するそれ
ぞれの発明を説明してきたが、これらに加えて次の総合
的な独立した2つの発明も本発明には含まれる。
ぞれの発明を説明してきたが、これらに加えて次の総合
的な独立した2つの発明も本発明には含まれる。
【0039】その総合発明の1つには、皮革の被加色面
上に液状インクに対して可溶性を示す樹脂及び該液状イ
ンクに対して親和性を有する官能基をもつ粒子の集合体
が付与されてなる加色用皮革に、液状インクで加色後、
前記樹脂の粘着性により前記粒子の集合体を該皮革に保
持させることを特徴とする皮革である。つまり前述して
きた加色用皮革処理方法を適用した加色用皮革に対し、
液状インクで加色を行うと、既に皮革に付与している可
溶性樹脂の作用によって、もう一つの付与物である粒子
集合体の皮革自身への保持をより強固にすることができ
る。従ってこれらの操作が終了した皮革は、加色皮革と
して、それ自身で独立した発明である。
上に液状インクに対して可溶性を示す樹脂及び該液状イ
ンクに対して親和性を有する官能基をもつ粒子の集合体
が付与されてなる加色用皮革に、液状インクで加色後、
前記樹脂の粘着性により前記粒子の集合体を該皮革に保
持させることを特徴とする皮革である。つまり前述して
きた加色用皮革処理方法を適用した加色用皮革に対し、
液状インクで加色を行うと、既に皮革に付与している可
溶性樹脂の作用によって、もう一つの付与物である粒子
集合体の皮革自身への保持をより強固にすることができ
る。従ってこれらの操作が終了した皮革は、加色皮革と
して、それ自身で独立した発明である。
【0040】総合発明のもう1つには、皮革の被加色面
上に液状インクに対して可溶性を示す樹脂及び該液状イ
ンクに対して親和性を有する官能基をもつ粒子の集合体
が付与されてなる加色用皮革に、液状インクを滴状に噴
射して加色を行う皮革加色方法であって、前記粒子の集
合体における粒子径が前記滴状のインクにより形成され
るドットの径よりも小さいことを特徴とする皮革加色方
法である。前述してきた加色用皮革処理方法を適用した
加色用皮革に対して行う加色方法の中で、液滴インクに
よって行う方法は、より高品位な画像を得るという点で
効果がある。この中で、特に画像密度を上げていった場
合、粒子集合体中の各粒子の大きさとインク滴の大きさ
との相対関係を定めておくことが好ましい。この相対関
係が作用する部分は、インク滴が加色用皮革の被加色面
に到達し、被加色面上で個々のドットを形成する部分で
あり、この部分において粒子径がインクのドット径より
も小さく定められていると、インクの浸透は皮革の厚さ
方向と略同一方向に従いやすい。
上に液状インクに対して可溶性を示す樹脂及び該液状イ
ンクに対して親和性を有する官能基をもつ粒子の集合体
が付与されてなる加色用皮革に、液状インクを滴状に噴
射して加色を行う皮革加色方法であって、前記粒子の集
合体における粒子径が前記滴状のインクにより形成され
るドットの径よりも小さいことを特徴とする皮革加色方
法である。前述してきた加色用皮革処理方法を適用した
加色用皮革に対して行う加色方法の中で、液滴インクに
よって行う方法は、より高品位な画像を得るという点で
効果がある。この中で、特に画像密度を上げていった場
合、粒子集合体中の各粒子の大きさとインク滴の大きさ
との相対関係を定めておくことが好ましい。この相対関
係が作用する部分は、インク滴が加色用皮革の被加色面
に到達し、被加色面上で個々のドットを形成する部分で
あり、この部分において粒子径がインクのドット径より
も小さく定められていると、インクの浸透は皮革の厚さ
方向と略同一方向に従いやすい。
【0041】以上の発明を十分に引き出すには、インク
ジェット方式による加色は非常に有効な手段である。以
下実施例により本発明を具体的に述べていく。
ジェット方式による加色は非常に有効な手段である。以
下実施例により本発明を具体的に述べていく。
【0042】
(実施例1)図1は皮革に本発明による加色用皮革処理
を施してできた加色用皮革の厚さ方向の断面を模式的に
示す図、また図4は図1の加色用皮革に対して加色を行
うインクジェット加色装置の一例の中における加色手段
の主要構成を示す。これらの図を参照しつつ加色用皮革
処理方法及び皮革加色方法を説明すると、以下の通りで
ある。なお、これ以降の説明においては、加色は革に対
するものを例にとり、『皮革』は『革』の表現に統一す
る。
を施してできた加色用皮革の厚さ方向の断面を模式的に
示す図、また図4は図1の加色用皮革に対して加色を行
うインクジェット加色装置の一例の中における加色手段
の主要構成を示す。これらの図を参照しつつ加色用皮革
処理方法及び皮革加色方法を説明すると、以下の通りで
ある。なお、これ以降の説明においては、加色は革に対
するものを例にとり、『皮革』は『革』の表現に統一す
る。
【0043】はじめに加色用の革処理について、図1を
参照しながら述べる。
参照しながら述べる。
【0044】まず革であるが、これは従来から行われて
いる鞣製工程よりできあがってくるものを用いる。本例
では、原皮として馬の皮を用い、準備工程を経た後にタ
ンニン鞣しによる鞣製工程を終え、厚さ1mmの革11
を得た。
いる鞣製工程よりできあがってくるものを用いる。本例
では、原皮として馬の皮を用い、準備工程を経た後にタ
ンニン鞣しによる鞣製工程を終え、厚さ1mmの革11
を得た。
【0045】次にこの革の銀面を、メチルエチルケトン
で軽く洗浄し、付着しているごみや余分な脂分等を取り
除く。この後可溶性樹脂及び粒子集合体の付与処理に移
る。それぞれの処理にあたり、以下の処理液(a)及び
処理液(b)を調製する。なお、文中で『%』とあるも
のは特に断りのない限り、今後も含め重量基準とする。
で軽く洗浄し、付着しているごみや余分な脂分等を取り
除く。この後可溶性樹脂及び粒子集合体の付与処理に移
る。それぞれの処理にあたり、以下の処理液(a)及び
処理液(b)を調製する。なお、文中で『%』とあるも
のは特に断りのない限り、今後も含め重量基準とする。
【0046】 [処理液(a)] (可溶性樹脂処理液) ポリビニルピロリドン 5% 水 95% [処理液(b)] (粒子集合体処理液) スチレン・アクリル共重合体 40%水系エマルジョン 60% (非イオン性、平均粒子径:60μm、最低造膜温度:50℃) 水 40%
【0047】まず革11の銀面に処理液(a)をワイヤ
ーバーにて塗布し、直ちに40℃で1分間の乾燥を行
い、塗布量1g/m2 の可溶性樹脂からなる層12を形
成する。次いでその上に処理液(b)をワイヤーバーに
て塗布、直ちに40℃で30秒間の乾燥を行い、塗布量
2g/m2 の粒子集合体からなる層13を形成し、加色
用革1を得る。こうしてできた加色用革1をA3版長辺
の寸法を幅とする大きさに切断して分けた後、インクジ
ェット加色装置3の革搬送経路に通過可能な形態とす
る。
ーバーにて塗布し、直ちに40℃で1分間の乾燥を行
い、塗布量1g/m2 の可溶性樹脂からなる層12を形
成する。次いでその上に処理液(b)をワイヤーバーに
て塗布、直ちに40℃で30秒間の乾燥を行い、塗布量
2g/m2 の粒子集合体からなる層13を形成し、加色
用革1を得る。こうしてできた加色用革1をA3版長辺
の寸法を幅とする大きさに切断して分けた後、インクジ
ェット加色装置3の革搬送経路に通過可能な形態とす
る。
【0048】続いてこの加色用革1に対して行う加色に
ついて、図4を参照しながら説明する。
ついて、図4を参照しながら説明する。
【0049】前述のように切断の済んだ加色用革1を、
インクジェット加色装置2における革の搬送手段である
搬送ローラ対(搬送駆動ローラ23及び搬送従動ローラ
24)の搬送方向上流側にセットする。インクジェット
加色の準備(インクジェットヘッドの回復処理及び画像
データの設定など)が行われて、加色工程を開始する
と、まず搬送駆動ローラ23及びそれに従動する搬送従
動ローラ24が回転を始め、搬送駆動ローラ23に先端
部がつき当たっている加色用革1が回転している搬送ロ
ーラ対の圧接部に引き込まれることによって、加色用革
1が搬送手段に自動的に装着される。次いでこの加色用
革1の搬送に同期をとって、搬送路上に設けられたイン
クジェット加色部22が動作して、加色用革1上に画像
データに応じたインク噴射による加色が行われる。加色
が終了して搬送手段によってインクジェット加色装置2
から排出された加色済みの革1を自然乾燥させる。
インクジェット加色装置2における革の搬送手段である
搬送ローラ対(搬送駆動ローラ23及び搬送従動ローラ
24)の搬送方向上流側にセットする。インクジェット
加色の準備(インクジェットヘッドの回復処理及び画像
データの設定など)が行われて、加色工程を開始する
と、まず搬送駆動ローラ23及びそれに従動する搬送従
動ローラ24が回転を始め、搬送駆動ローラ23に先端
部がつき当たっている加色用革1が回転している搬送ロ
ーラ対の圧接部に引き込まれることによって、加色用革
1が搬送手段に自動的に装着される。次いでこの加色用
革1の搬送に同期をとって、搬送路上に設けられたイン
クジェット加色部22が動作して、加色用革1上に画像
データに応じたインク噴射による加色が行われる。加色
が終了して搬送手段によってインクジェット加色装置2
から排出された加色済みの革1を自然乾燥させる。
【0050】次に本発明で使用するインクジェット加色
装置2の構成について説明する。図4は本実施例のイン
クジェット加色装置の構成例の主要部を示したものであ
るが、この図において、キャリッジ26には、ブラッ
ク、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクがそれ
ぞれ詰め込まれた4個のインクタンク21と、4色のイ
ンクを噴射させるための4個のインクジェットヘッド3
とを一体化した一体型ヘッドカートリッジ22が搭載さ
れている。これらのインクタンクには以下に挙げる
(A)から(D)のインクがそれぞれ充填されている。
装置2の構成について説明する。図4は本実施例のイン
クジェット加色装置の構成例の主要部を示したものであ
るが、この図において、キャリッジ26には、ブラッ
ク、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクがそれ
ぞれ詰め込まれた4個のインクタンク21と、4色のイ
ンクを噴射させるための4個のインクジェットヘッド3
とを一体化した一体型ヘッドカートリッジ22が搭載さ
れている。これらのインクタンクには以下に挙げる
(A)から(D)のインクがそれぞれ充填されている。
【0051】 [インク(A)] C.I.フードブラック2(染料) 3% チオジグリコール 10% アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物 0.05% 水 残量 [インク(B)] C.I.アシッドブルー9(染料) 2.5% チオジグリコール 10% アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物 0.05% 水 残量 [インク(C)] C.I.アシッドレッド289(染料) 2.5% チオジグリコール 10% アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物 0.05% 水 残量 [インク(D)] C.I.ダイレクトイエロー86(染料) 2% チオジグリコール 10% アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物 0.05% 水 残量
【0052】なおそれぞれのインクは、全成分を混合し
て2時間撹拌した後、フロロポアフィルターFP−10
0(商品名、住友電工製)にて加圧濾過して得る。
て2時間撹拌した後、フロロポアフィルターFP−10
0(商品名、住友電工製)にて加圧濾過して得る。
【0053】続いて本実施例のインクジェット加色装置
の動作について説明する。図4で、本実施例では所定の
大きさに切断された加色用革1を安定してインクジェッ
ト加色部に送り込むために傾斜した給送トレイ25を設
け、この給送トレイに沿って加色用革1が搬送駆動ロー
ラ23と搬送従動ローラ24との間に正しく挿入される
構成としている。この状態で搬送駆動ローラ23を矢印
Aの方向に回転駆動することにより、加色用革1が搬送
ローラ対の圧接部で導かれ、インクジェット加色部に順
次送られていく。キャリッジ26はインク噴射を行って
いないとき、あるいはインクジェットヘッドの回復作業
などを行うときにはホームポジション(不図示)に待機
するようになっている。
の動作について説明する。図4で、本実施例では所定の
大きさに切断された加色用革1を安定してインクジェッ
ト加色部に送り込むために傾斜した給送トレイ25を設
け、この給送トレイに沿って加色用革1が搬送駆動ロー
ラ23と搬送従動ローラ24との間に正しく挿入される
構成としている。この状態で搬送駆動ローラ23を矢印
Aの方向に回転駆動することにより、加色用革1が搬送
ローラ対の圧接部で導かれ、インクジェット加色部に順
次送られていく。キャリッジ26はインク噴射を行って
いないとき、あるいはインクジェットヘッドの回復作業
などを行うときにはホームポジション(不図示)に待機
するようになっている。
【0054】インク噴射開始前、図の位置(ホームポジ
ション)にあるキャリッジ26は、インク噴射開始命令
がくると、キャリッジガイド軸27に沿って移動しなが
ら、リニアエンコーダの読み取り信号に基づいてタイミ
ングを取ってインクジェットヘッド上の各ノズルより画
像信号に応じて4色のインクを噴射することにより、被
加色面上に加色幅sだけのインク噴射を行う。この動作
により、被加色面上にはブラックインク、シアンイン
ク、マゼンタインク、イエローインクの順でインク滴が
到達して画像の元となるドットが形成される。被加色面
端部までこの動作が終了するとキャリッジ26は元のホ
ームポジションに戻り、再び次の行のインク噴射を行
う。
ション)にあるキャリッジ26は、インク噴射開始命令
がくると、キャリッジガイド軸27に沿って移動しなが
ら、リニアエンコーダの読み取り信号に基づいてタイミ
ングを取ってインクジェットヘッド上の各ノズルより画
像信号に応じて4色のインクを噴射することにより、被
加色面上に加色幅sだけのインク噴射を行う。この動作
により、被加色面上にはブラックインク、シアンイン
ク、マゼンタインク、イエローインクの順でインク滴が
到達して画像の元となるドットが形成される。被加色面
端部までこの動作が終了するとキャリッジ26は元のホ
ームポジションに戻り、再び次の行のインク噴射を行
う。
【0055】この最初のインク噴射が終了してから2回
目のインク噴射が始まる前までに、搬送駆動ローラ23
が回転することにより加色幅sだけの加色用革1の搬送
を行う。このようにしてキャリッジの1走査ごとにイン
クジェットヘッドの加色幅sだけのインク噴射と革搬送
を繰り返し行い、被加色面上の画像形成が完成する。全
ての加色が終了した時点で搬送手段による排出を行うと
同時に、加色時に平坦な加色面を形成していたプラテン
28が排出方向に傾斜して、後端部の排出を補助する構
成としている。排出の補助を行うために、加色部の下流
側に拍車ローラなどの手段を設けてもよい。
目のインク噴射が始まる前までに、搬送駆動ローラ23
が回転することにより加色幅sだけの加色用革1の搬送
を行う。このようにしてキャリッジの1走査ごとにイン
クジェットヘッドの加色幅sだけのインク噴射と革搬送
を繰り返し行い、被加色面上の画像形成が完成する。全
ての加色が終了した時点で搬送手段による排出を行うと
同時に、加色時に平坦な加色面を形成していたプラテン
28が排出方向に傾斜して、後端部の排出を補助する構
成としている。排出の補助を行うために、加色部の下流
側に拍車ローラなどの手段を設けてもよい。
【0056】また、革の厚さは、原皮の種類あるいは準
備工程や鞣製工程の手法によって、各種のものが生ず
る。従って一体型ヘッドカートリッジ22のインク噴射
面とプラテン28との間の距離を、加色しようとする革
の厚さに合わせて各種設定出来る機構を設けると、より
有効である。
備工程や鞣製工程の手法によって、各種のものが生ず
る。従って一体型ヘッドカートリッジ22のインク噴射
面とプラテン28との間の距離を、加色しようとする革
の厚さに合わせて各種設定出来る機構を設けると、より
有効である。
【0057】図5はインクを噴射するインクジェットヘ
ッド3の構成についての説明図である。配線基板30の
一端は、ヒーターボード31の配線部分と相互に接続さ
れ、更に配線基板30の他端部には、本体装置からの電
気信号を受け入れるための各電気・熱エネルギー変換体
に対応した複数個のパッドが設けられている。このこと
により本体装置からの電気信号は、それぞれの電気・熱
エネルギー変換体に供給されるようになる。ここで各電
気・熱エネルギー変換体は360dpiの密度で等間隔
で配列されている。
ッド3の構成についての説明図である。配線基板30の
一端は、ヒーターボード31の配線部分と相互に接続さ
れ、更に配線基板30の他端部には、本体装置からの電
気信号を受け入れるための各電気・熱エネルギー変換体
に対応した複数個のパッドが設けられている。このこと
により本体装置からの電気信号は、それぞれの電気・熱
エネルギー変換体に供給されるようになる。ここで各電
気・熱エネルギー変換体は360dpiの密度で等間隔
で配列されている。
【0058】配線基板30の裏面を平面で支持する金属
製の支持体32は、インクジェットユニットの底板とな
る。押さえバネ33は、ノズルを形成する溝を設けた天
板34のインク噴射口近傍の領域を線上に弾性的に押し
圧を作用するために、断面略U字形状に折り曲げ形成し
た部分と金属製の支持体32に設けた逃げ穴を利用して
引っかける爪と、バネに作用する力を金属製の支持体3
2で受ける一対の後脚を有している。このバネ力によ
り、配線基板30の取り付けは、天板34とを圧接して
いる。支持体に対する配線基板30の取り付けは、接着
剤などによる貼り付けで行われる。
製の支持体32は、インクジェットユニットの底板とな
る。押さえバネ33は、ノズルを形成する溝を設けた天
板34のインク噴射口近傍の領域を線上に弾性的に押し
圧を作用するために、断面略U字形状に折り曲げ形成し
た部分と金属製の支持体32に設けた逃げ穴を利用して
引っかける爪と、バネに作用する力を金属製の支持体3
2で受ける一対の後脚を有している。このバネ力によ
り、配線基板30の取り付けは、天板34とを圧接して
いる。支持体に対する配線基板30の取り付けは、接着
剤などによる貼り付けで行われる。
【0059】インク供給管35の端部にはフィルター3
6が設けられている。インク供給部材37は、モールド
成型で作られ、天板34もオリフィスプレート部341
と各インク供給口へと導く流路が一体的に形成されてい
る。インク供給部材37の支持体32に対する固定は、
インク供給部材37の裏面側の2本のピン(不図示)を
支持体32の2つの穴38及び39にそれぞれ貫通突出
させ、これを熱融着することにより簡単に行われる。こ
の際、オリフィスプレート部341とインク供給部材3
7との隙間を封止し、更に支持基板32に設けられた溝
40を通り、オリフィスプレート部341と支持基板3
2前端部との隙間を完全に封止する。
6が設けられている。インク供給部材37は、モールド
成型で作られ、天板34もオリフィスプレート部341
と各インク供給口へと導く流路が一体的に形成されてい
る。インク供給部材37の支持体32に対する固定は、
インク供給部材37の裏面側の2本のピン(不図示)を
支持体32の2つの穴38及び39にそれぞれ貫通突出
させ、これを熱融着することにより簡単に行われる。こ
の際、オリフィスプレート部341とインク供給部材3
7との隙間を封止し、更に支持基板32に設けられた溝
40を通り、オリフィスプレート部341と支持基板3
2前端部との隙間を完全に封止する。
【0060】図6はブラック、シアン、マゼンタ、イエ
ローの4色のインクをそれぞれ噴射可能な上記4つのヘ
ッド3をフレーム枠50で一体的に組み立てた4ヘッド
一体型のインクジェットカートリッジ22のインクタン
クを取り外した部分の構造を示している。4つのインク
ジェットヘッドはフレーム50内に所定の間隔で取りつ
けられ、しかもノズル列方向の位置合わせも行われて固
定される。51はフレームのカバーであり、53は4つ
のインクジェットヘッドのそれぞれの配線基板30に設
けられたパッドと加色装置本体からの電気信号をつなぐ
ためのコネクタである。
ローの4色のインクをそれぞれ噴射可能な上記4つのヘ
ッド3をフレーム枠50で一体的に組み立てた4ヘッド
一体型のインクジェットカートリッジ22のインクタン
クを取り外した部分の構造を示している。4つのインク
ジェットヘッドはフレーム50内に所定の間隔で取りつ
けられ、しかもノズル列方向の位置合わせも行われて固
定される。51はフレームのカバーであり、53は4つ
のインクジェットヘッドのそれぞれの配線基板30に設
けられたパッドと加色装置本体からの電気信号をつなぐ
ためのコネクタである。
【0061】以上の構成によって革に対する加色が実行
されるが、ここで、インクジェットヘッドよりインクが
噴射されて加色用革1に到達した際のインク滴の挙動、
及び革上に形成されている可溶性樹脂及び粒子集合体の
作用に関して、図1及び図2を参照しながら説明する。
ここで図2は加色用革1を被加色面側よりみた図、即ち
図1におけるV方向より見た場合の代表部分の拡大図で
ある。ここでは、可溶性樹脂及び粒子集合体は、何れも
層を形成しているため、V方向より加色用革1を見る
と、図2のように最表層部の粒子131乃至粒子138
が認められる。インクジェット加色装置によってインク
滴が噴射され、この加色用革1に到達すると、インク滴
は粒子集合体の表面にドット14を形成した後、更に革
1の厚さ方向と略同一の方向に浸透していく。
されるが、ここで、インクジェットヘッドよりインクが
噴射されて加色用革1に到達した際のインク滴の挙動、
及び革上に形成されている可溶性樹脂及び粒子集合体の
作用に関して、図1及び図2を参照しながら説明する。
ここで図2は加色用革1を被加色面側よりみた図、即ち
図1におけるV方向より見た場合の代表部分の拡大図で
ある。ここでは、可溶性樹脂及び粒子集合体は、何れも
層を形成しているため、V方向より加色用革1を見る
と、図2のように最表層部の粒子131乃至粒子138
が認められる。インクジェット加色装置によってインク
滴が噴射され、この加色用革1に到達すると、インク滴
は粒子集合体の表面にドット14を形成した後、更に革
1の厚さ方向と略同一の方向に浸透していく。
【0062】図2で、インク滴からできたドット14の
径と、それに接触している粒子131乃至粒子138の
各粒子径との大きさの関係は、何れにおいてもドット1
4の径が最も大きくなるように構成している。ここで
は、前述しているように平均粒子径は50μmであり、
ドット14の径は90μmである。このためインク滴の
浸透は、粒子集合体に阻害されることなく進むことが可
能であり、更にこれらのスチレン・アクリル共重合体か
らなる粒子は、元々非イオン性のエマルジョン粒子であ
ったため、インク滴と接触する部分は界面活性剤の親水
部の作用で、インクとの親和性をもち、非染着性の特性
をもつ。続いて浸透したインクは、ポリビニルピロリド
ンからなる可溶性樹脂12に接触する。この樹脂は水溶
性であるためインク中の水により溶解して粘着性を発現
すると共に、この層自体の粘度低下を引き起こして粒子
集合体13の間隙中にも一部入り込み、同時に革11内
へも一部入り込む。これによって粒子集合体13中の各
粒子を、加色用皮革1内においてより保持するようにな
る。そしてインクは更に浸透が進み、革11の中にまで
到達、鮮明な加色がなされていく。
径と、それに接触している粒子131乃至粒子138の
各粒子径との大きさの関係は、何れにおいてもドット1
4の径が最も大きくなるように構成している。ここで
は、前述しているように平均粒子径は50μmであり、
ドット14の径は90μmである。このためインク滴の
浸透は、粒子集合体に阻害されることなく進むことが可
能であり、更にこれらのスチレン・アクリル共重合体か
らなる粒子は、元々非イオン性のエマルジョン粒子であ
ったため、インク滴と接触する部分は界面活性剤の親水
部の作用で、インクとの親和性をもち、非染着性の特性
をもつ。続いて浸透したインクは、ポリビニルピロリド
ンからなる可溶性樹脂12に接触する。この樹脂は水溶
性であるためインク中の水により溶解して粘着性を発現
すると共に、この層自体の粘度低下を引き起こして粒子
集合体13の間隙中にも一部入り込み、同時に革11内
へも一部入り込む。これによって粒子集合体13中の各
粒子を、加色用皮革1内においてより保持するようにな
る。そしてインクは更に浸透が進み、革11の中にまで
到達、鮮明な加色がなされていく。
【0063】以上の構成によってできたあがった革への
加色画像は非常に鮮明なものであり、従来紙に対して得
られていた画像と同等の品質であった。しかもこの加色
に関わる時間も従来の染色手法に比べて短縮することが
できた。更に塗装、延伸、縁たち、艶出し等の仕上げ工
程に移行しても、その画像は劣化せず、また革に付与す
る可溶性樹脂及び粒子集合体の量も少量であることか
ら、風合いを損ねることもないため、その後は各種の用
途に応じた加工を施し、革製品とすることができた。
加色画像は非常に鮮明なものであり、従来紙に対して得
られていた画像と同等の品質であった。しかもこの加色
に関わる時間も従来の染色手法に比べて短縮することが
できた。更に塗装、延伸、縁たち、艶出し等の仕上げ工
程に移行しても、その画像は劣化せず、また革に付与す
る可溶性樹脂及び粒子集合体の量も少量であることか
ら、風合いを損ねることもないため、その後は各種の用
途に応じた加工を施し、革製品とすることができた。
【0064】(実施例2)実施例1で加色を終えた革1
を、60℃に調節された恒温槽に入れ、2分間の加熱処
理を施す。この加熱処理の終えた革を35℃、95%R
Hの環境の恒温恒湿槽に12時間放置し、その後恒温恒
湿槽より取り出した。取り出した革は、熱による風合劣
化もなく、更に高湿にさらされて水分が付着したにも関
わらず、加色画像を劣化させることはなかった。もちろ
ん、革の折り曲げや加色面の摩擦等の外力が加わって
も、画像劣化は生じなかった。従ってこの後に仕上げ工
程を経て、革製品への加工が可能であった。
を、60℃に調節された恒温槽に入れ、2分間の加熱処
理を施す。この加熱処理の終えた革を35℃、95%R
Hの環境の恒温恒湿槽に12時間放置し、その後恒温恒
湿槽より取り出した。取り出した革は、熱による風合劣
化もなく、更に高湿にさらされて水分が付着したにも関
わらず、加色画像を劣化させることはなかった。もちろ
ん、革の折り曲げや加色面の摩擦等の外力が加わって
も、画像劣化は生じなかった。従ってこの後に仕上げ工
程を経て、革製品への加工が可能であった。
【0065】(実施例3)図3は本発明による革に加色
用処理を施した際の別の状態を模式的に示す図、また図
7は図3の加色用処理を施した革に対して行うインクジ
ェット加色装置の別の例の主要構成を示す。本実施例に
よる革及び革への加色方法を、図3及び図7を用いて説
明すると、以下の通りである。
用処理を施した際の別の状態を模式的に示す図、また図
7は図3の加色用処理を施した革に対して行うインクジ
ェット加色装置の別の例の主要構成を示す。本実施例に
よる革及び革への加色方法を、図3及び図7を用いて説
明すると、以下の通りである。
【0066】ここでは原皮として成牛の皮を用い、実施
例1と同様に準備工程後、クロム鞣しを行うが、このま
までは革がやや青みがかっているため、次いで脱酸中和
し、更に合成タンニンからなる漂白剤を用いて漂白処理
を施し、厚さ2mmの革91を得る。このようにして得
られた革91に対して、可溶性樹脂及び粒子集合体の付
与処理を、それぞれ以下のように調製した処理液(c)
及び処理液(d)を用いて行う。
例1と同様に準備工程後、クロム鞣しを行うが、このま
までは革がやや青みがかっているため、次いで脱酸中和
し、更に合成タンニンからなる漂白剤を用いて漂白処理
を施し、厚さ2mmの革91を得る。このようにして得
られた革91に対して、可溶性樹脂及び粒子集合体の付
与処理を、それぞれ以下のように調製した処理液(c)
及び処理液(d)を用いて行う。
【0067】 [処理液(c)] (可溶性樹脂処理液) ポリビニルアルコール 2% 水 98% [処理液(d)] (粒子集合体処理液) 酢酸ビニル・アクリル共重合樹脂 35%水系エマルジョン 70% (非イオン性、平均粒子径:40μm、最低造膜温度:100℃) 水 30%
【0068】これらの処理は、まず先の革の銀面に処理
液(c)をスプレーガンにて噴霧、50℃で1分間の乾
燥を行い、0.8g/m2 の付与量とした可溶性樹脂処
理92を施す。次いでその上に処理液(d)をスプレー
ガンにて噴霧、50℃で1分間の乾燥を行い、1.5g
/m2 の付与量とした粒子集合体処理93を施し、加色
用革9を得る。この加色用革9における可溶性樹脂及び
粒子集合体は、革91の表層部から内部にほとんど浸透
した形態となる。こうしてできた加色用革9に、図7に
示すインクジェット加色装置によって加色を行う。
液(c)をスプレーガンにて噴霧、50℃で1分間の乾
燥を行い、0.8g/m2 の付与量とした可溶性樹脂処
理92を施す。次いでその上に処理液(d)をスプレー
ガンにて噴霧、50℃で1分間の乾燥を行い、1.5g
/m2 の付与量とした粒子集合体処理93を施し、加色
用革9を得る。この加色用革9における可溶性樹脂及び
粒子集合体は、革91の表層部から内部にほとんど浸透
した形態となる。こうしてできた加色用革9に、図7に
示すインクジェット加色装置によって加色を行う。
【0069】この加色にあたって、使用するインクを以
下の(E)から(H)とする。
下の(E)から(H)とする。
【0070】 [インク(E)] C.I.リアクティブブラック5(反応染料) 13% チオジグリコール 15% ジエチレングリコール 15% 塩化カルシウム 0.002% 水 残量 [インク(F)] C.I.リアクティブブルー72(反応染料) 13% チオジグリコール 25% トリエチレングリコールモノメチルエーテル 4% 水 残量 [インク(G)] C.I.リアクティブレッド24(反応染料) 10% チオジグリコール 16% ジエチレングリコール 10% テトラエチレングリコールジメチルエーテル 4% 水 残量 [インク(H)] C.I.リアクティブイエロー95(反応染料) 10% チオジグリコール 26% ジエチレングリコール 9% 水 残量
【0071】なおこれらのインクも実施例1で使用した
インクと同様に加圧濾過をする。
インクと同様に加圧濾過をする。
【0072】次に図7のインクジェット加色装置の動作
について説明する。この装置は、革を定形の大きさに切
断する必要がない装置の一例を表している。革は原皮の
種類、あるいは個体によって大きさが異なり、鞣製工程
を経た後でも、通常は先の実施例1で述べたようなA3
版よりも大きな面積である。そこで本例においては、革
の大きさに左右されずに加色が可能であるインクジェッ
ト加色装置6を提供するものである。
について説明する。この装置は、革を定形の大きさに切
断する必要がない装置の一例を表している。革は原皮の
種類、あるいは個体によって大きさが異なり、鞣製工程
を経た後でも、通常は先の実施例1で述べたようなA3
版よりも大きな面積である。そこで本例においては、革
の大きさに左右されずに加色が可能であるインクジェッ
ト加色装置6を提供するものである。
【0073】この図において、基本的な加色の動作は実
施例1で述べた加色装置と同様であるが、鞣製後の革の
大きさにも対応させるため、インクジェット加色部は3
60dpiの密度で多くのノズルを持った大型のインク
ジェットヘッド60と、大量のインクを供給できるよう
にした大型のインク供給装置61を、それぞれキャリッ
ジ62及びキャリッジ63に設けている。そしてこれら
はチューブ64を介して接続することによって、上記の
インク(E)からインク(H)を、それぞれインク別に
仕切られた部屋に充填したインク供給装置61から、イ
ンクジェットヘッド60へのインク供給を行い、また電
装系65からインクジェットヘッド60へ送られてくる
信号によって、2つのキャリッジはフレーム枠66に取
り付けられたガイドレール67及びガイドレール68に
沿って、図の矢印C方向に往復移動して走査すると共
に、インクジェットヘッド60から画像信号に応じたイ
ンクの噴射を開始し、上記の加色用革9に加色可能とし
ている。
施例1で述べた加色装置と同様であるが、鞣製後の革の
大きさにも対応させるため、インクジェット加色部は3
60dpiの密度で多くのノズルを持った大型のインク
ジェットヘッド60と、大量のインクを供給できるよう
にした大型のインク供給装置61を、それぞれキャリッ
ジ62及びキャリッジ63に設けている。そしてこれら
はチューブ64を介して接続することによって、上記の
インク(E)からインク(H)を、それぞれインク別に
仕切られた部屋に充填したインク供給装置61から、イ
ンクジェットヘッド60へのインク供給を行い、また電
装系65からインクジェットヘッド60へ送られてくる
信号によって、2つのキャリッジはフレーム枠66に取
り付けられたガイドレール67及びガイドレール68に
沿って、図の矢印C方向に往復移動して走査すると共
に、インクジェットヘッド60から画像信号に応じたイ
ンクの噴射を開始し、上記の加色用革9に加色可能とし
ている。
【0074】このインクジェット加色装置6を用いて加
色用革9に加色を行う場合の動作を説明すると以下のと
おりである。
色用革9に加色を行う場合の動作を説明すると以下のと
おりである。
【0075】はじめに加色用革9の背面の一端をプラテ
ン69に合わせて装着する(装着部は不図示)。その
後、別に用意されている画像信号発生装置から電装系6
5に送られてくる画像信号に基づいて、インクジェット
ヘッドの各ノズルごとのインク噴射タイミング信号を作
り出し、加色のためのインクを加色用革9に噴射する。
そしてインクジェットヘッドの1回の走査が終了するた
びに、その際に加色を行った幅の分だけ加色用革9を矢
印Bの方向に移動させる。以下この動作を繰り返すこと
によって、加色用革9上に順次加色部分91が現れ、最
終的に加色用革9の全面にわたって加色を完了する。
ン69に合わせて装着する(装着部は不図示)。その
後、別に用意されている画像信号発生装置から電装系6
5に送られてくる画像信号に基づいて、インクジェット
ヘッドの各ノズルごとのインク噴射タイミング信号を作
り出し、加色のためのインクを加色用革9に噴射する。
そしてインクジェットヘッドの1回の走査が終了するた
びに、その際に加色を行った幅の分だけ加色用革9を矢
印Bの方向に移動させる。以下この動作を繰り返すこと
によって、加色用革9上に順次加色部分91が現れ、最
終的に加色用革9の全面にわたって加色を完了する。
【0076】なお、鞣製工程から出てきた革は、形状が
一定しておらず、また端部も直線形態をとっていない。
従ってこの形状のままで図7のインクジェット加色装置
で搬送すると、革面上から画像を形成するインク噴射が
はみ出す場合があり得る。この結果プラテン69上にイ
ンク噴射を行うこととなり、プラテンの表面を汚染す
る。このような症状が発生すると、続いて加色しようと
する革を装着した際に、革の背面を汚染したり、またプ
ラテン上に噴射されたインクが乾燥及び堆積することに
より、プラテン上での革の滑りを阻害したりして、革の
搬送不良を起こし得る。
一定しておらず、また端部も直線形態をとっていない。
従ってこの形状のままで図7のインクジェット加色装置
で搬送すると、革面上から画像を形成するインク噴射が
はみ出す場合があり得る。この結果プラテン69上にイ
ンク噴射を行うこととなり、プラテンの表面を汚染す
る。このような症状が発生すると、続いて加色しようと
する革を装着した際に、革の背面を汚染したり、またプ
ラテン上に噴射されたインクが乾燥及び堆積することに
より、プラテン上での革の滑りを阻害したりして、革の
搬送不良を起こし得る。
【0077】これを回避するために、革をインクジェッ
ト加色装置に装着する際に、加色終了後に容易に剥離可
能な接着剤を塗布してなる紙を用い、その革の非加色
面、即ちここでは肉面に張り付けておいたり、また加色
動作中のキャリッジ走査のたびにプラテン上における革
の端部を検知し、そこから外れている部分から画像デ−
タを削除するような加色動作制御を追加することも有効
である。
ト加色装置に装着する際に、加色終了後に容易に剥離可
能な接着剤を塗布してなる紙を用い、その革の非加色
面、即ちここでは肉面に張り付けておいたり、また加色
動作中のキャリッジ走査のたびにプラテン上における革
の端部を検知し、そこから外れている部分から画像デ−
タを削除するような加色動作制御を追加することも有効
である。
【0078】更に加色が終了した革9は、続いてポリア
ミドの水系エマルジョンを用いた塗装下塗り剤をスプレ
ーガンにて加色面の全面に噴霧、60℃で乾燥をを行
い、その後ラッカーを塗布することで仕上げとする。更
に裁断・縫製等の加工を行って革製品とすることができ
る。
ミドの水系エマルジョンを用いた塗装下塗り剤をスプレ
ーガンにて加色面の全面に噴霧、60℃で乾燥をを行
い、その後ラッカーを塗布することで仕上げとする。更
に裁断・縫製等の加工を行って革製品とすることができ
る。
【0079】以上説明した例によれば、鞣した後の革を
定形の形状に切断する必要もなく、通常に流通する生地
の大きさで多色画像を容易に実現でき、加色工程のさら
なる効率化と迅速化が達成できる。また自由な形状の処
理を実現することができる。更に革の面積が広い場合に
は加色終了後において、その革を丸めたり、折り曲げた
りすることを避けることは困難であるが、このように機
械的な外力が加わっても、本発明による加色用革を用い
ることで画像劣化を起こすことは生じない。
定形の形状に切断する必要もなく、通常に流通する生地
の大きさで多色画像を容易に実現でき、加色工程のさら
なる効率化と迅速化が達成できる。また自由な形状の処
理を実現することができる。更に革の面積が広い場合に
は加色終了後において、その革を丸めたり、折り曲げた
りすることを避けることは困難であるが、このように機
械的な外力が加わっても、本発明による加色用革を用い
ることで画像劣化を起こすことは生じない。
【0080】(実施例4)実施例3における加色直後の
革9を、120℃に調節されたオートロールアイロンに
30秒間通す。この加熱処理の終えた革を実施例2と同
様に35℃、95%RHの環境の恒温恒湿槽に12時間
放置し、その後恒温恒湿槽より取り出した。取り出した
革は、高湿にさらされて水分が付着したにも関わらず、
光沢感のある加色画像を維持することができた。もちろ
ん、革の折り曲げや加色面の摩擦等の外力が加わって
も、画像劣化は生じなかった。従ってこの後に仕上げ工
程を経て、革製品への加工が可能であった。更にこの場
合には、従来から革の製造に利用されているオートロー
ルアイロンで、短時間で加熱処理を行うため、工程のよ
り効率化も図ることもできた。
革9を、120℃に調節されたオートロールアイロンに
30秒間通す。この加熱処理の終えた革を実施例2と同
様に35℃、95%RHの環境の恒温恒湿槽に12時間
放置し、その後恒温恒湿槽より取り出した。取り出した
革は、高湿にさらされて水分が付着したにも関わらず、
光沢感のある加色画像を維持することができた。もちろ
ん、革の折り曲げや加色面の摩擦等の外力が加わって
も、画像劣化は生じなかった。従ってこの後に仕上げ工
程を経て、革製品への加工が可能であった。更にこの場
合には、従来から革の製造に利用されているオートロー
ルアイロンで、短時間で加熱処理を行うため、工程のよ
り効率化も図ることもできた。
【0081】(実施例5)本発明による革に加色用処理
を施した際の更に別の状態として、可溶性樹脂が革の中
に浸透し、粒子集合体が層形成をなす場合もある。これ
には実施例3で用いた処理液(c)と実施例1で用いた
処理液(b)を用いて構成することができる。
を施した際の更に別の状態として、可溶性樹脂が革の中
に浸透し、粒子集合体が層形成をなす場合もある。これ
には実施例3で用いた処理液(c)と実施例1で用いた
処理液(b)を用いて構成することができる。
【0082】本例では実施例1と同じ馬革を用い、この
肉面に対して加色用皮革処理を行う。まず処理液(c)
をスプレーガンにて噴霧、50℃で1分間の乾燥を行
い、0.8g/m2 の付与量とした可溶性樹脂処理95
を施す。次いでその上に処理液(b)をスプレーガンに
て噴霧、40℃で30秒間の乾燥を行い、1.5g/m
2 の付与量とした粒子集合体層を形成し、加色用革を得
る。このようにしてできた加色用革に、図7に示すイン
クジェット加色装置によって加色を行う。これによって
も高品位の加色画像が得られ、仕上げ工程を行う際にも
画像劣化の問題は生じなかった。この形態は相対的に表
面平滑性の低い肉面に加色を実施する場合によい。
肉面に対して加色用皮革処理を行う。まず処理液(c)
をスプレーガンにて噴霧、50℃で1分間の乾燥を行
い、0.8g/m2 の付与量とした可溶性樹脂処理95
を施す。次いでその上に処理液(b)をスプレーガンに
て噴霧、40℃で30秒間の乾燥を行い、1.5g/m
2 の付与量とした粒子集合体層を形成し、加色用革を得
る。このようにしてできた加色用革に、図7に示すイン
クジェット加色装置によって加色を行う。これによって
も高品位の加色画像が得られ、仕上げ工程を行う際にも
画像劣化の問題は生じなかった。この形態は相対的に表
面平滑性の低い肉面に加色を実施する場合によい。
【0083】以上実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明してきた。これらの実施例においては、インクジェ
ット方式による加色で説明してきたが、液状インクを用
いるのであれば、筆や型版による方法も同様の効果が得
られる。
説明してきた。これらの実施例においては、インクジェ
ット方式による加色で説明してきたが、液状インクを用
いるのであれば、筆や型版による方法も同様の効果が得
られる。
【0084】最後に、本発明による皮革加色方法の非常
に有効な手段であるインクジェット方式について説明を
追加しておく。
に有効な手段であるインクジェット方式について説明を
追加しておく。
【0085】本発明に利用されるインクジェット方式
は、画像を300dpiや360dpiあるいはこれ以
上の600dpi等の密度に分割されたドットで構成
し、それらの個々のドットに対応するインクを微細なノ
ズルから液滴として噴射し、被加色面に着弾させるもの
である。このためドット単位の加色が可能であり、均一
な色調で鮮明な画像を描き出すことができる。またイン
クジェット方式は非接触であるため、皮革表面の平滑性
及び皮革の背面の支持等において、厳密な均一性を保つ
必要性はなく、更に複数色の液滴を1回の工程で噴射さ
せることが可能であるため、多色画像の形成を短時間で
可能とすることができる。
は、画像を300dpiや360dpiあるいはこれ以
上の600dpi等の密度に分割されたドットで構成
し、それらの個々のドットに対応するインクを微細なノ
ズルから液滴として噴射し、被加色面に着弾させるもの
である。このためドット単位の加色が可能であり、均一
な色調で鮮明な画像を描き出すことができる。またイン
クジェット方式は非接触であるため、皮革表面の平滑性
及び皮革の背面の支持等において、厳密な均一性を保つ
必要性はなく、更に複数色の液滴を1回の工程で噴射さ
せることが可能であるため、多色画像の形成を短時間で
可能とすることができる。
【0086】更にインクジェット方式は、インクを噴射
させる複数のノズル列を、インクの噴射と共に皮革に対
して相対的に移動させることで、一層の高密度化や加色
領域の鮮明さを向上できる。このことから、皮革表面の
特定部分領域にのみ、インク噴射による単色あるいは複
合色による画像やマークを形成できるので、部分的な特
色領域を強調したり、あるいはぼかしたりすることも可
能である。この逆に、マスク等によって部分的な特色領
域のみに前述の加色用皮革処理を施し、インク噴射によ
る加色領域を一層強調することもできる。
させる複数のノズル列を、インクの噴射と共に皮革に対
して相対的に移動させることで、一層の高密度化や加色
領域の鮮明さを向上できる。このことから、皮革表面の
特定部分領域にのみ、インク噴射による単色あるいは複
合色による画像やマークを形成できるので、部分的な特
色領域を強調したり、あるいはぼかしたりすることも可
能である。この逆に、マスク等によって部分的な特色領
域のみに前述の加色用皮革処理を施し、インク噴射によ
る加色領域を一層強調することもできる。
【0087】ほかに、インク噴射による皮革表面の加色
の利点を挙げれば、銀面上で毛穴やしわ等の非平滑部分
が存在していても、その部分のみインクの噴射量を変更
して、他の部分(平滑部分や周辺領域)との色むらや色
抜けが生じないようにすることもできる。逆に、銀面が
均一でも、インク噴射量をプログラムや加色システムの
ホスト上での画像処理等で調整あるいは変更すること
で、所望の濃度分布や階調を得ることも可能であり、各
種の画像表現が可能となる。
の利点を挙げれば、銀面上で毛穴やしわ等の非平滑部分
が存在していても、その部分のみインクの噴射量を変更
して、他の部分(平滑部分や周辺領域)との色むらや色
抜けが生じないようにすることもできる。逆に、銀面が
均一でも、インク噴射量をプログラムや加色システムの
ホスト上での画像処理等で調整あるいは変更すること
で、所望の濃度分布や階調を得ることも可能であり、各
種の画像表現が可能となる。
【0088】またインクジェット方式によるインクの噴
射において、従来の紙を用いて行う場合には、解像性の
低下、色間の滲み出し、裏抜け及び定着時間の増大など
の点で、インクの最大打込量は制限され、通常はインク
の最大打ち込み量は水系インクの場合で16〜28nl
/mm2 程度に収めるように設計することが一般的であ
る。しかしながら、本発明の皮革加色方法の場合には、
皮革の種類や厚さ、更には可溶性樹脂・粒子集合体の付
与状態にもよるが、更に多くのインクを与えることも可
能である。数値を挙げれば、通常の2倍以上の16〜5
0nl/mm2程度まで可能である。特に、加色時の駆
動周波数に対応するインクジェットヘッドの走査速度よ
りも小さい速度で高密度加色、例えば1/2の走査速度
で倍密度加色をしたり、同一の加色領域を複数回の走査
で重ねたりして、各種の画像表現が実現できる。
射において、従来の紙を用いて行う場合には、解像性の
低下、色間の滲み出し、裏抜け及び定着時間の増大など
の点で、インクの最大打込量は制限され、通常はインク
の最大打ち込み量は水系インクの場合で16〜28nl
/mm2 程度に収めるように設計することが一般的であ
る。しかしながら、本発明の皮革加色方法の場合には、
皮革の種類や厚さ、更には可溶性樹脂・粒子集合体の付
与状態にもよるが、更に多くのインクを与えることも可
能である。数値を挙げれば、通常の2倍以上の16〜5
0nl/mm2程度まで可能である。特に、加色時の駆
動周波数に対応するインクジェットヘッドの走査速度よ
りも小さい速度で高密度加色、例えば1/2の走査速度
で倍密度加色をしたり、同一の加色領域を複数回の走査
で重ねたりして、各種の画像表現が実現できる。
【0089】ほかにインクジェット方式自体にも各種の
方式が存在し、主なものとしては荷電制御型、ピエゾ素
子による噴射方式、発熱素子による噴射方式等がある。
この中でも、実施例においても挙げた発熱素子による噴
射方式は、インクジェットヘッドの高密度化を行いやす
いという点で好適であり、より高い品質の画像を得るこ
ともできる。
方式が存在し、主なものとしては荷電制御型、ピエゾ素
子による噴射方式、発熱素子による噴射方式等がある。
この中でも、実施例においても挙げた発熱素子による噴
射方式は、インクジェットヘッドの高密度化を行いやす
いという点で好適であり、より高い品質の画像を得るこ
ともできる。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来難しい点があった皮革への安定した画像表現を、容
易に実施できる加色用皮革処理方法及び皮革加色方法を
提供することができた。更にこれにより、濃淡画や多色
画を含む高画質画像をも、効率的に実現することも可能
となった。そして加色後の仕上げ工程に対して制約を加
えることなく、高い画像信頼性を得ることができた。こ
れらの方法は、高画質の画像が得られることに加え、少
量多品種の生産も可能であり、市場の細かな要求にも対
応可能となるものである。
従来難しい点があった皮革への安定した画像表現を、容
易に実施できる加色用皮革処理方法及び皮革加色方法を
提供することができた。更にこれにより、濃淡画や多色
画を含む高画質画像をも、効率的に実現することも可能
となった。そして加色後の仕上げ工程に対して制約を加
えることなく、高い画像信頼性を得ることができた。こ
れらの方法は、高画質の画像が得られることに加え、少
量多品種の生産も可能であり、市場の細かな要求にも対
応可能となるものである。
【図1】実施例1における加色用革の構成を模式的に示
す厚さ方向の断面図である。
す厚さ方向の断面図である。
【図2】実施例1における加色用革にインク滴を噴射し
た際に形成されるドットを示す模式図である。
た際に形成されるドットを示す模式図である。
【図3】実施例3における加色用革の構成を模式的に示
す厚さ方向の断面図である。
す厚さ方向の断面図である。
【図4】実施例1におけるインクジェット加色装置の主
要構成図である。
要構成図である。
【図5】本発明に適用できるインクジェットヘッドの構
成図である。
成図である。
【図6】本発明に適用できるカラーインクジェットヘッ
ドの構成図である。
ドの構成図である。
【図7】実施例3におけるインクジェット加色装置の主
要構成図である。
要構成図である。
1、9 加色用革 2、6 インクジェット加色装置 3 インクジェットヘッド 11、91 革 12、92 可溶性樹脂 13、93 粒子集合体 131〜138 粒子 14 インク滴により形成されるドット
Claims (15)
- 【請求項1】 液状インクで加色される皮革上に行う加
色用皮革処理方法であって、該皮革の被加色面上に、少
なくとも該液状インクに対して可溶性を示す樹脂を付与
する工程と、前記液状インクに対して親和性を有する官
能基をもつ粒子の集合体を付与する工程と、を有するこ
とを特徴とする加色用皮革処理方法。 - 【請求項2】 少なくとも前記樹脂を該皮革の被加色面
から内部に浸透させることを特徴とする請求項1に記載
の加色用皮革処理方法。 - 【請求項3】 前記樹脂あるいは前記粒子の集合体の少
なくとも一方を、前記皮革の被加色面上で層形成させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加色用
皮革処理方法。 - 【請求項4】 前記樹脂及び前記粒子の集合体のそれぞ
れの付与量が、前記皮革に対して0.01g/m2 以上
10g/m2 以下であることを特徴とする請求項1乃至
請求項3いずれかに記載の加色用皮革処理方法。 - 【請求項5】 前記樹脂は、少なくとも前記液状インク
による溶解で粘着性を帯びることを特徴とする請求項1
乃至請求項4いずれかに記載の加色用皮革処理方法。 - 【請求項6】 前記粒子の集合体は、前記皮革の被加色
面に沿った配列面を形成していることを特徴とする請求
項1乃至請求項4いずれかに記載の加色用皮革処理方
法。 - 【請求項7】 前記粒子の集合体は、前記液状インクと
同種の液体成分で乳化処理されたエマルジョンの粒子の
集合体であることを特徴とする請求項6に記載の加色用
皮革処理方法。 - 【請求項8】 前記エマルジョンの最低造膜温度は、皮
革処理段階から皮革加色段階までの処理環境よりも高い
温度であることを特徴とする請求項7に記載の加色用皮
革処理方法。 - 【請求項9】 前記樹脂及び前記粒子の集合体が非染着
性であることを特徴とする請求項1乃至請求項8いずれ
かに記載の加色用皮革処理方法。 - 【請求項10】 前記液状インク中の色材は、水により
溶解又は分散されていることを特徴とする請求項1乃至
請求項9いずれかに記載の加色用皮革処理方法。 - 【請求項11】 請求項1乃至請求項9いずれかに記載
の加色用皮革処理方法が前記皮革の銀面及び/又は肉面
に対してなされてできあがる皮革に、インクジェット方
式で前記液状インクを噴射して加色を行うことを特徴と
する皮革加色方法。 - 【請求項12】 前記液状インクで加色を行った皮革
に、前記粒子の集合体を皮膜化させる温度以上で加熱処
理を施す工程を有することを特徴とする請求項11に記
載の皮革加色方法。 - 【請求項13】 請求項11又は請求項12に記載の皮
革加色方法によってインク噴射加色がなされた皮革及び
皮革製品。 - 【請求項14】 皮革の被加色面上に液状インクに対し
て可溶性を示す樹脂及び該液状インクに対して親和性を
有する官能基をもつ粒子の集合体が付与されてなる加色
用皮革に、液状インクで加色後、前記樹脂の粘着性によ
り前記粒子の集合体を該皮革に保持させることを特徴と
する皮革。 - 【請求項15】 皮革の被加色面上に液状インクに対し
て可溶性を示す樹脂及び該液状インクに対して親和性を
有する官能基をもつ粒子の集合体が付与されてなる加色
用皮革に、液状インクを滴状に噴射して加色を行う皮革
加色方法であって、前記粒子の集合体における粒子径が
前記滴状のインクにより形成されるドットの径よりも小
さいことを特徴とする皮革加色方法。
Priority Applications (9)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06260695A JP3524200B2 (ja) | 1994-04-15 | 1995-03-22 | 加色用皮革処理方法、該処理がなされた皮革に行う皮革加色方法及び該皮革加色方法によって製造された皮革製品 |
| DE69525279T DE69525279T2 (de) | 1994-04-15 | 1995-04-12 | Behandlung von Leder zum Einfärben desselben, sowie gefärbtes Leder |
| AU16459/95A AU692833B2 (en) | 1994-04-15 | 1995-04-12 | Leather treatment process for leather coloring, leather coloring process performed on leather thereby treated, and leather article produced by the leather coloring process |
| ES95105546T ES2171475T3 (es) | 1994-04-15 | 1995-04-12 | Procedimiento para el tratamiento de cuero, para su coloracion y cuero de color. |
| EP95105546A EP0681054B1 (en) | 1994-04-15 | 1995-04-12 | Leather treatment process for leather coloring, and colored leather |
| CA002147095A CA2147095C (en) | 1994-04-15 | 1995-04-13 | Leather treatment process for leather coloring, leather coloring process performed on leather thereby treated, and leather article produced by the leather coloring process |
| KR1019950008766A KR0137798B1 (ko) | 1994-04-15 | 1995-04-14 | 피혁 착색용 피혁 처리 방법, 그에 의해 처리된 피혁에 행해지는 피혁 착색 방법 및 그 피혁 착색 방법에 의해 제조된 피혁제품 |
| CN95104398A CN1110600C (zh) | 1994-04-15 | 1995-04-14 | 皮革处理方法、在处理后的皮革上进行皮革着色的方法及皮革制品 |
| US08/711,003 US5676707A (en) | 1994-04-15 | 1996-09-11 | Leather coloring process comprising jetting ink onto a treated leather |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7701594 | 1994-04-15 | ||
| JP6-77015 | 1994-04-15 | ||
| JP06260695A JP3524200B2 (ja) | 1994-04-15 | 1995-03-22 | 加色用皮革処理方法、該処理がなされた皮革に行う皮革加色方法及び該皮革加色方法によって製造された皮革製品 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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