JPH07334204A - ディジタルpid制御装置 - Google Patents

ディジタルpid制御装置

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JPH07334204A
JPH07334204A JP12746594A JP12746594A JPH07334204A JP H07334204 A JPH07334204 A JP H07334204A JP 12746594 A JP12746594 A JP 12746594A JP 12746594 A JP12746594 A JP 12746594A JP H07334204 A JPH07334204 A JP H07334204A
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JP
Japan
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control
differential time
digital
differential
time
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Application number
JP12746594A
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English (en)
Inventor
Kazuo Hiroi
和男 広井
Mitsuhiro Tanabe
光広 田名部
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、常にプラントを安定な方向で運転
可能とする。 【構成】 制御対象からの制御量と当該目標値の目標値
との偏差に対してディジタルPI制御演算を実行し、ま
た前記偏差または前記制御量に対して制御演算周期およ
び微分時間を用いてディジタルD制御演算を実行し、こ
れら演算出力を合成し操作信号として制御対象8に印加
するディジタルPID制御装置において、前記制御演算
周期と前記微分時間との間の相互の関係から、制御が不
安定となる領域の微分時間が設定されたとき、微分時間
を更新しないようにする不安定領域判定手段12と、こ
の不安定領域判定手段で微分時間が不安定領域となる微
分時間であると判定されたとき、微分時間を更新しない
旨の警報またはメッセージを出力する報知手段14とを
設けたディジタルPID制御装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種のプロセス計装制
御システム等に利用されるディジタルPID(P:比
例、I:積分、D:微分)制御装置に係わり、特に微分
時間の設定機能を改良したディジタルPID制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】PID制御装置は、制御の有史以来あら
ゆる産業分野で多用されており、もはや各産業分野の制
御装置にはPID制御装置無しには成り立たなくなって
きている。
【0003】従来,種々の制御方式が提案されており、
また時代の推移とともに制御演算もアナログ演算方式か
らディジタル演算方式に移行してきているが、今後とも
PID制御装置の王座は変わりそうにない。
【0004】PID制御の基本式は、偏差に比例する演
算を行う比例動作(P動作)と、偏差の積分に比例する
演算を行う積分動作(I動作)と、偏差の微分に比例す
る演算を行う微分動作(D動作)との和で表現され、伝
達関数の形で表すと(1)式のようになる。
【0005】 C(s) =MV(s) /E(s) =KP {1+(1/TI ・s)+ [(TD ・s)/(1+η・TD ・s)]} ……(1) 但し、C(s) :PIDの伝達関数,MV(s) :操作量,
E(s) :偏差,KP :比例ゲイン,TI :積分時間,T
D :微分時間,s:ラプラス演算子,1/η:微分ゲイ
ンである。
【0006】この(1)式を制御演算周期△tごとのデ
ータを用いて速度形ディジタル演算式で表すと、(2)
式ないし(5)式のようになる。 △MVn =KP {(en −en-1 )+(△t/TI )en +△dn …(2) MVn =MVn-1 +△MVn ……(3) △dn ={TD /(△t+η・TD )}(en −en-1 ) −{△t/(△t+η・TD )}dn-1 ……(4) dn =dn-1 −△dn ……(5) 上式においてMVn :現時点の操作量,MVn-1 :前回
の制御演算周期時点の操作量,△MVn :前回から現時
点までの操作量の変化分,en :現時点の偏差の大き
さ,en-1 :前回の制御演算周期時点の偏差の大きさ,
dn :現時点の微分動作出力,dn-1 :前回の制御演算
周期時点までの微分の変化分,△dn :前回から現時点
までの微分動作出力の変化分である。
【0007】図4は前記(2)式〜(5)式を用いた従
来のディジタルPID制御装置の構成を示す図である。
この制御装置は、目標値SVn および制御量PVn を偏
差演算手段51に導き、ここで(SVn −PVn )なる
演算を行って偏差en を求めた後、当該偏差en を速度
形比例制御手段52、速度形積分制御手段53および速
度形微分制御手段54に印加する。この速度形比例制御
手段52では△Pn =(en −en-1 )なる演算を実行
し、速度形積分制御手段53では△In =(△t/T
I )en なる演算を実行し、また速度形微分制御手段5
4では前記(4)式の演算を実行して△dn を求めると
ともに、これら演算結果を加算手段55により加算合成
して比例ゲイン手段56に導く。
【0008】この比例ゲイン手段56では、加算合成出
力に比例ゲインKP を乗ずることにより、 △MVn =KP (△Pn +△In +△dn ) ……(6) なる速度形制御信号を求めて速度形/位置形信号変換手
段57に印加し、ここで前記(3)式の演算を行って位
置形信号に変換した後、制御対象58に印加する。そし
て、制御量検出手段59によって制御対象58の制御量
PVn を検出し、前記偏差演算手段51に導入する。従
って、この制御装置は、制御量検出手段59によって検
出される制御量PVn と目標値SVn とが等しくなるよ
うに,つまり偏差en =SVn −PVn が零となるよう
に制御する。
【0009】さらに、前記速度形微分制御手段54に対
する微分時間の設定手段は、操作員が新しい微分時間T
D を設定する微分時間設定手段60と、この微分時間設
定手段60から送られてくる微分時間TD に書き替え更
新し、速度形微分制御手段54に新しい微分時間TD ′
=TD を設定する微分時間メモリ手段61とが設けられ
ている。
【0010】ところで、PID制御演算においては、ア
ナログ演算の場合には連続的であるのに対して、ディジ
タル演算の場合には不連続データを用いて一定時間間隔
ごとにPID演算を行うものである。その結果、PID
制御演算は、不連続演算の影響を受け易いが、その中で
も最も影響を受けるのが急峻な変化を取り扱う微分制御
演算である。
【0011】そこで、微分制御演算は、前記(4)式お
よび(5)式の演算を実行するが、このとき微分動作出
力dn が制御演算周期△tの大きさによってどのような
影響を受けるかについて、図5を用いて説明する。
【0012】この図5は、微分時間TD =2sec ,η=
0.1を一定とし、制御演算周期△tを種々変化させた
ときの微分動作出力dn を示す図である。同図(a)は
制御演算周期を△t=0.01sec としたときの微分動
作出力dn であり、同図(b)は制御演算周期を△t=
0.05sec としたときの微分動作出力dn であり、同
図(c)は制御演算周期を△t=0.1sec としたとき
の微分動作出力dn であり、同図(d)は制御演算周期
を△t=0.2sec としたときの微分動作出力dn であ
り、さらに、同図(e)は制御演算周期を△t=0.5
sec としたときの微分動作出力dn である。図6は図5
(a),(b),(d),(e)の動作出力特性を重ね
合せた図である。
【0013】従って、これら図5および図6から次のこ
とが言える。 (イ) 微分動作出力は制御演算周期△tの大きさの影
響を大きく受けること。 (ロ) 制御演算周期△tが大きくなると、微分動作が
強くなる方向に影響を受けること。
【0014】例えば、図5(a)は、制御演算周期が非
常に小さいのでアナログ微分動作出力と同様な微分動作
出力が得られるが、制御演算周期が大きくなるに従って
微分動作出力が本来の特性とはならず、また同図(e)
の制御演算周期△t=0.5sec のごとく大きくなる
と、0sec から連続性をもって変化すべきであるにも拘
らず、0.5sec 経過後に微分動作出力が現れ、しかも
本来の微分効果が何ら得られない。
【0015】さらに、通常のプラント制御においては、
微分時間TD =0.5〜10sec の範囲で多用されてお
り、また能力的には制御演算周期△t=0.1〜1sec
の間で使用するのがほとんどであると言える。その理由
は、この種のプラント計装システムには多数のコントロ
ーラ,つまりディジタルPID制御装置を有するマルチ
ループとなっている場合が多く、制御演算周期△tを小
さくできないためである。このことは、図5からも明ら
かなように、最も影響を受け易い領域で使用せざるを得
ないのが現状である。
【0016】そこで、ディジタルPID制御装置を用い
て制御ループを組込んだとき、制御演算周期△tの大き
さが制御性にどのような影響を与えるかについて、図7
を参照して説明する。図7は、制御対象58の伝達関数
がG(s) ={1/(1+5s)}e-2s であり、かつ、
△t=0.01sec のときのPIDパラメータの最適値
がKP =3.04,TI =3.24sec ,TD =0.8
63sec ,η=0.1であるとき、△tを0.01sec
→0.1sec →0.4sec →0.5sec →1sec に変化
させたときの制御応答を示している。△t=0.4sec
近傍までは安定であるが、△t=0.5sec となると振
動的となり、△t=1sec になると完全に発散振動とな
って危険な状態となる。つまり、このケースTD /△t
=0.863sec /0.4sec =2.16より大きいと
きは安定であるが、2.13より小さくなると振動的と
なることがわかる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従って、以上のように
アナログPID制御装置では全く問題にならなかった
が、ディジタルPID制御装置では制御演算周期△tの
大きさによって微分動作が大きく影響を受けて制御応答
が大きく異なってくる。
【0018】その結果、従来のディジタルPID制御装
置では、制御演算周期△tと微分時間TD との間の関係
において、微分時間TD の設定値いかんにより、制御応
答が振動的または発散振動となり、プラント機器が損傷
したり、製品の品質を劣化させたり、或いはプラントの
停止をもたらし、最悪の場合にはプラントの爆発を誘起
させることもありうる。今後、PL(製造物責任)が激
しく追求されることが確実となっており、このような事
態は絶対に防止しなければならない。
【0019】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、制御演算周期と微分時間との関係において制御が不
安定となる領域の微分時間の設定を確実に防止するディ
ジタルPID制御装置を提供することを目的とする。
【0020】また、本発明の他の目的は、制御演算周期
と微分時間との関係において制御が不安定となる領域の
微分時間のときに積極的に安定領域に移行させるディジ
タルPID制御装置を提供することにある。
【0021】さらに、本発明の他の目的は、設定された
微分時間が不安定領域に係わる場合に速やかにその旨を
操作員に報知し、計装システムの安全性を確保するディ
ジタルPID制御装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に対応する発明は、制御対象からの制御量
と当該制御量の目標値との偏差に対してディジタルPI
制御演算を実行し、また前記偏差または前記制御量に対
して制御演算周期および微分時間を用いてディジタルD
制御演算を実行し、これら演算出力を合成し操作信号と
して前記制御対象に印加するディジタルPID制御装置
において、前記制御演算周期と前記微分時間との間の相
互の関係から、制御が不安定となる領域の微分時間が設
定されたとき、当該微分時間を更新しないようにする不
安定領域判定手段を設けたディジタルPID制御装置で
ある。
【0023】次に、請求項2に対応する発明は、制御対
象からの制御量と当該制御量の目標値との偏差に対して
ディジタルPI制御演算を実行し、また前記偏差または
前記制御量に対して制御演算周期および微分時間を用い
てディジタルD制御演算を実行し、これら演算出力を合
成し操作信号として前記制御対象に印加するディジタル
PID制御装置において、前記制御演算周期を△tとし
たとき、O<TD <n・△t(但し、nは係数であっ
て,通常n=1〜4)なる範囲の微分時間TD を設定し
ようとしたとき、微分時間のみ、またはPIDパラメー
タの全部を更新できないようにする不安定領域判定手段
を設けたディジタルPID制御装置である。
【0024】さらに、請求項3に対応する発明は、制御
対象からの制御量と当該制御量の目標値との偏差に対し
てディジタルPI制御演算を実行し、また前記偏差また
は前記制御量に対して制御演算周期および微分時間を用
いてディジタルD制御演算を実行し、これら演算出力を
合成し操作信号として前記制御対象に印加するディジタ
ルPID制御装置において、前記制御演算周期△tとし
たとき、O<TD <n・△t(但し、nは係数であっ
て,通常n=1〜4)なる範囲の微分時間TD が設定さ
れたとき、予め記憶されている最も安定領域となるT
D ′=0なる微分時間TD ′を強制的に前記ディジタル
D制御演算に使用する手段を設けたディジタルPID制
御装置である。
【0025】さらに、請求項4に対応する発明は、請求
項1〜3に記載する要件に新たに、設定された微分時間
が不安定領域の微分時間であると判定されたとき、その
判定信号を受けて当該微分時間を更新しない旨を警報出
力またはメッセージ出力する報知手段を付加してなるデ
ィジタルPID制御装置である。
【0026】
【作用】従って、請求項1に対応する発明は、以上のよ
うな手段を講じたことにより、設定された微分時間につ
いて不安定領域判定手段により不安定領域か安定領域か
を調べ、不安定領域と判定されたとき、その設定された
微分時間を更新せずに前回の微分時間をそのまま用いて
微分動作を実行するものである。
【0027】請求項2に対応する発明は、制御演算周期
を△tとしたとき、O<TD <n・△t(但し、nは係
数であって,通常n=1〜4)なる範囲の微分時間TD
を設定しようとしたとき、不安定領域判定手段では、微
分時間のみ、またはPIDパラメータの全部を更新する
のを禁止し、前回の微分時間またはPIDパラメータを
用いてプロセスの安定動作を確保するものである。
【0028】また、請求項3に対応する発明は、前記制
御演算周期△tとしたとき、O<TD <n・△t(但
し、nは係数であって,通常n=1〜4)なる範囲の微
分時間TD が設定されたとき、強制的に最も安定領域と
なるTD ′=0なる微分時間TD ′を設定し、ディジタ
ルD制御演算に用いるものである。
【0029】さらに、請求項4に対応する発明は、設定
された微分時間が不安定領域の微分時間であると判定さ
れたとき、報知手段によって操作員に微分時間を更新し
ない旨,つまり微分時間の設定誤りを知らせ、適切なプ
ロセス操作を実現するものである。
【0030】
【実施例】以下、本発明装置の一実施例について図1を
参照して説明する。同図において1は目標値SVn と制
御量PVn との偏差を求める偏差演算手段であって、こ
の偏差演算手段1で得られた偏差en は速度形比例制御
手段2、速度形積分制御手段3および速度形微分制御手
段4に導入される。
【0031】この速度形比例制御手段2では、現時点の
偏差の大きさen と前回の制御演算周期時点の偏差の大
きさen-1 とを用い、 △Pn =en −en-1 ……(7) なる演算を実行し、比例演算出力△Pn を求める。ま
た、速度形積分制御手段3では、制御演算周期△t、積
分時間TI および偏差en に基づいて、 △TI =(△t/TI )en ……(8) なる演算を実行し、積分演算出力△TI を求める。さら
に、速度形微分制御手段4では、前記(4)式に示すよ
うに微分時間TD 、制御演算周期△t、微分ゲイン1/
η、前回の制御演算周期時点の微分の変化分dn-1 とす
ると、 △dn ={TD /(△t+η・TD )}(en −en-1 ) −{△t/(△t+η・TD )}dn-1 ……(9) なる演算を実行し、微分分演算出力△dn を求める。
【0032】これら制御手段2〜4で求めた各演算出力
△Pn ,△TI ,△dn は、それぞれ加算手段5に導入
され、ここで、 △Pn +△TI +△dn ……(10) なる演算を行って加算合成値を求めた後、比例ゲイン手
段6に導き、加算合成値と比例ゲインKP とに基づい
て、 △MVn =KP (△Pn +△TI +△dn ) ……(11) なる演算によって速度形制御信号△MVn を求める。そ
して、この速度形制御信号△MVn を速度形/位置形信
号変換手段7に導入し、ここで MVn =MVn-1 +△MVn ……(12) なる演算を行って位置形信号に変換し、制御対象8に印
加し、当該制御対象を制御する構成である。9は制御量
PVn を求める制御量検出手段である。
【0033】ところで、ディジタルPID制御装置は、
前述したように制御演算周期△tと微分時間TD との間
の関係において微分時間の設定値により、微分動作が大
きく影響を受け、制御応答が振動的または発散振動とな
る問題がある。
【0034】そこで、本発明装置においては、予め不安
定領域と安定領域とを定めることにより、不安定領域を
判定し、設定すべき微分時間の更新を禁止する手段を設
けるものである。
【0035】具体的には、新しい微分時間TD を入力設
定する微分時間設定手段10と、この微分時間設定手段
10で設定される微分時間TD を更新記憶し、新しい微
分時間TD ′として速度形微分制御手段4の演算のため
に供する微分時間メモリ手段11とが設けられ、さらに
速度形微分制御手段4で用いられる制御演算周期△tと
微分時間設定手段10によって設定される微分時間TD
とを取り込み、所定の判定条件に基づいて設定された微
分時間TD が不安定領域にあるか否かを判定する不安定
領域判定手段12と、常時は非導通状態とし、不安定領
域判定手段12によって微分時間TD が不安定領域にあ
ると判定されたとき微分時間設定手段10から設定する
微分時間の更新を禁止する信号選択手段13とが設けら
れている。
【0036】さらに、不安定領域判定手段12において
微分時間TD が不安定領域にあると判定されたとき、操
作員に微分時間TD が不安定領域にある旨の警報を出力
するとか、或いは当該設定微分時間が不安定領域にある
ことをCRTなどにメッセージ表示する報知手段14が
設けられている。
【0037】なお、速度形微分制御手段4は、偏差en
に基づいて微分演算動作を行う構成としたが、例えば制
御量PVn を直接取り込んで微分演算動作を行う,いわ
ゆる測定値微分先行形のものでもよい。
【0038】次に、本発明装置の要部となる微分時間の
設定動作について説明する。先ず、不安定領域判定手段
12においては、制御演算周期を△t,微分時間をTD
とすると、不安定領域として、 0<TD <n・△t ……(13) と定め、また安定領域として、 TD =0またはn・△t≦TD ……(14) と定める。なお、この(13)式,(14)式における
nは種々のシュミレーションから求めると、n=1〜4
の間にある。このnの値は制御変動をどの程度まで許容
するかに応じて異なる値であるが、多少の幅を持つこと
は止むを得ないことになる。しかし、好ましくは、n=
2〜3の間にあれば、非常に制御性に優れた効果を発揮
する。
【0039】因みに、図7の例では、△t=0.4sec
までを許容すると、n=TD /△t=2.16となるの
で、制御演算周期△t=0.3sec とすると、前記
(4)式から微分時間TD の不安定領域は、 0<TD <0.68sec ……(15) となる。ゆえに、不安定領域判定手段12は、微分時間
TD が(15)式の領域に入ったとき、微分時間設定手
段10から微分時間TD を設定しようとしても設定しな
いようにする。
【0040】不安定領域判定手段12は、具体的には速
度形微分制御手段4で用いられる制御演算周期△tを取
り込み,さらに微分時間設定手段10から微分時間TD
を受けると、前記(13)式に基づく例えばn=1〜4
を用いて、微分時間TD が不安定領域にあるか否かを判
定し、 不安定領域のとき ……… 信号選択手段13は非導通 安定領域のとき ……… 信号選択手段13は導通 とする。
【0041】つまり、不安定領域判定手段12において
不安定領域と判定されたとき、信号選択手段13を非導
通状態のままとすることにより、微分時間設定手段10
から設定される微分時間を禁止し、微分時間メモリ手段
11の微分時間TD ′を更新しない。
【0042】一方、安定領域と判定されたときには信号
選択手段13を導通状態とすることにより、微分時間設
定手段10から設定される微分時間TD に基づいて微分
時間メモリ手段11の微分時間TD ′を更新し、速度形
微分制御手段4に供する微分時間はTD ′=TD とす
る。
【0043】なお、上記実施例は、微分時間TD を自由
に設定可能とする構成であるが、例えば微分時間メモリ
手段11において0<TD <n・△t(1≦n≦4)の
不安定領域となるTD が設定されたとき、実際の微分演
算に適用する微分時間TD ′として、TD ′=0または
TD ′=n・△tを速度形微分制御手段11に設定し、
不安定な制御を禁止することもできる。従って、この場
合の微分時間メモリ手段11には、予め安定領域となる
TD ′=0またはTD ′=n・△tが記憶され、微分時
間設定手段10から不安定領域となる微分時間TD が設
定されたとき、安定領域となるTD ′=0またはTD ′
=n・△tを出力するとか、或いは予め微分時間メモリ
手段11に安定領域となるTD ′=0またはTD ′=n
・△tを記憶し、不安定領域判定手段12において不安
定領域と判定したとき、図2に示すように微分時間メモ
リ手段11に記憶される安定領域となるTD ′=0また
はTD ′=n・△tを強制的に出力するような構成であ
ってもよい。特に、このときTD ′=0を出力すれば、
微分動作が完全に無視された形となり、微分動作による
影響のない安定状態に移行する。この実施例の場合には
信号選択手段13がなくてもよい。
【0044】また、上記実施例は、設定される微分時間
が不安定領域であると判定されたとき、微分時間だけ更
新しないようにしたが、例えば図3に示すように比例ゲ
インメモリ手段21、積分時間メモリ手段22を有し、
パラメータ設定手段23からPIDパラメータを自由に
設定できる構成の場合には、信号選択手段13を非導通
状態のままとし、PIDパラメータ全部を更新しないよ
うにしてもよい。このような構成とする理由は、各制御
パラメータが互いに制御性に大きく関係しているためで
ある。
【0045】さらに、信号選択手段13は不安定領域の
有無に応じて非導通・導通としたが、例えば常時は信号
選択手段13を非導通とし、不安定領域判定手段12に
て安定領域と判定されたときだけ導通し、設定された微
分時間TD を微分時間メモリ手段11の微分時間を更新
する構成でもよく、また不安定領域判定手段12および
信号選択手段13はハード的なブロック構成としたが、
ソフトウエア的に容易に処理可能である。その他、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施でき
る。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、制
御演算周期と微分時間との関係において、設定される微
分時間がプラント運転上不安定な領域となる場合には当
該微分時間の更新を禁止することにより、常に安定な方
向でプラントを運転させることができる。
【0047】また、設定される微分時間がプラント運転
上不安定な領域となる場合には積極的に安定領域となる
微分時間を設定することにより、常に安定,かつ,安全
なサイドでプラントを運転させることができる。
【0048】さらに、設定された微分時間がプラント運
転上不安定な領域となる場合には当該微分時間の更新を
禁止し、かつ、その旨を操作員に報知するので、再度微
分時間を誤設定することがなく、未熟な操作員であって
も学習効果を高めながら安定,かつ,安全なプラント運
転を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるディジタルPID制御装置の一
実施例を示す構成図。
【図2】本発明に係わるディジタルPID制御装置の他
の実施例を示す構成図。
【図3】本発明に係わるディジタルPID制御装置の他
の実施例を示す構成図。
【図4】従来のディジタルPID制御装置を示す構成
図。
【図5】制御演算周期を変化させたときの微分動作出力
の特性図。
【図6】図5に示す複数の微分動作出力を重ね合わせた
図。
【図7】制御演算周期の大きさに応じて変化する制御応
答図。
【符号の説明】
2…速度形比例制御手段、3…速度形積分制御手段、4
…速度形微分制御手段、5…加算手段、6…比例ゲイン
手段、7…速度形/位置形信号変換手段、8…制御対
象、10…微分時間設定手段、11…微分時間メモリ手
段、12…不安定領域判定手段、13…信号選択手段、
14…報知手段。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象からの制御量と当該制御量の目
    標値との偏差に対してディジタルPI(P:比例,I:
    積分)制御演算を実行し、また前記偏差または前記制御
    量に対して制御演算周期および微分時間を用いてディジ
    タルD(D:微分)制御演算を実行し、これら演算出力
    を合成し操作信号として前記制御対象に印加するディジ
    タルPID制御装置において、 前記制御演算周期と前記微分時間との間の相互の関係か
    ら、制御が不安定となる領域の微分時間が設定されたと
    き、当該微分時間を更新しないようにする不安定領域判
    定手段を設けたことを特徴とするディジタルPID制御
    装置。
  2. 【請求項2】 制御対象からの制御量と当該制御量の目
    標値との偏差に対してディジタルPI(P:比例,I:
    積分)制御演算を実行し、また前記偏差または前記制御
    量に対して制御演算周期および微分時間を用いてディジ
    タルD(D:微分)制御演算を実行し、これら演算出力
    を合成し操作信号として前記制御対象に印加するディジ
    タルPID制御装置において、 前記制御演算周期を△tとしたとき、 O<TD <n・△t(但し、nは係数であって,通常n
    =1〜4) なる範囲の微分時間TD を設定しようとしたとき、微分
    時間のみ、またはPIDパラメータの全部を更新できな
    いようにする不安定領域判定手段を設けたことを特徴と
    するディジタルPID制御装置。
  3. 【請求項3】 制御対象からの制御量と当該制御量の目
    標値との偏差に対してディジタルPI(P:比例,I:
    積分)制御演算を実行し、また前記偏差または前記制御
    量に対して制御演算周期および微分時間を用いてディジ
    タルD(D:微分)制御演算を実行し、これら演算出力
    を合成し操作信号として前記制御対象に印加するディジ
    タルPID制御装置において、 前記制御演算周期△tとしたとき、 O<TD <n・△t(但し、nは係数であって,通常n
    =1〜4) なる範囲の微分時間TD が設定されたとき、予め記憶さ
    れている最も安定領域となるTD ′=0なる微分時間T
    D ′を強制的に前記ディジタルD制御演算に使用する手
    段を設けたことを特徴とするディジタルPID制御装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載するディジタルPI
    D制御装置において、設定された微分時間が不安定領域
    の微分時間であると判定されたとき、その判定信号を受
    けて当該微分時間を更新しない旨を警報出力またはメッ
    セージ出力する報知手段を付加したことを特徴とするデ
    ィジタルPID制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1997029407A1 (de) * 1996-02-08 1997-08-14 Heinrich Nikolaus Regelalgorithmus für einen pid-regler
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CN104121252A (zh) * 2013-04-24 2014-10-29 穆格股份有限公司 一种辅助控制变量的最小化延迟检测

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