JPH073363B2 - 熱線の検出方法 - Google Patents
熱線の検出方法Info
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- JPH073363B2 JPH073363B2 JP1112160A JP11216089A JPH073363B2 JP H073363 B2 JPH073363 B2 JP H073363B2 JP 1112160 A JP1112160 A JP 1112160A JP 11216089 A JP11216089 A JP 11216089A JP H073363 B2 JPH073363 B2 JP H073363B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用範囲] 本発明は人体の移動,有熱物体の有無など微少な熱線に
よる熱線強度の変化を検出する新規な方法に関するもの
である. [従来の技術及び問題点] 従来,サーミスタを使用して熱線強度の変化を検出する
方法として,マンガン,コバルト,鉄,銅,遷移金属の
複合酸化物よりなるNTC(Negative Temperature Coeffi
cient)サーミスタを使用する方法が実用化されてい
る.この方法は,NTCサーミスタの有する,熱線強度の増
加に対する導電率の増加を利用し,NTCサーミスタに流れ
る電流変化を測定することにより,熱線強度の変化を検
出するものである. しかしながら,NTCサーミスタは室温で使用できるという
長所を有する反面,抵抗温度係数(α)が一般に−4%
/℃程度と低く,測定感度が小さいという問題点を有し
ていた. 一方,NTCサーミスタと逆の特性を有するサーミスタとし
て,PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミス
タが知られている.このPTCサーミスタは,チタン酸バ
リウムを基体とする組成が一般的であり,これらのPTC
サーミスタはPTCの特性を示す温度領域(以下,PTC領域
という)内で15ー100%/℃という極めて大きな抵抗温
度係数を示すものである. 従って,上記PTCサーミスタを使用することにより高感
度に熱線の変化を検出することが可能となる. しかしながら,PTCサーミスタのPTC領域は,一般に使用
環境温度よりも高い温度領域にあるため,PTCサーミスタ
の温度をかかる温度領域に調節する必要があった.従
来,PTCサーミスタを使用して熱線の強度変化を測定する
方法はいくつか報告されている。例えば、J.E.Ralph,ln
frared Phys.,22,245(1982).には,PTCサーミスタを
外部ヒーターにより一定温度に加熱しながら,該PTCサ
ーミスタに測定用の微小の電圧を印加し、電流値の変化
を測定する方法が記載されている.ところが,上記測定
方法はPTCサーミスタの温度を一定に加熱することが困
難である.特に該PTCサーミスタの温度は,装置の使用
開始時,環境温度の変化等により長時間ハンチングす
る.そのため、熱線が作用していないときの電流値(初
期値)が安定せず,熱線の検出に誤差が生じやすいとい
う問題を有していた. また,上記加熱における問題点を解決する手段として,
使用環境温度にPTC領域を有するPTCサーミスタを使用す
る方法が考えられるが,かかる特性を有するPTCサーミ
スタは一般に抵抗温度係数が小さくなり,しかも使用環
境温度の変化によって抵抗値が数桁も変化し,増幅器を
使用する場合のマッチングが難しいという問題を生じ
る. 以上のような問題により,PTCサーミスタを使用して熱線
を検出する技術は未だ実用化されるに至っていないのが
現状である. [問題点を解決するための手段] 本発明者らは,抵抗温度係数の大きなPTCサーミスタを
熱線の検出に使用すべく鋭意研究を重ねた.その結果,P
TCサーミスタの定温発熱性を利用すれば,該PTCサーミ
スタのPTC領域内に安定して温度の制御ができること及
びPTCサーミスタにかかる自己発熱させるような電圧を
印加した状態においても,PTCサーミスタは良好な応答速
度及び感度を発揮し,特に上記PTCサーミスタを自己発
熱させる電圧を特定の範囲とすることにより,該感度を
より一層上昇させることができることを見いだし本発明
を完成するに至った. 本発明は,PTCサーミスタを使用して熱線を検出するに際
し,該PTCサーミスタの抵抗温度係数が負から正に変わ
る温度以上で且つ使用環境温度よりも2℃以上高い温度
領域に自己発熱する電圧を印加しながら,該PTCサーミ
スタに流れる電流変化を検出することを特徴とする熱線
の検出方法である. 本発明において,PTCサーミスタは公知の材質が特に制限
なく使用される.代表的なPTCサーミスタを例示すれ
ば,チタン酸バリウム(BaTiO3)を主成分としこれに異
種原子価の元素を微量添加して半導体化したチタン酸バ
リウム系PTCサーミスタ,ウレタン樹脂中にカーボンを
分散させたカーボン・ウレタン樹脂系PTCサーミスタ,Ti
O,TiO2,VO2,V2O3などの金属酸化物をメタクリル酸系ポ
リマー等のポリマー中に分散させた金属酸化物・ポリマ
ー系PTCサーミスタなどが挙げられる.この中で大きな
正の抵抗温度特性を示し,特性の安定なチタン酸バリウ
ム系PTCサーミスタが特に好適に用いられる. 上記のチタン酸バリウム系PTCサーミスタは,異種原子
価の元素を微量添加することによって原子価制御型半導
体としたセラミックスである.例えば,Baサイトを置換
する元素としてLa,Ceのような希土類元素が,Tiサイトを
置換する元素としてSb,BiやNbなどの元素が知られてい
る.これらの元素を0.05から0.4モル%添加することがP
TCサーミスタを半導体化させるために好適に用いられ
る. また,チタン酸バリウムを基本とした組成のPTCサーミ
スタのPTC領域は,該PTCサーミスタのPTC領域をシフタ
ーと呼ばれる添加物で変化させることで,−150℃から4
00℃まで連続的に変化させることができる.例えば,人
体検出のような微弱な熱線を検出するためには,素子の
感度を向上させるためにPTC領域を室温付近に下げるこ
とが好ましい.また,高温での熱線測定では素子の温度
を一定に保つためには,PTC領域が使用環境温度より高く
設定すればよい.PTC領域をシフトさせるために添加する
元素は特に限定されない.例えば,PTC領域を高温にシフ
トさせるためのシフターとしてはPbが,PTC領域を低温に
シフトさせるためのシフターとしてはSr,Sn,Zrが好適に
用いられる. さらに,チタン酸バリウム系PTCサーミスタの特性を向
上させるためには様々な添加物を添加することができ
る.例えば,抵抗温度特性を向上させるためにはMn,Cr,
Feなどの元素を0.01〜0.125mol%添加することが好適で
ある.本発明に用いるPTCサーミスタとしては抵抗温度
係数が高いほど、感度、素子温度の安定性が向上するた
め、使用素子温度で10%/℃以上の抵抗温度係数を有す
ることが好ましい。また,焼結体粒子の粒径を均一化
し,抵抗を低く抑え,耐電圧特性を向上させるために,C
aを3〜5mol%,Srを1〜30mol%,Pbを1〜50mol%Baに
置換することが好ましい.また,焼結時の焼結性を向上
させるためにSiO2,TiO2,Al2O3のような液相焼結を起
こさせる助剤を,0.5〜5mol%添加することが好ましい. 本発明において,PTCサーミスタの大きさは適宜決定すれ
ば良いが,電圧の印加による自己発熱を均一に行わせる
ために,厚み1〜200μmの薄膜状とすることが好まし
い. 第1図は,本発明に使用するPTCサーミスタの代表的な
構造を示すものである.1はPTCサーミスタ,1−aは電極,
1−bはリード線である. 本発明において,PTCサーミスタに印加する電圧はPTCサ
ーミスタをPTC領域で且つ使用環境温度より2℃以上高
い温度に自己発熱させるために必要な電圧であれば特に
制限されない.一般には,PTCサーミスタがPTC特性を示
し始める温度,すなわち,PTCサーミスタの抵抗温度係数
が負から正に変わる温度(以下Tfという)以上でPTCサ
ーミスタが最大の抵抗を示す温度(以下Tmという)以下
の範囲にPTCサーミスタを自己発熱させ,且つ使用環境
温度よりも2℃以上高い温度範囲にPTCサーミスタを自
己発熱させる電圧が適宜選択される。特に,Tf以上,Tf+
(Tm−Tf)/2以下で且つ使用環境温度よりも2℃以上高
い温度範囲にPTCサーミスタを自己発熱させる電圧が適
宜選択される。
よる熱線強度の変化を検出する新規な方法に関するもの
である. [従来の技術及び問題点] 従来,サーミスタを使用して熱線強度の変化を検出する
方法として,マンガン,コバルト,鉄,銅,遷移金属の
複合酸化物よりなるNTC(Negative Temperature Coeffi
cient)サーミスタを使用する方法が実用化されてい
る.この方法は,NTCサーミスタの有する,熱線強度の増
加に対する導電率の増加を利用し,NTCサーミスタに流れ
る電流変化を測定することにより,熱線強度の変化を検
出するものである. しかしながら,NTCサーミスタは室温で使用できるという
長所を有する反面,抵抗温度係数(α)が一般に−4%
/℃程度と低く,測定感度が小さいという問題点を有し
ていた. 一方,NTCサーミスタと逆の特性を有するサーミスタとし
て,PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミス
タが知られている.このPTCサーミスタは,チタン酸バ
リウムを基体とする組成が一般的であり,これらのPTC
サーミスタはPTCの特性を示す温度領域(以下,PTC領域
という)内で15ー100%/℃という極めて大きな抵抗温
度係数を示すものである. 従って,上記PTCサーミスタを使用することにより高感
度に熱線の変化を検出することが可能となる. しかしながら,PTCサーミスタのPTC領域は,一般に使用
環境温度よりも高い温度領域にあるため,PTCサーミスタ
の温度をかかる温度領域に調節する必要があった.従
来,PTCサーミスタを使用して熱線の強度変化を測定する
方法はいくつか報告されている。例えば、J.E.Ralph,ln
frared Phys.,22,245(1982).には,PTCサーミスタを
外部ヒーターにより一定温度に加熱しながら,該PTCサ
ーミスタに測定用の微小の電圧を印加し、電流値の変化
を測定する方法が記載されている.ところが,上記測定
方法はPTCサーミスタの温度を一定に加熱することが困
難である.特に該PTCサーミスタの温度は,装置の使用
開始時,環境温度の変化等により長時間ハンチングす
る.そのため、熱線が作用していないときの電流値(初
期値)が安定せず,熱線の検出に誤差が生じやすいとい
う問題を有していた. また,上記加熱における問題点を解決する手段として,
使用環境温度にPTC領域を有するPTCサーミスタを使用す
る方法が考えられるが,かかる特性を有するPTCサーミ
スタは一般に抵抗温度係数が小さくなり,しかも使用環
境温度の変化によって抵抗値が数桁も変化し,増幅器を
使用する場合のマッチングが難しいという問題を生じ
る. 以上のような問題により,PTCサーミスタを使用して熱線
を検出する技術は未だ実用化されるに至っていないのが
現状である. [問題点を解決するための手段] 本発明者らは,抵抗温度係数の大きなPTCサーミスタを
熱線の検出に使用すべく鋭意研究を重ねた.その結果,P
TCサーミスタの定温発熱性を利用すれば,該PTCサーミ
スタのPTC領域内に安定して温度の制御ができること及
びPTCサーミスタにかかる自己発熱させるような電圧を
印加した状態においても,PTCサーミスタは良好な応答速
度及び感度を発揮し,特に上記PTCサーミスタを自己発
熱させる電圧を特定の範囲とすることにより,該感度を
より一層上昇させることができることを見いだし本発明
を完成するに至った. 本発明は,PTCサーミスタを使用して熱線を検出するに際
し,該PTCサーミスタの抵抗温度係数が負から正に変わ
る温度以上で且つ使用環境温度よりも2℃以上高い温度
領域に自己発熱する電圧を印加しながら,該PTCサーミ
スタに流れる電流変化を検出することを特徴とする熱線
の検出方法である. 本発明において,PTCサーミスタは公知の材質が特に制限
なく使用される.代表的なPTCサーミスタを例示すれ
ば,チタン酸バリウム(BaTiO3)を主成分としこれに異
種原子価の元素を微量添加して半導体化したチタン酸バ
リウム系PTCサーミスタ,ウレタン樹脂中にカーボンを
分散させたカーボン・ウレタン樹脂系PTCサーミスタ,Ti
O,TiO2,VO2,V2O3などの金属酸化物をメタクリル酸系ポ
リマー等のポリマー中に分散させた金属酸化物・ポリマ
ー系PTCサーミスタなどが挙げられる.この中で大きな
正の抵抗温度特性を示し,特性の安定なチタン酸バリウ
ム系PTCサーミスタが特に好適に用いられる. 上記のチタン酸バリウム系PTCサーミスタは,異種原子
価の元素を微量添加することによって原子価制御型半導
体としたセラミックスである.例えば,Baサイトを置換
する元素としてLa,Ceのような希土類元素が,Tiサイトを
置換する元素としてSb,BiやNbなどの元素が知られてい
る.これらの元素を0.05から0.4モル%添加することがP
TCサーミスタを半導体化させるために好適に用いられ
る. また,チタン酸バリウムを基本とした組成のPTCサーミ
スタのPTC領域は,該PTCサーミスタのPTC領域をシフタ
ーと呼ばれる添加物で変化させることで,−150℃から4
00℃まで連続的に変化させることができる.例えば,人
体検出のような微弱な熱線を検出するためには,素子の
感度を向上させるためにPTC領域を室温付近に下げるこ
とが好ましい.また,高温での熱線測定では素子の温度
を一定に保つためには,PTC領域が使用環境温度より高く
設定すればよい.PTC領域をシフトさせるために添加する
元素は特に限定されない.例えば,PTC領域を高温にシフ
トさせるためのシフターとしてはPbが,PTC領域を低温に
シフトさせるためのシフターとしてはSr,Sn,Zrが好適に
用いられる. さらに,チタン酸バリウム系PTCサーミスタの特性を向
上させるためには様々な添加物を添加することができ
る.例えば,抵抗温度特性を向上させるためにはMn,Cr,
Feなどの元素を0.01〜0.125mol%添加することが好適で
ある.本発明に用いるPTCサーミスタとしては抵抗温度
係数が高いほど、感度、素子温度の安定性が向上するた
め、使用素子温度で10%/℃以上の抵抗温度係数を有す
ることが好ましい。また,焼結体粒子の粒径を均一化
し,抵抗を低く抑え,耐電圧特性を向上させるために,C
aを3〜5mol%,Srを1〜30mol%,Pbを1〜50mol%Baに
置換することが好ましい.また,焼結時の焼結性を向上
させるためにSiO2,TiO2,Al2O3のような液相焼結を起
こさせる助剤を,0.5〜5mol%添加することが好ましい. 本発明において,PTCサーミスタの大きさは適宜決定すれ
ば良いが,電圧の印加による自己発熱を均一に行わせる
ために,厚み1〜200μmの薄膜状とすることが好まし
い. 第1図は,本発明に使用するPTCサーミスタの代表的な
構造を示すものである.1はPTCサーミスタ,1−aは電極,
1−bはリード線である. 本発明において,PTCサーミスタに印加する電圧はPTCサ
ーミスタをPTC領域で且つ使用環境温度より2℃以上高
い温度に自己発熱させるために必要な電圧であれば特に
制限されない.一般には,PTCサーミスタがPTC特性を示
し始める温度,すなわち,PTCサーミスタの抵抗温度係数
が負から正に変わる温度(以下Tfという)以上でPTCサ
ーミスタが最大の抵抗を示す温度(以下Tmという)以下
の範囲にPTCサーミスタを自己発熱させ,且つ使用環境
温度よりも2℃以上高い温度範囲にPTCサーミスタを自
己発熱させる電圧が適宜選択される。特に,Tf以上,Tf+
(Tm−Tf)/2以下で且つ使用環境温度よりも2℃以上高
い温度範囲にPTCサーミスタを自己発熱させる電圧が適
宜選択される。
上記電圧を印加するための電源としては,直流電源が一
般的に使用される. また,使用環境温度の変化によるPTCサーミスタの温度
の変化を抑え,より精度良く熱線を検出するためには,V
I=G(T−Ta)の関係式に基づき印加する電圧を調節
することで,PTCサーミスタの温度を一定に保つことがで
きる.ここで,Vは印加電圧(V),Iは素子に流れる電流
(A),GはPTCサーミスタの熱放散係数(W/℃),TはPTC
サーミスタの温度(℃),Taは使用環境温度(℃)であ
る. 本発明において,PTCサーミスタに流れる電流変化の検出
方法は特に制限されない.例えば,第2図に示すように
PTCサーミスタ1に流れる電流を電流計2で直接測定
し,該電流値の差を見ることにより検出する方法があ
る.なお,図において3は電源,4はアースである.ま
た,他の方法として,第3図に示すようにPTCサーミス
タ1と直列に接続される抵抗5にかかる電圧を電圧計6
で測定し,該電圧の変化を検出する方法,第4図に示す
ように,PTCサーミスタ1と抵抗7,8及び9とによりホイ
ストンブリッジ回路を構成し,該回路に発生する電圧を
電圧計6で測定することにより,間接的にPTCサーミス
タに流れる電流の変化を検出する方法などが挙げられ
る. また,上記電流変化の検出において,増幅器を使用する
ことも特に制限されない. さらに,検出された電流変化は,如何なる方法で出力し
ても良い.例えば,記録計,電流計,ライトのオンオ
フ,あるいは電気機器のスイッチング等が挙げられる. 本発明の方法は,一般にPTCサーミスタを1つ使用して
実施することが可能であるが,第5図に示すように,直
列に接続した2つの同一の特性を有するPTCサーミスタ
1および1'と抵抗10及び11とによりブリッジ回路を構成
し,一方のPTCサーミスタ1'を熱線から遮断するカバー1
2を取り付けた装置を用い,該ブリッジ回路に発生する
電圧を電圧計6で測定することにより行うこともでき
る.かかる方法によれば,2つのPTCサーミスタの使用に
よって,使用環境温度の変化による影響を相殺すること
ができ,精度よく熱線を検出することができる. [効果] 本発明の熱線検出方法は,PTCサーミスタに電圧を印加
し,該PTCサーミスタのPTC領域内の温度で且つ使用環境
温度よりも2℃以上高い温度範囲に自己発熱させること
により,高感度でかつ速い応答速度で熱線を検出するこ
とが可能である.また,外部ヒーターを使用することな
く,PTCサーミスタをPTC領域に加熱して熱線を検出でき
るため装置が簡略化できる.さらに,使用環境温度が変
化しても,一定の温度に素子温度を調節することが可能
であるため抵抗温度係数の大きなPTCサーミスタとして
使用でき,増幅器とのマッチングを向上させることもで
きる. 本発明の熱線検出方法は,特に微小な熱線の検出,例え
ば人体等から放射される熱線の検出に有効である. [実施例] 以下,実施例によって本発明を具体的に説明するが,本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない. 実施例1 Ba0.621Sr0.336Ca0.040La0.003TiO3+0.02mo1%SiO2と
なるようにBaCO3'SrCO3'La(NO3)3・4H20,TiO2(ルチル)
を所定量それぞれ秤量し,ポリエチレンポットおよびジ
ルコニア製ボールを用いて湿式混合した.これらの混合
物を1000℃で2時間仮焼した後,Mn(NO3)2・6H2Oを0.05m
ol%となるように乳鉢を用いて混合し,400℃で硝酸マン
ガンを分解させた.得られた粉末を200メッシュのふる
いを通した後,直径1cmの金型を用いて,700Kg/cm2で成
形した.この成形体を1350℃で2時間焼結した.昇温速
度は400℃/Hr,冷却速度は100℃/Hrである.キュリー温
度は15℃であった. 得られた焼結体を切り出し,第1図に示すような構造の
PTCサーミスタを作成した.第1図中,上記方法で得ら
れた焼結体を切り出したPTCサーミスタ1は,5mm×2mm×
100μmの大きさである.1−aの電極は,オーミック性
銀ペースト(Dometoron社製,61900781/347)をリード線
1−bと共にPTCサーミスタと焼き付けた.尚PTCサーミ
スタの表面温度の測定は,シアノアクリレート系接着剤
(東亜合成化学社製,アロンアルファ)でPTCサーミス
タ表面に取り付けた微小サーミスタ(芝浦電子製,PT5−
25E5)を用いた. 第2図に示した回路に上記PTCサーミスタを組み込んだ
装置を用いて,600℃の黒体炉から放射される熱線を照射
したときの,PTCサーミスタの応答を調べた.尚,黒体炉
と素子間の距離は10cmとし,外気温は17℃であった.素
子温度を30℃に保つために必要な電圧16.6Vを印加し,
熱線照射前後の電流値を第1表に示す時間ごとに測定し
た.熱線照射前の電流値,及び照射時の電流変化を第1
表に併せて示す. 上記結果より明らかなように,本発明の方法によれば電
圧印加直後から熱線照射前の電流値が一定となり,PTCサ
ーミスタの温度が安定していることがわかる.また,照
射時の電流変化も電圧印加直後から一定であり,安定し
た熱線検出特性を有していることがわかる. 比較例1 実施例1において,印加電圧を1.0Vとし,PTCサーミスタ
をゴールドファーネスで外部加熱して,該PTCサーミス
タの温度を30℃に調節した以外は同様にして,熱線照射
前後の電流値を時間ごとに測定した.熱線照射前の電流
値及び照射時の電流変化を第2表に示す. 上記結果から明らかなように外部から加熱した場合に
は,熱線照射前の電流値の変動が大きく,安定した素子
温度制御が行えていないことがわかる.また,熱線照射
時の電流変化も変動が大きく,安定した熱線検出特性が
得られない. 実施例2 実施例1と同様の方法でBa0.997La0.003TiO3+2mol%Si
O2+0.07mol%MnOなる組成を有するPTCサーミスタを作
成した.キュリー点は122℃であった. 第4図に示した回路に上記PTCサーミスタを組み込んだ
装置を用いて,600Kの黒体炉から放射される熱線を照射
したときのPTCサーミスタの応答を調べた.第4図の抵
抗8は可変抵抗器を用いPTCサーミスタと等しい抵抗と
した.また,抵抗7,9はそれぞれ1kΩとした.尚,黒体
炉とPTCサーミスタとの距離は10cmとし,外気温は15℃
であった. 上記測定装置を用い,第3表に示すような電圧を印加し
たときのPTCサーミスタの表面温度,熱線照射時にブリ
ッジ回路に発生する電圧,及び熱時定数を測定した.こ
れらの結果,及びブリッジ回路に発生する電圧を1Wあた
りの熱線に換算した値(電圧感度)を第3表に併せて示
す. 上記結果より明らかなように,印加電圧を30V以上とす
ることでPTCサーミスタをPTC特性を有する温度領域に加
熱することができることがわかる.また30V未満の電圧
を印加したときと比較して発生電圧が大きくなり,入射
熱線1W当りにブリッジ回路に発生する電圧(電圧感度)
に換算すると100V/Wを越え,高感度に熱線を検出できる
ことがわかる. また,PTCサーミスタがPTC領域に加熱されると熱時定数
が小さくなり,応答速度が向上することがわかる. 実施例3 実施例2のPTCサーミスタを第2図に示す回路に組み込
んだ測定装置を用いて,PTCサーミスタの温度を122℃に
保つために50Vの電圧を印加し,熱線照射前後の電流変
化を第4表に示す時間ごとに測定した.実施例1と同様
に,熱線照射前の電流値及び照射時の電流変化を第4表
に併せて示す. 上記結果より明らかなように,本発明の方法によれば電
圧印加直後から熱線を照射しないときの電流一定とな
り,PTCサーミスタの温度が安定していることがわかる.
また,照射時の電流変化も電圧印加直後から一定であ
り,安定した熱線検出特性を有していることがわかる.
般的に使用される. また,使用環境温度の変化によるPTCサーミスタの温度
の変化を抑え,より精度良く熱線を検出するためには,V
I=G(T−Ta)の関係式に基づき印加する電圧を調節
することで,PTCサーミスタの温度を一定に保つことがで
きる.ここで,Vは印加電圧(V),Iは素子に流れる電流
(A),GはPTCサーミスタの熱放散係数(W/℃),TはPTC
サーミスタの温度(℃),Taは使用環境温度(℃)であ
る. 本発明において,PTCサーミスタに流れる電流変化の検出
方法は特に制限されない.例えば,第2図に示すように
PTCサーミスタ1に流れる電流を電流計2で直接測定
し,該電流値の差を見ることにより検出する方法があ
る.なお,図において3は電源,4はアースである.ま
た,他の方法として,第3図に示すようにPTCサーミス
タ1と直列に接続される抵抗5にかかる電圧を電圧計6
で測定し,該電圧の変化を検出する方法,第4図に示す
ように,PTCサーミスタ1と抵抗7,8及び9とによりホイ
ストンブリッジ回路を構成し,該回路に発生する電圧を
電圧計6で測定することにより,間接的にPTCサーミス
タに流れる電流の変化を検出する方法などが挙げられ
る. また,上記電流変化の検出において,増幅器を使用する
ことも特に制限されない. さらに,検出された電流変化は,如何なる方法で出力し
ても良い.例えば,記録計,電流計,ライトのオンオ
フ,あるいは電気機器のスイッチング等が挙げられる. 本発明の方法は,一般にPTCサーミスタを1つ使用して
実施することが可能であるが,第5図に示すように,直
列に接続した2つの同一の特性を有するPTCサーミスタ
1および1'と抵抗10及び11とによりブリッジ回路を構成
し,一方のPTCサーミスタ1'を熱線から遮断するカバー1
2を取り付けた装置を用い,該ブリッジ回路に発生する
電圧を電圧計6で測定することにより行うこともでき
る.かかる方法によれば,2つのPTCサーミスタの使用に
よって,使用環境温度の変化による影響を相殺すること
ができ,精度よく熱線を検出することができる. [効果] 本発明の熱線検出方法は,PTCサーミスタに電圧を印加
し,該PTCサーミスタのPTC領域内の温度で且つ使用環境
温度よりも2℃以上高い温度範囲に自己発熱させること
により,高感度でかつ速い応答速度で熱線を検出するこ
とが可能である.また,外部ヒーターを使用することな
く,PTCサーミスタをPTC領域に加熱して熱線を検出でき
るため装置が簡略化できる.さらに,使用環境温度が変
化しても,一定の温度に素子温度を調節することが可能
であるため抵抗温度係数の大きなPTCサーミスタとして
使用でき,増幅器とのマッチングを向上させることもで
きる. 本発明の熱線検出方法は,特に微小な熱線の検出,例え
ば人体等から放射される熱線の検出に有効である. [実施例] 以下,実施例によって本発明を具体的に説明するが,本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない. 実施例1 Ba0.621Sr0.336Ca0.040La0.003TiO3+0.02mo1%SiO2と
なるようにBaCO3'SrCO3'La(NO3)3・4H20,TiO2(ルチル)
を所定量それぞれ秤量し,ポリエチレンポットおよびジ
ルコニア製ボールを用いて湿式混合した.これらの混合
物を1000℃で2時間仮焼した後,Mn(NO3)2・6H2Oを0.05m
ol%となるように乳鉢を用いて混合し,400℃で硝酸マン
ガンを分解させた.得られた粉末を200メッシュのふる
いを通した後,直径1cmの金型を用いて,700Kg/cm2で成
形した.この成形体を1350℃で2時間焼結した.昇温速
度は400℃/Hr,冷却速度は100℃/Hrである.キュリー温
度は15℃であった. 得られた焼結体を切り出し,第1図に示すような構造の
PTCサーミスタを作成した.第1図中,上記方法で得ら
れた焼結体を切り出したPTCサーミスタ1は,5mm×2mm×
100μmの大きさである.1−aの電極は,オーミック性
銀ペースト(Dometoron社製,61900781/347)をリード線
1−bと共にPTCサーミスタと焼き付けた.尚PTCサーミ
スタの表面温度の測定は,シアノアクリレート系接着剤
(東亜合成化学社製,アロンアルファ)でPTCサーミス
タ表面に取り付けた微小サーミスタ(芝浦電子製,PT5−
25E5)を用いた. 第2図に示した回路に上記PTCサーミスタを組み込んだ
装置を用いて,600℃の黒体炉から放射される熱線を照射
したときの,PTCサーミスタの応答を調べた.尚,黒体炉
と素子間の距離は10cmとし,外気温は17℃であった.素
子温度を30℃に保つために必要な電圧16.6Vを印加し,
熱線照射前後の電流値を第1表に示す時間ごとに測定し
た.熱線照射前の電流値,及び照射時の電流変化を第1
表に併せて示す. 上記結果より明らかなように,本発明の方法によれば電
圧印加直後から熱線照射前の電流値が一定となり,PTCサ
ーミスタの温度が安定していることがわかる.また,照
射時の電流変化も電圧印加直後から一定であり,安定し
た熱線検出特性を有していることがわかる. 比較例1 実施例1において,印加電圧を1.0Vとし,PTCサーミスタ
をゴールドファーネスで外部加熱して,該PTCサーミス
タの温度を30℃に調節した以外は同様にして,熱線照射
前後の電流値を時間ごとに測定した.熱線照射前の電流
値及び照射時の電流変化を第2表に示す. 上記結果から明らかなように外部から加熱した場合に
は,熱線照射前の電流値の変動が大きく,安定した素子
温度制御が行えていないことがわかる.また,熱線照射
時の電流変化も変動が大きく,安定した熱線検出特性が
得られない. 実施例2 実施例1と同様の方法でBa0.997La0.003TiO3+2mol%Si
O2+0.07mol%MnOなる組成を有するPTCサーミスタを作
成した.キュリー点は122℃であった. 第4図に示した回路に上記PTCサーミスタを組み込んだ
装置を用いて,600Kの黒体炉から放射される熱線を照射
したときのPTCサーミスタの応答を調べた.第4図の抵
抗8は可変抵抗器を用いPTCサーミスタと等しい抵抗と
した.また,抵抗7,9はそれぞれ1kΩとした.尚,黒体
炉とPTCサーミスタとの距離は10cmとし,外気温は15℃
であった. 上記測定装置を用い,第3表に示すような電圧を印加し
たときのPTCサーミスタの表面温度,熱線照射時にブリ
ッジ回路に発生する電圧,及び熱時定数を測定した.こ
れらの結果,及びブリッジ回路に発生する電圧を1Wあた
りの熱線に換算した値(電圧感度)を第3表に併せて示
す. 上記結果より明らかなように,印加電圧を30V以上とす
ることでPTCサーミスタをPTC特性を有する温度領域に加
熱することができることがわかる.また30V未満の電圧
を印加したときと比較して発生電圧が大きくなり,入射
熱線1W当りにブリッジ回路に発生する電圧(電圧感度)
に換算すると100V/Wを越え,高感度に熱線を検出できる
ことがわかる. また,PTCサーミスタがPTC領域に加熱されると熱時定数
が小さくなり,応答速度が向上することがわかる. 実施例3 実施例2のPTCサーミスタを第2図に示す回路に組み込
んだ測定装置を用いて,PTCサーミスタの温度を122℃に
保つために50Vの電圧を印加し,熱線照射前後の電流変
化を第4表に示す時間ごとに測定した.実施例1と同様
に,熱線照射前の電流値及び照射時の電流変化を第4表
に併せて示す. 上記結果より明らかなように,本発明の方法によれば電
圧印加直後から熱線を照射しないときの電流一定とな
り,PTCサーミスタの温度が安定していることがわかる.
また,照射時の電流変化も電圧印加直後から一定であ
り,安定した熱線検出特性を有していることがわかる.
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の方法に用いられるPTCサーミスタの構
造の一例を示す図である. 第2図,第3図,第4図,及び第5図は本発明を実施す
るための回路の代表的な態様図である. また,図において,1,1'はPTCサーミスタ,1−aは電極,1
−bはリード線,2は電流計,3は電源,4はアース,5は抵抗
器,6は電圧計,7,8,9,10,11は抵抗器,12は熱線を遮蔽す
るカバーを示す.
造の一例を示す図である. 第2図,第3図,第4図,及び第5図は本発明を実施す
るための回路の代表的な態様図である. また,図において,1,1'はPTCサーミスタ,1−aは電極,1
−bはリード線,2は電流計,3は電源,4はアース,5は抵抗
器,6は電圧計,7,8,9,10,11は抵抗器,12は熱線を遮蔽す
るカバーを示す.
Claims (1)
- 【請求項1】PTCサーミスタを使用して熱線を検出する
に際し、該PTCサーミスタの抵抗温度係数が負から正に
変わる温度以上で且つ使用環境温度よりも2℃以上高い
温度領域に自己発熱する電圧を印加して、該自己発熱の
みによってPTCサーミスタを加熱しながら、該PTCサーミ
スタに流れる電流変化を検出することを特徴とする熱線
の検出方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1112160A JPH073363B2 (ja) | 1989-05-02 | 1989-05-02 | 熱線の検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1112160A JPH073363B2 (ja) | 1989-05-02 | 1989-05-02 | 熱線の検出方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02291929A JPH02291929A (ja) | 1990-12-03 |
| JPH073363B2 true JPH073363B2 (ja) | 1995-01-18 |
Family
ID=14579740
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1112160A Expired - Lifetime JPH073363B2 (ja) | 1989-05-02 | 1989-05-02 | 熱線の検出方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH073363B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000004353A1 (en) * | 1998-07-14 | 2000-01-27 | Kazuhito Sakano | Radiation thermometer |
| US20240044724A1 (en) * | 2022-08-02 | 2024-02-08 | Borgwarner Inc. | Thermistor self-heating compensation |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2207501A (en) * | 1987-07-31 | 1989-02-01 | Philips Electronic Associated | Radiation detector arrangements and methods using resistors with high positive temperature coefficients |
-
1989
- 1989-05-02 JP JP1112160A patent/JPH073363B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000004353A1 (en) * | 1998-07-14 | 2000-01-27 | Kazuhito Sakano | Radiation thermometer |
| US20240044724A1 (en) * | 2022-08-02 | 2024-02-08 | Borgwarner Inc. | Thermistor self-heating compensation |
| US12523548B2 (en) * | 2022-08-02 | 2026-01-13 | Borgwarner Inc. | Thermistor self-heating compensation |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02291929A (ja) | 1990-12-03 |
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