JPH073389A - 疲労寿命特性の優れたメタルバンドソー胴材およびメタルバンドソー - Google Patents
疲労寿命特性の優れたメタルバンドソー胴材およびメタルバンドソーInfo
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- JPH073389A JPH073389A JP14462493A JP14462493A JPH073389A JP H073389 A JPH073389 A JP H073389A JP 14462493 A JP14462493 A JP 14462493A JP 14462493 A JP14462493 A JP 14462493A JP H073389 A JPH073389 A JP H073389A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高い疲労寿命を有するメタルバンドソー胴材
およびメタルバンドソーを提供する。 【構成】 本発明は、重量%でC:0.25〜0.60
%、Si:0.6%以下、Mn:1.2%以下、Ni:
0.4〜1.00%、Cr:4.5〜6.5%、Moと
Wの1種または2種をMo+1/2Wで0.5〜3.0
%、V:0.03〜0.50%、Al:0.03〜0.
20%、N:0.015〜0.040%、好ましくは、
Nb,TiおよびZrの1種または2種以上を0.30
%以下を含み、残部Feおよび不純物よりなることを特
徴とする疲労寿命特性の優れたメタルバンドソー胴材、
および前記胴材と高速度鋼でなる刃材とが接合されてな
ることを特徴とするメタルバンドソーである。
およびメタルバンドソーを提供する。 【構成】 本発明は、重量%でC:0.25〜0.60
%、Si:0.6%以下、Mn:1.2%以下、Ni:
0.4〜1.00%、Cr:4.5〜6.5%、Moと
Wの1種または2種をMo+1/2Wで0.5〜3.0
%、V:0.03〜0.50%、Al:0.03〜0.
20%、N:0.015〜0.040%、好ましくは、
Nb,TiおよびZrの1種または2種以上を0.30
%以下を含み、残部Feおよび不純物よりなることを特
徴とする疲労寿命特性の優れたメタルバンドソー胴材、
および前記胴材と高速度鋼でなる刃材とが接合されてな
ることを特徴とするメタルバンドソーである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速度工具鋼を刃材と
し、この刃材と並行に接合される胴材で構成されるメタ
ルバンドソーに関し、特に疲労寿命を改善したメタルバ
ンドソー胴材に関するものである。
し、この刃材と並行に接合される胴材で構成されるメタ
ルバンドソーに関し、特に疲労寿命を改善したメタルバ
ンドソー胴材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メタルバンドソーは、高速度工具鋼でな
る刃材と低廉な低級鋼の胴材を電子ビーム溶接して高価
な高速度工具鋼の節約が計られ、刃材と胴材を一体とし
た後、刃材の高速度鋼に合わせた熱処理、例えば約11
60〜1220℃の焼入れ、540〜580℃の焼もど
しが行なわれる。胴材としては従来S50CやAISI
6150が使用されていたが、これらの胴材は高速度工
具鋼と同一の焼入れ、焼もどし条件で熱処理すると、焼
入れ温度が高すぎるために胴材の靭性が低下し、また焼
もどし温度も高すぎるために硬さが低下し、十分な引張
強さが得られず、疲労強度も低下するするために胴材部
が破断するという問題があった。
る刃材と低廉な低級鋼の胴材を電子ビーム溶接して高価
な高速度工具鋼の節約が計られ、刃材と胴材を一体とし
た後、刃材の高速度鋼に合わせた熱処理、例えば約11
60〜1220℃の焼入れ、540〜580℃の焼もど
しが行なわれる。胴材としては従来S50CやAISI
6150が使用されていたが、これらの胴材は高速度工
具鋼と同一の焼入れ、焼もどし条件で熱処理すると、焼
入れ温度が高すぎるために胴材の靭性が低下し、また焼
もどし温度も高すぎるために硬さが低下し、十分な引張
強さが得られず、疲労強度も低下するするために胴材部
が破断するという問題があった。
【0003】この問題を解決するために、本発明者らは
高速度鋼と同一の熱処理条件においても十分な硬さを確
保できる材質を検討し、特公昭54−5366号、特公
昭55−32778号、特公昭61−12022号、特
開平2−115353号等に開示されたような新しい合
金を開発し実用化してきた。
高速度鋼と同一の熱処理条件においても十分な硬さを確
保できる材質を検討し、特公昭54−5366号、特公
昭55−32778号、特公昭61−12022号、特
開平2−115353号等に開示されたような新しい合
金を開発し実用化してきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】メタルバンドソーは、
一般に刃材と胴材をエンドレス溶接し、バンドソー機に
設けられた2つのホイールにより駆動されて、ホイール
間に水平に固持された非切断材、主として鋼材を切断す
るものである。メタルバンドソーには、鋼材に切り曲が
りがないようにホイール間に張力が負荷されると同時
に、駆動時はホイールに沿って繰り返しの曲げ応力を受
ける。またホイールは水平に対して傾斜しており、メタ
ルバンドソーにはホイールの傾斜に応じたねじりが負荷
される。したがって、メタルバンドソーには駆動中は、
引張応力と曲げおよびねじりの応力負荷を受けている。
一般に刃材と胴材をエンドレス溶接し、バンドソー機に
設けられた2つのホイールにより駆動されて、ホイール
間に水平に固持された非切断材、主として鋼材を切断す
るものである。メタルバンドソーには、鋼材に切り曲が
りがないようにホイール間に張力が負荷されると同時
に、駆動時はホイールに沿って繰り返しの曲げ応力を受
ける。またホイールは水平に対して傾斜しており、メタ
ルバンドソーにはホイールの傾斜に応じたねじりが負荷
される。したがって、メタルバンドソーには駆動中は、
引張応力と曲げおよびねじりの応力負荷を受けている。
【0005】上述のようなメタルバンドソーにおいて、
最近では、超耐熱鋼やステンレス鋼などの難切削材の増
加や切断効率の向上から切断条件も次第に過酷になって
きており、胴材に対しても更なる高性能、長寿命の材質
が求められている。さらに、切断コストを下げるために
メタルバンドソー機の自動化および無人運転化が行なわ
れており、このためには安定した長寿命の胴材が必要と
なる。本発明の目的は、刃材である高速度鋼と同時の熱
処理を行なっても、安定した高い疲労寿命を得ることの
できるメタルバンドソー胴材およびメタルバンドソーを
提供することである。
最近では、超耐熱鋼やステンレス鋼などの難切削材の増
加や切断効率の向上から切断条件も次第に過酷になって
きており、胴材に対しても更なる高性能、長寿命の材質
が求められている。さらに、切断コストを下げるために
メタルバンドソー機の自動化および無人運転化が行なわ
れており、このためには安定した長寿命の胴材が必要と
なる。本発明の目的は、刃材である高速度鋼と同時の熱
処理を行なっても、安定した高い疲労寿命を得ることの
できるメタルバンドソー胴材およびメタルバンドソーを
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、メタルバン
ドソー胴材の疲労寿命を低下させ好ましくないと認識さ
れていたAl(アルミニウム)が、特定鋼中においては鋼
中に存在するN(窒素)と結合し窒化アルミニウムとな
ることによって熱処理の際の結晶粒の成長を抑え、疲労
寿命を高める効果が顕著になることを見出し本発明に到
達した。
ドソー胴材の疲労寿命を低下させ好ましくないと認識さ
れていたAl(アルミニウム)が、特定鋼中においては鋼
中に存在するN(窒素)と結合し窒化アルミニウムとな
ることによって熱処理の際の結晶粒の成長を抑え、疲労
寿命を高める効果が顕著になることを見出し本発明に到
達した。
【0007】すなわち本発明は、重量%でC:0.25
〜0.60%、Si:0.6%以下、Mn:1.2%以
下、Ni:0.4〜1.0%、Cr:4.5〜6.5
%、MoとWの1種または2種をMo+1/2Wで0.
5〜3.0%、V:0.03〜0.50%、Al:0.
03〜0.20%、N:0.015〜0.040%、好
ましくはさらにNb,TiおよびZrの1種または2種
以上を0.30%以下含有し、残部Feおよび不純物よ
りなることを特徴とする疲労寿命特性の優れたメタルバ
ンドソー胴材である。上記メタルバンドソー胴材を高速
度工具鋼でなる刃材と並行に接合し、熱処理をおこなっ
たメタルバンドソーにおいては、メタルバンドソーを構
成する胴材の結晶粒は、ASTMの結晶粒度番号で6.
5番よりも細粒となり高い疲労寿命を有するものとな
る。
〜0.60%、Si:0.6%以下、Mn:1.2%以
下、Ni:0.4〜1.0%、Cr:4.5〜6.5
%、MoとWの1種または2種をMo+1/2Wで0.
5〜3.0%、V:0.03〜0.50%、Al:0.
03〜0.20%、N:0.015〜0.040%、好
ましくはさらにNb,TiおよびZrの1種または2種
以上を0.30%以下含有し、残部Feおよび不純物よ
りなることを特徴とする疲労寿命特性の優れたメタルバ
ンドソー胴材である。上記メタルバンドソー胴材を高速
度工具鋼でなる刃材と並行に接合し、熱処理をおこなっ
たメタルバンドソーにおいては、メタルバンドソーを構
成する胴材の結晶粒は、ASTMの結晶粒度番号で6.
5番よりも細粒となり高い疲労寿命を有するものとな
る。
【0008】
【作用】上述したように、本発明の最大の特徴の一つは
Alを鋼中に存在するNと結合させ、窒化アルミニウム
とし、熱処理の際の結晶粒の成長を抑え、疲労寿命を高
めたことにある。疲労寿命には、鋼を構成する基本組成
も大きく影響するため、AlおよびNの量の特定だけで
は、窒化アルミニウムの生成による結晶粒の成長を抑
え、疲労寿命を高める効果は明確には現れない。そのた
め、他の構成成分を疲労寿命の高い組成に特定し、さら
にAlおよびNを添加する必要がある。以下に本発明で
規定する成分の理由を述べる。
Alを鋼中に存在するNと結合させ、窒化アルミニウム
とし、熱処理の際の結晶粒の成長を抑え、疲労寿命を高
めたことにある。疲労寿命には、鋼を構成する基本組成
も大きく影響するため、AlおよびNの量の特定だけで
は、窒化アルミニウムの生成による結晶粒の成長を抑
え、疲労寿命を高める効果は明確には現れない。そのた
め、他の構成成分を疲労寿命の高い組成に特定し、さら
にAlおよびNを添加する必要がある。以下に本発明で
規定する成分の理由を述べる。
【0009】まず、高速度工具鋼の焼入れによる胴材の
結晶粒の粗大化防止のための元素の限定理由について述
べる。Alは鋼中のNと結合して窒化アルミニウムを形
成する。窒化アルミニウムはは高速度鋼の焼入れのよう
な高い温度でも基地に固溶せず、結晶粒の粗大化を防止
する。Alは0.03%以上でないと効果がなく、過剰
になると非金属介在物を多量に形成し、刃材と胴材を電
子ビーム溶接で接合するときにAlの介在物がビート状
に浮遊して悪影響を及ぼすので上限を0.20%とし
た。
結晶粒の粗大化防止のための元素の限定理由について述
べる。Alは鋼中のNと結合して窒化アルミニウムを形
成する。窒化アルミニウムはは高速度鋼の焼入れのよう
な高い温度でも基地に固溶せず、結晶粒の粗大化を防止
する。Alは0.03%以上でないと効果がなく、過剰
になると非金属介在物を多量に形成し、刃材と胴材を電
子ビーム溶接で接合するときにAlの介在物がビート状
に浮遊して悪影響を及ぼすので上限を0.20%とし
た。
【0010】Nは、窒化物を形成して結晶粒の粗大化を
防止するために必須成分である。窒化物の量を結晶粒の
粗大化防止に効果があるほど確保するためにはNは0.
015%以上が必要であり、多すぎると溶接のビードに
ピンホールを形成するので上限を0.04%とした。
防止するために必須成分である。窒化物の量を結晶粒の
粗大化防止に効果があるほど確保するためにはNは0.
015%以上が必要であり、多すぎると溶接のビードに
ピンホールを形成するので上限を0.04%とした。
【0011】Nb、TiおよびZrはAlと同様窒化物
形成元素である。ただし、これらの元素は強力な炭化物
形成元素であり、炭化物は高速度鋼の焼入れの加熱時に
一部固溶するため窒化物ほど結晶粒の粗大化防止効果が
ない。したがって、Alと複合添加する必要がある。過
剰の添加は炭化物量の増加による疲労強度低下傾向を招
くので、0.30%を上限とした。これらの元素は1種
または2種以上を合わせて0.05%以上ないと効果が
少ないので、好ましくは0.05%以上とする。
形成元素である。ただし、これらの元素は強力な炭化物
形成元素であり、炭化物は高速度鋼の焼入れの加熱時に
一部固溶するため窒化物ほど結晶粒の粗大化防止効果が
ない。したがって、Alと複合添加する必要がある。過
剰の添加は炭化物量の増加による疲労強度低下傾向を招
くので、0.30%を上限とした。これらの元素は1種
または2種以上を合わせて0.05%以上ないと効果が
少ないので、好ましくは0.05%以上とする。
【0012】次に本発明の胴材の基本特性を確保する元
素について、その規定理由を述べる。 Cは、胴材の強
度、靭性を確保する上で必須の元素である。Cr、M
o、W、V等の炭化物形成元素と結合して、焼もどしに
おいて微細炭化物を析出せしめ、焼もどし軟化抵抗を高
めるものである。C量は炭化物形成元素量とのバランス
で決める必要があり、Hv450以上を焼もどしで得る
には0.25%以上が必要であり、過剰のC量は靭性を
低下させるので上限を0.60%とした。
素について、その規定理由を述べる。 Cは、胴材の強
度、靭性を確保する上で必須の元素である。Cr、M
o、W、V等の炭化物形成元素と結合して、焼もどしに
おいて微細炭化物を析出せしめ、焼もどし軟化抵抗を高
めるものである。C量は炭化物形成元素量とのバランス
で決める必要があり、Hv450以上を焼もどしで得る
には0.25%以上が必要であり、過剰のC量は靭性を
低下させるので上限を0.60%とした。
【0013】Crは、胴材の焼入性を高めると共に、C
と結合してCr炭化物を形成し、焼もどし軟化抵抗を増
し、靭性の向上に効果があるため、疲労寿命を高めるた
めには4.5%以上必要である。しかし、Cr炭化物は
過剰になると逆に軟化抵抗の低下させるため、他の炭化
物形成元素のバランス上6.5%以下、好ましくは5.
5%以下に限定する。Niは基地に固溶し、靭性向上に
寄与する。さらに疲労クラックが入っても、このクラッ
クの進展が遅く、脆性的に破断することを防止する元素
であり、疲労寿命を高めるために必須の元素である。こ
の効果を得るには0.40%以上を必要とし、過剰は熱
処理硬さ不足の悪影響があるので、1.0%を上限とし
た。
と結合してCr炭化物を形成し、焼もどし軟化抵抗を増
し、靭性の向上に効果があるため、疲労寿命を高めるた
めには4.5%以上必要である。しかし、Cr炭化物は
過剰になると逆に軟化抵抗の低下させるため、他の炭化
物形成元素のバランス上6.5%以下、好ましくは5.
5%以下に限定する。Niは基地に固溶し、靭性向上に
寄与する。さらに疲労クラックが入っても、このクラッ
クの進展が遅く、脆性的に破断することを防止する元素
であり、疲労寿命を高めるために必須の元素である。こ
の効果を得るには0.40%以上を必要とし、過剰は熱
処理硬さ不足の悪影響があるので、1.0%を上限とし
た。
【0014】MoおよびWは靭性および耐摩耗性に効果
的な元素であると同時に2次硬化元素であり焼もどし硬
さを得るには、MoとWの1種または2種を添加する必
要がある。しかし、これらの炭化物は凝集し易いので過
剰になると靭性の低下を招く。これによりMo当量(=
Mo+1/2W)で0.5〜3.0%の添加が有効であ
る。Vは、凝固時に1次炭化物として析出し、結晶粒微
細化に有効な元素である。また、炭化物は硬質のため耐
摩耗性に寄与する。これらの効果を得るには0.03%
以上が必要である。ただし、VC炭化物の過剰は疲労ク
ラック発生の起点となる確率が高くなるので、上限を
0.50%とした。
的な元素であると同時に2次硬化元素であり焼もどし硬
さを得るには、MoとWの1種または2種を添加する必
要がある。しかし、これらの炭化物は凝集し易いので過
剰になると靭性の低下を招く。これによりMo当量(=
Mo+1/2W)で0.5〜3.0%の添加が有効であ
る。Vは、凝固時に1次炭化物として析出し、結晶粒微
細化に有効な元素である。また、炭化物は硬質のため耐
摩耗性に寄与する。これらの効果を得るには0.03%
以上が必要である。ただし、VC炭化物の過剰は疲労ク
ラック発生の起点となる確率が高くなるので、上限を
0.50%とした。
【0015】Mnは脱酸剤として鋼中に添加される。M
nは過剰に含まれると、冷間における加工性を害するの
で上限を1.2%とした。SiはMnと同様、脱酸剤と
して添加される。Siの過剰は非金属介在物を増加さ
せ、疲労強度を害する傾向があるので、上限を0.6%
とした。
nは過剰に含まれると、冷間における加工性を害するの
で上限を1.2%とした。SiはMnと同様、脱酸剤と
して添加される。Siの過剰は非金属介在物を増加さ
せ、疲労強度を害する傾向があるので、上限を0.6%
とした。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
表1に本発明鋼と比較鋼の化学成分を示す。これらの成
分の鋼塊を電気炉溶解にて製造し、鋼塊を熱間圧延およ
び冷間圧延により、1mm厚さまで加工して確性試験に
供した。確性試験として、熱処理硬さ、結晶粒度および
引張疲労試験を行なった。供試材の熱処理は代表的な刃
材である高速度鋼SKH59の通常の熱処理と同じ条件
である、焼入れ温度1200℃、焼もどし温度560℃
で行なった後測定した。また引張疲労試験は図1に示す
深さ1mm、半径2mmの切欠きをつけた引張試験片を
用いた。切欠きの仕上はJIS 3Sの精密仕上とし
た。応力負荷条件は最小引張応力295N/mm2、最
大引張応力980N/mm2の部分片振引張負荷を用
い、応力サイクルは10Hzとした。
表1に本発明鋼と比較鋼の化学成分を示す。これらの成
分の鋼塊を電気炉溶解にて製造し、鋼塊を熱間圧延およ
び冷間圧延により、1mm厚さまで加工して確性試験に
供した。確性試験として、熱処理硬さ、結晶粒度および
引張疲労試験を行なった。供試材の熱処理は代表的な刃
材である高速度鋼SKH59の通常の熱処理と同じ条件
である、焼入れ温度1200℃、焼もどし温度560℃
で行なった後測定した。また引張疲労試験は図1に示す
深さ1mm、半径2mmの切欠きをつけた引張試験片を
用いた。切欠きの仕上はJIS 3Sの精密仕上とし
た。応力負荷条件は最小引張応力295N/mm2、最
大引張応力980N/mm2の部分片振引張負荷を用
い、応力サイクルは10Hzとした。
【0017】
【表1】
【0018】これらの試験結果を表2に示す。表2より
AlおよびNの量が少なく窒化アルミニウム生成による
結晶粒微細化の効果のない比較鋼1〜4は、ASTMの
結晶粒度番号が5.2よりも小さく、粗大結晶粒となっ
ていることがわかる。これに伴い、比較鋼1〜4は、疲
労寿命が本発明鋼8〜18に比べ著しく短いことがわか
る。また、Ni,V,Cr量がそれぞれ本発明鋼よりも少
ない比較鋼5〜7は、窒化アルミニウム生成による結晶
粒微細化効果は表われるが、Ni,VまたはCr量が適
正でないため、疲労寿命が本発明鋼よりも短いものとな
っていることがわかる。
AlおよびNの量が少なく窒化アルミニウム生成による
結晶粒微細化の効果のない比較鋼1〜4は、ASTMの
結晶粒度番号が5.2よりも小さく、粗大結晶粒となっ
ていることがわかる。これに伴い、比較鋼1〜4は、疲
労寿命が本発明鋼8〜18に比べ著しく短いことがわか
る。また、Ni,V,Cr量がそれぞれ本発明鋼よりも少
ない比較鋼5〜7は、窒化アルミニウム生成による結晶
粒微細化効果は表われるが、Ni,VまたはCr量が適
正でないため、疲労寿命が本発明鋼よりも短いものとな
っていることがわかる。
【0019】
【表2】
【0020】表2に示すように本発明鋼は、Alおよび
Nによる結晶粒微細化と他の合金成分の適正化により、
7×104回以上の高い疲労寿命を有している。また、
本発明鋼にさらにNb,Ti,Zrを複合添加した本発
明鋼15〜18は、11×104回以上という極めて高
い疲労寿命となることがわかる。
Nによる結晶粒微細化と他の合金成分の適正化により、
7×104回以上の高い疲労寿命を有している。また、
本発明鋼にさらにNb,Ti,Zrを複合添加した本発
明鋼15〜18は、11×104回以上という極めて高
い疲労寿命となることがわかる。
【0021】
【発明の効果】本発明によればメタルバンドソー胴材と
して、刃材である高速度鋼と同一の条件の熱処理を行な
っても、結晶粒が細かく、疲労寿命が大きいものが得ら
れる。したがって、本発明のメタルバンドソーは材料切
断のコストを下げるのみでなく、自動無人化に対しても
信頼性が高く、安心して使用できるものである。
して、刃材である高速度鋼と同一の条件の熱処理を行な
っても、結晶粒が細かく、疲労寿命が大きいものが得ら
れる。したがって、本発明のメタルバンドソーは材料切
断のコストを下げるのみでなく、自動無人化に対しても
信頼性が高く、安心して使用できるものである。
【図1】供試鋼の引張疲労試験に用いた試験片の図であ
る。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%でC:0.25〜0.60%、S
i:0.6%以下、Mn:1.2%以下、Ni:0.4
〜1.0%、Cr:4.5〜6.5%、MoとWの1種
または2種をMo+1/2Wで0.5〜3.0%、V:
0.03〜0.50%、Al:0.03〜0.20%、
N:0.015〜0.040%、残部Feおよび不純物
よりなることを特徴とする疲労寿命特性の優れたメタル
バンドソー胴材。 - 【請求項2】 重量%でC:0.25〜0.60%、S
i:0.6%以下、Mn:1.2%以下、Ni:0.4
〜1.0%、Cr:4.5〜6.5%、MoとWの1種
または2種をMo+1/2Wで0.5〜3.0%、V:
0.03〜0.50%、Al:0.03〜0.20%、
N:0.015〜0.040%、Nb,TiおよびZr
の1種または2種以上を0.30%以下、残部Feおよ
び不純物よりなることを特徴とする疲労寿命特性の優れ
たメタルバンドソー胴材。 - 【請求項3】 高速度工具鋼よりなる刃材と該刃材と並
行に接合された胴材でなり、該胴材はC:0.25〜
0.60%、Si:0.6%以下、Mn:1.2%以
下、Ni:0.4〜1.0%、Cr:4.5〜6.5
%、MoとWの1種または2種をMo+1/2Wで0.
5〜3.0%、V:0.03〜0.50%、Al:0.
03〜0.20%、N:0.015〜0.040%、残
部Feおよび不純物よりなる化学組成および結晶粒度が
結晶粒度番号で6.5よりも細粒であることを特徴とす
る疲労寿命特性の優れたメタルバンドソー。 - 【請求項4】 高速度工具鋼よりなる刃材と該刃材と並
行に接合された胴材でなり、該胴材はC:0.25〜
0.60%、Si:0.6%以下、Mn:1.2%以
下、Ni:0.4〜1.0%、Cr:4.5〜6.5
%、MoとWの1種または2種をMo+1/2Wで0.
5〜3.0%、V:0.03〜0.50%、Al:0.
03〜0.20%、N:0.015〜0.040%、N
b,TiおよびZrの1種または2種以上を0.30%
以下、残部Feおよび不純物よりなる化学組成および結
晶粒度が結晶粒度番号で6.5よりも細粒であることを
特徴とする疲労寿命特性の優れたメタルバンドソー。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14462493A JP3241871B2 (ja) | 1993-06-16 | 1993-06-16 | 疲労寿命特性の優れたメタルバンドソー胴材およびメタルバンドソー |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14462493A JP3241871B2 (ja) | 1993-06-16 | 1993-06-16 | 疲労寿命特性の優れたメタルバンドソー胴材およびメタルバンドソー |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH073389A true JPH073389A (ja) | 1995-01-06 |
| JP3241871B2 JP3241871B2 (ja) | 2001-12-25 |
Family
ID=15366370
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14462493A Expired - Fee Related JP3241871B2 (ja) | 1993-06-16 | 1993-06-16 | 疲労寿命特性の優れたメタルバンドソー胴材およびメタルバンドソー |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3241871B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1437190A3 (de) * | 2002-12-12 | 2007-07-25 | Stahlwerk Ergste Westig GmbH | Verwendung einer Chrom-Stahllegierung |
| US9476059B2 (en) | 2009-10-30 | 2016-10-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Gene capable of imparting environmental stress resistance to plants and method for utilizing the same |
| CN114369770A (zh) * | 2021-12-17 | 2022-04-19 | 南京华锋制刀有限公司 | 一种单分切刀具及其制备方法 |
-
1993
- 1993-06-16 JP JP14462493A patent/JP3241871B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1437190A3 (de) * | 2002-12-12 | 2007-07-25 | Stahlwerk Ergste Westig GmbH | Verwendung einer Chrom-Stahllegierung |
| US9476059B2 (en) | 2009-10-30 | 2016-10-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Gene capable of imparting environmental stress resistance to plants and method for utilizing the same |
| CN114369770A (zh) * | 2021-12-17 | 2022-04-19 | 南京华锋制刀有限公司 | 一种单分切刀具及其制备方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3241871B2 (ja) | 2001-12-25 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |