JPH0734272A - バラストタンクの防食方法 - Google Patents
バラストタンクの防食方法Info
- Publication number
- JPH0734272A JPH0734272A JP19673393A JP19673393A JPH0734272A JP H0734272 A JPH0734272 A JP H0734272A JP 19673393 A JP19673393 A JP 19673393A JP 19673393 A JP19673393 A JP 19673393A JP H0734272 A JPH0734272 A JP H0734272A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- corrosion
- steel
- ballast tank
- gas concentration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 原油タンカーや鉱炭船等のバラストタンクの
構成材料と環境の制御とを組み合わせることによって、
バラストタンクを防食する。 【構成】 C:0.15%以下,Si:0.02〜1.5
0%,Mn:0.2〜5.0%,P:0.03〜0.10
%,S:0.005%以下,Cu:0.1〜1.0%、N
i:0.2〜1.0%を含み残部は実質的にFeおよび不
可避の不純物からなる低合金鋼を構成材料として使用す
ると共に、内部の酸素ガス濃度を大気中での値に対する
比率にして0.5以下とすることを特徴とする。必要に
応じて、所定量のMo、V、W、Al、Tiの1種以上
を構成材料の物理的性質向上のために添加する。
構成材料と環境の制御とを組み合わせることによって、
バラストタンクを防食する。 【構成】 C:0.15%以下,Si:0.02〜1.5
0%,Mn:0.2〜5.0%,P:0.03〜0.10
%,S:0.005%以下,Cu:0.1〜1.0%、N
i:0.2〜1.0%を含み残部は実質的にFeおよび不
可避の不純物からなる低合金鋼を構成材料として使用す
ると共に、内部の酸素ガス濃度を大気中での値に対する
比率にして0.5以下とすることを特徴とする。必要に
応じて、所定量のMo、V、W、Al、Tiの1種以上
を構成材料の物理的性質向上のために添加する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原油タンカーや鉱炭船等
の船舶におけるバラストタンクの防食方法に関するもの
であり、特に、上記船舶のバラストタンクを構成する鋼
材の組成と環境の制御とを組合せることによるバラスト
タンクの防食方法に関するものである。
の船舶におけるバラストタンクの防食方法に関するもの
であり、特に、上記船舶のバラストタンクを構成する鋼
材の組成と環境の制御とを組合せることによるバラスト
タンクの防食方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バラストタンク内は海水あるいは海水の
飛沫あるいは蒸発した水分の凝縮水による腐食にさらさ
れる。そのため、従来は没水部に関しては犠牲陽極によ
るカソード防食さらにはタールエポキシ樹脂塗装を施し
ている。また、タンクの天井部分はカソード防食が採用
できず、かつ乾湿繰返し環境にあり非常に腐食がきびし
いものとなる。
飛沫あるいは蒸発した水分の凝縮水による腐食にさらさ
れる。そのため、従来は没水部に関しては犠牲陽極によ
るカソード防食さらにはタールエポキシ樹脂塗装を施し
ている。また、タンクの天井部分はカソード防食が採用
できず、かつ乾湿繰返し環境にあり非常に腐食がきびし
いものとなる。
【0003】その対策として特開昭48−73993号
公報にあるようなタンク内の酸素濃度を低下させる方法
がある。
公報にあるようなタンク内の酸素濃度を低下させる方法
がある。
【0004】また、従来原油タンカーの場合等1975
年以前は分離バラスト方式が採用されておらず、海水中
に若干の原油が混入することによる鋼材の腐食が問題と
なり、Cu等の合金元素を添加した鋼材を使用する試み
がなされたが、結局材料変更はされず現在に到ってい
る。その後、1975年より分離バラスト方式が採用さ
れたが、タールエポキシ塗装による補修あるいは塗り替
えが主流となっている。しかし、安全面から原油タンク
のダブルハル化が求められ、塗装面積も増大すると共に
構造上も塗装しにくいような構造となっており、塗装工
程の省略が要望されている。
年以前は分離バラスト方式が採用されておらず、海水中
に若干の原油が混入することによる鋼材の腐食が問題と
なり、Cu等の合金元素を添加した鋼材を使用する試み
がなされたが、結局材料変更はされず現在に到ってい
る。その後、1975年より分離バラスト方式が採用さ
れたが、タールエポキシ塗装による補修あるいは塗り替
えが主流となっている。しかし、安全面から原油タンク
のダブルハル化が求められ、塗装面積も増大すると共に
構造上も塗装しにくいような構造となっており、塗装工
程の省略が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決すべき課
題は、船舶の使用期間中に煩雑な樹脂塗装やその補修を
行う必要がなく、しかも、耐久性に優れ、寿命の長いバ
ラストタンクを提供することにある。
題は、船舶の使用期間中に煩雑な樹脂塗装やその補修を
行う必要がなく、しかも、耐久性に優れ、寿命の長いバ
ラストタンクを提供することにある。
【0006】
【課題が解決するための手段】本発明は以上のようなニ
ーズに応えるべくCu,NiおよびPを主として添加し
た耐食低合金鋼を使用し、かつバラストタンク内の酸素
濃度を大気中に比較して0.5以下に低減することで、
塗装工程の省略が可能な防食方法の採用によりバラスト
タンクを長寿命化させるものである。
ーズに応えるべくCu,NiおよびPを主として添加し
た耐食低合金鋼を使用し、かつバラストタンク内の酸素
濃度を大気中に比較して0.5以下に低減することで、
塗装工程の省略が可能な防食方法の採用によりバラスト
タンクを長寿命化させるものである。
【0007】すなわち、 バラストタンクの構成材料としてCu,Niおよび
P等の耐食性改善元素を添加した低合金耐食鋼材を使用
する、 バラストタンク中の酸素濃度を大気中に比して0.
5以下(酸素ガス濃度で10%以下)にする、という上
記およびの防食方法を組合わせることにより、防食
のための塗装を不用としかつ腐食速度を低減すること
で、バラストタンクの長寿命化を図るものである。
P等の耐食性改善元素を添加した低合金耐食鋼材を使用
する、 バラストタンク中の酸素濃度を大気中に比して0.
5以下(酸素ガス濃度で10%以下)にする、という上
記およびの防食方法を組合わせることにより、防食
のための塗装を不用としかつ腐食速度を低減すること
で、バラストタンクの長寿命化を図るものである。
【0008】海水中では、Cu,NiおよびP含有低合
金鋼は普通鋼に比し腐食速度は著しく低下する。一方、
大気開放下での海水による乾湿繰返し条件下ではCu,
NiおよびP含有低合金鋼の耐食性は普通鋼と大差がな
い。しかし、本発明の完成に到る過程で、最も問題とな
る海水の乾湿繰返し条件下でも気相部の酸素濃度を下げ
ればCu−Ni−P含有低合金鋼は著しく耐食性能を発
揮し、普通鋼と比較して著しく腐食速度が低下すること
を見い出した。
金鋼は普通鋼に比し腐食速度は著しく低下する。一方、
大気開放下での海水による乾湿繰返し条件下ではCu,
NiおよびP含有低合金鋼の耐食性は普通鋼と大差がな
い。しかし、本発明の完成に到る過程で、最も問題とな
る海水の乾湿繰返し条件下でも気相部の酸素濃度を下げ
ればCu−Ni−P含有低合金鋼は著しく耐食性能を発
揮し、普通鋼と比較して著しく腐食速度が低下すること
を見い出した。
【0009】したがって、上述の課題を解決する手段と
しての本発明の構成は以下のとおりである。
しての本発明の構成は以下のとおりである。
【0010】1. C:0.15%以下,Si:0.02
〜1.50%,Mn:0.2〜5.0%,P:0.03〜
0.10%,S:0.005%以下,Cu:0.1〜1.0
%、Ni:0.2〜1.0%を含み残部は実質的にFeお
よび不可避の不純物からなる低合金鋼を構成材料として
使用すると共に、内部の酸素ガス濃度を大気中での値に
対する比率にして0.5以下とすることを特徴とするバ
ラストタンクの防食方法。
〜1.50%,Mn:0.2〜5.0%,P:0.03〜
0.10%,S:0.005%以下,Cu:0.1〜1.0
%、Ni:0.2〜1.0%を含み残部は実質的にFeお
よび不可避の不純物からなる低合金鋼を構成材料として
使用すると共に、内部の酸素ガス濃度を大気中での値に
対する比率にして0.5以下とすることを特徴とするバ
ラストタンクの防食方法。
【0011】2.上記1において、構成材料が、さら
に、Mo:0.05〜1.0%,V:0.05〜1.0%,
W:0.05〜1.0%のうちの1種または2種以上を含
むことを特徴とするバラストタンクの防食方法。
に、Mo:0.05〜1.0%,V:0.05〜1.0%,
W:0.05〜1.0%のうちの1種または2種以上を含
むことを特徴とするバラストタンクの防食方法。
【0012】3.上記1または2において、構成材料が
さらにAl:0.02〜1.0%を含むことを特徴とする
バラストタンクの防食方法。
さらにAl:0.02〜1.0%を含むことを特徴とする
バラストタンクの防食方法。
【0013】4.上記1ないし3のうちのいずれか1項
において、構成材料がさらにTi:0.01〜0.5%を
含むことを特徴とする耐久性に優れたバラストタンクの
防食方法。
において、構成材料がさらにTi:0.01〜0.5%を
含むことを特徴とする耐久性に優れたバラストタンクの
防食方法。
【0014】
【作 用】本発明に使用するCu−Ni−P含有低合金
鋼の各合金元素の含有量を限定した理由を以下に述べる
鋼の各合金元素の含有量を限定した理由を以下に述べる
【0015】1.Cは鋼の強度を高める効果を有する
が、多量にCを添加すると鋼の溶接性を劣化させるため
好ましくない。また腐食のカソードとなりかつ耐食性に
有効な固溶Cr量を低下させ腐食を加速するクロム炭化
物の生成を押える意味からもCはあまり高くしない方が
好ましい。そのためCは0.15%以下の添加量とし
た。
が、多量にCを添加すると鋼の溶接性を劣化させるため
好ましくない。また腐食のカソードとなりかつ耐食性に
有効な固溶Cr量を低下させ腐食を加速するクロム炭化
物の生成を押える意味からもCはあまり高くしない方が
好ましい。そのためCは0.15%以下の添加量とし
た。
【0016】2.Siは脱酸元素として必要であり、ま
た耐海水性を向上させる有効元素でもある。そのため
0.02%以上の添加が必要であるが、1.5%を超える
と熱間加工性を劣化せしめるので、0.02〜1.5%の
添加量とした。
た耐海水性を向上させる有効元素でもある。そのため
0.02%以上の添加が必要であるが、1.5%を超える
と熱間加工性を劣化せしめるので、0.02〜1.5%の
添加量とした。
【0017】3.Mnは鋼の機械的性質を確保すると共
に耐海水性を改善せしめる有効元素である。しかし、そ
の量が0.2%未満では、その効果が小さく、また5.
0%を超えると逆に耐海水性が低下するため、0.2〜
5.0%の添加量とした。
に耐海水性を改善せしめる有効元素である。しかし、そ
の量が0.2%未満では、その効果が小さく、また5.
0%を超えると逆に耐海水性が低下するため、0.2〜
5.0%の添加量とした。
【0018】4.Pは溶接性を劣化させる元素であり、
その添加量が0.10%を超えると悪影響が顕著にな
る。しかし、一方、Pは耐海水性を向上させる基本有効
元素でもあり、その効果は0.03%未満では発揮され
ない。そのため0.03〜0.10%の添加量とした。P
はPO4 3-として鉄さび中に吸着され、さび層をカチオ
ン選択的な性質とすることで腐食に有害なCl-の鋼表
面への侵入を抑制し、腐食速度を低下させる作用があ
る。
その添加量が0.10%を超えると悪影響が顕著にな
る。しかし、一方、Pは耐海水性を向上させる基本有効
元素でもあり、その効果は0.03%未満では発揮され
ない。そのため0.03〜0.10%の添加量とした。P
はPO4 3-として鉄さび中に吸着され、さび層をカチオ
ン選択的な性質とすることで腐食に有害なCl-の鋼表
面への侵入を抑制し、腐食速度を低下させる作用があ
る。
【0019】5.Sは耐食性に悪影響を及ぼす元素であ
る。これは腐食の起点となる非金属介在物のMnSを生
成するためである。MnSの生成を防止するにはSは少
ないほど良く、そのため0.005%以下の含有量とす
る。MnSは海水中で溶解するとS2-、HS-、H2Sに
なり、鋼のアノ−ド溶解を促進させる。
る。これは腐食の起点となる非金属介在物のMnSを生
成するためである。MnSの生成を防止するにはSは少
ないほど良く、そのため0.005%以下の含有量とす
る。MnSは海水中で溶解するとS2-、HS-、H2Sに
なり、鋼のアノ−ド溶解を促進させる。
【0020】6.Cuは鋼の耐海水性を高め、特に孔食
等の局部腐食の成長を抑制せしめる基本有効元素であ
る。その添加量が0.1%未満では効果は発揮されず、
一方1.0%を超えると熱間加工性が劣化する。特にC
uは溶接部の耐食性改善にも有効である。そのため0.
1%以上の添加が必要である。これらの理由から、Cu
は0.1〜1.0%の添加量とした。
等の局部腐食の成長を抑制せしめる基本有効元素であ
る。その添加量が0.1%未満では効果は発揮されず、
一方1.0%を超えると熱間加工性が劣化する。特にC
uは溶接部の耐食性改善にも有効である。そのため0.
1%以上の添加が必要である。これらの理由から、Cu
は0.1〜1.0%の添加量とした。
【0021】7.NiはCuと同様の効果を発揮する元
素であり、特に局部アノードのようなpHの低下した孔
食の成長段階での耐食性を高め、局部腐食の進行を抑制
する。またCuと共存させることで著しく有効である。
その量が、0.20%未満ではその効果は不十分であ
り、一方、1.0%を超えるとその熱間加工性が劣化す
る。したがって、Ni添加量は0.20〜1.0%とし
た。
素であり、特に局部アノードのようなpHの低下した孔
食の成長段階での耐食性を高め、局部腐食の進行を抑制
する。またCuと共存させることで著しく有効である。
その量が、0.20%未満ではその効果は不十分であ
り、一方、1.0%を超えるとその熱間加工性が劣化す
る。したがって、Ni添加量は0.20〜1.0%とし
た。
【0022】8.Moは鋼の耐海水性を向上させる有効
元素である。MoはMoO4 2-イオンとして溶解し局部
アノードでのインヒビターとして作用すると共に、さび
中に含まれるCl-イオンの透過性を低下させることで
耐食性を改善させる。その添加量が0.05%未満では
その効果が十分でなく、また1.0%を超えて含有させ
てもその効果は飽和してしまい経済的ではない。そのた
めMoの添加量は0.05〜1.0%とした。
元素である。MoはMoO4 2-イオンとして溶解し局部
アノードでのインヒビターとして作用すると共に、さび
中に含まれるCl-イオンの透過性を低下させることで
耐食性を改善させる。その添加量が0.05%未満では
その効果が十分でなく、また1.0%を超えて含有させ
てもその効果は飽和してしまい経済的ではない。そのた
めMoの添加量は0.05〜1.0%とした。
【0023】9.VもほぼMoと同様の作用により、鋼
の耐海水性を改善する元素である。Moの場合と同様、
酸素酸アニオン(VO4 3-、V2O7 4-)の生成により、
その効果を発揮する。そのためMoと同様に0.05〜
1.0%の添加量とした。
の耐海水性を改善する元素である。Moの場合と同様、
酸素酸アニオン(VO4 3-、V2O7 4-)の生成により、
その効果を発揮する。そのためMoと同様に0.05〜
1.0%の添加量とした。
【0024】10.WもMoとほぼ同様の作用により鋼
の耐海水性を改善する元素である。Moと同様、酸素酸
アニオン(WO4 2-)の生成によりその効果を発揮する
ものである。それ故Moと同様に0.05〜1.0%の添
加量とした。
の耐海水性を改善する元素である。Moと同様、酸素酸
アニオン(WO4 2-)の生成によりその効果を発揮する
ものである。それ故Moと同様に0.05〜1.0%の添
加量とした。
【0025】11. AlはSiと同様、鋼の耐海水性を
高める元素であり、0.02%未満ではその効果は十分
ではなく、また1.0%を超えて添加すると鋼の熱間加
工性をそこなうので、0.02〜1.0%の添加量とし
た。
高める元素であり、0.02%未満ではその効果は十分
ではなく、また1.0%を超えて添加すると鋼の熱間加
工性をそこなうので、0.02〜1.0%の添加量とし
た。
【0026】12.Tiはその添加によりSの大半をT
iSとして固定し、海水腐食の起点となるMnSの生成
をなくすことで耐海水性を高める。0.01%未満では
その効果は生ぜず0.5%を超えて添加しても耐海水性
改善効果のそれ以上の向上は認められないので0.01
〜0.5%の添加量とした。
iSとして固定し、海水腐食の起点となるMnSの生成
をなくすことで耐海水性を高める。0.01%未満では
その効果は生ぜず0.5%を超えて添加しても耐海水性
改善効果のそれ以上の向上は認められないので0.01
〜0.5%の添加量とした。
【0027】次にバラストタンク内部の酸素ガス濃度を
限定した理由について述べる。不活性ガスと空気との置
換あるいは真空引きにより、バラストタンク内部の酸素
ガス濃度を大気中での値に対する比率にして0.5以下
(酸素ガス濃度10%以下)にする。その理由は以下の
とおりである。鋼の溶解反応は海水中では
限定した理由について述べる。不活性ガスと空気との置
換あるいは真空引きにより、バラストタンク内部の酸素
ガス濃度を大気中での値に対する比率にして0.5以下
(酸素ガス濃度10%以下)にする。その理由は以下の
とおりである。鋼の溶解反応は海水中では
【化1】Fe→Fe2++2e という電気化学的酸化反応で進行し、一方その対反応と
して、
して、
【化2】O2+2H2O+4e→40H- からなる酸素還元反応が生起する。
【0028】両者の酸化還元反応は等量で進行するが、
自然海水中では後者の酸素還元反応は遅い反応であり酸
素の鋼表面への拡散が律速している。したがって、遅い
反応である酸素還元反応速度によって腐食速度は決定さ
れる。つまり、腐食速度は溶存酸素濃度に依存する。一
方、海水中もしくは凝縮水中の溶存酸素濃度はヘンリー
の法則により気相部の酸素ガス濃度に比例する。したが
って、酸素ガス濃度の低いほど鋼の腐食速度も低下す
る。また、Cu−Ni−Pを含む本発明の低合金鋼では
Cu−Ni−Pを含む鉄酸化物からなるさび層が海水環
境で生成し、さび層を通じての酸素の鋼表面への拡散を
抑制する作用を有する。そのため、本発明の鋼にあって
は通常鋼よりも溶存酸素濃度の低下による腐食抑制効果
が顕著となる。
自然海水中では後者の酸素還元反応は遅い反応であり酸
素の鋼表面への拡散が律速している。したがって、遅い
反応である酸素還元反応速度によって腐食速度は決定さ
れる。つまり、腐食速度は溶存酸素濃度に依存する。一
方、海水中もしくは凝縮水中の溶存酸素濃度はヘンリー
の法則により気相部の酸素ガス濃度に比例する。したが
って、酸素ガス濃度の低いほど鋼の腐食速度も低下す
る。また、Cu−Ni−Pを含む本発明の低合金鋼では
Cu−Ni−Pを含む鉄酸化物からなるさび層が海水環
境で生成し、さび層を通じての酸素の鋼表面への拡散を
抑制する作用を有する。そのため、本発明の鋼にあって
は通常鋼よりも溶存酸素濃度の低下による腐食抑制効果
が顕著となる。
【0029】バラストタンク内の酸素ガス濃度を大気中
での値に対する比率にして0.5以下(酸素ガス濃度で
10%以下)、望ましくは、0.3以下(酸素ガス濃度
で6%以下)とすることで、鋼の腐食抑制効果は顕著と
なる。そのため酸素ガス濃度を大気中での値に対する比
率にして0.5以下(酸素ガス濃度で10%以下)に限
定した。
での値に対する比率にして0.5以下(酸素ガス濃度で
10%以下)、望ましくは、0.3以下(酸素ガス濃度
で6%以下)とすることで、鋼の腐食抑制効果は顕著と
なる。そのため酸素ガス濃度を大気中での値に対する比
率にして0.5以下(酸素ガス濃度で10%以下)に限
定した。
【0030】以上のように、本発明ではCu−Ni−P
を含む低合金鋼を使用することで耐海水性を高め、さら
にその耐海水性を有効に作用せしめるべくタンク内の酸
素ガス濃度を低減させ、両者を組合せることで、バラス
トタンクの腐食が低減できその長寿命化を図ることがで
きる。さらに鋼の裸使用が可能であり塗装工程も省略で
きるという実用上の大きなメリットを有する。
を含む低合金鋼を使用することで耐海水性を高め、さら
にその耐海水性を有効に作用せしめるべくタンク内の酸
素ガス濃度を低減させ、両者を組合せることで、バラス
トタンクの腐食が低減できその長寿命化を図ることがで
きる。さらに鋼の裸使用が可能であり塗装工程も省略で
きるという実用上の大きなメリットを有する。
【0031】
【実施例】表1に示す鋼材を大気高周波炉で溶解後、鍛
造、熱延し7mm厚の鋼板を製作し50×20×3(mm)
の寸法の試験片を製作し、腐食試験に供した。
造、熱延し7mm厚の鋼板を製作し50×20×3(mm)
の寸法の試験片を製作し、腐食試験に供した。
【0032】
【表1】
【0033】試験は人工海水(ASTM−D−1141
に準拠)中での浸漬テストおよび乾湿繰り返しテスト
を、空気またはN2−O2混合ガスを吹込み、O2ガス濃
度を20%、15%,10%,8%、5%,1%として
行った。温度は恒温槽にて35℃に保った。また比較の
ため空気吹込み条件下でも行った。試験時間は720時
間とした。乾湿繰返し条件はwet0.5時間−dry3時間
サイクルで行った。
に準拠)中での浸漬テストおよび乾湿繰り返しテスト
を、空気またはN2−O2混合ガスを吹込み、O2ガス濃
度を20%、15%,10%,8%、5%,1%として
行った。温度は恒温槽にて35℃に保った。また比較の
ため空気吹込み条件下でも行った。試験時間は720時
間とした。乾湿繰返し条件はwet0.5時間−dry3時間
サイクルで行った。
【0034】
【表2】
【0035】腐食試験結果を上記表2に示す。本発明の
成分範囲内の鋼を用いかつ酸素ガス濃度が大気中の0.
5以下の場合、海水浸漬並びにさらに環境の厳しい乾湿
繰返し条件下においても腐食速度は0.2g/m2h 以下で
あり、かつ孔食の発生もない。一方、本発明の成分範囲
内の鋼であっても酸素ガス濃度が0.5を超える場合、
乾湿繰返し条件下での腐食速度を大幅に超えると共にC
rの高い場合には、孔食も発生する。このような腐食試
験結果から、本発明の成分範囲内の鋼と低酸素使用雰囲
気との組合せによって初めて、バラストタンクの長寿命
化が得られることが分かる。
成分範囲内の鋼を用いかつ酸素ガス濃度が大気中の0.
5以下の場合、海水浸漬並びにさらに環境の厳しい乾湿
繰返し条件下においても腐食速度は0.2g/m2h 以下で
あり、かつ孔食の発生もない。一方、本発明の成分範囲
内の鋼であっても酸素ガス濃度が0.5を超える場合、
乾湿繰返し条件下での腐食速度を大幅に超えると共にC
rの高い場合には、孔食も発生する。このような腐食試
験結果から、本発明の成分範囲内の鋼と低酸素使用雰囲
気との組合せによって初めて、バラストタンクの長寿命
化が得られることが分かる。
【0036】さらに、鋼組成および酸素濃度が本発明の
範囲外の場合には、本発明例と比較して、腐食速度が大
となり、乾湿繰返し条件下では0.2g/m2h を超える。
ただし、比較例に示したように、本発明範囲外の組成の
鋼であっても酸素ガス濃度が低くなると本発明のCu−
Ni−P添加鋼ほどではないが、それなりに腐食速度が
下がる。例えば酸素ガス濃度が1%では乾湿繰返し条件
下での腐食速度は0.22〜0.25g/m2h となってい
る。しかし、現実のバラストタンクにあってこの酸素ガ
ス濃度を1%以下のような低い値に保つことはかなり困
難であり、本発明のように酸素ガス濃度が5〜8%程度
でも腐食速度が充分に低下しないと実用的でない。
範囲外の場合には、本発明例と比較して、腐食速度が大
となり、乾湿繰返し条件下では0.2g/m2h を超える。
ただし、比較例に示したように、本発明範囲外の組成の
鋼であっても酸素ガス濃度が低くなると本発明のCu−
Ni−P添加鋼ほどではないが、それなりに腐食速度が
下がる。例えば酸素ガス濃度が1%では乾湿繰返し条件
下での腐食速度は0.22〜0.25g/m2h となってい
る。しかし、現実のバラストタンクにあってこの酸素ガ
ス濃度を1%以下のような低い値に保つことはかなり困
難であり、本発明のように酸素ガス濃度が5〜8%程度
でも腐食速度が充分に低下しないと実用的でない。
【0037】
【発明の効果】Cu−Ni−Pを含む耐食低合金鋼をタ
ンクの構成材料に使用し、かつタンク内の酸素ガス濃度
を現場的に十分可能な10%以下に保つことでバラスト
タンクを防食し、その寿命を長くすることが可能であ
る。特に酸素ガス濃度を低減することで、低合金耐食鋼
のもつ優れた性質を継続的に生かすことができる。造船
メーカにおいても鋼材を裸で使用できるため塗装工程が
省略でき、省力化を図れると同時にバラストタンクのメ
ンテナンスフリー化を図ることができる。
ンクの構成材料に使用し、かつタンク内の酸素ガス濃度
を現場的に十分可能な10%以下に保つことでバラスト
タンクを防食し、その寿命を長くすることが可能であ
る。特に酸素ガス濃度を低減することで、低合金耐食鋼
のもつ優れた性質を継続的に生かすことができる。造船
メーカにおいても鋼材を裸で使用できるため塗装工程が
省略でき、省力化を図れると同時にバラストタンクのメ
ンテナンスフリー化を図ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 C:0.15%以下,Si:0.02〜
1.50%,Mn:0.2〜5.0%,P:0.03〜0.
10%,S:0.005%以下,Cu:0.1〜1.0
%、Ni:0.2〜1.0%を含み残部は実質的にFeお
よび不可避の不純物からなる低合金鋼を構成材料として
使用すると共に、内部の酸素ガス濃度を大気中での値に
対する比率にして0.5以下とすることを特徴とするバ
ラストタンクの防食方法。 - 【請求項2】 請求項1において、構成材料が、さら
に、Mo:0.05〜1.0%,V:0.05〜1.0%,
W:0.05〜1.0%のうちの1種または2種以上を含
むことを特徴とするバラストタンクの防食方法。 - 【請求項3】 請求項1または2において、構成材料が
さらにAl:0.02〜1.00%を含むことを特徴とす
るバラストタンクの防食方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のうちのいずれか1項
において、構成材料がさらにTi:0.01〜0.5%を
含むことを特徴とする耐久性に優れたバラストタンクの
防食方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19673393A JPH0734272A (ja) | 1993-07-15 | 1993-07-15 | バラストタンクの防食方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19673393A JPH0734272A (ja) | 1993-07-15 | 1993-07-15 | バラストタンクの防食方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0734272A true JPH0734272A (ja) | 1995-02-03 |
Family
ID=16362692
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19673393A Pending JPH0734272A (ja) | 1993-07-15 | 1993-07-15 | バラストタンクの防食方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0734272A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2005100625A1 (ja) * | 2004-04-14 | 2005-10-27 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | カーゴオイルタンク用鋼材 |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4873993A (ja) * | 1972-01-10 | 1973-10-05 | ||
| JPS569356A (en) * | 1979-07-05 | 1981-01-30 | Nippon Steel Corp | P-containing corrosion resistant steel with high weldability |
| JPS572865A (en) * | 1980-06-06 | 1982-01-08 | Nippon Steel Corp | P-containing corrosion resistant steel with high weldability |
-
1993
- 1993-07-15 JP JP19673393A patent/JPH0734272A/ja active Pending
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4873993A (ja) * | 1972-01-10 | 1973-10-05 | ||
| JPS569356A (en) * | 1979-07-05 | 1981-01-30 | Nippon Steel Corp | P-containing corrosion resistant steel with high weldability |
| JPS572865A (en) * | 1980-06-06 | 1982-01-08 | Nippon Steel Corp | P-containing corrosion resistant steel with high weldability |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2005100625A1 (ja) * | 2004-04-14 | 2005-10-27 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | カーゴオイルタンク用鋼材 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP7655658B2 (ja) | 400MPa級耐食鉄筋及びその生産方法 | |
| CN102301025B (zh) | 原油罐用耐腐蚀钢材及其制造方法以及原油罐 | |
| JP3753088B2 (ja) | カーゴオイルタンク用鋼材 | |
| JP5879758B2 (ja) | 耐食性に優れた鋼材 | |
| JP4449691B2 (ja) | カーゴオイルタンク用鋼材 | |
| JP6079841B2 (ja) | 耐食性に優れた鋼材 | |
| CN112272712A (zh) | 煤专用船或矿/煤兼用船的船舱用耐蚀钢及船舱 | |
| JP4325421B2 (ja) | 耐海水鋼 | |
| JP5845951B2 (ja) | 耐食性に優れた鋼材 | |
| CN111108225A (zh) | 钢板及其制造方法 | |
| JP5958103B2 (ja) | 耐塗膜膨れ性に優れた船舶バラストタンク用鋼材 | |
| KR101289124B1 (ko) | 해수 내식성이 우수한 선박용 강재 | |
| JP5942532B2 (ja) | 耐食性に優れた鋼材 | |
| KR960014949B1 (ko) | 내기후성, 내녹성이 우수한 고 Cr, P첨가 페라이트계 스테인레스강 | |
| JP2006169626A (ja) | 高耐食性鋼材 | |
| JP7723891B2 (ja) | 鋼材 | |
| JPH0734272A (ja) | バラストタンクの防食方法 | |
| JPH0734196A (ja) | 耐久性に優れたバラストタンク | |
| JPH0734270A (ja) | バラストタンクの防食方法 | |
| KR20200053342A (ko) | 내해수 특성이 우수한 고강도 구조용강 및 그 제조방법 | |
| CN103469101B (zh) | 一种高Nb原油船货轮舱底板用耐蚀钢 | |
| JP2005097709A (ja) | 原油タンク底板用鋼材 | |
| JP7218655B2 (ja) | 鋼材 | |
| JP2020070463A (ja) | 石炭専用船又は鉱炭兼用船の船倉用耐食鋼 | |
| JPH07197124A (ja) | 耐孔あき腐食性に優れた高強度強加工用鋼板の製造方法 |