JPH0735105B2 - 低温チッピング性に優れた自動車外面用防錆鋼板 - Google Patents

低温チッピング性に優れた自動車外面用防錆鋼板

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JPH0735105B2
JPH0735105B2 JP62236690A JP23669087A JPH0735105B2 JP H0735105 B2 JPH0735105 B2 JP H0735105B2 JP 62236690 A JP62236690 A JP 62236690A JP 23669087 A JP23669087 A JP 23669087A JP H0735105 B2 JPH0735105 B2 JP H0735105B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は低温チッピング性に優れた自動車外面用防錆鋼
板に関するもので、さらに詳しくは、自動車外板の外面
用として必要な低温チッピング性に優れた防錆鋼板に関
する。
[従来技術] 自動車外板の外面にZn系合金めっきを適用については、
ここ数年急速に進められてきており、欧州また北アメリ
カ等の寒冷地域では岩塩と混合して散布される小石が自
動車外面に衝突して、塗膜だけではなくめっき層と素地
鋼板との間が剥離するという問題が発生した(低温チッ
ピング性)。
この問題は、合金めっき層自体が固くて脆く、また、め
っき時の残留応力が大きいこと、さらに、自動車下地塗
装である電着塗装或いは中、上塗り塗装の焼付け時にも
可成りの収縮応力が生じるために、低温でチッピングを
受けた場合めっき層と素地界面から剥離が生じると考え
られている。
そして、この問題に対しては、主としてめっき層の残留
応力を軽減する方法の対策が採用されているのが現状で
ある。しかし、このめっき層の残留応力を軽減するため
には、めっき浴中に応力緩和剤と称する添加剤を加える
等の対策が一般的であるが、浴中添加剤によってZn系合
金めっき組成が著しく変化し、ひどい場合にはZn中に他
の合金成分が殆ど入らないという問題がある。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は従来における自動車外板の外面に使用する防錆
鋼板の種々の問題点に鑑み、本発明者が鋭意研究を行
い、検討を重ねた結果、低温におけるチッピング性が極
めて良好な自動車外面用防錆鋼板を開発したのである。
[問題点を解決するための手段] 本発明に係る低温チッピング性に優れた自動車外面用防
錆鋼板の特徴とするところは、 鋼板上に10g/m2のZn系合金めっき層を設け、その上に、
クロメート処理皮膜層或いは燐酸塩処理皮膜層を設け、
さらにその上に、Tg点55℃以下で、かつ、焼付け後の常
温における硬度が鉛筆硬度のH〜2Bである有機樹脂皮膜
層が0.1〜2.0μmの厚さに設けられていることにある。
本発明に係る低温チッピング性に優れた自動車外面用防
錆鋼板について、以下詳細に説明する。
本発明に係る低温チッピング性に優れた自動車外面用防
錆鋼板においては、合板上にZn系合金めっき層、クロメ
ート処理皮膜層或いは燐酸塩処理皮膜層を順に設け、そ
の上に特定の性質を有する有機樹脂皮膜層を設けること
によって、自動車製造に際して施される下地電着塗装、
中、上塗り塗装後の収縮応力がZn系合金めっき層に直接
伝わらないのである。
なお、Zn系合金めっき層の付着量は、低温チッピング性
を考慮すると10g/m2以上とするのがよい。
本発明に係る低温チッピング性に優れた自動車外面用防
錆鋼板に使用する有機樹脂皮膜層としては、水溶性、溶
剤型等の種類には関係なく使用でき、エポキシ系、ウレ
タン系、アクリル系及びこれらの混合物が使用できる。
そして、エポキシ系樹脂としては、汎用液状エポキシ樹
脂、ウレタン系樹脂では、水溶性非反応自己乳化型ウレ
タン樹脂、アクリル系樹脂では、水溶性アクリル樹脂等
が挙げられる。
このような有機樹脂皮膜層は低温チッピング性に関与す
るものであり、その性質としては、Tg点(ガラス転位
点)が重要であり、このTg点が55℃以下でなければ効果
はない。また、有機樹脂皮膜層の厚さは0.1〜2.0μmと
するのが良く0.1μm未満の厚さでは低温チッピング性
改良の効果は少なく、また、2.0μmを越える厚さでは
低温チッピング性に効果はあるけれども、電着塗装性、
溶接性、外観仕上り性等に悪影響を及ぼすのである。ま
た、有機樹脂皮膜層の焼付け後の硬度は外面用として自
動車の各部に使用するためのプレス時に問題を生じ、即
ち、塗膜硬度が鉛筆硬度のHを越えるとプレス時にクラ
ックが入り、特に著しい場合には剥離することがあり、
また、塗膜硬度が鉛筆硬度の2Bより軟かいとプレス時に
疵がつき易くなる。この塗膜硬度とプレス時のパウダリ
ング性の関係をドロービードテストにより評価した場合
について、第3図に示す。この第3図において、有機樹
脂皮膜層はウレタン系樹脂(2μm)で、下地はZn−Ni
合金めっき層(20g/m2)であり、●印は鉛筆硬度のH〜
2Bを外れているので有機樹脂皮膜層の疵つきが大きい。
なお、従来の自動車における低温チッピング対策とし
て、下塗り電着塗装後に耐チッピング塗料を10μm以上
塗布するか、上塗りまで施した後に耐チッピング塗料を
10μm以上の厚さに塗布することが行なわれており、本
発明に係る低温チッピング性に優れた自動車外面用防錆
鋼板におけるように、有機樹脂皮膜層の厚さを0.1〜2.0
μmのように薄く電着塗装の下層とすることは行なわれ
ていない。そして、従来の対策では欧州、北アメリカ等
の寒冷地に対してだけ、この種の塗装を施す必要がある
ことから、塗料塗り替え等の製造工程上の煩雑さは避け
ることができなかったのである。
このようなことから、本発明に係る低温チッピング性の
優れた自動車外面用防錆鋼板においては、有機樹脂皮膜
層を改良することにより耐蝕性を確保しながら、低温チ
ッピング性を著しく改良したものであり、さらに、プレ
ス加工によりたとえ鋼板上のZn系合金めっき層が局部的
に剥離することがあっても、可撓性に優れた有機樹脂皮
膜層に覆われているので、Zn系合金めっき層単独の場合
に比較してプレス時の疵の原因となるパウダリング量を
低下できるのである。
なお、有機樹脂皮膜層にSiO2、各種防錆顔料また、その
他の添加剤を含有させて種々の性能を向上することも可
能である。
また、鋼板上のZn系合金めっき層の上に設けるクロメー
ト処理皮膜層或いは燐酸塩処理皮膜層は、Zn系合金めっ
き層と有機樹脂皮膜層のバインダーとしての作用を行う
ものであれば、どのようなものでもその種類は問はな
い。
[実施例] 本発明に係る低温チッピング性の優れた自動車外面用防
錆鋼板の実施例を説明する。
通常の硫酸亜鉛、硫酸ニッケルを主成分とするめっき液
中に、鋼板を陰極として電解を行い、20g/m2の付着量を
有するZn−Ni系合金めっき鋼板上にクロメート処理皮膜
層を設け、さらに、その上に、Tg点が100℃、60℃、55
℃、40℃、16℃である第一工業製薬製の水溶性自己乳化
型ウレタン樹脂(A)のウレタン系水溶性有機樹脂皮膜
層を1.0μmの厚さに設けた。
この鋼板の上に自動車のに適用されている下塗り電着塗
装20μm、中塗り35μm、上塗り35μmの厚さ(全体の
厚さは90μmである。)に焼付け、試験片を−20℃に冷
却した状態において、7.9〜11.1mmの径を有する御影石1
00gをグラベロメーターにより空気圧4.0kg/cm2、距離30
0mmで打ち付け、Zn−Ni系合金めっき層と素地界面から
剥離した最大径を測定した。
第1図にその結果を示す。
この第1図から、Tg点が55℃以下で最大めっき剥離径が
著しく小さくなり、有機樹脂皮膜層のないZn−Ni系合金
めっき鋼板のままの状態に比較して大きく改善されてい
ることがわかる。
また、Tg点が60℃では低温チッピング性は改善されては
いるが充分ではなく、さらに、Tg点が100℃になるとZn
−Ni系合金めっき鋼板そのままのものに比して何等の改
善効果は認められない。
そして、この第1図から明らかであるが、Tg点が55℃を
境としてTg点の低下に伴って低温チッピング性は向上し
ていくが、Tg点があまりに低い値の有機樹脂皮膜層を採
用するとコスト高となる割には、それほどチッピング性
が改善されることにはならないことと、耐蝕性の劣化を
招くことからTg点は55℃以下〜18℃の範囲とするのがよ
い。
次に、第2図に、Tg点50℃の第1図と同じウレタン系水
溶性樹脂の皮膜層(塗膜硬度は鉛筆硬度のHB)の膜厚を
変化させた場合の第1図と同様の低温チッピング試験を
行った結果を示す。
この第2図から有機樹脂皮膜層の厚さが0.1μm以上でZ
n−Ni系合金めっき層の剥離径は極めて小さくなり、チ
ッピング性改善効果は充分である。
また、上記ウレタン系有機樹脂皮膜層以外に、エポキシ
系(旭電化製のビスフェノールA型汎用液状エポキシ趣
旨(B))、アクリル系(ヘキスト合成製水溶性アクリ
ル樹脂(C))の有機樹脂皮膜層について、Tg点を変化
させて低温チッピング性を調査したが、何れの場合にお
いてもTg点55℃以下、有機樹脂皮膜層の厚さ0.1μm以
上で優れた効果が認められた。
第1表に、上記の例および比較例としてZn−Niめっき鋼
板、Zn−Fe/Zn−Niめっき鋼板についてめっき剥離径に
ついて示してある。
この第1表から、本発明に係る低温チッピング性に優れ
た自動車外面用防錆鋼板は、塗膜硬度が鉛筆硬度のH〜
2Bにおいて低温ピッチング試験において著しく小さいめ
っき剥離径を示していることがわかる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る低温チッピング性に
優れた自動車外面用防錆鋼板は上記の構成であるから、
下地、中塗り、上塗り塗装後の収縮応力がZn系合金めっ
き層には及ばず、また、優れた低温チッピング性を有す
るという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は有機樹脂皮膜層のTg点および塗膜強度(鉛筆硬
度)と最大めっき剥離径との関係を示す図、第2図は有
機樹脂皮膜層の厚さと最大めっき剥離径との関係を示す
図、第3図は塗膜硬度(鉛筆硬度)とパウダー発生量と
の関係を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板上に10g/m2以上のZn系合金めっき層を
    設け、その上に、クロメート処理皮膜層或いは燐酸塩処
    理皮膜層を設け、さらにその上に、Tg点55℃以下で、か
    つ、焼付け後の常温における硬度が鉛筆硬度のH〜2Bで
    ある有機樹脂皮膜層が0.1〜2.0μmの厚さに設けられて
    いることを特徴とする低温チッピング性に優れた自動車
    外面用防錆鋼板。
JP62236690A 1987-09-21 1987-09-21 低温チッピング性に優れた自動車外面用防錆鋼板 Expired - Fee Related JPH0735105B2 (ja)

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