JPH0735242B2 - 粗塩酸の精製方法 - Google Patents

粗塩酸の精製方法

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JPH0735242B2
JPH0735242B2 JP1159179A JP15917989A JPH0735242B2 JP H0735242 B2 JPH0735242 B2 JP H0735242B2 JP 1159179 A JP1159179 A JP 1159179A JP 15917989 A JP15917989 A JP 15917989A JP H0735242 B2 JPH0735242 B2 JP H0735242B2
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有之 竹田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、粗塩酸を活性炭床及びCl型強塩基性陰イオン
交換樹脂床に通液し精製する方法に関するものである。
詳しくは、本発明は、反応工程から回収される鉄イオン
及び遊離塩素を不純物として含む粗塩酸を活性炭床及び
Cl型強塩基性陰イオン交換樹脂床を用いて精製する方法
の改良に関するものである。
〔従来の技術〕
有機化合物の塩素化反応工程、有機塩素化合物の燃焼工
程等で副生物として生成する塩化水素ガスを回収して得
られる粗塩酸中には、反応工程で使用される触媒に含ま
れる鉄成分が混入し、それらは鉄イオンとしてクロロ錯
イオンの形態をなし不純物として含有されている。
この粗塩酸に含まれる鉄イオンを除去し精製する方法と
して、粗塩酸をCl型の強塩基性陰イオン交換樹脂床に通
液して精製する方法が知られている。しかしながら、反
応系から回収される粗塩酸中には、不純物である鉄イオ
ンの他に遊離塩素も含有されていることが多く、粗塩酸
を直接Cl型の強塩基性陰イオン交換樹脂床に通液すると
イオン交換樹脂が酸化されイオン交換能力が急激に低下
するおそれがあるため、一般には、Cl型強塩基性陰イオ
ン交換樹脂床へ通液する前にあらかじめ活性炭床に通液
し、遊離塩素を除去することが行われている。
ところが、この方法では活性炭床により遊離塩素は除去
されるものの、一方では鉄イオンが3価から2価へ還元
される反応が起こる。
塩酸溶液中では2価の鉄イオンは3価の鉄イオンに比べ
てクロロ錯イオンの形成能が低いため、陰イオンの形成
度合が減少し、その結果活性炭床に引き続いて通液され
るCl型強塩基性陰イオン交換樹脂床によりイオン交換さ
れない2価の鉄イオンとして精製塩酸中に漏出し、精製
塩酸の純度が向上しないという欠点があった。
そのために、従来法においては活性炭床より流出する粗
製塩酸を一旦貯蔵しエアレーションを行うことにより、
含有されている2価の鉄イオンを3価に酸化した後Cl型
強塩基性陰イオン交換樹脂床に通し2価の鉄イオンの漏
出を防止する方法がとられているが、この方法は完全酸
化をするために長時間を要し、さらには塩素ガスが発生
するなど操作が非常に煩雑であった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は従来の活性炭床とCl型強塩基性陰イオン交換樹
脂床を用いる粗塩酸の精製方法において、遊離塩素を含
む粗塩酸中に不純物として含まれている鉄イオンが活性
炭床内で3価(III)から2価(II)への還元反応が生
じるのを活性炭床に極めて簡単な方法で特別の処理を施
すことにより防止し、高純度の塩酸を取得する方法を提
供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明の要旨は、鉄イオン及び遊離塩素を含む粗塩酸を
活性炭床及びCl型強塩基性陰イオン交換樹脂床に順次通
液して精製する方法において、該活性炭床にあらかじめ
塩化鉄(III)水溶液又は塩化鉄(III)と次亜塩素酸塩
を含有する水溶液を通液した後、粗塩酸を通液すること
よりなる粗塩酸の精製方法に存する。
以下本発明を、実施態様の一例を表す第1図を用いて詳
細に説明する。
第1図は本発明の一実施態様を示す装置概略図である。
活性炭塔1には粒状活性炭が充填され、活性炭床2が形
成される。イオン交換塔3にはCl型強塩基性陰イオン交
換樹脂床4が形成される。Cl型の強塩基性陰イオン交換
樹脂としては、ポーラス型、ゲル型のいずれでも良く、
またこれらの樹脂の再生は従来より行なわれている上
水、純水等を用いる慣用的な方法で行うことが出来る。
薬液槽5には、塩化鉄(III)水溶液又は塩化鉄(III)
と次亜塩素酸塩を含む水溶液が貯えられる。水洗水槽6
には、上水又は純水が貯えられ、これらは活性炭床2の
洗浄用水及びCl型強塩基性陰イオン交換樹脂床4の再生
用水として利用される。
上記薬液槽5に貯えられた薬液を活性炭床2へ通液した
際の活性炭塔1からの流出液を循環利用するための循環
用配管10が設けられている。また、活性炭床2の洗浄廃
水及びCl型強塩基性陰イオン交換樹脂床4の再生廃水は
廃液槽8に排出され、精製された塩酸は処理液槽9に貯
えられる。
次に本発明方法の操作順序を第1図に従って説明する。
まず、薬液槽5に貯えられた塩化鉄(III)水溶液又は
塩化鉄(II)と次亜塩素酸塩とを含む水溶液を配管11を
経て活性炭塔1に導入し、活性炭床2と接触させ活性炭
表面の処理を行う。その際の活性炭塔1からの流出液
は、循環配管10により薬液槽に戻し、再利用できるよう
にすれば、薬液の有効利用が計れ好ましい。
この際、処理液として塩化鉄(III)水溶液を用いる場
合、その濃度は通常10〜20w/v%であり、空間速度1〜1
0Hr-1、通液量1〜10/−活性炭の条件が採用され
る。また、塩化鉄(III)と次亜塩素酸塩を含む水溶液
を用いる場合には、あらかじめ、塩化鉄(III)水溶液
と次亜塩素酸塩水溶液を調製しておき使用する際に混合
して用いる。その場合、塩化鉄(III)水溶液の濃度は1
0〜20w/v%、次亜塩素酸塩水溶液の濃度は1〜12w/v%
とし、その混合比(容積比)は両液の濃度によっても異
なるが、通常塩化鉄水溶液/次亜塩素酸塩水溶液=100/
1〜3/1、好ましくは50/1〜3/1とし、空間速度1〜10Hr
-1、通液量1.0〜10/−活性炭で行うのが好まし
い。次亜塩素酸塩としては次亜塩素酸ナトリウム、次亜
塩素酸カリウムがあげられる。
あらかじめ調整しておいた塩化鉄(III)水溶液と次亜
塩素酸塩水溶液を混合して液を調整する際に、混合比に
よってはpHの上昇が生じ酸化鉄(III)の沈澱が生成す
る場合がある。その場合は、該混合液に少量の塩酸を添
加して沈殿を溶解した後使用すると良い。また、塩化鉄
(III)と次亜塩素酸塩を一緒にあるいは順次溶解する
と塩素ガスが発生し、作業が困難になるおそれがある。
また、精製処理に付される原液の粗塩酸中の塩酸濃度、
鉄イオン及び遊離塩素濃度は原液が由来する回収工程に
よって異なるが、通常、塩酸濃度10〜35(重量)%、鉄
イオン1.0〜500mg/、遊離塩素30〜50mg/含有してい
る。塩酸濃度が25%以上の場合には、活性炭床2での鉄
イオンの還元反応速度は極めて穏やかであるために、塩
化鉄(III)水溶液のみによる処理で十分であるが、塩
酸濃度がこれより低い場合には、塩化鉄(III)と次亜
塩素酸塩を併用するのが好ましい。上記の薬液を活性炭
塔1に通液する際の活性炭床2への通液方向は上向流、
下向流のいずれでも良い。
次に水洗水槽6に貯えられ水を導入して、上記薬液によ
る処理後の活性炭床2中に残留する薬液を押出し、洗浄
する。この際の流出液は廃液槽8に排出される。
また、この水洗時の通水は、空間速度1〜20Hr-1、導入
水量2〜20/−活性炭を目安に行うと良い。
さらに、この水洗工程の前に、前工程により活性炭床2
の活性炭面に鉄が沈着しているおそれがあるため、それ
らを洗浄・除去する目的で塩酸を導入して塩酸処理を行
うとよい。その際の塩酸濃度は3.5%前後、通液量は5
〜10/−活性炭を目安とする。
以上のような前処理を行なった活性炭床2に粗製塩酸を
通液すると、活性炭床2では鉄イオンは2価に還元され
ることなく遊離塩素が除去され、流出する塩酸には3価
の鉄イオンのみが含まれることになり、続くCl型の強塩
基性陰イオン交換樹脂床4により不純物である鉄イオン
は完全は除去されるのでイオン交換塔4から流出する精
製塩酸には高純度のものが得られ、それらは処理液槽9
に貯えられる。
所定量の粗塩酸を通液して鉄イオンを吸着して機能が減
退したCl型の強塩基性陰イオン交換樹脂床4は水洗水槽
6に貯えられた水を導入して、従来から行なわれている
方法により再生後、再び利用される。
このように本発明によれば、活性炭床による鉄イオンの
還元反応が抑制され、そのために続くCl型の強塩基性陰
イオン交換樹脂床では鉄イオンが完全に除去されるので
高純度の塩酸を得ることができる。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例及び比較例により詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例によって限定されるものでは
ない。
〔実施例1〕 内径14mm、高さ500mmのガラスカラムを2本用意し、一
方には粒状活性炭“ダイヤホープ”(三菱化成株式会社
登録商標)006を50ml充填して活性炭床を形成し、他方
にはCl型の強塩基性陰イオン交換樹脂“ダイヤイオン”
(三菱化成株式会社登録商標)SA10A50mlを充填し、強
塩基性陰イオン交換樹脂床を形成した。
次に活性炭床には10w/v%の塩化鉄(III)水溶液100ml
をカラム底部より、空間流速2Hr-1で通液した後、1.0N
−HCl250mlを5Hr-1、純水500mlを10Hr-1で順次通液し、
処理を行い、また強塩基性陰イオン交換樹脂床は純水50
0mlを10Hr-1で通水し、洗浄した。
続いて有機塩素化合物の燃焼工程で回収された鉄(II
I)イオン濃度400mg/l、遊離塩素50mg/l、塩酸濃度33%
の粗塩酸15を流速5Hr-1で活性炭床、強塩基性陰イオ
ン交換樹脂床の順に下向流で通液した。
強塩基性陰イオン交換樹脂床から流出する精製塩酸中の
鉄イオン濃度は第2図の曲線−1のようであった。な
お、鉄イオンの分析はオルトフェナントロリン法(JIS
K−0102)により行なった。
〔比較例−1〕 実施例−1と同一の装置を用いて、各カラムには実施例
−1と同一の活性炭とCl型の強塩基性陰イオン交換樹脂
を同一量充填した。
活性炭床に塩化鉄(III)水溶液による処理を行なわな
かったほかは、実施例−1と同様にして粗塩酸を実施例
−1と同一条件で通液した。
その際の強塩基性陰イオン交換樹脂床から流出する精製
塩酸中の鉄イオン濃度は第2図の曲線2のようであっ
た。
実施例−2 実施例−1で用いた装置に実施例−1と同一条件で活性
炭床、強塩基性陰イオン交換樹脂床を形成した。活性炭
床には10w/v%塩化鉄(III)水溶液350mlと2.4w/v%次
亜塩素酸ナトリウム溶液50mlの混合液を上向流で流速4H
r-1で通液し、次いで1.0N−HCl250mlを10Hr-1、純水500
mlを10Hr-1で順次下向流で通液し処理を行なった。又強
塩基性陰イオン交換樹脂床には純水500mlを10Hr-1で通
水し洗浄した。
続いて鉄(III)イオン濃度100mg/l、遊離塩素濃度50mg
/l、塩酸濃度19%の粗塩酸1.5を流速5Hr-1で活性炭
床、強塩基性陰イオン交換樹脂床の順に通液した。その
際の強塩基性陰イオン交換樹脂床から流出する精製塩酸
中の鉄イオン濃度は第3図曲線−1のようであった。
〔比較例−1〕 比較例−1と同一の条件で、実施例−2で使用した粗塩
酸を通液した。
その際の流出する精製塩酸中の鉄イオンは第3図曲線−
2のようであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を説明するための装置概略図であり、図
中1……活性炭塔、2……活性炭床、3……イオン交換
塔、4……Cl型強塩基性陰イオン交換樹脂床、5……薬
液槽、6……水洗水槽、7……処理原液槽、8……廃液
槽、9……処理液槽、10……循環用配管を示す。 第2図及び第3図は鉄イオンの漏出曲線を表わし、図
中、曲線1及び3は本発明方法、曲線2及び4は従来法
による漏出曲線を各々示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄イオン及び遊離塩素を含む粗塩酸を活性
    炭床及びCl型強塩基性陰イオン交換樹脂床に順次通液し
    て精製する方法において、該活性炭床にあらかじめ塩化
    鉄(III)水溶液又は塩化鉄(III)と次亜塩素酸塩を含
    有する水溶液を通液した後、粗塩酸を通液することを特
    徴とする粗塩酸の精製方法。
JP1159179A 1989-06-21 1989-06-21 粗塩酸の精製方法 Expired - Lifetime JPH0735242B2 (ja)

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