JPH0735747A - 多項目測定用乾式分析要素の製造方法 - Google Patents

多項目測定用乾式分析要素の製造方法

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JPH0735747A
JPH0735747A JP17784293A JP17784293A JPH0735747A JP H0735747 A JPH0735747 A JP H0735747A JP 17784293 A JP17784293 A JP 17784293A JP 17784293 A JP17784293 A JP 17784293A JP H0735747 A JPH0735747 A JP H0735747A
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porous
plasma
blood cell
blood
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JP17784293A
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English (en)
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Taiji Fujisaki
泰司 藤嵜
Shigeru Tezuka
滋 手塚
Hikari Tsuruta
光 鶴田
Masashi Ogawa
雅司 小川
Masao Kitajima
昌夫 北島
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】微量の液体試料、特に体液試料を容易に複数の
部分分析要素に供給し、かつこれを確実に保存・移送で
き、十分な分析精度で分析することができる分析要素を
高い歩留りで作製する。 【構成】水不透過性支持体の上に、親水性ポリマー層、
少なくとも1層の熱可塑性材料からなる多孔性展開層が
この順に積層されている、測定試薬を含まない血漿受容
要素を該支持体に達する熱溶断溝を設けて複数の部分血
漿受容要素に分割するとともに該展開層の表面に熱接着
性の接着剤を液体が一様に通過しうるよう部分的に配置
し、この上に血球分離要素を重ねて、前記熱溶断溝より
該血球分離要素を剥離可能に接着することを特徴とする
多項目測定用乾式分析要素の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臨床分析分野等におい
て少量の試料で多項目を測定できる分析要素、また、液
体試料を採取後分析までに時間がかかる場合等に有効な
分析方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】血液、尿等を検体として人の病気を診断
する方法は長く行われている。
【0003】この方法の一つとして、ウェットケミスト
リー分析法がある。これは、いわゆる溶液試薬を用いる
方法であって歴史も古く、多数の項目について検出試薬
も開発されており、測定機も簡易小型機から大型全自動
機まで各種ある。ウェットケミストリーに使用される検
体は、血漿、血清、尿等であって、通常全血をそのまま
検体として使用することはない。
【0004】ウェットケミストリーでは、保存期間中は
試薬の安定性を考慮していくつかの群に分けておき、溶
解、調製時に混合することもできるし、試薬添加の手順
をいくつかのステップに分けることも可能である。
【0005】更に、測定検体の数に応じて、適量の試薬
を溶解、調製しておくことができるので、1測定当り試
薬コストも少なくて済む。多数の溶液の取扱を組み合わ
せて自動化することは複雑で厄介ではあるが、臨床検査
機器の開発は歴史もあり、社会的な要請も高かったの
で、既に大・中・小いずれの処理能力を必要とする分野
についても、効率良い自動機器が開発、実用化されてい
る。
【0006】一方、定性・定量分析に必要な全ての試薬
を試薬紙や多層分析フィルムのような分析要素の中に組
み込んだ、いわゆるドライケミストリー分析要素が多数
開発・商品化され、富士ドライケム(富士写真フィルム
(株)製)、エクタケム(米国、イーストマンコダック社
製)、ドライラボ(コニカ(株)製)、スポットケム(京
都第一化学(株)製)、レフロトロン(独国、ベーリンガ
ーマンハイム社製)、セラライザー(米国、マイルズラ
ボラトリー社製)等の名称で市販されている。
【0007】これらドライケミストリー分析要素は、下
記のような特徴を有する。 (1) 分析に必要な試薬が全て分析要素の中に組み込まれ
ている。 (2) 検体(通常は血清、血漿、尿、1部項目については
全血)を点着するだけで分析に必要な反応を起こす。
【0008】ドライケミストリー分析要素は、その利用
分野によって3種に大別される。 分類1:開業医、家庭等でのスクリーニグを目的として
おり、目視検査により定性(+/−)か半定量(5段階
程度)の結果が判別できるもの。 分類2:小型簡易操作を特徴とした測定機との組合せに
より、測定場所を比較的に自由に選べるもの。緊急検査
室、小児病棟、開業医、小規模病院等で使用される。 分類3:全自動機を使用し、病院や検査センターのルー
チン測定に使用されるもの。分析要素の構成や内容も上
記分類に応じて異なる。
【0009】分類1に供される分析要素は、尿検査や血
糖試験紙に代表されるものであって、分析操作は簡便で
かつ機器も不要であるが、大雑把な判定(正常か異常か
等)が得られるのみであり、必要な場合には定量的な結
果が得られる他の分析手段により再測定されることを前
提としている。
【0010】この方法による分析要素は、臨床検査技師
や医師、看護婦等の専門家による操作を前提としてはお
らず、検体処理もしなくて良いように、尿や全血を直接
検体とすることができるのが普通である。
【0011】分類2に属するものは、定量分析を目的と
しており、機器による定量的な測定を前提としている。
操作そのものは、分類1程ではないが比較的簡単であっ
て、臨床検査技師等の専門家を前提とはしていない。検
体については、全血、血漿、血清、尿のいずれも使用で
きる分析要素が開発されつつあるが、全血で測定可能な
項目数はなお10数項目であって、比較的制限されてい
る。
【0012】分類3の全自動機に使用される検体は通常
血漿、血清、尿に限られており、全血を検体とすること
はできない。但し、測定可能な項目は順次増加してきて
おり、少なくとも40項目以上について分析要素が開発さ
れている。
【0013】また、本発明者はドライケミストリー分析
要素の保存方法として、液体試料の点着がされた乾式分
析要素を、点着した液体試料の反応を停止・定着させた
後、分析装置にて分析するまでの間、実質的に水分と空
気を遮断した状態で保存することを特徴とする乾式分析
要素の保存方法を既に開発した(特開平3−289543号公
報)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記のウェットケミス
トリー分析法とドライケミストリー分析要素共通の欠点
として検体の調製・供給の問題がある。
【0015】ウェットケミストリー法では、透明溶液の
透過測定を前提としているので、全血検体をそのまま測
定試料とすることはできない。即ち、全血検体を採血
後、遠心分離した上清の血漿または血清をサンプルカッ
プに移すか、または遠心分離管そのものをサンプルカッ
プの代わりに測定機にセツトする等の方法が取られてい
る。これらの操作を行う煩雑さに加えて、赤血球の混入
無しに確実にサンプリングするに十分な血漿または血清
の確保という問題がある。
【0016】遠心分離後の血漿200μlを確保するため
には、通常1.5〜2mlの全血を必要とする。遠心分離や
その後の操作を注意深く行ったとしても、最少必要採血
量は500μl前後と推定される。
【0017】一方、分析測定に必要な試料の量は10μl
/項目程度であるので、10項目テストしたとしても100
μl、20項目テストしたとしても200μlに過ぎない。
病院等で実際に採血される量は2〜20mlである。即ち、
最終的に必要な血漿量の50〜100倍が採血されている。
【0018】注射器を用いて血管に針を刺し、採血され
ることは健常者であっても精神的、肉体的に苦痛を伴う
ものであるが、体質的に血管が細く採血が困難な人や病
弱な患者については特に、採血に伴う苦痛は想像以上の
ものであり、更に繰り返し採血される患者にとっては、
採血量を最小限に抑えたいという願いは大きい。
【0019】また、病院の採血室あるいは開業医、診療
所では、全血を試験管や真空採血管に採取した後、その
ままであるいは冷蔵保存した状態で、中央検査室や検査
センターに移送する。つまり、採取された血液は移送後
に初めて遠心分離され、赤血球を始めとする有形成分
と、分析試料となる血漿もしくは血清とに分離される。
この間、赤血球との共存により分析に影響を与える生化
学的反応の進行も考えられるが、解糖阻止や抗凝固等、
分析結果に極めて大きい影響を与えることが知られてい
る変動要因に対して対策が取られているに過ぎない。
【0020】このようなことを考慮すれば、遠心分離は
採血直後に行うことが望ましいが、通常これは実行され
ていない。というのは、血清を検体とする分析法が歴史
的に確立されてきたが、血清を得るには最低30分〜1時
間の放置による凝固反応の完結が必要であること、ま
た、抗凝固剤を添加して遠心分離したとしても、その後
の分析機器による測定時間までの間に、検体によってフ
イブリンの析出等が起こることがあり、これが分析機器
の分注シリンジやチューブ等の搬送系のトラブルになり
易いからである。
【0021】このため、採血後数時間以内には遠心分離
して血清検体を得ることが望ましいが、これは病院での
検査では可能であっても、検体の移送に時間を要する検
査センターでの測定対象とする場合には全くまちまちで
あり、1日以上経過してから分離されることも頻繁にあ
るのが実状である。
【0022】一方、ドライケミストリー分析要素は、便
利ではあるが反応に必要な全ての試薬を素子の中に組み
込まねばならず、用いられる試薬の特性が分析対象項目
によって1つづつ異なるので、処方開発及び製造条件の
最適化に多大の労力と時間、設備がかかるという大きな
問題点がある。
【0023】また、全ての試薬を含んでいるので、検体
を点着後、直ちに反応が進行する。これは検体の採取場
所と分析場所が異なったりして検体採取から分析までに
時間を要する場合には検体を変質させずに液体のまま保
存しなければならないことを意味し、上述した溶液法の
場合と同様手間がかかるばかりでなく技術的にも困難な
ことが多い。
【0024】さらに、複数の分析項目を分析する場合に
は、分析項目の数だけ各分析要素に検体を点着しなけれ
ばならず、これは手間がかかるばかりでなく、必要検体
液量も多くなりがちである。
【0025】本発明の目的は、微量の液体試料、特に体
液試料を容易に複数の分析要素に供給し、かつこれを確
実に保存・移送でき、十分な分析精度で分析できる分析
要素の製造方法を提供することにある。
【0026】本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意
検討を進め、先に、水不透過性支持体の上に、親水性ポ
リマー層、少なくとも1層の多孔性展開層がこの順に積
層されている、測定試薬を含まない複数の部分血漿受容
要素の各多孔性展開層間に1の血球分離要素が剥離可能
な状態で跨設されており、特に、該多孔性展開層が熱可
塑性材料からなり、該多孔性展開層から該支持体に達す
る熱溶断により部分血漿受容要素に分割されていること
を特徴とする乾式分析要素を開発した(特願平5−3025
4号明細書)。
【0027】この分析要素は前記目的をほぼ解決したも
のであったが、製造段階において、血球分離要素が部分
血漿受容要素の熱溶断溝部分で破断し、そこから血球が
漏出する事故が生じた。
【0028】従って、本発明の目的は上記の分析要素を
製造する方法において、血球分離要素を熱溶断溝で分割
された部分血漿受容要素に接着する際に生ずる血球分離
要素の破断事故をなくす手段を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、水
不透過性支持体の上に、親水性ポリマー層、少なくとも
1層の熱可塑性材料からなる多孔性展開層がこの順に積
層されている、測定試薬を含まない血漿受容要素を該支
持体に達する熱溶断溝を設けて複数の部分血漿受容要素
に分割するとともに該展開層の表面に熱接着性の接着剤
を液体が一様に通過しうるよう部分的に配置し、この上
に血球分離要素を重ねて、前記熱溶断溝より該血球分離
要素を剥離可能に接着することを特徴とする多項目測定
用乾式分析要素の製造方法により達成された。
【0030】本発明の分析要素の基本構成は、水不透過
性支持体の上に、親水性ポリマー層、血漿受容層として
働く多孔性展開層、この多孔性展開層と剥離可能に積層
された複数の層から成っていても良い血球分離要素を積
層して成る。
【0031】血球分離要素で分離された血漿の受容層と
して働く多孔性展開層は、水性の検体に含有されている
成分を実質的に偏在させることなしに平面的に拡げ、単
位面積当りほぼ一定量の割合で親水性ポリマー層に供給
する機能を有する層であり、これまでドライケミストリ
ー分析要素に使われている展開層として、公知の非繊維
質及び繊維質の全ての多孔性材料を用いることができ
る。具体的には特開昭49−53888に開示されているメン
ブランフィルター(ブラッシュドポリマー)に代表され
る非繊維性等方的微多孔質媒体層、特開昭55−90859等
に開示されたポリマーミクロビーズが水不膨潤性の接着
剤で点接触状に接着されて成る連続空隙含有三次元格子
粒状構造物層に代表される非繊維性多孔性層、特開昭55
−164356、同57−66359等に開示された織物布地からな
る多孔性層、同60−222769等に開示された編物布地から
なる層等を挙げることができるが、これらに限定される
ものではない。
【0032】本発明が適用される多孔性展開層は熱可塑
性材料からなるものであり、例えば、セルロース誘導体
(DAC,TAC,NC,HMC(ヒドロキシメチルセ
ルロース),HEC(ヒドロキシエチルセルロース))
の多孔質膜、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、塩化ビニール等のエチレン重合体または共重合体
で作られた多孔質膜、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ポリスルホン等で作られた多孔質膜、
アクリル酸やメタクリル酸、これらのエステルのビニル
重合体または共重合体から成る多孔質膜等がある。一
方、熱可塑性でない多孔質膜としては、ナイロン、ポリ
アミド、ポリウレタン等の縮合重合体の多孔膜、ガラス
粒子、けい藻土等の無機材料微粒子を少量のポリマーで
結合させて作られた多孔性膜、ポリテトラフルオロエチ
レンで作られた多孔性膜、濾紙、ガラス繊維濾紙等があ
り、これらは本発明には適さない。
【0033】展開層は、1層だけに限定する必要はな
く、特開昭61−4959、同62−138756、同62−135757、同
62−138758等に開示されている様に、2層以上の層を重
ねて用いることができる。
【0034】展開層を2層以上重ねた多層分析要素につ
いては、検体の点着時には全層が積層一体化されている
構成をとることが必須であるが、その後のプロセスでは
一体化されている必要はない。必要に応じて、第一の展
開層と第二の展開層の間を剥離した状態で使用すること
ができる。
【0035】展開層中には、検体の展開を促進するため
に、ノニオン、アニオン、カチオンもしくは両性の界面
活性剤を含ませることができる。また、展開性をコント
ロールする目的で、親水性のポリマー等の展開制御剤を
含ませることができる。更に、目的とする検出反応を促
進する為の、あるいは干渉、妨害反応を低減、阻止する
為の各種試薬、もしくは試薬の1部を含ませることがで
きる。
【0036】展開層の厚さは、20〜200μm、好ましく
は50〜170μm、更に好ましくは80〜150μmである。
【0037】分析要素は、分析項目等によっては上記の
多孔性展開層が単に水不透過性支持体に積層されている
だけでもよいが、多孔性展開層と支持体の間に親水性ポ
リマー層を設けることによって分析項目等の普遍性を飛
躍的に高めることができる。
【0038】親水性ポリマー層は層厚が薄ければ、熱可
塑性である必要はない。具体的には50μm以下、好まし
くは20μm以下であれば良い。例えばゼラチンやポリビ
ニルアルコールあるいはこれらを部分的に架橋したもの
は、本発明の実施に好適な親水性ポリマーである。
【0039】親水性ポリマー層としては、これにはこれ
までドライケミストリー分析要素に使われている公知の
水に可溶性、膨潤性、親水性の各種ポリマーを用いるこ
とができる。水吸収時の膨潤率が30℃で約150%から約2
000%、好ましくは約250%から約1500%の範囲の天然又
は合成親水性ポリマーを使用することができ、具体的に
は、特開昭59−171864、同60−108753等に開示されたゼ
ラチン(例えば、酸処理ゼラチン、脱イオンゼラチン
等)、ゼラチン誘導体(例えば、フタル化ゼラチン、ヒ
ドロキシアクリレートグラフトゼラチン等)、アガロー
ス、プルラン、プルラン誘導体、ポリアクリルアミド、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を挙げ
ることができるが、これらに限定されるものではない。
親水性ポリマー層に代えて、ポリマー多孔質膜等を用い
ることもできる。
【0040】親水性ポリマー層の厚さは、乾燥時に約1
μm〜約100μm、好ましくは約3μm〜約50μm、特
に好ましくは約5μm〜約30μmであり、実質的に透明
であることが好ましい。
【0041】親水性ポリマー層中には、目的とする反応
を促進する、もしくは干渉、妨害反応を防止、低減する
ための各種試薬もしくは試薬の1部を含ませることがで
きる。
【0042】水不透過性支持体としては、これまでドラ
イケミストリー分析要素に使われている公知の水不透過
性の支持体を用いることができる。具体的には、ポリエ
チレンテレフタレート、ビスフェノールAのポリカーボ
ネート、ポリスチレン、セルロースエステル(例えば、
セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、
セルロースアセテートプロピオネート等)等から成る厚
さ約50μm〜1mm、好ましくは約80μm〜約300μmの
透明フイルムを用いることができる。
【0043】支持体は、通常光透過性のものを用いる
が、展開層側から測定をする場合には、着色されていて
も、もしくは光不透過性であっても良い。
【0044】支持体の表面には、必要により公知の下塗
層もしくは接着層を設けて、親水性ポリマー層との接着
を強固にすることができる。
【0045】この血漿受容要素をまず支持体に達する熱
溶断溝を設けて複数の部分血漿受容要素に分割する。熱
溶断溝は溶断刃を用いて熱可塑性材料から成る多孔性展
開層の軟化点以上の温度に加熱された刃を用いて多孔性
展開層及び親水性ポリマー層を溶断することが好まし
い。
【0046】溶断方法としては、分割する数に応じた形
状の、例えば4分割する場合には十文字型の、黄銅製の
刃を電気等を用いて加熱する、チタン、鉄、アルミニウ
ム等の金属製の刃を超音波発振装置に取り付けて振動エ
ネルギーにより熱可塑性樹脂等の温度を軟化点以上に上
げる、レーザー光によりパターン状に照射、加熱する、
等の方法が挙げられる。
【0047】いずれの場合も、刃の厚さは0.4〜2mm、好
ましくは0.6mm〜1.7mm、より好ましくは0.8〜1.3mm程度
である。刃が薄いと切断面の間隔が十分ではなく、厚す
ぎると支持体上に塊が残ることがあり好ましくない。
【0048】部分血漿受容要素の数は実用的には2〜16
個程度であり、好ましくは2〜9個、特に好ましくは2
〜4個である。
【0049】加熱された直刃、回転刃等を用いて十文字
に溶断することもできる。更に好ましいのは、電気等で
加熱することができる、断面がV字型の両刃の刃物を用
い、血漿受容要素か刃物の一方もしくは双方を動かしな
がら溶断する方法である。
【0050】レーザー光照射の場合の照射条件も要は溶
断溝部で液洩れを生じず一方支持体まで完全に切断して
しまわないように設定すればよく、例えば炭酸ガスレー
ザーの場合、出力10〜25W、溶断速度8〜10m/分程度
でこのような溶断溝を形成することができる。
【0051】刃角には特に制約はないが、切断された多
孔性展開層の上端の間隔が約0.1〜約2mm、好ましくは
約0.4〜約1.2mmの範囲となるように設定することが好ま
しく、刃角を60±15度の範囲に設定することが好まし
い。この間隔が狭すぎると、後から測定試薬を供給した
時に溝を越えてあふれることがある。刃の長さには制約
は無く、作製のし易さ、取扱い易さから選択できるが、
例えば0.5〜7cm程度で良い。
【0052】溶断する際には、多孔性展開層が平面もし
くは凸面になっていることが好ましい。平面の場合には
刃の長さ方向に合わせて血漿受容要素もしくは刃物を移
動させるが、凸面の場合には、例えば支持体をドラムの
周囲に密着させ、多孔性展開層に刃を接触させながらド
ラムを回転させることができる。刃物と血漿受容要素の
相対的な移動により、多孔性展開層の溶断された部分が
刃物の後側に移動し、溶断面を十分に溶融し、かつ糸状
の残存物の発生を防止すると同時に、溶断端部において
多孔性展開層が盛り上がるのを防止し平面性を良くして
いる。
【0053】溶断時の温度は、多孔性展開層だけではな
く支持体表面の一部も溶融するように設定することが好
ましいが、移動速度で変わるので一意的には決定できな
い。例えば、多孔性展開層及び支持体の材料としてポリ
エステルを用いた場合には400〜500℃、移動速度約10m
/分とすることができる。一般に熱溶融の温度は刃温で
約100〜800℃、好ましくは約200〜600℃、更に好ましく
は約300〜500℃が適当である。
【0054】溶断溝は支持体の表面にもあることが好ま
しい。原理的には多孔性展開層が溶断され同時に親水性
ポリマーが切断されていれば測定試薬の混合は無いが、
血漿受容要素の平面性を考えるとこのような状態を定常
的に作り出すことは困難であり、支持体表面に深さ5〜
60μm、好ましくは10〜45μm程度の溶断溝を形成する
ように条件を設定する。深ければ分離は完全になるが、
平面性が悪く且つバラバラになり易いので後の工程にお
いて取扱性が悪くなる。
【0055】複数の刃物を用いて同時に複数の溶断溝を
形成することもできる。即ち、ウエッブ状の血漿受容要
素をドラムを用いて搬送させ、この回転するドラムの部
分に複数の刃物を設置する。次いで平面上に設置し、形
成された溶断溝と例えば直角に刃物を移動させて、碁盤
目状に溶断溝を形成することができる。この血漿受容要
素を、例えば4個の等面積の正方形部分(部分血漿受容
要素)を含む様に切断し、その上に血球分離要素を跨設
する。
【0056】血球分離要素としては、特開昭62−138756
〜8号公報、特開平2−105043号公報、特開平3−1665
1号公報等に記載された繊維質多孔性層と非繊維質多孔
性層を部分的に配置された接着剤で接着(部分接着)一
体化したもの、セルロースエステル表面が親水化された
弗素含有ポリマー、ポリスルホン等の血球分離能を有す
る微多孔性層等を使用できる。特に好ましいものは、血
液点着側に繊維質多孔性層を配置し、血漿受容層側に非
繊維質多孔性層を配置して両者を部分接着により一体化
した血球分離要素である。
【0057】繊維質多孔性層と非繊維質多孔性層を部分
的に配置された接着剤で接着(部分接着)一体化した血
球分離要素における非繊維多孔性層としては、特公昭53
−21677号、米国特許1,421,341号等に記載されたセルロ
ースエステル類、例えば、セルロースアセテート、セル
ロースアセテート/ブチレート、硝酸セルロースからな
るブラッシュポリマーの層が好ましい。6−ナイロン、
6,6−ナイロン等のポリアミド、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等の微多孔性膜でもよい。その他、特公昭53
−21677号、特開昭55−90859号等に記載された、ポリマ
ー小粒子、ガス粒子、けい藻土等が親水性または非吸水
性ポリマーで結合された連続空隙をもつ多孔性層も利用
できる。
【0058】非繊維多孔性層の有効孔径は0.8〜30μ
m、特に0.5〜5μmであることが好ましい。本発明で
非繊維多孔性層の有効孔径は、ASTM F316−70に準
拠した限界泡圧法(バブルポイント法)により測定した
孔径で示す。非繊維多孔性層が相分離法により作られた
いわゆるブラッシュ・ポリマーから成るメンブランフィ
ルターである場合、厚さ方向の液体通過経路は、膜の製
造の際の自由表面側(即ち光沢面)で最も狭くなってい
るのが普通で、液体通過経路の断面を円に近似したとき
の径孔は、自由表面の近くで最も小さくなっている。単
位の通過経路における厚さ方向に関する最小孔径は、さ
らにフィルターの面方向について分布を持っており、そ
の最大値が粒子に対するろ(濾)過性能を決定する。通
常、それは限界泡圧法で測定される。
【0059】上に述べたように、相分離法により作られ
たいわゆるブラッシュ・ポリマーから成るメンブランフ
ィルターでは、厚さ方向の液体通過経路は膜の製造の際
の自由表面側(即ち光沢面)で最も狭くなっている。本
発明の分析要素の非繊維多孔性層としてこの種の膜を用
いる場合には、支持体に近い側、即ち血漿受容層に面す
る側に、メンブランフィルターの光沢面を向けることが
好ましい。
【0060】繊維質多孔性層を構成する材料としては、
濾紙、不織布、織物生地(例えば平織生地)、編物生地
(例えば、トリコット編)、ガラス繊維濾紙等を用いる
ことができる。これらのうち織物、編物等が好ましい。
織物等は特開昭57−66359号に記載されたようなグロー
放電処理をしてもよい。
【0061】繊維質多孔性層は、液体試料の展開層とし
て利用されるので、液体計量作用を有する層であること
が好ましい。液体計量作用とは、その表面に点着供給さ
れた液体試料を、その中に含有している成分を実質的に
偏在させることなく、面の方向に単位面積当たりほぼ一
定量の割合で広げる作用である。展開層には、展開面
積、展開速度等を調節するため、特開昭60−222770号、
特開昭63−219397号、63−112999号、62−182652号に記
載したような親水性高分子あるいは界面活性剤を含有し
てもよい。
【0062】繊維質多孔性層の空隙体積(単位面積当た
り。以下同じ)は非繊維多孔性層と同じでもよいし、異
なってもよい。両者の空隙体積の関係を調整するには、
両者の空隙率または厚さを変えてもよいし、厚さと空隙
率の両方を変えてもよい。
【0063】表面が親水化された弗素含有ポリマー、ポ
リスルホン等の微多孔性層は、実質的に分析値に影響を
与える程には溶血することなく、全血から血球と血漿を
特異的に分離するので、血球分離要素の材料として使用
することができる。
【0064】その血球・血漿分離機構は明らかでない
が、この微多孔性層はその表面のみで血球をトラップす
る訳ではなく、弗素含有ポリマーからなる微多孔性層と
多孔性展開層をあわせた厚さ方向に浸透するに従って、
初めは大きな血球成分、後には小さな血球成分と徐々に
空隙構造にからめ、厚さ方向の全長にわたって血球を留
め除去していく、いわゆる体積濾過作用によるものと思
われる。
【0065】弗素含有ポリマーとしては、ポリビニリデ
ンフルオリドやポリテトラフルオロエチレンなどがあ
り、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
【0066】弗素含有ポリマーからなる微多孔性層の微
孔のサイズは、約0.2μmから約60μm、好ましくは約
0.5μmから約20μmの範囲、更に好ましくは0.5〜5μ
mの範囲、空隙率は約40%から約95%、好ましくは約50
%から約80%の範囲、層の厚さは約10μmから約200μ
m、好ましくは約30μmから約150μm、製造工程中で
のしわ発生等の取り扱い性を考慮すると、最も好ましく
は約50μmから約120μmの範囲である。
【0067】弗素含有ポリマーの微多孔性層は特開昭57
−66359(US 4783315)に記載の物理的活性化処理(好
ましくはグロー放電処理又はコロナ放電処理)を微多孔
性層の少なくとも片面に施すことにより微多孔性層の表
面を親水化して、隣接する微多孔性展開層との部分接着
に用いられる接着剤の接着力を強化することができる。
【0068】これらの弗素含有ポリマーの微多孔性層と
しては、特表昭63−501594(WO 87/02267)に記載の
ポリテトラフルオロエチレンのフィブリル(微細繊維)
からなる微多孔性のマトリックス層(微多孔性層)、G
ore−Tex(W.L.Gore and Associates社製)、Zite
x(Norton社製)、ポアフロン(住友電工社製)などが
ある。
【0069】孔径(微孔のサイズ)約0.1μmから約50
μm、層の厚さは約20μmから約400μmである。
【0070】構造としては、延伸しないもの、1軸延伸
したもの、2軸延伸したもの、1層構成の非ラミネート
タイプ、2層構成のラミネートタイプ、例えば繊維等の
他の膜構造物にラミネートした膜等がある。
【0071】その他に、US 3368872(実施例3及び
4)、US 3260413(実施例3及び4)、特開昭53−92
195(US 4201548)等に記載のポリテトラフルオロエチ
レンの微多孔性膜、US 3649505に記載のポリビニリデ
ンフルオリドの微多孔性膜などがある。
【0072】これらの弗素含有ポリマーの微多孔性膜の
うち、血球濾過層を構成する微多孔性層に特に適してい
るのは、孔径が実質的に赤血球を通さない程度に小さ
く、膜厚が薄く、空隙率が高いものである。具体的に
は、孔径が0.5〜5μm、膜厚10〜200μm、空隙率が少
なくとも70%以上有る膜が好ましい。
【0073】フィブリル構造又は一軸延伸もしくは二軸
延伸した非ラミネートタイプの微多孔性膜は延伸によ
り、空隙率が大きくかつ濾過長の短い微多孔膜が作られ
る。濾過長が短い微多孔膜では、血液中の有形成分(主
として赤血球)による目詰りが生じがたく、かつ血球と
血漿の分離に要する時間が短いので、定量分析精度が高
くなるという特徴がある。
【0074】これらの弗素含有ポリマーの微多孔性膜の
作成に当たっては、1種もしくは2種以上の弗素含有ポ
リマーを混合しても良いし、弗素を含まない1種もしく
は2種以上のポリマーや繊維と混合し、製膜したもので
あっても良い。
【0075】弗素含有ポリマーの微多孔性膜は、そのま
までは表面張力が低く乾式分析要素の血球濾過層として
用いようとしても、水性液体試料ははじかれてしまって
膜の表面や内部に拡散、浸透しないことは周知の事実で
ある。本発明の分析要素では、弗素含有ポリマーの微多
孔性膜に親水性を付与し親水性を高める手段として、弗
素含有ポリマーの微多孔性膜の外部表面及び内部の空隙
の表面を実質的に親水化するに充分な量の界面活性剤を
弗素含有ポリマーの微多孔性膜に含浸させることによ
り、前記の水性液体試料がはじかれる問題点を解決し
た。
【0076】水性液体試料がはじかれることなく膜の表
面や内部に拡散、浸透、移送されるに充分な親水性を弗
素含有ポリマーの微多孔性膜に付与するには、一般に弗
素含有ポリマーの微多孔性膜の空隙体積の約0.01%から
約10%、好ましくは約0.1%から約5.0%、更に好ましく
は0.1%から1%の界面活性剤で微多孔性膜の空隙の表
面が被覆されることが必要である。例えば、厚さが50μ
mの弗素含有ポリマーの微多孔性膜の場合に、含浸され
る界面活性剤の量は、一般に0.05g/m2から2.5g/m
2の範囲であることが好ましい。弗素含有ポリマーの微
多孔性膜に界面活性剤を含浸させる方法としては、界面
活性剤の低沸点(沸点約50℃から約120℃の範囲が好まし
い)の有機溶媒(例、アルコール、エステル、ケトン)
溶液に弗素含有ポリマーの微多孔性膜を浸漬し、溶液を
微多孔性膜の内部空隙に実質的に充分に行きわたらせた
後、微多孔性膜を溶液から静かに引き上げ、風(温風が
好ましい)を送り乾燥させる方法が一般的である。血球
濾過層を構成する微多孔性層に含有させる前処理試薬等
の成分とともに界面活性剤を弗素含有ポリマーの微多孔
性膜に含有させることもできる。
【0077】弗素含有ポリマーの微多孔性膜を親水性化
処理に用いられる界面活性剤としては、非イオン性(ノ
ニオン性)、陰イオン性(アニオン性)、陽イオン性
(カチオン性)、両性いずれの界面活性剤をも用いるこ
とができる。
【0078】これらの界面活性剤のうちでは、ノニオン
性界面活性剤が、赤血球を溶血させる作用が比較的低い
ので、全血を検体とするための多層分析要素においては
有利である。ノニオン性界面活性剤としては、アルキル
フェノキシポリエトキシエタノール、アルキルポリエー
テルアルコール、ポリエチレングリコールモノエステ
ル、ポリエチレングリコールジエステル、高級アルコー
ルエチレンオキシド付加物(縮合物)、多価アルコール
エステルエチレンオキシド付加物(縮合物)、高級脂肪
酸アルカノールアミドなどがある。
【0079】ノニオン性界面活性剤の具体例として、次
のものがある。アルキルフェノキシポリエトキシエタノ
ールとしては、 イソオクチルフェノキシポリエトキシエタノール: (Triton X−100:オキシエチレン単位平均9〜10含
有) (Triton X−45:オキシエチレン単位平均5含有) ノニルフェノキシポリエトキシエタノール: (IGEPAL CO−630:オキシエチレン単位平均9
含有) (IGEPAL CO−710:オキシエチレン単位平均10
〜11含有) (LENEX 698:オキシエチレン単位平均9含有) アルキルポリエーテルアルコールとしては、 高級アルコール ポリオキシエチレン エーテル: (Triton X−67:CA Registry No.59030−15−
8)
【0080】弗素含有ポリマーの微多孔性膜は、その多
孔性空間に水不溶化した1種又は2種以上の水溶性高分
子を設けることによって親水化したものであってもよ
い。水溶性高分子の例として、酸素を含む炭化水素には
ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリ
エチレングリコール、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、窒素を含むものにはポリアクリルアミ
ド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアミン、ポリエ
チレンイミン、負電荷を有するものとしてポリアクリル
酸、ポリメタアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸など
をあげることが出来る。不溶化は熱処理、アセタール化
処理、エステル化処理、重クロム酸カリによる化学反
応、電離性放射線による架橋反応等によって行えばよ
い。詳細は、特公昭56−2094号公報及び特公昭56−1618
7号公報に開示されている。
【0081】ポリスルホンの微多孔性膜は、ポリスルホ
ンをジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドンあるいはこれらの混合溶媒等に溶解して製膜原液
を作製し、これを支持体上に、又は直接凝固液中に流延
し洗浄、乾燥して行うことにより製造することができ
る。詳細は特開昭62−27006号公報に開示されている。
ポリスルホンの微多孔性膜は、そのほか特開昭56−1264
0号公報、特開昭56−86941号公報、特開昭56−154051号
公報等にも開示されており、それらも使用することがで
きる。ポリスルホンの微多孔性膜も弗素含有ポリマーと
同様界面活性剤を含有させ、あるいは水不溶化した水溶
性高分子を設けることによって親水化することができ
る。
【0082】表面が親水化された弗素含有ポリマー、ポ
リスルホン等の微多孔性層は単一で血球分離要素として
使用することもできるが、前述の繊維質多孔性層を組み
合わせることにより、血球分離能をさらに高めることが
できる。
【0083】ここで、本発明で使用する乾式分析要素の
一つの特徴である部分接着(多孔性接着)について説明
する。
【0084】部分接着とは、特開昭61−4959(EP 016
6365A)、特開昭62−138756〜138758(EP 0226465
A)等に記載の、2つの隣接する多孔性層同士又は隣接
する多孔性層と非孔性層との接着の態様であって、『隣
接する2層の界面の間に部分的(又は断続的)に配置さ
れた接着剤によって実質的に密着され一体化されてお
り、かつ前記隣接する2面及びその間において液体の一
様通過が実質的に妨げられないように構成されている接
着』である。
【0085】本発明の分析要素においては、血球分離要
素と多孔性展開層の間は熱接着性の接着剤で部分接着
(多孔性接着)する。その他、血球分離要素における繊
維質多孔性層と非繊維質多孔性層の間及び血球分離能を
有する微多孔性層と繊維質多孔性層の間も部分接着(多
孔性接着)されていることが好ましい。多孔性展開層と
血球分離要素の間を接着する場合には、接着剤を多孔性
展開層に部分的に配置し、ついで血球分離要素を一様に
軽く圧力を加えながら貼りあわせるのが一般的な方法で
ある。逆に血球分離要素に接着剤を部分的に配置し、つ
いで多孔性展開層を一様に軽く圧力を加えながら貼りあ
わせることもできる。さらに、多孔性展開層にする微多
孔性シート状物に接着剤を部分的に配置し、これに血球
分離要素を一様に軽く圧力を加えながら貼りあわせ、あ
るいは逆に血球分離要素に接着剤を部分的に配置し、つ
いで、多孔性展開層にする微多孔性シート状物を一様に
軽く圧力を加えながら貼りあわせた後に、親水性ポリマ
ー層に展開層にする微多孔性シート状物を一様に貼りあ
わせることもできる。
【0086】接着剤を血球分離要素又は多孔性展開層に
部分的に配置する方法は特開昭61−4959、特開昭62−13
8756、特開昭64−23160(DE 3721236A)等に記載の諸
種の方法によることができる。それらの諸方法のうちで
は印刷法による方法が好ましい。印刷法のうちで、接着
剤を印刷版(グラビア印刷版又は凹版が好ましい)ロー
ラーを用いて多孔性展開層又は血球分離要素に転写し付
着させる方法及び隣接する2層を貼りあわせる方法は、
例えば、日本印刷学会編『印刷工学便覧』(技報堂出版
(株)、1983年)839〜853頁等に記載の公知の装置及び方
法により実施することができる。
【0087】用いられる接着剤としては特開昭62−1387
56に記載の諸種の接着剤、そのほか前記の『印刷工学便
覧』839〜853頁等に記載の公知の接着剤を用いることが
できる。接着剤としては水溶媒型の接着剤、有機溶剤型
の接着剤、熱接着性(又は感熱性)接着剤を用いること
ができる。水溶媒型の接着剤の例として、澱粉糊等の水
性の糊;デキストリン、カルボキシメチルセルロース、
ポリビニルアルコール等の水溶液;酢酸ビニル−ブチル
アクリレート共重合体エマルジョンがある。有機溶剤型
の接着剤としては、溶剤の蒸発の遅いものが適する。熱
接着性(又は感熱性)接着剤は特に有用である。
【0088】熱接着性(又は感熱性)のホットメルト型
接着剤としては、「工業材料」26巻(11号)4〜5頁等
に記載のホットメルト型接着剤を用いることができる。
その例として、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸
共重合体等のエチレン共重合体;低分子量ポリエチレン
やアタクチックポリプロピレンのようなポリオレフィン
類;ナイロン等のポリアミド;ポリエステル系共重合
体;SBSなどのスチレンブロック共重合体のような熱
可塑性ゴム;スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ウ
レタンゴム;ロジン、石油樹脂、テルペン樹脂;合成ワ
ックスがある。
【0089】上記各種接着剤のうち、血球分離要素と多
孔性展開層の間は上記の熱接着性の接着剤で接着する。
【0090】血球分離要素を部分血漿受容要素に熱接着
する方法も部分接着が望ましい。特に公知のヒートシー
ル等に適用されている方法を利用でき、ホットメルト剤
を網目状に供給した血球分離膜と血漿受容膜とを重ね合
わせて密着させた状態で例えば、超音波加熱、インパル
ス加熱、高周波加熱、ヒートブロックを使用する方法等
を利用する。熱接着するための加熱は血漿受容要素を部
分血漿受容要素に分割する熱溶断溝部分を除く他の部分
を行なうようにする。加熱を除去する範囲は要は接着の
際に熱溶断溝部分で破断を生じずかつ、分析要素の使用
の際に血球分離要素から多孔性展開層への血漿の均一な
移行が妨げられないように設定される。具体的には血球
分離要素と多孔性展開層との間の非接着部分が熱溶断溝
の端部から0.1〜2mm程度、好ましくは0.1〜0.5mm程度
の幅になるようにするのがよい。
【0091】熱接着する好ましい方法として超音波加熱
がある。その場合、熱溶断溝部分への加熱を避けるため
に、超音波ホーン又は受台の熱溶断溝に対応する部分に
溝を形成すればよい。この溝の幅は加熱条件によって異
なるが、通常熱溶断溝の幅より0.5〜2mm程度、好まし
くは0.5〜1mm程度広くなるようにする。
【0092】ホットメルト剤が網点状に部分塗布された
直後に、まだ冷却、硬化しないうちに、加熱されたロー
ル間を通して、血球分離膜と血漿受容膜とを圧着させる
方法や、一度冷却しホットメルト剤を硬化させた後再び
ヒートプレートやヒートロールで圧着化に加熱して、部
分接着を実現する方法も有効である。
【0093】次に、被検物質について説明する。本願発
明においては、対象とする被検物質は特に限定されな
い。通常臨床検査の分野で測定される酵素、脂質、無機
イオン、代謝産物、蛋白質等の他、各種グロブリン、免
疫抗原、免疫抗体等の生体由来成分、薬物、ホルモン、
腫瘍マーカー、DNA、RNA等、分析方法さえ確立し
ていれば、分析対象とすることができる。
【0094】本発明において使用する乾式分析要素は、
測定の対象となる項目もしくは検体によって、以下に記
載する種々の構成を取ることができる。
【0095】1:水不透過性支持体/親水性ポリマー層
/展開層/血球分離要素なる構成の分析要素。 Ca、GOT(グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミ
ナーゼ)、GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスア
ミナーゼ)、γ−GTP(γ−グルタミルトランスペプ
チターゼ)、グルコース、LDH(乳酸脱水素酵素)、
CPK(クレアチンホスホキナーゼ)、TP(総蛋白
質)、Alb(アルブミン)、TCHO(総コレステロー
ル)、UA(尿酸)、中性脂肪等の分析に有効である。
【0096】本発明の特徴は同一構成のスライドの分割
と外型発色方式の組み合わせである。一部の残薬を反応
系として予めスライドに含ませておく系は剥除した方が
特徴が明確になる。
【0097】本発明において、測定試薬とは、分析対象
である被検物質と直接反応して化学変化を生ぜしめる試
薬を指す。即ち、酵素が被検物質である場合にはその基
質、被検物質が抗原(抗体)である場合には抗体(抗
原)であり、被検物質が脂質、糖、代謝産物であって酵
素によって検出可能な変化を生ずる化合物である場合に
はその酵素である。また、これらの反応が酵素以外の化
学試薬による一般の化学反応によつて起こされる場合に
は該当する化学物質を言う。以下に具体例を挙げて説明
する。
【0098】被検物質が酵素であるGOTの場合には、
その基質であるアスパラギン酸とα−ケトグルタール
酸、アミラーゼであれば高分子量の澱粉もしくは低分子
量のオリゴサッカライド、GGTであればL−γ−グル
タミルパラニトロアニリド、ALPであればパラニトロ
フェニルフオスフェートである。
【0099】また、グルコースであればグルコースオキ
シダーゼ、尿酸であればウリカーゼ、コレステロールで
あればコレステロールエステラーゼもしくはコレステロ
ールオキシダーゼ、中性脂肪であればリパーゼもしくは
エステラーゼ、尿素であればウレアーゼ等である。
【0100】分析対象が蛋白質、アルブミン、Ca、無
機リン等、被検物質と指示薬等とが直接反応して検出可
能な変化を生ずる場合には指示薬を指す。
【0101】本発明の目的の一つは、従来のドライケミ
ストリーの欠点である、分析要素の保存中に起こる検出
試薬の劣化を起こさせないことにあるので、上記の反応
系中に組み込まれる反応試薬が酵素のように不安定なも
のである場合には、これらも測定試薬の中に含ませるこ
とが好ましい。
【0102】即ち、測定試薬溶液中に含めるべき試薬
と、分析要素中に含めるべき試薬との分配に関しては、
分析性能や保存安定性を指標として様々に変えることが
できる。分析対象が一つであっても、検出反応系組立に
よつて上記の分配が異なるのは勿論である。
【0103】測定試薬の中には、反応を安定に再現性良
く進行させるために、pHやイオン強度を調節する、分
析要素を構成する材料への拡散・浸透を良くする、含有
する酵素等の不安定性を改善する、等の目的で各種試薬
を含ませることができる。
【0104】また、測定試薬の中には検出反応と競合す
る反応を阻害するための試薬を含ませることもできる。
この様な試薬としては、例えば、ビリルビンオキシダー
ゼやアスコルビン酸オキシダーゼ等がある。更に、アイ
ソザイム検出の為に特定の生物に由来する酵素を阻害す
る化合物、例えばP型アミラーゼの阻害剤等を含ませる
ことができる。
【0105】更に、全血測定では、ヘモグロビンのカタ
ラーゼ活性の阻害剤として有効なNaN3等を添加するこ
ともできる。
【0106】本願発明において、液体試料を供給した
後、測定試薬を供給するまでの間隔が長い場合には部分
血漿受容要素を一定時間、実質的に一定条件下で乾燥す
ることが好ましい。
【0107】一つの好ましい乾燥方法、条件については
特願平2−90562号明細書(特開平3−28954号公報)の
第25頁第9行〜第28頁第6行、特に第27頁第13行〜第28
頁第6行に詳細に記載されている。
【0108】インキュベーションの好ましい方法、条件
については特願平2−90562号明細書(特開平3−28954
号公報)の第25頁第9行〜第28頁第6行、特に第27頁第
13行〜第28頁第6行に詳細に記載されている。
【0109】好ましくは、部分血漿受容要素の周囲が覆
われた囲いの中に置いた状態で加熱する方法である。こ
れにより、周囲の温度、湿度に影響されることなく一定
の乾燥状態となる。温度範囲は10〜60℃、好ましくは20
〜50℃、更に好ましくは30〜45℃である。
【0110】インキュベーション中の温度変動は±5
℃、好ましくは±3℃、更に好ましくは±1℃である。
【0111】この様な一定条件のインキュベーションを
行うのに適したインキュベータが実開平3−126449号公
報に記載されている。即ち、血漿受容要素を要素の収納
部に設置した状態で加温手段にて加熱後、恒温に保持す
るインキュベータであって、該分析要素の収納部の上部
に該要素収納部を密閉することが可能で、かつ、着脱可
能なカバーを設けられ、該カバーで要素収納部を密閉し
た際、要素収納部内方に生まれる空間の体積が、分析要
素の体積とほぼ一致する様に設計されたインキュベータ
である。
【0112】一定温度の乾燥風を一定条件で吹き付けて
も同様に再現性の良い結果が得られるが、上記インキュ
ベータに比べ高価となる欠点を有する。
【0113】安定化させた後、測定試薬を供給するまで
に長時間かかる場合、例えば乾式分析要素とか血漿受容
要素を病院等に郵送する場合等には、実質的に水分と空
気を遮断した状態に保存する必要がある。
【0114】この保存条件の詳細についても同様に、特
願平2−90562号明細書(特開平2−289543号公報)の第
28頁第12行〜第30頁第11行に記載されている。例えば水
分除去手段を設けた金属製の箱、もしくは水分を透過さ
せない有機ポリマーもしくは金属等のフィルム、シート
等からなる袋に密閉する方法がある。
【0115】水分除去手段としては、公知の吸湿剤の中
から検体を実質的に変質させないものを適宜選択して封
入することができる。要素を袋に入れた後、空気を十分
にしごきだしても良い。
【0116】また、乾燥剤が存在する水、水蒸気不浸透
性の密閉容器内で40℃以下で、被検物質が変性し易い場
合には25℃以下で、酵素の様に不安定な化合物の場合に
は10℃以下、好ましくは0℃以下で乾燥する方法はより
好ましい。具体的には、分析要素をファスナー付きのビ
ニール袋、蓋付きのプラスチック容器等に乾燥剤と共に
封入して上記温度以下に保つ。乾燥剤は公知の吸湿剤の
中から被検物質を実質的に変質させないものを適宜選択
して用いれば良いが、安全性、脱水能力等からゼオライ
ト、シリカゲルが好ましく、ゼオライトがより好まし
い。形態としては、直径1〜3mm程度の粒子を透湿性の
良い和紙製の袋に入れる、ナイロンメッシュに入れる、
等がある。ゼオライトもしくはシリカゲル1g当たり多
層分析要素を4枚〜10枚乾燥できる。
【0117】乾燥時間は点着された液体試料の量・種
類、乾燥剤の種類・形状・容器の大きさ・分析要素との
位置関係等によって異なる。通例1〜10時間程度で分析
要素の水分の90%以上が乾燥剤により除去・脱水される
ような条件を設定することが実用上好ましい。この乾燥
時間は温度によっても大きく影響される。保存温度が高
いほど、即ち蒸気圧が高い程、乾燥時間は短くて良い。
また、冷蔵庫もしくは冷凍庫に放置して一度低温に保っ
た後1℃以上にして乾燥することもでる。この低温乾燥
法は、被検物質が酵素の場合にその変性劣化を防止でき
るので特に有用である。この方法で乾燥した場合には、
そのままの形態で病院等に郵送できる。
【0118】ここで、「乾燥」とは、該親水性ポリマー
中で実質的に反応が進行しない、もしくは被検物質の劣
化が進行しない、状態であれば良い。従って、分析対象
によって異なり、例えば酵素を対象とする場合には、親
水性ポリマー中の水分は20%以下、好ましくは10%以
下、更に好ましくは5%以下であれば良い。
【0119】ここで、水分の%は、被検物質を含む水溶
液を分析要素に点着した時の水分量を100とした時の比
率である。
【0120】これらの部分血漿受容要素を用いて、以下
の方法により分析を行う。密閉容器から取り出した分析
要素に、分析すべき項目に対応した測定試薬溶液を供給
して反応を起こさせる。この反応を、ドライケミストリ
ーの分野で公知の方法(反射濃度測光、色変化、蛍光測
定、発光測定等)で測定し、検体中に含まれる成分を定
量する。
【0121】分析すべき項目に対応した測定試薬溶液と
しては、ウェットケミストリーで公知の試薬溶液を用い
ることができる。これらは、分析対象成分と反応して、
主として光学的測定方法により検出できる変化、例えば
色変化、発色(呈色)、蛍光、発光、紫外線領域におけ
る吸収波長の変化、混濁発生等の変化を生じさせる。
【0122】ドライケミストリーの測定法としては、通
常反射光学系が用いられる。本発明の方法においても、
分析要素の水不透過性支持体を通して測光する方法が最
も適用範囲が広いが、検体が全血ではない場合や検体供
給後に血球分離要素を除去して測定する場合等には、透
過測光方式により測定することができる。
【0123】また、水不透過性支持体が不透明な場合に
は、支持体の反対側から測定することもできる。
【0124】本発明の分析要素を用いた測定方法の一例
を説明する。4個の部分血漿受容要素の上に血球分離要
素が跨設された分析要素は、4隅に分析要素の固定片を
有するプラスチックマウントに収容されている。被検者
等が採血して血球分離要素の上に点着し、血漿が各部分
分析要素の多孔性展開層に充分に展開するのを待つ。次
いで、血球分離要素を除去し、乾燥剤が存在する密閉容
器内で10℃以下で乾燥し、検査機関へ郵送する。検査機
関では分析要素を取り出して、アナライザーの点着ステ
ーションに設置し、各部分分析要素に測定試薬を点着す
る。例えば、4つの部分血漿受容要素にグルコース、尿
素窒素、コレステロール及び尿酸測定試薬をそれぞれ点
着する。点着が終了したら血漿受容要素を設置している
テーブルを1/4回転させ、インキュベータ部で反応さ
せる。その間点着ステーションには次の血漿受容要素が
設置され試薬の点着が行なわれる。インキュベータ部で
インキュベーションが行なわれた血漿受容要素はテーブ
ルをさらに1/4回転させ次の待機部に移り、次いで1
/4回転させて測光ステーションで4つの区画の発色が
同時に測光され、測光の終了した血漿受容要素はテーブ
ルから排出される。
【0125】測定は各部分血漿受容要素ごとに逐次行な
ってもよいが、複数の、好ましくは全ての部分血漿受容
要素に同時に測定試薬を点着し、インキュベートし、次
いで測光できるようにしておくこともできる。
【0126】本願発明の乾式分析要素は、既述の分類1
〜分類3に対応するいずれの分野においても有効に利用
することができる。検体として血液を用いる場合には、
乾式分析要素はごく微量の血液しか必要としないので、
毛細管ピペット等の適当な器具を用いて採血することが
できる。更に、乾式分析要素は全血に対応していて、採
血したままの全血を測定用液体試料とすることができ、
必要に応じて郵送、宅配便等で移送することができるの
で、在宅血液検査に対して特に有効である。
【0127】血液以外の体液、例えば尿、唾液等もその
適当量を点着するだけで直接検体とすることができる。
【0128】
【実施例】
実施例1 1.多層分析スライドの作製 1−1:血漿受容要素の作製 ゼラチン下塗りされている厚さ180μmのポリエチレン
テレフタレート(PET)無色透明平滑シート223の上に
下記の成分から成る吸水層222を乾燥後の厚さが15μm
になるように塗布し、乾燥した。
【0129】 脱イオンゼラチン 20g p−ノニルフェノキシポリグリシドール 1.5g (平均10グリシドール単位含有) ビス〔(ビニルスルホニルメチルカルボニル)アミノ〕メタン 220mg
【0130】次にこの層の上に下記の成分から成る親水
性ポリマー層を乾燥後の厚さが15μmになるように水溶
液から塗布し、乾燥させて親水性ポリマー層を形成し
た。 脱イオンゼラチン 4.0g p−ノニルフェノキシポリグリシドール 430mg (平均10グリシドール単位含有)
【0131】次に親水性ポリマー層の上に約30g/m2
の割合で水を供給して全面をほぼ一様に湿潤させ、PE
T製ブロード織物布地221(厚さ約150μm、空隙体積9.8
μL/m2)を軽く圧力をかけてラミネートして接着さ
せ、乾燥させた。
【0132】次にこの布に下記の組成の水溶液を100m
L/m2の割合でほぼ一様に塗布し、乾燥させて血漿受
容要素22シートを完成させた。 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 8.7g (メトキシ基28〜30%、ヒドロキシプロピル基7〜12%含有。 2%水溶液での20℃での溶液粘度が50cps) オクチルフェノキシポリエトキシエタノール 27g (平均10オキシエチレン単位含有) 水 964.3g
【0133】1−2:血球分離要素の作製 50デニール相当のPET紡績糸を36ゲージ編みしたトリ
コット編物布地211(厚さ約250μm)に、下記組成の水
溶液を含浸し、乾燥させた。 ポリエチレングリコール(平均分子量5万) 2.0g 四硼酸ナトリウム 2.0g 水 96g
【0134】次に上記含浸済みトリコット編物布地211
を80℃に加熱し、その表面に130℃に加熱し溶融したホ
ットメルト型接着剤213を、グラビア印刷法によりグラ
ビアローラーからの転写によりドット状に付着させた。
グラビアローラーのドットパターンは、ドット直径0.3m
mの円、ドットの中心間距離0.6mm、ドット面積率約20%
であった。付着した接着剤の量は約2g/m2であっ
た。次いで、接着剤213が転写された直後の高温の布地2
11の表面に、有効孔径3.0μm、厚さ140μm、空隙率約
80%のセルロースアセテートメンブランフィルター212
の非光沢面を向かい合わせてラミネートローラーの間を
通し、両者をラミネートして接着一体化(部分接着)し
た。セルロースアセテートメンブランフィルターの光沢
面側にホットメルト型接着剤214をグラビアローラーを
用いて同様に付着させ、その上に表面にシリコーンを塗
布してある離型紙216を積層して、血球分離要素21シー
トを作製した。
【0135】1−3:乾式分析要素の作製 上記の血漿受容要素シート及び血球分離要素シートを用
いて図3に示す手順に従って図1及び図2に示す乾式分
析要素を作製した。
【0136】まず、図3左上部に示すように、血漿受容
要素22シートに刃角が60度で450℃に加熱された超鋼金
属製の熱溶断刃で支持体223に達する熱溶断溝224を15mm
巾で縦横に、すなわち格子状に形成した。この熱溶断溝
224は開口部の巾が0.5mm、深さが0.3mmであった。次い
で、この格子間の中央部をカッターで縦横に切断し、十
字状の熱溶断溝224で4つの等しい正方形に仕切った15m
m×15mmの血漿受容要素22チップを作製した。
【0137】この血漿受容要素22チップをスライド枠10
の下蓋部分12に収容した。この下蓋部分12はハイインパ
クトポリスチレン製で、縦28mm、横24mm、厚さ1.2mmの
大きさをしており、縦横16mm、深さ0.8mmの血漿受容要
素チップ収容部121とその中央に直径13mmの円孔122が形
成されている。下蓋部分12の4隅にホットメルトディス
ペンサー30でホットメルト型接着剤225を点着し、血漿
受容要素22チップを入れて、4隅に1mm×1mmの大きさ
の突起のある超音波ホーン31(ブランソン社製)で熱溶
融接着した。
【0138】一方、図3の右上部に示されている血球分
離要素21シートも15mm×15mmの正方形チップに切断し
た。スライド枠の下蓋部分12と同形の上蓋部分11の4隅
にホットメルトディスペンサー30でホットメルト型接着
剤215を点着し、血球分離要素21チップを入れて超音波
ホーン31で熱溶融接着した。
【0139】血球分離要素21の離型紙216を剥離してス
ライド枠10の下蓋部分12に収容固定されている血漿受容
要素22に合わせ、超音波ホーン32で加熱して血球分離要
素21の光沢面にドット状に点着しておいたホットメルト
型接着剤214で両要素21,22を接着させた。超音波ホー
ン32の受台33には熱溶断溝224に対応する部分に十字状
の溝331が形成されている。この溝331は巾1mm、深さ1
mmである。
【0140】こうして図1及び図2に示すスライド枠10
に収容された乾式分析要素20を作製した。一方、溝331
が形成されていないほかは上記の受台33と同じ受台を用
い、上記と同様にしてスライド枠に収容された乾式分析
要素を作製した。
【0141】その結果、溝のある受台を用いた場合には
熱溶断溝部分での血球分離要素のひび割れが皆無であっ
たのに対し、溝のない受台を用いた場合には乾式分析要
素10個中3個にひび割れが観察された。
【0142】2.測定 2−1:検体の調整 ヘパリン入り健常者全血20mlを遠心分離し血球成分と血
漿成分に分離した。血漿成分の一部を成分濃度既知のコ
ントロール血清(富士ドライケムコントロールLH)と
置換した。血球成分とコントロール血清で置換した血漿
とを混合することにより成分濃度の調整された全血を再
構成した。
【0143】2−2:検体の点着 上記の多層分析スライドの上に採血したままの全血を、
また他の上記スライドの上に検量線作製用に2−1で調
製した全血をそれぞれ30μlづつ点着し、室温で30秒放
置後血球分離要素を血漿受容要素から剥離除去した。
【0144】2−3:脱水乾燥 2−2で得たスライドを、和紙で作られた透湿性の袋に
入れた粒径約1mmの顆粒状ゼオライト2gと共に5cmX
7cmの防湿性ポリエチレンの小袋に入れ、密封して室温
にて3時間保存した。
【0145】2−4:検出試薬の点着と測定 下記処方からなるグルコース(GLU)、尿素窒素(B
UN)、コレステロール(TCHO)及び尿酸(UA)
の各測定試薬溶液を調整した。
【0146】 GLU用測定試薬 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸 213mg p−ノニルフェノキシポリグリシドール 800mg (平均10グリシドール単位含有) ジヒドロキシナフタレン 110mg 4−アミノアンチピリン 140mg グルコースオキシダーゼ 1300U ペルオキシダーゼ 5000U 蒸留水 10.0ml
【0147】 BUN用測定試薬 Triton−X 100(ローム アント ハース社製) 2g o−フタルアルデヒド 2g N−1−ナフチル−N’−ジエチルエチレンジアミン蓚酸 820mg 蒸留水 10ml
【0148】 TCHO用測定試薬 コレステロールエステラーゼ 987U コレステロールオキシダーゼ 600U ペルオキシダーゼ 6614U Triton−X 100(ローム アント ハース社製) 0.5g 2−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)− 4−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−5−フェネチルイミダゾール 30mg 下記処方のバッファー液 10ml 燐酸・2カリウム870.9mgを蒸留水100mlに溶解した液50
mlに、燐酸・1カリウム・2水素680.5mgを蒸留水100ml
に溶解した液を加えてpH7.5に調整した液。
【0149】 UA用測定試薬 ウリカーゼ 145U ペルオキシダーゼ 6794U Triton−X 100(ローム アント ハース社製) 0.5g 2−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)− 4−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−5−フェネチルイミダゾール 30mg 硼酸0.15M 10ml
【0150】2−3に記した乾燥後の4分割スライドの
反応ゾーンNo.1、2、3、4にそれぞれGLU、BU
N、TCHO及びUAの検出試薬溶液の5μlを点着し
た。この際、スライドの展開層を仕切る溝の断面は完全
に溶着しており、試薬溶液が滲み出すことは無かった。
また、吸水層からの液の滲み出しも無かった。
【0151】発色反応を起こしたスライドを37℃で6分
間インキュベートし、測光ビームヘッドを調整してビー
ム径を4mmに絞った富士ドライケム5500アナライザーを
用いて、それぞれの発色に相当する波長で反射光学濃度
を測定した。各成分濃度と反射光学濃度との関係を検量
線としてそれぞれの成分濃度を算出したところ、GLU
=93mg/dL、BUN=19mg/dL、TCHO=148mg/d
L、UA=4.4mg/dLであった。
【0152】同じ無処理全血の1部を遠心分離して、日
立7150を用いて各成分濃度を測定したところ、結果は、
GLU=97mg/dL、BUN=22mg/dL、TCHO=156m
g/dL、UA=4.7mg/dLであり、本発明の方法によって
得られた値が実用に供しえる正確度を有していることが
確認された。
【0153】2−5:繰り返し再現性 上記と同様の操作を10回繰り返して繰り返し再現性を調
べた。CV(%)はそれぞれ、GLU=4.6、BUN=
6.2、TCHO=4.1、UA=2.9であり、十分信頼性の
高い測定法であることが判った。
【0154】
【発明の効果】本発明の製造方法により、微量の液体試
料、特に体液試料を容易に複数の部分分析要素に供給
し、かつこれを確実に保存・移送でき、十分な分析精度
で分析することができる分析要素を高い歩留りで作製す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スライド材に収容された本発明の一実施例で
ある乾式分析要素の断面図である。
【図2】 同乾式分析要素の平面図である。
【図3】 図1の分析要素の作製工程図である。
【図4】 図1の分析要素の使用方法を示す工程図であ
る。
【符号の説明】
10…スライド枠 11…上蓋部分 12…下蓋部分 121…血漿受容要素チップ収容部 122…円孔 20…乾式分析要素 21…血球分離要素 211…繊維質多孔性層 212…非繊維質多孔性層 213…部分接着層 214…部分接着層 215…ホットメルト接着剤 216…離型紙 22…血漿受容要素 221…多孔性展開層 222…親水性ポリマー層 223…水不透過性支持体 224…熱溶断溝 225…ホットメルト接着剤 30…ホットメルトディスペンサー 31…超音波ホーン 32…超音波ホーン 33…受台 331…溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 雅司 埼玉県朝霞市泉水三丁目11番46号 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 北島 昌夫 埼玉県朝霞市泉水三丁目11番46号 富士写 真フイルム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不透過性支持体の上に、親水性ポリマ
    ー層、少なくとも1層の熱可塑性材料からなる多孔性展
    開層がこの順に積層されている、測定試薬を含まない血
    漿受容要素を該支持体に達する熱溶断溝を設けて複数の
    部分血漿受容要素に分割するとともに該展開層の表面に
    熱接着性の接着剤を液体が一様に通過しうるよう部分的
    に配置し、この上に血球分離要素を重ねて、前記熱溶断
    溝より該血球分離要素を剥離可能に接着することを特徴
    とする多項目測定用乾式分析要素の製造方法
  2. 【請求項2】 請求項1において、加熱する手段が超音
    波加熱であり、超音波ホーン又はその受台の前記熱溶断
    溝に対応する部分に溝が形成されていることを特徴とす
    る多項目測定用乾式分析要素の製造方法
JP17784293A 1993-07-19 1993-07-19 多項目測定用乾式分析要素の製造方法 Pending JPH0735747A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005090969A1 (en) * 2004-03-18 2005-09-29 Fuji Photo Film Co., Ltd. Analysis element for use in method of testing specimen
US8608927B2 (en) 2009-01-30 2013-12-17 National University Corporation Okayama University Ion sensor
JP2023519269A (ja) * 2020-03-23 2023-05-10 ジョンソン アンド ジョンソン コンシューマー インコーポレイテッド 体液中の分析物濃度を測定するための使い捨てインジケータ構成要素

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