JPH0735763B2 - 耐衝撃性・耐摩耗性に優れた電磁式燃料噴射弁 - Google Patents

耐衝撃性・耐摩耗性に優れた電磁式燃料噴射弁

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JPH0735763B2
JPH0735763B2 JP62130925A JP13092587A JPH0735763B2 JP H0735763 B2 JPH0735763 B2 JP H0735763B2 JP 62130925 A JP62130925 A JP 62130925A JP 13092587 A JP13092587 A JP 13092587A JP H0735763 B2 JPH0735763 B2 JP H0735763B2
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良弘 小林
淳 菊池
功 伊師
矯 松坂
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は内燃機関用電磁式燃料噴射弁に係り、特にその
耐久性の向上のための改良に関する。
[従来の技術] 電磁式燃料噴射弁の可動子と磁気回路構成部材とが直接
衝突するようにし、その衝突面に表面処理を施して、耐
摩耗性を向上させたものが特開昭59−50286号公報に記
載されている。これは表面処理としてニッケル被膜およ
び窒化処理によって表面を硬くして耐摩耗性を保有させ
たものである。
[発明が解決しようとする問題点] 上記従来技術においては衝突面に施されている表面処理
層に加わる衝撃力の吸収について十分配慮されておら
ず、耐久性(剥離、割れの防止)において問題があっ
た。
本発明の目的は、耐摩耗性と耐衝撃性を兼ね備えた耐久
性の優れた電磁式燃料噴射弁を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の電磁式燃料噴射弁の特徴は、可動子と磁気回路
構成部材(コア)との衝突面のいずれか一方又は両方
を、Ni−Pめっき、Ni−Bめっき、SiC分散Ni基複合め
っき、又はCrめっきよりなる下層めっき層と、この下層
めっき層上に形成されたTiNコーティングよりなる表面
層とからなる二層構造としたことにある。すなわち、衝
突面は、母材上の下層めっき層、その上のTiNコーティ
ング層よりなり、TiNコーティング層が衝突面の表面と
なっている。
[作用] 表面層であるTiNコーティング層は、硬さが高く、ち密
であるため、衝突面及び/又は摺動面の耐摩耗性を向上
させる。そして、下層めっき層は比較的軟らかく、弾性
変形により衝突荷重を緩和しTiNコーティング層の割れ
を防止するとともに耐衝撃性を向上し、また、電磁弁の
基材側にNi−Pめっき等の下層めっき層を設けることに
より、熱膨張係数の小さいTiN膜のコーティング後の冷
却時における剥離、割れを防ぐ。TiNコーティングは、C
VD、PVD、イオン打ち込み等によってNi−Pめっき等の
下層めっき層の上に設けることにより、コーティング処
理時にTiNと下層膜の間の密着力が向上し、また、TiNの
形成時の熱により、下層膜の水素放出及び硬化処理が同
時にできるため、TiN膜形成後の耐久性に優れる。
[実施例] まず、本発明の実施例に係る噴射弁の構造、動作につい
て第4図を用いて説明する。噴射弁1はコントロールユ
ニット(図示せず)により演算決定されたデューティの
ON−OFF信号により弁シート部7の開閉を行なうことに
より燃料の噴射を行なうものである。該ON−OFF信号に
より、コネクタ40を介して電磁コイル3への励磁電流は
断続される。電磁コイル3が励磁されると、コア5、ヨ
ーク4、プランジャ2で形成される磁気回路に磁束が通
り、プランジャ2が図中上方へ吸引される。
プランジャ2は塑性流動を利用した結合、溶接又は緊縛
結合等によりリング6及びロッド8と一体化され、さら
にロッド8はボール9と溶接により一体化されている。
これら結合体をプランジャロッド30と称する。このプラ
ンジャロッド30は可動子を構成している。
プランジャ2に図中上方への吸引力が作用すると、リン
グ6はコア5の内面を摺動し、ボール9はバルブガイド
10のボア部11を摺動してプランジャロッド30が図中上方
へ移動し、ボール9は図中上方へ移動する。すると、シ
ート部7に隙間が生じる。燃料は、ヨーク4の外周から
フィルタ12を通過して、電磁コイル3とヨーク4とによ
り形成される燃料通路13、プランジャ2の外周とヨーク
4の内周とにより形成される燃料通路14、バルブガイド
10のボア部11及びシート部7の上記隙間を通り、そし
て、燃料は、スワール・オリフィス15によって計量され
旋回力を与えられ、所定噴霧角度及び所定粒子径となっ
て内燃機関(図示せず)に噴射される。上記の噴射弁1
の燃料計量方式は、スクーラ・オリフィス15に備わる複
数個のオリフィス16により行うものである。噴射弁の開
弁時のシート部7とボール9の隙間量(図中上下方向の
距離)は噴射弁1のストローク量すなわちプランジャ・
ロッド30のストローク量に等しい。第5図に示すように
このストローク量は、コア5の下端面17とプランジャ2
の上端面18のギャップ19により決定される。
上記の如く、噴射弁1の開弁時には、コア5とプランジ
ャ2が衝突する。衝突を繰返すことにより、これら衝突
面を成すコア5の下端面17及びプランジャ2の上端面18
は摩耗等により変化しやすく、結果的に燃料の噴射量の
経時変化が進み、内燃機関の運転性能の悪化等を招きや
すい。よって、これを防止するため、本発明では該衝突
面に二層被覆処理を施す。
次に、この二層被膜処理について説明する。第1図はコ
ア5の下端面及び内周にのみ二重被覆処理を施した場
合、第2図はリング6の外周面プランジャ2の上端面の
み二重被覆処理を施した場合、第3図はこれら両部分に
二重被覆処理を施した場合を夫々示している。
下層としてNi−Pめっき、Ni−Bめっき、SiCを分散さ
せたNi基複合めっき又は硬質Crめっきを行なった。この
めっき層中には通常水素が含まれ、被膜の脆性の原因と
なるが、表面層であるTiNのコーティング処理を400℃前
後で行ないながら、該めっき層中の水素の放出と硬化を
行なった(Ni−PめっきではPが、Ni−BめっきではB
が、SiCを分散させたNi基複合めっきではSiCが約400℃
で析出し、めっき層を硬化する)。この場合、TiNセラ
ミックであるので熱膨張係数が小さく、コーティング
(処理温度は400℃以上)後の冷却時に、熱応力が発生
し膜が剥離また割れが生じることがあるが、本発明にお
いては電磁弁の基材側にNi−Pめっき、Ni−Bめっき、
SiC分散Ni基複合めっき又はCrめっき層を設け、その上
に耐摩耗性に優れたTiNコーティングを施すことによりT
iN膜の剥離、割れが防止される。また、TiNの形成時の
熱により、下層膜の水素放出及び硬化処理を同時に行
い、TiN膜形成後の耐久性を向上する。
表面のTiNコーティングは、CVD、PVD、イオン打ち込み
等によりNi−Pめっき、Ni−Bめっき、SiC分散Ni基複
合めっき又はCrめっき層の上に設けることができ、その
場合、処理時に400℃以上に温度が上昇することによ
り、下層膜とTiNの間で原子の拡散が起こり、拡散層が
形成されるため、この拡散層とによりTiNと下層膜の間
の密着力が向上する。
このようにして、耐衝撃性と耐摩耗性とを兼ね備えた二
層構造が得られる。
第6図〜第9図は、夫々の図に示した各々の種類の下層
めっき処理後、400℃でTiNコーティング処理を行なった
場合の硬さ分布を示す。析出硬化により、下層の硬さは
高くなっている。また、表面部のTiN膜の硬さは2000Hv
と極めて高く、表面の耐摩耗性の向上に寄与し、下層の
硬さはおよそ600〜1000Hvであり弾性変形しやすく、衝
撃力を緩和する。したがって、従来のNi又はCrの一層め
っきに比べ、特性が向上する。
第10図は、Ni−Pめっき、Ni−Bめっき、SiCを分散さ
せたNi基めっき、又はCrめっきよりなる夫々の下層の上
に水素放出と硬化をしながらTiNコーティングを行なっ
たコア及びプランジャと比較例についての実機寿命試験
の結果である。この結果から、硬質クロムめっき一層
(試料番号1)Ni−Pめっき一層(試料番号2)の場合
は衝撃が8〜9億回で変形してしまうのに対し、本実施
例の二層構造被膜では12億回以上でも変形せず、耐久性
が非常に優れていることがわかる。
[発明の効果] 本発明の電磁式燃料噴霧弁は、プランジャおよび磁気回
路構成部材の一方又は両方に施した表面処理層のうち、
表面層であるTiNコーティング層は、硬さが高くち密で
あるため、衝突面又は摺動面の耐摩耗性を向上させ、ま
た、下層めっき層は比較的軟らかく弾性変形するため衝
突荷重を緩和しTiNコーティング層の割れを防止し耐衝
撃性を向上する。また、TiNはセラミックであるので熱
膨張係数が小さく、単なるコーティングではコーティン
グ後の冷却時に、熱応力が発生し膜が剥離または割れが
生じるが、本発明においては電磁弁の基材側にNi−Pめ
っき、Ni−Bめっき、SiC分散Ni基複合めっき又はCrめ
っき層を設け、その上に耐摩耗性に優れたTiNコーティ
ングを施すことにより、TiN膜の剥離、割れの発生を防
止することができる。さらに、TiNコーティングは、CV
D、PVD、イオン打ち込み等によってNi−Pめっき、Ni−
Bめっき、SiC分散Ni基複合めっき又はCrめっき層の上
に設けたため、コーティング処理時の昇温により、下層
膜とTiNの間で原子の拡散が起こり、拡散層が形成さ
れ、この拡散層によりTiNと下層膜の間の密着力が向上
する。また、TiNの形成時の熱により、下層膜の水素放
出及び硬化処理が同時にできるため、TiN膜形成後の耐
久性を向上することができる。また、プランジャと弁座
に一般的なFe系合金を用いることができ、更に耐摩耗性
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図は夫々本発明の実施例における
プランジャ付近の拡大断面図、第4図は電磁式燃料噴射
弁の全体断面図、第5図はその要部の拡大断面図、第6
図ないし第9図は本発明の各実施例における硬さの分布
図、第10図は実機で行った寿命試験の結果を示す図であ
る。 2…プランジャ、3…電磁コイル 4…ヨーク、5…コア 6…リング、7…弁シート 8…ロッド、9…ボール 10…バルブガイド、22,23…メッキ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊師 功 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 松坂 矯 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 石川 享 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所佐和工場内 (56)参考文献 実開 昭60−15967(JP,U) 実公 昭61−38277(JP,Y1)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁コイル、磁気回路構成部材および弁座
    に対して弁本体の軸方向に摺動自在に配置されたプラン
    ジャを具備し、電磁コイルが励磁されたときプランジャ
    が磁気回路構成部材と衝突するように吸引されて弁座と
    プランジャとの間に微少隙間を形成し、該微少隙間を通
    して内燃機関に対して燃料を噴射する電磁式燃料噴射弁
    において、プランジャと磁気回路構成部材との衝突面ま
    たは摺動面の相対する面の一方又は両方が、Ni−Pめっ
    き、Ni−Bめっき、SiC分散Ni基複合めっき又はCrめっ
    き層である下層めっき層と該下層めっき層上に形成され
    たTiNコーティングである表面層とからなることを特徴
    とする耐衝撃性・耐摩耗性に優れた電磁式燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】前記表面層が、前記下層めっき層形成後に
    該下層めっき層中の水素放出及び下層めっき層の硬度向
    上を行ないながら400℃前後で形成したTiNコーティング
    層であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    耐衝撃性・耐摩耗性に優れた電磁式燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】前記表面層がCVD法、PVD法又はイオン注入
    法により形成したTiNコーティング層であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項又は第2項記載の耐衝撃性
    ・耐摩耗性に優れた電磁式燃料噴射弁。
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