JPH0736024A - 基板の製造方法 - Google Patents
基板の製造方法Info
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- JPH0736024A JPH0736024A JP5179413A JP17941393A JPH0736024A JP H0736024 A JPH0736024 A JP H0736024A JP 5179413 A JP5179413 A JP 5179413A JP 17941393 A JP17941393 A JP 17941393A JP H0736024 A JPH0736024 A JP H0736024A
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- glass substrate
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 基板表面からのアルカリイオンの拡散がない
透光性基板を低コストで製造すること。 【構成】 ソーダガラス基板1aの少なくとも一方表面
上にAl(i−OC3H7)3 の熱分解によってAl2O3
膜1bを基板温度300〜450℃、好ましくは350
〜400℃で成膜した後、O3を1〜15%含むO2ガス
雰囲気中、気圧1〜760Torrで10〜60分間熱
処理することによって膜厚50〜500nmの膜質のよ
いAl2O3膜1bを得ることができ、アルカリイオンの
拡散がない透光性基板1を安価に製造することができ
る。
透光性基板を低コストで製造すること。 【構成】 ソーダガラス基板1aの少なくとも一方表面
上にAl(i−OC3H7)3 の熱分解によってAl2O3
膜1bを基板温度300〜450℃、好ましくは350
〜400℃で成膜した後、O3を1〜15%含むO2ガス
雰囲気中、気圧1〜760Torrで10〜60分間熱
処理することによって膜厚50〜500nmの膜質のよ
いAl2O3膜1bを得ることができ、アルカリイオンの
拡散がない透光性基板1を安価に製造することができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表示素子の構成部材が
形成される側のガラス基板の表面上にイオンバリア層を
成膜した基板の製造方法に関する。
形成される側のガラス基板の表面上にイオンバリア層を
成膜した基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に、液晶表示素子および薄膜E
L(エレクトロルミネッセンス)素子などの表示素子に
は、透光性基板としてガラス基板が用いられている。こ
れらの表示素子は、ガラス基板上に形成される構成部材
の中に、Si(シリコン)およびZnS(硫化亜鉛)な
どの半導体材料によって実現される構成部材を含んでい
る。このため、前記ガラス基板としてソーダガラスなど
のように、可動性のアルカリイオンを多く含むガラス材
料を用いると、表示素子の製造工程における熱処理など
の工程によってナトリウムイオンなどのアルカリイオン
がガラス基板から半導体材料に浸透・拡散し、前記表示
素子の表示特性が比較的短時間のうちに劣化してしまう
という問題が生じる。
L(エレクトロルミネッセンス)素子などの表示素子に
は、透光性基板としてガラス基板が用いられている。こ
れらの表示素子は、ガラス基板上に形成される構成部材
の中に、Si(シリコン)およびZnS(硫化亜鉛)な
どの半導体材料によって実現される構成部材を含んでい
る。このため、前記ガラス基板としてソーダガラスなど
のように、可動性のアルカリイオンを多く含むガラス材
料を用いると、表示素子の製造工程における熱処理など
の工程によってナトリウムイオンなどのアルカリイオン
がガラス基板から半導体材料に浸透・拡散し、前記表示
素子の表示特性が比較的短時間のうちに劣化してしまう
という問題が生じる。
【0003】このため、これらの表示素子にはアルカリ
イオンを含まないバリウムボロンシリケートやアルミノ
シリケートなどによって実現されるノンアルカリガラス
基板が用いられる。しかし、ノンアルカリガラスはソー
ダガラスに比較して非常に高価であるので、表示素子の
製造コストの増加を招いている。
イオンを含まないバリウムボロンシリケートやアルミノ
シリケートなどによって実現されるノンアルカリガラス
基板が用いられる。しかし、ノンアルカリガラスはソー
ダガラスに比較して非常に高価であるので、表示素子の
製造コストの増加を招いている。
【0004】これに対応して、表示素子用ガラス基板と
して安価で平滑性に優れたソーダガラスを用いて前記ガ
ラス基板上に形成される構成部材への前記アルカリイオ
ンの浸透・拡散を防止するための技術として、特公昭5
7−28198、特開昭61−128225および特開
平2−56894などに開示されるように前記ガラス基
板の前記構成部材が形成される表面上にSiO2膜、S
i3N4 膜などによって実現されるイオンバリア層を形
成することが提案されている。イオンバリア層として
は、膜厚100〜200nmのSiO2 膜が広く用いら
れており、液晶表示素子用としては、安価な成膜法であ
るDIP法などのゾル−ゲル法が用いられている。
して安価で平滑性に優れたソーダガラスを用いて前記ガ
ラス基板上に形成される構成部材への前記アルカリイオ
ンの浸透・拡散を防止するための技術として、特公昭5
7−28198、特開昭61−128225および特開
平2−56894などに開示されるように前記ガラス基
板の前記構成部材が形成される表面上にSiO2膜、S
i3N4 膜などによって実現されるイオンバリア層を形
成することが提案されている。イオンバリア層として
は、膜厚100〜200nmのSiO2 膜が広く用いら
れており、液晶表示素子用としては、安価な成膜法であ
るDIP法などのゾル−ゲル法が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、TFT(薄膜
トランジスタ)を用いた液晶表示素子および薄膜EL素
子などの製造工程においては、ソーダガラスの歪点〜5
05℃程度の熱処理が施される。この熱処理は、TFT
を用いた液晶表示素子の場合は、半導体薄膜を形成する
ために注入した不純物を電気的に活性化し、不純物注入
時に発生する欠陥を消滅させる目的で行われる。また薄
膜EL素子の場合は、蒸着したZnS:Mn膜の結晶性
を改善し、発光効率の向上と安定化を図る目的で行われ
る。また熱処理によって薄膜の構造が緻密化され、薄膜
と下地基板との密着性向上が図られる。
トランジスタ)を用いた液晶表示素子および薄膜EL素
子などの製造工程においては、ソーダガラスの歪点〜5
05℃程度の熱処理が施される。この熱処理は、TFT
を用いた液晶表示素子の場合は、半導体薄膜を形成する
ために注入した不純物を電気的に活性化し、不純物注入
時に発生する欠陥を消滅させる目的で行われる。また薄
膜EL素子の場合は、蒸着したZnS:Mn膜の結晶性
を改善し、発光効率の向上と安定化を図る目的で行われ
る。また熱処理によって薄膜の構造が緻密化され、薄膜
と下地基板との密着性向上が図られる。
【0006】図8は、SiO2膜、Al2O3膜およびS
i3N4 膜中へのアルカリイオンの熱拡散状況を示す特
性図である。図8(a)は、DIP法によって成膜した
SiO2 膜中へのアルカリイオンの熱拡散状況を示し、
同様に図8(b)はスパッタ法によって成膜したAl2
O3膜中へのアルカリイオンの熱拡散状況を示し、図8
(c)はスパッタ法によって成膜したSi3N4膜中への
アルカリイオンの熱拡散状況を示す。前記SiO2膜、
Al2O3膜およびSi3N4 膜はソーダガラス基板上に
それぞれ膜厚150nmに成膜されており、500℃、
2時間の熱処理後、膜表面から試料の膜厚方向のアルカ
リイオン組成をIMA(イオンマイクロプローブアナラ
イザ)によって測定した。
i3N4 膜中へのアルカリイオンの熱拡散状況を示す特
性図である。図8(a)は、DIP法によって成膜した
SiO2 膜中へのアルカリイオンの熱拡散状況を示し、
同様に図8(b)はスパッタ法によって成膜したAl2
O3膜中へのアルカリイオンの熱拡散状況を示し、図8
(c)はスパッタ法によって成膜したSi3N4膜中への
アルカリイオンの熱拡散状況を示す。前記SiO2膜、
Al2O3膜およびSi3N4 膜はソーダガラス基板上に
それぞれ膜厚150nmに成膜されており、500℃、
2時間の熱処理後、膜表面から試料の膜厚方向のアルカ
リイオン組成をIMA(イオンマイクロプローブアナラ
イザ)によって測定した。
【0007】この結果、図8(a)に示すように、DI
P法によって成膜されたSiO2 膜は、500℃、2時
間の熱処理後、ナトリウムイオンが表層近くまで検出さ
れ、図8(b)に示すように、スパッタ法によるAl2
O3膜ではアルカリイオンが膜厚方向のほぼ中間位置ま
で検出された。これに対して図8(c)に示すように、
スパッタ法によるSi3N4膜では、ナトリウムイオンは
Si3N4膜中にほとんど拡散せず、ソーダガラスとSi
3N4膜との界面付近にとどまっている。このようにアル
カリイオンの拡散防止効果は、スパッタ法Si3N4膜>
スパッタ法Al2O3 膜>DIP法SiO2膜の順に優
れ、DIP法SiO2膜のアルカリイオン拡散防止効果
は、TFT液晶表示素子および薄膜EL素子用イオンバ
リア層としては不十分であることが判明した。
P法によって成膜されたSiO2 膜は、500℃、2時
間の熱処理後、ナトリウムイオンが表層近くまで検出さ
れ、図8(b)に示すように、スパッタ法によるAl2
O3膜ではアルカリイオンが膜厚方向のほぼ中間位置ま
で検出された。これに対して図8(c)に示すように、
スパッタ法によるSi3N4膜では、ナトリウムイオンは
Si3N4膜中にほとんど拡散せず、ソーダガラスとSi
3N4膜との界面付近にとどまっている。このようにアル
カリイオンの拡散防止効果は、スパッタ法Si3N4膜>
スパッタ法Al2O3 膜>DIP法SiO2膜の順に優
れ、DIP法SiO2膜のアルカリイオン拡散防止効果
は、TFT液晶表示素子および薄膜EL素子用イオンバ
リア層としては不十分であることが判明した。
【0008】またスパッタ法によって成膜したSi3N4
膜およびAl2O3膜は、イオンバリア層として有効なア
ルカリイオン拡散防止効果を示しているが、ソーダガラ
スのガラス基板は、一般にフロート法を用いて大面積の
連続板状の板ガラスとして製造されるため、スパッタ法
による成膜は不適当である。大面積ガラス基板上への成
膜法としては、CVD法(気相成長法)が有効である
が、CVD法を用いてSi3N4膜を基板上に成膜するに
は、成膜時の基板温度を900℃以上の高温にしなけれ
ばならない。これに対してソーダガラスは歪点が約50
0℃と低いので、この方法を用いて成膜することができ
ない。
膜およびAl2O3膜は、イオンバリア層として有効なア
ルカリイオン拡散防止効果を示しているが、ソーダガラ
スのガラス基板は、一般にフロート法を用いて大面積の
連続板状の板ガラスとして製造されるため、スパッタ法
による成膜は不適当である。大面積ガラス基板上への成
膜法としては、CVD法(気相成長法)が有効である
が、CVD法を用いてSi3N4膜を基板上に成膜するに
は、成膜時の基板温度を900℃以上の高温にしなけれ
ばならない。これに対してソーダガラスは歪点が約50
0℃と低いので、この方法を用いて成膜することができ
ない。
【0009】一方、Al2O3膜はスパッタ法以外に、J.
A.Aboaf:"Deposition AndProperties of Aluminum Oxid
e Obtained by Pyrolytic Deposition of anAluminum A
lkoxide",J.Electrochem.Soc.,114,(1967)948.に示され
るようにAlアルコキシドを用いた熱CVD法によって
成膜が可能である。しかし本例によると、成膜時の基板
温度が低いと膜厚分布に優れるが、膜中に未分解物が残
り膜質が悪い。逆に、成膜時の基板温度を高温にすると
質のよいAl2O3膜が得られるが、成膜時の基板温度が
500℃以上でなければならないうえ、膜厚分布が著し
く悪化する。またAlアルコキシドを用いて成膜したA
l2O3膜に関してはイオンバリア層としての検討がほと
んどなされていない。
A.Aboaf:"Deposition AndProperties of Aluminum Oxid
e Obtained by Pyrolytic Deposition of anAluminum A
lkoxide",J.Electrochem.Soc.,114,(1967)948.に示され
るようにAlアルコキシドを用いた熱CVD法によって
成膜が可能である。しかし本例によると、成膜時の基板
温度が低いと膜厚分布に優れるが、膜中に未分解物が残
り膜質が悪い。逆に、成膜時の基板温度を高温にすると
質のよいAl2O3膜が得られるが、成膜時の基板温度が
500℃以上でなければならないうえ、膜厚分布が著し
く悪化する。またAlアルコキシドを用いて成膜したA
l2O3膜に関してはイオンバリア層としての検討がほと
んどなされていない。
【0010】本発明の目的は、安価で平滑性の高いソー
ダガラス基板を用いてアルカリイオン拡散のない透光性
基板を製造することができる基板の製造方法を提供する
ことである。
ダガラス基板を用いてアルカリイオン拡散のない透光性
基板を製造することができる基板の製造方法を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラス基板の
少なくとも一方表面上に、原料としてアルミニウムアル
コキシドを用いた気相成長法によってAl2O3膜を成膜
する工程と、前記Al2O3膜を成膜したガラス基板を、
オゾンと酸素との混合ガス雰囲気中で熱処理を行う工程
とを含むことを特徴とする基板の製造方法である。
少なくとも一方表面上に、原料としてアルミニウムアル
コキシドを用いた気相成長法によってAl2O3膜を成膜
する工程と、前記Al2O3膜を成膜したガラス基板を、
オゾンと酸素との混合ガス雰囲気中で熱処理を行う工程
とを含むことを特徴とする基板の製造方法である。
【0012】また本発明は、前記アルミニウムアルコキ
シドは、Al(i−OC3H7)3 に選ばれることを特徴
とする。
シドは、Al(i−OC3H7)3 に選ばれることを特徴
とする。
【0013】また本発明は、前記Al2O3膜の成膜時の
基板温度を300〜450℃の範囲に選ぶことを特徴と
する。
基板温度を300〜450℃の範囲に選ぶことを特徴と
する。
【0014】さらにまた本発明は、オゾンと酸素との混
合ガス雰囲気中で行う熱処理温度を400〜500℃の
範囲に選ぶことを特徴とする。
合ガス雰囲気中で行う熱処理温度を400〜500℃の
範囲に選ぶことを特徴とする。
【0015】また本発明は、前記Al2O3膜の膜厚を5
0〜500nmの範囲に選ぶことを特徴とする。
0〜500nmの範囲に選ぶことを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明に従えば、ガラス基板の少なくとも一方
表面上に原料としてアルミニウムアルコキシドを用いた
気相成長法によってAl2O3膜を成膜し、前記Al2O3
膜を成膜したガラス基板をオゾンと酸素との混合ガス雰
囲気中で熱処理するので、前記ガラス基板上に緻密でピ
ンホールのないAl2O3膜が形成される。前記Al2O3
膜は、アルカリイオン拡散防止性に優れているので、前
記ガラス基板として安価で平滑性の高いソーダガラスを
用いてもソーダガラス中のアルカリイオンが前記基板上
に形成される素子の構成部材中に拡散することを防止す
ることができる。これによって基板の製造コストを低減
することができるとともに、前記基板上に構成部材を形
成して成る素子の安定動作に対する信頼性を向上するこ
とができる。
表面上に原料としてアルミニウムアルコキシドを用いた
気相成長法によってAl2O3膜を成膜し、前記Al2O3
膜を成膜したガラス基板をオゾンと酸素との混合ガス雰
囲気中で熱処理するので、前記ガラス基板上に緻密でピ
ンホールのないAl2O3膜が形成される。前記Al2O3
膜は、アルカリイオン拡散防止性に優れているので、前
記ガラス基板として安価で平滑性の高いソーダガラスを
用いてもソーダガラス中のアルカリイオンが前記基板上
に形成される素子の構成部材中に拡散することを防止す
ることができる。これによって基板の製造コストを低減
することができるとともに、前記基板上に構成部材を形
成して成る素子の安定動作に対する信頼性を向上するこ
とができる。
【0017】また本発明に従えば、前記アルミニウムア
ルコキシドをAl(i−OC3H7)3 に選ぶのでガラス
基板上に成膜されるAl2O3の成膜速度が速く、生産性
よく成膜処理を行うことができる。
ルコキシドをAl(i−OC3H7)3 に選ぶのでガラス
基板上に成膜されるAl2O3の成膜速度が速く、生産性
よく成膜処理を行うことができる。
【0018】さらに本発明に従えば、前記Al2O3膜の
成膜時の基板温度を300〜450℃の範囲に選ぶの
で、成膜速度が速く膜厚が均一なAl2O3を成膜するこ
とができる。
成膜時の基板温度を300〜450℃の範囲に選ぶの
で、成膜速度が速く膜厚が均一なAl2O3を成膜するこ
とができる。
【0019】さらにまた本発明に従えば、前記Al2O3
膜が形成された基板がオゾンと酸素との混合ガス雰囲気
中で400〜500℃の範囲内で熱処理を施されるの
で、緻密でピンホールが少ない膜質のよいAl2O3膜を
得ることができる。
膜が形成された基板がオゾンと酸素との混合ガス雰囲気
中で400〜500℃の範囲内で熱処理を施されるの
で、緻密でピンホールが少ない膜質のよいAl2O3膜を
得ることができる。
【0020】また本発明に従えば、前記Al2O3膜は、
膜厚が50〜500nmの範囲で成膜されるので、Al
2O3膜を介して基板中のアルカリイオンが拡散すること
を防止することができ、前記基板上に形成される部材へ
のアルカリイオンの拡散を防止することができる。
膜厚が50〜500nmの範囲で成膜されるので、Al
2O3膜を介して基板中のアルカリイオンが拡散すること
を防止することができ、前記基板上に形成される部材へ
のアルカリイオンの拡散を防止することができる。
【0021】
【実施例】図1は、本発明の基板の製造方法に従って製
造された基板1を用いた薄膜EL素子7の構成を示す断
面図である。図1に示すように基板1は、ソーダライム
ガラスなどによって実現される透光性を有するガラス基
板1a上にAl2O3膜1bが成膜されて成る。前記Al
2O3膜1bは、以下のようにして前記ガラス基板1a表
面上に成膜される。恒温槽などによって約90〜130
℃に保温されたバブリング容器から、キャリアガスおよ
びバブリングガスとして、He,N2 およびArなどの
不活性ガスを用いて液体状のAl(i−OC3H7)3 が
蒸気になって前記ガラス基板1a表面上に供給される。
ガラス基板1aは、基板温度350℃に加熱されてお
り、ガラス基板1a上に供給されたAl(i−OC
3H7)3 はガラス基板1a表面で熱分解し、Al2O3膜
1bを生成する。このときのAl2O3膜1bの成膜速度
は約10nm/minであり、成膜時間15分間で膜厚
150nmのAl2O3膜1bが前記ガラス基板1a上に
成膜される。
造された基板1を用いた薄膜EL素子7の構成を示す断
面図である。図1に示すように基板1は、ソーダライム
ガラスなどによって実現される透光性を有するガラス基
板1a上にAl2O3膜1bが成膜されて成る。前記Al
2O3膜1bは、以下のようにして前記ガラス基板1a表
面上に成膜される。恒温槽などによって約90〜130
℃に保温されたバブリング容器から、キャリアガスおよ
びバブリングガスとして、He,N2 およびArなどの
不活性ガスを用いて液体状のAl(i−OC3H7)3 が
蒸気になって前記ガラス基板1a表面上に供給される。
ガラス基板1aは、基板温度350℃に加熱されてお
り、ガラス基板1a上に供給されたAl(i−OC
3H7)3 はガラス基板1a表面で熱分解し、Al2O3膜
1bを生成する。このときのAl2O3膜1bの成膜速度
は約10nm/minであり、成膜時間15分間で膜厚
150nmのAl2O3膜1bが前記ガラス基板1a上に
成膜される。
【0022】前述のようにAl2O3膜1bが成膜された
基板1は、480℃まで昇温され、気圧100Pa、1
〜15%のO3を含むO2ガス雰囲気中、30分間の熱処
理を施される。これによってAl2O3膜中の未分解物が
分解され、前記Al2O3膜1bの膜厚は120nmに減
少する。
基板1は、480℃まで昇温され、気圧100Pa、1
〜15%のO3を含むO2ガス雰囲気中、30分間の熱処
理を施される。これによってAl2O3膜中の未分解物が
分解され、前記Al2O3膜1bの膜厚は120nmに減
少する。
【0023】前記基板1上には、Al2O3膜1bに積層
してITO膜(インジウム錫酸化膜)が透明電極2とし
て図1の左右方向にストライプ状に形成される。さらに
前記ITO膜に積層して、たとえばスパッタ法などによ
ってSiO2,Si3N4 ,Ta2O5,SrTiO3 など
の絶縁性物質から成る下部絶縁層3が形成され、これに
積層してZnS:Mn発光層4が形成される。
してITO膜(インジウム錫酸化膜)が透明電極2とし
て図1の左右方向にストライプ状に形成される。さらに
前記ITO膜に積層して、たとえばスパッタ法などによ
ってSiO2,Si3N4 ,Ta2O5,SrTiO3 など
の絶縁性物質から成る下部絶縁層3が形成され、これに
積層してZnS:Mn発光層4が形成される。
【0024】前記発光層4は、異なる熱処理を経て発光
層4を形成することによって、Al2O3膜1bのアルカ
リイオン拡散防止効果に変化が見られるかどうかを調べ
るため、電子ビーム蒸着法とCVD法とによって成膜し
た。電子ビーム蒸着法による発光層4は、基板温度を2
50〜300℃に保ち、0.5重量%のMnを添加した
ZnS:Mnペレットを蒸発源として電子ビーム加熱で
蒸発させる。これによってZnS:Mn蒸着膜を500
0〜7000Åの膜厚に形成し、さらに真空中で480
℃、2時間の熱処理を施して得られる。
層4を形成することによって、Al2O3膜1bのアルカ
リイオン拡散防止効果に変化が見られるかどうかを調べ
るため、電子ビーム蒸着法とCVD法とによって成膜し
た。電子ビーム蒸着法による発光層4は、基板温度を2
50〜300℃に保ち、0.5重量%のMnを添加した
ZnS:Mnペレットを蒸発源として電子ビーム加熱で
蒸発させる。これによってZnS:Mn蒸着膜を500
0〜7000Åの膜厚に形成し、さらに真空中で480
℃、2時間の熱処理を施して得られる。
【0025】またCVD法による発光層4は、基板温度
を480℃(450〜500℃)に保ち、800〜10
00℃に加熱したZnS粉末からの蒸気をH2 ガスで基
板上に搬送する。これと同時に、600〜700℃に加
熱した金属MnにHCl+H2混合ガスを作用させ、M
nCl2として基板上にMnを供給することによって、
基板上にZnS:Mn膜を形成して得られる。このよう
なCVD法によるZnS:Mn膜の成膜時間は2時間と
し、成膜後の熱処理は行わない。
を480℃(450〜500℃)に保ち、800〜10
00℃に加熱したZnS粉末からの蒸気をH2 ガスで基
板上に搬送する。これと同時に、600〜700℃に加
熱した金属MnにHCl+H2混合ガスを作用させ、M
nCl2として基板上にMnを供給することによって、
基板上にZnS:Mn膜を形成して得られる。このよう
なCVD法によるZnS:Mn膜の成膜時間は2時間と
し、成膜後の熱処理は行わない。
【0026】前記発光層4に積層して前述の下部絶縁層
3と同様の上部絶縁層5が形成される。これに積層し
て、前記ITO膜によって形成された透明電極2に直交
する方向に、すなわち図1の紙面に対して垂直な方向
に、ストライプ状の背面電極6が形成される。前記背面
電極6は、Al蒸着膜などによって実現される。前述の
薄膜EL素子7は、前記透明電極2と前記背面電極6と
の間に交流電界を印加することによって前記電極が交差
する絵素の発光層4が発光する。
3と同様の上部絶縁層5が形成される。これに積層し
て、前記ITO膜によって形成された透明電極2に直交
する方向に、すなわち図1の紙面に対して垂直な方向
に、ストライプ状の背面電極6が形成される。前記背面
電極6は、Al蒸着膜などによって実現される。前述の
薄膜EL素子7は、前記透明電極2と前記背面電極6と
の間に交流電界を印加することによって前記電極が交差
する絵素の発光層4が発光する。
【0027】前記Al2O3膜1bは、Alアルコキシド
としてAl(i−0C3H7)3 を用い、気相成長法によ
ってソーダライムガラス1a上に成膜される。前記Al
2O3膜1bを前記気相成長法によって成膜するための原
料としては、Alアルコキシドであれば何を用いてもよ
い。しかし、Al(i−0C3H7)3 は成膜速度が速
く、かつ均一な膜厚分布を与える基板温度の範囲がソー
ダガラス基板1aに適した温度範囲にあるので、Alア
ルコキシドとしてAl(i−0C3H7)3 を用いるのが
好ましい。
としてAl(i−0C3H7)3 を用い、気相成長法によ
ってソーダライムガラス1a上に成膜される。前記Al
2O3膜1bを前記気相成長法によって成膜するための原
料としては、Alアルコキシドであれば何を用いてもよ
い。しかし、Al(i−0C3H7)3 は成膜速度が速
く、かつ均一な膜厚分布を与える基板温度の範囲がソー
ダガラス基板1aに適した温度範囲にあるので、Alア
ルコキシドとしてAl(i−0C3H7)3 を用いるのが
好ましい。
【0028】図2は、一般的なCVD法による成膜速度
と基板温度との関係を示すアレニウスプロットである。
一般にSi(OC2H5)4、Al(i−0C3H7)3およ
びTi(i−0C3H7)4 などのアルコキシドは、熱分
解によってそれぞれ酸化膜を生成することができる。C
VD法による成膜速度については、温度が最も重要なパ
ラメータであり、成膜速度と基板温度との関係は図2に
示される。図2は縦軸に成膜速度を表し、横軸に基板の
絶対温度の逆数を表す。図2に示すように低温領域で
は、基板表面における反応そのものが成膜の律速過程と
なり、基板温度の上昇に伴って成膜速度が速くなる。さ
らに高温になると、成膜速度はさらに速くなるが、温度
依存性は小さくなる。この領域では基板表面で生成され
た反応生成物の外方への拡散、あるいは原料ガスの供給
が律速過程となり、膜厚の不均一が著しくなる。さらに
高温になると、気相中での反応によって気相中に固体の
核が生成され、成膜速度は遅くなる。前記気相中で生成
された核が基板表面に堆積すると、膜厚の不均一がさら
に顕著になる。このため均一な膜厚分布でなおかつ生産
性のよい成膜速度を得るために、成膜時の基板温度を反
応律速領域内の上限付近に選ぶ。
と基板温度との関係を示すアレニウスプロットである。
一般にSi(OC2H5)4、Al(i−0C3H7)3およ
びTi(i−0C3H7)4 などのアルコキシドは、熱分
解によってそれぞれ酸化膜を生成することができる。C
VD法による成膜速度については、温度が最も重要なパ
ラメータであり、成膜速度と基板温度との関係は図2に
示される。図2は縦軸に成膜速度を表し、横軸に基板の
絶対温度の逆数を表す。図2に示すように低温領域で
は、基板表面における反応そのものが成膜の律速過程と
なり、基板温度の上昇に伴って成膜速度が速くなる。さ
らに高温になると、成膜速度はさらに速くなるが、温度
依存性は小さくなる。この領域では基板表面で生成され
た反応生成物の外方への拡散、あるいは原料ガスの供給
が律速過程となり、膜厚の不均一が著しくなる。さらに
高温になると、気相中での反応によって気相中に固体の
核が生成され、成膜速度は遅くなる。前記気相中で生成
された核が基板表面に堆積すると、膜厚の不均一がさら
に顕著になる。このため均一な膜厚分布でなおかつ生産
性のよい成膜速度を得るために、成膜時の基板温度を反
応律速領域内の上限付近に選ぶ。
【0029】図3は、Alアルコキシドの熱分解による
Al2O3膜の成膜速度と基板温度との関係を示すアレニ
ウスプロットである。図3において、縦軸は成膜速度の
対数値を表し、横軸は基板の絶対温度の逆数を表す。A
lアルコキシドとしてAl(OC2H5)3とAl(i−
OC3H7)3とを用いた。Alアルコキシドの熱分解に
よってAl2O3膜を成膜する場合、図3に示すように基
板温度450℃では、Al(OC2H5)3 による成膜速
度は、約60Å/minである。これに対してAl(i
−OC3H7)3 による成膜速度は約800Å/minで
ある。また基板温度400℃では、Al(OC2H5)3
による成膜速度は約15Å/minである。これに対し
てAl(i−OC3H7)3 による成膜速度は約500Å
/minである。このようにAl(i−OC3H7)3 は
Al(OC2H5)3 と比較して成膜速度が非常に速いこ
とがわかる。
Al2O3膜の成膜速度と基板温度との関係を示すアレニ
ウスプロットである。図3において、縦軸は成膜速度の
対数値を表し、横軸は基板の絶対温度の逆数を表す。A
lアルコキシドとしてAl(OC2H5)3とAl(i−
OC3H7)3とを用いた。Alアルコキシドの熱分解に
よってAl2O3膜を成膜する場合、図3に示すように基
板温度450℃では、Al(OC2H5)3 による成膜速
度は、約60Å/minである。これに対してAl(i
−OC3H7)3 による成膜速度は約800Å/minで
ある。また基板温度400℃では、Al(OC2H5)3
による成膜速度は約15Å/minである。これに対し
てAl(i−OC3H7)3 による成膜速度は約500Å
/minである。このようにAl(i−OC3H7)3 は
Al(OC2H5)3 と比較して成膜速度が非常に速いこ
とがわかる。
【0030】さらに図3に示すようにAlアルコキシド
の熱分解によってAl2O3膜1bを成膜する場合、Al
(i−OC3H7)3 を用いると、反応律速領域が基板温
度300〜400℃の範囲にあり、ソーダライムガラス
を用いたガラス基板1aの歪点が約500℃であること
からソーダライムガラス基板1a上にAl2O3膜1bを
成膜する場合に適している。前述のようにAlアルコキ
シドをAl(i−OC3H7)3 に選んだ場合には、成膜
時の基板1aの温度は300〜450℃の範囲が適当で
あり、さらに好ましくは成膜が反応律速領域で行われ、
なおかつ基板温度があまり低温でない350〜400℃
の範囲がよい。このときのAl2O3膜1bの成膜速度は
10〜40nm/minであり、Al2O3膜1bは10
0〜300nmの膜厚に成膜される。
の熱分解によってAl2O3膜1bを成膜する場合、Al
(i−OC3H7)3 を用いると、反応律速領域が基板温
度300〜400℃の範囲にあり、ソーダライムガラス
を用いたガラス基板1aの歪点が約500℃であること
からソーダライムガラス基板1a上にAl2O3膜1bを
成膜する場合に適している。前述のようにAlアルコキ
シドをAl(i−OC3H7)3 に選んだ場合には、成膜
時の基板1aの温度は300〜450℃の範囲が適当で
あり、さらに好ましくは成膜が反応律速領域で行われ、
なおかつ基板温度があまり低温でない350〜400℃
の範囲がよい。このときのAl2O3膜1bの成膜速度は
10〜40nm/minであり、Al2O3膜1bは10
0〜300nmの膜厚に成膜される。
【0031】図4はCVD法によって基板温度350℃
で成膜されたAl2O3膜の赤外線吸収スペクトルを示す
図であり、図5はCVD法によって基板温度400℃で
成膜されたAl2O3膜の赤外線吸収スペクトルを示す図
であり、図6はCVD法によって基板温度450℃で成
膜されたAl2O3膜の赤外線吸収スペクトルを示す図で
ある。赤外線吸収スペクトルは、試料に赤外光を照射
し、試料からの透過光強度の波長依存性を測定すること
によって得られる。この赤外線吸収スペクトルから、試
料内の特定の結合によって特定の波長の光が吸収される
ことに基づいて、前記特定の結合を有する物質を定量す
ることができる。
で成膜されたAl2O3膜の赤外線吸収スペクトルを示す
図であり、図5はCVD法によって基板温度400℃で
成膜されたAl2O3膜の赤外線吸収スペクトルを示す図
であり、図6はCVD法によって基板温度450℃で成
膜されたAl2O3膜の赤外線吸収スペクトルを示す図で
ある。赤外線吸収スペクトルは、試料に赤外光を照射
し、試料からの透過光強度の波長依存性を測定すること
によって得られる。この赤外線吸収スペクトルから、試
料内の特定の結合によって特定の波長の光が吸収される
ことに基づいて、前記特定の結合を有する物質を定量す
ることができる。
【0032】図4、図5および図6はともに横軸が照射
光の波数(cm-1)を表し、縦軸が透過光の透過率を表
している。Al2O3膜1b中の残存未分解物に含まれる
OH基に起因したスペクトル吸収領域は、波数3400
〜500cm-1の範囲を吸収の中心としており、図中の
長波長側にある大きな吸収領域は、Al−Oの結合に起
因するものである。
光の波数(cm-1)を表し、縦軸が透過光の透過率を表
している。Al2O3膜1b中の残存未分解物に含まれる
OH基に起因したスペクトル吸収領域は、波数3400
〜500cm-1の範囲を吸収の中心としており、図中の
長波長側にある大きな吸収領域は、Al−Oの結合に起
因するものである。
【0033】図4において実際のAl2O3膜の吸収スペ
クトルを実線P1で示し、Alアルコキシドの未分解物
が膜中に含まれない場合の吸収スペクトルを破線P2で
示す。またスペクトルが吸収された部分を斜線を付して
示す。図4に実線P1で示されるように基板温度350
℃で成膜したAl2O3膜では、波数3400cm-1を中
心とする領域に比較的大きなスペクトル吸収が見られ、
かなりのAlアルコキシドの未分解物がAl2O3膜中に
残存していることがわかる。
クトルを実線P1で示し、Alアルコキシドの未分解物
が膜中に含まれない場合の吸収スペクトルを破線P2で
示す。またスペクトルが吸収された部分を斜線を付して
示す。図4に実線P1で示されるように基板温度350
℃で成膜したAl2O3膜では、波数3400cm-1を中
心とする領域に比較的大きなスペクトル吸収が見られ、
かなりのAlアルコキシドの未分解物がAl2O3膜中に
残存していることがわかる。
【0034】さらに図5においても図4と同様、実線Q
1は実際のAl2O3膜の吸収スペクトルを示し、破線Q
2はAlアルコキシドの未分解物が膜中に含まれない場
合の吸収スペクトルを示す。図5において実線Q1で示
されるように、基板温度400℃で成膜したAl2O3膜
でも波数3400cm-1を中心とする領域にスペクトル
の吸収が見られる。しかしこの場合、図4に示される吸
収と比較して図5では吸収の割合が小さくなっているこ
とがわかる。
1は実際のAl2O3膜の吸収スペクトルを示し、破線Q
2はAlアルコキシドの未分解物が膜中に含まれない場
合の吸収スペクトルを示す。図5において実線Q1で示
されるように、基板温度400℃で成膜したAl2O3膜
でも波数3400cm-1を中心とする領域にスペクトル
の吸収が見られる。しかしこの場合、図4に示される吸
収と比較して図5では吸収の割合が小さくなっているこ
とがわかる。
【0035】さらに図6において実線Rで示すように基
板温度450℃で成膜されたAl2O3 膜では、波数3
400cm-1を中心とする領域にスペクトルの吸収は見
られない。このように成膜時の基板温度が低い場合には
Al2O3膜中にAlアルコキシドの未分解物が多く残存
し、すなわち膜質が悪く、成膜時の基板温度が高いほど
Al2O3膜中のAlアルコキシドの未分解物が少なく、
すなわち膜質がよいということがわかる。
板温度450℃で成膜されたAl2O3 膜では、波数3
400cm-1を中心とする領域にスペクトルの吸収は見
られない。このように成膜時の基板温度が低い場合には
Al2O3膜中にAlアルコキシドの未分解物が多く残存
し、すなわち膜質が悪く、成膜時の基板温度が高いほど
Al2O3膜中のAlアルコキシドの未分解物が少なく、
すなわち膜質がよいということがわかる。
【0036】これに対して、成膜時の基板温度が高くな
り、450℃以上の拡散律速領域になると、図2および
図3に示すアレニウスプロットからもわかるように、基
板表面での拡散反応が盛んになり、一旦基板表面に成膜
された成膜粒子が気相中に拡散してしまい、成膜速度が
Alアルコキシドの基板面での反応速度より遅くなる。
また成膜粒子が一旦基板表面上からある程度以上の距離
に離れてしまうと、再び基板面上に供給されなくなる枯
渇分布が生じ始め、均一な膜厚分布が得られなくなる。
このため、Al2O3膜の成膜は反応律速領域で行い、そ
の後の熱処理によって膜中の残存未分解物を分解、酸化
する方法によって均一で膜質のよいAl2O3膜を得るこ
とができると考えられる。
り、450℃以上の拡散律速領域になると、図2および
図3に示すアレニウスプロットからもわかるように、基
板表面での拡散反応が盛んになり、一旦基板表面に成膜
された成膜粒子が気相中に拡散してしまい、成膜速度が
Alアルコキシドの基板面での反応速度より遅くなる。
また成膜粒子が一旦基板表面上からある程度以上の距離
に離れてしまうと、再び基板面上に供給されなくなる枯
渇分布が生じ始め、均一な膜厚分布が得られなくなる。
このため、Al2O3膜の成膜は反応律速領域で行い、そ
の後の熱処理によって膜中の残存未分解物を分解、酸化
する方法によって均一で膜質のよいAl2O3膜を得るこ
とができると考えられる。
【0037】ガラス基板1a上にAl2O3膜1bが形成
された基板1は、基板温度450〜500℃に昇温さ
れ、10〜1.01×105Pa、1〜15%のO3 を
含むO2ガス雰囲気中で10〜60分間熱処理を施され
る。Al2O3膜1b中の未分解物は、Al2O3膜1bが
成膜されたときの基板温度以上の高温で熱分解され、A
l2O3膜1b中からイソプロピルアルコール、H2Oな
どになって放散され、O2雰囲気中で酸化される。これ
によってAl2O3膜1bの膜厚は85〜90%に減少
し、赤外線吸収スペクトルにおけるOH基の吸収が消滅
する。
された基板1は、基板温度450〜500℃に昇温さ
れ、10〜1.01×105Pa、1〜15%のO3 を
含むO2ガス雰囲気中で10〜60分間熱処理を施され
る。Al2O3膜1b中の未分解物は、Al2O3膜1bが
成膜されたときの基板温度以上の高温で熱分解され、A
l2O3膜1b中からイソプロピルアルコール、H2Oな
どになって放散され、O2雰囲気中で酸化される。これ
によってAl2O3膜1bの膜厚は85〜90%に減少
し、赤外線吸収スペクトルにおけるOH基の吸収が消滅
する。
【0038】基板温度350〜400℃で成膜されたA
l2O3膜1bは、基板温度450℃以上で30分間の熱
処理を行えば、Al2O3膜1b中に残存する未分解物に
起因した赤外線吸収スペクトルにおけるOH基の吸収が
消滅することが確認されている。さらにこれによってA
l2O3膜1b中の未分解物に起因したリーク電流がなく
なり、Al2O3膜1bの絶縁特性が良好となる。またさ
らに、熱処理時にO3を添加することによって、O2 雰
囲気中で熱処理を行った場合より、リーク電流が低減さ
れ、絶縁特性がさらに改善されることから、O3 の効果
が確認される。これらの結果から残存未分解物が分解さ
れたことが確認される。
l2O3膜1bは、基板温度450℃以上で30分間の熱
処理を行えば、Al2O3膜1b中に残存する未分解物に
起因した赤外線吸収スペクトルにおけるOH基の吸収が
消滅することが確認されている。さらにこれによってA
l2O3膜1b中の未分解物に起因したリーク電流がなく
なり、Al2O3膜1bの絶縁特性が良好となる。またさ
らに、熱処理時にO3を添加することによって、O2 雰
囲気中で熱処理を行った場合より、リーク電流が低減さ
れ、絶縁特性がさらに改善されることから、O3 の効果
が確認される。これらの結果から残存未分解物が分解さ
れたことが確認される。
【0039】このように基板温度350〜400℃で成
膜されたAl2O3膜1bは450℃以上の熱処理によっ
てAl2O3膜1b中に残存する未分解物が分解・除去さ
れ、緻密でピンホールのないAl2O3膜1bが得られ
る。ソーダライムガラスは温度変化による収縮率が大き
く、ソーダライムガラスの歪点がほぼ500℃であるこ
とから当該熱処理の基板温度の上限は500℃に選ぶ。
前記Al2O3膜1bが300〜450℃の基板温度で成
膜されるときは、450〜500℃の温度範囲で熱処理
を施すことが必要である。
膜されたAl2O3膜1bは450℃以上の熱処理によっ
てAl2O3膜1b中に残存する未分解物が分解・除去さ
れ、緻密でピンホールのないAl2O3膜1bが得られ
る。ソーダライムガラスは温度変化による収縮率が大き
く、ソーダライムガラスの歪点がほぼ500℃であるこ
とから当該熱処理の基板温度の上限は500℃に選ぶ。
前記Al2O3膜1bが300〜450℃の基板温度で成
膜されるときは、450〜500℃の温度範囲で熱処理
を施すことが必要である。
【0040】図7は、成膜方法が異なるAl2O3膜1b
のアルカリイオン拡散防止効果を示す図である。図7に
示すグラフは、ソーダガラス基板1a上にスパッタ法お
よび本実施例のCVD法を用いてAl2O3膜1bを膜厚
150nmに成膜し、前記試料を500℃、2時間の熱
処理後、IMA(イオンマイクロプローブアナライザ)
を用いて試料の膜厚方向のアルカリイオン組成を測定し
た。
のアルカリイオン拡散防止効果を示す図である。図7に
示すグラフは、ソーダガラス基板1a上にスパッタ法お
よび本実施例のCVD法を用いてAl2O3膜1bを膜厚
150nmに成膜し、前記試料を500℃、2時間の熱
処理後、IMA(イオンマイクロプローブアナライザ)
を用いて試料の膜厚方向のアルカリイオン組成を測定し
た。
【0041】前記スパッタ法によるAl2O3膜は、ター
ゲットとしてメタルターゲットAl99.999を使用
し、混合比Ar/O2=1/1で混合したAr+O2混合
ガス雰囲気中で気圧5×10-3Torr、基板温度20
0℃、加速電圧2.5KV、電流450mAの条件下で
反応性スパッタ法によって成膜した。
ゲットとしてメタルターゲットAl99.999を使用
し、混合比Ar/O2=1/1で混合したAr+O2混合
ガス雰囲気中で気圧5×10-3Torr、基板温度20
0℃、加速電圧2.5KV、電流450mAの条件下で
反応性スパッタ法によって成膜した。
【0042】また前記CVD法によるAl2O3膜の成膜
は、AlアルコキシドとしてAl(i−OC3H7)3 を
用い、基板温度350℃、成膜速度10nm/min、
成膜時間18分間で基板上に一旦Al2O3膜を膜厚18
0nmに成膜し、さらに480℃(前処理を行っていな
い基板に対しては450℃)、30分間の熱処理を施し
て行った。このときAl2O3膜の膜厚は、150nm±
10nmであった。
は、AlアルコキシドとしてAl(i−OC3H7)3 を
用い、基板温度350℃、成膜速度10nm/min、
成膜時間18分間で基板上に一旦Al2O3膜を膜厚18
0nmに成膜し、さらに480℃(前処理を行っていな
い基板に対しては450℃)、30分間の熱処理を施し
て行った。このときAl2O3膜の膜厚は、150nm±
10nmであった。
【0043】IMAは、試料にCsやOなどの一次イオ
ンのビームを照射し、試料から放出される二次イオンを
磁場偏向形質量分析計に導いて質量分析することによっ
て元素分析を行う。IMAによれば、前記一次イオンの
照射によって試料がエッチングされるので、特定元素濃
度の時間変化を測定することは試料の厚み方向への前記
特定元素の濃度変化を測定することに等しい。
ンのビームを照射し、試料から放出される二次イオンを
磁場偏向形質量分析計に導いて質量分析することによっ
て元素分析を行う。IMAによれば、前記一次イオンの
照射によって試料がエッチングされるので、特定元素濃
度の時間変化を測定することは試料の厚み方向への前記
特定元素の濃度変化を測定することに等しい。
【0044】このようにしてCVD法によって成膜され
たAl2O3膜1bは、ソーダガラスとの界面から膜厚方
向に約25nmの位置にナトリウムイオンが検出されて
いる。図7に示すように、CVD法によって成膜された
Al2O3膜はスパッタ法によって成膜されたAl2O3膜
に比べてナトリウムイオンの拡散防止効果に優れ、スパ
ッタ法によるAl2O3膜の約半分の膜厚でイオンバリア
層としての効果を発揮することができる。このため、前
述のCVD法によるAl2O3膜1bの膜厚は50nm以
上であればイオンバリア層として十分なアルカリイオン
拡散防止性が得られる。さらに製造コストの面を考慮し
て、前記Al2O3膜の膜厚は50〜500nmの範囲が
適当である。
たAl2O3膜1bは、ソーダガラスとの界面から膜厚方
向に約25nmの位置にナトリウムイオンが検出されて
いる。図7に示すように、CVD法によって成膜された
Al2O3膜はスパッタ法によって成膜されたAl2O3膜
に比べてナトリウムイオンの拡散防止効果に優れ、スパ
ッタ法によるAl2O3膜の約半分の膜厚でイオンバリア
層としての効果を発揮することができる。このため、前
述のCVD法によるAl2O3膜1bの膜厚は50nm以
上であればイオンバリア層として十分なアルカリイオン
拡散防止性が得られる。さらに製造コストの面を考慮し
て、前記Al2O3膜の膜厚は50〜500nmの範囲が
適当である。
【0045】また、ナトリウムイオン以外のSi+イオ
ン、Ca+イオンは、イオンの分子量が大きいため、こ
れらのイオンに関してはイオンバリア層としてのAl2
O3膜がある程度緻密な分子構造であればよく、スパッ
タ法によるAl2O3膜とCVD法によるAl2O3膜とを
比較しても図4に示すようにAl2O3膜の膜厚方向のイ
オン分布に大きな差は見られない。したがってこれらの
イオンに関しては、スパッタ法によるAl2O3膜でも十
分なイオン拡散防止効果が得られる。
ン、Ca+イオンは、イオンの分子量が大きいため、こ
れらのイオンに関してはイオンバリア層としてのAl2
O3膜がある程度緻密な分子構造であればよく、スパッ
タ法によるAl2O3膜とCVD法によるAl2O3膜とを
比較しても図4に示すようにAl2O3膜の膜厚方向のイ
オン分布に大きな差は見られない。したがってこれらの
イオンに関しては、スパッタ法によるAl2O3膜でも十
分なイオン拡散防止効果が得られる。
【0046】
【表1】
【0047】表1に本発明に従って製造された基板1を
用いる薄膜EL素子7とその他の薄膜EL素子とのエー
ジングの比較結果を示す。表1において、の薄膜EL
素子は、イオンバリア層を成膜しないソーダライムガラ
スを基板として用いる。の薄膜EL素子は、ソーダラ
イムガラス基板上にイオンバリア層としてDIP法によ
るSiO2 膜を成膜した基板を用いる。の薄膜EL素
子は、ソーダライムガラス基板上にイオンバリア層とし
て本発明のCVD法によるAl2O3膜を成膜した基板1
を用いる。の薄膜EL素子は、ソーダライムガラス基
板上にイオンバリア層としてスパッタ法によるSi3N4
膜を成膜した基板を用いる。の薄膜EL素子は、アル
カリイオンを含まないノンアルカリガラス(日本電気硝
子株式会社製OA−2)を基板として用いる。これらの
薄膜EL素子をそれぞれエージングし、比較した。
用いる薄膜EL素子7とその他の薄膜EL素子とのエー
ジングの比較結果を示す。表1において、の薄膜EL
素子は、イオンバリア層を成膜しないソーダライムガラ
スを基板として用いる。の薄膜EL素子は、ソーダラ
イムガラス基板上にイオンバリア層としてDIP法によ
るSiO2 膜を成膜した基板を用いる。の薄膜EL素
子は、ソーダライムガラス基板上にイオンバリア層とし
て本発明のCVD法によるAl2O3膜を成膜した基板1
を用いる。の薄膜EL素子は、ソーダライムガラス基
板上にイオンバリア層としてスパッタ法によるSi3N4
膜を成膜した基板を用いる。の薄膜EL素子は、アル
カリイオンを含まないノンアルカリガラス(日本電気硝
子株式会社製OA−2)を基板として用いる。これらの
薄膜EL素子をそれぞれエージングし、比較した。
【0048】DIP法によってSiO2 膜を成膜した基
板は、「DIPコート」として市販されており、SiO
2 膜の膜厚が100nmに成膜されている。CVD法に
よってAl2O3膜を成膜した基板は、成膜時の基板温度
350℃、成膜速度10nm/min、成膜時間11分
間で一旦Al2O3膜を110nmに成膜した後、約15
%のO3を含むO2ガス雰囲気中で基板温度450℃、3
0分間の熱処理を行った。これによって膜厚約100n
mのAl2O3膜を得た。さらにスパッタ法によるSi3
N4膜はターゲットとしてシリコン99.999を用
い、N2 ガス雰囲気中、気圧5×10-3Torr、基板
温度250℃、加速電圧2.5KV、電流450mAの
条件下で膜厚100nmに成膜した。エージングは温度
55℃で薄膜EL素子の電極にf=500Hzの交流電
界を20時間、120時間および240時間継続印加し
て行う。その後ブレークポイント(微小絶縁破壊点)の
発生数を計数する。また薄膜EL素子は、6400絵素
に形成される。
板は、「DIPコート」として市販されており、SiO
2 膜の膜厚が100nmに成膜されている。CVD法に
よってAl2O3膜を成膜した基板は、成膜時の基板温度
350℃、成膜速度10nm/min、成膜時間11分
間で一旦Al2O3膜を110nmに成膜した後、約15
%のO3を含むO2ガス雰囲気中で基板温度450℃、3
0分間の熱処理を行った。これによって膜厚約100n
mのAl2O3膜を得た。さらにスパッタ法によるSi3
N4膜はターゲットとしてシリコン99.999を用
い、N2 ガス雰囲気中、気圧5×10-3Torr、基板
温度250℃、加速電圧2.5KV、電流450mAの
条件下で膜厚100nmに成膜した。エージングは温度
55℃で薄膜EL素子の電極にf=500Hzの交流電
界を20時間、120時間および240時間継続印加し
て行う。その後ブレークポイント(微小絶縁破壊点)の
発生数を計数する。また薄膜EL素子は、6400絵素
に形成される。
【0049】表1に示すように、の薄膜EL素子で
は、イオンバリア層を成膜しないため、他のEL素子と
比較してブレークポイントの発生が極度に多く、基板の
アルカリイオンの影響と見られるブレークポイントがエ
ージング時間に伴い透明電極の長手方向両端部に沿って
多数発生し、240時間後には電極の断線を生じた。
の薄膜EL素子では、DIP法によってSiO2 膜を基
板上に成膜しているため、イオンバリア層のないものに
比較してブレークポイントの発生をかなり低く抑えるこ
とができるが、エージング時間に伴ってブレークポイン
トが増加し、240時間後に電極の断線を生じた。
は、イオンバリア層を成膜しないため、他のEL素子と
比較してブレークポイントの発生が極度に多く、基板の
アルカリイオンの影響と見られるブレークポイントがエ
ージング時間に伴い透明電極の長手方向両端部に沿って
多数発生し、240時間後には電極の断線を生じた。
の薄膜EL素子では、DIP法によってSiO2 膜を基
板上に成膜しているため、イオンバリア層のないものに
比較してブレークポイントの発生をかなり低く抑えるこ
とができるが、エージング時間に伴ってブレークポイン
トが増加し、240時間後に電極の断線を生じた。
【0050】また、Al2O3膜を成膜したの薄膜EL
素子と、Si3N4膜を成膜したの薄膜EL素子とはノ
ンアルカリガラスOA−2を基板として用いたの薄膜
EL素子と同程度にブレークポイントの発生数は少な
く、CVD法によるAl2O3膜およびスパッタ法による
Si3N4膜はともにイオンバリア層として十分なアルカ
リイオン拡散防止性を備えることが確認された。また、
発光層4を電子ビーム蒸着法で成膜した場合も、発光層
4をCVD法で成膜した場合と同様にCVD法によるA
l2O3膜は十分なアルカリイオン拡散防止性を示してい
ることが確認された。
素子と、Si3N4膜を成膜したの薄膜EL素子とはノ
ンアルカリガラスOA−2を基板として用いたの薄膜
EL素子と同程度にブレークポイントの発生数は少な
く、CVD法によるAl2O3膜およびスパッタ法による
Si3N4膜はともにイオンバリア層として十分なアルカ
リイオン拡散防止性を備えることが確認された。また、
発光層4を電子ビーム蒸着法で成膜した場合も、発光層
4をCVD法で成膜した場合と同様にCVD法によるA
l2O3膜は十分なアルカリイオン拡散防止性を示してい
ることが確認された。
【0051】以上のように本実施例によれば、薄膜EL
素子7は、透光性を有するガラス基板1a上にイオンバ
リア層としてAl2O3膜1bが成膜され、前記Al2O3
膜1bに積層して薄膜EL素子7の構成部材が形成され
る。前記基板1は、ソーダライムガラスを用いたガラス
基板1a表面上に、Alアルコキシドの熱分解によるC
VD法を用いてAl2O3膜1bが成膜され、さらに基板
1はO3を含むO2混合ガス雰囲気中で熱処理を施され
る。このため、成膜されるAl2O3膜の膜質がよく、薄
膜EL素子7の製造工程における熱処理においても、ソ
ーダライムガラスからの構成部材へのアルカリイオンの
拡散を防止でき、基板1中のアルカリイオンの拡散に起
因する微小絶縁破壊点の発生を低減することができる。
また、安価なソーダライムガラスをガラス基板1aとし
て使用することができるので、薄膜EL素子7の製造コ
ストを低減することができる。
素子7は、透光性を有するガラス基板1a上にイオンバ
リア層としてAl2O3膜1bが成膜され、前記Al2O3
膜1bに積層して薄膜EL素子7の構成部材が形成され
る。前記基板1は、ソーダライムガラスを用いたガラス
基板1a表面上に、Alアルコキシドの熱分解によるC
VD法を用いてAl2O3膜1bが成膜され、さらに基板
1はO3を含むO2混合ガス雰囲気中で熱処理を施され
る。このため、成膜されるAl2O3膜の膜質がよく、薄
膜EL素子7の製造工程における熱処理においても、ソ
ーダライムガラスからの構成部材へのアルカリイオンの
拡散を防止でき、基板1中のアルカリイオンの拡散に起
因する微小絶縁破壊点の発生を低減することができる。
また、安価なソーダライムガラスをガラス基板1aとし
て使用することができるので、薄膜EL素子7の製造コ
ストを低減することができる。
【0052】また前記AlアルコキシドはAl(i−O
C3H7)3 に選ばれるので、比較的低温でも他のAlア
ルコキシドを用いる場合よりも成膜速度が速く、生産性
よくAl2O3膜1bを成膜することができる。
C3H7)3 に選ばれるので、比較的低温でも他のAlア
ルコキシドを用いる場合よりも成膜速度が速く、生産性
よくAl2O3膜1bを成膜することができる。
【0053】さらに前記Al2O3膜1bの成膜時の基板
温度を300〜450℃に選ぶので、膜厚の均一性の高
いAl2O3膜1bを成膜することができる。
温度を300〜450℃に選ぶので、膜厚の均一性の高
いAl2O3膜1bを成膜することができる。
【0054】さらにO3を含むO2ガス雰囲気中で行う熱
処理を400〜500℃の範囲に選ぶので、歪点の低い
ソーダライムガラスの許容温度以下でAl2O3膜1b中
に残存する未分解物を分解し、膜質のよいAl2O3膜1
bを得ることができる。
処理を400〜500℃の範囲に選ぶので、歪点の低い
ソーダライムガラスの許容温度以下でAl2O3膜1b中
に残存する未分解物を分解し、膜質のよいAl2O3膜1
bを得ることができる。
【0055】さらにまた、Al2O3膜1bの膜厚を50
〜500nmに選ぶので、ソーダライムガラスから拡散
されるアルカリイオンがAl2O3膜1b表面から薄膜E
L素子7の構成部材中に拡散されることを防止すること
ができる。
〜500nmに選ぶので、ソーダライムガラスから拡散
されるアルカリイオンがAl2O3膜1b表面から薄膜E
L素子7の構成部材中に拡散されることを防止すること
ができる。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ガラス基
板の少なくとも一方表面上に、原料としてアルミニウム
アルコキシドを用いた気相成長法によってAl2O3膜を
成膜し、前記Al2O3膜を成膜したガラス基板をオゾン
と酸素との混合ガス雰囲気中で熱処理を行う。成膜の原
料としてアルミニウムアルコキシドを用いるので、成膜
時に比較的低い基板温度でAl2O3膜を成膜することが
できる。また成膜法として、気相成長法を用いるためA
l2O3膜が流動性中間生成物を経て成膜されるので、ス
テップカバレージに優れた成膜が可能となる。このため
ピンホールのないAl2O3膜を成膜することができる。
また、スパッタ法によって成膜する場合に比べてスパッ
タガスの膜中への取込みなどによる膜質の低下が発生し
ない。さらに気相成長法によって成膜されたガラス基板
をオゾンと酸素との混合ガスを雰囲気として熱処理を施
すので、Al2O3膜中の残存未分解物を分解、酸化する
ことができ、膜質のよい緻密で高密度のAl2O3膜を成
膜することができる。これによって、Al2O3膜におけ
る高いアルカリイオン拡散防止効果を得ることができ
る。したがって、安価で平滑性の高いソーダライムガラ
スを基板に使用することができ、基板の製造コストを低
減することができる。
板の少なくとも一方表面上に、原料としてアルミニウム
アルコキシドを用いた気相成長法によってAl2O3膜を
成膜し、前記Al2O3膜を成膜したガラス基板をオゾン
と酸素との混合ガス雰囲気中で熱処理を行う。成膜の原
料としてアルミニウムアルコキシドを用いるので、成膜
時に比較的低い基板温度でAl2O3膜を成膜することが
できる。また成膜法として、気相成長法を用いるためA
l2O3膜が流動性中間生成物を経て成膜されるので、ス
テップカバレージに優れた成膜が可能となる。このため
ピンホールのないAl2O3膜を成膜することができる。
また、スパッタ法によって成膜する場合に比べてスパッ
タガスの膜中への取込みなどによる膜質の低下が発生し
ない。さらに気相成長法によって成膜されたガラス基板
をオゾンと酸素との混合ガスを雰囲気として熱処理を施
すので、Al2O3膜中の残存未分解物を分解、酸化する
ことができ、膜質のよい緻密で高密度のAl2O3膜を成
膜することができる。これによって、Al2O3膜におけ
る高いアルカリイオン拡散防止効果を得ることができ
る。したがって、安価で平滑性の高いソーダライムガラ
スを基板に使用することができ、基板の製造コストを低
減することができる。
【0057】また本発明によれば、前記アルミニウムア
ルコキシドをAl(i−OC3H7)3に選ぶので、比較
的低温でもガラス基板上に成膜されるAl2O3 膜の成
膜速度が速く、生産性よく成膜処理を行うことができ
る。
ルコキシドをAl(i−OC3H7)3に選ぶので、比較
的低温でもガラス基板上に成膜されるAl2O3 膜の成
膜速度が速く、生産性よく成膜処理を行うことができ
る。
【0058】さらに本発明によれば、前記Al2O3膜の
成膜時の基板温度を300〜450℃の範囲に選ぶの
で、成膜速度が速く、膜厚が均一なAl2O3膜を形成す
ることができる。
成膜時の基板温度を300〜450℃の範囲に選ぶの
で、成膜速度が速く、膜厚が均一なAl2O3膜を形成す
ることができる。
【0059】さらにまた本発明によれば、前記Al2O3
膜が形成された基板はオゾンと酸素との混合ガス雰囲気
中で400〜500℃の範囲内で熱処理を施されるの
で、Al2O3膜中に未分解物が残存せず、緻密でピンホ
ールが少なく、アルカリイオン拡散防止効果に優れたA
l2O3膜を得ることができる。
膜が形成された基板はオゾンと酸素との混合ガス雰囲気
中で400〜500℃の範囲内で熱処理を施されるの
で、Al2O3膜中に未分解物が残存せず、緻密でピンホ
ールが少なく、アルカリイオン拡散防止効果に優れたA
l2O3膜を得ることができる。
【0060】また本発明によれば、前記Al2O3膜は膜
厚50〜500nmの範囲に成膜されるので、基板から
のアルカリイオンがAl2O3膜を介して拡散することを
防止することができる。
厚50〜500nmの範囲に成膜されるので、基板から
のアルカリイオンがAl2O3膜を介して拡散することを
防止することができる。
【図1】本発明の基板の製造方法に従って製造された基
板1を用いる薄膜EL素子7の構成を示す断面図であ
る。
板1を用いる薄膜EL素子7の構成を示す断面図であ
る。
【図2】一般的なCVD法による成膜速度と基板温度と
の関係を示すアレニウスプロットである。
の関係を示すアレニウスプロットである。
【図3】Alアルコキシドの熱分解によるAl2O3膜の
成膜速度と基板温度との関係を示すアレニウスプロット
である。
成膜速度と基板温度との関係を示すアレニウスプロット
である。
【図4】CVD法によって基板温度350℃で成膜され
たAl2O3膜の赤外線吸収スペクトルを示す図である。
たAl2O3膜の赤外線吸収スペクトルを示す図である。
【図5】CVD法によって基板温度400℃で成膜され
たAl2O3膜の赤外線吸収スペクトルを示す図である。
たAl2O3膜の赤外線吸収スペクトルを示す図である。
【図6】CVD法によって基板温度450℃で成膜され
たAl2O3膜の赤外線吸収スペクトルを示す図である。
たAl2O3膜の赤外線吸収スペクトルを示す図である。
【図7】成膜方法が異なるAl2O3膜1bのアルカリイ
オン拡散防止効果を示す図である。
オン拡散防止効果を示す図である。
【図8】SiO2膜、Al2O3膜およびSi3N4 膜中へ
のアルカリイオンの熱拡散状況を示す特性図である。
のアルカリイオンの熱拡散状況を示す特性図である。
1 基板 1a 透光性ガラス基板 1b Al2O3膜 2 透明電極 3 下部絶縁層 4 発光層 5 上部絶縁層 6 背面電極
Claims (5)
- 【請求項1】 ガラス基板の少なくとも一方表面上に、
原料としてアルミニウムアルコキシドを用いた気相成長
法によってAl2O3膜を成膜する工程と、 前記Al2O3膜を成膜したガラス基板を、オゾンと酸素
との混合ガス雰囲気中で熱処理を行う工程とを含むこと
を特徴とする基板の製造方法。 - 【請求項2】 前記アルミニウムアルコキシドは、Al
(i−OC3H7)3 に選ばれることを特徴とする請求項
1記載の基板の製造方法。 - 【請求項3】 前記Al2O3膜の成膜時の基板温度を3
00〜450℃の範囲に選ぶことを特徴とする請求項1
記載の基板の製造方法。 - 【請求項4】 オゾンと酸素との混合ガス雰囲気中で行
う熱処理温度を400〜500℃の範囲に選ぶことを特
徴とする請求項1記載の基板の製造方法。 - 【請求項5】 前記Al2O3膜の膜厚を50〜500n
mの範囲に選ぶことを特徴とする請求項1記載の基板の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5179413A JPH0736024A (ja) | 1993-07-20 | 1993-07-20 | 基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5179413A JPH0736024A (ja) | 1993-07-20 | 1993-07-20 | 基板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0736024A true JPH0736024A (ja) | 1995-02-07 |
Family
ID=16065438
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5179413A Pending JPH0736024A (ja) | 1993-07-20 | 1993-07-20 | 基板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0736024A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001223072A (ja) * | 2000-02-07 | 2001-08-17 | Tdk Corp | 複合基板およびこれを用いたel素子 |
| JP2002134268A (ja) * | 2000-10-27 | 2002-05-10 | Tdk Corp | 有機el素子および有機el素子を用いた有機elディスプレイパネル |
| JP2002208477A (ja) * | 2000-11-10 | 2002-07-26 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 発光装置 |
| KR100774566B1 (ko) * | 2001-03-26 | 2007-11-08 | 삼성전자주식회사 | 액정표시장치용 유리기판 및 이의 제조방법 |
| US7633223B2 (en) | 2000-11-10 | 2009-12-15 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Organic light emitting device provided with drying agent at side surfaces of a sealing member |
| KR101490452B1 (ko) * | 2008-07-29 | 2015-02-09 | 주성엔지니어링(주) | 표시장치 및 그의 제조방법 |
-
1993
- 1993-07-20 JP JP5179413A patent/JPH0736024A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001223072A (ja) * | 2000-02-07 | 2001-08-17 | Tdk Corp | 複合基板およびこれを用いたel素子 |
| JP2002134268A (ja) * | 2000-10-27 | 2002-05-10 | Tdk Corp | 有機el素子および有機el素子を用いた有機elディスプレイパネル |
| JP2002208477A (ja) * | 2000-11-10 | 2002-07-26 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 発光装置 |
| US7633223B2 (en) | 2000-11-10 | 2009-12-15 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Organic light emitting device provided with drying agent at side surfaces of a sealing member |
| KR100774566B1 (ko) * | 2001-03-26 | 2007-11-08 | 삼성전자주식회사 | 액정표시장치용 유리기판 및 이의 제조방법 |
| KR101490452B1 (ko) * | 2008-07-29 | 2015-02-09 | 주성엔지니어링(주) | 표시장치 및 그의 제조방법 |
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