JPH0737065B2 - 高強力ポリエステル成形物の製造方法 - Google Patents

高強力ポリエステル成形物の製造方法

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JPH0737065B2
JPH0737065B2 JP14447987A JP14447987A JPH0737065B2 JP H0737065 B2 JPH0737065 B2 JP H0737065B2 JP 14447987 A JP14447987 A JP 14447987A JP 14447987 A JP14447987 A JP 14447987A JP H0737065 B2 JPH0737065 B2 JP H0737065B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱媒体中で重合することにより得られた極限粘
度で1.5以上の超高分子量ポリエステルを特定の条件下
で溶融成形することにより得られる高強力ポリエステル
成形物の製造方法に関する。
(従来の技術) 従来よりポリエステルは、ポリマーとしての特性が優れ
ているため、現在では繊維のみならず、フイルム、ボト
ル、プラスチックとして広く用いられており、これら成
形物の強度を改善することは工業用途において特に重要
でありタイヤコード、工業用フイルム、ボトル、エンジ
ニアリングプラスチック等の分野で強く望まれていた。
通常、ポリエステルはその融点以上の温度で溶融成形す
ることが可能であり、しかも経済的にも有利であるた
め、この溶融成形法が一般的に採用されている。また工
業用途においては、特に高強度が要求されたため、高重
合度のポリエステルを用いて溶融成形する方法が行われ
ているが、高重合度といっても一般に極限粘度でせいぜ
い1.2以下のポリエチレンテレフタレートが用いられて
いるぐらいである。
(発明が解決しようとする問題点) ポリマーの機械的な性質はポリマー自身の分子量に比例
することが古くから知られている。しかしながら、ポリ
エチレンテレフタレートは縮重合反応で重合が進行する
ため、超高分子量化は非常に困難であると考えられてい
た。
しかしながら、我々は熱媒体中で重合することにより従
来得られなかった超高分子量のポリエステルを得ること
に成功し、この超高分子量のポリエステルを用いて溶融
成形することにより成形物の機械的性質の向上が可能に
なった。
ところが、溶融成形の際にポリマーが分解したり、ある
いは劣化することがあり超高分子量化しただけの効果が
でないという問題があった。
(問題点を解決するための手段) この点について、本発明者らは鋭意研究の結果、遂に本
発明を完成するに到った。つまり、本発明は熱媒体中で
重合することにより得られた極限粘度が1.5以上である
ポリエステルを溶融成形して高強力ポリエステル成形物
を製造するに際し、該ポリエステル中の熱媒体を10重量
%以下、オリゴマーを1.0重量%以下水分を1000ppm以下
にして溶融成形することを特徴とする高強力ポリエステ
ル成形物の製造方法である。
本発明において対象とするポリエステルは、芳香族ジカ
ルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とグリコール
類とから得られ、本発明において用いられる芳香族ジカ
ルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸などのベンゼ
ン環もしくはナフタレン環に直接カルボキシル基を2つ
有している芳香族ジカルボン酸、その他ρ−β−オキシ
エトキシ安息香酸、4,4′−ジカルボキシルジフェニー
ル、4,4′−ジカルボキシルベンゾフェノン、ビス(4
−カルボキシルフェニール)エタンあるいはこれらのメ
チル、エチル、プロピルなどのアルキルエステルが挙げ
られ、グリコール類としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコールなどの炭素数2〜6のアルキレングリコール、
その他ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物など
が挙げられる。
本発明において熱媒体とは反対温度内で流体として扱う
ことが出来、熱的に安定な誘機化合物を意味し芳香族炭
化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素より選ばれた
化合物の一種又は二種以上の混合物である。
具体的には、パラフィン、アルキルジフェニル、水素化
ターフェニル、アルキルナフタリン、シクロヘキシルビ
フェニル等であり、特に水素化ターフェニル、アルキル
ジフェニルが好ましい。これら熱媒体は公知の方法蒸留
などにより精製して使用される。
次に本発明において溶融成形に供される極限粘度1.5以
上の超高分子量ポリエステルを得る方法は、前記芳香族
ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、グリコ
ール類とを常法によりエステル化反応又はエステル交換
反応をしてオリゴマーを得、該オリゴマーをそのまま
か、または初期縮合したオリゴマーと、オリゴマーに対
して1〜100倍量、好ましくは2〜10倍量の前記熱媒体
と重縮合触媒の存在下、常圧、減圧または加圧下約200
〜300℃、好ましくは220〜280℃で約1〜20時間加熱撹
拌することによって得られる。なお、この際前記重縮合
反応に先だって、重縮合温度より低い温度、たとえば 240℃未満の熱媒体にまずオリゴマーを添加あるいはオ
リゴマーに熱媒体を添加し撹拌してオリゴマーを微粒子
化した後、該熱媒体を昇温して重縮合反応を行なっても
よい。なお反応中、熱媒体に移った副生グリコールは、
窒素ガス、炭酸ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなど
の不活性ガスを反応系に吹き込むことによって、不活性
ガスに随伴させて除去するか、または熱媒体を新たな熱
媒体に置換えすることにより除去される。なお熱媒体中
のオリゴマーまたはポリマーの状態は加熱温度により溶
融状態または固体状態で重縮合される。
前記以外の方法としては得られたオリゴマーを従来公知
の方法で高真空下溶融重縮合する方法あるいは本発明者
らが提案した前記特定の熱媒体中で重縮合する方法など
を採用して極限粘度0.5〜0.7のポリエステルを得た後、
次に得られたポリエステルをチップ、糸状またはフイル
ム状に成形し、固相重合槽へ移送する。固相重合槽では
得られたポリエステルと熱媒体とを常圧、減圧または加
圧下約150〜240℃、好ましくは210〜230℃で約1〜20時
間加熱撹拌することによって超高分子量のポリエステル
が得られる。本発明においては極限粘度1.5以上であり 2.0以上が好ましくさらに2.5以上が望ましい。
なお本発明における極限粘度はフェノール/テトラクロ
ルエタン(6/4)を用い30℃で測定した値である。
ここで前記方法によって得られた超高分子量のポリエス
テルを用いて、溶融成形することはできるが、超高分子
量化しただけの効果があらわれないという欠点が生じる
場合がある。本発明者らは、鋭意研究の結果その原因が
ポリマー中に残存している熱媒や、オリゴマーおよび水
分であることを見いだした。つまり、溶融成形温度が重
合温度よりも高いため、ポリマー中に熱媒体またはオリ
ゴマーが残存しているとこれが一部分解し、ついでポリ
マー鎖の切断や着色などの分解反応、副反応をひきおこ
すことを見いだし、また、水分はエステル結合の切断を
引き起こすことはよくしられている。そしてこの影響は
ポリエステルの分子量が大きくなればなるほど大きくな
り、超高分子量のポリエステルの場合、ポリマー中の水
分が多いことは成形後の成形物の品質に致命的な悪影響
を与えるという知見を得、そこで本発明者らはポリエス
テル中の熱媒量を少なくとも10重量%以下、好ましくは
1重量%以下にし、オリゴマーを1.0重量%以下、好ま
しくは0.5重量%以下にし、水分を1000ppm以下、好まし
くは100ppm以下にして溶融成形することによって前記問
題を解決した。
ポリエステル中の熱媒体を10重量%以下にするには、重
合後のポリエステルを有機溶媒を用いて洗浄したり、減
圧乾燥することにより除去できる。中でも、ベンゼンや
クロロフォルム、アセトン、シクロヘキサン、石油エー
テル、ミネラルスピリット、ジオキサン等の有機溶媒で
抽出洗浄することが効果的であることが判明した。
ポリエステル中のオリゴマー量を1.0重量%以下にする
方法としては、前記熱媒体を除去する方法と同様の方法
を採用できるが、オリゴマーの場合、特に重合に用いた
熱媒体で、さらに100〜240℃の温度で抽出洗浄すること
が最も効果的である。
またポリエステル中の水分を1000ppm以下にする方法と
しては100〜150℃で高真空下乾燥する方法などが挙げら
れる。
前記のようにして得られた極限粘度1.5以上の超高分子
量ポリエステルには一部の他のポリマーを含有させても
良く、更に、安定剤、着色剤等の添加剤を含有させても
よい。
なお本発明におけるポリエステル中の熱媒体、オリゴマ
ーおよび水分の含有量はそれぞれ以下の方法で測定した
値である。
熱媒体:ポリエステルを250℃で6時間メタノール分解
し、分解後の溶液を、ガスクロマトグラフを用い、カラ
ム温度150℃〜280℃、昇温速度5℃/分でクロマトグラ
フの測定を行ない、その結果より算出した。
オリゴマー:J.Polym.Sci,Poly、Chem.Ed. 17,2103(1979)記載のWAN SHIK HAらの方法に従い、ポ
リエステルをN,Nジメチルホルムアミドに浸漬後、ポリ
マーをガラスフィルターにより濾過除去後、濾液を濃縮
し、残渣より算出した。
水分:ポリエステルを250℃の加熱炉に入れ、乾燥窒素
ガスを流し、これをカールフィッシャー溶液に導き、該
溶液中の水分量より算出した。
本発明において、前記特定のポリエステルを溶融成形す
る方法としては通常公知の方法を採用することができ、
溶融成形することにより得られる高強力ポリエステル成
形物としては繊維、フイルム、成形容器、エンジニアリ
ング用プラスチックス等である。この中でも繊維として
は、一般衣料用繊維、工業用繊維、タイヤコード、ミシ
ン糸、不織布、補強用繊維等であり、フイルムとしては
磁気テープ用、離型用、光学用、電子複写用、コンデン
サー用等のフイルムであり、成形容器としては食品飲
料、炭酸飲料、化粧品等の容器である。
なお容器の成形においては極限粘度の低いポリエステル
では押し出しブロー成形が困難であるが、本発明のごと
き超高分子量のポリエステルを用いることにより可能に
なる。
(作用) 本発明方法を採用することにより高強力成形物が得られ
る理由としては以下のことが考えられる。
まず本発明に用いられる超高分子量ポリエステルを得る
ためには熱媒体中で重縮合する必要があり、この場合、
溶融成形温度が重合温度よりも高いため、ポリエステル
中に熱媒またはオリゴマーが残存しているとこれが一部
分解し、ついでポリマー鎖の切断や着色などの分解反
応、副反応をひきおこすと考えられ、また、水分はエス
テル結合の切断を引き起こすため、なかなか高強力の成
形物が安定して得られなかったものと推定される。
そこで、ポリマーの熱媒量を少なくとも10重量%以下、
オリゴマーを1.0重量%以下、水分を1000ppm以下にして
溶融成形することにより分解や副反応の少ない高強力成
形物の溶融成形が可能になる。
(実施例) 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお実
施例中単に%とあるのは重量%を意味する。
実施例1 触媒としてアンチモンを0.05mol%(対テレフタル酸)
含み、極限粘度で0.60のポリエチレンテレフタレートチ
ップを水酸化トリフェニル中で、窒素ガスを吹き込みな
がら、237℃で24時間加熱撹拌して、重合することによ
り、極限粘度で2.25の超高分子量ポリエチレンテレフタ
レートを得た。なおこのポリマー中の熱媒体量は20%、
オリゴマー量は2.4%、水は約1200ppm吸着していた。
次に、このポリマーをアセトンで24時間連続抽出し、更
に減圧乾燥を24時間実施したところ、ポリマー中のオリ
ゴマー量は0.05%、水分は約50ppm、ポリマー中の熱媒
体量は0.05%となった。
このポリマーをシリンダー温度290℃で溶融押し出し、
繊維、フイルム、およびボトルのパリソンに成形した。
溶融成形後の極限粘度を測定した結果、繊維では1.95、
フイルムでは1.82、成形ボトルのパリソンでは1.92であ
った。繊維の場合、更に約10倍延伸することにより、強
度15g/dの高強力糸を得た。フイルムでは約11倍に延伸
することにより、引っ張り強度83kg/mm2の高強力フイル
ムを得た。又、ボトルのパリソンはさらにブロー延伸す
ることにより、サンプル強度60kg/mm2の高強度成形ボト
ルを得た。
比較例1 実施例1において、熱時濾過温度を35℃とし、アセトン
での抽出洗浄の代わりに室温洗浄する以外は実施例1と
同じ方法で行ったところ、このポリマー中のオリゴマー
は1.2%熱媒体量は12.5%、水分は50ppmであった。
このポリマーを用いて実施例1と同じ方法で繊維、フイ
ルム、ボトルに溶融成形した。
溶融成形後の極限粘度を測定した結果、繊維では0.75、
フイルムでは0.84、成形ボトルのパリソンでは0.85であ
り、しかも淡黄色に着色していた。
実施例2 触媒としてスズを0.025mol%(対テレフタル酸)含み、
極限粘度で0.40のチップを水素化トリフェニル中で、窒
素ガスを吹き込みながら、237℃で12時間重合すること
により、極限粘度で3.4の超高分子量ポリエチレンテレ
フタレートを得た。
得られたポリマーを実施例1と同様の方法で処理したと
ころポリマーの熱媒体量は0.06%、オリゴマー量0.09
%、水分は約70ppmであった。
次にこのポリマーをシリンダー温度290℃で溶融押し出
し、繊維、フイルム、およびボトルのパリソンに成形し
た。溶融成形後の極限粘度を測定した結果、繊維では2.
75フイルムでは2.85、成形ボトルのパリソンでは2.95で
あった。
(発明の効果) 本発明のポリマー中の熱媒体量を少なくとも10重量%以
下、オリゴマーのを1.0重量%以下および水分を1000ppm
以下、にして溶融成形するという本発明方法を採用する
ことにより、 (1)従来得られなかった超高分子量のポリエステルの
溶融成形が可能になった。
(2)分解や副反応の少ない高強力成形物の溶融成形が
可能になった。
(3)従来法では工業的に生産出来なかった高強力の繊
維、フイルム、ボトル等の成形物を得ることが可能にな
った。
など種々の効果があり、産業界に寄与すること大であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 (56)参考文献 特開 昭61−207617(JP,A) 特開 昭62−1724(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱媒体中で重合することにより得られた極
    限粘度が1.5以上であるポリエステルを溶融成形して高
    強力ポリエステル成形物を製造するに際し、該ポリエス
    テル中の熱媒体を10重量%以下、オリゴマーを1.0重量
    %以下、水分を1000ppm以下にして溶融成形することを
    特徴とする高強力ポリエステル成形物の製造方法。
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