JPH0739729A - 中性塩からの酸及び/又はアルカリの回収プロセス - Google Patents

中性塩からの酸及び/又はアルカリの回収プロセス

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JPH0739729A
JPH0739729A JP5208397A JP20839793A JPH0739729A JP H0739729 A JPH0739729 A JP H0739729A JP 5208397 A JP5208397 A JP 5208397A JP 20839793 A JP20839793 A JP 20839793A JP H0739729 A JPH0739729 A JP H0739729A
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recovery process
membrane
ion exchanger
acid
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Tsutomu Naganuma
力 長沼
Kazuo Umemura
和郎 梅村
Haruhisa Miyake
晴久 三宅
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】長期に亘り電圧降下が低く、且つ水解離効率が
高いバイポーラ膜を、電気透析槽を使用した中性塩から
の酸及び/又はアルカリの回収プロセスを提供する。 【構成】陽イオン交換層と陰イオン交換層との界面に、
無機イオン交換体、又はこれとマトリックスポリマーを
存在させたバイポーラ膜を用いるバイポーラ膜電気透析
槽13を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気透析水スプリット法
によって、低エネルギーコストにて中性塩から酸及び/
又はアルカリを回収するプロセスに関する。
【0002】
【従来の技術】陰イオン交換層と陽イオン交換層から成
るバイポーラ膜の陰イオン交換層側を陽極側、陽イオン
交換層側を陰極側にして電流を印加すると、水が分裂
(split)して水素イオンと水酸イオンに解離する
ことは、Friletteの1956年の報告以来、広
く知られている。
【0003】バイポーラ膜膜はこの能力を有するために
有用であり、陰イオン交換膜及び/又は陽イオン交換膜
を適宜使用することによって、中性塩を酸とアルカリに
回収できることが知られている。酸やアルカリの製造コ
ストの面から考えると、バイポーラ膜による電圧降下が
小さく、また同時に水の解離効率が高いバイポーラ膜が
製造されなければならず、またこれらの性能が長期に亘
って発現されなければならない。
【0004】バイポーラ膜を用いた電気透析法による中
性塩からの酸とアルカリの回収プロセスについては、既
にいくつかの報告がある。例えば、バイポーラ膜と陽イ
オン交換膜、更に必要に応じて陰イオン交換膜を用いる
電気透析水スプリット法による使用済みレーヨン紡糸浴
液からの酸とアルカリの回収法が、特公昭63−186
69号に、SO2 吸収液からの酸とアルカリの回収法
が、米国特許4552635に、フッ酸を含む混合酸か
らなる水溶液を中和してから成る水溶液からの酸とアル
カリを回収する方法が米国特許4999095に開示さ
れている。
【0005】しかしながら、従来の典型的なバイポーラ
膜は、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体を
ベースとするフィルムの片面にスルホン化等の処理によ
り陽イオン交換基を導入し、もう一方の片面に4級アン
モニウム基の陰イオン交換基を導入して製造されるバイ
ポーラ膜であり(特公昭60−31860号及び特開昭
63−95235号)、また、予め製造された陰イオン
交換膜と陽イオン交換膜とを熱と圧力で融着して製造さ
れるバイポーラ膜であり(米国特許第337210
1)、更にはポリビニルアミンを接着材として用いて接
合するバイポーラ膜(特開昭61−207444号)で
あった。
【0006】しかしながら、これらのバイポーラ膜は同
一膜中に陽イオン交換基と陰イオン交換基を有するた
め、通電後経時的にこれらの反対の電荷を持つ基が相互
に侵入してイオン的結合をし、電気的中性層を形成し、
大きな電圧降下を生じエネルギーコストが経時的に上昇
する欠点があった。
【0007】これを回避するために、米国特許4253
900号、特公昭60−35936号に高架橋度を有す
るイオン交換樹脂を陽イオン交換層と陰イオン交換層の
間に導入し、反対電荷を有する基の相互侵入を防ぐバイ
ポーラ膜が開示されている。また、陽イオン交換膜又は
陰イオン交換膜の界面に水溶性無機化合物を含浸させる
か又は、含浸させた後にアルカリ処理し、その後プレス
してバイポーラ膜を製造する方法が特開昭59−472
35号及び特表平3−505894号に開示されてい
る。
【0008】しかし、これらのバイポーラ膜も以下のよ
うな欠点がある。即ち、高架橋度イオン交換樹脂を陽イ
オン交換層と陰イオン交換層の間に介在させる場合で
も、高架橋度といえども有機化合物ではイオン交換基の
相互侵入は防ぎきれず、通電後の経時的電圧降下の増加
を生じる。その結果中性塩の回収を行う際のエネルギー
コストが経時的に増加していくことになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
経時的電圧の上昇を解決した新規なバイポーラ膜を用い
ることによって、長期に亘って低エネルギーコストによ
って、中性塩の回収を行わしむるプロセスを提供するも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は陽イオン交換
層と陰イオン交換層の界面に無機イオン交換体、好まし
くは無機イオン交換体とマトリックスポリマーとからな
る層を存在させたことを特徴とするバイポーラ膜を用い
て電気透析を行うことによって達成される。
【0011】先ず本発明で使用するバイポーラ膜につい
て説明する。無機イオン交換体としては例えば、アルミ
ノケイ酸塩型無機イオン交換体、含水酸化物型無機イオ
ン交換体、酸性塩型無機イオン交換体、塩基性塩型無機
イオン交換体、ヘテロポリ酸型無機イオン交換体などが
使用され、陽イオン交換体、陰イオン交換体又は両性イ
オン交換体の何れも使用できる。しかし、酸性塩型無機
イオン交換体は他の無機イオン交換体と比べて、耐酸
性、耐アルカリ性に優れているため、長期に亘って安定
した性能を発現でき、好ましく用いられる。
【0012】酸性塩型無機イオン交換体としては、例え
ば、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、ヒドロキシア
パタイトなどがある。酸性塩型無機イオン交換体の金属
イオンとしてはZr,Ti,Sn,Ge,Hf,Ta,
Nb,Fe,Al,Ga,In,Thなどが知られてい
る。また、酸としてはリン酸の他に、V,As,Nb,
Sb,Ta,Mo,Te,W,Se,Si,Crなどの
酸素酸からなるものが知られいずれも使用される。
【0013】更に結晶性の酸性型無機イオン交換体は、
結晶構造を有するために、耐酸性、耐アルカリ性に優
れ、本発明プロセスに用いられる、バイポーラ膜に好ま
しく用いられる。
【0014】マトリックスポリマーとしては、親水性で
かつ不溶性のものが好ましく、またバイポーラ膜使用温
度の水中において含水率:[{(湿潤重量−乾燥重量)
/乾燥重量})×100]が5重量%以上であることが
好ましい。含水率がこれより小さい場合はバイポーラ膜
の電圧降下が大きくなり好ましくない。好ましくは40
0重量%以下、更に好ましくは300重量%以下が好ま
しい。含水率が過度に高いと接着強度が小さくなり層間
剥離を生じ易くなり好ましくない。また、マトリックス
ポリマーはイオン交換性の官能基を有さないものが好ま
しい。例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニ
ルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、デンプン、
セルロース又はこれらを熱処理、架橋などの手法により
不溶化したもの、又は他のモノマーとの共重合体や、他
のポリマーとのブレンドポリマーなどを用いることがで
きる。
【0015】無機イオン交換体とマトリックスポリマー
とは、重量比で10/90〜90/10、好ましくは3
0/70〜70/30で使用され、またこれから成る界
面層の厚みは、0.01〜100μm、特に好ましくは
0.1〜10μmが好んで用いられる。これよりも薄い
と無機イオン交換体が経時的に膜外に溶出するために、
バイポーラ膜の電位降下が次第に増加して、結果的にエ
ネルギーコストが上昇する。一方これよりも薄いと陰イ
オン交換層と陽イオン交換層との接着強度が低下するの
で好ましくない。
【0016】無機イオン交換体の粒径は1μm以下であ
ることが好ましく、これより大きいと、陰イオン交換層
と陽イオン交換層の接着強度が低下したり、接合時に接
合界面に気泡が入りやすくなり好ましくない。粒径は
0.01〜0.5μmが特に好ましい。
【0017】本発明のプロセスに用いられるバイポーラ
膜を構成する陽イオン交換層としては、バイポーラ膜内
で発生する水素イオン透過性が大きく、陰イオンを透過
させ難い陽イオン交換膜が使用でき、好ましくはスルホ
ン酸基をイオン交換基として有する陽イオン交換膜が使
用される。このような陽イオン交換膜としては、スチレ
ン/ジビニルベンゼン系共重合体、スチレン/ブタジエ
ン系共重合体にスルホン酸基を導入したイオン交換膜、
又はスチレン等のモノマーを、ポリオレフィンや含フッ
素系ポリマーの織布あるいは不織布にグラフト重合した
ものにスルホン酸基を導入した陽イオン交換膜が使用さ
れる。
【0018】更に、化2で表される繰り返し単位からな
るパーフルオロ陽イオン交換性ポリマーによって形成さ
れる陽イオン交換膜が、優れた選択透過性に加えて、硫
酸、硝酸、フッ酸などに対する耐酸性に優れていること
から、本発明のプロセスに使用されるバイポーラ膜の陽
イオン交換層には適していることがわかった。
【0019】
【化2】
【0020】なお、化2においてmは0又は1、nは1
〜5、x/yは2〜16、XはSO3 M又はCOOM、
Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモ
ニウム基を表す。
【0021】かかるパーフルオロ系陽イオン交換膜は高
い陰イオン排除性を有しており、バイポーラ膜として高
い水解離効率を有するものである。陽イオン交換膜の厚
さは5〜300μmの範囲で通常使用されるが、膜抵抗
及び強度の点から好ましくは20〜150μmの範囲の
ものが使用される。イオン交換容量は、膜抵抗と輸率の
面から0.5〜2.0meq/g乾燥樹脂、特には0.
8〜1.5meq/g乾燥樹脂であることが望ましい。
【0022】本発明のプロセスに使用されるバイポーラ
膜を構成する陰イオン交換膜としては、バイポーラ膜内
で生成される水酸イオンの透過性が大きく、陽イオンの
透過性が可及的に小さい陰イオン交換膜が使用される。
例えば、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体に陰イ
オン交換基として4級アンモニウム基を導入した膜、陰
イオン交換基又は該基に転換できる官能基を有するモノ
マーをオレフィン系や含フッ素系の重合体の多孔体、織
布、不織布、フィルムなどにグラフト重合した陰イオン
交換膜などが使用できる。
【0023】なかでも、耐アルカリ性及び耐薬品性に優
れていることから、好ましくはポリプロピレンあるいは
ポリエチレンなどのポリオレフィンの織布を使用し、そ
の織布にスチレンとジビニルベンゼンとの共重合体、又
は、更にこれにビニルベンジルクロライドを加えた共重
合体の一部が放射線などの高エネルギーによって上記ポ
リオレフィンにグラフト重合した4級アンモニウム基を
有する陰イオン交換膜を使うことが望ましい。
【0024】陰イオン交換膜の厚さは、5〜300μm
の範囲で通常使用されるが、膜抵抗及び膜強度の観点か
ら、好ましくは20〜150μmの範囲のものが好まし
く使用される。イオン交換容量は0.5〜4.0meq
/g乾燥樹脂、特には0.8〜3.0meq/g乾燥樹
脂であることが望ましい。
【0025】次に本発明における好ましい対象の中性塩
であるレーヨン紡糸浴排液を例に取り、本発明の回収プ
ロセスを図1を用いて説明する。レーヨン紡糸浴排液の
組成は、一般的に下記の組成を有している。 硫 酸: 8〜12重量% 硫酸ナトリウム:13〜28重量% 硫酸亜鉛: 0〜 2重量% 添加剤:界面活性剤
【0026】レーヨン紡糸浴排液は紡糸浴1からライン
2を経て中和槽3へ送られる。中和槽3では使用済みレ
ーヨン紡糸浴排液中に含まれる重金属イオン(主に亜
鉛)を除去するために、バイポーラ膜電気透析槽13で
回収された水酸化ナトリウムがライン18より供給され
る。中和槽3で重金属は金属水酸化物として沈降分離さ
れる。スラッジはライン29から系外に取り出され、上
澄み液はライン4を経てフィルター5にて濾過され更に
精製される。精製された使用済み紡糸浴排液はライン7
を経て濃縮のため、電気透析槽8に供給されるが途中ラ
イン23にてバイポーラ膜電気透析槽13から排液され
た酸性硫酸ナトリウム水溶液を加えられ、液性を酸性側
に調整される。
【0027】電気透析槽8は陽イオン交換膜と陰イオン
交換膜を交互に組み合わせて、脱塩室9と濃縮室10か
ら成る構造をしており、その両端に陽極及び陰極を配置
し、直流電流を印加され、透析操作を行う。使用される
陽イオン交換膜は、特に限定されないが、スチレンとジ
ビニルベンゼンの共重合体をスルホン化した汎用の陽イ
オン交換膜で充分であるが、架橋構造を持たないペルフ
ルオロ系陽イオン交換膜でも構わない。
【0028】一方陰イオン交換膜も特に限定されない
が、スチレンとビニルベンジルハライドの共重合体を4
級アンモニウム化した陰イオン交換膜を使用することが
できるが、更に好ましくはビニルベンジルハライドの代
わりに例えば4−ビニルピリジンを用いたピリジニウム
塩のような弱塩基性の非4級アンモニウム塩を陰イオン
交換基として用いた陰イオン交換膜の方が、高い電流効
率を得ることができる。ライン7を経て電気透析槽8の
脱塩室9に供給された精製レーヨン紡糸溶液は20重量
%〜飽和溶解度付近まで濃縮室10にて濃縮されライン
11を経てバイポーラ膜電気透析槽13の塩室14に供
給される。濃縮された硫酸ナトリウム水溶液の一部はラ
イン12を経て、再び紡糸浴に戻される。
【0029】バイポーラ膜電気透析槽13はバイポーラ
膜と、陰イオン交換膜、及び、陽イオン交換膜を交互に
組み合わせることによって、塩室14、塩基室15及び
酸室16から構成され、端部に陽極及び陰極を配置する
ことによって直流を印加し、水分裂を伴う電気透析を行
い、中性塩である硫酸ナトリウムを含むレーヨン紡糸溶
液から硫酸と水酸化ナトリウムを回収するものである。
【0030】バイポーラ膜電気透析槽13を構成する陰
イオン交換膜及び陽イオン交換膜には、電気透析槽8と
同様のものが用いられる。塩室14に供給されたレーヨ
ン紡糸浴排液は脱塩され、淡塩水化され、濃縮のためラ
イン23を経て電気透析槽8の脱塩室9にリサイクルさ
れ、濃縮される。塩基室15には水が供給され、バイポ
ーラ膜を構成する陰イオン交換層と陽イオン交換層の界
面での水分裂現象にて生成された水酸陰イオンと塩室か
ら透過してきたナトリウムイオンとが結合して水酸化ナ
トリウム水溶液が生成されライン17に排液される。生
成される水酸化ナトリウム水溶液の濃度はおよそ5重量
%〜25重量%である。
【0031】排液された一部の水酸化ナトリウム水溶液
はライン18を経て中和層の中和用アルカリとして使用
され、他は濃縮器19に供給され濃縮され、35重量%
〜48重量%迄濃縮され、製品となる。酸室16には塩
基室同様に水が供給されるが、バイポーラ膜を構成する
陰イオン交換層と陽イオン交換層の界面での水分裂現象
にて生成された水素イオンと塩室から透過してきた硫酸
イオンとが結合して硫酸水溶液が生成される。生成され
た硫酸はライン25を経て濃縮器26に供給される。必
要濃度まで濃縮された硫酸は、ライン28を経て途中ラ
イン12からの精製濃縮硫酸ナトリウムと合流し、紡糸
浴1に送られる。
【0032】
【作用】本発明のバイポーラ膜が、長期に亘って低い電
圧降下を維持するメカニズムは下記のように推定してい
る。
【0033】本発明のバイポーラ膜界面に存在する無機
イオン交換体は堅固な構造、場合によっては結晶構造を
持つため、無機イオン交換体層と接合されたイオン交換
膜のイオン交換基が侵入できず、イオン的な強い結合を
作り、中性層を形成することが困難である。また、イオ
ン交換樹脂に比べ単位体積当たりのイオン交換容量が大
きいため、界面の無機イオン交換体の電気抵抗が小さ
く、バイポーラ膜の電圧降下を長期に亘って低く保つこ
とができると、推定される。更に、無機イオン交換体を
マトリックスポリマー中に分散させることによって、無
機イオン交換体を十分量界面領域に保持でき、また積層
強度を損なうことなく、無機イオン交換体を界面層に導
入することができるわけである。
【0034】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、かか
る実施例によって本発明が制限されるものではない。
【0035】[実施例1]下記組成のビスコースレーヨ
ン紡糸排液を、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液で
中和処理し、含有する金属を金属水酸化物として、沈降
分離した。その後、上澄み液を濾過し、20重量%の硫
酸ナトリウム水溶液を得た。
【0036】ビスコースレーヨン紡糸排液組成 硫 酸:10重量% 硫酸ナトリウム:20重量% 硫 酸 亜 鉛: 1重量%
【0037】次に、濾過精製された硫酸ナトリウム水溶
液を、下記仕様の電気透析槽を用いて、25重量%まで
濃縮した。 膜有効通電面積:1.2dm2 ユニット数 :5 液 温 度 :40℃ 電流密度 :4A/dm2
【0038】陽イオン交換膜に、スチレンとジビニルベ
ンゼン共重合体系スルホン酸膜(イオン交換容量3.3
meq/g乾燥樹脂、膜厚140μm)を用い、一方陰
イオン交換膜にはスチレンとジビニルベンゼン共重合体
系陰イオン交換膜(イオン交換容量2.0meq/g乾
燥樹脂、膜厚120μm)を用いた。25重量%に濃縮
された精製硫酸ナトリウム水溶液を次ぎに3室型バイポ
ーラ膜電気透析槽によって、硫酸と水酸化ナトリウムを
回収した。
【0039】使用したバイポーラ膜は次のようにして製
膜したものを用いた。スチレン/ジビニルベンゼン共重
合体より成り、ポリプロピレン織布にて補強した4級ア
ンモニウム基を有する陰イオン交換膜(イオン交換容量
3.0meq/g乾燥樹脂、膜厚120μm)上に、結
晶性リン酸ジルコニウムのポリビニルアルコール10重
量%水溶液への分散液を塗布して乾燥し、厚さ5μmの
リン酸ジルコニウム/ポリビニルアルコール層(重量比
60/ 40)を形成させた。しかる後、CF2 =CF2
/CF2 =CFOCF2 CF(CF3 )OCF2 CF2
3 Hの共重合体から成るペルフルオロ陽イオン交換体
(イオン交換容量1.1meq/g乾燥樹脂)のエタノ
ール溶液を流延し、150℃で15分乾燥し、厚さ30
μmの陽イオン交換層を形成し、バイポーラ膜を得た。
本実施例には、このようにして製膜したバイポーラ膜を
使用した。
【0040】一方、バイポーラ膜電気透析槽で使用する
陰イオン交換膜にはスチレンとジビニルベンゼン共重合
体系弱塩基性陰イオン交換膜(イオン交換容量2.0m
eq/g乾燥樹脂、膜厚120μm)を用いた。陽イオ
ン交換膜には、CF2 =CF2 /CF2 CFOCF2
F(CF3 )OCF2 CF2 SO3 Hの共重合体から成
るペルフルオロ陽イオン交換膜(イオン交換容量0.9
1meq/g乾燥樹脂、PTFE織布で補強され、厚さ
140μm)を用いた。
【0041】バイポーラ膜電気透析槽は、バイポーラ
膜、陰イオン交換膜、陽イオン交換膜を交互に配置した
構造から成り、酸室、塩基室、塩室の3室型電気透析槽
を構成した。この電気透析槽の仕様は下記の如くであ
る。 膜有効通電面積:1.2dm2 ユニット数 :5 液 温 度 :55℃ 電流密度 :10A/dm2
【0042】上記のバイポーラ膜電気透析槽の塩室に濃
縮された25重量%硫酸ナトリウム水溶液を供給し、酸
室には生成される硫酸濃度を必要な濃度に保つために必
要量の純水を供給し、塩基室には生成される水酸化ナト
リウムを必要濃度に保つために必要量の純水を供給し、
10重量%の硫酸と20重量%の水酸化ナトリウムを得
た。バイポーラ膜電気透析槽は3ヶ月間連続的に運転さ
れた。この間、バイポーラ膜の電圧降下は1.1Vと安
定した値を示し、水解離効率も93%と安定した値を示
した。ここでいう水解離効率とは、バイポーラ膜界面で
水が解離することによって生成された水素イオンと水酸
基イオンの輸率を意味する。また、水酸化ナトリウムを
1t生成するのに1900Kwt/t−NaOHと極め
て低い値を安定的に示した。
【0043】[比較例1]以下のように製造されたバイ
ポーラ膜を用いる以外は実施例1と同様な条件のもとで
操作を行った。スチレン/ジビニルベンゼン共重合体よ
り成り、ポリプロピレン織布にて補強した4級アンモニ
ウム基を有する陰イオン交換膜(イオン交換容量3.0
meq/g乾燥樹脂、膜厚120μm)上に、CF2
CF2 /CF2 =CFOCF2F(CF3 )OCF2
2 SO3 Hの共重合体から成るペルフルオロ陽イオン
交換膜(イオン交換容量1.1meq/g乾燥樹脂、厚
さ80μm)を重ねて、加熱ロールを備えたロールプレ
ス装置にて、190℃、接触線圧70kg/cmにてロ
ールプレスし加熱溶着することによってバイポーラ膜を
得た。
【0044】上記のバイポーラ膜を用いて、実施例1と
同様にしてバイポーラ膜電気透析槽にて、電気透析操作
を行ったところ、バイポーラ膜の電位降下は経時的に上
昇し、1週間で2.0Vまで上昇し、更に上昇傾向を示
した。水解離効率は93%を示した。また、水酸化ナト
リウムを1t生成するのに2700Kwt/t−NaO
Hと極めて高い値を示した。この値は1週間以降、更に
上昇する傾向を示した。
【0045】
【発明の効果】長期間に亘り、低いエネルギーコストに
て、中性塩、特に、ビスコースレーヨン使用済み紡糸液
から、酸(硫酸)及び/又はアルカリ(水酸化ナトリウ
ム)を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表例であるビスコースレーヨン紡糸
排液からの酸及びアルカリの回収プロセス
【符号の説明】
1:紡糸浴 3:中和槽 5:濾過装置 8:電気透析槽 9:脱塩室 10:濃縮室 14:塩室 15:塩基室 16:酸室 17:バイポーラ膜電気透析槽 19:アルカリ濃縮器 26:酸濃縮器

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰イオン交換層と陽イオン交換層との界面
    に無機イオン交換体を存在させたバイポーラ膜、陰イオ
    ン交換膜、及び/又は陽イオン交換膜を配列してなる電
    気透析槽にて中性塩から酸及び/又はアルカリを回収す
    ることを特徴とする回収プロセス。
  2. 【請求項2】無機イオン交換体が、結晶性無機イオン交
    換体である請求項1の回収プロセス。
  3. 【請求項3】無機イオン交換体が、酸性塩型無機イオン
    交換体である請求項1又は2の回収プロセス。
  4. 【請求項4】陰イオン交換層と陽イオン交換層の界面
    に、無機イオン交換体とマトリックスポリマーとからな
    る層を存在させたバイポーラ膜が使用される請求項1、
    2又は3の回収プロセス。
  5. 【請求項5】マトリックスポリマーが、バイポーラ膜の
    使用温度の水中で含水率が5%以上である請求項4の回
    収プロセス。
  6. 【請求項6】マトリックスポリマーが、イオン交換性の
    官能基を有しない請求項4又は5の回収プロセス。
  7. 【請求項7】陽イオン交換層が、化1で表される繰り返
    し単位を有する重合体より成る請求項1〜6のいずれか
    1の回収プロセス。 【化1】 なお、化1においてmは0又は1、nは1〜5、x/y
    は2〜16、XはSO3 M又はCOOM、Mは水素、ア
    ルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム基を表
    す。
  8. 【請求項8】バイポーラ膜の陰イオン交換層が、ポリオ
    レフィンフィルム或いは布に坦持されたスチレンあるい
    はスチレンとジビニルベンゼンとの共重合体から成り、
    陰イオン交換基として4級アンモニウム基を有する請求
    項1〜7のいずれか1の回収プロセス。
  9. 【請求項9】電気透析槽内の液温が50℃以上である請
    求項1〜7のいずれか1の回収プロセス。
  10. 【請求項10】中性塩がアルカリ金属硫酸塩である請求
    項1〜9のいずれか1の回収プロセス。
  11. 【請求項11】アルカリ金属硫酸塩がレーヨン紡糸浴排
    液に含まれる請求項10の回収プロセス。
  12. 【請求項12】レーヨン紡糸排液が中和処理、濾過処理
    又はイオン交換樹脂にて前処理される請求項11の回収
    プロセス。
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