JPH0741388A - ダイヤモンドの平坦化法および研磨法 - Google Patents

ダイヤモンドの平坦化法および研磨法

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JPH0741388A
JPH0741388A JP3463294A JP3463294A JPH0741388A JP H0741388 A JPH0741388 A JP H0741388A JP 3463294 A JP3463294 A JP 3463294A JP 3463294 A JP3463294 A JP 3463294A JP H0741388 A JPH0741388 A JP H0741388A
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賢次郎 桧垣
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良樹 西林
Shinichi Shikada
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 その上に微細配線等を安定的に形成可能なダ
イヤモンド表面を短時間で形成することができる、ダイ
ヤモンドの平坦化ないし研磨法を提供する。 【構成】 ダイヤモンドの表面に、該ダイヤモンドと異
なる材料からなる平坦な被膜を形成した後、ドライエッ
チングにより、前記ダイヤモンドと被膜との双方をエッ
チングし得る条件下で、前記被膜およびダイヤモンド表
面の凹凸を除去して、該ダイヤモンドの表面を平滑化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は単結晶ダイヤモンドや多
結晶ダイヤモンドの研磨ないし平坦化に関し、特に、切
削工具、耐磨工具、表面弾性波素子、半導体素子、大面
積ヒートシンクレンズ等に応用可能なダイヤモンド基板
表面を与えることが可能なダイヤモンドの研磨ないし平
坦化法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは、赤外領域の一部を除い
て赤外〜紫外域の広い波長領域にわたって光の透過性に
優れるのみならず、優れた耐圧性を有し、且つ物質中で
最も硬いという優れた特性を有している。したがって、
ダイヤモンドは、傷がつかない光学用の材料として最適
の物質である。
【0003】また、ダイヤモンドは物質中で最も高いヤ
ング率を有し、表面弾性波が励起されれば非常に高速で
伝播するという性質を有している。したがって、ダイヤ
モンドは、移動体通信等に用いられる高周波帯域通過フ
ィルタ用材料として注目され、研究が進みつつある。
【0004】更に、ダイヤモンドは、物質中で最も大き
い熱伝導率を有するため、半導体レーザやIC等のデバ
イスのヒートシンクとしての利用も検討されてきてい
る。
【0005】また更に、ダイヤモンドは、高温下、放射
線下などの苛酷な環境下でも安定に動作するデバイスの
材料として、また高出力の動作にも耐え得るデバイスの
材料としても、その応用が注目されている。
【0006】ダイヤモンドが高温下でも動作可能な理由
として、バンドギャップが5.5eVと大きいことが挙
げられる。これは、半導体のキャリアが制御されなくな
る温度範囲(真性領域)が1400℃以下には存在しな
いことを示している。
【0007】人工的にダイヤモンドを合成する方法とし
ては、従来より超高圧合成法が用いられて来たが、最近
では、気相合成法を用いても、ダイヤモンド結晶が合成
されるようになって来た。これにより、ダイヤモンドの
光学材料、半導体材料等への応用が更に期待されてい
る。
【0008】近年、表面弾性波素子、半導体素子や、種
々のデバイスのヒートシンク等にダイヤモンドが用いら
れる場合には、従来より遥かに大面積で且つ超微細加工
可能な表面の鏡面性、平坦性を有するダイヤモンドが要
求されるようになってきた。
【0009】しかしながら、超高圧合成法または気相合
成法で得られた人工ダイヤモンドの表面には、通常、約
1000μm前後のかなり大きな凹凸が存在しているた
め、このような場合には人工ダイヤモンドの表面を研磨
して平坦化する必要がある。
【0010】しかしながら、上述したように、ダイヤモ
ンドは物質中で最も硬い材質であるため、これを研磨し
平坦化することは必ずしも容易ではない。
【0011】従来より、ダイヤモンド表面の研磨には、
主に機械加工による方法が用いられていた。
【0012】このような機械的加工による方法として
は、例えば、凹凸を有するダイヤモンドの表面を研削機
等の物理的な手段で粗削りした後、ダイヤモンド砥粒を
用いて研磨し、更に高温で高速摩擦により凹凸部のダイ
ヤモンド成分を溶解させてダイヤモンド表面を平坦化す
るスカイフ研磨が挙げられる。
【0013】しかしながら、従来の研磨法では、比較的
良好な鏡面を得ることが可能ではあるものの、直接接触
に基づく研磨であったため、その研磨能力が基板の材
質、そり量、面積、厚み等の基板の状態に大きく左右さ
れるという欠点があった。
【0014】また、このような機械的研磨において所望
の平滑度を得るためには、研磨板の砥粒の粒径をコント
ロールすることが必要であったが、該粒自身もダイヤモ
ンドであるため、その粒径コントロールは困難であっ
た。
【0015】例えば、薄膜シリコン基板上に成膜したダ
イヤモンド膜の場合、大面積のものほど「そり」が顕著
となり、そり量が数十μmにも及ぶ場合がある。この場
合、接触研磨によって機械的な圧力が基板にかかると、
基板割れが生じてしまう虞がある。このように機械研磨
においては、研磨装置および研磨板の大きさ、研磨でき
るダイヤモンド基板の厚み等に限界があるため、機械研
磨可能なダイヤモンド膜はサイズの小さな基板上に形成
したものに限られる。したがって、大面積基板上に形成
したダイヤモンド膜の機械研磨は、極めて困難であっ
た。
【0016】一方、特開平2−26900号公報に開示
されるように、研磨材として鉄等の金属を用い、ダイヤ
モンドと反応した層を除去する方法があるが、接触研磨
装置を用いることには変わりないため、上述したような
接触研磨における問題は依然として未解決である。
【0017】これに対して、特開昭64−68484号
公報に開示されるように、非接触でイオンビーム等を照
射してダイヤモンドの平滑化を行なう方法がある。
【0018】しかしながら、この方法では鏡面性は改善
されるものの、上述の接触研磨に比べてその平滑性は著
しく劣っており、この方法で平滑化したダイヤモンド膜
を微細加工等に適用することは不可能であった。
【0019】また、特開昭64−62484号公報で
は、上記方法の延長として、ダイヤモンド膜上に、CV
D(化学的気相成長)法によりダイヤモンドと類似の物
質であるアモルファスカーボン膜を形成して、エッチバ
ック(一旦形成した平坦なアモルファスカーボン膜側か
らダイヤモンドをエッチング)する方法が提示されてい
る。しかしながら、この方法により得られるダイヤモン
ド表面の凹凸は大きく、充分な平坦化は困難であるた
め、この方法により得られたダイヤモンド膜を微細加工
に適用することは、極めて困難である。更に、この方法
ではアモルファスカーボン膜(比較的厚い)の形成に長
時間を要するため、この方法は製造コストの点から好ま
しくない。
【0020】上述したように、従来の技術においては、
ダイヤモンド砥石やダイヤモンド砥粒を用い、ダイヤモ
ンドを平坦化する方法が主に用いられていた。また、Ap
pl.Phys. Lett.,63(1993), 622 に示されるように、
セリウムやランタン等の金属を用い、ダイヤモンドから
これらの金属への炭素原子の拡散的転移(diffusional
transfer)を利用して、ダイヤモンド膜表面を平坦化す
る方法が知られている。しかしながら、これらの方法に
よる平坦化では長い処理時間が必要であるか、あるいは
表面の凹凸がサブミクロン以下となるように平滑化する
ことが困難であった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】単結晶ダイヤモンドな
いし多結晶ダイヤモンドを電子デバイスの構成材料に適
用しようとする場合、該ダイヤモンド上に微細配線等を
形成する観点から、ダイヤモンド表面の平坦度は、通常
は配線長の10分の1程度あるいはそれ以下であること
が極めて好ましい。本発明者の検討によれば、上記した
Appl. Phys. Lett.,63(1993), 622 の方法を用いた場
合、数十μm単位の平坦度しか得られない。また、LS
I設計製作技術(森末 道忠著、電気書院発行、198
7年)p370には、PSG(phospho-silicate glas
s)上に形成したレジスト層をエッチングするに際し、
エッチングガスたるCF4 にO2 を添加するとレジスト
のエッチング速度が増大し、H2 を添加するとレジスト
のエッチング速度が減少することを利用して、レジスト
とPSGとのエッチング速度を同じとした条件下でこれ
らを同時にエッチングして平坦なPSG膜を残す方法が
開示されている。このような半導体プロセス中のエッチ
ング法による平坦化プロセスにおいては、犠牲層(この
場合はPSG)と平坦化すべき膜とのドライエッチング
速度を、ガス組成を変えるだけで簡単に同一にすること
が可能であった。
【0022】しかしながら、この方法をダイヤモンド膜
の平坦化に適用しようとした場合、ダイヤモンドと犠牲
層のドライエッチング速度を同一にすることは困難であ
り、たとえ同一の速度が得られたとしても、該エッチン
グ速度は極めて遅くならざるを得ない。したがって、ダ
イヤモンド膜の平坦化には、かなり長い処理時間が必要
となるという欠点があった。
【0023】一般に、ダイヤモンドにおいても、その表
面の凹凸が可能な限り小さいことが、該表面に安定的に
微細配線パターン等を形成可能な点から好ましい。
【0024】したがって本発明の目的は、上述した従来
の問題点を解消するダイヤモンド平坦化ないし研磨法を
提供することにある。
【0025】本発明の他の目的は、その上に微細配線等
を安定的に形成可能なダイヤモンド表面を短時間で与え
るダイヤモンドの平坦化ないし研磨法を提供することに
ある。
【0026】本発明の更に他の目的は、基板の材質、そ
り量、面積、厚み等の基板の状態に実質的に影響を受け
ることなく、非接触で鏡面仕上げ研磨を行なうことが可
能なダイヤモンドの平坦化ないし研磨法を提供すること
にある。
【0027】本発明の更に他の目的は、その上に微細加
工を施すことが可能なダイヤモンド膜を低コストで得る
ことができるダイヤモンドの平坦化ないし研磨法を提供
することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、乾式法
によりダイヤモンド表面を平坦化させるに際し、該ダイ
ヤモンド表面凸部の減削速度を、該ダイヤモンド表面の
凹部の減削速度より相対的に大きくすることを特徴とす
るダイヤモンドの平坦化法が提供される。
【0029】本発明によれば、更に、ダイヤモンドの表
面に、該ダイヤモンドと異なる材料からなる平坦な被膜
を形成した後;ドライエッチングにより、前記ダイヤモ
ンドと被膜との双方をエッチングし得る条件下で、前記
被膜およびダイヤモンド表面の凹凸を除去して、該ダイ
ヤモンドの表面を平滑化することを特徴とするダイヤモ
ンドの平坦化法が提供される。
【0030】本発明によれば、更に、ダイヤモンドの表
面に、該ダイヤモンドと異なる材料を含む液状の塗布剤
を滴下し硬化させて、ダイヤモンド上に表面が球面状の
被膜を形成した後;ドライエッチングにより、前記被膜
とダイヤモンドとの双方をエッチングし得る条件下で、
前記被膜およびダイヤモンド表面の凹凸を除去して、球
面状のダイヤモンド表面を得ることを特徴とするダイヤ
モンドの研磨方法が提供される。
【0031】本発明によれば、更に、ダイヤモンドの表
面に、該ダイヤモンドと異なる材料からなる平坦な被膜
を形成する第1の工程と、前記被膜を介して、ダイヤモ
ンドにイオン注入を行なう第2の工程と、前記被膜を除
去するとともに、前記イオン注入により変質したダイヤ
モンド部分を、前記ダイヤモンドから除去する第3の工
程とを備えることを特徴とするダイヤモンドの平坦化法
が提供される。
【0032】このようなダイヤモンドの平坦化法におい
ては、ダイヤモンド表面の平滑性を高めるために、必要
に応じて、上述した第1ないし第3の工程を繰返し行な
ってもよい。
【0033】以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本
発明を詳細に説明する。
【0034】(ダイヤモンド)本発明に使用可能なダイ
ヤモンドの種類は、特に制限されない。より具体的には
例えば、本発明の平坦化法ないし研磨法は、天然のダイ
ヤモンド、高圧合成法によって人工的に製造されたバル
ク単結晶からなるダイヤモンド、又は気相合成法によっ
て人工的に基板等の上に形成された薄膜多結晶または薄
膜単結晶からなるダイヤモンド等の種々のダイヤモンド
の表面を平坦化ないし研磨するために適用することが可
能である。
【0035】(被膜)ダイヤモンド表面を平坦化するた
めに、該ダイヤモンド表面に形成すべき被膜(ないし犠
牲層)は、ダイヤモンドと異なる種々の材料を用いて形
成することが可能であり、また、このような被膜は、種
々の方法によって形成可能である。より具体的には例え
ば、ダイヤモンドと異なる材料を含む液状の塗布剤をダ
イヤモンド表面の凹凸を埋めるように塗布し、(溶媒蒸
発等により)固化させる方法;あるいはゾルーゲル法に
従いダイヤモンド表面にゾル状態のコーティング材料を
塗布した後、ゲル状態に転換させて固化させ平坦な表面
を形成する方法;等によって比較的容易に被膜を形成し
て平坦化を行なう(平坦な被膜を形成する)ことができ
る。
【0036】液状材料を用いて上記被膜を形成する際に
は、適量の液状材料を平坦化すべきダイヤモンドの表面
に滴下し、スピナ等を用いてスピンコート(回転塗布)
により行なうことが好ましい。
【0037】被膜の形成に使用すべき材料(ダイヤモン
ドと異なる材料)としては、ダイヤモンド表面へのコー
ティングにより、該ダイヤモンド表面に比較的安定で且
つ凹凸のない表面を形成可能なものが好ましく用いられ
る。より具体的には例えば、このような材料としては、
珪素(Si)、硼素(B)等を含む有機材料を主成分と
するもの、あるいは珪素(Si)、硼素(B)等を含む
無機材料を主成分とするものが挙げられる。
【0038】Si、B等を含む無機材料を主成分とする
被膜形成用材料としては、無機珪素化合物、無機硼素化
合物等を挙げることができる。例えば、ゾルーゲル法に
従って無機珪素化合物または無機硼素化合物等からなる
被膜を形成する場合には、ダイヤモンドの表面に、Si
2 系、B2 3 系等のゾルをスピナ等を用いてスピン
コート(回転塗布)した後、加熱等によってゾルを転換
させてゲル層を形成することができる。例えば、半導体
プロセスで用いられるSiO2 系塗布液などが簡便に使
用可能である。
【0039】有機材料を主成分とする被膜形成用材料と
しては、半導体デバイス製造プロセス等に使用される比
較的安価なポリイミド材料が簡便に使用可能であるが、
これには限定されず、その他の有機ポリマ等を用いるこ
とができる。
【0040】Si、B等を含む有機材料を主成分とする
材料としては、水溶性コロイド系、ポリけい皮酸系、環
化ゴム系、キノンジアザイド系等の液状フォトレジスト
が好適に使用可能である。
【0041】(ドライエッチング)本発明においては、
ドライエッチング法として、反応性イオンエッチング
(RIE)を用いることが最も好ましいが、他にプラズ
マエッチング、イオンビームエッチング等を用いること
も可能である。いずれのエッチングを用いた場合にも、
ほぼ同等の平滑化効果を得ることができる。
【0042】ドライエッチングに用いるガスとしては、
Ar、He、CF4 、CHF3 、SF6 、BCl3 、C
HCl3 等の通常のエッチングガスを単独であるいは混
合して用いることが可能である。必要に応じて、これら
のガスに少量のO2 、N2 O、N2 等を混合したガス系
を用いてもよい。
【0043】本発明において、ドライエッチングによ
り、被膜とダイヤモンドの双方をエッチングし得る条件
は、基本的には、ドライエッチングの際の被膜とダイヤ
モンドとのエッチング選択比をより小さく抑えることで
実現される。本発明においては、被膜とダイヤモンドと
のエッチング選択比が1:2から2:1までの範囲を採
ることが好ましく、さらに、被膜とダイヤモンドとのエ
ッチング選択比がほぼ1:1であること(すなわち、
0.8:1から1:0.8の範囲、更には0.9:1か
ら1:0.9の範囲のエッチング選択比)が最も好まし
い。
【0044】たとえば、ArにO2 を混合したガス系に
おいて、ドライエッチングを行なう場合、Arに対する
2 の添加量の割合を0〜10%とすることで、被膜と
ダイヤモンドとのエッチング選択比をほぼ1:1に調節
することができる。
【0045】(イオン注入)本発明におけるイオン注入
は、通常のイオン注入技術に従って実施することができ
る。
【0046】イオン注入に用いる元素には制限はなく、
あらゆる元素を適宜選択して用いることができる。この
際に用いるイオンは、ダイヤモンドの結晶状態を破壊し
変質させるのに十分な質量を有し、且つダイヤモンド中
に深く導入される程度の大きさを有する元素であること
が好ましい。より具体的には例えば、Ar、Ne、H
e、Al、Xe、Cu等が好ましく使用可能である。
【0047】本発明においては、イオン注入時に、必要
に応じて、注入イオンに対するダイヤモンドの阻止断面
積(E)と注入イオンに対する被膜の阻止断面積(F)
とがほぼ一致(好ましくは、阻止断面積の比(F/E)
が0.1〜10、更には0.9〜1.1)するように被
膜を形成させてもよい。より具体的には、上記のあるこ
とが好ましい。
【0048】ここに、「阻止断面積」は、注入イオンが
被膜およびダイヤモンド中を通過する際に物質との相互
作用によって失う損失エネルギーを、単位体積当りの原
子数または分子数で除した商として規定される。このよ
うに、注入イオンに対するダイヤモンドの阻止断面積と
注入イオンに対する被膜の阻止断面積をほぼ一致させた
場合、ダイヤモンドおよび被膜に導入される注入イオン
の飛程距離を、再現性よく等しくすることが可能とな
る。
【0049】注入イオンに対する被膜の阻止断面積の調
整は、例えば、被膜を形成するために用いる材料に、適
量の金属元素を添加して均一に混合することによって比
較的容易に行うことができる。
【0050】このような目的で添加する金属元素として
は、例えば、Mg、Al、Ti、W、Mo、Au、Pt
等を好適に用いることができる。また、金属元素の添加
量は、被膜を構成する材料、注入イオンの種類、添加す
る金属元素の種類に基づくコンピュータ・シミュレーシ
ョンにより求めることが可能である。
【0051】(被膜の除去)被膜の除去に際しては、被
膜を構成する材料に応じた化学的または物理的エッチン
グ、あるいは剥離剤、HF(フッ酸)等による化学的処
理を適宜選択して用いることができる。
【0052】(ダイヤモンド変質部分の除去)ダイヤモ
ンドが変質した部分の除去は、ドライエッチングまたは
化学的なウェットエッチングのいずれのエッチングも用
いることができる。いずれのエッチングを用いても、ほ
ぼ同等の効果を得ることができる。
【0053】ドライエッチングとしては、水素、酸素、
またはハロゲンガス等の気体放電を利用したプラズマエ
ッチングを好ましく用いることができる。またウェット
エッチングとしては、クロム酸処理を用いたエッチング
等を好ましく用いることができる。
【0054】(平坦化ないし研磨の程度)本発明の平坦
化ないし研磨法において、得られたダイヤモンド表面の
平滑度は、例えば、RMax 又はRa (JIS B 06
01に基づく)に基づいて規定することが可能である。
より具体的には例えば、平坦化ないし研磨前のダイヤモ
ンド表面のRMax をA(μm)とし、平坦化ないし研磨
後の該ダイヤモンド表面のRMax をB(μm)とした場
合、本発明においては、B/Aの比は、通常1/3以下
であることが好ましく、1/5以下(特に1/10以
下)であることが更に好ましい。
【0055】(ダイヤモンドの研磨方法)本発明のダイ
ヤモンド研磨方法の一態様について、その作用機構を図
1に基づいて説明する。
【0056】このダイヤモンドの研磨方法では、まず図
1(a)に示すように、所定の基板1(例えば、シリコ
ン基板)上に合成されたダイヤモンド膜2を用意する。
通常、ダイヤモンド2表面全体には凹凸が存在してい
る。このようなダイヤモンド2の表面に、該ダイヤモン
ドとは異なる材料からなる平坦な被膜を形成する。
【0057】これにより、図1(b)に示すように、基
板1上のダイヤモンド2表面全体に存在する凹凸が被膜
3によって埋没されるとともに、ダイヤモンド2の表面
の凹凸の程度に実質的に影響を受けずに、平坦な表面を
有する被膜3が形成される。
【0058】次いで、所定のガス雰囲気において被膜3
とダイヤモンド2の双方をエッチングし得る条件下(例
えば、被膜とダイヤモンドのエッチング選択比が、上述
したようにほぼ1:1になる条件下)で、ドライエッチ
ングにより、実質的に平坦な表面を有する被膜3の表面
からエッチングを行なう。
【0059】これにより、平坦性を高く保持したまま、
まず被膜3が、さらに被膜3およびダイヤモンド2表面
の凹凸が(例えば、同時に)基板1上から除去され、ダ
イヤモンド2の表面が平滑化される。
【0060】この結果、図1(c)に示すように、最終
的に被膜3およびダイヤモンド2表面全体に存在した凹
凸の大部分が除去され、平坦で且つ鏡面仕上げされたダ
イヤモンド表面4を得ることができる。
【0061】本発明のダイヤモンド研磨方法の他の態様
を図2に基づいて説明する。
【0062】まず、図2(a)に示すように、ダイヤモ
ンド10からなる基板を用意する。ダイヤモンド10か
らなる基板の表面には、通常、凹凸が存在している。こ
のようなダイヤモンド10からなる基板表面全体に、ダ
イヤモンドとは異なる材料からなる液状の塗布剤を滴下
し硬化させて、表面が球面状の被膜11を形成する。
【0063】これにより、ダイヤモンド10からなる基
板表面に存在する凹凸が被膜11によって埋没されると
ともに、ダイヤモンド10からなる基板の表面の凹凸の
程度に実質的に影響を受けることなく、滑らかな表面を
有する被膜11が形成される。
【0064】次に、所定のガス雰囲気において、被膜1
1とダイヤモンド10の双方がエッチングし得る条件下
(例えば、被膜11とダイヤモンド10のエッチング選
択比がほぼ1:1になる条件下)で、ドライエッチング
により、被膜11の球面状の表面の側からエッチングを
行なう。
【0065】これにより、まず被膜11が、さらに被膜
11およびダイヤモンド10からなる基板の表面の凹凸
が(例えば、同時に)ダイヤモンド10からなる基板上
から除去され、球面状に研磨されたダイヤモンド表面を
得ることができる。
【0066】その結果、図2(b)に示すように、最終
的に表面が球面状に研磨されたダイヤモンドレンズ12
を得ることができる。
【0067】このような方法と同様にして、図4(a)
に示すようにダイヤモンド10からなる基板の背面も研
磨すれば、図4(b)に示すように、両面が球面状に研
磨されたダイヤモンドレンズ14を得ることも可能であ
る。
【0068】本発明のダイヤモンドの平坦化法の一態様
について、その作用機構を図5に基づいて説明する。
【0069】このような平坦化法の態様においては、図
5(a)に示すように、ダイヤモンド20の表面25
に、ダイヤモンドと異なる材料からなる、平坦な表面を
有する被膜30を形成する。
【0070】これにより、図5(b)に示すように、ダ
イヤモンド20の表面25に存在する凹凸が被膜30に
より埋没され、平坦な被膜表面35が得られる。ここ
に、被膜30は、ダイヤモンド20の表面25に残存す
る凹凸に実質的に関係なく平坦に形成可能であるため、
被膜30の膜厚はダイヤモンド20の領域ごとに異なっ
ている。
【0071】次に、図5(c)に示すように、平坦な表
面35を有する被膜30を介して、ダイヤモンド20に
(被膜30の側から)イオン注入を行なう。これによ
り、注入イオン40が被膜30を通過した後、ダイヤモ
ンド20の全面に、実質的に均一に導入される。
【0072】このとき、図6(d)に示すように、被膜
30の膜厚が大きい領域100では、注入イオン40は
ダイヤモンド20内に浅く導入されるが、一方被膜30
の膜厚が小さい領域105では、注入イオン40がダイ
ヤモンド20中に深く導入される。
【0073】図6(e)に示すように、注入イオン40
が導入された部分のダイヤモンドは、イオン衝撃によっ
て結晶構造が破壊されて変性ないし変質し、例えば、非
晶質化またはグラファイト化する。
【0074】次に、ダイヤモンド20の表面25から被
膜30をすべて除去するとともに、イオン注入によりダ
イヤモンドが変質した部分45を除去する。これによ
り、図6(f)に示すように、ダイヤモンド20の表面
25に存在した比較的大きな凹凸の大部分が、ダイヤモ
ンドが変質した部分45として除去され、平滑な表面2
6が露出する。
【0075】このような平坦化の態様において、1回の
平坦化処理では、ダイヤモンド20の表面26において
所望の平坦度が得られない場合には、上述した平担化処
理をさらに1回以上繰返して行なうことで、残存する小
さな凹凸を更に平坦化することが可能であり、より平滑
な表面を有するダイヤモンドを得ることができる。
【0076】また、このようなダイヤモンドの平坦化の
態様に従って、図7(a)に示すように、ダイヤモンド
20の表面25に、微量の金属元素の添加により注入イ
オンに対するダイヤモンドの阻止断面積と注入イオンに
対する被膜の阻止断面積とがほぼ一致するように、被膜
31を形成して平坦な表面を有する被膜31を得てもよ
い。
【0077】これにより、図7(b)示すように、ダイ
ヤモンド20の表面25に存在する凹凸が被膜31によ
り埋没され、平坦な被膜表面36が得られる。
【0078】次に、図7(c)に示すように、平坦化さ
れた表面36を有する被膜31を介して、ダイヤモンド
20にイオン注入を行なう。これにより、注入イオン4
0が被膜31を通過した後、ダイヤモンド20の全面に
実質的に均一に導入される。
【0079】このとき、図8(d)に示すように、注入
イオンに対するダイヤモンドの阻止断面積および注入イ
オンに対する被膜の阻止断面積がほぼ一致しているの
で、注入イオン40が被膜表面36から同じ深さでダイ
ヤモンドのすべての領域に効率よく導入される。
【0080】これにより、図8(e)に示すように、注
入イオンが被膜表面36から同じ深さで導入された部分
のダイヤモンドは、イオン衝撃によって結晶構造が破壊
されて変質し、例えば非晶質化またはグラファイト化す
る。
【0081】次に、ダイヤモンド20の表面からコーテ
ィング31をすべて除去するとともに、イオン注入によ
りダイヤモンドが変質した部分45を除去する。
【0082】これにより、図8(f)に示すように、ダ
イヤモンド20の表面25に存在した比較的大きな凹凸
の大部分が、ダイヤモンドが変質した部分45として除
去されるため、1回の平坦化処理により、非常に平坦な
表面27を有するダイヤモンドを得ることができる。
【0083】図9に基づき、本発明の平坦化法の他の態
様を説明する(図9中の数値は、ダイヤモンド表面凹部
の深さの一例を示す)。この態様においては、乾式法に
よりダイヤモンド表面を平坦化させるに際し、該ダイヤ
モンド表面凸部の減削速度を、該ダイヤモンド表面の凹
部の減削速度より相対的に大きくしているため、平坦化
されたダイヤモンド表面を短時間で得ることができる。
換言すれば、この態様においては、(異なる材料のエッ
チング速度を同一とするのではなく、むしろ)ダイヤモ
ンド表面の凸部と凹部とに対する減削速度に積極的に差
をつけることにより、比較的短時間で平滑なダイヤモン
ド表面を得ることを可能としている。
【0084】すなわちこの態様においては、ダイヤモン
ド表面の凸部を相対的に早く削り、該表面の凹部を相対
的に遅く削っているため、(換言すれば、削りたい部分
を優先的に減削しているため)極めて平坦な表面(例え
ば、表面のRmax が0.5μm以下程度)でも比較的短
時間で得ることが可能である。より具体的には例えば、
ダイヤモンド表面の凸部と凹部にサブμm単位で研磨ス
ピードもしくはドライエッチングスピードの差を相対的
に付けることにより、凹凸の大きさ(Rmax )を例えば
0.5μm以下程度にすることができる。
【0085】本実施態様において、ダイヤモンド表面凸
部の減削速度(エッチング速度又は研磨速度)および該
ダイヤモンド表面凹部の減削速度は、例えば、Chenらの
方法(Appl. Phys. Lett.,63(5),622(199
3))により測定可能である。ダイヤモンド表面凸部の
減削速度をC(Å/分)とし、該ダイヤモンド表面凹部
の減削速度をD(Å/分)とした場合、本実施態様にお
いては、C/Dの比は、通常1.5以上、更には3.0
以上であることが好ましい。
【0086】ダイヤモンドは、Appl. Phys. Lett.,63
(5),622(1993)の公知例に知られるよう
に、金属と反応させてカーバイド層が生成すると脆くな
る。一方、ボロン等のダイヤモンドに圧縮歪みを入れる
性質を有する物質をダイヤモンドに入れると堅くなるこ
とが知られている。本実施態様においては、ダイヤモン
ドのこれらの性質の1つ以上を利用して、ダイヤモンド
表面を平坦化する。
【0087】本実施態様において、乾式法としては、接
触(ないし機械的)研磨法および/又はドライエッチン
グ法のいずれも使用可能であるが、平坦化すべき基板表
面の「そり」等の影響を受けにくい点からは、ドライエ
ッチング法を用いることが好ましい。
【0088】犠牲層としては、スピンオングラス(SO
G)又はテトラエトキシシラン(TEOS)に基づく膜
を用いることが好ましい。ここに、SOGとは、シリコ
ンガラスを溶媒に溶解ないし分散させた液状ガラスをい
う。SOGは、通常、200〜350℃程度の熱処理で
固体化させることが可能である。犠牲層の厚さは、0.
1〜10.0μm程度であることが好ましい。
【0089】本実施態様においては、上記犠牲層を均一
にエッチングしてダイヤモンド表面の凸部を露出させた
後、露出した該凸部に不純物を付着させ、必要に応じて
アニールすることが好ましい。これにより、該不純物と
凸部とを反応させて、所定の厚さを有する反応層を、平
滑化すべきダイヤモンド表面に形成することができる。
【0090】このような反応層(凸部)は、変質ないし
変性したダイヤモンドからなるため、該凸部はエッチン
グ又は接触研磨により、容易に除去可能である。
【0091】上記不純物としては、例えば、鉄、ニッケ
ル、マンガン、セリウム、又はランタンから選ばれた金
属が好ましく用いられる。前記不純物を導入するに際し
ては、イオン注入、蒸着等のドライプロセスを用いても
よく、またウエットプロセスを用いてもよい。
【0092】上記アニールは、例えば、真空中において
500〜2000℃の温度で、1〜30分間行うことが
好ましい。このようなアニールに基づきダイヤモンド表
面凸部と不純物とを反応させることにより、ダイヤモン
ド表面に厚さ0.1〜1μm程度の反応層を形成可能で
ある。
【0093】本実施態様においては、必要に応じて、前
記ダイヤモンド表面の凹部に圧縮歪みを与えて、該凹部
の減削速度を低減させてもよい。この場合、例えば、前
記犠牲層として所定量の不純物を含む犠牲層を用いて、
ダイヤモンド表面の凸部を露出させてアニールした後、
ダイヤモンド表面の凹部に該不純物を混入させることが
好ましい。このような不純物としては、例えば、ボロン
が好ましく用いられる。
【0094】以下、図9に基づき、この態様を具体的に
説明する。
【0095】図9(a)に示すように、犠牲層形成用材
料としてスピンオングラスなどの有機SiO2 を用い
て、ダイヤモンド51の表面に犠牲層52を形成し、ダ
イヤモンド表面を一旦平坦化させる。この際、ダイヤモ
ンド表面の凹部にボロンを混入させる場合には、ボロン
を多量に含んだ膜(犠牲層)を形成すればよい。
【0096】次に、図9(b)に示すように、プラズマ
エッチング装置等を用いて、スピンオングラス52をエ
ッチバック(エッチングにより減削)させ、ダイヤモン
ド51の表面のダイヤ凸部を露出させる。これにより、
ダイヤモンド51の表面の凸部のみに、所望の不純物を
反応させることが可能となる。
【0097】次に、図9(c)に示すように、このよう
に凸部を露出させた表面全体に、遷移金属等からなる、
ダイヤモンドと反応する不純物53を、例えば蒸着等に
より塗布する。この際に用いる遷移金属としては、鉄
(Fe)が好ましく用いられるが、その他にも、Ti、
Ni、Mo、Ce等の遷移金属が使用可能である。
【0098】次に、図9(d)に示すように、ダイヤモ
ンドと不純物の反応を促進させるため、必要に応じて、
真空又は不活性ガスの雰囲気中でアニールを行う。アニ
ール温度は、不純物によって反応温度が変化するため、
最適な温度は不純物の種類によって決定される。これに
より、凸部においてダイヤモンドと該不純物が反応し、
スピンオングラスの部分は未反応となる。
【0099】また、このアニールの際に、ランプアニー
ル炉を用いた場合には、反応部分の深さ方向の大きさを
(例えば、約0.1μmから約1μmの間で)コントロ
ールすることが可能となる。これにより、ダイヤモンド
51の極く表面の部分にだけ反応部分を形成させること
が可能となる。
【0100】上記のように不純物53を反応させたダイ
ヤモンド51の表面に、ドライエッチングまたは接触研
磨を施すことにより、不純物53と反応した凸部は早く
(凹Bより大きい減削速度で)減削され、図9(e)に
示したように、平坦な表面を持つ単結晶又は多結晶ダイ
ヤモンドが得られる。
【0101】上記不純物の導入はイオン注入装置を用い
て行うことも可能である。この場合には、SiO2 膜の
部分がマスクとして機能するため、ダイヤモンド51の
表面凹部には該不純物は注入されない。このようにイオ
ン注入を用いる場合にも、不純物とダイヤモンドとを更
に反応させるために、必要に応じてアニールしてもよ
い。
【0102】ボロンをダイヤモンド表面の凹部に導入す
る場合、ボロンは不純物として%オーダまで容易に混入
可能である。また、ダイヤモンドの破壊は脆性破壊とな
る。本発明者の知見によれば、この場合、多量に不純物
が混入した状態では転位が進まないと考えられる。従っ
て、上述の平坦化のための犠牲層に多量のボロンを含有
させ、平坦化した後アニールすることで、凹部に選択的
にボロンを混入させることが可能となる。これにより、
凸部と凹部の減削速度をコントロールすることが可能と
なり、短時間のエッチングないし研磨で平坦な表面を得
ることができる。
【0103】以下、本発明に基づいて実施例を更に具体
的に説明する。
【0104】
【実施例】実施例1 3インチ角シリコン基板上に成膜した、厚さ10μmの
多結晶ダイヤモンドを基板として用いた。表面の粗さを
調べたところ、平均表面粗さRa は2000Å(200
nm)であった。
【0105】この基板上に、無機珪素化合物を主成分と
するコーティング剤(X−Si−(OH)n )(東京応
化社製OCD)を2000rpmでスピンコートし、そ
の後400°Cで30分間ベークして、コーティング層
を形成した。得られたコーティング層の厚みは6000
Åであった。
【0106】この基板をドライエッチング装置中に配置
し、Arガス(100%)を用いてエッチングした。エ
ッチング速度はいずれも250Å/分で、コーティング
層とダイヤモンドとのエッチング選択比は1:1であっ
た。40分間のエッチングにより、コーティング層およ
びダイヤモンド表面の凹凸をエッチンして、平均表面粗
さRaが100Åの鏡面ダイヤモンドを得た。
【0107】このようにして得られたダイヤモンド基板
を用い、基板上に紫外線縮小投影露光機を用いてレジス
トによる微細パターンを形成したところ、0.5μmの
パターニングが得られた。
【0108】実施例2 3インチ角シリコン基板上に成膜した厚さ10μmの多
結晶ダイヤモンドを基板として用いた。表面の粗さを調
べたところ、平均表面粗さRa は2000Åであった。
【0109】この基板上に、無機珪素化合物を主成分と
するコーティング剤(X−Si(OH)n)(東京応化
社製OCD)を2000rpmでスピンコートし、その
後400°Cで30分間ベークして、コーティング層を
形成した。得られたコーティング層の厚みは6000Å
であった。
【0110】この基板をドライエッチング装置中に配置
し、Ar(95%)+O2 (5%)ガス系を用いてドラ
イエッチングした。エッチング速度はダイヤモンドが2
80Å/分で、コーティング層が250Å/分であり、
コーティング層とダイヤモンドとのエッチング選択比は
1:0.9であった。40分間のエッチングにより、コ
ーティング層およびダイヤモンド層の凹凸をエッチング
することで、平均表面粗さRa が120Åの鏡面ダイヤ
モンドを得た。
【0111】このようにして得られたダイヤモンド基板
を用い、基板上に紫外線縮小投影露光機を用いてレジス
トによる微細パターンを形成したところ、0.5μmの
パターニングが得られた。
【0112】実施例3 3インチ角シリコン基板上に成膜した厚さ10μmの多
結晶ダイヤモンドを基板として用いた。表面の粗さを調
べたところ、平均表面粗さRa は2000Åであった。
【0113】この基板上に、有機珪素化合物を主成分と
するポリイミドを5000rpmでスピンコートし、そ
の後400°Cで30分間ベークして、コーティング層
を形成した。得られたコーティング層の厚みは6000
Åであった。
【0114】この基板をドライエッチング装置中に配置
し、CF4 ガスを用いてドライエッチングした。エッチ
ング速度はダイヤモンドが200Å/分で、ポリイミド
からなるコーティング層が250Å/分で、コーティン
グ層とダイヤモンドとのエッチング選択比は1:1.2
5であった。50分間のエッチングによって、コーティ
ング層およびダイヤモンド層の凹凸をエッチングするこ
とで、平均表面粗さがRa が120Åの鏡面ダイヤモン
ドを得た。
【0115】このようにして得られたダイヤモンド基板
を用い、基板上に紫外線縮小投影露光機を用いてレジス
トによる微細パターンを形成したところ、0.5μmの
パターニングが得られた。
【0116】実施例4 図2(a)に示すように、5mm角ダイヤモンド10
(平均表面粗さRa =2000Å)上に、無機珪素化合
物を主成分とするコーティング剤(X−Si−(OH)
n )(東京応化社製)を滴下し、その後400°Cで3
0分間ベークして、ドーム状のコーティング層11を形
成した。得られたコーティング層11の最大厚みは60
00Åであった。
【0117】このダイヤモンド10をエッチング装置内
に配置し、Ar(95%)+O2(5%)の混合ガスを
用いてドライエッチングを行った。エッチング速度はい
ずれも250Å/分で、コーティング層とダイヤモンド
とのエッチング選択比は1:1であった。40分間のエ
ッチングにより、コーティング層11およびダイヤモン
ド10の表面の一部をエッチングすることで、図2
(b)に示すような、平均表面粗さRa が100Åの片
面球面状ダイヤモンドレンズ12を得た。
【0118】実施例5 図3(a)に示すように、5mm角ダイヤモンド10
(平均表面粗さRa =2000Å)上に、無機珪素化合
物を主成分とするコーティング剤(X−Si−(OH)
n )を複数並べて滴下し、その後400°Cで30分間
ベークして、複数のドーム状のコーティング層11を形
成した。得られたコーティング層11の最大厚みは15
00Åであった。
【0119】このダイヤモンド10をエッチング装置内
に配置し、Ar(95%)+O2(5%)の混合ガスを
用いてドライエッチングを行った。エッチング速度はい
ずれも250Å/分で、コーティング層とダイヤモンド
とのエッチング選択比は1:1であった。10分間のエ
ッチングにより、コーティング層11およびダイヤモン
ドレンズ10の表面の一部をエッチングすることで、図
3 (b)に示すような、平均表面粗さRa が100Å
の片面球面状ダイヤモンドレンズ13を得た。
【0120】実施例6 実施例4で得られた片面球面状ダイヤモンドレンズ12
の裏面に、無機珪素化合物を主成分とするコーティング
剤(X−Si−(OH)n )を滴下し、その後400°
Cで30分間ベークして、ドーム状のコーティング層1
1を形成した。得られたコーティング層11の最大厚み
は6000Åであった。
【0121】この基板をエッチング装置内に配置し、A
r(95%)+O2 (5%)の混合ガスを用いてドライ
エッチングを行なった。エッチング速度はいずれも25
0Å/分で、コーティング層とダイヤモンドとのエッチ
ング選択比は1:1であった。40分間のエッチングに
より、コーティング層11およびダイヤモンドレンズ1
2の裏面の一部をエッチングし、図4(b)に示すよう
な、平均表面粗さRaが100Åの両面球面状ダイヤモ
ンドレンズ14を得た。
【0122】実施例7 まず、下記のようなダイヤモンドからなる3種類の基板
を用意した(STEP1)。
【0123】(1) 超高圧合成法で合成された単結晶
ダイヤモンドを#200(80〜100μmの砥粒)の
ダイヤモンドの粉末で研磨したもの (2) 超高圧合成法で合成された単結晶ダイヤモンド
をスカイフ研磨したもの (3) 気相合成法でSi基板上に形成した多結晶ダイ
ヤモンド まず、上記(1)〜(3)の各基板の表面粗さを表面粗
さ計(例えば、DEKTAK製)を用いて測定し、その
結果を下記表1(STEP1)に示した。
【0124】次に、各基板表面に環化ゴム系フォトレジ
スト剤(商品名:OMR、東京応化社製)を適量滴下
し、スピナーにより回転塗布を行なった。大気中、温度
110℃、30分間加熱し、上記フォトレジスト剤を乾
燥させて、膜厚1μm程度のレジスト膜を形成した(S
TEP2)。このようにして得られた各レジスト膜にお
ける表面粗さを表面粗さ計を用いて測定し、その結果を
表1(STEP2)に示した。
【0125】次に、イオン注入装置を用いて、上記
(1)〜(3)の各基板上に形成されたレジスト膜表面
から、Arイオンを加速電圧50keV、500ke
V、1MeV、2MeVでドーズ量にして1015cm-2
でイオン注入した。これにより、各基板表面に残存する
凹凸にArイオンが注入され、その部分が非晶質化また
はグラファイト化した。イオン注入後、レジスト膜を剥
離剤により各基板上からすべて除去した。
【0126】次に、基板温度を800℃に設定し、非晶
質化またはグラファイト化した部分を水素を含むガスの
プラズマ中に晒して、非晶質化またはグラファイト化し
た部分を各基板表面から除去してダイヤモンド表面の平
坦化を行なった(STEP3)。得られた各基板の表面
粗さを表面粗さ計を用いて測定した。測定結果を下記表
1(STEP3)に併せて示す。
【0127】
【表1】
【0128】上記表1に示したように、上述のような平
坦化処理を施すことにより、上記(1)〜(3)のすべ
てのダイヤモンド基板の表面粗さを非常に小さくするこ
とができた。すなわち、本発明の平坦化処理による平坦
化効果が大きいことが確認された。
【0129】実施例8 実施例7において1回の平坦化処理が施された(1)〜
(3)の各基板を用意した(STEP4)。したがっ
て、下記表2(STEP4)に示した各基板の表面粗さ
は、表1(STEP3)に示した各基板の表面粗さと等
しいものとして、以下の処理を行った。
【0130】次に、実施例7と同様に、各基板上にレジ
スト膜を形成した(STEP5)。得られた各レジスト
膜における表面粗さを測定した。得られた結果を下記表
2(STEP5)に示す。
【0131】次に、イオン注入装置を用いて、上記
(1)〜(3)の各基板上に形成されたレジスト膜表面
から、Arイオンを加速電圧50keV、500ke
V、1MeV、2MeVでドーズ量にして1015cm-2
でイオン注入した。
【0132】イオン注入後、実施例7と同様に、レジス
ト膜を各基板上からすべて除去し、イオン注入により非
晶質化またはグラファイト化した部分を、水素を含むガ
スのプラズマ中に晒して、各基板表面から除去し、ダイ
ヤモンド表面の平坦化を行なった(STEP6)。得ら
れた各基板の表面粗さを測定した。得られた結果を下記
表2(STEP6)に併せて示す。
【0133】
【表2】
【0134】上記表2に示したように、上述したような
平坦化処理を2回繰返して行なうことにより、1回の平
坦化処理を行なった場合に比べて、各基板の表面粗さを
更に小さくすることができることが判明した。
【0135】特に、本実施例においては、基板表面に2
000Åの表面粗さを有していた多結晶ダイヤモンドか
らなる基板に、2回の平坦化処理を行なうことにより、
表面粗さを10分の1程度まで平坦化できることが示さ
れた。すなわち、平坦化の効果が非常に大きいことが確
認された。
【0136】実施例9 実施例7と同様に、上記(1)〜(3)の各基板を用意
し(STEP1)、次いで各基板上にレジスト膜を形成
した(STEP2)。したがって、表3(STEP1)
に示した各基板の表面粗さは、表1(STEP1)に示
した各基板の表面粗さと等しく、また表3(STEP
2)に示した各基板のレジスト膜における表面粗さは、
表1(STEP2)に示した各基板のレジスト膜におけ
る表面粗さと等しいものとして、以下の処理を行った。
【0137】次に、イオン注入装置を用いて、(1)〜
(3)の各基板上に形成されたレジスト膜表面から、A
rイオンを加速電圧50keV、500keV、1Me
V、2MeVでドーズ量にして1015cm-2でイオン注
入した。イオン注入後、レジスト膜を各基板上からすべ
て除去し、各基板の表面を露出させた。
【0138】本実施例では、イオン注入によりダイヤモ
ンドが非晶質化またはグラファイト化した部分を各基板
表面から除去する際に、プラズマエッチングを使用せ
ず、クロム酸によるウェットエッチングを行なった。
【0139】上記ウェットエッチングにより、基板表面
から非晶質化またはグラファイト化した部分を除去し、
ダイヤモンド表面の平坦化を行なった(STEP3)。
得られた各基板の表面粗さを測定した。得られた結果を
下記表3(STEP3)に併わせて示す。
【0140】
【表3】
【0141】表3に示したように、クロム酸によるウェ
ットエッチングを用いて平坦化処理を行なった場合にお
いても、イオン注入によりダイヤモンドが非晶質化また
はグラファイト化した部分を基板表面から効率よく除去
することができ、各基板の表面粗さを非常に小さくする
ことができることが確認された。
【0142】実施例10 気相合成法でSi基板上に形成された多結晶ダイヤモン
ドからなる基板のみを用いて、実施例7と同様の平坦化
処理を行なった。本実施例では、注入イオンに対する金
属元素添加による平坦化処理の効果を調べるため、A
l、W、Mo、Fe、Auがそれぞれ1020cm-3添加
され、均一に混合されたフォトレジスト剤(商品名:O
MR、東京応化社製)を使用した。
【0143】実施例7と同様に、各基板上に各金属元素
が添加されたレジスト剤または無添加のレジスト剤を、
各々スピナーで回転塗布し、レジスト膜を形成した(S
TEP2)。このようにして、得られたレジスト膜表面
における表面粗さを測定し、すべて100Å以下となる
ようにした。
【0144】次に、イオン注入装置を用いて、各基板上
に形成されたレジスト膜表面から、Arイオンを加速電
圧50keV、500keV、1MeV、2MeVでド
ーズ量にして1015cm-2でイオン注入を行なった。イ
オン注入後、レジスト膜を各基板上から除去し、イオン
注入により非晶質化またはグラファイト化した部分を、
水素を含むガスのプラズマ中に晒して、各基板表面から
除去しダイヤモンド表面の平坦化を行なった(STEP
3)。得られた各基板表面粗さを測定し、その結果を下
記表4(STEP3)に併せて示した。
【0145】
【表4】
【0146】上記表4に示したように、金属元素が添加
されたレジスト剤を用いることにより、金属元素を一切
添加しないレジスト剤を用いた場合に比べて、更に基板
表面粗さを小さくできることが確認された。本発明者の
知見によれば、レジスト膜内に金属元素が均一に添加さ
れることで、イオン注入するArイオンに対するレジス
ト膜の阻止断面積と、ダイヤモンドからなる各基板の阻
止断面積とがほぼ一致するためであると推定される。
【0147】実施例11 実施例10と同様に、気相合成法でSi基板上に形成さ
れた多結晶ダイヤモンドからなる基板を用いて、実施例
7と同様の平坦化処理を行なった。
【0148】ただし本実施例では、基板上にレジスト膜
を形成する代わりに、ゾルーゲル法により基板上にSi
2 膜を形成した。
【0149】また、本実施例では、金属元素添加による
平坦化の効果を調べるため、Al、W、Mo、Fe、A
uがそれぞれ1020cm-3添加され均一に混合されたゲ
ルを使用した。
【0150】まず、各基板上に、金属元素が添加された
SiO系ゾルまたは金属元素無添加のSiO系ゾルを各
々スピナーで回転塗布した。ゾルーゲル法に従い、加熱
を施すことで、基板上のSiO系ゾルを固化させてSi
2 からなるゲル層を形成した(STEP2)。このよ
うにして得られたSiO2 層表面における表面粗さを測
定し、すべて100Å以下になるようにした。
【0151】次に、イオン注入装置を用いて、各基板上
に形成されたSiO2 層表面から、Arイオンを加速電
圧50keV、500keV、1MeV、2MeVでド
ーズ量にして1015cm-2でイオン注入した。イオン注
入後、SiO2 層をHF処理により基板上からすべて除
去し、各基板の表面を露出させた。その後、ダイヤモン
ドが非晶質化またはグラファイト化した部分を、水素を
含むガスのプラズマ中に晒して、各基板表面から除去
し、平坦化を行なった(STEP3)。得られた各基板
の表面粗さを測定し、その結果を下記表5(STEP
3)に併せて示した。
【0152】
【表5】
【0153】上記表5に示したように、基板上にゾルー
ゲル法に従ってSiO2 層を形成して平坦化処理を行な
った場合にも、基板の表面粗さを非常に小さくすること
ができることが確認された。また、種々の金属元素が添
加されたゾル剤を用いることで、基板の表面粗さをより
小さくすることができることが確認された。本発明者の
知見によれば、これはSiO2 層の阻止断面積とダイヤ
モンドからなる基板の阻止断面積がほぼ一致するためで
あると推定される。
【0154】上述した、実施例10および実施例11で
得られた結果に基づき、注入イオンの種や注入条件によ
り、レジスト剤に添加する金属元素の種およびその添加
量を適切に設定することで、1回の平坦化処理を施すだ
けでも、所望の平坦度を有する基板を実現できることが
判明した。
【0155】実施例12 実施例10と同様に、気相合成法でSi基板上に形成さ
れた多結晶ダイヤモンドからなる基板のみを用いて、実
施例7と同様の平坦化処理を行なった。
【0156】ただし、本実施例では、Ar、Ne、H
e、Al、Xe、Cuイオンを用いてイオン注入した。
【0157】実施例7と同様に、各基板上にレジスト剤
を各々スピナーで回転塗布し、レジシウト膜を形成した
(STEP2)。このようにして得られたレジスト膜表
面における表面粗さを測定し、すべて100Å以下にな
るようにした。 次に、イオン注入装置を用いて、各基
板上に形成されたレジスト膜表面からAr、Ne、H
e、Al、Xe、Cuの各イオンを、それぞれ加速電圧
50keV、500keV、1MeV、2MeVでドー
ズ量にして1015cm-2でイオン注入を行なった。イオ
ン注入後、レジスト膜を各基板上から除去し、イオン注
入によりダイヤモンドが非晶質化またはグラファイト化
した部分を、水素を含むガスのプラズマ中に晒して、各
基板表面から除去し平坦化を行なった(STEP3)。
得られた各基板の表面粗さを測定し、その結果を下記表
6(STEP3)に併せて示した。
【0158】
【表6】
【0159】上記表6に示したように、使用したすべて
の種類のイオンで、基板の表面粗さを大幅に小さくする
ことができ、平坦化の効果が確認された。
【0160】実施例13 図9(a)に示すように、(100)面の単結晶ダイヤ
モンド基板51上に、4000回転(rpm)のスピー
ドで、スピンオングラス52を0.7μm塗布した。次
いで、上記スピンオングラス52を焼結させるため、N
2 雰囲気中350℃20分間アニールした。
【0161】更に、図9(b)に示すように、リアクテ
ィブエッチング装置を使い、フロンガス(CF4 )50
sccm、13.56MHzのRFパワー300Wの条
件で10分間、上記により焼結したスピンオングラス
(SiO2 )をエッチングした。これにより、0.4μ
mスピンオングラスをエッチバックして、ダイヤモンド
表面の凸部を露出させた。
【0162】図9(c)に示すように、このように露出
させた凸部に、電子ビーム蒸着装置を用いて、鉄(F
e)を0.2μm蒸着した。
【0163】次いで図9(d)に示すように、アルゴン
ガス雰囲気中、1500℃、10秒のランプアニールを
行って、上記鉄とダイヤモンド凸部とを反応させた。
【0164】更に、リアクライブイオンエッチング装置
を用い、アルゴン(Ar)80sccm、酸素(O2
20sccm、13.56MHzのRFパワー300W
の条件で60分間エッチングし、反応部分の約0.3μ
m程度を除去した。この条件では、ダイヤモンドの鉄と
の反応部分(凸部)では、未反応部分(凹部)に比べ、
10倍エッチング速度が速かった。更に、SiO2 を除
去して、図9(e)に示すような平滑なダイヤモンド表
面を得た。このようにして得たダイヤモンド表面の平滑
度を測定したところ、Rmax で0.1μm以下であっ
た。
【0165】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、ダイヤ
モンドの表面に該ダイヤモンドと異なる材料からなる平
坦な被膜を形成した後;ドライエッチングにより、前記
ダイヤモンドと被膜との双方をエッチングし得る条件下
で、前記被膜およびダイヤモンド表面の凹凸を除去し
て、該ダイヤモンドの表面を平滑化するダイヤモンドの
平坦化法が提供される。
【0166】このような平坦化法を用いれば、従来のス
カイフ研磨等の機械研磨とは異なり、非接触で表面を平
坦化することができるため、基板の材質、そり量、面
積、厚み等の基板の状態に実質的に制限を受けることな
く、種々のダイヤモンド表面に良好に鏡面仕上げ研磨な
いし平坦化することが可能になる。
【0167】本発明の他の態様によれば、ダイヤモンド
の表面に該ダイヤモンドと異なる材料を含む液状の塗布
剤を滴下し硬化させて、ダイヤモンド上に表面が球面状
の被膜を形成した後;ドライエッチングにより、前記被
膜とダイヤモンドとの双方をエッチングし得る条件下
で、前記被膜およびダイヤモンド表面の凹凸を除去し
て、球面状のダイヤモンド表面を得ることを特徴とする
ダイヤモンドの研磨方法が提供される。
【0168】上記したダイヤモンドの平坦化法または研
磨方法においては、大型のドライエッチング装置を用い
ることによって、より大面積のダイヤモンドの平坦化な
いし研磨に充分に対応することができる。
【0169】このようなダイヤモンドの平坦化法または
研磨方法によれば、極めて平滑性に優れたダイヤモンド
表面が得られるため、従来の機械研磨によって得られる
ダイヤモンド表面上には不可能であったレベルの超微細
加工を、該ダイヤモンド表面上に施すことが可能とな
る。更には、本発明によれば、従来の機械研磨に比べて
研磨工程が大幅に簡略化されるため、効率的なコスト低
減が可能となり、工業的にも充分利点のある平坦化法な
いし研磨法を提供することができる。
【0170】また、上記したダイヤモンドの研磨方法を
用いれば、ダイヤモンド以外の材料では得ることができ
なかった波長域、すなわち紫外線域(波長225nm以
下程度)まで光を透過でき、しかも熱伝導率が高い、高
信頼性のダイヤモンドレンズを得ることが可能となる。
特に、本発明の研磨方法は、マイクロレンズ形成に好適
に適用することができる。
【0171】更に、本発明の他の態様によれば、ダイヤ
モンドの表面に該ダイヤモンドと異なる材料からなる被
膜を形成して、該被膜を平坦化する第1の工程と;前記
被膜を介して、前記ダイヤモンドにイオン注入を行なう
第2の工程と;前記被膜を除去するとともに、前記イオ
ン注入により変質したダイヤモンド部分を、前記ダイヤ
モンドから除去する第3の工程とを備えるダイヤモンド
の平坦化法が提供される。
【0172】このようなダイヤモンドの平坦化法は、5
0Å以下のより厳しい平坦度が要求される電子光学部品
(特に、高出力の半導体レーザ等に使用可能なLSI用
等の放熱基板)の製作に好適に応用することができる。
【0173】更に、本発明の他の態様によれば、乾式法
によりダイヤモンド表面を平坦化させるに際し、該ダイ
ヤモンド表面凸部の減削速度を、該ダイヤモンド表面の
凹部の減削速度より相対的に大きくするダイヤモンドの
平坦化法が提供される。
【0174】このようなダイヤモンド平坦化法によれ
ば、多結晶又は単結晶ダイヤモンドからなり、平滑な表
面を有する電子デバイス用の基板を提供することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイヤモンド研磨方法の一態様を示す
模式側面断面図である。
【図2】本発明のダイヤモンド研磨方法の他の態様を示
す模式側面断面図である。
【図3】本発明のダイヤモンド研磨方法の更に他の態様
を示す模式側面断面図である。
【図4】本発明のダイヤモンド研磨方法の更に他の態様
を示す模式側面断面図である。
【図5】本発明のダイヤモンド平坦化方法の一態様を工
程順に示す模式側面断面図である。
【図6】本発明のダイヤモンド平坦化方法の一態様を工
程順に示す模式側面断面図である。
【図7】本発明のダイヤモンド平坦化方法の他の態様を
工程順に示す模式側面断面図である。
【図8】本発明のダイヤモンド平坦化方法の他の態様を
工程順に示す模式側面断面図である。
【図9】本発明のダイヤモンド平坦化方法の更に他の態
様を示す模式側面断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2,10,20,51…ダイヤモンド、3,
11,30…被膜、4,20,25…ダイヤモンド表
面、12,14…ダイヤモンドレンズ、35,36…被
膜表面、40…注入イオン、45…ダイヤモンド変質部
分、51…ダイヤモンド基板、52…犠牲層、100…
被膜の膜厚が大きい領域、105…被膜の膜厚が小さい
領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿田 真一 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾式法によりダイヤモンド表面を平坦化
    させるに際し、該ダイヤモンド表面凸部の減削速度を、
    該ダイヤモンド表面の凹部の減削速度より相対的に大き
    くすることを特徴とするダイヤモンドの平坦化法。
  2. 【請求項2】 前記ダイヤモンドとして単結晶又は多結
    晶ダイヤモンドを用い;該ダイヤモンド上に平坦な犠牲
    層を形成し;該犠牲層を均一にエッチングしてダイヤモ
    ンド表面の凸部を露出させ;露出した該凸部に不純物を
    付着させアニールして、該不純物と凸部とを反応させた
    後;該凸部を除去する請求項1記載のダイヤモンドの平
    坦化法。
  3. 【請求項3】 前記犠牲層としてスピンオングラス又は
    テトラエトキシシラン(TEOS)に基づく膜を用い、
    且つ、該犠牲層の厚さが0.1〜1.0μmである請求
    項2記載のダイヤモンドの平坦化法。
  4. 【請求項4】 前記不純物として、鉄、ニッケル、マン
    ガン、セリウム、又はランタンから選ばれた金属を用
    い、真空中において500〜2000℃の温度で、1〜
    30分間アニールしてダイヤモンド表面凸部と該不純物
    とを反応させることにより、ダイヤモンド表面に厚さ
    0.1〜1μmの反応層を形成する請求項2記載のダイ
    ヤモンドの平坦化法。
  5. 【請求項5】 前記不純物として鉄、ニッケル、マンガ
    ン、セリウム、又はランタンから選ばれた金属を用い、
    イオン注入により該金属をダイヤモンド表面凸部に導入
    した後、前記アニールを行う請求項2記載のダイヤモン
    ドの平坦化法。
  6. 【請求項6】 前記犠牲層としてスピンオングラス又は
    テトラエトキシシラン(TEOS)に基づく厚さが0.
    1〜1.0μmの膜を用い;且つ、前記不純物として、
    鉄、ニッケル、マンガン、セリウム、又はランタンから
    選ばれた金属を用い、真空中において500〜2000
    ℃の温度で、1〜30分間アニールしてダイヤモンド表
    面凸部と該不純物とを反応させることにより、ダイヤモ
    ンド表面に厚さ0.1〜1μmの反応層を形成する請求
    項2記載のダイヤモンドの平坦化法。
  7. 【請求項7】 前記不純物として、鉄、ニッケル、マン
    ガン、セリウム、又はランタンから選ばれた金属を用
    い、イオン注入により該金属をダイヤモンド表面凸部に
    導入した後;真空中において500〜2000℃の温度
    で、1〜30分間アニールしてダイヤモンド表面凸部と
    該不純物とを反応させることにより、ダイヤモンド表面
    に厚さ0.1〜1μmの反応層を形成する請求項2記載
    のダイヤモンドの平坦化法。
  8. 【請求項8】 前記犠牲層としてスピンオングラス又は
    テトラエトキシシラン(TEOS)に基づく厚さが0.
    1〜1.0μmの膜を用い;且つ、前記不純物として
    鉄、ニッケル、マンガン、セリウム、又はランタンから
    選ばれた金属を用い、イオン注入により該金属をダイヤ
    モンド表面凸部に導入した後、前記アニールを行う請求
    項2記載のダイヤモンドの平坦化法。
  9. 【請求項9】 前記犠牲層としてスピンオングラス又は
    テトラエトキシシラン(TEOS)に基づく厚さが0.
    1〜1.0μmの膜を用い;前記不純物として、鉄、ニ
    ッケル、マンガン、セリウム、又はランタンから選ばれ
    た金属を用い;且つ、イオン注入により該金属をダイヤ
    モンド表面凸部に導入した後、真空中において500〜
    2000℃の温度で、1〜30分間アニールしてダイヤ
    モンド表面凸部と該不純物とを反応させることにより、
    ダイヤモンド表面に厚さ0.1〜1μmの反応層を形成
    する請求項2記載のダイヤモンドの平坦化法。
  10. 【請求項10】 前記ダイヤモンド表面の凹部に圧縮歪
    みを与えることにより、該凹部の減削速度を低減させる
    請求項1または2記載のダイヤモンドの平坦化法。
  11. 【請求項11】 前記犠牲層として所定量の不純物を含
    む犠牲層を用い、且つ、ダイヤモンド表面の凸部を露出
    させてアニールした後、ダイヤモンド表面の凹部に該不
    純物を混入させる請求項10記載のダイヤモンドの平坦
    化法。
  12. 【請求項12】 前記不純物としてボロンを用いる請求
    項11記載のダイヤモンドの平坦化法。
  13. 【請求項13】 ダイヤモンドの表面に、該ダイヤモン
    ドと異なる材料からなる平坦な被膜を形成した後、 ドライエッチングにより、前記ダイヤモンドと被膜との
    双方をエッチングし得る条件下で、前記被膜およびダイ
    ヤモンド表面の凹凸を除去して、該ダイヤモンドの表面
    を平滑化することを特徴とするダイヤモンドの平坦化
    法。
  14. 【請求項14】 前記ダイヤモンドの表面に、該ダイヤ
    モンドと異なる材料を含む液状の塗布剤を滴下し、回転
    塗布により該ダイヤモンド上に被膜を形成する請求項1
    3に記載のダイヤモンドの平坦化法。
  15. 【請求項15】 ダイヤモンドの表面に、該ダイヤモン
    ドと異なる材料を含む液状の塗布剤を滴下し硬化させ
    て、ダイヤモンド上に表面が球面状の被膜を形成した
    後、 ドライエッチングにより、前記被膜とダイヤモンドとの
    双方をエッチングし得る条件下で、前記被膜およびダイ
    ヤモンド表面の凹凸を除去して、球面状のダイヤモンド
    表面を得ることを特徴とするダイヤモンドの研磨方法。
  16. 【請求項16】 ダイヤモンドの表面に、該ダイヤモン
    ドと異なる材料からなる平坦な被膜を形成する第1の工
    程と、 前記被膜を介して、ダイヤモンドにイオン注入を行なう
    第2の工程と、 前記被膜を除去するとともに、前記イオン注入により変
    質したダイヤモンド部分を、前記ダイヤモンドから除去
    する第3の工程とを備えることを特徴とするダイヤモン
    ドの平坦化法。
  17. 【請求項17】 前記第3の工程の後、更に第1の工
    程、第2の工程、および第3の工程を順次繰返して行な
    う請求項16に記載のダイヤモンドの平坦化法。
  18. 【請求項18】 前記被膜が、有機材料を主成分とする
    レジストからなる請求項16に記載のダイヤモンドの平
    坦化法。
  19. 【請求項19】 前記被膜が、ゾル−ゲル法を用いて形
    成される被膜である請求項16に記載のダイヤモンドの
    平坦化法。
  20. 【請求項20】 前記イオン注入において、注入イオン
    に対する前記ダイヤモンドの阻止断面積と、注入イオン
    に対する前記被膜の阻止断面積とが実質的に等しくなる
    ように、前記被膜を形成する請求項16に記載のダイヤ
    モンドの平坦化法。
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