JPH0742019A - 水溶性ポリビニルアルコール系繊維及びその製造方法 - Google Patents

水溶性ポリビニルアルコール系繊維及びその製造方法

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JPH0742019A
JPH0742019A JP18822893A JP18822893A JPH0742019A JP H0742019 A JPH0742019 A JP H0742019A JP 18822893 A JP18822893 A JP 18822893A JP 18822893 A JP18822893 A JP 18822893A JP H0742019 A JPH0742019 A JP H0742019A
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友之 佐野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温易水溶性と熱接着性を兼備し、硬着のな
く、不織布化工程や紡績、編織工程でトラブルことのな
いポリビニルアルコール系繊維を得ることを目的とする
ものであり、例えばケミカルレース基布などの高効率製
造を可能にする。 【構成】 ビニルアルコールユニットが50〜95モル
%、平均重合度が30〜3000のポリビニルアルコー
ル系ポリマーよりなり、融点が140〜205℃、水溶
解温度が5℃以下、単糸デニールが0.1〜20drの
実質的に硬着のない熱接着可能な水溶性ポリビニルアル
コール系繊維と、特定のPVA系ポリマー溶液を炭素数
3以上の含酸素炭化水素に湿式又は乾湿式紡糸し、得ら
れた固化糸篠に特定の処理をして該繊維を製造する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低融点のポリビニルア
ルコール系ポリマー(以下PVA系と略記)を用いた低
温易水溶性繊維およびその製法に関するもので、熱接着
性と水溶性を兼備し、例えばケミカルレース基布を高効
率で生産しうる素材として好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、水に溶解する水溶性繊維として
は、PVA系繊維、カルボキシメチルセルロースなどの
セルロース系繊維、ポリアルギン酸系繊維、ポリアルキ
レン系繊維などが知られているが、カードやニードルパ
ンチなどの不織布化工程及び、紡績、編織などの織布化
或いはニット化工程を安定に通過するに必要な機械的性
能を有するものはPVA系繊維のみである。
【0003】PVA系繊維の製法としては、PVAの濃
厚水溶液を乾式紡糸する方法(特公昭43−8992号
公報など)、PVAの水溶液を芒硝などの脱水性塩類水
溶液に湿式紡糸する方法(特開昭62−215011号
公報など)、PVAの有機溶媒溶液を炭素数1の固化溶
媒であるメタノールに乾湿式紡糸する方法(特開平1−
229805号公報など)が知られている。酢酸ビニル
ユニットとビニルアルコールユニットのみよりなる部分
ケン化PVAの乾式紡糸ではケン化度85モル%以下の
PVAを単糸間硬着なしに繊維化することは困難であ
る。また特開昭49−35622号公報、特公昭53−
10174号公報では、アリルアルコールやカルボン酸
変性PVAを乾式紡糸することにより、水溶性繊維を得
ることが提案されているが、融点が205℃以下の熱接
着可能なPVA系繊維を単糸間硬着なく得ることは出来
ていない。そこで、熱接着可能とするため、特開昭62
−45777号公報では乾式紡糸繊維にPVAの固形溶
剤とバインダーの混合物を塗布することが提案されてい
るが、風合が硬いとか塗布物が脱落するという問題があ
る。またPVA水溶液を脱水性塩類浴中に湿式紡糸する
方法は該塩類が繊維に付着し、付着した塩類と除去する
ために水洗すると繊維が単糸間硬着するので、後工程の
工程通過性に問題がある。またケン化度80モル%以上
のPVAの有機溶媒溶液を炭素数1の固化溶媒であるメ
タノールに乾湿式紡糸後該メタノール浴中に5秒以上滞
留させたのち10倍以上延伸し、強度が10g/d以上
の水溶性繊維を得ることが提案されているが(上記特開
平1−229805号公報)、融点の低いケン化度85
モル%以下のPVAでは硬着のない水溶性繊維を得るこ
とができない。上記以外の紡糸法として、溶融紡糸法も
考えられるが、水溶性のPVA系ポリマーは融点と熱分
解の温度差が小さく、正常な紡糸を行うことができな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、上記
の如く、低融点のPVA系ポリマーを硬着なく紡糸する
ことが出来ず、従って205℃以下の融点を有するPV
A系繊維が得られていない。このため、低融点固形溶剤
を多量付着させて熱溶融性を得る試みもなされている
が、風合硬化や脱落などの問題がある。従って、205
℃以下の融点を有し、実用に供し得る程度の熱接着性と
水溶性とを有するPVA系繊維は得られておらず、ケミ
カルレース基布など不織布生産の高速化などに対応し得
る熱接着性と水溶性とを兼備するPVA繊維が強く要望
されていた。
【0005】本発明者らは、上記した熱接着性と水溶性
とを兼備するPVA繊維を得るべく鋭意研究を重ねた結
果、低融点PVAを溶解した紡糸原液を炭素数3以上の
含酸素炭化水素で固化し、湿延伸したのち、炭素数3以
上の含酸素炭化水素を用いて抽出することにより、従来
の水溶性PVA系繊維に比べ、低融点の水溶性PVA系
繊維が硬着なく得られることを見出し、本発明を完成し
た。すなわち、本発明の課題は、従来の水溶性PVA系
繊維に比べ、低融点で熱接着し易く、硬着のない水溶性
PVA系繊維を提供するにある。またこのような新規高
機能繊維の工業的製造方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、
(1)ビニルアルコールユニットが50〜95モル%、
平均重合度が30〜3000のポリビニルアルコール系
ポリマーよりなり、融点が140〜205℃、水溶解温
度が5℃以下、単糸デニールが1〜20drの実質的に
硬着のない水溶性ポリビニルアルコール系繊維、および
(2)ビニルアルコールユニットが50〜95モル%、
平均重合度が30〜3000、繊維状での融点が140
〜205℃であるポリビニルアルコール系ポリマーを該
ポリマーに対して溶解能を有する原液溶媒に溶解し、得
られた紡糸原液を該紡糸原液に対して固化能を有する炭
素数3以上の含酸素炭化水素と原液溶媒よりなり、その
重量組成比が95/5〜40/60である固化液により
固化し、3〜8倍の湿延伸を施こし、さらに炭素数3以
上の含酸素炭化水素溶媒により原液溶媒を抽出し、12
0℃以下で乾燥することを特徴とする水溶性ポリビニル
アルコール系繊維の製法。によって解決しうる。
【0007】本発明のポリマーはビニルアルコールユニ
ットを50〜95モル%有する。50モル%未満ではカ
ードや紡績など後工程を通過するに必要な機械的性質を
有する繊維を得ることができない。残ユニットが酢酸ビ
ニルユニットのみの所謂部分ケン化PVAの場合ビニル
アルコールユニットが80モル%以上(すなわちケン化
度80モル%以上)では得られる繊維の融点が205℃
を越え、熱接着性の優れた繊維を得ることができない。
ビニルアルコールユニット及び酢酸ビニルユニット以外
のユニットを含有させる(所謂PVAの変性を行う)場
合は変性ユニットの種類によって異なるが、例えば結晶
化阻害効果の大きいユニット(イタコン酸、無水マレイ
ン酸、アリールスルホン酸等)ではビニルアルコールユ
ニットを95モル%にまでしても融点が205℃を越え
ないので本発明では好適に用いることができる。本発明
のビニルアルコールユニットと酢酸ビニルユニット以外
のユニットとして、エチレン、アリルアルコール、イタ
コン酸、アクリル酸、無水マレイン酸とその開環物、ビ
ニルピロリドン、アリールスルホン酸、及びその一部又
は全量中和物などが例示される。これら変性ユニットの
含量は変性基の種類によって異なるが、少なくとも5モ
ル%は必要である。
【0008】本発明に用いるポリマーの平均重合度は3
0〜3000である。平均重合度が30未満では繊維化
が困難である上、得られた繊維が脆い。平均重合度が3
000を越えると熱溶融した際の粘度が高く、充分に拡
がらないため、接着面積が大きくとれず、接着力が低く
なる。平均重合度が50〜2000であるとさらに好ま
しく、100〜1300であるともっと好ましい。本発
明繊維の融点は140〜205℃である。融点が140
℃未満の繊維は硬着なしに得ることが困難であり、融点
が205℃を越えると繊維の熱接着性が不十分となる。
繊維の融点が150〜200℃であるとさらに好まし
く、160〜190℃であると最も好ましい。本発明に
おいて融点は、Mettler社製示差熱量計DSC−
20を用い、試料10mgを窒素雰囲気下、20℃/分
で50℃から300℃まで昇温した場合に、1回目の昇
温で吸熱ピークを示す温度を意味する。本発明繊維の水
溶解温度は5℃以下であり、低温易水溶性であることも
特徴である。水溶解温度が5℃を越えると低温易水溶性
とは言い難く、溶解速度が小さくなるので好ましくな
い。本発明において水溶解温度は、繊維に2mg/dr
の荷重を吊り下げ、水に浸漬し、水を2℃/分の昇温速
度で昇温した際溶断する温度をいう。
【0009】本発明繊維は単糸デニールが0.1〜20
drで実質的硬着がないことを特徴とする。熱接着性向
上のためには単糸デニールが小さい方が好ましいが、
0.1dr未満は硬着なしに繊維化することが困難で、
工業的生産効率が低く製造コストが高くなる。単糸デニ
ールが20drを越えると風合いがやわらかいものが得
られないばかりでなく、比表面積が少なくなるため熱接
着性が劣るものしか得られない。単糸デニールが0.3
〜10drであるとさらに好ましく、0.5〜5drで
あるともっと好ましく、1〜3drであると最も好まし
い。また硬着があると単糸デニールが実質的に大きくな
り熱接着性が低下するばかりでなく、均一な製品が得ら
れない。本発明にいう実質的硬着がないとは、本発明の
マルチフィラメントを引っ張って切断した時切断端の9
0%以上が一本一本別れることをいう。
【0010】本発明において、ビニルアルコールユニッ
トはNMRスペクトルの解析により求めた。また平均重
合度は、イオン変性されていない場合はJIS−K67
26に基き30℃水溶液の極限粘度より、或いはイオン
変性されている場合は1MNaCl水溶液での極限粘度
よりJIS−K6726に準じて測定した。
【0011】次に本発明の低融点水溶性PVA系繊維の
製造例について説明する。本発明の繊維は、ビニルアル
コールユニットが50〜95モル%、平均重合度が30
〜3000、繊維状での融点が140〜205℃となる
前述のPVA系ポリマーを溶媒に溶解して得た紡糸原液
を、該原液に対して固化能を有する炭素数3以上の含酸
素炭化水素と原液溶媒よりなりその重量組成比が95/
5〜40/60である固化液により固化し、炭素数3以
上の含酸素炭化水素溶媒中で3〜8倍の湿延伸を行な
い、次いで炭素数3以上の含酸素炭化水素溶媒により原
液溶媒を抽出し、その後120℃以下で乾燥することに
よって製造することができる。
【0012】本発明のPVA系ポリマーの原液溶媒とし
ては、ジメチルスルホキシド(以下DMSOと略記)、
グリセリン、エチレングリコール、水、塩化亜鉛あるい
はロダン塩の濃度水溶液およびこれらの混合溶媒等を用
いることができるが、好ましくはDMSO、グリセリ
ン、エチレングリコール、水であり、さらに好ましくは
DMSOである。本発明において酢酸ビニルユニットを
有する低ケン化度PVA系ポリマーを用いる場合、溶解
液のアルカリ性が強いと溶解、脱泡、放置中にケン化反
応が起こり、繊維の融点が上がる可能性があるので、苛
性ソーダなどの強アルカリ性物質を添加することは回避
すべきであるが、DMSO液中や酢酸ソーダの添加など
弱アルカリ性下ではケン化反応は起こらない。もちろん
酸を添加して酸度調整してもよい。またカルボン酸やス
ルホン酸などイオン性基変性PVAの場合イオンを中和
するための苛性ソーダなどによりPH調整してもよい。
ポリマー濃度は重合度、溶媒によって異なるが、6〜6
0%が一般的である。溶解は窒素置換後減圧下溶解液を
撹拌することが、酸化、分解、架橋反応の防止及び発泡
抑制の点で好ましい。
【0013】得られた紡糸原液を、該原液に対して固化
能を有する炭素数3以上の含酸素炭化水素と原液溶媒よ
りなり、その重量組成比が95/5〜40/60である
固化液により固化することが本発明繊維製法の重要なポ
イントである。本発明にいう固化とは流動性のある紡糸
原液が流動性のない固体に変化することをいう、原液組
成が変化せずに固化するゲル化と原液組成が変化して固
化する凝固の両方を包含する。PVA系ポリマー紡糸原
液に対して固化能を有する炭素数3以上の含酸素炭化水
素としては、プロパノール、ブタノールなどのアルコー
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなど
の脂肪酸エステル類が挙げられ、これらは1種あるいは
それ以上の混合物として用いられる。中でもアセトンや
酢酸メチルが好ましい。従来有機溶媒系紡糸に通常用い
られるメタノール及びエタノールは、本発明の如く、低
ケン化及び/あるいは高変性の低融点PVA系ポリマー
に対しては充分な固化能力がなく、硬着なしの繊維が得
られない。高ケン化及び/あるいは低変性の純PVAに
近い高融点PVA系ポリマーに対しては上記炭素数3以
上の含酸素炭化水素は固化能が過度に大きいためメタノ
ールやエタノール固化糸篠に比べ、均質な固化糸篠が得
られず、ポーラスな繊維構造となり満足な性能を有する
繊維が得られないのに対し、本発明繊維に用いるポリマ
ーと炭素数3以上の含酸素炭化水素とを組み合わせると
全く挙動が異なり、均質な固化糸篠が得られ、満足しう
る性能を有する繊維が安定して得ることができることを
初めて見出した。ポリマーの固化性と固化液の固化能の
バランスが重要であると推定している。本発明に用いる
固化液は上記炭素数3以上の含酸素炭化水素と原液溶媒
の重量組成比が95/5〜40/60である。固化液に
原液溶媒を共存させることにより、上記固化能の調整を
行なうことが重要である。さらに原液溶媒を固化液に混
合することは、原液溶媒と固化→溶媒の回収コスト低下
の点でも好ましい。固化液の温度に関しては特に限定は
ないが、通常−20〜30℃の間で行なう。均質固化及
び省エネの観点から固化液温度が−10〜20℃である
と好ましく、−5〜−15℃であるとさらに好ましく、
0〜10℃であると最も好ましい傾向にある。なお、本
発明の紡糸法は湿式紡糸であろうと、乾湿式紡糸であろ
うと特別な限定はない。各々の紡糸法に適した紡糸条件
を設定すればいずれの紡糸法も採用しうるが、ノズル多
孔化時の硬着抑制の点では湿式紡糸法が好ましい。
【0014】得られた固化糸篠は含酸素炭化水素中で3
〜8倍湿延伸をする。この湿延伸浴には原液溶媒を含有
させてもよい。糸篠の硬着抑制のため毛羽のでない範囲
で湿延伸倍率を大きくすることが重要である。このため
湿延伸浴の温度を沸点近くまで昇温することも有効であ
る。次いで、湿延伸後の糸篠を固化溶媒と接触させて原
液溶媒を糸篠から抽出除去する。従来ゲル化紡糸におい
て冷却固化溶媒として炭素数3以上のデカリンを用いる
ことが提案されている例もあるが、この場合においても
原液溶媒の抽出除去溶媒としてはメタノールが使用され
ている。本発明繊維のポリマーでは抽出液に炭素数1の
有機溶媒(例えばメタノール)を用いても膨潤硬着し、
炭素数2以下の有機溶媒を使用することができない。従
つて抽出液も炭素数3以上の含酸素炭化水素を用いる必
要がある。抽出除去方法としては、上記含酸素炭化水素
液と湿延伸後の糸篠を接触させる方法が用いられ、特に
好ましくは、上記含酸素炭化水素液と糸篠を向流接触さ
せる方法である。接触させる時間としては15秒以上、
特に20秒以上が好ましい。抽出速度を高め、抽出を向
上させるためには、該含酸素炭化水素液は加熱されてい
るのが好ましい。従来一般に、湿延伸を行った後、原液
溶媒を抽出除去することなく、直ちに乾燥する方法が用
いられているが、本発明のように単糸間膠着を生じやす
いポリマーからなる繊維の場合には、上記のような従来
方法だけでは乾燥時に単糸間膠着を生じることとなる。
したがって本発明において、湿延伸後の溶媒抽出処理は
極めて重要な工程である。
【0015】次いで原液溶媒抽出後の糸篠を乾燥する
が、本発明では120℃以下の気体浴中で乾燥する。1
20℃を越える温度で乾燥すると本発明繊維の如き低融
点繊維では硬着するので避けなければならない。また乾
燥前に鉱物油系、シリコン系、フッ素系などの疎水性油
剤を付着させたり、乾燥時の収縮応力を緩和するため収
縮をさせることも硬着抑制に有効である。
【0016】また必要に応じて、乾燥後原糸を乾熱延伸
および/または乾熱処理(乾熱収縮を含む)を行なうこ
とができる。本繊維の融点が従来のPVA系繊維より低
いので、乾熱延伸および/または乾熱処理の温度は80
〜200℃と低温で行なうことが好ましい。
【0017】以上、本発明は、従来繊維用ポリマーとし
て使用できなかった低ケン化および/または高変性の低
融点PVA系ポリマーを溶解して得た紡糸原液を、特定
の固化溶媒に固化するなど固化の適正化と種々の硬着防
止対策を組み合せることによって初めて、硬着のない1
40〜205℃の融点を有する熱接着性かつ低温易水溶
性繊維を得たもので、従来の湿式紡糸、乾湿式紡糸、乾
式紡糸では得られない。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0019】実施例1 ビニルアルコールユニットが73モル%、酢酸ビニルユ
ニットが27モル%よりなり、重合度が650のケン化
度73モル%のPVAとDMSOを混合し、窒素置換
し、110Torr下の減圧下90℃で8時間撹拌溶解
し、その後、同じ110Torr下90℃で8時間脱泡
し、PVAが40%のDMSO溶液を得た。この紡糸原
液を90℃に保ち、孔数100、孔径0.12mmφの
ノズルより、2℃のアセトンとDMSOの混合重量比が
85/15よりなるアセトン/DMSO混合固化液中に
湿式紡糸した。得られた糸篠をアセトン/DMSO=9
8/2の混合液中で4.2倍の湿延伸を施こし、さらに
加熱アセトンと糸篠を向流接触させてDMSOを抽出除
去し、鉱物油系油剤を1%/ポリマーの量で付与後、8
0℃熱風乾燥機で乾燥し、300dr/100fのマル
チフィラメントを捲き取った。なお乾燥前に5%の収縮
を施こした。得られた繊維のケン化度は74モル%と原
料PVAとほぼ同じであり、融点は178℃と低く、水
溶解温度は2℃以下で、単糸デニールは3dであり、マ
ルチフィラメントには単糸間の硬着は全く見られず柔軟
性に富んでいた。得られたフィラメントを十字に重ね、
150℃で1分間高温圧着すると、よくひっついており
熱接着性を有することがわかった。
【0020】比較例1 固化液として、メタノール100%を用いる以外は実施
例1と同様に紡糸したが、固化性がわるく正常な固化糸
篠が得られなかった。
【0021】比較例2 湿延伸後の原液溶媒の抽出除去のためアセトンの代りに
メタノールを用いる以外は実施例1と同様に紡糸した。
アセトン液中で固化し、湿延伸され良好な湿延伸糸篠が
得られていたが、糸篠中のDMSOを抽出除去すべくメ
タノールに浸漬すると、メタノールにより糸篠が膨潤
し、1分浸漬後には正常な導糸が困難となり断糸した。
【0022】実施例2 ビニルアルコールユニットが78モル%、酢酸ビニルユ
ニットが22モル%よりなり、重合度が450のケン化
度78モル%のPVAとDMSOを混合し、実施例1と
同様に溶解脱泡して、PVAが48%のDMSO溶液を
得た。この紡糸原液を孔数50、孔径0.15mmφの
ノズルより、1cmのエヤキャップを通して、2℃の酢
酸メチルとDMSOの混合重量比が65/35よりなる
酢酸メチル/DMSO混合固化液に乾湿式紡糸した。得
られた糸篠を酢酸メチル/DMSO=90/10の混合
液中で6倍の湿延伸を施こし、加熱酢酸メチルと向流接
触させてDMSOを抽出除去し、シリコン系油剤を0.
3%/ポリマー付与後100℃窒素気流下乾燥し、10
0dr/50fのマルチフィラメントを得た。得られた
繊維の融点は194℃であり、水溶解温度は5℃以下で
あった。単糸デニールは2dでありマルチフィラメント
には単糸間の硬着は全く見られず柔軟性に富んでいた。
この繊維を捲縮、カットして得たステープル化とケン化
度99.9モル%のPVA繊維のステープルとを半分づ
つ混合してカードをかけて得られたウェッブに170℃
×50kg/cmの熱カレンダー処理を施こしたとこ
ろ、熱接着した不織布が得られた。
【0023】比較例3 ビニルアルコールユニットが93モル%、酢酸ビニルユ
ニットが7モル%よりなり、重合度が600のケン化度
93モル%のPVAとDMSOを混合し、実施例1と同
様にして、PVAが38%のDMSO溶液を得た。この
紡糸原液を、実施例1のアセトンの代りにメタノールを
用いる以外は実施例1と同様にして、300dr/10
0fのマルチフィラメントを得た。ケン化度93モル%
のPVAでは比較例1や比較例2の如き硬着は生起せ
ず、きわめて順調に紡糸することができた。得られた繊
維の融点は212℃と高く、水溶解温度は8℃であっ
た。この繊維を150℃の熱接着テストとしたところ、
あまり融着しなかった。
【0024】実施例3 マレイン酸ユニットが8モル%、酢酸ビニルユニットが
2モル%、ビニルアルコールユニットが90モル%より
なり、重合度が500のマレイン酸変性PVAとDMS
Oを混合し、実施例1と同様に溶解脱泡して、PVAが
42%のDMSO溶液を得た。この紡糸原液を実施例1
と同様にして300d/100fのマルチフィラメント
を得た。得られた繊維の融点は、180℃と低く水溶解
温度は4℃以下で、強度は1.2g/drで単糸間硬着
もみられなかった。またこの繊維を150℃で熱接着性
評価をしたところ接着性は良好であった。
【0025】比較例4 マレイン酸ユニット2.5モル%、酢酸ビニルユニット
が1モル%、ビニルアルコールユニットが96.5モル
%よりなり、重合度が750のマレイン酸変性PVAを
用いて実施例1と同様に紡糸した。得られた繊維の融点
は210℃と高く、水溶解温度は10℃であった。得ら
れた繊維と実施例3と同様に熱接着性を評価したとこ
ろ、実施例3より熱接着性が劣っていた。
【0026】
【発明の効果】本発明は、従来繊維用ポリマーとして使
用できなかった低ケン化および/または低融点PVA系
ポリマーを、特定の固化溶媒を用いるなどの特定条件下
で湿式あるいは乾湿式紡糸することにより、硬着のな
い、140〜205℃の融点を有する熱接着性かつ低温
易水溶性繊維を得たものである。本繊維はケミカルレー
ス基布などの生産において熱接着性を利用して製造プロ
セスを大幅に簡略化できるのみならず、低温で簡単に溶
解除去できるため、省エネルギー化をもはかれる点で、
工業的利用価値は大きい。
フロントページの続き (72)発明者 楢村 俊平 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルアルコールユニットが50〜95
    モル%、平均重合度が30〜3000のポリビニルアル
    コール系ポリマーよりなり、融点が140〜205℃、
    水溶解温度が0〜5℃、単糸デニールが0.1〜20d
    rの実質的に硬着のない水溶性ポリビニルアルコール系
    繊維。
  2. 【請求項2】 ビニルアルコールユニットが50〜95
    モル%、平均重合度が30〜3000、繊維状での融点
    が140〜205℃であるポリビニルアルコール系ポリ
    マーを該ポリマーに対して溶解能を有する原液溶媒に溶
    解し、得られた紡糸原液を、該紡糸原液に対して固化能
    を有する炭素数3以上の含酸素炭化水素と原液溶媒より
    なりその重量組成比が95/5〜40/60である固化
    液により固化し、3〜8倍の湿延伸を施こし、さらに炭
    素数3以上の含酸素炭化水素により原液溶媒を抽出し、
    120℃以下で乾燥することを特徴とする水溶性ポリビ
    ニルアルコール系繊維の製法。
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