JPH0742295B2 - 有機亜鉛化合物の製造法 - Google Patents

有機亜鉛化合物の製造法

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JPH0742295B2
JPH0742295B2 JP6475285A JP6475285A JPH0742295B2 JP H0742295 B2 JPH0742295 B2 JP H0742295B2 JP 6475285 A JP6475285 A JP 6475285A JP 6475285 A JP6475285 A JP 6475285A JP H0742295 B2 JPH0742295 B2 JP H0742295B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ジアルキル亜鉛(以下R2Znと略す)と、ジア
ルキルセレン(以下R2Seと略す)の付加体、からなる有
機亜鉛化合物の製造法に関する。
さらに詳しくは、半導体薄膜並びに半導体装置の製造技
術であるMO-CVD法の原料として有効なR2ZnとR2Seの付加
体からなる有機亜鉛化合物の製造法に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、青色発光ダイオード、及び薄膜EL素子用材料
であるセレン化亜鉛(ZnSe)及びその混晶薄膜の製造に
有効なMO-CVD法の原料である有機亜鉛化合物に於て、R2
ZnとR2Seとを混合し、反応及び熟成によつてR2ZnとR2Se
の付加体を高純度に、又再現性よく形成させる事によ
り、従来のR2Znに比較してH2Se又はH2S等の水素化物に
対する反応性が低く、従来MO-CVD法に於て問題となつて
いた原料の混合により、基板の上流で生じる不要な前反
応が生じ難く、良質のZnSe及びその混晶薄膜、ひいて
は、高性能半導体装置の実現を可能とする原料の製造法
を提供するものである。
〔従来技術〕
従来、ZnSe及びその混晶薄膜のMO-CVD法による製造に於
て、原料として、亜鉛ソースにジメチル亜鉛:Zn(CH3)2
ジエチル亜鉛:Zn(C2H5)2等の有機亜鉛化合物を用
い、硫化水素:H2S及びセレン化水素:H2Seと反応させ
るのが通例であつた。これらの原料を用いた場合の化学
反応は次式で表わされる。
(CH3)2Zn+H2Se→ZnSe+2CH4 … (C2H5)2Zn+H2Se→ZnSe+2C2H6 … しかしこれらの反応は、R2Znが活性であるためMO-CVD反
応装置内に原料ガスを導入すると該水素化物との混合と
同時に室温近傍でも気相中で反応が進行し、基板表面に
原料が到達する以前にZnSe微粒子を生成し、このZnSe微
粒子が薄膜成長用基板表面での成長過程に悪影響を及ぼ
しており、得られる結晶の質はあまり高くなかつた。
従来、これらの問題を解決する手段として(1)基板直
前でR2ZnとH2Seを混合する(例えば、J.Cryst Growth 5
9、P1、(1982)記載)、(2)減圧にして、ガス流速
を高める(例えば、Jpn.J.Appl.Phys.23、L360(1984)
記載)等の装置系の対策、並びに、(3)セレン原料と
して、H2Seの代りに、R2Seを用いる。(第45回応用物理
学会学術講演会P629(1984)、講演番号12a-S-3記載)
(4)R2ZnとR2Seを混合し、気相でR2Zn-SeR2なる付
加体を形成後、H2Seと混合して反応管に供給する。(J.
Cryst.Growth.66、(1984)P231記載)等の原料による
対策が公知であつた。
〔発明が解決しようとする問題点及び目的〕
上述の従来技術に基づくMO-CVD法に於ては、製法上及び
デバイスへの応用上次の如き問題点を有し、解決が望ま
れていた。
従来技術(1)及び(2)に対して 1.基板直前で混合するために、薄膜の膜厚,組成,ドー
パント分布等の均一性が得にくい。
2.大面積、多数枚基板の処理が困難で量産性に乏しい。
3.結晶の質が悪く、発光特性,電導特性が制御できな
い。
例えば、従来の製造法に於ては、R2ZnとH2Seとを、基板
から2cmの距離で混合吹き付けをしており、これにより
処理できる基板の大きさは高々直径20mm1枚であつた。
又、得られた結晶は多くの欠陥を有し、そのフオトルミ
ネツセンス特性は、高品質な結晶に見られる青色発光の
他に深い準位からの赤い発光も観測され、青色発光ダイ
オードには使用できなかつた。
従来技術(3)に対して、 1.混合に伴う室温でのZnSe微粒子の堆積は抑制できる
が、逆にR2Seが分解しにくいため、十分な成長速度を得
るため450℃程度の高温が必要であり、得られた結晶は
多くの欠陥を有する。
2.膜の成長は500℃以下では反応律速であり、成長基板
上の温度分布等によりバラ付きが大きい。
従来技術(4)に対して、 1.気相中での混合ではR2ZnとR2Seの反応は不完全であ
り、又その度合は、ガス流速,配管の長さ,温度等にも
影響を受け、完全に不要な前反応を抑制する事はでき
ず、又、データのバラツキも大きかつた。特に、赤外線
吸収スペクトルにより反応管内のガスを分析した所、R2
Zn-SeR2という付加体は形成されていないという報告
(J.Cryst.Growth.68(1984)P656記載)が為されてい
る。
上記R2Zn-SeR2付加体をZn原料に使う方法は、両者をは
じめから等モル量混合して得られる付加体を用いる事に
より、より向上するが、この場合にも次の如き問題点を
有する。
1.R2ZnとR2Seとの反応性はあまり高く無く、単に両者を
等モル量混合しただけでは、次式の R2Zn+R2Se→R2Zn-SeR2 … 反応を完結できず、得られたものの蒸気圧等の物性も、
混合条件,反応に用いる迄の履歴等により異り、バラ付
きが大きかつた。
2.又その結果として、該等モル量混合による付加体を原
料として、MO-CVD法によりH2Seと反応させて、ZnSeエピ
タキシヤル成長を行うと、エピタキシヤル薄膜の成長速
度並びにその物性の再現性が悪かつた。
本発明の目的は、かかる問題点を解決すべく、Zn原料と
して、H2Se又はH2Sとの反応性がR2Znに比べて低く、室
温での基板の上流で生じる不要な前反応をより完全に抑
制でき、且つ200℃以上の比較的低温に於ても十分反応
し、MO-CVD法にZn原料として用いる事で、良質の結晶薄
膜を大面積上に、多数枚上に成長可能であり、深い欠陥
準位からの発光の無いデバイスレベルの品質を有するZn
Se結晶及びその混晶薄膜を再現性よく実現する高純度な
有機亜鉛化合物の製造法を提供する点にある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の有機亜鉛化合物の製造法は、ア)ジアルキル亜
鉛とジアルキルセレンのうちの低沸点成分のモル量が両
者のうちの高沸点成分のモル量に対して過剰となるよう
に、前記ジアルキル亜鉛と前記ジアルキルセレンとを混
合する工程と、イ)前記ア)工程で混合されたジアルキ
ル亜鉛とジアルキルセレンとの混合物を加熱する工程
と、ウ)前記イ)工程の後、前記高沸点成分の量に対し
て過剰量となる前記低沸点成分を溜出除去する工程と、
を有することを特徴とする。
また、前記ア)工程において、ジアルキル亜鉛とジアル
キルセレンのうちの低沸点成分が両者のうちの高沸点成
分に対して1.05〜1.2当量比となるように、前記ジアル
キル亜鉛と前記ジアルキルセレンとを混合することを特
徴とする。また、前記混合物を加熱する工程が、0℃〜
40℃で10分〜3時間反応させる工程、徐々に昇温する工
程、30℃〜80℃で10分〜2時間熟成させる工程からなる
ことを特徴とする。
本発明に適用可能なR2Zn及びR2Seを表1にまとめて示す
が、この限りでない事は明らかである。
R2ZnとR2Seの付加体は、電子受容体としてのR2Znと、電
子供与体としてのR2Seとの、1対1の酸−塩基反応の結
果得られるもので、式 R2Zn-SeR2 … の構造からなる。該付加体の製造法としては、各成分の
等モル量の混合によつても原理的には可能であるが、反
応を完結し、高純度で再現性のある物性を有する付加体
を製造するには以下の工程が必要である。
R2ZnとR2Seとを、両者のうち低沸点成分を過剰に、好ま
しくは、低沸点成分対高沸点成分の比率を1.05〜1.2当
量比として混合し、両者を低沸点成分の沸点以下で、お
よそ0℃〜40℃で10分〜3時間、好ましくは10〜35℃で
30分〜1時間、充分に反応させる。
その後反応を完結するために、徐々に昇温し、30〜80℃
で10分〜2時間、好ましくは10〜15℃/時間の割で昇温
し、30〜70℃で30分〜1時間熟成させる。
最後に過剰成分を蒸留により除去する。
付加体の生成は以下の事実により確認できる。
(1)両者の混合により発熱する。
(2)生成した付加体の蒸気圧−温度曲線は、出発原料
のR2Zn及びR2Seのいずれとも異なる。
(3)原料の仕込み量、生成物及び溜出過剰成分の量か
ら、反応がR2ZnとR2Seの1:1で生じている。
(4)NMRによる解析 以下実施例に従い、本発明に基づく有機亜鉛化合物、並
びにその製造法を説明する。
〔実施例1〕 (CH3)2Zn-Se(CH3)2 300ml丸底フラスコに(CH3)2Seを63.5g(0.583モル)仕
込み、攪拌しながら(CH3)2Zn58.5g(0.613モル)を滴下
ロートにより滴下して反応させた。反応は発熱反応で、
発熱量は大であつた。
反応温度を8〜15℃に制御し、40分間反応を行つた。そ
の後15℃/時間の割で徐々に昇温し、45℃で1時間熟成
した。その後蒸留により不要な過剰分を溜出除去した。
生成物は118gであつた。
第1図は得られた付加体の蒸気圧−温度特性を示す。横
軸が温度、縦軸が蒸気圧である。
実線が付加体の、又、破線が各々、原料であるSe
(CH3)2及び(CH3)2Znの蒸気圧特性を示す。
又、表(2)に代表的温度に於ける蒸気圧の値を示す。
第2図にNMRによる生成物の(CH3)2Znのメチル基のプロ
トンによるシグナルを示す。
生成物のケミカルシフトは、δ=−0.63ppmであり、(CH
3)2Znの単一成分ではδ=−0.67ppmである事から(CH3)2
Zn-Se(CH3)2付加体の生成を認めた。
又同様の工程を経る事により、表3に示す付加体が得ら
れた。
又、得られた付加体の蒸気圧特性等物性値の異なるロツ
ト間のバラ付きは検出以下であり、又、NMRの結果から
も原料の(CH3)2Znの単独成分の存在は認められず極めて
高純度であつた。
次に上記実施例により得られた付加体を用いて、常圧の
横型MO-CVD装置によりZnSe結晶薄膜をGaAs単結晶基板上
に形成したところ、いずれの付加体に於ても良質の単結
晶薄膜が得られた。
(1)従来問題となつていた混合と同時に生じる気相中
でのR2ZnとH2Seとの前反応に伴う白濁粒子の流れ、薄膜
成長基板の上流での粒子の堆積は認められず、本発明に
基づく付加体及びH2SeをH2ガスをキヤリアーガスとし
て、反応管の直前で混合し、導入口から200mm離れたGaA
s単結晶基板上に表面状態が滑めらかな鏡面のZnSe単結
晶薄膜が得られた。
(2)膜厚の分布は、ガスの流れ方向に並べて置いた3
枚の2インチGaAs基板上で±5%以内であつた。
(3)得られた単結晶薄膜の(400)面×線ロツキング
カーブの半値巾は約0.1°と極めて良い結晶の配向性を
有し、又高圧Hgランプの365nmの光を照射する事によ
り、室温で4610Åの鋭いバンド端近傍の発光が得られ、
赤色領域の発光は認められなかつた。
(4)Zn原料であるR2Zn-SeR2付加体の供給量に対し、H
2Seリツチな条件で、膜の成長速度は、該付加体の供給
律速であり、その温度依存性は極めて小さかつた。
(5)成長速度及び発光特性等結晶品質の再現性は、MO
-CVDのバツチ間、並びに付加体のバツチ間に対して、非
常に安定していた。
等の事実により、本発明に基づくR2Zn-SeR2の付加体か
らなる有機亜鉛化合物が、MO-CVD法に於て有効な事が明
らかである。
〔発明の効果〕
以上述べた様に、本発明によれば、R2Zn及びR2Seを両者
のうち低沸点成分を過剰に混合し、加熱により反応及び
熟成を行つた後、過剰成分を溜出除去する事により、高
純度で、蒸気圧等物性定数の再現性を有するR2ZnとR2Se
の付加体からなる有機亜鉛化合物を提供する効果を有す
る。
これにより、青色に限らず可視発光ダイオード、半導体
レーザー及び薄膜EL素子等の製造に対し本発明の果す役
割が絶大なものである事を確信する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、有機亜鉛化合物の蒸気圧−温度特性図。 1……温度、2……蒸気圧 3……付加体、4……Se(CH3)2 5……(CH3)2Zn 第2図は、生成物のメチル基のプロトンによるシグナル
図。 6……ケミカルシフト、7……シグナル強度 8……TMS、9……生成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水本 照之 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 株式会 社諏訪精工舎内 (72)発明者 藤沢 正男 山口県防府市大字勝間3丁目1番 (72)発明者 市川 明宏 山口県徳山市大字徳山287番155号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ア)ジアルキル亜鉛とジアルキルセレンの
    うちの低沸点成分のモル量が両者のうちの高沸点成分の
    モル量に対して過剰となるように、前記ジアルキル亜鉛
    と前記ジアルキルセレンとを混合する工程と、 イ)前記ア)工程で混合されたジアルキル亜鉛とジアル
    キルセレンとの混合物を加熱する工程と、 ウ)前記イ)工程の後、前記高沸点成分の量に対して過
    剰量となる前記低沸点成分を溜出除去する工程と、 を有するジアルキル亜鉛とジアルキルセレンの付加体か
    らなる有機亜鉛化合物の製造法。
  2. 【請求項2】前記ア)工程において、ジアルキル亜鉛と
    ジアルキルセレンのうちの低沸点成分が両者のうちの高
    沸点成分に対して1.05〜1.2当量比となるように、前記
    ジアルキル亜鉛と前記ジアルキルセレンとを混合するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の有機亜鉛化
    合物の製造法。
  3. 【請求項3】前記混合物を加熱する工程が、0℃〜40℃
    で10分〜3時間反応させる工程、徐々に昇温する工程、
    30℃〜80℃で10分〜2時間熟成させる工程からなること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記載の
    有機亜鉛化合物の製造法。
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