JPH0742532B2 - 繊維強化型金属基複合材料に用いるセラミックス繊維予備成形体の製造方法 - Google Patents
繊維強化型金属基複合材料に用いるセラミックス繊維予備成形体の製造方法Info
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- JPH0742532B2 JPH0742532B2 JP3277333A JP27733391A JPH0742532B2 JP H0742532 B2 JPH0742532 B2 JP H0742532B2 JP 3277333 A JP3277333 A JP 3277333A JP 27733391 A JP27733391 A JP 27733391A JP H0742532 B2 JPH0742532 B2 JP H0742532B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックス繊維を用い
た繊維強化型金属基複合材料の製造工程において必要な
予備成形体の製造方法に関するものであり、この方法に
よれば品質の安定した予備成形体が容易に得られる。
た繊維強化型金属基複合材料の製造工程において必要な
予備成形体の製造方法に関するものであり、この方法に
よれば品質の安定した予備成形体が容易に得られる。
【0002】
【従来の技術】金属に繊維状物質を添加して、その機械
的強度を向上させたものは繊維強化型金属基複合材料と
呼ばれている。前記の繊維強化型金属基複合材料に用い
られる繊維状物質としては、アルミナ繊維、アルミナシ
リカ繊維、炭化けい素繊維、炭化けい素ウィスカー、窒
化けい素ウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー及び
ホウ酸アルミニウムウィスカー等の多くのセラミック系
繊維が検討されている。これらの繊維は溶融金属に対す
る濡れ性が悪かったり、強化繊維と溶融金属との間で化
学反応が起こるので、その複合化に際しては少々煩雑な
方法をとる必要がある。
的強度を向上させたものは繊維強化型金属基複合材料と
呼ばれている。前記の繊維強化型金属基複合材料に用い
られる繊維状物質としては、アルミナ繊維、アルミナシ
リカ繊維、炭化けい素繊維、炭化けい素ウィスカー、窒
化けい素ウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー及び
ホウ酸アルミニウムウィスカー等の多くのセラミック系
繊維が検討されている。これらの繊維は溶融金属に対す
る濡れ性が悪かったり、強化繊維と溶融金属との間で化
学反応が起こるので、その複合化に際しては少々煩雑な
方法をとる必要がある。
【0003】これまでに報告されている技術は、繊維
の予備成形体を作り、この空隙部分に金属の溶融物を加
圧溶浸させる方法(加圧溶浸法)、繊維と金属の粉末
を均一混合後、加圧しながら加熱して焼結する方法(粉
末冶金法)、予め繊維に金属の皮膜を形成させ、これ
を高温下で加圧して一体化させる方法(プリプレグ成形
法)、溶融状態の金属を強制的に攪拌しながら、繊維
を添加して均一になった後、冷却して複合化させる方法
(溶湯混合法)等である。現在、このうちの方法が最
も生産性が高く、いくつか工業的規模での実施例があ
り、将来発展するものと思われる。
の予備成形体を作り、この空隙部分に金属の溶融物を加
圧溶浸させる方法(加圧溶浸法)、繊維と金属の粉末
を均一混合後、加圧しながら加熱して焼結する方法(粉
末冶金法)、予め繊維に金属の皮膜を形成させ、これ
を高温下で加圧して一体化させる方法(プリプレグ成形
法)、溶融状態の金属を強制的に攪拌しながら、繊維
を添加して均一になった後、冷却して複合化させる方法
(溶湯混合法)等である。現在、このうちの方法が最
も生産性が高く、いくつか工業的規模での実施例があ
り、将来発展するものと思われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】加圧溶浸法により製造
される複合材料の性能を左右するのはセラミック系繊維
からなる予備成形体の性能であり、溶融金属の加圧溶浸
に耐えうる機械的強度、均一な繊維の分布、寸法精度等
の性能が要求される。このようなセラミックス繊維予備
成形体は、繊維を水等の溶媒に分散したスラリー状に
し、これを抄造または圧搾等により成形して得られる。
この際に成形性を高めるために、通常有機系のバインダ
ーとして、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース及びスターチ等が最大5%程度添加される。加
圧溶浸用の予備成形体とするには、さらに前記成形体を
乾燥し、600〜800℃で脱脂することが必要であ
る。
される複合材料の性能を左右するのはセラミック系繊維
からなる予備成形体の性能であり、溶融金属の加圧溶浸
に耐えうる機械的強度、均一な繊維の分布、寸法精度等
の性能が要求される。このようなセラミックス繊維予備
成形体は、繊維を水等の溶媒に分散したスラリー状に
し、これを抄造または圧搾等により成形して得られる。
この際に成形性を高めるために、通常有機系のバインダ
ーとして、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース及びスターチ等が最大5%程度添加される。加
圧溶浸用の予備成形体とするには、さらに前記成形体を
乾燥し、600〜800℃で脱脂することが必要であ
る。
【0005】このようにして得られる予備成形体は、有
機バインダーが焼失しているので、加圧溶浸に耐えるよ
うな強度を有していない。そのため最初に調整するスラ
リー中にシリカゾル、アルミナゾル等の無機系バインダ
ーを最大5%程度添加し、脱脂したのち、800〜12
00℃で焼結して、強度を発現させることが必要とな
る。
機バインダーが焼失しているので、加圧溶浸に耐えるよ
うな強度を有していない。そのため最初に調整するスラ
リー中にシリカゾル、アルミナゾル等の無機系バインダ
ーを最大5%程度添加し、脱脂したのち、800〜12
00℃で焼結して、強度を発現させることが必要とな
る。
【0006】このような無機系バインダーは強度を発現
させるが、幾つかの問題点がある。シリカ系バインダー
の場合、酸化珪素はその生成エネルギーが小さいので、
高温時に複合化する金属溶湯と接触した場合、酸化還元
反応が起こり易く、十分な強度を有する複合材が得られ
難い。このような酸化還元反応は特に非晶質で起こり易
いが、シリカ系バインダーを十分結晶化させるには12
00℃以上の温度が必要となる。しかしながら、シリカ
系バインダーを用いる限り溶融金属との反応は避けられ
ない問題であった。
させるが、幾つかの問題点がある。シリカ系バインダー
の場合、酸化珪素はその生成エネルギーが小さいので、
高温時に複合化する金属溶湯と接触した場合、酸化還元
反応が起こり易く、十分な強度を有する複合材が得られ
難い。このような酸化還元反応は特に非晶質で起こり易
いが、シリカ系バインダーを十分結晶化させるには12
00℃以上の温度が必要となる。しかしながら、シリカ
系バインダーを用いる限り溶融金属との反応は避けられ
ない問題であった。
【0007】また、アルミナ系バインダーの場合は溶融
金属と反応しにくいが、焼結温度が1000℃以上必要
であり、結晶化させるためには1300℃以上の焼結温
度が必要である。このように、機械強度があり且つ反応
しないような予備成形体を造るためには、無機系バイン
ダーを高温で焼結する必要があった。このような高温処
理は、強化繊維自体の劣化を引き起こし、工業的にもコ
ストアップになる等の難点があった。
金属と反応しにくいが、焼結温度が1000℃以上必要
であり、結晶化させるためには1300℃以上の焼結温
度が必要である。このように、機械強度があり且つ反応
しないような予備成形体を造るためには、無機系バイン
ダーを高温で焼結する必要があった。このような高温処
理は、強化繊維自体の劣化を引き起こし、工業的にもコ
ストアップになる等の難点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な課題を解決するため多くの試験研究を重ねた結果、無
機系バインダーとして焼結作用が高い上に溶融金属との
反応が少ないホウ酸アルミニウム粒子を用いることによ
り、所期の目的が達成できることを見い出し、本発明方
法を完遂したものである。
な課題を解決するため多くの試験研究を重ねた結果、無
機系バインダーとして焼結作用が高い上に溶融金属との
反応が少ないホウ酸アルミニウム粒子を用いることによ
り、所期の目的が達成できることを見い出し、本発明方
法を完遂したものである。
【0009】本発明方法において用いられるセラミック
ス繊維とは非晶質系、多結晶系、単結晶系(ウィスカー
類)等の繊維強化型金属基複合材料に通常用いられる繊
維であり、具体的にはアルミナ繊維、アルミナシリカ繊
維、ムライト繊維、炭化珪素繊維、炭素繊維、ジルコニ
ア繊維、炭化珪素ウィスカー、窒化珪素ウィスカー、チ
タン酸カリウムウィスカー、アルミナウィスカー、石膏
ウィスカー、マグネシアウィスカー、酸化亜鉛ウィスカ
ー、ムライトウィスカー及びホウ酸アルミニウムウィス
カー等である。これらの中で、ホウ酸アルミニウム系バ
インダーが特に効果的に作用するものとしては、アルミ
ナ繊維、アルミナシリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ
ウィスカー、ムライトウィスカー及びホウ酸アルミニウ
ムウィスカー等のアルミナ成分を含むものである。
ス繊維とは非晶質系、多結晶系、単結晶系(ウィスカー
類)等の繊維強化型金属基複合材料に通常用いられる繊
維であり、具体的にはアルミナ繊維、アルミナシリカ繊
維、ムライト繊維、炭化珪素繊維、炭素繊維、ジルコニ
ア繊維、炭化珪素ウィスカー、窒化珪素ウィスカー、チ
タン酸カリウムウィスカー、アルミナウィスカー、石膏
ウィスカー、マグネシアウィスカー、酸化亜鉛ウィスカ
ー、ムライトウィスカー及びホウ酸アルミニウムウィス
カー等である。これらの中で、ホウ酸アルミニウム系バ
インダーが特に効果的に作用するものとしては、アルミ
ナ繊維、アルミナシリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ
ウィスカー、ムライトウィスカー及びホウ酸アルミニウ
ムウィスカー等のアルミナ成分を含むものである。
【0010】無機系バインダーとして作用するホウ酸ア
ルミニウム粒子は、酸化アルミニウム、水酸化アルミニ
ウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム及び塩化ア
ルミニウム等の酸化アルミニウム成分とホウ酸及び酸化
ホウ素等の無水ホウ酸成分を化学量論量混合したのち、
800〜1200℃の温度で反応させることにより得ら
れ、化学式9Al2 O3 ・2B2 O3 あるいは2Al2
O3 ・B2 O3 で表されるものである。
ルミニウム粒子は、酸化アルミニウム、水酸化アルミニ
ウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム及び塩化ア
ルミニウム等の酸化アルミニウム成分とホウ酸及び酸化
ホウ素等の無水ホウ酸成分を化学量論量混合したのち、
800〜1200℃の温度で反応させることにより得ら
れ、化学式9Al2 O3 ・2B2 O3 あるいは2Al2
O3 ・B2 O3 で表されるものである。
【0011】反応により得られるホウ酸アルミニウム粒
子は通常1〜30μm程度の粒径であるが、無機系バイ
ンダーとして最も焼結能力を発揮させるためには1μm
未満に粉砕することが好ましい。この粉砕方法としては
乾式あるいは湿式のいずれでもよいが、1μm未満に粉
砕する場合は湿式ボールミル粉砕をすべきである。本発
明方法の実施に当たって、ホウ酸アルミニウムバインダ
ーの適切な添加量は、繊維量に対して0.1 〜5重量%で
ある。本発明方法の実施において、ホウ酸アルミニウム
バインダーの焼結温度は800〜1300℃の温度であ
り、高温になるほど成形体の機械強度は高くなるが、1
300℃を越えるとαアルミナに変化し、結晶粒が大き
く成長するため、焼結効果が薄れるので、適切ではな
い。
子は通常1〜30μm程度の粒径であるが、無機系バイ
ンダーとして最も焼結能力を発揮させるためには1μm
未満に粉砕することが好ましい。この粉砕方法としては
乾式あるいは湿式のいずれでもよいが、1μm未満に粉
砕する場合は湿式ボールミル粉砕をすべきである。本発
明方法の実施に当たって、ホウ酸アルミニウムバインダ
ーの適切な添加量は、繊維量に対して0.1 〜5重量%で
ある。本発明方法の実施において、ホウ酸アルミニウム
バインダーの焼結温度は800〜1300℃の温度であ
り、高温になるほど成形体の機械強度は高くなるが、1
300℃を越えるとαアルミナに変化し、結晶粒が大き
く成長するため、焼結効果が薄れるので、適切ではな
い。
【0012】これらの主原料を用いて繊維予備成形体を
調製する工程は次のとおりである。先ず前記のセラミッ
ク繊維を溶媒に分散し、湿式成形用のスラリー状あるい
はペースト状に調製する。この時のセラミック繊維の濃
度は通常2ないし50重量%であり、2重量%より少ない
場合は工業的に効率が悪く、逆に50重量%より大きい場
合はスラリーの粘度が高くなり過ぎ、均一な予備成形体
が得られにくいので適切でない。このとき用いられる分
散溶媒としては水、低級アルコール等の極性の高いもの
が好適であるが、ケトン類、パラフィン系あるいは芳香
族系等の有機溶媒でも使用可能である。
調製する工程は次のとおりである。先ず前記のセラミッ
ク繊維を溶媒に分散し、湿式成形用のスラリー状あるい
はペースト状に調製する。この時のセラミック繊維の濃
度は通常2ないし50重量%であり、2重量%より少ない
場合は工業的に効率が悪く、逆に50重量%より大きい場
合はスラリーの粘度が高くなり過ぎ、均一な予備成形体
が得られにくいので適切でない。このとき用いられる分
散溶媒としては水、低級アルコール等の極性の高いもの
が好適であるが、ケトン類、パラフィン系あるいは芳香
族系等の有機溶媒でも使用可能である。
【0013】次いで、調製したスラリーにポリビニール
アルコール樹脂、ポリビニールブチラール樹脂、カルボ
キシメチルセルロースあるいはスターチ等の有機系バイ
ンダー及び粉砕されたホウ酸アルミニウム粒子を無機系
バインダーとして添加し、十分攪拌する。このときの添
加量としては、繊維量に対し有機系及び無機系バインダ
ーとも夫々0.1 〜5重量%が好適である。
アルコール樹脂、ポリビニールブチラール樹脂、カルボ
キシメチルセルロースあるいはスターチ等の有機系バイ
ンダー及び粉砕されたホウ酸アルミニウム粒子を無機系
バインダーとして添加し、十分攪拌する。このときの添
加量としては、繊維量に対し有機系及び無機系バインダ
ーとも夫々0.1 〜5重量%が好適である。
【0014】このようにして調製したスラリーあるいは
ペーストを湿式で成形する方法としては抄造法と圧搾法
がある。抄造法は濾紙や濾布等を用いた自然濾過あるい
は吸引濾過を行うものであり、シート状、簡単なブロッ
ク状に成形するのに適しており、スラリー濃度を低くす
るのが好ましく、ペースト状のものには適用できない。
この方法はウィスカーに大きな圧縮力が作用しないの
で、比較的低いウィスカー体積分率(以下、Vfと略記
する)にすることが可能である。これに対し圧搾法は、
排水機構の付いた金型または樹脂型にスラリーあるいは
ペーストを供給し、上パンチで加圧脱水成形するもので
あり、複雑な形状のものを成形するのに適しており、脱
水を早く完了させるためにはウィスカー濃度を高くする
のが好ましい。加圧するため抄造法に比べVfは高くな
る。
ペーストを湿式で成形する方法としては抄造法と圧搾法
がある。抄造法は濾紙や濾布等を用いた自然濾過あるい
は吸引濾過を行うものであり、シート状、簡単なブロッ
ク状に成形するのに適しており、スラリー濃度を低くす
るのが好ましく、ペースト状のものには適用できない。
この方法はウィスカーに大きな圧縮力が作用しないの
で、比較的低いウィスカー体積分率(以下、Vfと略記
する)にすることが可能である。これに対し圧搾法は、
排水機構の付いた金型または樹脂型にスラリーあるいは
ペーストを供給し、上パンチで加圧脱水成形するもので
あり、複雑な形状のものを成形するのに適しており、脱
水を早く完了させるためにはウィスカー濃度を高くする
のが好ましい。加圧するため抄造法に比べVfは高くな
る。
【0015】このようにして得られたウェット状態の成
形物を濾紙や金型から取り外し、100〜200℃の温
度で乾燥し、さらに600〜800℃で脱脂したのち、
800〜1200℃にてホウ酸アルミニウム粒子を焼結
させることにより、目的の繊維強化型金属基複合材料に
用いられるセラミックス繊維予備成形体を得ることがで
きる。
形物を濾紙や金型から取り外し、100〜200℃の温
度で乾燥し、さらに600〜800℃で脱脂したのち、
800〜1200℃にてホウ酸アルミニウム粒子を焼結
させることにより、目的の繊維強化型金属基複合材料に
用いられるセラミックス繊維予備成形体を得ることがで
きる。
【0016】
【作用】ホウ酸アルミニウムの結晶表面は化1に示すよ
うな原子配列であると考えられる。即ち、アルミニウム
とホウ素が酸素を介して交互に鎖を形成し、ホウ素から
は表面方向に水酸基が結合し、本来アルミニウムに結合
していた水酸基は脱離して、酸素が陰イオンに、アルミ
ニウムが陽イオンになっている。ホウ素とアルミニウム
とでこのような差が生ずるのは、酸化ホウ素を水中に放
置すると容易にホウ酸となるのに対し、酸化アルミニウ
ムはアルミン酸(水和アルミナ)にはならないことから
も類推される。
うな原子配列であると考えられる。即ち、アルミニウム
とホウ素が酸素を介して交互に鎖を形成し、ホウ素から
は表面方向に水酸基が結合し、本来アルミニウムに結合
していた水酸基は脱離して、酸素が陰イオンに、アルミ
ニウムが陽イオンになっている。ホウ素とアルミニウム
とでこのような差が生ずるのは、酸化ホウ素を水中に放
置すると容易にホウ酸となるのに対し、酸化アルミニウ
ムはアルミン酸(水和アルミナ)にはならないことから
も類推される。
【0017】
【化1】
【0018】正ホウ酸(H3 BO3 )を200℃程度の
温度で加熱することにより、末端OH基が脱水縮合し、
メタホウ酸になることはよく知られた現象であり、この
ようなホウ素に結合しているOH基は反応性に富むもの
であり、本発明方法において用いられるバインダーはこ
の現象を利用したものである。もちろん、本発明方法の
強化繊維の例として挙げられているホウ酸アルミニウム
ウィスカーの表面も同様の特性を有し、またホウ酸アル
ミニウムを粉砕して比表面積を増大させれば、この特性
はより顕著になり、特に粒子径が1μm未満の場合には
反応性が著しく大きくなる。以下実施例及び比較例によ
って、本発明方法を具体的に説明する。
温度で加熱することにより、末端OH基が脱水縮合し、
メタホウ酸になることはよく知られた現象であり、この
ようなホウ素に結合しているOH基は反応性に富むもの
であり、本発明方法において用いられるバインダーはこ
の現象を利用したものである。もちろん、本発明方法の
強化繊維の例として挙げられているホウ酸アルミニウム
ウィスカーの表面も同様の特性を有し、またホウ酸アル
ミニウムを粉砕して比表面積を増大させれば、この特性
はより顕著になり、特に粒子径が1μm未満の場合には
反応性が著しく大きくなる。以下実施例及び比較例によ
って、本発明方法を具体的に説明する。
【0019】
【参考例1】平均粒子径2μmの水酸化アルミニウム及
び44μm未満に粉砕した正ホウ酸をアルミニウムとホ
ウ素のモル比が9:2になるように混合し、この混合物
を1200℃の温度に加熱して9Al2 O3 ・2B2 O
3 粒子を得た。この粒子径は約4μmであった。次いで
前記ホウ酸アルミニウム粒子を水に分散して30%スラ
リーとし、このスラリーを湿式ボールミルで粉砕して平
均粒子径約0.7μmのスラリーとし、固液分離を行わ
ずにスラリー状態で保存した。
び44μm未満に粉砕した正ホウ酸をアルミニウムとホ
ウ素のモル比が9:2になるように混合し、この混合物
を1200℃の温度に加熱して9Al2 O3 ・2B2 O
3 粒子を得た。この粒子径は約4μmであった。次いで
前記ホウ酸アルミニウム粒子を水に分散して30%スラ
リーとし、このスラリーを湿式ボールミルで粉砕して平
均粒子径約0.7μmのスラリーとし、固液分離を行わ
ずにスラリー状態で保存した。
【0020】
【参考例2】平均粒子径1μmの水酸化アルミニウム及
び44μm未満に粉砕した正ホウ酸をアルミニウムとホ
ウ素のモル比が2:1になるように混合し、この混合物
を1000℃の温度に加熱して2Al2 O3 ・B2 O3 粒
子を得た。この粒子径は約1μmであった。次いで前記
ホウ酸アルミニウム粒子を水に分散して30%スラリー
とし、このスラリーを湿式ボールミルで粉砕して平均粒
子径約0.7μmのスラリーとし、固液分離を行わずにス
ラリー状態で保存した。
び44μm未満に粉砕した正ホウ酸をアルミニウムとホ
ウ素のモル比が2:1になるように混合し、この混合物
を1000℃の温度に加熱して2Al2 O3 ・B2 O3 粒
子を得た。この粒子径は約1μmであった。次いで前記
ホウ酸アルミニウム粒子を水に分散して30%スラリー
とし、このスラリーを湿式ボールミルで粉砕して平均粒
子径約0.7μmのスラリーとし、固液分離を行わずにス
ラリー状態で保存した。
【0021】
【実施例1】平均繊維径3μmのアルミナ短繊維(商品
名:サフィルRF、英国インペリアル・ケミカル・イン
ダストリー社製)400gを4000ccの水でスラリー
とし、このスラリーに参考例1で得られたホウ酸アルミ
ニウム粒子を20g加えたのち、有機バインダーとして
1%のポリビニルアルコール水溶液を800cc加え、さ
らにポリアクリルアミド系の高分子凝集剤を0.4g添加
して原料調整を完了した。
名:サフィルRF、英国インペリアル・ケミカル・イン
ダストリー社製)400gを4000ccの水でスラリー
とし、このスラリーに参考例1で得られたホウ酸アルミ
ニウム粒子を20g加えたのち、有機バインダーとして
1%のポリビニルアルコール水溶液を800cc加え、さ
らにポリアクリルアミド系の高分子凝集剤を0.4g添加
して原料調整を完了した。
【0022】次いで、上下に減圧排水機構の付いた内径
100mmの金型を用い、水を吸引しながら前記スラリー
を厚さ80mmに湿式成形した。この成形物を脱型し、1
50℃の温度で乾燥したのち、さらに800℃にて有機
バインダーの脱脂を行い、次いで1000℃にて無機バ
インダーとしてのホウ酸アルミニウム粒子を焼結させて
予備成形体を完成させた。この時の繊維の体積率は1
8.5%であった。
100mmの金型を用い、水を吸引しながら前記スラリー
を厚さ80mmに湿式成形した。この成形物を脱型し、1
50℃の温度で乾燥したのち、さらに800℃にて有機
バインダーの脱脂を行い、次いで1000℃にて無機バ
インダーとしてのホウ酸アルミニウム粒子を焼結させて
予備成形体を完成させた。この時の繊維の体積率は1
8.5%であった。
【0023】この予備成形体を900℃に予熱し、25
0℃の温度に保温した金型にセットしたのち、800℃
の温度で溶解させたアルミニウム鋳造材AC8Aを80
0気圧の圧力で加圧溶浸させたところ、もとの予備成形
体の寸法の変化は殆ど見られず、縦断面を観察しても合
金組成の偏析は観測されず、本発明の無機バインダーの
効果を確認することができた。
0℃の温度に保温した金型にセットしたのち、800℃
の温度で溶解させたアルミニウム鋳造材AC8Aを80
0気圧の圧力で加圧溶浸させたところ、もとの予備成形
体の寸法の変化は殆ど見られず、縦断面を観察しても合
金組成の偏析は観測されず、本発明の無機バインダーの
効果を確認することができた。
【0024】
【実施例2】繊維径0.5ないし1μm、繊維長10ない
し30μm、化学式9Al2 O3 ・2B2 O3 で示され
るホウ酸アルミニウムウィスカー(商品名:アルボレッ
クスG、四国化成工業株式会社製)400gを4000
ccの水に分散させてスラリーとし、このスラリーに参考
例2で示したホウ酸アルミニウム粒子の30%スラリー
を40g、有機バインダーとしてポリビニルアルコール
の2%溶液400ccを加え、さらにポリアクリルアミド
系の高分子凝集剤0.4gを添加して原料調整を完了し
た。
し30μm、化学式9Al2 O3 ・2B2 O3 で示され
るホウ酸アルミニウムウィスカー(商品名:アルボレッ
クスG、四国化成工業株式会社製)400gを4000
ccの水に分散させてスラリーとし、このスラリーに参考
例2で示したホウ酸アルミニウム粒子の30%スラリー
を40g、有機バインダーとしてポリビニルアルコール
の2%溶液400ccを加え、さらにポリアクリルアミド
系の高分子凝集剤0.4gを添加して原料調整を完了し
た。
【0025】得られたスラリーを実施例1と同様の方法
により湿式成形し、乾燥、脱脂、焼結を行って、ウィス
カーの体積率19.5%の予備成形体を完成した。この予
備成形体を800℃に予熱し、200℃の温度に保温し
た金型にセットしたのち、800℃の温度で溶解させた
アルミニウム展伸材A−6061を1000気圧の圧力
で加圧溶浸させたところ、もとの予備成形体の寸法の変
化は殆ど見られず、縦断面を観察しても合金組成の偏析
は観測されず、本発明の無機バインダーの効果を確認す
ることが出来た。
により湿式成形し、乾燥、脱脂、焼結を行って、ウィス
カーの体積率19.5%の予備成形体を完成した。この予
備成形体を800℃に予熱し、200℃の温度に保温し
た金型にセットしたのち、800℃の温度で溶解させた
アルミニウム展伸材A−6061を1000気圧の圧力
で加圧溶浸させたところ、もとの予備成形体の寸法の変
化は殆ど見られず、縦断面を観察しても合金組成の偏析
は観測されず、本発明の無機バインダーの効果を確認す
ることが出来た。
【0026】
【実施例3】平均繊維径2.8μmのアルミナシリカ短繊
維(アルミナ/シリカ=47/52商品名:カオウー
ル、イソライト工業製)400gを4000ccの水に
分散させてスラリーとし、このスラリーに参考例3で示
したホウ酸アルミニウム粒子を20g、有機バインダー
としてデンプンの1%溶液800ccを加え、さらにポリ
アクリルアミド系の高分子凝集剤0.4gを添加して原料
調整を完了した。得られたスラリーを実施例1と同様の
方法により湿式成形し、乾燥、脱脂、焼結を行ったの
ち、ウィスカーの体積率24.5%の予備成形体を完成し
た。
維(アルミナ/シリカ=47/52商品名:カオウー
ル、イソライト工業製)400gを4000ccの水に
分散させてスラリーとし、このスラリーに参考例3で示
したホウ酸アルミニウム粒子を20g、有機バインダー
としてデンプンの1%溶液800ccを加え、さらにポリ
アクリルアミド系の高分子凝集剤0.4gを添加して原料
調整を完了した。得られたスラリーを実施例1と同様の
方法により湿式成形し、乾燥、脱脂、焼結を行ったの
ち、ウィスカーの体積率24.5%の予備成形体を完成し
た。
【0027】
【実施例4】繊維径0.3ないし0.5μm、繊維長5ない
し15μmの炭化珪素ウィスカー(商品名:TWS−1
00、東海カーボン株式会社製)400gを4000c
cの水に分散してスラリーとし、これに参考例4で得ら
れたホウ酸アルミニウム粒子の30%スラリー64g、
有機バインダーとしてポリビニルアルコールの2%溶液
400ccを加え、次いでポリアクリルアミド系の高分子
凝集剤0.4gを添加して原料調整を完了した。さらに実
施例1と同様の方法により湿式成形し、乾燥、脱脂、焼
結を行って、ウィスカーの体積率20.0%の予備成形体
を完成した。
し15μmの炭化珪素ウィスカー(商品名:TWS−1
00、東海カーボン株式会社製)400gを4000c
cの水に分散してスラリーとし、これに参考例4で得ら
れたホウ酸アルミニウム粒子の30%スラリー64g、
有機バインダーとしてポリビニルアルコールの2%溶液
400ccを加え、次いでポリアクリルアミド系の高分子
凝集剤0.4gを添加して原料調整を完了した。さらに実
施例1と同様の方法により湿式成形し、乾燥、脱脂、焼
結を行って、ウィスカーの体積率20.0%の予備成形体
を完成した。
【0028】
【比較例1】実施例2においてホウ酸アルミニウムを加
えずに予備成形体を調製したのち、同様にしてアルミニ
ウム展伸材A−6061を加圧溶浸したところ、予備成
形体は中央部分で高さ方向に約30%のへこみが発生
し、良好な金属基複合材料を得ることは出来なかった。
えずに予備成形体を調製したのち、同様にしてアルミニ
ウム展伸材A−6061を加圧溶浸したところ、予備成
形体は中央部分で高さ方向に約30%のへこみが発生
し、良好な金属基複合材料を得ることは出来なかった。
【0029】
【比較例2】実施例2において添加するホウ酸アルミニ
ウム粒子のスラリーの代わりに30%コロイダルシリカ
(商品名:スノーテックス、日産化学工業株式会社製)
を用い、同様の方法により予備成形体を調製した。得ら
れた予備成形体に実施例2と同様の方法によりアルミニ
ウム展伸材A−6061を加圧溶浸したところ、予備成
形体に大きな変形は生じなかったが、合金中のマグネシ
ウム成分がシリカと反応し、複合材中心部分にマグネシ
ウムの欠乏層が発生した。
ウム粒子のスラリーの代わりに30%コロイダルシリカ
(商品名:スノーテックス、日産化学工業株式会社製)
を用い、同様の方法により予備成形体を調製した。得ら
れた予備成形体に実施例2と同様の方法によりアルミニ
ウム展伸材A−6061を加圧溶浸したところ、予備成
形体に大きな変形は生じなかったが、合金中のマグネシ
ウム成分がシリカと反応し、複合材中心部分にマグネシ
ウムの欠乏層が発生した。
【0030】
【発明の効果】本発明方法によれば、焼結強度が高く、
且つマトリックス金属との反応性が低い繊維強化金属基
複合材料作製用の予備成形体を得ることが可能であり、
この予備成形体を用いれば、加圧溶浸法により高性能の
各種繊維強化型金属基複合材料を得ることができる。
且つマトリックス金属との反応性が低い繊維強化金属基
複合材料作製用の予備成形体を得ることが可能であり、
この予備成形体を用いれば、加圧溶浸法により高性能の
各種繊維強化型金属基複合材料を得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 バインダーとしてホウ酸アルミニウム粒
子を用いることを特徴とする繊維強化型金属基複合材料
に用いるセラミックス繊維予備成形体の製造方法。 - 【請求項2】 バインダーとして用いるホウ酸アルミニ
ウム粒子の大きさを粒子径1μm未満にしたことを特徴
とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 バインダーとして化学式9Al2 O3 ・
2B2 O3 あるいは2Al2 O3 ・B2 O3 で表される
ホウ酸アルミニウム粒子を用いることを特徴とする請求
項1に記載の方法。 - 【請求項4】 予備成形体のセラミックス繊維が化学式
9Al2 O3 ・2B2 O3 あるいは2Al2 O3 ・B2
O3 で表されるホウ酸アルミニウムウィスカーによって
構成されていることを特徴とする請求項1に記載の方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3277333A JPH0742532B2 (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | 繊維強化型金属基複合材料に用いるセラミックス繊維予備成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3277333A JPH0742532B2 (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | 繊維強化型金属基複合材料に用いるセラミックス繊維予備成形体の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0586424A JPH0586424A (ja) | 1993-04-06 |
| JPH0742532B2 true JPH0742532B2 (ja) | 1995-05-10 |
Family
ID=17582067
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3277333A Expired - Lifetime JPH0742532B2 (ja) | 1991-09-26 | 1991-09-26 | 繊維強化型金属基複合材料に用いるセラミックス繊維予備成形体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0742532B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0714649A2 (en) * | 1989-06-26 | 1996-06-05 | IURA, Tadashi | Bed |
| CN116573909A (zh) * | 2023-06-05 | 2023-08-11 | 郑州顿美生物科技有限公司 | 新修水泥路面裂缝同色修补材料 |
-
1991
- 1991-09-26 JP JP3277333A patent/JPH0742532B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0586424A (ja) | 1993-04-06 |
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