JPH0742547B2 - 高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板

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JPH0742547B2
JPH0742547B2 JP2276788A JP27678890A JPH0742547B2 JP H0742547 B2 JPH0742547 B2 JP H0742547B2 JP 2276788 A JP2276788 A JP 2276788A JP 27678890 A JP27678890 A JP 27678890A JP H0742547 B2 JPH0742547 B2 JP H0742547B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板に関するも
のである。
(従来の技術) 鋼板の高強度化には、、固溶強化、析出強化、組織強化
など種々の方法があるが、延性、深絞り性、張出し性等
の加工性を損なうことのない固溶強化法が主として採用
される。固溶強化のために鋼に添加される元素としては
Mn、Si、Pが代表的であるが、同一添加量での強化能は
P、Si、Mnの順に大きく、合金添加コストがこの順で小
さくなることからP、Siを主体とした成分設計がなされ
ている。更に、溶融亜鉛めっき鋼板の製造においては、
Siは難還元性酸化膜を生成して鋼板と溶融亜鉛との濡れ
性を低下させ、不めっきを誘発する。従って、Siを一定
範囲内に制限して、Pによる強化を行うことが一般的で
ある。
(発明が解決しようとする課題) かかるPを主体とする高強度化においては、合金化溶融
亜鉛めっき鋼板を製造する際の合金化反応が著しく抑制
され、連続ラインにおける鋼板の通板速度を低く制限せ
ざるを得ないために、生産能率上の大きい問題となって
いた。
本発明の目的は、かかる現状に鑑みて確実にかつ迅速に
合金化でき、生産性を著しく向上し得る高強度合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の要旨とするところは下記のとおりである。
(1) 重量%で、C:0.0060%以下、Si:1.0%以下、M
n:0.42%以上1.2%未満、P:0.030%以上0.10%以下、S:
0.1%以下、Al:0.005%以上0.1%以下、N:0.0060%以
下、およびNb、Ti、Bのいずれか1種あるいは2種以上
(但し、Ti−B複合系は除く)を、Nb:0.003%以上0.00
4%以下、Ti:0.003%以上0.045%以下、B:0.0002%以上
0.0040%以下の範囲で含有し、残部Feおよび不可避的不
純物からなる鋼において、Mn、P量を下記数式の範囲内
とし、引張強度35kgf/mm2以上の高強度鋼板表面に合金
化溶融亜鉛めっきを施した高強度合金化溶融亜鉛めっき
鋼板。
Mn(重量%)≧10・P(重量%) (2) Mn、P量を下記数式の範囲内とした前項1記載
の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
Mn(重量%)≧10・P(重量%)+0.45% 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造
するにあたり、鋼板成分のMn、P量をMn(重量%)≧10
・P(重量%)に制限することにより、高い合金化速度
が得られるとの新規知見を得た。
第1図ではMn、P以外の成分が本発明の範囲内の冷延鋼
板を連続溶融亜鉛めっきラインにて溶融亜鉛めっき、合
金化処理した場合の適正な合金化処理(めっき層中Fe濃
度:8〜10%)の可能な最大通板速度(図中数字は合金化
処理可能な最大通板速度mpm)を示し、この値が大きい
ほど優れた合金化速度を有することになる。めっきに先
立つ焼鈍は、800℃で45秒間行い、めっき浴に侵入する
鋼板温度は475℃、めっき浴温度は455℃とし、合金化処
理は加熱ガス量を500m3/Hr一定として行い、板温はMn、
P量に応じて480〜520℃に加熱した。Mn、P量を本発明
の範囲内とすることにより、従来鋼と比較して著しく合
金化速度に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板とな
る。
このようにMn、Pの範囲を特定することにより、合金化
速度を向上することのできる理由は、Mn、Pの表面濃化
挙動の相違に基づくものである。Pは、本来、表面に濃
化して浴中のAlと化合物を形成し、これにより著しく合
金化を抑制する。本発明者等は、MnがPと共存し、かつ
Pに対する比が一定値以上、即ち、Mn(重量%)≧10・
P(重量%)の場合には、Mnが優先的に表面濃化するこ
とを知見した。かかる条件下においては、MnがPよりも
優先酸化することにより、Pの表面濃化が抑制され、P
の合金化抑制効果を排除できるものである。
このようにして、合金化速度を向上するとともに、更に
深絞り等過酷な加工性を要求され、めっき金属の密着性
を一層強固なものとするためには、第2図に示すMn、P
量と合金層の密着性(評価基準は実施例と同じ)の関係
から明らかなように、Mn、P量を、Mn(重量%)≦10・
P(重量%)+0.45%の範囲に制限することが望まし
い。従って、加工度合いの大きい部品に適用される合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造にあたっては、前記の如
く、Mn(重量%)≧10・P(重量%)で、かつMn(重量
%)≦10・P(重量%)+0.45%の条件を満たす成分設
計が有利である。
このようにしてMn、P量を特定範囲にするとこによって
めっき密着性が向上する理由は、該範囲ではMnの優先酸
化による表面濃化が顕著となり、均一なめっき性、合金
化が阻害され難くなるためである。
Mn、P以外の添加元素の含有量を限定する理由は以下の
如くである。
CはNb、Tiと炭化物を形成して延性を低下せしめるた
め、0.0060%以下とする。
Siは難還元性酸化膜を生成して鋼板と溶融亜鉛との濡れ
性を低下せしめ、不めっきを誘発するため、1.0%以下
とする。
Mnは0.42%未満ではMnSの形成が不十分で熱間圧延時に
脆性割れを引き起こす。また、1.2%以上では脆弱な合
金層の生成を促進してめっき密着性を低下せしめる。従
って、上記Mn、P量の関係式で示される条件に加え、0.
42%以上1.2%未満とする。
Pは上記Mn、P量の関係式で示される条件に加え、0.03
0%以上0.10%以下とする。0.030%未満では強化のため
に添加するMn、P量が多くなってコスト高となり、0.10
%を越えると粒界に偏析して深絞り成形後の脆性破壊を
招くためである。
本発明の対象とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板は引張強
度35kgf/mm2以上の高強度鋼板とする。引張強度35kgf/m
m2未満の鋼板ではP、Mn等の添加量が少ないため本来の
合金化速度が比較的大きく、本発明の効果が顕著に得ら
れないためである。
SはMnSとして析出せしめるが、加工性劣化や必要なMn
添加量の上昇を招くため0.1%以下とする。
Alは脱酸のために添加し、0.005%未満では未脱酸に起
因する介在物の上昇による加工性の低下を引き起こし、
0.1%を越えると焼鈍時の粒成長を抑制することによる
加工性の低下を引き起こすため、0.005%以上0.1%以下
とする。
NはTiNもしくはAlNとして析出せしめるが、0.0060%を
越えると添加するTiあるいはAl量の増加によりコスト高
となる。従って、Nは0.0060%以下とする。
Nb、Ti、Bは鋼中のC、Nを炭窒素化物として析出せし
めて機械的性質におよぼすC、Nの悪影響を無害化する
ために添加する。Cの析出にはNb、Tiが有効であり、N
の析出にはTi、Bの添加が効果的である。かかる目的に
対し、Nbは0.003%以上0.04%以下、Tiは0.003%以上0.
045%以下、Bは0.0002%以上0.0040%以下の添加量が
必要である。いずれも下限値未満の添加量では炭窒化物
の析出が不十分で機械的性質の改善効果は小さく、逆に
上限値を越える添加量では再結晶温度の上昇や粒成長の
抑制を招き望ましくない。Nb、Ti、Bの添加は単独、複
合添加(但し、Ti−Bの複合添加を除く)いずれも可能
である。
熱間圧延、冷間圧延の条件は通常の操業条件でよい。
溶融亜鉛めっき条件、合金化処理条件に関しても特に規
定する必要はない。めっき量の如何を問わず本発明は有
効であるが、特にめっき付着量が片面50g/m2以上の場合
に効果は著しい。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の後処理として、塗装性を改
善するための鉄−亜鉛合金電気めっき、耐食性を向上せ
しめるためのクロメート処理等を実施する場合がある
が、これらは、本発明の効果を何等損なうものではな
く、いずれの後処理を行うこともできる。
(実施例) 次に本発明の実施例を比較例とともに挙げる。
注1:合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造は、連続亜鉛めっ
き設備で、焼鈍は還元炉方式の焼鈍炉で(775〜820℃)
−(25−60秒)の条件で行った。めっき浴への侵入板温
度は470〜510℃、めっき浴温度は455〜465℃、めっき浴
の組成は、Al:0.11〜0.16重量%、Fe:0.02〜0.04重量
%、残部Znおよび不可避的不純物、めっき量は片面あた
り30〜90g/m2である。めっきを施した後、ガス加熱方式
の合金化炉で合金化処理を行い、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板とした。合金化処理を行うために鋼板の加熱に用い
たガス量は全条件で一定の500m3/Hr、合金化処理時の平
均板温度は通板速度に対応して490〜510℃、加熱時間は
15〜30秒であった。50℃以下まで冷却した後0.8〜1.2%
の調質圧延を施した。
注2:合金化速度の評価は、板幅方向全面の合金化処理
(めっき層中Fe濃度:8〜10%)の可能な最大通板速度で
評価した。
注3:合金層密着性は溶着曲げ試験後の曲げ内面のめっき
層を市販セロテープで強制剥離してその剥離量で評価し
た(〔良好〕15〔不良〕,3が出荷限界)。
注4:機械的性質は、JIS5号試験片(引張強度、全伸
び)、JIS13号B試験片(r値)を用いて引張試験によ
り求めた。
このように本発明の鋼板は、いずれも極めて優れた合金
化処理速度を有し、比較例鋼板に対する優位性が明白で
ある。比較例のNo1,2,3はMn添加量が本発明範囲よりも
低いために、合金化速度が著しく低く、生産能率が劣
る。
また、本発明鋼板No.1,2,3,5,6,7は、めっき密着性が特
に良好であり、厳しい加工を施す用途に対しても十分適
用することができる。
(発明の効果) 本発明によれば、高強度鋼板において、確実にかつ迅速
に合金化でき、高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の生産
性を著しく向上することができる。また、めっき密着性
も向上させることができる等の優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はMn、P量と合金化速度の関係を示す説明図、第
2図はMn、P量とめっき層密着性の関係を示す説明図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 正人 愛知県東海市東海町5―3 新日本製鐵株 式會社名古屋製鐵所内 (56)参考文献 特開 平3−264649(JP,A) 特開 平2−236262(JP,A) 特開 平2−163346(JP,A) 特開 平1−184227(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.0060%以下、Si:1.0%以
    下、Mn:0.42%以上1.2%未満、P:0.030%以上0.10%以
    下、S:0.1%以下、Al:0.005%以上0.1%以下、N:0.0060
    %以下、およびNb、Ti、Bのいずれか1種あるいは2種
    以上(但し、Ti−B複合系は除く)を、Nb:0.003%以上
    0.04%以下、Ti:0.003%以上0.045%以下、B:0.0002%
    以上0.0040%以下の範囲で含有し、残部Feおよび不可避
    的不純物からなる鋼において、Mn、P量を下記数式の範
    囲内とし、引張強度35kgf/mm2以上の高強度鋼板表面に
    合金化溶融亜鉛めっきを施した高強度合金化溶融亜鉛め
    っき鋼板。 Mn(重量%)≧10・P(重量%)
  2. 【請求項2】Mn、P量を下記数式の範囲内とした請求項
    1記載の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。 Mn(重量%)≧10・P(重量%)+0.45%
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