JPH0743334A - 界面電位測定装置 - Google Patents

界面電位測定装置

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JPH0743334A
JPH0743334A JP19068493A JP19068493A JPH0743334A JP H0743334 A JPH0743334 A JP H0743334A JP 19068493 A JP19068493 A JP 19068493A JP 19068493 A JP19068493 A JP 19068493A JP H0743334 A JPH0743334 A JP H0743334A
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JP
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container
liquid
potential
sample
solid
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JP19068493A
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Toshibumi Fukui
俊文 福井
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Shimadzu Corp
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 懸濁液状態の試料の界面電位を、従来の超音
波振動電位の測定法に比してより簡単なセッティングの
もとに再現性よく高精度に測定することのできる装置を
提供する。 【構成】 懸濁液Sを収容する容器1内に圧力波による
定常波を作るための振動数可変の振動発生手段2,11
を装着するとともに、容器1内に一対の電極3a,3b
を設け、この電極3a,3bを、振動発生手段による定
常波の節の位置で、かつ、互いに奇数個分の節だけ離れ
た位置に配置した構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体中における固体試料
の表面と液との間に形成される固液界面の電気的情報を
測定するための界面電位測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】固液界面の電位測定法としては、従来、
その代表的なものとして電気泳動法と流動電位法とが知
られている。
【0003】電気泳動法は、液中に固体粒子等を分散さ
せて懸濁液状態とした試料の固液界面の電位を測定する
のに適した方法であり、測定すべき懸濁液を所定の容器
内に収容した状態で、容器内に配置された電極を介して
電気エネルギを与え、粒子の移動速度より電位を求める
方法である。
【0004】一方、流動電位法は、被測定固体と液との
間に相対的な運動を生じさせるべく容器中に充填された
固体試料および液に対して機械エネルギを与え、これに
よって生じる固体に対する液の流動運動に起因して発生
する電気出力を測定する方法であって、沈降等によって
懸濁液の状態となりにくい試料の測定に用いられる。
【0005】また、懸濁液における固液界面の電位を測
定する方法としては、電気泳動法のほかに、従来、容器
内に収容した試料懸濁液に一定周波数の超音波を照射し
て固液界面に相対運動を与えて超音波振動電位を生じさ
せるとともに、その半波長の奇数倍のところに電極を配
置して、その電位を測定する方法も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の各界面電位測定
方法のうち、懸濁液状態での測定に適した電気泳動法で
は、試料内の電気浸透流やジュール熱の発生、あるいは
電極分解反応等の妨害因子が多く、測定が煩雑となると
いう欠点があり、また、従来の超音波振動電位測定で
は、以下に示すような欠点がある。
【0007】すなわち、一定周波数の超音波振動を利用
してその超音波の波長に関連した位置に電極を配置して
いるため、液の温度をある温度に固定して波長をコント
ロールしなければ電位を正しく取り出すことはできない
ばかりでなく、容器の壁面からの反射波の影響を取り除
くためにハードとソフトで種々の工夫をしなければなら
ず、また、波が進行するため、得られた情報の処理にも
複雑な工夫を要するという欠点がある。
【0008】一方、懸濁液となりにくいサンプルの測定
に適した流動電位法では、試料の形状や容器への充填状
態により測定結果が大きく左右されるという欠点があ
る。すなわち、圧力損失の大小によって流動状態に相違
を生じやすく、そのため、測定結果にバラツキが生じや
すく、また、試料によっては圧力項の差分が出にくく、
測定精度が悪化するという問題もある。
【0009】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、その第1の目的は、懸濁液状態の試料につい
て、その種類に限定されずに幅広い試料の測定が可能で
あり、しかも、従来の超音波振動電位の測定方法に比し
て、測定に際しての複雑な条件設定や信号処理等を必要
とせず、容易に固液界面の測定が可能な界面電位測定装
置を提供することにある。
【0010】また、本発明の第2の目的は、懸濁液状態
となりにくい試料について、試料の形状や充填状態等に
よらず常に安定した測定データを得ることのできる界面
電位測定装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した第1の目的を達
成するための構成を、実施例図面である図1を参照しつ
つ説明すると、第1の発明は、試料懸濁液を収容するた
めの容器1と、その容器1内の液中に圧力波による定常
波を作るための振動数可変の振動発生手段(例えば圧電
素子2とその駆動回路11)と、容器1内に配置された
一対の電極3a,3bを備え、その各電極3a,3b
は、それぞれ振動発生手段2,11により容器内に形成
される定常波の節の位置で、かつ、互いに奇数個分の節
だけ離れた位置に配置されていることによって特徴づけ
られる。
【0012】また、上記した第2の目的を達成するため
の構成を、実施例図面である図4を参照しつつ説明する
と、第2の発明は、液を収容する容器101と、その容
器101内の液中で被測定固体試料を充填保持する試料
保持手段120と、容器101内の液に圧力波を与える
圧力波付与手段(例えば圧電素子102とそれを駆動す
る発振器111)と、その圧力波付与手段102,11
1による圧力波の進行方向に被測定固体試料を挟んで対
向配置された一対の電極103a,103bを備えたこ
とによって特徴づけられる。
【0013】
【作用】第1の発明は、容器1中の懸濁液に対して定常
波を加えることによって、従来の超音波振動電位の測定
方法における諸問題点を一挙に解決しようとするもので
ある。
【0014】すなわち、振動発生手段の振動数を変化さ
せることにより、容器1内の懸濁液の温度や他の振動条
件がどのようなものであろうとも、容器1内の懸濁液に
定常波を生じさせることができる。定常波の波長は容器
1内での振動面と反射面との間隔によって決めることが
でき、この波長にあわせて電極3a,3bの位置を規定
することができる。定常波は反射波の影響を受けず、波
の進行に起因するデータ処理が不要であり、また、試料
温度の変化にも振動数の変化で対応可能であり、所期の
目的を達成できる。
【0015】一方、第2の発明は、固液界面の相対運動
を、従来のように液の流動によらずに圧力波で生起させ
ることにより、従来技術の欠点を除去しようとするもの
である。
【0016】すなわち、試料保持手段により保持された
状態の固体試料を液中に浸した状態で圧力波を付与する
ことにより、固体試料の形状や保持ないしは充填状態に
因らずに安定した固液界面での相対運動が得られ、この
圧力波の進行方向に直交して電極103a,103bを
配置しておくことにより、高精度で安定したデータを得
ることが可能となる。
【0017】
【実施例】図1は第1の発明の実施例の構成図である。
被測定懸濁液Sは容器1内に収容される。容器1には、
その一側面に圧電素子2が装着されており、この圧電素
子2は発振周波数可変の駆動回路11が接続されて可変
周波数で振動できるようになっている。そして、この圧
電素子2の振動により、後述するように容器1内の懸濁
液Sに超音波の定常波が作られる。
【0018】容器1内には、圧電素子2による定常波の
節となる位置で、しかも互いに定常波の節の奇数個分を
開けた位置に、一対の電極3a,3bが配設されてお
り、この電極3a,3bによって界面動電現象に伴う電
位差が検出され、その検出結果は適当な計測回路および
A−D変換器(いずれも図示せず)を介してコンピュー
タ12に採り込まれる。
【0019】容器1の圧電素子2と対向する側面には別
の圧電素子4が装着されており、この圧電素子4によっ
て、圧電素子2の振動により生じた懸濁液S中の定常波
の音圧が計測されると同時に、定常波のモニターが行わ
れ、その結果はコンピュータ12に採り込まれる。
【0020】容器1には、温度計5、導電率計6、PH
計7、粘度計8が取り付けられており、これらの各計測
機器による計測結果はコンピュータ12に採り込まれ
る。また、容器1にはビュレット9および温調機10が
取り付けられており、このビュレット9および温調機1
0はコンピュータ12からの制御信号によって動作し、
容器1内の懸濁液SのPHや粘度等の状態や温度をコン
トロールできるようになってる。
【0021】すわなち、コンピュータ12は、圧電素子
4、温度計5、導電率計6、PH計7および粘度計8の
出力を採り込んで、圧電素子2の振動によって容器1内
の懸濁液Sに定常波が形成されるよう、駆動回路11に
制御信号を発して圧電素子2の振動数を適宜に調整し、
また、加えてビュレット9および温調機10に制御信号
を発して懸濁液Sの測定環境を整える。
【0022】ここで、圧電素子2の振動による定常波の
形成は、容器1の当該圧電素子2による振動面と、これ
に対向する反射面との間隔から、その波長を定めること
ができる。そして、この波長の超音波が懸濁液S内に生
じて定常波を形成するよう、圧電素子4による超音波の
モニター結果から、懸濁液温度をはじめとするパラメー
タの変化に追随して圧電素子2の振動数が調整される。
これにより、容器1内の懸濁液Sには常に定常波が形成
されるようになっている。電極3a,3bは、このよう
に定められた定常波の節の位置で、互いにその奇数個分
の節だけ間隔を開けて配置されるわけである。
【0023】コンピュータ12では、また、電極3a,
3bからの界面動電現象に伴う電位差の検出結果から、
後述する算法によってゼータ電位を算出を行い、その算
出結果をディスプレイ13に表示し、あるいはプリンタ
14に印字する。
【0024】次に、以上の実施例によるゼータ電位の測
定原理について説明する。まず、振動電位について述べ
る。電界溶液中に粒子が分散した系に周期的振動を与え
ると、電気泳動遅延効果により粒子と粒子を取り囲むイ
オン雰囲気の動きにずれが生じる。イオン雰囲気が元に
戻るまでの緩和時間が有限であるため、この間非対象効
果による分極が起こり、粒子とイオン雰囲気は電気双極
子を形成する。このとき、振動の周期が緩和時間よりは
るかに大きければ、振動の周期に伴って振動する周期的
分極が生じる。このため、圧力波の進行方向に半波長の
奇数倍離れた距離に一対の電極を設置すると、圧力波と
同一の周波数を持つ交流電位を測定できる。これを振動
電位という。図2に音場における粒子の分極の様子を示
す。
【0025】このような振動電位の理論的取扱いはSmol
chowski により次の(1)式で示される。
【0026】
【数1】
【0027】この式は基本的には沈降電位の式と同じで
あり、沈降電位における重力加速度が圧力波による加速
度に置き替わっているだけである。ここで、Eが振動電
位であり、Pは圧力、φは粒子の体積分率、ρ2 および
ρ1 はそれぞれ溶質と溶媒の密度、ε0 およびεはそれ
ぞれ真空誘電率と溶媒の誘電率、λ0 は溶媒の導電率、
ζはゼータ電位、ηは溶媒の粘度である。
【0028】Smolchowski は一個の粒子を考え、希薄溶
液の場合は粒子間相互作用は無視できるとし、また、粒
子の動きはストークスの法則に従うとし、圧力波によっ
て動かされる液の速度をu、液に対する粒子の相対速度
をv、粒子半径をa、時間軸をtとすると、
【0029】
【数2】
【0030】となる。圧力波の進行方向に距離xをとる
と、液の速度uは速度振幅をU、圧力波の周波数をf、
波長をλf として
【0031】
【数3】
【0032】と表される。(2),(3)式より、
【0033】
【数4】
【0034】となる。分散系が全体として電気双極子の
集合体として振る舞うと考えた場合、全体のポテンシャ
ルΦは、
【0035】
【数5】
【0036】となる。ここで、Nは単位体積当たりの双
極子の数であり、mは双極子モーメントである。また、
【0037】
【数6】
【0038】であり、mは
【0039】
【数7】
【0040】で表される。ここで、f(χα)はHenry
の補正関数と呼ばれるものであって、χα→0のときf
(χα)→2/3,χα→∞のときf(χα)→1であ
る。また、χはDebye の長さ(電気二重層の厚みδ)の
逆数である。δ≪aとしてよい場合には、χα≫1すな
わちf(χα)≒1とおける。従って、x=λ/2とし
て、(4)〜(8)より
【0041】
【数8】
【0042】が得られる。ΦE は半波長の距離離れた一
対の電極間に現れる電位の振幅の最大値を示しており、
E=ΦE として(1)式が求まる。(1)は希薄溶液に
ついて解かれたもので、粒子間相互作用を無視している
ため濃厚系には適用できない。そのため、濃厚系につい
てはLivine他のセルモデル理論を適用し、(1)式に粒
子間相互作用の項を付加して(12)式のように修正さ
れる。
【0043】
【数9】
【0044】γ(χα,φ)は粒子間の電気的相互作用
の項であり、Ω(φ)は流体力学的相互作用の項であ
る。(12)式は、χα≫1の条件のもとでは
【0045】
【数10】
【0046】と近似できる。さて、振動電位の測定を行
う場合、液中での相対運動が圧力波による理想的な形に
なることが望まれる。その一つの方法として定常波によ
る力場をつくることが考えられる。
【0047】定常波は一つの進行波と、その平面壁によ
る反射波とが重なったときに生じるが、全ての場所にお
いて同一の位相を持つ振動が現れ、その端から半波長の
奇数倍の位置では振幅は0であり、偶数倍の位置では最
大となる。これらの点はそれぞれ定常波の節および腹と
呼ばれる。
【0048】定常波ができる条件は、圧力波が伝播する
媒質の種類や温度、圧力波の周波数、振動面と反射面と
の距離といった複数の要因が複雑にからんでくる。しか
し、進行波と反射波が重なりさえすれば定常波ができる
のであるから、周波数を可変とすることで他の要因もま
とめて解決することができる。すなわち、振動面と反射
面との距離が1/4波長の奇数倍になるように周波数を
設定してやれば定常波が成立する。
【0049】定常波中でも、やはり粒子と粒子を取り囲
むイオン雰囲気は電気泳動遅延効果により電気双極子を
形成する。このため、奇数個離れた振幅の節と節の間に
一対の電極を設置すると振動電位を測定することができ
る。ただし、この場合2Pの圧力がかかっていることに留
意しなければならない。図3に定常波中における粒子の
分極の様子を示す。
【0050】以上の第1の実施例において特に注目すべ
き点は、コンピュータ12からの制御信号に従って駆動
回路11からの駆動信号に基づいて、振動周波数が適宜
に変化する圧電素子2により、容器1中の懸濁液Sに常
に定常波が形成された状態で超音波振動電位UVP が測定
される点であり、これにより、従来の超音波電位測定法
のように懸濁液Sの温度を始めとする超音波伝播条件を
厳密にコントロールすることなく、また、反射波の影響
等を考慮することなく、常に高精度のUVP 測定が可能と
なる。
【0051】次に、第2の発明の実施例を、その全体構
成図である図4を参照しつつ説明する。この第2の発明
の実施例においては、液中に懸濁しにくい、あるいは懸
濁し得ない固体試料Bは試料ホルダ120に保持された
状態で、容器101内に満たされた液Lの中に置かれ
る。
【0052】容器101にはその一側面に圧電素子10
2が装着されているとともに、これと同軸上で、かつ、
容器101の対向する側面にも圧電素子104が装着さ
れている。また、これらの中心軸は前記した試料ホルダ
120の中心軸と一致している。
【0053】一方の圧電素子102は発振器111から
供給される信号により、容器101内の液L中に超音波
による圧力波を照射する。また、他方の圧電素子104
は、この圧力波を受け、その圧力に応じた電気信号を出
力する。この出力はコンピュータ112に採り込まれ
る。
【0054】容器101内には、圧力波の進行方向にそ
れぞれ垂直な姿勢で、かつ、圧力波の進行方向に互いに
所定の距離を隔ててその間に試料ホルダ120を挟み込
むように対向する一対の電極103a,103bが配設
されており、これらによって圧電素子102からの圧力
波による界面動電現象による電位差を検出する。この検
出結果もコンピュータ112に採り込まれる。
【0055】容器101には温度計105、導電率計1
06、PH計107、粘度計108が取り付けられてお
り、これらにより容器101内の液Lの状態が測定さ
れ、その測定結果についてもコンピュータ112に採り
込まれる。
【0056】容器101にはまた、ビュレット109と
温調機110が取り付けられており、これらはコンピュ
ータ112からの制御信号に基づいて動作するように構
成されている。
【0057】コンピュータ112では、容器101に取
り付けられた電極103a,103bおよび圧電素子1
04からの信号、および他の各計測機器からの信号を入
力して、後述する理論に基づいてゼータ電位を算出する
とともに、容器101内の温度やPH等のパラメータが
適宜範囲内に収まるようにコントロールする。このコン
ピュータ112で得られたゼータ電位をはじめとする情
報は、ディスプレイ113に表示し、あるいはプリンタ
114に印字される。
【0058】試料ホルダ120の具体的構成例を挙げる
と、固体試料Tが管、繊維、プレート、ペレット、ある
いはマーブル等である場合に適したものを図5に外観図
で示す。
【0059】この例において試料ホルダ120は円筒形
をなし、内部に固体試料Tを充填保持する。そしてその
両端にはメッシュ状の電極103a,103bが装着さ
れ、これらで蓋を兼用している。ここで、メッシュ状の
電極103a,103bは、その目開きを試料Tがこぼ
れ落ちない程度に細かくする必要があると同時に、メッ
シュは圧力波の伝達を妨害しないように配慮する必要が
ある。例えば、200KHzの周波数を持つ超音波によ
る圧力波を圧電素子102によって発生させる場合、そ
の波長は約7.5mmとなり、この場合、線径0.5m
m程度の線を用いたメッシュで、目開きがその線径と同
程度であれば、回折現象により波が回り込むので、メッ
シュの存在による障害は無いに等しい程度となる。この
ようなことから、試料Tの大きさに応じて圧力波の波長
とメッシュとを適宜に選択することにより、十分に測定
が可能である。
【0060】以上の第2の発明の実施例において注目す
べき点は、圧力波を圧電素子102による超音波で形成
している点であり、これにより、少電力で効果的な圧力
波を得ることができる。
【0061】さて、次に、以上第2の発明の実施例にお
ける測定原理について述べ、電極103a,103bに
よる電位差が試料のゼータ電位等に変換できることを明
らかにする。
【0062】拡散二重層の電位ψは、点電荷を持つフリ
ーイオンがPoisson-Boltzman分布に従っていると仮定す
ると、系に含まれるイオン種のSummation の型で表すこ
とができる。すなわち、
【0063】
【数11】
【0064】と表せる。εi は拡散二重層中の誘電率、
zi はイオン価、eは電気素量、niはイオン密度、k
はボルツマン定数、Tは温度であり、対称型電解質(z
i =−zi =z,ni =−ni =n)の場合は次式のよ
うに書ける。
【0065】
【数12】
【0066】電気二重層の厚みが十分薄い場合には界面
を平板と見なすことができ、固体表面からの距離をxと
してラプラシアン∇2 ψをd2 ψ/dx2 とおいて積分
を行い、次式が得られる。
【0067】
【数13】
【0068】ただし、
【0069】
【数14】
【0070】であり、ψ0 はStern 電位である。Debye-
Huckelの近似(zeψ0 ≪kT)が成立する場合には、
【0071】
【数15】
【0072】となるため、ψは次のように簡単になる。
【0073】
【数16】
【0074】また、表面電荷密度σは静電気学の定理よ
り次式で示される。
【0075】
【数17】
【0076】これを解いて
【0077】
【数18】
【0078】である。界面動電現象で求められるゼータ
電位ζは、Stern 面での電位ではなく滑り面での電位で
あるが、電気二重層の複雑さから多くの場合ψ0 =ζと
近似して取り扱われている。
【0079】さて、上田他は、ガラス毛細管と希薄溶液
を用いて、音波または超音波により周期的に変化する圧
力を用いて音波または超音波と同一特性の流動電位を取
り出すことに成功し、この現象をU−効果Iと名付け
た。
【0080】この現象に界面動電現象論的理論考察を行
うと次のよになる。固−液層において、固体どうしの間
に存在する液体を毛細管中に存在する液体に見なすこと
ができると仮定し、固−液層を毛細管の集合と見なす。
【0081】いま、図6に示すように一本の毛細管を考
えその半径をr,長さをlとする。毛細管壁の表面電荷
が厚さδの電気二重層により中和されているとすると、
Hel-mholtzの分子容量説よりその電荷量qは
【0082】
【数19】
【0083】となる。ε0 は真空の誘電率、εr は液の
誘電率、ζはゼータ電位である。図5中矢印の方向に圧
力波振動を与えることにより、固液界面に相対運動を起
こすと、圧力波の圧力は、振動の角速度をω、時間をt
としてP0sinωtと表すことができる。波の変位をxと
すると、
【0084】
【数20】
【0085】であり、ρは液の密度、cは圧力波の速度
である。一方、振動による電荷移動量Iは
【0086】
【数21】
【0087】である。距離lの間に発生する電位差を
E、液の比導電率をλとすると0hm の法則により、
【0088】
【数22】
【0089】であるから、(23)〜(26)より、
【0090】
【数23】
【0091】となる。また、σ≪rであるとし、管壁の
電気二重層の滑り面内の運動方程式は圧力の項と粘性の
項が釣り合うとして
【0092】
【数24】
【0093】と表せる。ここで、ηは液の粘度である。
(24),(27),(28)よりδを消去して、
【0094】
【数25】
【0095】が得られる。ΦE は電位の振幅の最大値を
示しており、E=ΦE として取り扱えば、この式は流動
電位の式と同じである。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明によれ
ば、振動数可変の振動発生手段によって、容器中の懸濁
液に定常波を形成するとともに、その定常波の節の位置
に、互いに奇数個分の節を隔てて一対の電極を設け、こ
の電極によって懸濁液内の界面動電位現象に伴う電位差
を検出するように構成しているので、超音波振動電位測
定による界面電位測定方法の利点を活かしながら、従来
の超音波振動電位測定法に比して、懸濁液の温度や他の
超音波伝播条件の厳密なコントロールを行う必要がなく
なるとともに、反射波の影響を考慮する必要がなくなっ
て信号処理が比較的簡単化されることになり、より簡単
に懸濁液の界面の電気的情報を得ることができる。ま
た、この第1の発明の構成によれば温度をパラメータと
した分析が可能であるという利点もある。
【0097】第2の発明によれば、懸濁液化しにくい固
体試料について、その試料を試料ホルダ内に充填保持し
た状態で液中に浸すとともに、その固液界面の相対運動
を圧力波の付与によって生起させるように構成したの
で、固液界面の相対運動が従来の流動電位法に比して大
幅に安定し、試料形状や充填状態によるデータのばらつ
きがなくなり、高精度に、しかも再現性よく安定したデ
ータを得ることが可能となった。また、この第2の発明
ではバッチ式の測定を行うため、液の量が少量で済み、
比較的簡単にパラメータを変えて測定を行うことができ
るという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施例の構成図
【図2】懸濁液中で圧力波が伝播したときの場における
粒子の分極の様子の説明図
【図3】定常波中における粒子の分極の様子の説明図
【図4】第2の発明の実施例の構成図
【図5】その試料ホルダ120の具体的構成例を示す外
観図
【図6】U−効果Iの界面動電現象論的理論考察を行う
ための説明図
【符号の説明】
1,101 容器 2,4,102,104 圧電素子 3a,3b,103a,103b 電極 5,105 温度計 6,106 導電率計 7,107 PH計 8,108 粘度計 9,109 ビュレット 10,110 温調機 11 駆動回路 111 発振機 12,112 コンピュータ 120 試料ホルダ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒液中に固体粒子が分散してなる懸濁液
    中における固液界面に存在する電位を測定するための装
    置であって、試料懸濁液を収容するための容器と、その
    容器内の液中に圧力波による定常波を作るための振動数
    可変の振動発生手段と、上記容器内に配置された一対の
    電極を備え、その各電極は、それぞれ上記振動発生手段
    により容器内に形成される定常波の節の位置で、かつ、
    互いに奇数個分の節だけ離れた位置に配置されているこ
    とを特徴とする界面電位測定装置。
  2. 【請求項2】 沈殿等により液中に分散しにくい固体材
    料の固液界面に存在する電位を測定するための装置であ
    って、液を収容する容器と、その容器内の液中で被測定
    固体試料を充填保持する試料保持手段と、上記容器内の
    液に圧力波を与える圧力波付与手段と、その圧力波付与
    手段による圧力波の進行方向に被測定固体試料を挟んで
    対向配置された一対の電極を備えたことを特徴とする界
    面電位測定装置。
JP19068493A 1993-07-30 1993-07-30 界面電位測定装置 Pending JPH0743334A (ja)

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