JPH0743370B2 - 分析測定における電子移動剤として置換オルト−キノン類を使用する組成物および方法 - Google Patents

分析測定における電子移動剤として置換オルト−キノン類を使用する組成物および方法

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JPH0743370B2
JPH0743370B2 JP18676987A JP18676987A JPH0743370B2 JP H0743370 B2 JPH0743370 B2 JP H0743370B2 JP 18676987 A JP18676987 A JP 18676987A JP 18676987 A JP18676987 A JP 18676987A JP H0743370 B2 JPH0743370 B2 JP H0743370B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、臨床化学に関する。とくに、本発明は、或る
種の置換キノン電子移動剤を利用して水性液体(例え
ば、生物学的流体)中の被検試料(例えば、生存細胞
〔以下、生きている細胞ともいう〕)を測定するための
組成物および方法に関する。
〔従来の技術〕
流体、例えば、水、乳および生物学的流体の化学分析
は、健康の維持および診断処理のためにしばしば望まし
くあるいは必要である。このような分析を促進するため
の種々の組成物および要素は知られている。このような
組成物および要素は、一般に、分析する物質(ここでは
被検試料と呼ぶ)を測定するための試薬組成物を包含す
る。被検試料は、生物学的有機体または化学物質である
ことができる。この試薬組成物は、被検試料と相互作用
すると、検出可能な変化(例えば、色素の形成)を提供
する。
最近、生物学的流体、例えば、全血、血清、血漿、尿な
どの迅速かつ高度に定量的な診断または臨床的分析に有
用な組成物および要素を開発するために、多数の研究が
行なわれてきた。
伝染病の迅速かつ有効な診断および処置のために、病気
を起こすバクテリアをできるだけ迅速に検出することが
望ましい。尿道の感染は最も普通のバクテリア病気の1
つであり、頻度の点で気道の感染だけに次ぐものであ
る。事実、多くの病院において、尿道の感染は病院内の
感染が最も普通の形態であり、しばしばカテーテルおよ
び種々の外科的手順の使用に引続いて起こる。ほとんど
の尿道の感染(UTI)は、尿道を通して導入された微生
物による上昇する感染によって生じ、過酷さの点におい
て無自覚の感染からきびしい全身の病気まで変化する。
このような感染は、通常、尿1mlにつき100,000(105
以上の有機体のバクテリア計数(有意な細菌尿と呼ばれ
る状態)に関連する。正常の状態の下で、尿は無菌であ
るが、外性器からの汚染は、適切に集めかつ輸送された
標本において、1,000(103)有機体/mlまでを寄与する
ことがある。
有意の細菌尿は、尿道の組織のいずれかの微生物の侵入
を含む多数の病理学的状態において存在することがあ
り、あるいは組織の侵入なしに尿中の単純なバクテリア
の増殖から生ずることがある。感染は単一の部位、例え
ば、尿道、前立腺、膀胱、または腎臓を含むことがある
が、しばしばそれは1より多い部位を含む。尿に限定さ
れた感染は、それ自体、無症候性細菌尿性(すなわち、
感染の明白な微候または症候を示さない状態)として現
われることがある。この状態の早期の処置は、より重大
な状態、例えば、腎孟腎症(腎臓および腎孟の炎症)の
発現を防止することができる。したがって、信頼性ある
方法によるバクテリアの迅速な検出は早期の診断を促進
する。
さらに、処方した抗生物質が感染の処置に実際に有効で
あることを確保するために、治療の間の反復した試験が
要求される。こうして、簡単な迅速な細菌尿の試験の必
要性は明らかである。その上、子供、妊婦、糖尿病およ
び老人病の集団の間の尿道の感染の頻繁な無自覚の無症
候性発生をかんがみて、その診断はいくつかの被検物の
収集および試験を必要とすることがあり、バクテリアの
試験は十分に簡単でありかつ経済的であって、日常の実
施を可能とすべきである。再び、これは迅速な経費のか
からない細菌尿の検出法の必要性を示すものである。
ある種の被検試料、とくに生きている細胞(例えば、バ
クテリア、酵母菌など)の測定は、電子移動剤(ETA)
の存在下に検出可能な部分を提供する還元性組成物を使
用して、最良に達成される。電子移動剤は、まず、生き
ている細胞によって還元される。次いで、還元された電
子移動剤は、還元性組成物を還元して検出可能な部分を
発生し、次いで検出可能な部分を検出する。フェナジン
メトサルフェート(PMS)は典型的な電子移動剤であ
る。
不都合なことには、PMSおよび構造的に関連する電子移
動剤は水溶液中で不安定である。特開昭61−182576号公
報において、電子移動剤化合物の改良された群が開示さ
れている。これらの化合物は、置換されたベンゾキノン
類およびナフトキノン類である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記発明の電子移動剤は、従来知られた電子移動剤より
も多くの利点を提供する。しかしながら、なおそれ以上
の改良が探求された。さらに詳しくは、その出願の実施
例における特定の電子移動剤は所望より劣った感度を有
する。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、既知のアッセイに比較して改良された感度を
有する被検試料例えば微生物を測定する手段を提供す
る。
したがって、本発明によれば、 (a)4位置および5位置にメトキシ基または融合1,4
−ジオキサン環をもつか、あるいは4位置に置換もしく
は非置換の低級アルコキシ基をもちかつ5位置および6
位置に融合5員もしくは6員の炭素環式環または複素環
式環をもつ、安定なメタノール可溶性1,2−ベンゾキノ
ンである電子移動剤、および (b)電子移動剤により還元された場合に検出可能な部
分を提供する還元性組成物、 を含んでなることを特徴とする、液体中の被検試料とし
ての生存細胞の測定用組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、 (A)pH9以下において、前記の供試液体と、前記キノ
ン電子移動剤(ETA)および電子移動剤による還元のと
きに検出可能な部分を提供する還元性組成物とを接触さ
せる工程、および (B)前記検出可能な部分を検出する工程 を含んでなる、液体中の被検試料としての生存細胞の測
定方法が提供される。
前述のように、本発明によって得られる利点は、本発明
の実施において特定の電子移動剤(ETA)を使用するた
めに達成される。これらの電子移動剤類は、水性および
親油性の両者の環境と高度に相溶性である。それらは十
分に親水性の特性をもち水性緩衝溶液中に可溶性であ
る。同時に、それらは十分に親油性の特性をもち、細胞
内の電子供与体との相互作用を可能とする。
本発明において有用なオルト−キノン類は、前述の関連
する電子移動剤の用途において記載するキノン類に構造
的に類似する。しかしながら、予期せざることには、本
発明のキノン類は、ここに含まれる比較例において見ら
れるように、前記の出願の実施例に比較して改良された
応答を与える。
本発明において有用な電子移動剤類は、これらの化合物
が細胞と電子移動剤として作用できるように、pH7の水
性緩衝液中で測定したとき、約−320〜約+400mVの範囲
内の還元電位(E1/2)をもつことが好ましい。好まし
くは、電子移動剤のE1/2は約−185〜約+400mVの範囲
内である。所望のE1/2は、適当な置換基をその化合物
のキノン核上に有することによって達成される。ここに
提供される教示により、合成化学の専門家は所望のE
1/2を得るためにどの置換基をキノン核上に配置するか
を知るであろう。還元電位の測定は、普通の電気化学的
技術に従い、示差パルスポーラログラフィーまたはサイ
クル的電位測定を用いて実施できる〔例えば、ソウヤー
(Sawyer)およびロバーツ(Roberts),Jr、化学者のた
めの実験電気化学(Experimental Electrochemistry fo
r Chemists)、ジョン・ウィリー・アンド・サイズ・イ
ンコーポレーテッド(John Wiley & Sons,Inc.)、ニ
ューヨーク、1974参照〕。
本発明において有用な代表的電子移動剤類は、下に例示
される: 式中、R4およびR5はメトキシであり、そしてR3およびR6
は、水素、置換または非置換の低級アルコキシ、例え
ば、メトキシまたはエトキシ、または置換または非置換
の低級アルキル、例えば、メチルまたはエチルから成る
群より独立に選択されるか、あるいはR4およびR5は、一
緒になって、融合1,4−ジオキサン環を形成し、そしてR
3およびR6は前記の意味であるか、またはR5およびR6
一緒になって、融合5員もしくは6員の炭素環式環また
は複素環式環、例えば、フェニル、フリル、ピリジル、
チエニルまたは,4−ジオキシを形成し、R4は置換または
非置換の低級アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ
またはメトキシカルボニルメトキシであり、そしてR3
上に定義した通りである。
オルト−キノン類は安定であるべきである。安定とは、
化合物を合成し、単離し、そして少なくともアッセイの
間、すなわち、少なくとも数時間、約37℃において保持
できることを意味する。
本発明の実施において有用な代表的オルト−キノン類
は、次のものを包含する: 化合物 1/2=+116mV 4,5−ジメトキシ−1,2−ベンゾキノン 1/2=+7mV 4−メトキシ−1,2−ナフトキノン 1/2=+35mV 4−メトキシカルボニルメトキシ−12−ナフトキノン 1,4−ベンゾジオキサン−6,7−ジオン 5,6−ジオキソ−8−メトキシキノリン 4,5−ジオキソ−7−メノキシベンゾフラン 前述のように、本発明において有用なオルト−キノン類
はメタノール可溶性であるべきである。メタノール可溶
性とは、少なくとも約0.005モルである化合物の溶液を
メタノール中で形成することができることを意味する。
少量のメタノール中にオルト−キノン類を前もって溶解
することは、水溶液の形成を促進する。他の溶媒、例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミドは、また、オルト−キ
ノン類を前もって溶解するために有用である。メタノー
ル中に可溶性の化合物は、また、これらの溶媒中に可溶
性であろう。
還元電位(半波電位E1/2として測定)は、ポーラログ
ラフの分析器を使用して測定した。溶液の媒質はリン酸
ナトリウム緩衝液(pH7.0、イオン強度=0.1)であっ
た。測定は標準カロメル電位に対して実施した。値は通
常の水素電極に対して報告する。
ここに記載する電子移動剤類は、この分野において知ら
れている出発材料および手順を用いて調製できる。例え
ば、次の文献を参照:A、タクワら、日本化学学会誌(Bu
ll.Chem.Soc.Japan)、59、2959(1986)およびY.イト
ウら、日本化学学会誌(Bull.Chem.Soc.Japan)、52、2
169(1979)。
ここに記載する電子移動剤類は、電子移動剤により還元
されたときに検出可能な部分を提供できる還元性組成物
と組み合わせて使用する。検出可能な部分は、検出可能
となる変化を行う還元性化合物によって得ることができ
る。あるいは、検出可能な部分は還元性組成物からの放
出によって得ることができる。検出可能な部分は、適当
な手段によって直接検出できる物質、ならびに他の物質
例えば他の被検試料、酵素、媒染剤、金属イオンまたは
他の物質と反応して検出可能な部分を提供できる物質で
あることができる。このような部分は放射分析手段によ
って検出できるものを包含し、この手段は、色測定的に
検出できる色原体(例えば、色素または顔料)、および
螢光測定的に検出できる螢光測定的に検出できる螢光原
体(例えば、螢光色素またはプローブ)を包含する。さ
らに、検出可能な部分はリン光種、放射線的に標識した
部分、または化学ルミネセンス種、あるいはこの分野に
おいて知られている検出可能な部分であることができ
る。
有用な還元性物質は、還元されて色測定的色素を生成で
きるテトラゾリウム塩類、還元されて無色の化合物を生
成できるジクロロインドフェノール色素類、および還元
可能の他の色素提供物質を包含する。
色原体の有用な部類の例は、アゾ、アゾメチン、ニトロ
フェノール、インドフェノール、インドアニリンおよび
トリアリールメタン色素類、およびこの分野において知
られている他のものであり、アゾ色素は好ましい。螢光
原体の有用な部類の例は、クマリン、フルオロセインお
よびローダミンの螢光性色素、およびこの分野において
既知の他のものである。
とくに有用な部分は、放出前に第1スペクトル吸収帯を
有し、そして放出後に測定したとき第2スペクトル吸収
帯を有する色原体および螢光原体である。有用なこの型
の組成物は、「還元性組成物および分析用組成物、それ
を利用する要素および方法」と題するベリー(Belly)
らによる1986年1月31日提出の米国特許出願第824,776
号;「光安定性還元性組成物および分析用組成物、それ
を利用する要素および方法」と題するムラ(Mura)らに
よる1986年5月30日提出の米国特許出願第868,479号;
および「水混和性還元性組成物および分析の組成物およ
び方法におけるそれらの使用」と題するムラ(Mura)ら
による1986年5月30日提出の米国特許出願第868,855号
(すべて上に引用した)に記載されている。これらの化
合物は、一般に、「RIND」化合物と呼ばれる、還元性の
分子内求核置換(displacement)化合物である。これら
の化合物は、一般構造式CAR−(R)を有し、ここで
nは1または2であり、CAR−は置換または非置換の芳
香族またはキノン核であり、そしてRはシフト可能な検
出可能な部分を構成する部分である。好ましい態様にお
いて、化合物は水混和性かつ光安定性である。
とくに好ましい試薬はコバルト(III)含有試薬であ
る。これらの組成物は水溶性コバルト(III)錯塩およ
び水溶性の金属化可能な色素からなる。組成物中に含め
ることができる任意の電子移動剤は、記載したようなオ
ルト−キノンの電子移動剤であることができる。
多くのレドックス試薬は知られており、それらの例は次
の通りである:NAD、電子キャリヤーおよびテトラゾリウ
ム塩を含有する組成物(米国特許第4,351,899号に記載
されている);多価金属イオンのキレート、前記金属イ
オンと反応できる指示薬および緩衝剤を含有する組成物
(米国特許第4,303,409号に記載されている);種種の
還元性化合物を含有する組成物、例えば、米国特許第3,
331,752号、米国特許第3,711,252号、米国特許第4,101,
381号、米国特許第4,116,774号、米国特許第4,224,034
号および米国特許第3,954,412号に記載されている。
前述のように、現在のところ好ましい還元性組成物およ
びレドックス試薬はコバルト(III)錯塩含有試薬であ
る。コバルト(III)は、典型的には6の配位数を有す
る三価の金属である。きわめて広い種類の配位子はコバ
ルト(III)に配位することが知られている。配位子は
それらが1つの負の電荷を含有するように選択すると
き、1つの原子価は配位子によって満たされることがで
きる。逆に、配位子が電気的に中性であるとき、原子価
は非配位対イオンによって満足されなくてはならず、そ
して塩が形成する。本発明において使用するために、水
溶性錯塩は必要である。コバルト(III)錯塩塩類は、
より水溶性であるので、好ましい。
Co(III)錯塩を形成するために有用な中性の配位子
は、次のものを包含する:アンモニア;脂肪族アミン、
例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミンジエチ
レントリアミン;置換または非置換の芳香族アミン、例
えば、アニリン、2−アミノエチルアニリン、2,2′−
ビスアニリン;置換または非置換の複素環式アミン、例
えば、ピリジン、2,2′−ビピリジン、2−(アミノメ
チル)ピリジン、4,4′−ジメチル−2,2′−ビピリジ
ン、2,2′,2″−ターピリジン、モルホリン、ピリミジ
ン、ピリダジン、2,2′−ビピラジン、キノリン、イソ
キノリン、アクリジン、チアゾール、イミダゾール、ト
リアジン、1,10−フェナントロリン、5−ニトロフェナ
ントロリン、2,2′−ビピリミジン、2,2′−ジイミダゾ
ール;および酸素供与体、例えば、アミド、例えば、N,
N−ジメチルホルムアミドおよび水が含まれる。任意の
陰イオンを対イオンとして使用できる。便利には、ハロ
ゲンのイオン、例えば、塩素、臭素およびヨウ素のイオ
ンは好ましい。他の有用な対イオンは、例えば、アジ
ド、チオシアナート、テトラフルオロボレート、ニトレ
ート、パークロレート、ヘキサフルオロホスフェート、
サルフェート、カーボネート、スルホネートおよびカル
ボキシレートのイオン類を包含する。
陰イオン性配位子は、また、コバルト(III)と配位さ
せることができるが、ただしコバルト(III)について
の変化は配位子によって完全に中和されず、こうして錯
塩が塩であり、それゆえ水溶性であることを条件とす
る。有用な陰イオン性配位子は、次のものを包含する:
ハロゲン、例えば、塩素、臭素、ヨウ素またはフッ素、
アジド、チオシアネート、ニトレート、カーボネート、
カルボキシレート、スルホネート、オキサレートおよび
2,4−ペンタンジオネートのイオン類。
現在のところ好ましいコバルト錯塩は、〔Co(エチレン
ジアミン)(2,2′−ビピリジン)〕Cl3である。
本発明において有用なコバルト(III)含有還元性組成
物またはレドックス試薬における使用に好ましい成分
は、水溶性金属化可能な色素である。コバルト(III)
および(III)イオンと配位できる。非常に広い種類の
色素が有用である。色素は水溶性でなくてはならない。
下の引用文献に記載する特定の色素の多くは、水溶性で
ないが、普通の方法によって色素の分子中に適当な可溶
化基を組込むことによって容易に水溶性とすることがで
きる。普通の可溶化基、例えば、カルボン酸、スルホン
酸および硫酸塩の基は有用である。
好ましい色素は、また、コバルトのための三座配位子で
ある。三座配位子はより安定な錯塩を形成し、それゆえ
コバルト(III)錯塩からいっそう容易に配位子を変位
することができる。
これらの基準を考慮して、有用な色素および色素の部類
は、米国特許第4,396,546号、米国特許第4,273,708号、
米国特許第4,272,434号、米国特許第4,024,993号、米国
特許第4,147,544号および米国特許第4,419,435号に記載
されている。
好ましい色素は、次の通りである:2−〔(3−メチル−
2−ピリジル)アゾ〕−1−ナフトール−4−スルホン
酸モノアンモニウム塩;2−〔(5−カルボキシ−2−ピ
リジル)アゾ〕−1−ナフトール−4−スルホン酸ジア
ンモニウム塩;および2−〔(3−メチル−5−スルホ
−2−ピリジル)アゾ〕−1−ナフトール−4−スルホ
ン酸ジアンモニウム塩。
電子移動剤および還元性組成物は緩衝液と組み合わせる
ことができる。有用な緩衝液は、組成物のpHを9以下、
好ましくは約6.5〜約8に維持するものを包含する。代
表的緩衝液は、次のものを包含する:リン酸塩、ホウ酸
塩、N−2−ヒドロキシ−エチルピペラジン−N′−2
−エタンスルホン酸、およびこの分野において知られて
いるもの、例えば、グッド(Good)ら、バイオケミスト
リー(Biochem.)、、467(1966)およびアナリティ
カル・バイオケミストリー(Anal.Biochem.)、104、30
0(1980)に記載されているもの。
本発明の組成物は、水性または非水性の液体、例えば、
生物学的流体、製造プロセス、廃水、食物などの分析的
測定(すなわち、定量的、半定量的または定性的検出)
に有用である。測定は種々の被検試料、例えば、生きて
いる細胞(例えば、バクテリア、酵母菌、真菌など)、
酵素〔例えば、リパーゼ、グルコースオキシダーゼ、ラ
クテートオキシダーゼ、クレアチンキナーゼ、α−グリ
セロホスフェートオキシダーゼ、ラクテートデヒドロゲ
ナーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパル
テートアミノトランスフェラーゼおよび他のNADH系もし
くはペルオキシダーゼ系アッセイ(これはデヒドロゲナ
ーゼまたはレダクターゼ酵素を包含する)〕、電子移動
剤を還元する生きている細胞以外の生物学的または化学
的還元体(例えば、アスコルベート、システイン、グル
タチオンなど)、代謝可能な物質(例えば、グリコー
ス、乳酸、トリグリセリド、コレステロールなど)、免
疫反応体(例えば、抗原、抗体、ハプテンなど)につい
て実施でき、そして還元性化合物の還元を生じかつ検出
可能な部分を放出する、単一の反応または一連の反応を
介して実施することができる他の測定であることができ
る。
本発明の組成物は、生物学的試料中の生きている細胞の
検出または定量においてとくに有用である。生きている
細胞を有することが疑われる生物学的試料(例えば、食
物、組織、地下水、冷却水、製薬学的生成物、下水な
ど)は、本発明によりバクテリア、酵母菌、菌類などに
ついて分析できるが、本発明は水性液体、例えば、ヒト
および動物の流体(例えば、尿素、脳脊髄液、血液な
ど、ならびに便の分泌物)およびヒトおよび動物の組織
の懸濁液の中のバクテリアの検出に有用である。本発明
の実施は、尿(希釈または非希釈)中において尿道の感
染を検出するためにとに重要である。
生きている細胞、とくにバクテリアの細胞の検出は、そ
れらの細胞のための栄養の存在下にしばしば実施する
が、その存在は必須ではない。有用な炭素源、および必
要に応じて窒素源を含有する任意の栄養培地を使用でき
る。適切な成分およびpHを有する普通の栄養培地は、こ
の分野においてよく知られている。とくに有用な栄養
は、同化が容易な炭素源、例えば、単純糖類(グルコー
ス、スクロース、ラフィノース、マルトース、ラクトー
ス、ガラクトース、フルクトースなど)、グリコール類
(例えば、グリセロール、ソルビトールなど)、カルボ
ン酸類(例えば、酢酸、乳酸、クエン酸など、またはそ
れらの塩類)、澱粉、トリプトースなどである。とくに
有用な栄養はグルコースまたはトリプトースの単独また
は組み合わせである。
本発明は、溶液または環式要素のアッセイのいずれにも
適合させることができる。溶液のアッセイのため、電子
移動剤および検出可能な部分を提供するであろう還元性
組成物(例えば、コバルト(III)含有試薬)を含有す
る分析用組成物を調製し、そして生きている細胞または
測定すべき非検試料を含有する液状試験試料と混合する
ことができる。電子移動剤は、また、還元性組成物と混
合前に、試験試料中に存在させることができる。一般
に、分析用組成物は試験試料と適当な容器(例えば、試
験官、ペトリ皿、ビーカー、クベットなど)中で混合す
る。得られる溶液(または分散液)をおだやかに混合
し、そして比較的短い時間(すなわち、約30分まで)約
40℃までの温度で、一般に約20℃〜約40℃の温度におい
てインキュベーションする。次いで、試験試料を、還元
性組成物の還元により放出された検出可能な部分(例え
ば、色原体または螢光原体)を測定することによって評
価する。このような評価は適当な検出装置を用いて実施
できる。
本発明を実施する好ましい方法において、試験すべき尿
の試料を濾過する。次いで、還元性組成物を添加し、そ
して色変化の存在を測定する。存在しうる感染の型を測
定しようとするとき、2つの尿の試料を試験することが
できる。1つの未処理の試料を試験して、いずれかの型
の細胞の存在または不存在を決定する。第2試料を、19
85年6月25日に発行された米国特許第4,525,435号に記
載されているように、まず、陰イオン性界面活性剤で処
理する。
溶液のアッセイは、また、試験試料を含有する多孔質吸
収材料、例えば、紙のストリップを分析組成物と接触さ
せることによって実施することができる。この試験試料
中の被検試料は、多孔質材料から組成物中に移動し、こ
れによって測定に必要な分析反応を開始する。
試験ストリップを、測定量の分析組成物を試験溶液へ運
ぶために便利な方法として用いることができる。試験ス
トリップを、測定すべき細胞をすでに含有しているであ
ろう溶液の中に配置する。試薬は試験ストリップから溶
液の中に溶解して、反応溶液を形成する。本発明の試験
ストリップの好ましい態様において、試薬は水溶性結合
剤中において運ばれる。
一般に、溶液のアッセイにおいて、存在する還元性組成
物中の還元性化合物の量は約0.001〜約10ミリモル、好
ましくは約0.05〜約1ミリモルである。電子移動剤は、
一般に、約0.001〜約2ミリモル、好ましくは約0.005〜
約1ミリモルの量で存在する。他の試薬は当業者によっ
て容易に決定される量で存在することができる。
あるいは、本発明は、乾燥した分析要素を利用する「環
式」アッセイにおいて実施することができる。このよう
な要素は、簡単な吸収性担体材料、すなわち、自己支持
性の吸収性または吸水性材料の薄いシートまたはストリ
ップ、例えば、濾紙またはストリップであることがで
き、これは還元性組成物および電子移動剤またはその乾
燥残留物を含有する。このような要素は、この分野にお
いて、試験ストリップ、診断要素、浸漬棒、診断剤など
として知られている。
本発明の1つの態様において、水性液体中の微生物(例
えば、酵素菌、真菌、バクテリアなど)の検出のための
要素は、電子移動剤およびコバルト(III)含有試薬
(それらの両者は前述した通りである)を含んでなる。
これらの要素は、また、生きている細胞のための栄養お
よび使用条件下に(すなわち、1〜100μの液体試料
と接触するとき)生理学的pHを維持する緩衝液を含有す
るようにすることが望ましい。このような要素は、例え
ば、尿の試料(予備処理して還元性妨害物質が排除され
ている)中の、バクテリアを、試料と要素とを適当な方
法で物理的に接触させ、そしてコバルト(III)試薬か
ら生ずる色素を検出することによって、検出することが
できる。
以下の実施例1において、化合物4,5−ジメトキシ−1,2
−ベンゾキノンを使用した。これは上記の化合物「A」
である。この化合物は、Y.イトウら、日本化学学会誌
(Bull.Chem.Soc.Japan)、52、2169(1979)の方法に
よって、以下のように製造した。
乾燥メタノール(500ml)中のヨウ素酸ナトリウム(20
g、0.1モル)およびカテコール(5.5g、0.05モル)の混
合物を、60℃に20時間加熱した。この混合物を室温に冷
却し、濾過し、そして濾液を約50mlに濃縮した。残留す
る溶液を冷却し、そして生ずる結晶を濾過により集め、
そして空気乾燥した。この固体を塩化メチレン中に溶解
し、濾過し、そして濾液の蒸発から得られた固体をイソ
プロリルアルコールから再結晶化した。結晶を酢酸エチ
ルとアセトニトリルとの混合物中に溶解し、そしてシリ
カゲルのプラグに通過させた。溶媒を除去すると、2.75
g(33%)の所望生成物(融点227−228℃)が得られ
た。実施例において使用した他のオルト−キノン類を同
様な方法で製造した。
〔実施例〕
実施例1 この実施例は、1×105/mlの大腸菌(Escherichia col
l)の検出を、電子移動剤である2,3−ジメトキシ−5−
メチル−1,4−ベンゾキノン(前述の米国特許出願第69
9,374号中に開示されるパラ−キノンの電子移動剤)お
よび4,5−ジメトキシ−1,2−ベンゾキノン(本発明のオ
ルト−キノン)の電子移動剤を使用して比較する。
次の溶液を調製した(蒸留した水道水を全体を通じて使
用した): (A) リン酸塩緩衝液:適当量の下記の溶液Xおよび
Yを混合し、そして合計体積500mlに希釈することによ
って、要求するpHの0.05モルのリン酸塩緩衝液を調製し
た: X:0.1モルの一塩基性リン酸カリウム、 Y:0.1モルの二塩基性リン酸カリウム、 pH:6.80;112.5mlのXおよび137.5mlのY、 pH7.50;40mlのXおよび210mlのY、 pH7.80;21.25mlのXおよび228.75mlのY、 (B) 細胞懸濁液:大腸菌(Eacherichia coli)細胞
(ATCC No.25922)を、脳心滲出培地〔ディフコ・ラボ
ラトリーズ(Difco Labs)〕を37℃において振盪しない
で生長させた。一夜生長させて細胞の40mlを、遠心によ
り収穫して細胞の沈殿物を形成した。沈殿物を25mlの0.
05モルのリン酸塩緩衝液(pH7.5)中に再懸濁し、そし
て生ずる懸濁液を再遠心した。洗浄した沈殿物を25mlの
緩衝液中に懸濁し、そしてアリコートを同一緩衝液で希
釈して、緩衝液のブランクに対して測定して、620nmに
おいて0.833の吸収値を得た。0.833の吸収値は、5×10
8細胞/mlの細胞濃度に相当することが決定された。次い
で、この溶液を1〜100倍に希釈して、5×106大腸菌
(E.coli)/ml原液懸濁液を形成した。
(C) グルコース溶液:濾過した蒸留水中の10重量%
のグルコース。
(D) コバルト溶液:41.44mgの〔Co(エチレンジアミ
ン)(2,2′−ビピリジン)〕Cl3を、10mlの0.05モル
のリン酸塩緩衝液、pH7.80、中に溶解した。
(E) 色素溶液:30.5mgの2−〔(5−カルボキシ−
2−ピリジル)アゾ〕−1−ナフトール−4−スルホン
酸ジアンモニウム塩を、10mlの0.05モルのリン酸塩緩衝
液、pH7.80、中に溶解した。
(F) 電子移動剤(ETA)溶液:メタノール中の0.01
モルの2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノ
ン(比較パラ−キノンの電子移動剤)。
(G) 電子移動剤溶液:メタノール中の0.008モルの
4,5−ジメトキシ−1,2−ベンゾキノン(本発明によるオ
ルト−キノン類の電子移動剤)。
アッセイのプロトコールは、2.34mlのpH6.8のリン酸緩
衝液、25μの原液溶液C、50μの原液溶液E.500μ
の原液溶液D、25μの電子移動剤溶液FまたはGお
よび最後に60μの懸濁液Bの混合物を利用した。大腸
菌(E.coli)の最終濃度は1×105細胞/mlであった。こ
の混合物を振とうし、そして37℃において熱的に平衡化
した。30分間にわたって、分光光度計を使用して610nm
における色素の出現を監視することによって、反応を追
跡した。バックグラウンドの対照も使用した。これは大
腸菌(E.coli)を除外して、同一成分のすべてを含有す
るものであった。結果は表1において、光学濃度(30分
後のΔOD)−バックグラウドの差として記載する。 表 1 30分におけるΔ光学濃度 オルト−キノン 0.350 パラ−キノン 0.075 (比較) 結果が明瞭に示すように、オルト−キノンはパラ−キノ
ンと比較して優れる。
実施例2および3 実施例1を反復したが、ただし最終細胞濃度は1×106
細胞/mlであり、色素溶液は、10mlの0.05モルのpH7.80
のリン酸塩緩衝液中に溶解した35.7mgの2−〔(3−メ
チル−5−スルホ−2−ピリジル)アゾ〕−1−ナフト
ール−4−スルホン酸ジアンモニウム塩を含有し、そし
て2種類の異なる電子移動剤を本発明に従い使用した。
電子移動剤は次の通りであった: 各々についてΔODを実施例1と同様に測定した。結果
は、次の通りである: 表 2 △OD オルト−キノンB 30分 1.725 オルト−キノンC 18分 0.077 実施例4 この実施例は、大腸菌(Escherichia coli)細胞の検出
を、電子移動剤すなわちトリメチル−1,4−ベンゾキノ
ン(特開昭61−182576号公報参照に開示されているパラ
−キノンの電子移動剤)および本発明の4,5−ジメトキ
シ−1,2−ベンゾキノン、オルト−キノンの電子移動剤
を使用して比較する。コバルト試薬の代りに、RIND化合
物を使用した。
次の溶液を調製した(蒸留した水道水を全体を通じて使
用した): (A) 緩衝液:HEPES緩衝液(〔N−2−ヒドロキシエ
チルピペラジン−N′−2−エタンスルホン酸〕)、0.
05モル、pH7.8、0.2μのフィルターを通して濾過した。
(B) RIND化合物:250μのN,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)中に溶解したRIND化合物を含有する溶液を
調製した。DMFを0.1%の硫酸で酸性化した。このRIND溶
液を25mlのHEPES緩衝液に添加して、RIND分散液を形成
した。RIND化合物は、次の構造を有した: (C) グルコース溶液:実施例1と同一。
(D) 細胞懸濁液:実施例1と同一(5×108細胞/ml
原溶液)。
(E) 電子移動剤溶液:実施例1の溶液Fと同一。
これは上記で参照した比較電気移動剤である。
(F) 電子移動剤溶液:実施例1の溶液Gと同一であ
るが、ただし濃度は0.01モルであった。
これは本発明において有用な電子移動剤である。
グルコース溶液C、RIND分散液Bおよび2種類の電子移
動剤溶液EまたはFのいずれか1つの各々の500μを
混合することによって、試薬溶液を調製した。得られた
この2種類の試薬溶液に、1380μのHEPES緩衝液およ
び120μの細胞懸濁液を添加し、こうして細胞の最終
濃度を2×107細胞/mlとした。細胞を除外して、すべて
の成分を含有するバックグラウンドの対照を調製した。
光学濃度を540nmにおいて測定し、そして30分後の光学
濃度の変化を、バックグラウンドについて補正し、決定
した(ΔOD)。結果を下表3に記載する: 表 3 30分におけるΔ光学濃度 オルト−キノン 0.800 パラ−キノン 0.646 (比較) 結果が明瞭に示すように、RIND化合物を使用したとき、
オルト−キノンはパラ−キノンに比較して優れる。
実施例5 この実施例は、1×106/mlの大腸菌(E.coli)の検出
を、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン
(米国特許出願第699,374号中に開示されるパラ−キノ
ンであり、従って比較化合物);4,5−ジメトキシ−1,2
−ベンゾキノン(本発明の好ましいベンゾキノン);お
よび4,5−ジエトキシ−1,2−ベンゾキノン(ジメトキシ
化合物の次の隣接同族体)を使用して比較する。ジエト
キシ化合物は本発明の範囲内に入らない。この実施例は
実施例1に類似する方法で実施した。
表4に示すデータは、試験した3種類の化合物について
の30分後の光学濃度−バックグラウンドの差である。本
発明のジメトキシ化合物の場合において、光学濃度の差
はわずかに18分後である。この時点において、色素は消
耗した。他の化合物について、データは30分についてで
ある。 表 4 電子移動剤 ΔOD パラ−キノン (比較) 1.144(30分) ジメトキシオルト−キノン 1.314(18分) ジエトキシオルト−キノン(比較) 0.496(30分) データが示すように、本発明の化合物はパラ−キノンよ
り優れる。本発明の好ましい化合物の次に隣接する同族
体も劣る。
〔発明の効果〕
オルト−キノンの電子移動剤は、密接に関連するパラ−
キノンの電子移動剤に比較して改良された感度を提供す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エリック リチャード シュミットウ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14612, ロチェスター,アップルウッド ドライブ 260 (56)参考文献 特開 昭62−277550(JP,A) 特開 昭61−182576(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)4位置および5位置にメトキシ基ま
    たは融合1,4−ジオキサン環をもつか、あるいは4位置
    に置換もしくは非置換の低級アルコキシ基をもちかつ5
    位置および6位置に融合5員もしくは6員の炭素環式環
    または複素環式環をもつ、安定なメタノール可溶性1,2
    −ベンゾキノンである電子移動剤、および (b)電子移動剤により還元された場合に検出可能な部
    分を提供する還元性組成物、 を含んでなることを特徴とする、液体中の被検試料とし
    ての生存細胞の測定用組成物。
  2. 【請求項2】(A)(a)4位置および5位置にメトキ
    シ基または融合1,4−ジオキサン環をもつか、あるいは
    4位置に置換もしくは非置換の低級アルコキシ基をもち
    かつ5位置および6位置に融合5員もしくは6員の炭素
    環式環または複素環式環をもつ、安定なメタノール可溶
    性1,2−ベンゾキノンである電子移動剤、および (b)電子移動剤により還元された場合に検出可能な部
    分を提供する還元性組成物、 を含む組成物と供試液体とをpH9以下で接触させる工
    程、および (B)前記検出可能な部分を検出する工程 を含んでなる、液体中の被検試料としての生存細胞の測
    定方法。
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