JPH0748398A - 変性蛋白質の再生方法及び変性蛋白質再生剤 - Google Patents
変性蛋白質の再生方法及び変性蛋白質再生剤Info
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- JPH0748398A JPH0748398A JP5210904A JP21090493A JPH0748398A JP H0748398 A JPH0748398 A JP H0748398A JP 5210904 A JP5210904 A JP 5210904A JP 21090493 A JP21090493 A JP 21090493A JP H0748398 A JPH0748398 A JP H0748398A
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K1/00—General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
- C07K1/107—General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length by chemical modification of precursor peptides
- C07K1/113—General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length by chemical modification of precursor peptides without change of the primary structure
- C07K1/1133—General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length by chemical modification of precursor peptides without change of the primary structure by redox-reactions involving cystein/cystin side chains
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 変性蛋白質を、シャペロニン60モノマー、
シャペロニン60モノマーのN末端から79番目のスレオ
ニンから開始される分子量約50kDの断片フラグメント、
シャペロニン60モノマーとシャペロニン10及びホロ
シャペロニンとのいずれかと反応させて変性蛋白質の巻
き戻しを行って変性蛋白質を再生する方法。 【効果】 ATPなどの高エネルギー化合物の添加を必要
とせず、反応系に前記〜のいずれかの蛋白質を加え
るだけで変性蛋白質の巻き戻しを行うことができる。形
質転換体中で封入体を形成している不活性蛋白質あるい
は化学薬品で不活性化された蛋白質を再生することがで
きる。
シャペロニン60モノマーのN末端から79番目のスレオ
ニンから開始される分子量約50kDの断片フラグメント、
シャペロニン60モノマーとシャペロニン10及びホロ
シャペロニンとのいずれかと反応させて変性蛋白質の巻
き戻しを行って変性蛋白質を再生する方法。 【効果】 ATPなどの高エネルギー化合物の添加を必要
とせず、反応系に前記〜のいずれかの蛋白質を加え
るだけで変性蛋白質の巻き戻しを行うことができる。形
質転換体中で封入体を形成している不活性蛋白質あるい
は化学薬品で不活性化された蛋白質を再生することがで
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シャペロニン60モノマ
ー及びその関連物質を用いて変性蛋白質を巻き戻し、変
性蛋白質を再生する方法に関する。また、本発明は、シ
ャペロニン60モノマー及びその関連物質よりなり、変性
蛋白質を巻き戻して再生する変性蛋白質の再生剤に関す
る。本発明は、化学的に変性された不活性蛋白質、遺伝
子操作等で使用された形質転換体のなかに蓄積された不
活性蛋白質などを活性蛋白質に再生するために利用され
る。
ー及びその関連物質を用いて変性蛋白質を巻き戻し、変
性蛋白質を再生する方法に関する。また、本発明は、シ
ャペロニン60モノマー及びその関連物質よりなり、変性
蛋白質を巻き戻して再生する変性蛋白質の再生剤に関す
る。本発明は、化学的に変性された不活性蛋白質、遺伝
子操作等で使用された形質転換体のなかに蓄積された不
活性蛋白質などを活性蛋白質に再生するために利用され
る。
【0002】
【従来の技術】最近、多くの種類の蛋白質が、大腸菌、
酵母菌あるいは哺乳動物由来細胞等を宿主(形質転換
体)として用いて遺伝子工学的操作によって発現され生
産されるようになってきている。例えば、ヒト由来の生
理活性を有する蛋白質をコードする遺伝子で大腸菌を形
質転換し、この形質転換体を培養して目的蛋白質を大腸
菌内に発現させる方法がある。しかし、この方法による
と、目的蛋白質を大腸菌内に発現させると目的蛋白質が
菌体内に大量に蓄積し、封入体〔インクルージョンボデ
ィー (inclusionbody) 〕を形成し、不活性となった蛋
白質を巻き戻しさせる必要がある。このために従来は、
いったん強力な変性剤 (例えば塩酸グアニジン) で発現
蛋白質を変性させた後、大量の希釈液で希釈し変性剤の
濃度を薄めることによって、その蛋白質の巻き戻しを行
なわせる方法がなされてきた。しかし、この方法では巻
き戻し効率が低く、またチオール (SH基) のかけ違いが
生じやすくもとと同じ形に巻き戻しされるとは限らな
い。また、操作も煩雑である。このような理由から蛋白
質を大腸菌で生産できるのはそのコスト面での有利であ
るにもかかわらず、成長ホルモン等、一部の蛋白質に限
定されていた。
酵母菌あるいは哺乳動物由来細胞等を宿主(形質転換
体)として用いて遺伝子工学的操作によって発現され生
産されるようになってきている。例えば、ヒト由来の生
理活性を有する蛋白質をコードする遺伝子で大腸菌を形
質転換し、この形質転換体を培養して目的蛋白質を大腸
菌内に発現させる方法がある。しかし、この方法による
と、目的蛋白質を大腸菌内に発現させると目的蛋白質が
菌体内に大量に蓄積し、封入体〔インクルージョンボデ
ィー (inclusionbody) 〕を形成し、不活性となった蛋
白質を巻き戻しさせる必要がある。このために従来は、
いったん強力な変性剤 (例えば塩酸グアニジン) で発現
蛋白質を変性させた後、大量の希釈液で希釈し変性剤の
濃度を薄めることによって、その蛋白質の巻き戻しを行
なわせる方法がなされてきた。しかし、この方法では巻
き戻し効率が低く、またチオール (SH基) のかけ違いが
生じやすくもとと同じ形に巻き戻しされるとは限らな
い。また、操作も煩雑である。このような理由から蛋白
質を大腸菌で生産できるのはそのコスト面での有利であ
るにもかかわらず、成長ホルモン等、一部の蛋白質に限
定されていた。
【0003】ところで最近、不活性蛋白質の巻き戻しに
関与する蛋白質が見いだされた。それらの蛋白質は分子
シャペロンとよばれている。シャペロンは、エリス〔El
lis,J. Nature, 328 378-379(1987) 〕によって“ポリ
ペプチドの正しい折り畳み、集合を手助けする分子がそ
の最終的な成分にはならない蛋白質”と定義された。そ
して、田口氏ら〔生物物理33(1) 11〜14(1993)〕による
と、分子シャペロンは、蛋白質が合成され、合成された
ばかりのポリペプチドが折り畳まれるとき、種々の膜透
過のとき、また熱ショックにさらされたとき、ついには
寿命が来て分解されるとき等、換言すると蛋白質の誕生
から死に至るまでにおいて、蛋白質高次構造が大きく変
化するときに分子シャペロンが必要である。また、シャ
ペロニンは代表的なシャペロンである。シャペロニンは
大腸菌内のバクテリオファージの形態形成に必要なGroE
L と、葉緑体内でリブロースビスリン酸カルボキシラー
ゼ(Rubisco) の集合を助けるRubisco の結合蛋白質が一
次構造上とても高い相同性を持つことがわかり、その両
者および関連蛋白質をまとめてシャペロニンと呼ぶこと
が提唱されたのがはじまりである。シャペロニンはサブ
ユニットの分子量約60kDのシャペロニン60と補助的な役
割をするシャペロニン10から構成されている。その構造
は電子顕微鏡観察から7個のシャペロニン60からなるリ
ングが2つ積み重なった粒子であると考えられている。
また、その上に7分子のシャペロニン10からなるリング
が重なっている。シャペロニン60モノマーは、シャペロ
ニン60の構成要素であり、 SDSポリアクリルアミドゲル
電気泳動によれば、その分子量は約58kDである。またシ
ャペロニン10は SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に
より、分子量約10kDと推定された。また、大腸菌由来の
シャペロニン60であるGroEL とシャペロニン10に相当す
るGroES では両者は別々に精製されるが、高度好熱菌サ
ーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)由来の
シャペロニンでは、両者の結合は強く、シャペロニン60
とシャペロニン10が複合体を形成したまま精製されるこ
とも知られている〔J. Biol. Chem., 266, 22411-22418
(1991)〕。
関与する蛋白質が見いだされた。それらの蛋白質は分子
シャペロンとよばれている。シャペロンは、エリス〔El
lis,J. Nature, 328 378-379(1987) 〕によって“ポリ
ペプチドの正しい折り畳み、集合を手助けする分子がそ
の最終的な成分にはならない蛋白質”と定義された。そ
して、田口氏ら〔生物物理33(1) 11〜14(1993)〕による
と、分子シャペロンは、蛋白質が合成され、合成された
ばかりのポリペプチドが折り畳まれるとき、種々の膜透
過のとき、また熱ショックにさらされたとき、ついには
寿命が来て分解されるとき等、換言すると蛋白質の誕生
から死に至るまでにおいて、蛋白質高次構造が大きく変
化するときに分子シャペロンが必要である。また、シャ
ペロニンは代表的なシャペロンである。シャペロニンは
大腸菌内のバクテリオファージの形態形成に必要なGroE
L と、葉緑体内でリブロースビスリン酸カルボキシラー
ゼ(Rubisco) の集合を助けるRubisco の結合蛋白質が一
次構造上とても高い相同性を持つことがわかり、その両
者および関連蛋白質をまとめてシャペロニンと呼ぶこと
が提唱されたのがはじまりである。シャペロニンはサブ
ユニットの分子量約60kDのシャペロニン60と補助的な役
割をするシャペロニン10から構成されている。その構造
は電子顕微鏡観察から7個のシャペロニン60からなるリ
ングが2つ積み重なった粒子であると考えられている。
また、その上に7分子のシャペロニン10からなるリング
が重なっている。シャペロニン60モノマーは、シャペロ
ニン60の構成要素であり、 SDSポリアクリルアミドゲル
電気泳動によれば、その分子量は約58kDである。またシ
ャペロニン10は SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に
より、分子量約10kDと推定された。また、大腸菌由来の
シャペロニン60であるGroEL とシャペロニン10に相当す
るGroES では両者は別々に精製されるが、高度好熱菌サ
ーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)由来の
シャペロニンでは、両者の結合は強く、シャペロニン60
とシャペロニン10が複合体を形成したまま精製されるこ
とも知られている〔J. Biol. Chem., 266, 22411-22418
(1991)〕。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記シ
ャペロニンの活性本体の検討を追求している過程におい
て、サーマス・サーモフィラスから得られたシャペロニ
ン60モノマーがATP を添加したりあるいは煩雑な操作を
行うことなしに非天然型の基質蛋白質の凝集を抑制し、
それによって蛋白質の巻き戻しを促進することを見出し
て本発明を完成するに至った。また、この作用は、シャ
ペロニン60モノマーのN末端から79番目のスレオニンか
ら開始される分子量約50kDのシャペロニン60モノマー断
片フラグメント、シャペロニン60モノマーとシャペロニ
ン10と、あるいはホロシャペロニンにおいても同様の作
用があることを見出した。すなわち、本発明の課題は、
変性蛋白質、特に形質転換体微生物中で発現し蓄積され
た不活性蛋白質を、ATP 等の特殊な試薬を使用すること
なく簡単な操作で巻き戻しを行う変性蛋白質の再生方法
を提供することにある。また、本発明の課題は、このよ
うな変性蛋白質の再生に用いる変性蛋白質再生剤を提供
することにある。
ャペロニンの活性本体の検討を追求している過程におい
て、サーマス・サーモフィラスから得られたシャペロニ
ン60モノマーがATP を添加したりあるいは煩雑な操作を
行うことなしに非天然型の基質蛋白質の凝集を抑制し、
それによって蛋白質の巻き戻しを促進することを見出し
て本発明を完成するに至った。また、この作用は、シャ
ペロニン60モノマーのN末端から79番目のスレオニンか
ら開始される分子量約50kDのシャペロニン60モノマー断
片フラグメント、シャペロニン60モノマーとシャペロニ
ン10と、あるいはホロシャペロニンにおいても同様の作
用があることを見出した。すなわち、本発明の課題は、
変性蛋白質、特に形質転換体微生物中で発現し蓄積され
た不活性蛋白質を、ATP 等の特殊な試薬を使用すること
なく簡単な操作で巻き戻しを行う変性蛋白質の再生方法
を提供することにある。また、本発明の課題は、このよ
うな変性蛋白質の再生に用いる変性蛋白質再生剤を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記した知見
に基づいてなされたものであって、変性蛋白質をシャ
ペロニン60モノマー、シャペロニン60モノマーのN末
端から79番目のスレオニンから開始される分子量約50kD
のシャペロニン60モノマー断片フラグメントシャペロ
ニン60モノマーとシャペロニン10及びホロシャペロニ
ンの〜のいずれかと反応させて変性蛋白質の巻き戻
しを行うことよりなる変性蛋白質の再生方法に関する。
また、本発明は、前記した、、またはのいずれ
かの蛋白質よりなる変性蛋白質の再生剤に関する。シャ
ペロニン60モノマーのN末端からの配列は、固定化トリ
プシンで得られた断片を逆相HPLCにかけることにより決
定した。また分子量はポリアクリルアミドゲル電気泳動
により推定した。
に基づいてなされたものであって、変性蛋白質をシャ
ペロニン60モノマー、シャペロニン60モノマーのN末
端から79番目のスレオニンから開始される分子量約50kD
のシャペロニン60モノマー断片フラグメントシャペロ
ニン60モノマーとシャペロニン10及びホロシャペロニ
ンの〜のいずれかと反応させて変性蛋白質の巻き戻
しを行うことよりなる変性蛋白質の再生方法に関する。
また、本発明は、前記した、、またはのいずれ
かの蛋白質よりなる変性蛋白質の再生剤に関する。シャ
ペロニン60モノマーのN末端からの配列は、固定化トリ
プシンで得られた断片を逆相HPLCにかけることにより決
定した。また分子量はポリアクリルアミドゲル電気泳動
により推定した。
【0006】本発明における変性蛋白質には、前記した
ような遺伝子工学により大腸菌等の形質転換体中で発現
され、大量蓄積された不活性蛋白質あるいは蛋白質変性
剤等で変性された変性蛋白質などが用いられる。
ような遺伝子工学により大腸菌等の形質転換体中で発現
され、大量蓄積された不活性蛋白質あるいは蛋白質変性
剤等で変性された変性蛋白質などが用いられる。
【0007】シャペロニン60モノマーは、サーマス・サ
ーモフィラス(Thermus thermophilus)から精製された蛋
白質から得られる。すなわち、サーマス・サーモフィラ
スを培養し、得られる菌体を破壊し、その上清を30〜60
%飽和硫安で処理する。この硫安沈澱画分を緩衝液に溶
解し、透析後、DE- セルロースカラムにかけ、250mM食
塩水で溶出させ、この画分を限外濾過して濃縮し、セフ
ァロースCL6Bカラムにかけてボイドボリューム画分を集
めて精製しホローシャペロニンとする。これにはシャペ
ロニン60モノマーとシャペロニン10が含まれている。次
に、これを 0.1%トリフルオロ酢酸中で変性させ、逆相
HPLCにかけてアセトニトリルで溶出してシャペロニン60
モノマーを含むピーク画分を集める。また、シャペロニ
ン10を含むピークも得られる。また、前記したシャペロ
ニン60モノマーの50kD断片フラグメントは、上記のよう
にして得られたシャペロニン60モノマーを固定化トリプ
シンで消化し、ゲル透過性HPLCで精製することによって
得ることができる。
ーモフィラス(Thermus thermophilus)から精製された蛋
白質から得られる。すなわち、サーマス・サーモフィラ
スを培養し、得られる菌体を破壊し、その上清を30〜60
%飽和硫安で処理する。この硫安沈澱画分を緩衝液に溶
解し、透析後、DE- セルロースカラムにかけ、250mM食
塩水で溶出させ、この画分を限外濾過して濃縮し、セフ
ァロースCL6Bカラムにかけてボイドボリューム画分を集
めて精製しホローシャペロニンとする。これにはシャペ
ロニン60モノマーとシャペロニン10が含まれている。次
に、これを 0.1%トリフルオロ酢酸中で変性させ、逆相
HPLCにかけてアセトニトリルで溶出してシャペロニン60
モノマーを含むピーク画分を集める。また、シャペロニ
ン10を含むピークも得られる。また、前記したシャペロ
ニン60モノマーの50kD断片フラグメントは、上記のよう
にして得られたシャペロニン60モノマーを固定化トリプ
シンで消化し、ゲル透過性HPLCで精製することによって
得ることができる。
【0008】本発明の変性蛋白質と前記〜のいずれ
かの蛋白質との反応はpH7〜8の緩衝液中で両者を直接
反応させてもよいが、前記〜のいずれかの蛋白質を
樹脂、例えばトーソー、TSK ゲル AF-トレシルトヨパー
ル650M等に固定化しこれに前記変性蛋白質の溶液を通液
することによって変性蛋白質の巻き戻しを行い、変性蛋
白質を再生することが有利である。
かの蛋白質との反応はpH7〜8の緩衝液中で両者を直接
反応させてもよいが、前記〜のいずれかの蛋白質を
樹脂、例えばトーソー、TSK ゲル AF-トレシルトヨパー
ル650M等に固定化しこれに前記変性蛋白質の溶液を通液
することによって変性蛋白質の巻き戻しを行い、変性蛋
白質を再生することが有利である。
【0009】本発明の方法によると変性蛋白質を含む系
に前記したシャペロニン60モノマー等を加えるだけで変
性蛋白質を巻き戻し再生することができる。また、通常
この種の反応では ATP等の高エネルギー化合物の添加を
必要とするが、本発明の方法によると ATP等の高エネル
ギー化合物の添加を特に必要としない。また、シャペロ
ニン60モノマーを樹脂上に固定することによって反応を
進行させることができ、その実施が簡単である。また、
本シャペロニンは、熱に対して安定であり、さらに巻き
戻し過程において基質となる蛋白質の変性を防ぐ働きを
もつことも特徴である。
に前記したシャペロニン60モノマー等を加えるだけで変
性蛋白質を巻き戻し再生することができる。また、通常
この種の反応では ATP等の高エネルギー化合物の添加を
必要とするが、本発明の方法によると ATP等の高エネル
ギー化合物の添加を特に必要としない。また、シャペロ
ニン60モノマーを樹脂上に固定することによって反応を
進行させることができ、その実施が簡単である。また、
本シャペロニンは、熱に対して安定であり、さらに巻き
戻し過程において基質となる蛋白質の変性を防ぐ働きを
もつことも特徴である。
【0010】次に本発明を実施例を示して説明する。
【実施例1】 シャペロニン60モノマー及びその断片フラグメントの調
製 サーマス サーモフィラスHB8(ATCC27634)から従来報告
されている方法〔M.J.Biol. Chem. 266. 22411-22418(1
991)〕によってホロシャペロニンを調製し精製した。得
られた精製ホローシャペロニンを 0.1%トリクロロ酢酸
で変性させ、逆相HPLC (Sensyu Pak C4 Hi-Pore Co(ue
r) にかけ、アセトリトリルでリニアグラジェントを行
って溶出した。得られたシャペロニン60モノマーを含む
ピークを真空乾燥し、6Mグアニジン HCLを含む緩衝液に
溶解し、50mMトリスー塩素緩衝液 pH7.5、60℃で40倍に
希釈してシャペロニン60モノマーを得た。また、同時に
シャペロニン10も分離された。
製 サーマス サーモフィラスHB8(ATCC27634)から従来報告
されている方法〔M.J.Biol. Chem. 266. 22411-22418(1
991)〕によってホロシャペロニンを調製し精製した。得
られた精製ホローシャペロニンを 0.1%トリクロロ酢酸
で変性させ、逆相HPLC (Sensyu Pak C4 Hi-Pore Co(ue
r) にかけ、アセトリトリルでリニアグラジェントを行
って溶出した。得られたシャペロニン60モノマーを含む
ピークを真空乾燥し、6Mグアニジン HCLを含む緩衝液に
溶解し、50mMトリスー塩素緩衝液 pH7.5、60℃で40倍に
希釈してシャペロニン60モノマーを得た。また、同時に
シャペロニン10も分離された。
【0011】また、このシャペロニン60モノマー(この
15mgを、pH7.5 の50mMトリス−塩酸緩衝液3mlに溶解)
を固定化TPCK−トリプシン(Picrce)2.8 ユニットで25
℃、3時間処理した。これをSDS(ソジウムドデシルスル
フェート)の存在下 (A)及び不存在下(B) にポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動した結果を図1に示す。図中1は
ホローシャペロニン(holo-cpn)を、2はシャペロニン60
モノマー (Th-cpn60m)を、3はその50kD断片フラグメン
トを示す。ポリアクリルアミド濃度は、(A) が13%であ
り、(B)は 7.5%であった。これらの蛋白は7μgがそ
れぞれ用いられゲルはクマシーブリリアントブルーで染
色された。
15mgを、pH7.5 の50mMトリス−塩酸緩衝液3mlに溶解)
を固定化TPCK−トリプシン(Picrce)2.8 ユニットで25
℃、3時間処理した。これをSDS(ソジウムドデシルスル
フェート)の存在下 (A)及び不存在下(B) にポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動した結果を図1に示す。図中1は
ホローシャペロニン(holo-cpn)を、2はシャペロニン60
モノマー (Th-cpn60m)を、3はその50kD断片フラグメン
トを示す。ポリアクリルアミド濃度は、(A) が13%であ
り、(B)は 7.5%であった。これらの蛋白は7μgがそ
れぞれ用いられゲルはクマシーブリリアントブルーで染
色された。
【0012】
【実施例2】ウシミトコンドリアロダネース(シグマ社
製)を室温において、6M塩酸グアニジン 5mMジチオスレ
イトールを溶解させた50mMリン酸塩緩衝液 (pH7.8)中に
て変性失活させた。ついで37℃にて、50mMジチオスレイ
トール、50mMチオ硫酸ナトリウム、3.3 μM の前記実施
例1で得られたシャペロニン60モノマー (Th-cpn60m)、
このモノマーとシャペロニン10(Th-cpn10)との混合物ま
たはシャペロニン60モノマーの50kD断片フラグメント(5
0kD fragment) を溶解させた50mMリン酸塩緩衝液にて溶
液を25倍に希釈した。ロダネースの最終濃度は0.13μM
となった。60分後に溶液の一部をとり、ロダネース活性
を測定した。この結果を表1Aに示した。なお、参考の
ためにTh-cpn 60mとTh-cpn10にMg ATPを添加した場合の
ロダネース活性をも示した。
製)を室温において、6M塩酸グアニジン 5mMジチオスレ
イトールを溶解させた50mMリン酸塩緩衝液 (pH7.8)中に
て変性失活させた。ついで37℃にて、50mMジチオスレイ
トール、50mMチオ硫酸ナトリウム、3.3 μM の前記実施
例1で得られたシャペロニン60モノマー (Th-cpn60m)、
このモノマーとシャペロニン10(Th-cpn10)との混合物ま
たはシャペロニン60モノマーの50kD断片フラグメント(5
0kD fragment) を溶解させた50mMリン酸塩緩衝液にて溶
液を25倍に希釈した。ロダネースの最終濃度は0.13μM
となった。60分後に溶液の一部をとり、ロダネース活性
を測定した。この結果を表1Aに示した。なお、参考の
ためにTh-cpn 60mとTh-cpn10にMg ATPを添加した場合の
ロダネース活性をも示した。
【0013】
【実施例3】 樹脂に固定化した蛋白質による反応 樹脂(AF−トレシルトヨパール650)6mgを0.5M塩化ナト
リウムを含む0.1Mリン酸緩衝液 (pH7.5)に溶解した。次
いで実施例2と同様に調製したTh-cpn 60m溶液を加え、
4℃にて一夜振盪とうした。0.5M塩化ナトリウム溶液で
樹脂を洗浄し、次いで0.5M塩化ナトリウムを含む0.1Mト
リス塩酸緩衝液 (pH8.0)で25℃にて1時間反応させ過剰
の活性基をブロッキングした。この条件下で20μg の蛋
白質が固定化された。この樹脂を実施例2の希釈緩衝液
中で振盪して巻き戻し反応をおこなわせた。その結果を
表1Bに示した。なお対照として固定化ウシ血清アルブ
ミンを用いて同様の処理を行った。なお、再生率は蛋白
質の変性前を 100%とし、これとシャペロニン添加後の
比活性とを比較して算出した。
リウムを含む0.1Mリン酸緩衝液 (pH7.5)に溶解した。次
いで実施例2と同様に調製したTh-cpn 60m溶液を加え、
4℃にて一夜振盪とうした。0.5M塩化ナトリウム溶液で
樹脂を洗浄し、次いで0.5M塩化ナトリウムを含む0.1Mト
リス塩酸緩衝液 (pH8.0)で25℃にて1時間反応させ過剰
の活性基をブロッキングした。この条件下で20μg の蛋
白質が固定化された。この樹脂を実施例2の希釈緩衝液
中で振盪して巻き戻し反応をおこなわせた。その結果を
表1Bに示した。なお対照として固定化ウシ血清アルブ
ミンを用いて同様の処理を行った。なお、再生率は蛋白
質の変性前を 100%とし、これとシャペロニン添加後の
比活性とを比較して算出した。
【0014】
【表1】 ──────────────────────────── 添 加 物 再生率(%) ──────────────────────────── A.none 4.5 Th-cpn60m 24.7 Th-cpn60m+Th-cpn10 24.6 Th-cpn60m+Th-cpn10+MgATP 25.2 50kD fragment 35.0 B.immobilized BSA 0.0 immobilized Th-cpn60m 10.0 ────────────────────────────
【図1】実施例1で得られたシャペロニン60モノマー、
その50kD断片フラグメント及びシャペロニン10を SDSと
添加した状態(A) あるいは添加しない状態(B) でポリア
クリルアミドゲル電気泳動を行った結果を示す。
その50kD断片フラグメント及びシャペロニン10を SDSと
添加した状態(A) あるいは添加しない状態(B) でポリア
クリルアミドゲル電気泳動を行った結果を示す。
Claims (8)
- 【請求項1】 変性蛋白質を、シャペロニン60モノマ
ー、シャペロニン60モノマーのN末端から79番目のス
レオニンから開始される分子量約50kDの断片フラグメン
ト、シャペロニン60モノマーとシャペロニン10及び
ホロシャペロニンの〜のいずれかの蛋白質と反応さ
せて変性蛋白質の巻き戻しを行うことを特徴とする変性
蛋白質の再生方法。 - 【請求項2】 〜の蛋白質がサーマス・サーモフィ
ラス(Thermus thermophilus)より精製された蛋白質であ
る請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 変性蛋白質が形質転換体微生物中に蓄積
された不活性蛋白質である請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 請求項1に記載される〜のいずれか
の蛋白質を樹脂上に固定し、これを変性蛋白質と接触さ
せて変性蛋白質の巻き戻しを行うことを特徴とする変性
蛋白質の再生方法。 - 【請求項5】 シャペロニン60モノマーよりなる変性蛋
白質再生剤。 - 【請求項6】 シャペロニン60モノマーのN末端から79
番目のスレオニンから開始される分子量50kD断片のペプ
チドよりなる変性蛋白質再生剤。 - 【請求項7】 シャペロニン60モノマーとシャペロニン
10とよりなる変性蛋白質再生剤。 - 【請求項8】 ホロシャペロニンよりなる変性蛋白質再
生剤。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5210904A JPH0748398A (ja) | 1993-08-03 | 1993-08-03 | 変性蛋白質の再生方法及び変性蛋白質再生剤 |
| EP94112060A EP0650975A1 (en) | 1993-08-03 | 1994-08-02 | Refolding of denatured proteins using chaperonin 60 monomers from Thermus thermophilus |
| US08/285,346 US5561221A (en) | 1993-08-03 | 1994-08-03 | Methods and compositions for promoting protein folding |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5210904A JPH0748398A (ja) | 1993-08-03 | 1993-08-03 | 変性蛋白質の再生方法及び変性蛋白質再生剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0748398A true JPH0748398A (ja) | 1995-02-21 |
Family
ID=16597001
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5210904A Pending JPH0748398A (ja) | 1993-08-03 | 1993-08-03 | 変性蛋白質の再生方法及び変性蛋白質再生剤 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5561221A (ja) |
| EP (1) | EP0650975A1 (ja) |
| JP (1) | JPH0748398A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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|---|---|---|---|---|
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| US6274597B1 (en) * | 1998-06-01 | 2001-08-14 | Mount Sinai School Of Medicine Of New York University | Method of enhancing lysosomal α-Galactosidase A |
| GB9913437D0 (en) * | 1999-06-09 | 1999-08-11 | Medical Res Council | Fusion proteins |
| US20050196824A1 (en) * | 2000-03-15 | 2005-09-08 | Fisher Mark T. | Chaperonin and osmolyte protein folding and related screening methods |
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-
1993
- 1993-08-03 JP JP5210904A patent/JPH0748398A/ja active Pending
-
1994
- 1994-08-02 EP EP94112060A patent/EP0650975A1/en not_active Withdrawn
- 1994-08-03 US US08/285,346 patent/US5561221A/en not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US8013129B2 (en) | 2003-12-19 | 2011-09-06 | Agency For Science, Technology And Research | Protein separation device |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| EP0650975A1 (en) | 1995-05-03 |
| US5561221A (en) | 1996-10-01 |
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