JPH0750127B2 - 電子ビームテストプローブ装置 - Google Patents

電子ビームテストプローブ装置

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JPH0750127B2
JPH0750127B2 JP61058002A JP5800286A JPH0750127B2 JP H0750127 B2 JPH0750127 B2 JP H0750127B2 JP 61058002 A JP61058002 A JP 61058002A JP 5800286 A JP5800286 A JP 5800286A JP H0750127 B2 JPH0750127 B2 JP H0750127B2
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electron beam
electron
potential
electrons
energy
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JP61058002A
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リチヤードソン ニール
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シユルンベルジエ テクノロジイ コ−ポレ−シヨン
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、大略、走査型電子顕微鏡の分野に関するもの
であり、更に詳細には、集積回路を可視化し且つテスト
する為のテストプローブとして使用する走査型電子顕微
鏡に関するものである。
集積回路の設計及び製造における進歩の結果、個々の導
体及びノードが1乃至2ミクロンである数百の導体及び
トランジスタを持った回路を形成することが可能となっ
た。これらの回路は、機械的なプローブ即ち探査器を使
用する技術によってテスト及び解析を行うには小さ過ぎ
且つ複雑過ぎる。機械的プローブは、テスト中の回路を
容量的に負荷をかける傾向があり、従って測定すること
を望む動作を変化させることとなる。更に、機械的なプ
ローブは、小さな導体及びそれが接触されるノードを実
際的に物理的に損傷することがある。最後に、VSLI集積
回路をデバッグする為に検査せねばならないノード数は
迅速に多数となり一度にひとつづつのノードを手作業で
行うには不向きとなっている。その結果、電子ビームに
基づくテストが開発された。これらのテストプローブ
は、小さな導体上の電位を測定する手段及び何等物理的
な損傷を与えること無しに導体及び周囲回路の画像を形
成する手段を提供する。
第1図は、電子ビームテストプローブが動作する基本原
理を図示している。充分なエネルギの電子ビームが導体
に衝突すると、該導体上の電位の関数であるエネルギ分
布を持った二次電子が射出される。接地及び−5Vにある
導体に対する典型的なエネルギ分布を第2図に示してあ
る。二次電子に加えて、電子ビームからの電子の幾らか
は又該導体によって後方へ散乱され、それは電子ビーム
のエネルギにおいて又はその近傍で小さなピークを発生
する。これらの電子は後方散乱された電子と呼称され
る。衝撃下の導体が負の5Vにあると、導体から出る二次
電子の各々は該導体の負電位により電子の反発から発生
する5Vの付加的なエネルギを持っている。従って、接地
電位にある導体に対して第2図に示したエネルギ分布
は、該導体が負の5Vにある時には5Vだけシフトされる。
逆に、衝撃下にある導体から射出される二次電子のエネ
ルギ分布を観察すると、原理的にはその導体の電位を推
論することが可能である。
従来の電子ビームテストプローブは走査型電子顕微鏡に
基づいていた。これらはPlows等の米国特許第3,628,012
号の業績に代表される。Plowsが開示している装置を第
3図に概略示してある。走査型電子顕微鏡からの電子ビ
ームは観測中の導体へ指向される。フィルタグリッドに
よって発生される妨害電界に打ち勝つべく電子ビームと
平行な方向へ充分な速度で該導体から出てくる二次電子
が検知器によって測定される。
このPlowsの装置は幾つかの問題を持っている。第1
に、衝撃下の導体の電位に対する測定した値は衝撃点の
近傍における電界に依存する。これは、主に、電子のエ
ネルギを測定する為に選ばれた手段の結果であり、即ち
入射電子ビームの方向に平行な二次電子速度の成分を測
定することを選択することの結果である。第4図を参照
すると、各二次電子は、速度v及び電子ビームの方向と
相対的な射出角度Tによって特性付けることが可能であ
る。角度Tで射出される二次電子数はTのコサイン即ち
余弦の平方に比例する。二次電子速度ベクトルvは、電
子ビームの方向に平行な成分vpと電子ビームの方向に垂
直な成分vrとに分解することが可能である。フィルタグ
リッドによって発生される妨害電界は速度のvp成分に影
響を与えるのみであるから、該グリッドを横断すること
に成功する電子数は或る所定の値より大きなvpを持った
二次電子数の測定値であり、所定の値より大きな全速度
を持った電子数の測定値ではない。その結果、大きな速
度及びTが90°又はその近傍で射出された二次電子は計
数されず、もっと小さな速度で0°又はその近傍で射出
される二次電子が計数される。
従来の電子ビームテストプローブの別の問題は、射出角
度Tが、第5図に図示した如く、二次電子の射出点の近
傍での電界によって変化されることがあるということで
ある。ここで、90°近傍の角度で射出される二次電子
は、負の電位にある第2導体上を通過する。この負の電
位は局所的電界を発生し、それは問題の二次電子を偏向
させ、その結果この実効射出角度を減少させる。その結
果、検知器で計数されない様な二次電子も計数されてし
まう。この結果、探査中の導体と隣の導体との間に「ク
ロストーク」が発生する。隣の導体上の信号は探査中の
導体上の信号として現われる。何故ならば、隣の導体上
の信号によって発生される電位は、前記信号が負又は正
になる時は該検知器によって計数される電子数を夫々増
加又は減少させるからである。このことは従来装置にお
ける重大な問題である。
クロストークに加えて、測定した電位の局所電界に対す
る感度は、探査中の回路の表面電位における変化が遅い
ので、測定された電位におけるドリフトとなる。集積回
路上の導体間の領域は、電子ビームを或る点から別の点
へ移動させた時に電子ビームによる衝撃即ちボンバード
メントの結果として電荷を蓄積する。この様な電荷の蓄
積は、又、回路上のどの点を探査するかを決定する前に
該回路の画像を形成する為に回路区域全体を走査する結
果としても発生する。該回路のこれらの区域は比較的高
い感度を持っているので、この電荷はゆっくりと時間と
共に減衰する電界を発生する。従来のシステムは探査中
の点の近傍における電界に敏感であるから、これらのシ
ステムは導体間の区域のゆっくりとした放電の結果とし
て測定した電位中に長期的ドリフトを表す。
この問題に対する従来の解決法は、テスト中の回路の表
面の直上方に大きな正電位にある抽出グリッドを位置さ
せることであった。このグリッドは回路の表面から離れ
る方向へ二次電子を引き付け、表面電界の影響を最小と
させるものである。然し乍ら、このグリッドは全ての表
面電位効果に打ち勝つことは出来ない。特に、それは隣
接する導体間のクロストークを除去するものではない。
更に、このグリッドは屡々回路の表面を高度に正に帯電
させることとなる。何故ならば、標本の表面を逃避する
電子はこのグリッドによって払拭されるからである。従
って、電子ビームが、吸収される各電子に対して標本に
よって1つを越えて二次電子が射出されるエネルギであ
ると、表面電荷が抽出グリッド電界を中和する値に表面
電荷が到達する迄標本は段々と正に荷電されることとな
る。この表面電荷は又テスト中の動作に悪影響を与える
ことがある。
装置の他の部分における迷電界も、二次電子の軌道を変
化させるか又は電子ビームの軌道を変化させるかの何れ
かによって測定電位に影響を与える。例えば、抽出及び
フィルタグリッドは絶縁体によって位置決めされ且つ支
持されねばならない。これらの絶縁体は、電子ビームに
完全にコリメートされなかった電子により、後方散乱さ
れた電子により、又二次電子によって衝突される結果と
して非再現性の無い態様で電荷を収集する。従来技術
は、問題の絶縁体の周りに複雑な接地シールドを使用す
ることによってこの電荷蓄積問題を解決しており、該シ
ールドは迷電子が絶縁体に衝突することを防止し且つ電
子ビーム及び二次電子をこれらのシールドを通過させ問
題の絶縁体上に蓄積した電荷によって発生される電界か
らシールドする。
同様に、迷電界は電子ビーム偏向方式に影響を与えるこ
とが可能である。電子ビームは屡々磁気偏向によって回
路を横断して掃引される。電子ビームは管内の掃引磁石
を介して通過せねばならず、該管は電荷蓄積を防止する
為に充分に導電性でなければならないが、渦電流が掃引
磁石の応答時間と干渉することを防止するのに充分に抵
抗性でなければならない。この問題に対する1従来技術
の解決法は、内側表面上に薄い炭素の層を具備する絶縁
性管を使用することである。
従来のシステム即ち方式においてフィルタと抽出グリッ
ド組立体とを収納する為に電子ビーム光学系において標
本と最後の磁気レンズとの間にかなりの空間が必要とさ
れたことは、これら従来の方式において第2の主要な欠
点を発生している。この空間は2つの観点によって決定
される。第1に、電子ビーム及び二次電子はこれらのグ
リッドを通過せねばならず、従って該グリッドを形成す
る為に使用されるワイヤ間の空間はワイヤの直径に比較
して大きくなければならない。そうでないと、電子ビー
ム及び二次電子のかなりの部分がグリッドでインターセ
プト即ち捕獲されてしまう。第2に、この様な開放グリ
ッドが理想的な電位障壁である為には、抽出グリッドと
フィルタグリッドとの間の距離は、グリッドを形成する
ワイヤ間の間隔と比較して大きくなければならない。こ
れら2つの考察の結果、第6図に示した如く、かなりの
距離Dが電子ビームコラムにおける最後の合焦磁石と標
本との間に存在せねばならない。この大きな空間は、探
査中の導体上の電子ビームのスポットの寸法を制限す
る。
第6図を参照すると、電子ビームコラム内の最後の磁石
は電子ビームを探査中の点において標本上のスポットへ
合焦させる。このスポットの最小寸法は、この磁石レン
ズの色収差によって決定される。磁石レンズの色収差は
大体その焦点距離に比例する。この目的に使用される従
来の磁石レンズの焦点距離は少なくともレンズの底部か
ら標本への距離程度の長さである。従って、抽出グリッ
ドとフイルタグリッドとを収納する為に必要とされる空
間は、従来方式が長い焦点距離の磁石レンズを使用する
ことを強制しており、それは大きな色収差を発生させる
原因となっていた。この色収差は従来の方式の空間分解
能を制限していた。
従来の方式は基本的に修正した走査型電子顕微鏡である
という事実は、第3の問題を発生させる。通常の走査型
電子顕微鏡は可及的に最高の空間分解能を持つ様に最適
化される。5/1000ミクロンの分解能は普通である。これ
は高エネルギ電子ビーム、典型的に10乃至20KeVを必要
とする。発生されたこの問題は第1に、この高エネルギ
ビームはテスト中の回路の動作と干渉することがあると
いうことである。第2に、それは閉じ込め容器の壁に衝
突する後方散乱された電子からの電子の高いバックグラ
ンドを発生することである。これらの電子はプローブの
信号対雑音比を制限する。最後に、それは小型の装置を
製造することを阻むことである。
更に詳細に説明すると、20KeVの電子ビームはテスト中
の集積回路の表面内にかなりの距離浸透することが可能
である。この浸透はテスト中の回路内の離隔されたゲー
ト要素の充電又は放電を発生させる。この様な充電及び
放電は永久的な回路損傷を発生することがある。
第2に電子ビームの著しい部分はテスト中の標本によっ
て後方散乱される。これらの後方散乱された電子は真空
容器の壁に衝突し且つ電子検知器によって検知される範
囲内のエネルギを有する二次電子を発生する。この様な
各後方散乱された電子によって発生される二次電子の数
は、後方散乱された電子のエネルギが増加すると増加す
る。20KeVにおいて、これらの二次電子はテストプロー
ブ装置における著しい雑音源である。
最後に、装置の物理的寸法は、電子ビームのエネルギに
よって拘束されており、電子ビームエネルギが大きけれ
ば大きい程、装置の物理的寸法は一層大きくなる。多く
の走査型電子顕微鏡において、電子ビームは、磁気偏向
コイルによってテスト中の標本を走査させられる。偏向
コイル及び電子ビームを合焦させる為に使用する磁気レ
ンズの寸法及び電力散逸は電子ビームのエネルギに直接
的に関係している。20KeVにおいて、これらのコイルは
かなりの電力を消費し、従ってそれらは冷却されねばな
らず、それは物理的構成を複雑化させる。この冷却を取
り入れる為に、磁気偏向コイルが通常真空室の外側に位
置される。このことは、真空室が各磁気偏向コイルを貫
通する管を有することが要求される。この幾何学的形状
は、真空容器を複雑化させ且つそのコストを増加させ
る。更に、電子ビームエネルギが増加すると共に、磁気
レンズから標本への距離が増加する。これは電子ビーム
コラムの最小高さを拘束する。
従来のテストプローブ方式は又、メインテナンス及び電
子顕微鏡の使用において訓練されていない人によって使
用可能である様には設計されていない。通常、それは複
雑な機器であって、所望の画像が得られる前にオペレー
タによる多大の同調作業が必要とされる。
走査型電子顕微鏡は、標本上の小さな区域の画像を形成
する為に最適化される。テストプローブ方式は、集積回
路内の何れの個所であり得る特定の点での電圧の迅速な
変化を測定する為に最適化されねばならない。
このことは、この様な装置がテストプローブとして使用
すべく適合される場合に更に2つの問題が提起される。
第1に、典型的なVLSI集積回路の物理的寸法は、典型的
な走査型電子顕微鏡の「視野」よりもかなり大きい。そ
の結果、回路の小さな部分のみが或る1つの時間に探査
されるに過ぎない。第2に、特定の点において電位を測
定するのに必要とされる時間は長すぎることが多い。測
定された電位は測定を行うのに必要とされる時間に関し
てその導体上の電位の平均であるから、電位測定の間に
導体上の電位が著しく変化すると、このことは不正確性
を発生する。
この第2の問題を回避する為には、電子ビームは、回路
の動作を支配するテスト信号と相対的に精密に定義され
た時間において非常に短いパルスにパルス化されねばな
らない。これは、従来の方式の構成において適切に組み
込まれていない設計拘束条件を課している。例えば、電
子ビームパルス化を制御する為に使用されるタイミング
回路は、屡々、これらの方式によって測定することの可
能な電気信号の周波数を制限する。
最後に、集積回路は絶縁性物質からなる層によって被覆
されている導体を有している。この様な埋込導体上の電
位を測定する手段が必要とされている。これらの導体上
の電位は、絶縁層の表面上の静電電位を発生する。従っ
て、下側の導体の電位を測定することが可能であるはず
である。然し乍ら、従来の方式はこれらの電位を測定す
る為の満足のいく方法を提供するものではなかった。従
来の方式においては、絶縁性物質表面の電子ビーム衝撃
は、前記表面の電位に変化を発生させ、それは下側の導
体の電位を推論することを困難とさせていた。
従って、本発明の目的とするところは、探査中の回路上
の点におけるよりも標本上の点における電界に従来の方
式よりも影響を受けない電子ビームテストプローブ装置
を提供することである。
本発明の別の目的とするところは、改良した信号対雑音
比を持った電子ビームテストプローブ装置を提供するこ
とである。
本発明の更に別の目的とするところは、生産ラインの使
用に適した小型で使い易い電子ビームテストプローブ装
置を提供することである。
本発明の更に別の目的とするところは、たとえ集積回路
の物理的境界が走査型電子顕微鏡の視野をこえる場合で
もその回路の物理的境界内の任意の点でのVLSI集積回路
上の電位を測定することの可能なテストプローブを提供
することである。
本発明の更に別の目的とするところは、高周波数電気信
号を測定することの可能な電子ビームテストプローブ装
置を提供することである。
本発明の更に別の目的とすることろは、絶縁層によって
被覆されている導体の電位を測定することである。
最後に、本発明の更に別の目的とするところは、テスト
中の回路内の複数個の選択した点の1つ以上において電
位を同時的に測定する一方テスト中の回路の画像を発生
させることの可能なテストプローブ装置を提供すること
である。
本発明は、改良した電子ビームテストプローブ装置に関
するものであり、それは標本の電位が測定されている点
の近傍における局所的電界に従来の方式よりも影響を受
けずに測定を行うことを可能としている。本発明の装置
は、標本の電位を測定する点において標本を衝撃する電
子ビーム、この衝撃に応答して標本から射出される二次
電子をコリメート即ち平行化させる磁気レンズ、その様
にコリメートされた二次電子のエネルギ分布を測定する
検知器システムを有している。従来技術の検知システム
の角度依存性によって発生させる制限は、二次電子のエ
ネルギ分布を測定する前に二次電子をコリメートする為
に磁気レンズを使用することによって著しく減少され
る。管状電極をエネルギ分布検知システム内で使用して
いる。この様な電極は著しく高い電界一様性を持ってお
り且つ従来システムにおいて使用されているワイヤメッ
シュ電極よりも二次電子のより小さな部分をインターセ
プトする。本発明において使用される電極は、従来シス
テムにおいて予測不可能な電界を発生していた静電電荷
の蓄積を防止する僅かに導電性のプラスチックから構成
される絶縁体上に支持されている。標本を衝撃するのに
使用される電子ビームは、走査型電子顕微鏡において通
常使用されるものよりもかなり低いエネルギのものであ
り、従って従来システムの高エネルギ電子ビーム衝撃に
関連する問題を減少させている。デジタル遅延技術とア
ナログ遅延技術とのタンデム組合せを使用する改良型電
子遅延回路が開発されて、テスト中の回路に印加される
テスト信号パターンと同期して正確な時間で短いパルス
で電子ビームをターンオンさせることを可能としてい
る。この遅延回路は、これらの短いパルスのタイミング
を、数ミリ秒早く遅延回路へ印加されるトリガパルスと
相対的に5ピコ秒の精度に特定させることを可能とす
る。
更に、改良された信号平均化回路が開発されており、そ
れは電圧測定の信号対雑音比を改良しており且つそれは
従来技術の信号平均化回路よりも一層高速の応答時間を
持っている。該回路は、ノイズ信号のみが存在する期間
中にゼロに設定される利得を持っている演算増幅器を使
用している。これは、一層良好な周波数応答及び低ノイ
ズとさせている。
本装置は、衝撃点での電位を測定する一方その点の近傍
において標本の画像を形成する為に使用することが可能
である。更に、本発明に基づく方法は、絶縁層の下側に
位置された埋込導体上の電位を測定することを可能とし
ている。この方法は又標本上の変化する表面電界から発
生する電子ビーム内のドリフトを防止している。
以下、添付の図面を参考に、本発明の具体的実施の態様
に付いて詳細に説明する。
本発明に基づいて構成されるテストプローブは第7図に
大略100として示してある、それは、電流をそれに通過
させることによって加熱された場合に電子を放出するタ
ングステンフィラメント102を具備する電子ビーム源を
有している。該電子ビーム源の構成に影響を与える要因
に付いては後述する。これらの電子は、フィラメント10
2と加速電極104との間に維持される電位差によって加速
される。電極104によって加速される電子は、電極104内
のオリフイス106によって電子ビームに形成される。こ
の電子ビームは2個の磁気レンズ、即ち磁気レンズ110
及びコリメート用磁気レンズ112によって標本108内の点
上に合焦される。電子ビームコラムの軸116とフィラメ
ント102との間の如何なる多少の不整合に対しても補正
する為に偏向コイル114が使用されている。この電子ビ
ームによって標本108の衝撃に応答して発生される二次
電子は、コリメート用磁気レンズ112によって第2のコ
リメートされたビームに形成される。この第2のコリメ
ートされたビームは、標本108を衝撃する為に使用され
る電子ビームの方向に平行な方向及び前記衝撃するビー
ムの方向と反対の方向へ進行する。フィルタ電極118を
通過するのに充分なエネルギを持ったこれらの二次電子
は、抑圧電極122に印加される負電圧及び二次電子検知
器120の表面124に印加される正電位の組合せによって二
次電子検知器120内に偏向される。
コリメート用磁気レンズ コリメート用磁気レンズ112の断面をより詳細に第8
(a)図に示してある。好適実施例において、コリメー
ト用磁気レンズ112は、標本が電子ビームによって衝撃
される点132へ向かって下方向へ傾斜されたスロット130
を持ったポールピース128内に形成されている環状ダク
ト127内に巻着されているコイル126を有している。ポー
ルピース128はドーナツ形状をしており、電子ビームコ
ラムの軸116と一致する軸を具備する円筒形状をした通
路134を持っている。該ポールピースは高透磁率を持っ
た強磁性物質から構成されている。
コイル126を介して電流が長されると、第8(b)図に
図示した如く磁界が発生される。このようにして発生さ
れた磁界は磁気回路を形成し、その中で、磁力線はコイ
ル126内のワイヤの方向と垂直な面内に存在する。ポー
ルピースは高透磁性物質で構成されているので、この磁
気回路の殆どは磁束線136によって示される如くポール
ピース128を介して流れる様に拘束される。然し乍ら、
スロット130はこの様に高度に透磁性の物質を包含して
いないので、磁束線はスロットの位置で「膨出」し、点
132において強力な磁界領域を形成する。ポールピース1
28に拘束されない磁界の小さな部分は、磁束線138で図
示した如く、磁気レンズのボア134内の一様でより弱い
磁界領域を形成している。
コリメート用磁気レンズ112は、レンズの焦点に位置さ
れた点光源から射出されたホトンに対しての光学的レン
ズの作用と類似する態様で二次電子に作用する。これは
第9図に図示してある。例えば、光源141からのホトン1
40が光学レンズ142の焦点において射出され、該レンズ
の軸146に関して角度144でレンズ142へ向かった進行す
るものと仮定する。ホトン140がレンズ142に衝突する
と、その進行方向は、それがレンズを出る時に、148で
示した如く、レンズの軸146に平行に進行する様に変化
される。同様に、理想的な磁気レンズは、焦点において
射出された二次電子の進行方向を変化させるが、その場
合に、問題の二次電子は、前記二次電子が発生源から射
出された角度とは独立的に磁気レンズの軸に平行な方向
に進行する様に変化される。
この二次電子のコリメーションは、著しく二次電子エネ
ルギ分布の測定を容易化し且つ従来技術の電子ビームテ
ストプローブ方式において存在していた「クロストー
ク」を取り除いている。時間に関して一定な磁界は電子
の何等のエネルギを付与することは出来ないので、電子
の進行方向のみが変化される。従って、このコリメート
作用により、全ての速度がレンズの軸に平行な速度成分
に集中されることとなる。従って、磁気レンズによる電
子のコリメート作用の後、レンズの軸に平行な速度成分
の測定は各電子の全速度即ちそのエネルギの測定と等価
である。この測定は、二次電子が標本から射出された角
度に独立しており且つ隣の電界による爾後の偏向にも実
質的に独立している。従って、隣の導体により二次電子
の偏向から発生していた「クロストーク」は実質的に減
少される。従って、コリメート用磁気レンズ112を導入
することにより、従来の電子ビームテストプローブ方式
における主要な問題の1つが補正される。
然し乍ら、理想的な光学レンズを形成するよりも理想的
な磁気レンズを形成する方がかなり困難である。然し乍
ら、Kruit及びRead、「ジャーナルオブフィジックス」
(J.Physics,E:Sci.Instrum.,Vol.16,p.313,1983,英
国)は、二次電子の放出点に磁束の高強度領域を持つ磁
界を形成し、前記磁界が一様な磁束領域へ発散しその中
で磁束線がレンズ軸と平行になる様にすることによって
理想的な磁気レンズに対する良好な近似を構成すること
が可能であることを示している。これは第10図に示して
ある。磁気レンズ軸153の方向に関して角度152を持って
点150から射出された電子は磁界によって捕捉され且つ1
54で示した如く磁束線によって決定される経路に沿って
進行すべく拘束される。電子が一定の磁界領域に入る
と、それらの速度ベクトルの角度は新たな角度156へ回
転され、その新たな角度は元の角度152よりも著しく小
さい。Kruit及びReadは次式を示している。
sin(A)/sin(B)=(Bf/Bi)0.5 尚、A及びBはレンズの軸に関しての電子速度ベクトル
の最後及び最初の夫々の角度であり、且つBf及びBiは一
様な磁界領域及び高強度の発散する磁界内の夫々の磁界
強度である。従って、電子の放出点150の領域における
磁界が一様な磁界領域内の磁界と比較して大きいと、電
子は磁気レンズの軸に実質的に平行な方向を持ったビー
ムにコリメートされる。
本発明に基づく装置においては、このコリメート作用の
効果は、標本108から射出された二次電子が、標本から
射出された角度とは基本的に独立した方向に磁気レンズ
の一様な磁界領域に入る。このコリメート作用の結果と
して、標本から射出された基本的に全ての二次電子が収
集され、且つそれらの速度ベクトルはそれらがレンズの
軸に平行になる様に向きが変化される。従って、与えら
れた二次電子が計数されるか否かの蓋然性は、そのエネ
ルギのみに依存し、標本が電子ビームによって衝撃され
た点での放出角度には依存しない。従って、エネルギフ
ィルタの角度依存性から発生していた隣の導体間のクロ
ストークの如きアーティファクトは実質的に減少され
る。
更に、標本から放出された基本的に全ての電子がエネル
ギフィルタに到達する。従来の電子ビームテストプロー
ブでは標本から放出された二次電子の小さな部分を収集
していたに過ぎない。与えられた精度で標本上の電位を
測定するのに必要な時間は、エネルギ分布検知手段によ
って収集される電子の部分即ち割合に逆比例するので、
コリメート用磁気レンズを導入することにより標本上の
或る点における電圧を測定するのに必要な時間は著しく
減少される。
コリメート作用は完全ではないので、一般的には、各電
子は、電子ビームコラム116の軸と一致するレンズ112の
軸に垂直な方向へ小さな半径方向速度成分を未だ持って
いる。この部分の磁気レンズ112における磁束と結合し
てこの速度成分は、該電子を該レンズの軸に平行な磁力
線の周りに螺旋経路を描かせる。この半径方向の速度成
分が該レンズの軸に平行な速度成分に比べて小さい限
り、電位障壁はなおかつそれらの全エネルギに基づいて
異なったエネルギの電子を識別する。これは以下の如く
に理解することが可能である。電子のエネルギEはその
速度vに次式の如く関係している。
E=0.5mv2 ここで、mは電子の質量である。
速度vは速度成分vp及びvrに次式の如く関係している。
v2=vp2+vr2 ここで、vpは磁気レンズの軸に平行な速度成分であり、
vrはその軸に垂直な速度成分である。vpがvrよりもかな
り大きい場合、vは略vpである。例えば、vrがvpの10%
であると、vはvpから約1%だけ相違するに過ぎない。
従って、標本から出てきた時にそれらの全エネルギに従
って二次電子を分離することを可能とする方式を形成す
る為には完全なコリメート作用は必要ではない。
本発明の装置において使用される磁気レンズ112が独得
であることは、このレンズによって発生される高強度磁
束領域はポールピース即ち極部材128の物理的境界の外
側に存在しているということである。上述した如く、こ
のことは、二次電子が放出される点に向かって下方向に
ポールピースにおける間隙130を傾斜させることによっ
て達成される。従来の磁気レンズの高強度磁束領域を発
生する構成は、この領域をポールピースの限界の内側に
位置させている。このことはこれらの構成を、直径が最
大6インチであるウエハ上に位置されることがあり従っ
て従来の方式においては高強度の磁束領域内に位置させ
ることは不可能である集積回路をテストすべく構成され
るテストプローブに使用するのには不向きなものとして
いる。標本を収容する為に必要な空間に加えて、テスト
プローブは、標本の1側部に回路及び接続用の空間を有
することが必要であり且つ電子ビームの方向に垂直な面
内で標本を移動させる空間も設けることが必要である。
このことは、従来のコリメート用磁気レンズをこの様な
構成上のテスト点を測定するには一層実際的ではないも
のとしている。
電子ビームにより標本の衝撃点近傍の静電電界によって
発生されるアーティファクトを除去することに加えて、
二次電子のコリメート作用はテストプローブのエネルギ
分解能を改善し且つ標本の電位を決定する精度を改善し
ている。上に指摘した如く、従来のテストプローブは、
電子ビームの方向に平行な二次電子の速度成分の分布を
測定するのみであった。この分布は二次電子のエネルギ
分布及び二次電子の速度ベクトルの両方に依存している
ので、それはエネルギ分布よりもかなり広範である。従
って、ピーク(又は分布を特徴付けるその他のパラメー
タ)を決定することの可能な精度は、エネルギ分布のピ
ークを決定することが可能な精度よりも劣る。標本電位
を決定することの可能な精度は、測定される分布のピー
クを決定する精度と直接関係している。従って、従来の
テストプローブは、本発明のテストプローブよりも著し
く劣った電位測定能力を持つものである。
テストプローブのエネルギ分解能を改良し且つ従来方式
が二次電子の放出角度に依存していた問題を除去するこ
とに加えて、本発明に基づくコリメート用磁気レンズ
は、幾つかの付加的な改良点を与えている。第1に、標
本から放出される二次電子の遥かに大きな部分が二次電
子検知器120に到達する。従来方式においては、二次電
子は検知器に到達するには2つの特性を持つことが必要
であった。第1に、それは電位障壁に打ち勝つ為に電子
ビームの方向に平行な方向に充分な速度をもたねばなら
ない。第2に、上述した方向に垂直なその半径方向速度
成分が大き過ぎると、計数されない。この半径方向速度
成分は、二次電子を電子ビームコラムの軸から離れて真
空容器の壁に向かってドリフトさせる。二次電子が電位
障壁に打ち勝つ前にこれらの壁の1つにドリフトする
と、その電子は失われる。本発明において使用されるコ
リメート用磁気レンズでは、二次電子はそれらが真空容
器の壁又は該装置内のその他の構造体にドリフトする間
に前記磁気レンズによって収集されるので、この困難性
を克服している。二次電子が一様な磁界領域内にコリメ
ートされると、残存する半径方向速度成分は単に二次電
子を磁束線の周りに螺旋経路を描かせるだけであり、従
って二次電子はこの点においてコリメート用磁気レンズ
の壁に自由にドリフトするものではない。
2番目の改良点は、コリメート用磁気レンズは又標本に
よって後方散乱された電子をもコリメートするというこ
とである。その様にコリメートされると、これらの二次
電子は、磁気レンズの一様な磁界領域内の磁力線の周り
の螺旋経路を辿る様に拘束される。従って、これらの二
次電子は閉じ込め容器又は磁気レンズの壁に衝突するこ
とが防止される。従来の方式において、これらの後方散
乱した電子は屡々真空容器の壁に衝突していた。後方散
乱された電子は標本で発生された二次電子よりも遥かに
高いエネルギであるから、この様な容器壁又は装置内の
その他の物体との衝突は屡々幾つかのバックグランドの
低エネルギ電子で電位障壁に打ち勝つには充分なエネル
ギを持っている電子を発生させ、この様な電子が二次電
子として標本から放出されたかの様に検知される。これ
らのバックグランド電子は従来のテストプローブ方式の
信号対雑音比に著しい制限を与えている。
本発明のコリメート用レンズによって与えられる第3の
改良点は、コリメート用磁気レンズは、標本と電位障壁
を形成する為に使用される電極との間に抽出電極を位置
させることの必要性を取り除いている。従来の方式は、
標本の表面上の電界の影響に部分的に打ち勝つ為にこの
様な抽出電極を使用していた。これらの電界は、標本上
の領域を走査するか又は電子ビームを1つの導体から別
の導体へ移動させる過程中に導体間の絶縁領域を電子ビ
ームを衝撃することとなる。電子ビームがこれらの絶縁
領域と干渉することにより、絶縁領域は帯電される。こ
の電荷は標本の表面近傍に電界を発生する。これらの帯
電された絶縁領域の1つに位置されている導体が電子ビ
ームで衝撃されると、大きな角度で放出された二次電子
は、上述した如く、隣の導体上の電位による二次電子の
偏向と類似した態様でこれらの電界領域によって偏向さ
れる。これらの領域は高固有抵抗を持っているので、こ
の捕獲された電荷はゆっくりと漏洩するに過ぎない。こ
れらの基本的に静電電場の影響を解消する為に、従来の
電子テストプローブ方式は、標本の表面とフィルタ電極
との間に位置させた抽出電極を使用していた。この電極
は、数百Vの正電位に荷電されていた。その結果、電子
ビームで衝撃される導体から放出される二次電子は、こ
の大きな正電界によって標本の表面から離隔する方向へ
加速される。この加速は、二次電子がこれらの電気的に
帯電された領域の近傍に滞留する時間を減少させる。二
次電子の偏向はそれらがこの表面電荷によって発生され
る電界内に滞留する時間に比例するので、抽出電極はこ
の偏向の大きさを減少させ且つこれら表面電界の悪影響
を部分的に補償している。
従来の電子テストプローブ方式において使用された抽出
電極はこれら表面電界の影響を減少するものではある
が、それは屡々付加的な問題を導入するその他のアーテ
ィファクトを発生する。上述した如く、集積回路を解析
するのに使用する電子ビームテストプローブは回路破壊
を防止する為に低エネルギ電子ビームを使用することを
必要とする。以下に更に詳細に説明する如く、この様に
低いエネルギの電子ビームが典型的なVLSI集積回路内に
存在するタイプの絶縁性表面に衝突すると、1つを越え
る二次電子が絶縁性表面に捕獲された各電子ビームの電
子に対して該表面から放出される。抽出電極が存在しな
いと、該表面は約4Vの正電位で平衡状態となる。以下に
更に詳細に説明する如く、この電位において、電子ビー
ム衝撃に応答してその表面から放出される二次電子の幾
らかはこの電位によってその表面に向かって引き戻され
る。この表面電位において、電子ビーム衝撃に応答して
その表面から放出された二次電子の1つのみがその表面
によって捕獲された各電子ビーム電子に対して出される
に過ぎないので、この平衡状態が得られる。抽出電極が
使用されると、基本的に電子ビーム衝撃に応答して該表
面から放出される二次電子の全てが抽出電界によって払
拭される。電子ビームから捕獲されるよりもより多くの
電子が抽出電極によって該表面から除去されるので、該
表面は衝撃が継続するに従い、段々と正に帯電されるこ
ととなる。該表面が最終的に抽出電極電位(即ち、数百
V)とバランスする電位に帯電されると、平衡状態が確
立される。然し乍ら、標本の表面上の数百Vの正電位が
回路動作と干渉する。従って、本発明のコリメート用磁
気レンズの使用は、著しく電子ビームテストプローブの
性能を改善する。
第4の改良点は、好適実施例において使用する磁気レン
ズの実効焦点距離が基本的にゼロであるということであ
る。これは、電子ビームを標本の表面上の小さなスポッ
トへ合焦させる能力において著しい改良を与えている。
従来方式においては、標本と標本上に電子ビームを合焦
させる為に使用される最後の磁気レンズの底部との間の
距離は、抽出電極と電位障壁を形成するフィルタ電極の
両方を収容するのに充分に長くなければならなかった。
その結果、従来の方式では著しい色収差の弊害を蒙り、
それは電子ビームを標本上の小さなスポットに合焦する
ことが可能な範囲を制限していた。この色収差は、焦点
距離が増加すると、増加する。色収差があると、異なっ
たエネルギを持った電子はレンズからの異なった距離で
合焦されることとなる。電子ビームは或る範囲の電子エ
ネルギを持っているので、色収差は従来方式において著
しい問題である。極めて短い焦点距離のレンズを使用す
ることによって、本発明は性能におけるこの劣化を回避
している。
電子源 2つの要因が電子源102の選択に影響する。第1に電子
源は電子エネルギにおいて可及的に小さな拡がりを持つ
ものとすべきである。電子ビーム光学系、即ち磁気レン
ズ110及びコリメート用磁気レンズ112、の色収差は、電
子ビームを構成する電子のエネルギにおける拡がりと前
記電子ビームの平均エネルギとの比に比例する。従っ
て、電子ビームエネルギを、従来のテストプローブ及び
走査型電子顕微鏡で使用される20,000Vレベルから1,000
Vへ減少させることにより、色収差は20倍だけ増加され
る。幸運にも、基本的にゼロの焦点距離を持ったコリメ
ート用磁気レンズを使用することによって得られる色収
差における改良は、本発明においてこの増加に対しての
補償を行っている。
第2に、電子源の真空条件は出来るだけ寛大なものとす
べきである。多くの電子源の寿命は、それらが劣等な真
空状態で動作されると劇的に減少する。然し乍ら、劣等
な真空状態で動作することは、それが真空ポンプ及びポ
ンプダウン時間のコストを低減化させるので極めて望ま
しいことである。ポンプダウン時間は、回路に関しての
テストを完了するのに必要とされる時間において重要な
要因となり得る。タングステン源は比較的劣等な真空、
例えば10-4Torrで動作させることが可能である。然し乍
ら、電子エネルギにおける拡がりは、タングステンの場
合は比較的に広い。一方、ホウ化ランタン(lanthanum
hexaboride)はタングステンのエネルギの拡がりの半分
であるが、適切に機能する為には10-7Torrの真空を必要
とする。本発明はタングステン陰極の大きなエネルギの
拡がりに耐えることが可能であるので、その劣等な真空
条件に耐え得るという理由で好適である。
より高い空間分解能が必要であるテストプローブ方式に
おいて、電子源から発生する色収差において、バリウム
カルシウムアルミン酸塩(barium calcium aluminate)
で浸透させた有孔性タングステンから構成されているデ
ィスペンサ陰極を使用することによって更に改良が得ら
れる。この様な陰極は、短波回路技術における当業者等
に公知であるが、電子テストプローブに使用されたこと
はない。それは、多分、米国、カリフォルニア州のワト
ソンビルのスペクトラマット(Spectra Mat)社から入
手可能である。この陰極は、純粋なタングステンのもの
の約半分の電子ビームエネルギの拡がりを持っている。
更に、それは比較的劣等な真空で動作させることが可能
である。
二次電子検知器 上述した如く、標本上の電位は、二次電子のエネルギ分
布から推論することが可能である。然し乍ら、エネルギ
分布の詳細な測定は必要ではない。所定のエネルギより
も大きなエネルギを持った二次電子の数を測定するだけ
で充分である。これは、第1の所定の値よりも大きいが
第2の所定の値よりも小さな速度を持った電子の数を測
定することによって達成することが可能である。上限
は、電子ビームからの後方散乱された電子から二次電子
を識別するのに使用される。
レンズの軸に平行に進行する二次電子の速度は、多数の
方法の何れかによって測定することが可能である。好適
実施例において、電位障壁が使用される。電位障壁がレ
ンズの軸に平行な方向を持った静電電界によって与えら
れる場合、前記静電場の強度に依存する所定の値よりも
大きなレンズの軸に平行な速度を持った電子はこの障壁
に打ち勝つ。残りの電子は標本の方へ戻される。静電場
の強度の関数として電位障壁を通過する電子の部分を測
定することによって、二次電子エネルギの分布を得るこ
とが可能である。
第7図を参照すると、二次電子のエネルギ分布を検知す
る為に使用される電位障壁は、フィルタ電極118へ電位
を印加させることによって形成される。好適実施例にお
いては、フィルタ電極118はコリメータ用磁気レンズ112
のボア内に位置された管状電極である。当業者等に明ら
かな如く、前記管状電極の直径がその長さに比べて小さ
ければ、電位が前記管状電極に印加されると、一様な電
位障壁が前記管状電極の入口157に形成される。本発明
においては、管状電極の長さは好適には少なくともその
直径の2倍である。フィルタ電極118の最適な配置はコ
リメート用磁気レンズ112によって形成される一様磁界
領域内であり、何故ならば二次電子はこの領域内でコリ
メートされるからである。フィルタ電極118が磁束が発
散する領域に位置されると、二次電子も発散する速度ベ
クトルを持ち、従ってコリメート作用から得られるエネ
ルギ分解能における改良は減少される。
従来のテストプローブは導電性グリッドから構成される
フィルタ電極を使用している。グリッド電極は、高々、
2つの競合する要件の間の妥協であるに過ぎない。一様
な電位障壁を形成する為に、グリッドを構成するワイヤ
間の間隔はワイヤの直径と比べて小さくなければならな
い。然し乍ら、ワイヤがグリッド面積の著しい部分を専
有する場合、電位障壁を通過するのに充分なエネルギを
持った二次電子の著しい部分はワイヤとの衝突に起因し
て失われる。本発明はこれらの制限を回避しており、何
故ならば、管状電極のボア内には二次電子をインターセ
プトすることの可能な物質が何等存在しないからであ
る。
フィルタ電極118によって発生された電位障壁に打ち勝
つ為に充分なエネルギを持った二次電子は、抑圧電極12
2に印加される負電位と二次電子検知器120の表面124に
印加される正電位の結合によって形成される静電掃引電
界によって二次電子検知器120内に「掃引」乃至は払拭
される。当業者等に明らかな如く、表面124に印加する
正電位は又二次電子検知器120と抑圧電極122との間に位
置される電極にも印加させることが可能である。好適実
施例において、抑圧電極は、電子ビームコラムのものと
平行な軸を持った管状電極である。セクション158は二
次電子検知器120に最も近接した側から除去されてお
り、二次電子に対しての通路を提供している。
抑圧電極122へ印加される電位は、標本からの二次電子
と後方散乱された電子とを識別すべく選択される。後方
散乱された電子は、二次電子のものよりも一層大きなエ
ネルギを持っている。従って、一層大きな静電場が、後
方散乱された電子を二次電子検知器120内にスイープ即
ち掃引するのに必要とされる。抑圧電極122へ印加され
る電位は、二次電子を二次電子検知器120内に掃引する
のに充分な高さであり且つフィルタ電極から存在する全
ての後方散乱された電子が継続して抑圧電極122のボア1
60内に入ることが可能である様に充分に低い様に選択さ
れている。これらの後方散乱された電子の多くは究極的
に抑圧電極122上方の何等かの構造体に衝突する。これ
らの衝突によって発生される低エネルギ電子は、標本の
電位測定に何等の影響を与えることはない。何故なら
ば、この様な電子は二次電子検知器120に入ることが不
可能だからである。抑圧電極電位の正確な値は、抑圧電
極122の物理的寸法に依存し、且つ電子ビームコラムの
その他の部品と相対的な位置決めに依存する。
二次電子検知器120は、好適実施例においてはシンチレ
ーション検知器である。このカウンタは、荷電粒子が衝
突すると光を発生するシンチレーション物質から構成さ
れている。この様な物質は荷電粒子検知器の技術におけ
る当業者等に公知である。好適実施例において、シンチ
レーション物質はP47であり、それは米国、カリフォル
ニア州、タスチン、のペルコ(PELCO)社から購入する
ことが可能である。シンチレーション物質によって発生
される光は、光増倍管へ伝達され、それはこの光信号を
検知器に衝突する二次電子数を表す大きさを持った電気
信号へ変換する。
その他の二次電子検知器は荷電粒子検知器の技術におけ
る当業者等に明らかである。例えば、好適実施例におい
て使用されるシンチレーションカウンタは、ソリッドス
テート即ち固体型荷電粒子検知器又はファラデーカップ
の如き荷電検知器で置換することが可能である。適宜の
電子増倍装置を荷電検知器の前に位置させて、該検知器
によって検知される電子の数を増加させることが可能で
ある。衝突する電子の数に関連される信号を発生し且つ
測定がなされる速度を制限することのない検知器ならば
どの様なものでも適切である。P47燐が選択されたの
は、高強度電子衝撃下における寿命が長いからである。
いかなる与えられたフィルタ電極電位に対して、二次電
子検知器からの電気信号は標本上の電位に関連する。然
し乍ら、その関係はリニアではない。標本の電位に直線
的に関係する信号を供給する為に、好適実施例のテスト
プローブはフィードバック回路を使用しており、それが
フィルタ電極118に印加される電位を調節する。フィル
タ電極電位は、二次電子の所定の部分が二次電子検知器
120へ到達することを許容する値に位置される。この様
にして決定されるフィルタ電極電位は、探査される点で
の標本上の電位と直線的に関係している。標本電位が固
定電圧だけ増加すると、放射された二次電子のエネルギ
分布は同じ固定電圧だけシフトされる。これにより、フ
ィルタ電極電位は同じ固定電圧だけ増加され、同じ割合
の二次電子が二次電子検知器120へ到達することを可能
とする条件を維持する。従って、その様に調整されたフ
ィルタ電位は、標本の表面上の電位に直線的に関係した
信号である。
以下に説明する如く、本発明装置は、電子ビームが短い
期間のパルスとされるモードで通常使用される。雑音を
減少する為に、フィルタ電極電位が調整されて、検知さ
れるべき固定時間窓の間二次電子の固定部分乃至割合が
検知器に到達することを可能とする。原理的には、電子
ビームがオフの時には二次電子は該検知器に到達するは
ずはないので、二次電子検知器120に到達する二次電子
を平均するだけでよさそうに見える。然し乍ら、エレク
トロニクス及び他の雑音源が継続して雑音事象を発生
し、それは電子が二次電子検知器120に衝突することか
ら区別することは不可能である。これらの事象は、電子
ビームがオフであっても継続する。測定を電子ビームパ
ルスから発生する二次電子が二次電子検知器120に到着
する期間に制限することによって、この時間窓の外側で
発生した雑音の影響は除去される。このタイプの平均化
は屡々「ボックスカー」平均化として呼称される。
典型的な従来のボックスカー平均化回路を第11図中に16
2で示してある。それは、電流電圧変換器164を有してお
り、それは二次電子検知器のインピーダンスを該回路の
残部と整合させており、又電流電圧変換器164からの信
号を平均化する積分器166を有しており、更に入力され
る信号に応答してフィルタ電極電位を調整するバッファ
/レベルシフタ168を有している。この入力信号は、基
本的に、二次電子検知器120に到達する二次電子の所望
数と前記検知器に到達する実際の数との間の差異を表す
誤差信号である。所望数を越える二次電子が二次電子検
知器120に到達すると、バッファ/レベルシフタ168への
入力端に存在する信号は正であり、バッファ/レベルシ
フタ168はフィルタ電極電位を上昇させ、それは二次電
子検知器120に到達する二次電子数を減少させる。二次
電子検知器120に到達する二次電子があまりにも少なす
ぎると、バッファ/レベルシフタ168への入力端での信
号は負であり、且つバッファ/レベルシフタ168はフィ
ルタ電極電位を減少させ、それは二次電子検知器120に
到達する二次電子の数を増加させる。二次電子検知器の
インピーダンスを該回路の残部と整合させることに加え
て、電流電圧変換器164は又検知器に到達すべき二次電
子の部分乃至割合を特定する為に使用される基準電流17
0と検知器120からの電流との間の差異を形成する。従っ
て、電流電圧変換器164の出力は、172に存在する誤差信
号であり、その検知器120に到達する二次電子の所望の
部分と検知器120に到達した二次電子の実際の部分との
間の食い違いを表す。この誤差信号は、幾つかの電子ビ
ームパルスに渡って積分器166において平均化される。
スイッチ174は、積分器166が、標本108から検知器120に
到達する二次電子に対応する時間窓の外側の時間に誤差
信号172を平均化することを阻止する。この時間窓は線1
76上のイネーブルパルスによって特定される。平均化さ
れた誤差信号はバッファ/レベルシフタ168へ供給さ
れ、それは誤差信号を減少させる方向へフィルタ電極電
位を増加乃至は減少させる。
検知器120が標本と干渉する電子ビームから発生する二
次電子を計数していない場合、電流電圧変換器164の出
力は大きい。これは、この回路が、二次電子検知器120
に到達する電子が少な過ぎることによる「エラー」、即
ちそれは不適切にフィルタ電極電位を設定することの結
果である、と電子ビームがターンオフされる結果として
のエラーとの間を識別することが出来ないからである。
従って、各パルスの期間中に電子ビームがターンオンさ
れ且つターンオフされると、電流電圧変換器164の出力
は大きな電圧範囲を振れねばならない。この電圧範囲
は、入力端に二次電子検知器信号が存在しない時の前記
電流電圧変換器の出力と、前記検知器が略所望数の二次
電子を計数している時に該二次電子検知器によって発生
されるものに入力信号が対応する時の前記検知器の出力
との間の差異に対応する。
通常、差動増幅器即ちオペアンプを使用して、典型的な
電流電圧変換器を構成する。この様な増幅器におけるス
ルー問題が、この変換を行うことが可能な速度を制限
し、従って使用することの可能な最小時間窓を制限す
る。本発明の装置は、独得の電流電圧変換器構成を使用
しており、それはこれらのスルー限界を回避している。
第11図を参照すると、本発明装置に使用されている電流
電圧変換器164は、標準の演算増幅器178を有しており、
その利得はフィードバック経路内の抵抗180によって設
定され、更にFETスイッチ182を有しており、それは抵抗
180を横断して接続されており且つスイッチ182がオンで
あると抵抗180を介しての抵抗性経路を短絡させる。第
1状態において、抵抗180の抵抗値はスイッチ182によっ
て短絡され、ゼロ抵抗値のフィードバック経路が与えら
れる。この第1状態において、演算増幅器178の利得は
実質的にゼロである。これは、たとえ入力電流が通常こ
の出力端において大きな信号を発生するが、出力172に
おけるエラー信号電圧がゼロにセットされることとな
る。本発明の電流電圧変換器164は、スイッチ182を使用
して、二次電子検知器120において二次電子が存在する
以外の全ての時間において利得抵抗180を短絡する。こ
のFETスイッチは、積分器166へエラー信号をゲート動作
するスイッチ174を駆動する同じ信号によって駆動され
る。第2状態において、スイッチ182は、抵抗180で特定
される抵抗値をフィードバック経路内に挿入することに
よって電流電圧変換器164をターンオンさせる。ゼロで
ない抵抗値がフィードバック経路内に挿入される時間窓
の期間中電流電圧変換器164の入力は正確な入力の近傍
であるから、電流電圧変換器164の出力端におけるエラ
ー信号は大きな振れを行う必要はない。このことは、従
来のボックスカー平均化回路においては本質的であった
スルー動作からの問題を著しく減少させている。
原理的には、スイッチ182を挿入することにより、従来
のボックスカー平均化回路において使用されるスイッチ
174に対する必要性を除去している。もしスイッチ182が
完全に抵抗180を短絡すると、演算増幅器の利得はゼロ
となり、且つ前記演算増幅器の入力端からの信号は平均
化回路166へ到達することはない。然し乍ら、市販され
ているスイッチ及び演算増幅器は理想的なものではな
い。従って、スイッチ182が抵抗180を短絡しても、演算
増幅器178への入力端上に存在する信号の小さな部分は
点172に到達する。第2スイッチ174は、この小さな残留
信号が平均化回路166に影響を与えないことを確保して
いる。
本発明の好適実施例は二次電子のエネルギ分布を検知す
る為に電位障壁を使用しているが、荷電粒子検知器の技
術における当業者等に明らかな如く、電子ビームに応答
して放出される二次電子のエネルギ分布を検知する為に
コリメート用磁気レンズ112と関連して使用することの
可能な多数のエネルギ検知方式の何れかを使用すること
が可能である。例えば、二次電子が標本108から二次電
子検知器120へ進行するのに必要な時間を測定すること
が可能である。この時間は二次電子の速度に逆比例する
ので、この様な測定は、二次電子の速度の直接測定と同
じ情報を与える。この様な方式は、電子ビームをパルス
動作させ、次いでこの様な各パルスと二次電子検知器12
0における二次電子の到着との間の間隔を観測すること
によって構成することが可能である。
電子ビームエネルギの選択 好適実施例において、電子ビームのエネルギは従来方式
において使用されているものよりも著しく低い。多くの
従来方式は、基本的に走査型電子顕微鏡の適合である。
そうであるから、それは10乃至20KeVの範囲における電
子ビームエネルギに対して最適化される。本発明のテス
トプローブは、500乃至1500V範囲内の電子ビームエネル
ギを使用している。上述した如く、高エネルギ電子ビー
ムは、回路損傷、後方散乱した電子からの二次電子の高
いバックグランド、及び標本表面の非導電性部分の不所
望の表面帯電等の多数の問題を発生することが可能であ
る。この様な高エネルギは走査型電子顕微鏡においては
保証されている。何故ならば、これらの装置は走査され
る標本の表面上の非常に小さな特徴を検査すべく最適化
されているからである。電子顕微鏡の分解能は部分的に
電子ビームのエネルギによって決定される。例えば、上
述した如く、電子ビームのエネルギは、光学系の色収差
に影響を与える。通常、電子ビームのエネルギを上げる
と光学系の色収差が減少される。何故ならば、色収差は
平均電子ビームエネルギの百分率として表される電子ビ
ームのエネルギにおける拡がりに比例するからである。
電子ビームエネルギにおける拡がりは、電子ビームを発
生する為に使用される電子源のタイプ等の要因によって
決定される。これらの要因は、電子を加速する為に使用
される加速電圧には影響を受け無い。従って、電子ビー
ムエネルギを2倍とすることにより、色収差は半分とな
る。更に、電子顕微鏡の分解能は究極的には光顕微鏡の
分解能を制限するものと同様な回折効果によって制限さ
れる。観測可能な最小の物体の寸法は、電子ビームの波
長によって決定される。約1波長よりも小さな物体は観
測不能である。電子ビームの波長はその速度に逆比例
し、従って非常に小さな詳細部分を観測する為には高エ
ネルギ電子ビームを使用せねばならない。
然し乍ら、探査される導体は幅が1ミクロンのオーダで
あるから、テストプローブは直径が1ミクロンの一部で
あるスポットを発生することが必要であるに過ぎない。
電子ビームエネルギはこの範囲内の物体を観測する上で
の制限要因ではない。従って、本テストプローブは、標
準の走査型電子顕微鏡よりも実質的に低い電子ビームエ
ネルギで満足に動作させることが可能である。
低エネルギ電子ビームの使用はテストプローブ構成にお
いて多数の簡単化を可能とし、それは従来の方式と比較
して本発明を生産ラインの装置として使用するのに一層
適切なものとしている。例えば、本発明に拠れば、電子
ビームを合焦させ且つ操縦するのに遥かに小さな電磁石
が必要とされる。その結果、磁気レンズは水冷却される
必要は無い。このことは、テストプローブを据付ける物
理的個所の準備が簡単化される。更に、種々の磁気レン
ズ間の距離が減少され、従って遥かに小さな形状を持っ
たテストプローブが可能となる。このことは、テストプ
ローブを標本と相対的に物理的に移動させることの可能
なシステム形態とすることを可能とする。最後に、後に
より詳細に説明する如く、低エネルギ電子ビームの使用
は、本発明装置を絶縁層で被覆されている導体上の電位
を探査する為に使用することを可能とする。
電子ビーム位置決め 従来のテストプローブ方式は、VLSI回路全体を探査する
のに不充分な「視野」しか持っていなかった。本発明に
おいては、この問題は、標本と相対的に電子ビームを位
置決めする為の粗調整及び微調整手段の両方を設けるこ
とによって解消している。微調整手段は、第7図に示し
た操縦磁石186を有しており、それは電子ビームを標本
と相対的偏向させる。操縦磁石186は、電子ビームの方
向に対して垂直な2つの直交する方向の何れか一方の方
向へ電子ビームを偏向させることが可能である。従っ
て、それらは、標本上の領域を走査したり、又標本上に
電子ビームの微細な位置極めをしたりする為に使用する
ことが可能である。この走査運動は、前記標本上に存在
する異なった静電電位を示す為に強調させた標本の表面
の画像を形成する為に使用することが可能である。この
走査型運動の他の使用は、本発明のテストプローブを使
用する方法に関して以下に説明する。
好適実施例において、前記操縦磁石は、後に更に詳述す
る如く、周波数性能を改良する為に多少導電性のプラス
チック支持体上に巻着される操縦コイルを有している。
当業者等にとって明らかな如く、操縦磁石186は、適宜
の電位が印加される時に同様に電子ビームを偏向させる
静電偏向プレートで置換することが可能である。
粗調整手段は第12図に示してある。電子ビームコラム18
7は、188、190、192で示した境界を持った真空容器内に
装着されている。この境界も、探査中の標本108を保持
するプラットホーム196を持ったステージ194を取り囲ん
でいる。電子ビームコラムは、電子ビーム方向に垂直な
2つの直交する方向、x及びy、内で並進運動すること
により198及び200で示したビームコラムを位置決めする
手段を有している。電子ビームコラムは、位置決め手段
198及び200を制御するマイクロメータ202及び204を使用
して移動させることが可能である。更に、ステージ194
は、3つの方向、x、y、z、の何れかへ並進運動させ
且つ電子ビーム方向に平行な軸の周りに角度Aに渡って
回転させて標本を位置決めする手段を与えている。ステ
ージ194によって行われる種々の並進運動は、マイクロ
メータ206、208、210によって制御される。回転運動は
マイクロメータ212によって制御される。好適実施例に
おいて、これらのマイクロメータはコンピュータ制御下
でステッピングモータによって制御される。
可撓性ベロー190は、電子ビームコラムが真空室に関し
て移動される場合に容器内の真空を維持する為の手段を
与えている。ベロー190は、コラム位置決め手段が真空
容器の外側に留まることを可能としている。この位置決
め手段は、好適には、従来の軸受又はその他の潤滑した
表面を使用して、コラム負荷を支持する。ポンプダウン
プロセスの間にこの様な潤滑からガス放出をすること
は、新しい標本がテストプローブ内に導入される時に真
空室をポンプダウンするのに必要な時間の長さが増加さ
れる。更に、装置内に標本が導入される毎にポンプダウ
ンされねばならない真空容器の体積もこの構成において
最小とされている。
プローブカード214は、プラットホーム又はテーブル196
上に装着された標本108に電気的接続する為の手段を与
えている。このプローブカード214は、電子ビームが通
過する孔を有している。
本発明の装置の意図された使用の1つは、集積回路上で
電位測定をすることである。集積回路技術における当業
者等に公知の如く、集積回路は通常数百のこの様な回路
を包含するウエハ上に製造される。本発明装置は、ウエ
ハ上の他の集積回路から分離する前に個々の集積回路を
検査する為に使用することが可能である。この様な測定
は、本発明を使用して、所望のダイと呼称される集積回
路を電子ビームの視野内に位置決めし且つ電子ビームを
電位測定を所望するダイ上の種々の点へ移動させること
によって行う。ウエハは108においてテーブル196上に装
着される。位置制御206、208、210、212を使用して所望
のダイをプローブカード214と相対的に位置決めさせ
る。プローブカードは、検査中のダイへ電力及びテスト
信号を接続する為の機械的プローブ216を有している。
プローブカード214と相対的に所望のダイを正確に位置
決めさせると、粗調整用x−y位置制御198及び200を使
用してダイと相対的に電子ビームコラム187を並進運動
させることによって、前記ダイ上の関心のある領域を選
択する。次いで、操縦磁石186を使用して関心のある領
域を検査する。
本発明に対して意図された実質的な使用は、標本108の
表面上に設けられた回路内のノードの電位を測定するこ
とである。然し乍ら、特定のノードを探索する為に、ノ
ード領域内の標本の画像は、回路の種々の部品の位置を
示した通常マスクの形状の標本上の回路レイアウトと比
較されねばならない。従って、実際上、問題のノードを
有する標本の領域を走査し、この領域がオペレータに表
示され、且つオペレータが電位を測定すべき領域内の正
確な点を選択する。従来の方式においては、電子ビーム
がこの点に対して指向され且つ時間の関数として電位が
測定される。この手順は屡々表面上の静電電位から発生
するアーティファクトとなることがある。これらの電位
は問題の点を探索する為に使用される走査型動作によっ
て形成される。
標本の表面は、非常に低い導電性を持っている種々の導
体間の絶縁区域を有している。電子ビームがこれらの区
域を走査すると、これらの区域は低導電性物質と電子ビ
ームとの干渉に起因して帯電される。この表面電荷は、
問題の表面電荷がゆっくりと散逸するに連れ、強度がゆ
っくりと減少する静電場を発生する。この変化する静電
場は電子ビームと干渉し、電界が散逸するとその位置は
ドリフトされる。
本発明の方法は、測定中のノードを取り巻く区域内の表
面電荷を周期的にリフレッシュすることによりこの問題
を回避する。このことは、電位測定の期間中、ノードの
周りの区域を周期的に走査することによって達成され
る。本発明の提案する方法においては、関心のあるノー
ドがそのノードの近傍の領域を走査することによって最
初に捜索される。電子ビームが次いで問題のノードへ移
動されて電位測定が開始される。この電位測定の期間中
周期的に、電子ビームは問題のノードの周りの領域を走
査して、これらの区域での表面電荷をリフレッシュす
る。これにより、ノードの周りの静電場は電位測定の期
間中に実質的に一定の値に維持される。従って、局所的
静電場における変化から得られるこれらの電位測定の期
間中における電子ビーム位置におけるドリフトは除去さ
れるか又は少なくとも最小とされる。
この絶縁性領域を一定の電位に維持する方法は、電子ビ
ームが約2KeV以下のエネルギを持つ電子ビームテストプ
ローブにおいてのみ可能である。電子ビーム電子の衝撃
の結果として発生される二次電子数を第13図に示してあ
る。約2KeVを越える電子ビームエネルギの場合、絶縁性
表面に衝突する各電子ビーム電子に対して1個未満の二
次電子が発生される。この結果、表面上に電子が蓄積さ
れる。問題の表面は絶縁体であるから、この蓄積された
電荷は漏洩することは出来ない。従って、表面は次第に
一層負に帯電され、それは該表面に衝突する電子のエネ
ルギを実効的に変化させるのに充分に高い電位となる迄
続く。
電子ビームエネルギが約2KeV未満に下降されると、この
大きな負の蓄積電位を回避することが可能である。第13
図に示した如く、1KeV領域に電子ビームエネルギがある
と、該表面に衝突する電子ビーム電子の各々に対して1
個以上の二次電子が発生される。このことは、表面に吸
収されるよりも多くの電子が放出されるので、表面は正
に帯電されることとなる。表面が段々と正に帯電される
と、表面から出る二次電子の幾らかは、それが正電荷で
あるから表面によって再捕獲される。正電荷が一層高く
なると、再捕獲される二次電子の部分が一層大きくな
る。これは、電子ビーム電子当り1個を越える数の二次
電子が射出されるが、低エネルギ二次電子は正電位によ
って再捕獲されるので、入射電子当り射出される二次電
子の数は実効的に減少する。究極的に、表面は安定な正
電位に到達し、各々の電子ビーム電子に対して1個の二
次電子が捕獲される。この電位は、シリコンVLSIチップ
上で使用される絶縁性物質の場合に約4Vである。従っ
て、表面電荷を周期的にリフレッシュすることによっ
て、約4Vの安定な電位が絶縁性表面上に維持される。こ
の電位は、近くの導体上の電位を測定する間の時間に渡
って実質的に一定に維持されるので、それはビームのド
リフトは発生させない。
注意すべきであるが、標本の表面近傍で正電位に維持さ
れた抽出電極を使用する従来の方式はこの方法を容易に
実施することは不可能である。抽出電極の大きな正電位
は、表面から逃避する全ての二次電子となる。従って、
低エネルギ電子ビームが使用されると、上述した4Vの安
定な正電位に到達する代りに、表面は次第に正に帯電さ
れる。
僅かに導電性のプラスチック支持体 操縦磁石186に対する支持体は、それを介して電子ビー
ムが通過する通路を有していなければならない。この通
路は絶縁体から形成される場合、迷電子がそれに衝突
し、且つ静電荷がこの通路の表面上に蓄積する。この静
電荷は通路内に静電場を発生し、それは電子ビームに悪
影響を与える。この電荷の大きさは予測不可能ではな
く、又再現性さえある。この電荷の蓄積を回避する為
に、導電性支持体を使用することが可能である。然し乍
ら、操縦磁石によって発生される変動磁界はこの様な導
体内に渦電流を発生させる。これらの渦電流は、それ自
身の磁界を形成することによって操縦コイルの周波数応
答を減少させる。これらの渦電流を回避する為に、従来
の方式では、薄い炭素層でコーティングした絶縁性管を
使用している。この薄い炭素層は、操縦コイルによって
著しい渦電流が発生されることを許容するのに充分な導
電性を持つこと無しに電子ビームと干渉する大きさにそ
れが到達する前に静電荷を漏洩させることを可能とする
のに充分な導電性を持っている。このコーティング系は
高価である。何故ならば、それは絶縁性の管を形成した
後にその表面上に非常に薄い炭素の層を付着させること
を要求するからである。本発明の好適実施例の装置はこ
のコストを回避している。
好適実施例は、この目的の為に僅かに導電性のプラスチ
ックである物質を使用している。僅かに導電性のプラス
チックは、迷電子の捕獲の結果として蓄積する電荷を漏
洩させることを可能とするのに充分な導電性を持ってい
る。然し乍ら、その導電性は、操縦コイルによる渦電流
発生を防止するのに充分に低いものである。プラスチッ
クは容易に成形可能であり且つ成形後に何等爾後的な炭
素付着を必要としないので、それはこの問題に対しての
一層経済的に魅力のある解決法である。
好適な僅かに導電性のプラスチックは、カーボンブラッ
クを非導電性プラスチック内に導入させて形成する。そ
の結果得られる好適な固有抵抗は106Ω・cmである。満
足のいく性能は、104乃至108Ω・cmの範囲内の固有抵抗
で得られる。これらの特性を持ったプラスチックは、米
国、インジアナ州47732、エバンスビルのウイルソンフ
ァイバーフィル(Wilson Fibefil)社から入手すること
が可能である。
僅かに導電性のプラスチックは又、本発明装置における
支持構成体へ種々の電極を接続する為に使用される絶縁
性支持体を形成する為に使用することも可能である。例
えば、第7図に示した如く、管状フィルタ電極118は、
僅かに導電性のプラスチックから形成された絶縁体218
によってコリメータ用磁気レンズ112に取り付けられて
いる。僅かに導電性のプラスチックは、支持体上に存在
する何等かの静電荷が漏洩することを許容する。従っ
て、従来方式の静電荷蓄積の問題は回避されている。
従来方式においては、この様な構成体は従来の絶縁体上
に装着されている。これらの絶縁体の1つに衝突する電
子は、通常、絶縁体上にトラップされる。何故ならば、
絶縁体は非常に高い固有抵抗を持っているのでトラップ
された電荷は漏洩することがないからである。このトラ
ップされた電荷は予測不可能の電界を発生し、それは電
子ビーム内の電子及び二次電子の両方の軌道に影響を与
える。これらの悪影響を回避する為に、従来方式はこの
様な絶縁体の周りに複雑なシールドを使用していた。こ
れらのシールドは、迷電子が問題の絶縁体に到達する前
にその迷電子をインターセプトし且つこれらのシールド
をなんとか通過して問題の絶縁体上にトラップされた電
子から発生する電界から本装置の残部をシールドする為
に構成されている。僅かに導電性のプラスチックを本発
明において使用することにより、この電荷蓄積問題に対
する経済的に魅力のない解決法を回避している。
テストプローブのストロボ的動作 集積回路技術における改良は、与えられたノードにおけ
る電位が電子ビームテストプローブを使用してそのノー
ドの電位を測定するのに必要な時間よりも短い時間で変
化する回路を提供している。ノードにおいて正確な電位
測定を行うのに必要な時間は、二次電子検知器120が統
計的に意味のある二次電子の数を収集するのに必要な時
間である。本発明のテストプローブにおいては、コリメ
ート用磁気レンズがノードを去る二次電子のより大きな
部分を二次電子検知器へ供給するので、この様に統計的
に意味のある二次電子の数を従来の方式よりも短時間で
蓄積させることが可能である。然し乍ら、この著しい改
良があっても、時間の関数としてノードから放出される
二次電子を観測するだけでノードにおける電位変化に追
従することは常に可能であるとは限らない。
この問題は、ストロボ的技術を使用することによって解
消することが可能である。ここで、二次電子の制限され
た数を持った幾つかの測定を平均化して、統計的に正確
な充分な二次電子を持った単一の測定を発生する。探査
中の回路に印加されるテスト信号パターンは性質的には
周期的である。それは、時間に関して繰り返す一連の信
号から構成されている。ストロボ的システムにおいて
は、電子ビームがこのテスト信号パターンにおいて同じ
点において短い時間の間ターンオンされる。テスト信号
パターン内の点がこのテスト信号パターン内の或る固定
点と相対的な遅延時間によって特定される。電子ビーム
がターンオンされる時間は、テストパターン電位が変化
する期間と比較して小さくなければならない。何故なら
ば、測定された電位は、電子ビームがターンオンされる
時間の間導体上の電位の平均だからである。これらの短
い期間の各々において収集される二次電子の数は、統計
的に正確な測定を得る為には不充分であるが、このよう
な期間の多数のものに渡って得た二次電子の数の平均
は、問題のノードにおける電位の統計的に意味のある測
定を与えるものである。
ストロボ的技術は、テスト信号パターンから派生される
トリガパルスと相対的に正確に同時に標本上の同じ点に
電子からなる短いパルスをテストプローブ方式が付与す
ることを必要とする。トリガパルスと相対的な電子ビー
ムパルスのタイミングにおける変動は電位測定を劣化さ
せる。標本上の電子ビームの位置の変動も、その変動が
電子ビームを探査中の導体からずれて移動させる場合に
は、電位測定を劣化させる。
本発明は、短いパルスで電子ビームをパルス化させる手
段を有している。このことは、第7図に示したブランキ
ング電極220を横断して適宜の電位を印加することによ
って達成される。前記ブランキング電極を横断して電位
が存在しない場合、電子ビームは磁気レンズ110によっ
てアパーチャ160内に結像される。コリメート用磁気レ
ンズ112は、次いで、電子ビームを標本108上の小さなス
ポットへ結像させる。電位が前記ブランキング電極を横
断して印加されると、電子ビームは充分に偏向されてそ
れがアパーチャ160に入ることが防止される。
従来方式は、ストロボ的技術を提案するものではある
が、これの従来方式において設けられている回路は、探
査中の導体上で1000MHz範囲で波形を正確に観測するの
に充分なものではない。ストロボ的モードにおいて有効
に動作させるには、テストプローブが標本上の回路ノー
ドを電子のバーストで衝撃せねばならず、その場合に、
前記バーストの期間は探査中の信号が著しく変化する時
間と比較して小さい。テスト信号パターンと相対的なこ
れらのパルスのタイミングにおける何等かの変動は、電
位測定の劣化を発生する。本発明では、最小で100ピコ
秒の時間に渡って問題の導体上の電位をサンプルする。
このパルスがテスト信号パターンと相対的に標本へ印加
される時間は、前記テスト信号パターンから派生される
トリガパルスと相対的な特定した時間においてブランキ
ング電極回路をトリガする遅延回路によって決定され
る。この回路によって発生される遅延時間は、電子ビー
ムパルス時間の著しい部分である量だけ変化すると、ス
トロボ的方式の性能における劣化が発生する。従って、
100ピコ秒の電子ビームパルスの間、遅延回路は、100ピ
コ秒の高々小さな部分、例えば10ピコ秒、だけ変化し且
つゼロから数ミリ秒の遅延を与える遅延を発生せねばな
らない。
コンデンサ等の回路要素を所定の電圧へ充電又は放電さ
せることによって遅延を発生するアナログ回路は、この
様な高速遅延回路に対しては所要の精度を欠いている。
ミリ秒の遅延において10ピコ秒の精度は100,000,000に
おいて1部の精度を必要とし、それはこの様なアナログ
回路では得ることが出来ない。オシレータ回路からの予
めセットした数が計数された後にパルスが発生される簡
単なデジタル遅延技術を使用することによってこの程度
精度を得ることは不可能である。オシレータが常に振動
サイクルにおいて同じ位相で開始しない限り、その様に
して発生される遅延において振動の1周期の最大半分迄
の不確定性がある。この不確定性は、計数が開始される
時のオシレータの位相における不確定性から発生するも
のである。更に、この様な方式で発生させることの可能
な最小遅延はオシレータの1周期である。従って、この
様な簡単なデジタル遅延回路は、100ギガヘルツを越え
る周波数のオシレータが必要とされる。このタイプの回
路は経済的に魅力が無い。
本発明の装置は、デジタル遅延技術をアナログ微調整回
路と結合させることによって高精度の長い遅延を発生す
る。デジタル遅延は粗い遅延を与える。アナログ遅延回
路はこの粗い遅延時間に微調整を与える。このことは、
発生される1オシレータ周期よりも小さい遅延を可能と
する。再開始可能オシレータを使用して、計数が開始さ
れた振動サイクルにおける点を知ることなしに発生され
る不確定性を除去している。本発明の遅延回路は第14図
に222で概略示してある。それは、再開始可能オシレー
タ224、カウンタ226、アナログ遅延回路228を有してい
る。粗い遅延はバス230上の信号によって特定され、そ
れは出力パルスを発生する前にカウンタ226によって計
数されねばならないオシレータパルスの数を特定する。
アナログ遅延の大きさはバス231上の信号によって特定
される。
再開始可能オシレータは常にその波形の同じ位相で振動
を開始する。従って、その周期は電子ビームバーストが
行われる期間と比較して小さくなければならないという
ことはない。この様なオシレータはエレクトロニクス回
路の技術における当業者等に公知である。同様に、アナ
ログ遅延回路はエレクトロニクス回路技術における当業
者等に公知である。トリガパルスと電子ビームパルスと
の間の遅延を発生する従来の方法と比較して、2つの遅
延技術を結合して使用することにより著しい改良が得ら
れている。
本発明の装置は200MHzの再開始可能オシレータを使用し
ている。従って、カウンタ226の各カウントは、5ナノ
秒の遅延に対応する。これら5ナノ秒ステップの各々は
更にアナログ遅延回路によって1000個の5ピコ秒ステッ
プに分割される。
ブランキング電極220の配置は、本発明のストロボ的能
力を更に改良する為に最適化されている。これら電極の
位置を適切に最適化する為には3つの要因を考慮せねば
ならない。第1に、前記ブランキング電極の位置決め
は、与えられた電子ビームパルスの期間中電子ビームが
ターンオン及びオフされる時に発生するビーム移動の量
に影響を与える。ブランキング電極に印加される電位の
上昇及び下降の期間中、電子ビームは標本上を移動する
傾向となる。電子ビームが仮定上中心に位置決めされて
いる導体の幅と比較して小さい距離移動すると、導体の
全ては同じ電位にあるので何等悪影響が発生することは
無い。然し乍ら、電子ビームが前記導体をずれて移動す
ると、測定される電位はその経路に沿って遭遇される電
位の重み付き平均となる。このことは、測定された電位
において不正確性を発生させることがあり、又電子ビー
ムが隣の導体に移動する場合には隣の導体上の電位との
クロストークを発生することがある。
第2に、所望の電子ビームブランキングを発生する為に
前記ブランキング電極220へ印加されねばならないブラ
ンキング電位の大きさは前記ブランキングの位置の関数
である。一般的に、大きなブランキング電位は回避すべ
きである。大きな電位はより高価な回路を必要とする。
更に、妥当なコストで得ることの可能なブランキング電
位の上昇及び下降時間は、大きな電位よりも小さな電位
に対してより小さい。電子ビームのパルス動作の期間中
に電子ビームの移動を重要な要因とするのはこれらの有
限の上昇及び下降時間である。ブランキング電極電位を
電子ビームパルスの長さに比較して短い時間でターンオ
ンおよびオフすることが可能であると、初期的に中心に
合っていた導体からはずれて電子ビーム経路上のこれら
の点からの上述した重み付けした電位の平均への貢献度
は無視出来る程度である。
第3にブランキング電極220が電子ビームコラム軸116と
相対的に整合せねばならない精度もブランキング電極の
配置の関数である。明らかに、ブランキング電極を精密
な整合を必要とする位置に配置することは経済的理由か
ら回避されるべきである。
従来方式において、ブランキング電極は典型的に第15図
に示した如く2つの磁気レンズの間に配置されていた。
電子ビーム源232は円錐角234に渡って電子を放出する。
これらの電子は、第1磁気レンズ238によって第2磁気
レンズ236内に結像される。ブランキング電極240は、磁
気レンズ238によって結像される電子が電子ビームシス
テムの軸242を交差する点に配置されている。ブランキ
ング電位が印加されると、アパーチャ244が電子ビーム
電子をインターセプトする。ブランキング電位の大きさ
は、このアパーチャの出口246に示した極限の軌跡に沿
って移動する電子を偏向するのに充分でなければならな
い。ブランキング電極240の位置決めは、電位の上昇及
び下降の期間中に最小の電子ビームの移動を発生する。
然し乍ら、それは、ブランキング電極240を第1磁気レ
ンズ238及び発生源232の間に位置された場合におけるよ
りも一層高い電位及び整合精度が必要とされる。
第16図を参照すると、本発明のブランキング電極248
は、電子源250と第1磁気レンズ252との間に配置されて
いる。このことは、ブランキング電極が前述した如く磁
気レンズ間に位置された場合に得られるであろう移動と
相対的にブランキング電極を使用して電子ビームをパル
ス動作させる時に標本上の電子ビームの移動を増加させ
る。電子ビームパルス動作中の電子ビーム移動のこの増
加を制限する為に、電子源250とブランキング電極248と
の間に第1アパーチャ254が配置されている。第2アパ
ーチャ256は、電位が前記ブランキング電極に印加され
る時にブランキング電極248によって偏向される電子を
インターセプトする。前記ブランキング電極上に電位が
存在しない場合、第1アパーチャ248を通過する電子を
第1磁気レンズ252が第2アパーチャ256内に結像する。
3個のパラメータが最適化されねばならず、それらは第
1アパーチャ254の寸法、このアパーチャの磁気レンズ
と相対的な配置、及び磁気レンズと相対的なブランキン
グ電極の配置である。アパーチャ254の最小寸法は、発
生源250の物理的寸法によって決定される。発生源は点
源として第16図に示してあるが、それは実際には直径が
50ミクロンのオーダである。アパーチャ254が発生源寸
法よりも著しく小さくすると、それは標本上へ合焦され
る電子数を著しく減少させる。従って、アパーチャ254
は発生源の寸法のオーダに選択される。発生源250及び
磁気レンズ252と相対的なアパーチャ254の配置は、ブラ
ンキンク電極248へ印加される電位における変化の期間
中標本上の点258での電子ビームの移動を最小とする様
に選択される。発生源250及び磁気レンズ252と相対的な
ブランキング電極248の配置は、アパーチャ256からの電
子ビームを偏向させることを必要とされる電位を最小と
する様に選択される。ブランキング電極248のこの位置
は、発生源250と磁気レンズ252との間の距離の1/4と1/2
との間である様に選択される。アパーチャ254の最適位
置は機械的及び電気的に実現可能な範囲でブランキング
電極248へ可及的に近接させる。第7図に示した好適実
施例においては、アパーチャ及びレンズのこの配列は、
ブランキング電極に5Vの電圧が印加された時に発生源に
おいて0.2ミクロン以下の移動が発生する。従来の方式
は、典型的に40Vのブランキング電位を必要としてい
た。典型的な集積回路上の導体は2ミクロンのオーダで
あるから、この運動の量は許容可能である。
埋込導体上の電位の測定 本発明の装置内で測定すべき標本は、屡々、第17図に示
した如く絶縁物質の層で被覆した導体を包含することが
ある。下側の導体260に印加される電圧は、絶縁物質264
の表面262上に発生される電位となる。従って、原理的
には、導体を被覆する絶縁体の表面の電位を測定するこ
とによって下側の導体に印加された波形を測定すること
が可能なはずである。実際上、測定過程中に電子ビーム
自身によって発生される表面電位における変動の為にこ
のことを達成することは困難である。
第13図を参照して説明した如く、電子ビーム衝撃の結果
として発生された二次電子の数は、電子ビームエネルギ
の関数である。約2KeVを越える電子ビームエネルギの場
合、絶縁表面に衝突する各電子ビーム電子に対して1個
未満の二次電子が発生される。このことは、表面上に電
子が蓄積されることとなる。問題の表面は絶縁体である
から、この蓄積された電荷は漏れ流れることは出来な
い。従って、表面は次第により負に帯電され、それは、
標本表面に衝突する電子のエネルギを実効的に変化させ
るのに充分に高い電位となる迄継続する。この点におけ
る表面電位は、非常に大きく、従って下側の導体に印加
される電位から発生する標本電位における何れかの変化
は検知するには小さ過ぎる。従って、従来の方式では高
エネルギ電子ビームを使用しており、従って絶縁層の下
側に埋込んだ導体上の波形を測定することは不可能であ
る。
電子ビームエネルギを約2KeV未満に低下させると、この
大きな負の電位蓄積を回避することが可能である。この
場合、上述した如く、表面は、捕獲される電子ビーム電
子の各々に対して1個の二次電子が逃避する状態で安定
な正電位に到達する。この電位は、シリコンVLSIチップ
上で使用される絶縁物質の場合には、約4Vである。この
電位は、下側の導体に典型的な5Vの電位を印加すること
によってその中に発生される差異を観測することが可能
である程充分に小さい。
5Vの正電位を下側の導体に印加すると、標本の表面は約
4Vの平衡電位から約9Vの電位へ移動し、正確な電位は絶
縁層の厚さに依存する。今や表面は4Vの平衡電位よりも
大きな電位へ正に帯電されているので、二次電子のより
大きな部分は表面によって再捕獲される。この大きな再
捕獲は、より少ない二次電子が電子検知器へ到達するこ
ととなり、即ち、テストプローブは標本の表面上の正電
位を測定する。従って、2KeV以下への電子ビームエネル
ギの減少は、該絶縁体の表面上の電位を測定することを
可能とする。好適実施例において、電子ビームは1KeVの
エネルギを持っている。
然し乍ら、標本表面によって再捕獲されるより多数の二
次電子は、それが再度平衡電位に到達する迄次第により
少なく正となる様に帯電される。このことは、第18図に
図示してある。導体電位Vcが266で示した如くV−から
V+へ変化すると、表面電位Vpは所期的にVeqから上昇
し且つ一層正に帯電され、それは射出される二次電子の
数が減少される。このことは、テストプローブによって
測定される正電位は268で示す如くである。これらの再
捕獲された付加的な二次電子は、表面をより少なく正に
帯電させ、従って、測定された表面電位はそれが再度Ve
qに到達する迄減少する。下側の導体上の電位Vcが270で
示した如くゼロに復帰し、表面電位は突如V+だけ減少
する。このことは、表面からより多数の二次電子が逃避
することとなり、即ち測定は272で示した如く表面電位
において負の振れを表す。この表面から逃避する二次電
子の増加した数は、再度Veqに到達する迄、表面は次第
に一層正に帯電される。実際には、測定される信号は微
分される。従って、電子ビーム電子の各々に対して1個
を越えた二次電子が発生される領域に電子ビームエネル
ギを単に減少するだけでは下側の導体上の波形を正確に
測定するのには充分ではない。
この微分は、表面が、下側の波形のV+部分の期間中に
それが失うよりも多くの二次電子を捕獲し、且つ該波形
のV−部分の間にそれが得るよりも多くの二次電子を失
うことの結果である。本発明の装置は、波形のV+部分
の間に得られた二次電子が波形のV−部分の間に失われ
た二次電子を補償する傾向にあるという様に電位測定を
順次命令することによってこの微分を回避している。本
発明の方法においては、繰り返し波形が下側導体へ印加
される。測定がなされるべき間の前記繰り返しテストパ
ターンの期間を特定する2個の時間が本発明に入力され
る。次いで電位測定をこれらの2つの時間の間でランダ
ムな時間に行う。各測定はそれを行った時間と共にスト
ア即ち格納する。時間の関数として電位をプロットする
のに充分なデータが収集されると、電位結果が表示され
る。下側の波形が時間の半分がV+で時間の他の半分が
V−であると、平均して下側導体がV+次いでV−で連
続する測定が行われる。下側導体がV+にある時に表面
に得られた二次電子は、下側の導体がV−の時に表面に
よって失われる二次電子によって補償される。従って、
測定プロセス中に表面に衝突する電子ビームから得られ
る導体の表面電位における正味の長期間の変化はない。
下側導体へ印加される波形が半分がV+で半分がV−で
ない場合、補償は完全ではないが、従来方式よりも尚著
しく良好である。
以上、本発明の具体的実施の態様に付いて詳細に説明し
たが、本発明はこれら具体例にのみ限定されるべきもの
では無く、本発明の技術的範囲を逸脱すること無しに種
々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は電子ビームテストプローブが動作する基本原理
を示した概略図、第2図は電子ビームで衝撃した後に導
体から出る電子のエネルギ分布を示した説明図、第3図
は従来の電子ビームテストプローブ方式によって使用さ
れる基本的方法及び装置を示した概略図、第4図は電子
ビームの方向に平行及び直交する成分への二次電子速度
ベクトルの分解を示した説明図、第5図は隣の導体によ
って発生される電界からえらる二次電子飛行経路を示し
た説明図、第6図は標本と合焦用磁気レンズとの間に2
個のグリッドを使用することの必要性から発生する従来
技術の問題を示した説明図、第7図は本発明に基づくテ
ストプローブを示した概略図、第8(a)図は本発明の
好適実施例において使用されるコリメート用磁気レンズ
の概略断面図、第8(b)図は第8(a)図に示したコ
リメート用磁気レンズによって発生される磁束パターン
を示した説明図、第9図は光学系によるホトンのコリメ
ート作用を説明する説明図、第10図は本発明の好適実施
例において使用されるコリメート用磁気レンズによる二
次電子のコリメート作用を示した説明図、第11図は本発
明に基づく「ボクサー」積分回路の概略図、第12図は標
本と相対的に電子ビームコラムを移動させる本発明に基
づいて設けられた機械的調節を示した概略図、第13図は
衝撃電子ビームにおける電子当り絶縁体から射出される
二次電子数と衝撃電子ビームのエネルギとの間の関係を
示したグラフ図、第14図は本発明に基づく遅延回路の概
略図、第15図は典型的な従来の電子ビームテストプロー
ブシステムにおけるブランキング電極の配置を示した概
略図、第16図は本発明に基づくテストプローブにおいて
ブランキング電極の配置を示した概略図、第17図は標本
上の埋込導体及び前記導体に印加される正電位に応答し
て発生される電荷分布を示した説明図、第18図は第17図
に示した埋込導体に矩形波が印加された時に測定した電
位を示した説明図、出ある。 (符号の説明) 100:テストプローブ 102:フィラメント 104:加速電極 106:オリフィス 108:標本 110,112:磁気レンズ 114:偏向コイル 116:軸 120:二次電子検知器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】標本上の1カ所以上の点における電位を測
    定する電子ビームテストプローブ装置において、 電子ビームコラム、 真空容器、 前記標本への電気的接続を与えるプローブカード、 所定の軸に垂直な二つの互いに直交する方向において並
    進運動させ且つ前記所定の軸に平行な軸の周りに回転さ
    せて前記プローブカードに対して前記標本を位置決めさ
    せる標本位置決め手段、 が設けられており、 前記電子ビームコラムと、前記プローブカードと、前記
    標本位置決め手段とが全て前記真空容器の内側に収容さ
    れており、 前記所定の軸に垂直な二つの互いに直交する方向におい
    て並進運動させることにより前記電子ビームコラムを前
    記プローブカードに対して位置決めさせるコラム位置決
    め手段が設けられており、前記コラム位置決め手段は前
    記真空容器の外側に配置されていることを特徴とする電
    子ビームテストプローブ装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、前記電子
    ビームコラムが、 500乃至1,500eVの間のエネルギを有する電子ビームを発
    生する電子ビーム供給源と、 前記電子ビームを所定の軸に対して整合させる整合手段
    と、 前記電子ビームの発散を画定する第1アパーチャー手段
    と、 ブランキング信号発生手段と、 前記ブランキング信号が発生された場合に前記電子ビー
    ムを偏向させるブランキング電極手段と、 前記電子ビームが前記ブランキング電極手段によって偏
    向される場合に前記電子ビームをインターセプトする第
    2アパーチャー手段と、 ブランキング信号が発生されない場合に前記第1アパー
    チャー手段によって除去されなかった電子を前記第2ア
    パーチャー手段へ結像させる第1磁気レンズ手段と、 前記電子ビームが前記標本上の選択した点へ衝撃するよ
    うに前記所定の軸に垂直な二つの互いに直交する方向の
    いずれかの方向に前記電子ビームを偏向させる電子ビー
    ム操縦手段と、 前記電子ビームを前記標本上へフォーカスさせ且つ前記
    標本の電子ビーム衝撃に応答して発生される二次電子を
    コリメートさせるコリメート用磁気レンズ手段であって
    前記第1磁気レンズ手段が前記電子ビームを該コリメー
    ト用磁気レンズ手段内にフォーカスさせるコリメート用
    磁気レンズ手段と、 前記コリメート用磁気レンズ手段によってコリメートさ
    れ且つ第1の特定したエネルギより大きく、且つ前記標
    本によって後方散乱される前記電子ビームからの電位の
    エネルギよりも低い第2の特定したエネルギより小さな
    エネルギを持った二次電子を検知する電子検知手段と、 を有することを特徴とする電子ビームテストプローブ装
    置。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項において、前記コリ
    メート用磁気レンズ手段は、前記電子ビームが前記標本
    を衝撃する点と実質的に一致した強力な磁束の領域及び
    前記所定の軸と実質的に平行な磁力線を持った一様な磁
    束の領域を具備する磁気レンズを有しており、且つ前記
    電子検知手段が、 電子を計数する電子計数手段と、 前記第1の特定したエネルギよりも小さなエネルギを持
    った電子が前記電子計数手段へ到達することを阻止する
    電位障壁手段と、 前記第2の特定したエネルギよりも小さなエネルギを持
    った電子を前記電子計数手段内へ偏向させる電子偏向手
    段と、 を有することを特徴とする電子ビームテストプローブ装
    置。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項乃至3項の内のいず
    れか1項において、前記標本位置決め手段が前記標本を
    前記所定の軸と平行な方向に並進運動させる手段を有し
    ていることを特徴とする電子ビームテストプローブ装
    置。
JP61058002A 1985-03-15 1986-03-15 電子ビームテストプローブ装置 Expired - Lifetime JPH0750127B2 (ja)

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