JPH075045A - 誘導炉等の湯面温度検出方法及び装置 - Google Patents
誘導炉等の湯面温度検出方法及び装置Info
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- JPH075045A JPH075045A JP5172522A JP17252293A JPH075045A JP H075045 A JPH075045 A JP H075045A JP 5172522 A JP5172522 A JP 5172522A JP 17252293 A JP17252293 A JP 17252293A JP H075045 A JPH075045 A JP H075045A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 鉛、スズ等の低沸点金属を不純物として含む
鋼、特殊鋼、非鉄金属の精錬されたインゴットを再溶解
する誘導炉等を主な対象として、鉛、スズ等の金属蒸気
等の煙や、湯面の波立ち等の外乱の影響をできる限り排
除して、精度の高い湯面温度検出を行う。 【構成】 放射温度計から入力される生の測定値をa
1、a2…anの一定時間ごとに平均化処理をして、その
平均温度値Dn-1、Dn、Dn+1…Dn+7等を算出する。次
に、その平均温度値が前回温度値に比べて上昇又は横ば
いか下降しているかを、今回と前回で比較判断し、上昇
又は横ばいの場合にはその平均温度値をそのまま推定温
度値として出力するが、下降している場合には、その平
均温度値を一次遅れ関数式により補正して下降量の一部
をカットし、dn+1、dn+3、dn+5…dn+7を推定温度値
とする。
鋼、特殊鋼、非鉄金属の精錬されたインゴットを再溶解
する誘導炉等を主な対象として、鉛、スズ等の金属蒸気
等の煙や、湯面の波立ち等の外乱の影響をできる限り排
除して、精度の高い湯面温度検出を行う。 【構成】 放射温度計から入力される生の測定値をa
1、a2…anの一定時間ごとに平均化処理をして、その
平均温度値Dn-1、Dn、Dn+1…Dn+7等を算出する。次
に、その平均温度値が前回温度値に比べて上昇又は横ば
いか下降しているかを、今回と前回で比較判断し、上昇
又は横ばいの場合にはその平均温度値をそのまま推定温
度値として出力するが、下降している場合には、その平
均温度値を一次遅れ関数式により補正して下降量の一部
をカットし、dn+1、dn+3、dn+5…dn+7を推定温度値
とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導炉等の二次溶解炉
の湯面温度を検出する方法及び装置に関する。
の湯面温度を検出する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、誘導炉(誘導電気炉)で金属を溶
融し、その溶融金属(湯)を用いて所定の鋳造等が行わ
れている。この誘導炉の溶湯の温度が変化すると、鋳造
等の製品の品質に悪影響を及ぼすため、溶湯温度を精度
よく管理することが必要となる。この湯面温度の測定技
術の1つとして、誘導炉の湯面中に熱電対を挿入して温
度測定することが知られているが、これは消耗型であ
り、ほぼ1回の使用しかできない使い捨てで、測定も断
片的にしか行えず、温度管理というよりも温度変化が生
じているかどうかの確認の意味を持つに過ぎない。もっ
とも、熱電対の保護管の耐久性を高めて、湯面中にある
程度の時間突っ込んだままの測定も可能となったが、そ
の時間も限られたものであり、またランニングコストも
高くつく欠点がある。
融し、その溶融金属(湯)を用いて所定の鋳造等が行わ
れている。この誘導炉の溶湯の温度が変化すると、鋳造
等の製品の品質に悪影響を及ぼすため、溶湯温度を精度
よく管理することが必要となる。この湯面温度の測定技
術の1つとして、誘導炉の湯面中に熱電対を挿入して温
度測定することが知られているが、これは消耗型であ
り、ほぼ1回の使用しかできない使い捨てで、測定も断
片的にしか行えず、温度管理というよりも温度変化が生
じているかどうかの確認の意味を持つに過ぎない。もっ
とも、熱電対の保護管の耐久性を高めて、湯面中にある
程度の時間突っ込んだままの測定も可能となったが、そ
の時間も限られたものであり、またランニングコストも
高くつく欠点がある。
【0003】一方、誘導炉の湯面温度を放射温度計を用
いて測定する技術が、特公平5−7651号、あるいは
実開昭61−132724号等の公報に開示されてい
る。これらは、手法の違いはあっても、いずれも湯面を
覆うスラグを強制的に移動させることにより湯面を露出
させ、その状態において放射温度計で湯面温度をできる
だけ正確に測定しようというものである。
いて測定する技術が、特公平5−7651号、あるいは
実開昭61−132724号等の公報に開示されてい
る。これらは、手法の違いはあっても、いずれも湯面を
覆うスラグを強制的に移動させることにより湯面を露出
させ、その状態において放射温度計で湯面温度をできる
だけ正確に測定しようというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、精錬された
インゴットを再溶解して、それを鋳造に用いるための誘
導炉においては、理論上はスラグ等が存在しないことと
なり、そのまま放射温度計による測定が可能であるかの
ように思われるが、実際には次のような「煙」や「波
動」の問題がある。すなわち、溶解沸点が低い金属(例
えば、鉛、スズ等)の溶解状態で、湯面上にそれらの金
属蒸気や水蒸気からなる「煙」が生じ、これが湯面から
放射温度計に向かう赤外線等の入射経路を遮る形にな
り、しかもその煙が揺らぐため、測定値に大きな誤差を
生じさせる。
インゴットを再溶解して、それを鋳造に用いるための誘
導炉においては、理論上はスラグ等が存在しないことと
なり、そのまま放射温度計による測定が可能であるかの
ように思われるが、実際には次のような「煙」や「波
動」の問題がある。すなわち、溶解沸点が低い金属(例
えば、鉛、スズ等)の溶解状態で、湯面上にそれらの金
属蒸気や水蒸気からなる「煙」が生じ、これが湯面から
放射温度計に向かう赤外線等の入射経路を遮る形にな
り、しかもその煙が揺らぐため、測定値に大きな誤差を
生じさせる。
【0005】また、誘導炉においては、誘導電流による
加熱により金属溶湯に対流がおき、湯面(表層)が波打
つ状態となりやすい。放射温度計による測定は湯の表層
で行われるため、この表層の波が湯面温度の測定値の正
確さを損ねる原因となりやすい。
加熱により金属溶湯に対流がおき、湯面(表層)が波打
つ状態となりやすい。放射温度計による測定は湯の表層
で行われるため、この表層の波が湯面温度の測定値の正
確さを損ねる原因となりやすい。
【0006】本発明の課題は、そのような金属蒸気等か
らなる「煙」等の影響をできるだけ排除して、誘導炉等
の二次溶解炉の湯面温度の検出精度を高めることにあ
る。
らなる「煙」等の影響をできるだけ排除して、誘導炉等
の二次溶解炉の湯面温度の検出精度を高めることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、放射
温度計で誘導炉等の湯面温度を測定し、その放射温度計
の測定値を入力信号として、その入力信号レベルの上昇
には直ちに追従するが、その入力信号レベルの下降に対
しては予め設定された時定数を含む遅れ関数式に基づい
て追従するように信号処理をし、その信号処理による出
力信号に基づいて湯面の真温度を推定するものである。
請求項2の装置発明は、この方法を実施するのに好適な
装置の発明である。
温度計で誘導炉等の湯面温度を測定し、その放射温度計
の測定値を入力信号として、その入力信号レベルの上昇
には直ちに追従するが、その入力信号レベルの下降に対
しては予め設定された時定数を含む遅れ関数式に基づい
て追従するように信号処理をし、その信号処理による出
力信号に基づいて湯面の真温度を推定するものである。
請求項2の装置発明は、この方法を実施するのに好適な
装置の発明である。
【0008】請求項3の発明は、放射温度計の測定値を
入力信号として、その入力信号を時間tで区切って平均
値をとり、その時間tごとの平均値を平均化信号とし、
さらにその平均化信号レベルの上昇には直ちに追従する
が、その平均化信号レベルの下降に対しては予め設定さ
れた時定数を含む遅れ関数式に基づいて追従するように
信号処理をし、その信号処理による出力信号に基づいて
湯面の真温度を推定することを特徴とする。また、請求
項4の発明は、このような方法を実施するのに好適な装
置に係るものである。
入力信号として、その入力信号を時間tで区切って平均
値をとり、その時間tごとの平均値を平均化信号とし、
さらにその平均化信号レベルの上昇には直ちに追従する
が、その平均化信号レベルの下降に対しては予め設定さ
れた時定数を含む遅れ関数式に基づいて追従するように
信号処理をし、その信号処理による出力信号に基づいて
湯面の真温度を推定することを特徴とする。また、請求
項4の発明は、このような方法を実施するのに好適な装
置に係るものである。
【0009】
【作用・効果】誘導炉等の湯面上の金属蒸気等からなる
煙は、揺らぎのない固定的な部分と、揺らいでいる部分
とに分かれていると考えることができる。揺らぎが晴れ
たとき、放射温度計は金属溶湯の表面状態と固定的な煙
とで決まるエネルギーを得て、測定値はピークを示すと
考えられる。そのため、このピークに直ちに追従するこ
とが、上昇時における真温度を推定する上で有効であ
る。一方、放射温度計の測定値が下降する場合、その要
因は、上述の煙の揺らいでいる部分が湯面から放射温度
計へ向かう放射線の経路を遮ったか、あるいは湯面の温
度が実際に下降したかのいずれかと考えられる。揺らい
でいる煙によって一時的に放射温度計の測定値が下降し
た場合には、それには追従しないのがよいが、実際に湯
面の真温度が下降するときには、これに追従する必要が
ある。
煙は、揺らぎのない固定的な部分と、揺らいでいる部分
とに分かれていると考えることができる。揺らぎが晴れ
たとき、放射温度計は金属溶湯の表面状態と固定的な煙
とで決まるエネルギーを得て、測定値はピークを示すと
考えられる。そのため、このピークに直ちに追従するこ
とが、上昇時における真温度を推定する上で有効であ
る。一方、放射温度計の測定値が下降する場合、その要
因は、上述の煙の揺らいでいる部分が湯面から放射温度
計へ向かう放射線の経路を遮ったか、あるいは湯面の温
度が実際に下降したかのいずれかと考えられる。揺らい
でいる煙によって一時的に放射温度計の測定値が下降し
た場合には、それには追従しないのがよいが、実際に湯
面の真温度が下降するときには、これに追従する必要が
ある。
【0010】この2つの要件をバランスよく満たすため
に、放射温度計の入力信号レベルの上昇には直ちに追従
し、その下降に対しては所定の時定数を含む遅れ関数式
に基づいて追従することによって、湯面の煙の揺らいで
いる部分の外乱要因をできる限り排除し、その一方で真
温度の下降にも適切に追従でき、その結果、全体として
ノイズが少なく精度の高い温度検出が可能となった。
に、放射温度計の入力信号レベルの上昇には直ちに追従
し、その下降に対しては所定の時定数を含む遅れ関数式
に基づいて追従することによって、湯面の煙の揺らいで
いる部分の外乱要因をできる限り排除し、その一方で真
温度の下降にも適切に追従でき、その結果、全体として
ノイズが少なく精度の高い温度検出が可能となった。
【0011】請求項3及び4の発明では、放射温度計の
測定値の平均化処理が予め加えられ、その後上述の遅れ
関数式に基づく処理が施される。これは、湯面の波打ち
等に効果的である。すなわち、湯面の波打ちにより放射
温度計の測定値はその波打ちに応じて不規則に変化する
と考えることができるが、このような波打ちによる測定
誤差を平均化処理によって抑制ないしは排除し、かつ前
述の煙等による誤差を最小限に抑える信号処理を行うこ
とにより、湯面の波打ち及び煙の発生等に伴うノイズを
小さくした、精度の高い温度検出が可能となった。
測定値の平均化処理が予め加えられ、その後上述の遅れ
関数式に基づく処理が施される。これは、湯面の波打ち
等に効果的である。すなわち、湯面の波打ちにより放射
温度計の測定値はその波打ちに応じて不規則に変化する
と考えることができるが、このような波打ちによる測定
誤差を平均化処理によって抑制ないしは排除し、かつ前
述の煙等による誤差を最小限に抑える信号処理を行うこ
とにより、湯面の波打ち及び煙の発生等に伴うノイズを
小さくした、精度の高い温度検出が可能となった。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1に示す誘導炉1は、上部に開口した容器状
のもので、その内部には誘導コイル2が設けられ、この
誘導コイル2に通電部3から通電されることにより、誘
導炉1に収容された金属溶湯Mが高温の加熱状態に保た
れるようになっている。この誘導炉1は、例えば負圧吸
引を利用したロストワックス鋳造法、いわゆる減圧吸上
鋳造法等の鋳造設備に好適に用いられる。例えば図2に
示すように、鋳込チャンバ(以下、単にチャンバとも称
する)6により保持された通気性鋳型5が誘導炉1の金
属溶湯Mに浸漬され、かつ鋳込チャンバ6を経て負圧吸
引されることによって、金属溶湯Mが通気性鋳型5のキ
ャビティ内に吸い上げられる。この鋳造法は湯回りが早
いため、複雑な形状で精密な品質が要求される製品に適
しており、鋳込チャンバ6は金属溶湯Mの負圧吸引工程
で金属溶湯Mの湯面付近まで下降し、鋳込み完了後、通
気性鋳型5とともに上昇させられるようになっている。
明する。図1に示す誘導炉1は、上部に開口した容器状
のもので、その内部には誘導コイル2が設けられ、この
誘導コイル2に通電部3から通電されることにより、誘
導炉1に収容された金属溶湯Mが高温の加熱状態に保た
れるようになっている。この誘導炉1は、例えば負圧吸
引を利用したロストワックス鋳造法、いわゆる減圧吸上
鋳造法等の鋳造設備に好適に用いられる。例えば図2に
示すように、鋳込チャンバ(以下、単にチャンバとも称
する)6により保持された通気性鋳型5が誘導炉1の金
属溶湯Mに浸漬され、かつ鋳込チャンバ6を経て負圧吸
引されることによって、金属溶湯Mが通気性鋳型5のキ
ャビティ内に吸い上げられる。この鋳造法は湯回りが早
いため、複雑な形状で精密な品質が要求される製品に適
しており、鋳込チャンバ6は金属溶湯Mの負圧吸引工程
で金属溶湯Mの湯面付近まで下降し、鋳込み完了後、通
気性鋳型5とともに上昇させられるようになっている。
【0013】図1に示すように、誘導炉1の上部に近接
して放射温度計10が設けられている。この放射温度計
10は、誘導炉1内の金属溶湯Mの湯面温度を測定する
もので、その湯面温度に対応する波長の放射線(赤外線
等)を検出し、それを電気信号に変換することにより湯
面温度を測定する公知のものである。金属溶湯Mは、例
えば不純物として鉛、スズ等の低沸点金属を含む鋼、特
殊鋼、非鉄金属の予め精錬されたインゴットを再溶解し
たもので、加熱により低沸点金属の金属蒸気が水蒸気等
とともに煙となって湯面から沸き上がる状態となるのが
普通である。
して放射温度計10が設けられている。この放射温度計
10は、誘導炉1内の金属溶湯Mの湯面温度を測定する
もので、その湯面温度に対応する波長の放射線(赤外線
等)を検出し、それを電気信号に変換することにより湯
面温度を測定する公知のものである。金属溶湯Mは、例
えば不純物として鉛、スズ等の低沸点金属を含む鋼、特
殊鋼、非鉄金属の予め精錬されたインゴットを再溶解し
たもので、加熱により低沸点金属の金属蒸気が水蒸気等
とともに煙となって湯面から沸き上がる状態となるのが
普通である。
【0014】また、図2に示すチャンバ6が下降して溶
湯Mを負圧吸引する際には、そのチャンバ6が湯面から
放射温度計10に向かう放射線を遮る形になる。したが
って、放射温度計10による温度測定は、チャンバ6が
金属溶湯Mの負圧吸引(鋳込み)工程を実施していない
間に行われる。チャンバ6は所定のサイクルで下降と上
昇を繰り返すから、放射温度計10による湯面の温度測
定もそれに対応して所定のサイクル、例えば10分程度
の休止期間をおいて繰り返されることとなる。なお、チ
ャンバ6が下降して鋳込み工程が実施される際は、図2
に示す鋳込チャンバセンサ15がチャンバ6の下降位置
を検出するようになっている。
湯Mを負圧吸引する際には、そのチャンバ6が湯面から
放射温度計10に向かう放射線を遮る形になる。したが
って、放射温度計10による温度測定は、チャンバ6が
金属溶湯Mの負圧吸引(鋳込み)工程を実施していない
間に行われる。チャンバ6は所定のサイクルで下降と上
昇を繰り返すから、放射温度計10による湯面の温度測
定もそれに対応して所定のサイクル、例えば10分程度
の休止期間をおいて繰り返されることとなる。なお、チ
ャンバ6が下降して鋳込み工程が実施される際は、図2
に示す鋳込チャンバセンサ15がチャンバ6の下降位置
を検出するようになっている。
【0015】放射温度計10で測定される湯面温度の測
定値には、前述の金属蒸気等の煙や湯面の踊り(波打
ち)等の外乱に基づく誤差が存在する。つまり、湯面か
ら放射温度計10に向かう赤外線等の入射経路が一時的
に煙で遮られれば、湯面温度は変化していなくても放射
温度計10の見掛けの測定値は一時的に低くなる。ま
た、湯面の波打ち(これは金属溶湯Mが加熱され対流す
ることにより生じるものである)によって、湯面からの
放射線の方向が揺れ動けば、放射温度計10の見掛けの
測定値はそのノイズの影響で不規則に変化することとな
る。このような煙や波打ちによるノイズを軽減するため
に、図3に示すように、放射温度計10で測定された見
掛けの信号は、平均化回路11さらにピークホールド・
一次遅れ回路12により順次処理され、その処理結果が
推定温度値として表示器13に出力表示されるようにな
っている。
定値には、前述の金属蒸気等の煙や湯面の踊り(波打
ち)等の外乱に基づく誤差が存在する。つまり、湯面か
ら放射温度計10に向かう赤外線等の入射経路が一時的
に煙で遮られれば、湯面温度は変化していなくても放射
温度計10の見掛けの測定値は一時的に低くなる。ま
た、湯面の波打ち(これは金属溶湯Mが加熱され対流す
ることにより生じるものである)によって、湯面からの
放射線の方向が揺れ動けば、放射温度計10の見掛けの
測定値はそのノイズの影響で不規則に変化することとな
る。このような煙や波打ちによるノイズを軽減するため
に、図3に示すように、放射温度計10で測定された見
掛けの信号は、平均化回路11さらにピークホールド・
一次遅れ回路12により順次処理され、その処理結果が
推定温度値として表示器13に出力表示されるようにな
っている。
【0016】平均化回路11は、放射温度計10から入
力される測定温度値(生のデータ)を入力信号として、
それを時間tで区切って平均値をとる役割を果たす。例
えば放射温度計10が0.1秒ごとに温度測定を実行し
ている場合、その入力信号を例えば5秒単位で区切り
(この場合は温度値の数は50個である)、これを単純
平均する。すなわち、0.1秒ごとのサンプリング値を
Snとすれば、(S1+S2+…Sn)/nとして平均値を
算出する。
力される測定温度値(生のデータ)を入力信号として、
それを時間tで区切って平均値をとる役割を果たす。例
えば放射温度計10が0.1秒ごとに温度測定を実行し
ている場合、その入力信号を例えば5秒単位で区切り
(この場合は温度値の数は50個である)、これを単純
平均する。すなわち、0.1秒ごとのサンプリング値を
Snとすれば、(S1+S2+…Sn)/nとして平均値を
算出する。
【0017】平均化回路11はそのような平均化処理の
ために、加算器、割算器を含むもので、割算処理のタイ
ミングや、加算器のリセットのタイミングは、分周回路
を備えたタイミング回路14からの信号によって定めら
れる。また、タイミング回路14には、前述の鋳込チャ
ンバセンサ15が接続されており、前述のチャンバ6が
下降した状態では、それを検出する上記センサ15から
の信号に基づいて、タイミング回路14が平均化回路1
1及び後述のピークホールド・一次遅れ回路12に処理
禁止の信号を供給し、その禁止信号が供給されない間で
各回路11及び12が各々の処理を行うようになってい
る。
ために、加算器、割算器を含むもので、割算処理のタイ
ミングや、加算器のリセットのタイミングは、分周回路
を備えたタイミング回路14からの信号によって定めら
れる。また、タイミング回路14には、前述の鋳込チャ
ンバセンサ15が接続されており、前述のチャンバ6が
下降した状態では、それを検出する上記センサ15から
の信号に基づいて、タイミング回路14が平均化回路1
1及び後述のピークホールド・一次遅れ回路12に処理
禁止の信号を供給し、その禁止信号が供給されない間で
各回路11及び12が各々の処理を行うようになってい
る。
【0018】ピークホールド・一次遅れ回路12は、そ
の平均化信号(平均測定値)を受けて、その平均化信号
レベルの上昇には直ちに追従するが、その下降に対して
は、遅れ関数式として所定の時定数を含む一次遅れ系に
基づく処理により、遅れて追従するようになっている。
それは、例えば次のような時定数Tの一次遅れ関数式に
基づく。 d(t)=Dn(1−e-t/T) ただし、d(t):一次遅れ系の温度値(補正下降値) Dn:平均化処理後の温度値(平均測定値) T:時定数
の平均化信号(平均測定値)を受けて、その平均化信号
レベルの上昇には直ちに追従するが、その下降に対して
は、遅れ関数式として所定の時定数を含む一次遅れ系に
基づく処理により、遅れて追従するようになっている。
それは、例えば次のような時定数Tの一次遅れ関数式に
基づく。 d(t)=Dn(1−e-t/T) ただし、d(t):一次遅れ系の温度値(補正下降値) Dn:平均化処理後の温度値(平均測定値) T:時定数
【0019】この時定数Tを小さく設定すれば遅れは小
さく、したがって平均化処理後の温度値の下降を敏感に
出力することとなるが、時定数Tを大きくすれば、その
遅れが大きくなることから、平均化処理後の温度値の下
降のノイズ分を除去する機能は大きくなる。ただし、平
均化処理後の温度値が外乱(ノイズ等)により下降する
のではなく、湯面の真温度の実際の下降に伴って下がっ
ていく場合には、それにあまり遅れないで追従していく
必要がある。このような観点から本実施例では、時定数
Tが20ないし100秒程度の範囲で適宜に定められ、
中でも時定数50秒程度が、ノイズの除去と真温度の下
降に対する追従との双方について、全体としてバランス
がよいものとされている。
さく、したがって平均化処理後の温度値の下降を敏感に
出力することとなるが、時定数Tを大きくすれば、その
遅れが大きくなることから、平均化処理後の温度値の下
降のノイズ分を除去する機能は大きくなる。ただし、平
均化処理後の温度値が外乱(ノイズ等)により下降する
のではなく、湯面の真温度の実際の下降に伴って下がっ
ていく場合には、それにあまり遅れないで追従していく
必要がある。このような観点から本実施例では、時定数
Tが20ないし100秒程度の範囲で適宜に定められ、
中でも時定数50秒程度が、ノイズの除去と真温度の下
降に対する追従との双方について、全体としてバランス
がよいものとされている。
【0020】ピークホールド・一次遅れ回路12からの
出力値は、湯面の真温度の推定値として出力されるが、
その出力形態は表示器13に表示されたり、あるいは印
刷手段に出力されたりする。また、必要に応じて、その
出力データに基づき図1の通電部3の通電量を制御する
ようにすることも可能である。
出力値は、湯面の真温度の推定値として出力されるが、
その出力形態は表示器13に表示されたり、あるいは印
刷手段に出力されたりする。また、必要に応じて、その
出力データに基づき図1の通電部3の通電量を制御する
ようにすることも可能である。
【0021】図6は、以上のような平均化処理及びその
後のピークホールド・一次遅れ処理を具体的に説明する
ためのものである。図6において、a1、a2…anの各
区切り時間帯で、放射温度計10の生の測定データの平
均化処理が行われる。例えば0.1秒ごとにサンプリン
グされ、5秒間(50個の温度値データ)の平均値をD
n-1、次の平均化処理された値をDn、その次のものをD
n+1とすれば、それらの平均化処理信号がピークホール
ド・一次遅れ回路12へ出力される。
後のピークホールド・一次遅れ処理を具体的に説明する
ためのものである。図6において、a1、a2…anの各
区切り時間帯で、放射温度計10の生の測定データの平
均化処理が行われる。例えば0.1秒ごとにサンプリン
グされ、5秒間(50個の温度値データ)の平均値をD
n-1、次の平均化処理された値をDn、その次のものをD
n+1とすれば、それらの平均化処理信号がピークホール
ド・一次遅れ回路12へ出力される。
【0022】この回路12では、平均温度値が例えばD
n-1からDnへ上昇していれば(Dn+ 2、Dn+4の場合でも
同様)、その平均測定値Dnをそのまま推定温度値とし
て出力する。しかし、例えばある平均測定値Dnに対し
て次の平均測定値Dn+1が低くなっている(下降してい
る)場合には、その平均測定値Dn+1は時定数Tの前記
一時遅れ関数式に基づく演算によりdn+1に補正され
る。同様に平均温度値Dn+3はdn+3に補正される。な
お、図3のタイミング回路14から処理禁止の信号が入
れば、前述のように平均化回路11及びピークホールド
・一次遅れ回路12はそれぞれ処理を中止し、その間は
休止期間となる。
n-1からDnへ上昇していれば(Dn+ 2、Dn+4の場合でも
同様)、その平均測定値Dnをそのまま推定温度値とし
て出力する。しかし、例えばある平均測定値Dnに対し
て次の平均測定値Dn+1が低くなっている(下降してい
る)場合には、その平均測定値Dn+1は時定数Tの前記
一時遅れ関数式に基づく演算によりdn+1に補正され
る。同様に平均温度値Dn+3はdn+3に補正される。な
お、図3のタイミング回路14から処理禁止の信号が入
れば、前述のように平均化回路11及びピークホールド
・一次遅れ回路12はそれぞれ処理を中止し、その間は
休止期間となる。
【0023】また、Dn+5、Dn+6、Dn+7のように、平
均測定値がある程度安定した下降傾向にある場合は、湯
面の真温度が実際に下降していると考えられるが、この
場合は一次遅れ処理されたdn+5、dn+6、dn+7がそれ
に追従することとなる。なお、図6は、あくまでも説明
のためのもので、必ずしも実際の温度測定データに対応
するものではない。図8のグラフも同様である。
均測定値がある程度安定した下降傾向にある場合は、湯
面の真温度が実際に下降していると考えられるが、この
場合は一次遅れ処理されたdn+5、dn+6、dn+7がそれ
に追従することとなる。なお、図6は、あくまでも説明
のためのもので、必ずしも実際の温度測定データに対応
するものではない。図8のグラフも同様である。
【0024】以上のような平均化処理及びピークホール
ド・一次遅れ処理は、図4に概念的に示すようなコンピ
ュータを用いて行うこともできる。この例では、放射温
度計10がA/Dコンバータ20及びI/Oインタフェ
ース22を介してCPU23に接続されている。また、
鋳込チャンバセンサ15も、そのインタフェース22を
介してCPU23に接続されている。ROM24には、
図5に示すような真温度推定プログラムを記憶するプロ
グラムメモリ24aが設けられ、また、RAM25には
前述の一次遅れ関数式を記憶する関数式メモリ25a、
時定数を記憶する時定数メモリ25b、放射温度計10
からの生の測定値を記憶する測定温度値メモリ25c、
平均化処理された温度値を記憶する平均温度値メモリ2
5d、最終的に推定された温度値を記憶する推定温度値
メモリ25eが設けられている。その最終的な推定温度
値は、必要に応じて表示器あるいはプリンタ等の出力装
置26に出力されることとなる。
ド・一次遅れ処理は、図4に概念的に示すようなコンピ
ュータを用いて行うこともできる。この例では、放射温
度計10がA/Dコンバータ20及びI/Oインタフェ
ース22を介してCPU23に接続されている。また、
鋳込チャンバセンサ15も、そのインタフェース22を
介してCPU23に接続されている。ROM24には、
図5に示すような真温度推定プログラムを記憶するプロ
グラムメモリ24aが設けられ、また、RAM25には
前述の一次遅れ関数式を記憶する関数式メモリ25a、
時定数を記憶する時定数メモリ25b、放射温度計10
からの生の測定値を記憶する測定温度値メモリ25c、
平均化処理された温度値を記憶する平均温度値メモリ2
5d、最終的に推定された温度値を記憶する推定温度値
メモリ25eが設けられている。その最終的な推定温度
値は、必要に応じて表示器あるいはプリンタ等の出力装
置26に出力されることとなる。
【0025】真温度推定プログラムの一例を、図5のフ
ローチャートに基づき説明する。ステップS1におい
て、図2のチャンバ6が鋳込み中かどうかが判断され、
鋳込チャンバセンサ15がチャンバ6を検出しない状態
で、ステップS2において一定時間(例えば0.1秒程
度)ごとに放射温度計10の生の測定データがサンプリ
ングされ、ステップS3でそれが加算される。ステップ
S4で、その加算回数のカウント値がnになったと判断
されれば、ステップS5でその加算合計をnで割算する
処理が行われ、その算出された平均値が今回温度値とさ
れる。
ローチャートに基づき説明する。ステップS1におい
て、図2のチャンバ6が鋳込み中かどうかが判断され、
鋳込チャンバセンサ15がチャンバ6を検出しない状態
で、ステップS2において一定時間(例えば0.1秒程
度)ごとに放射温度計10の生の測定データがサンプリ
ングされ、ステップS3でそれが加算される。ステップ
S4で、その加算回数のカウント値がnになったと判断
されれば、ステップS5でその加算合計をnで割算する
処理が行われ、その算出された平均値が今回温度値とさ
れる。
【0026】さらに、ステップS6において、その今回
温度値Dnが前回の平均化処理により得られた前回温度
値Dn-1より大きいかどうかが判断される。ここで、Dn
がDn- 1以上であれば、平均化処理された今回温度値Dn
は上昇(又は横ばい)していることを意味し、その場合
は今回温度値Dnは、図4の推定温度値メモリ25eへ
そのままストアされる。一方、ステップS6で、今回温
度値Dnが前回温度値Dn- 1より小さいと判断されれば、
温度が下降パターンであることを意味し、その場合には
ステップS10で時定数Tの一次遅れ関数式d(t)=Dn
(1−e-t/T)の演算処理が行われ、その一次遅れ関数
式による演算値dnが推定温度値メモリ25eへストア
される。つまり、平均化処理された温度値Dnそのまま
ではなく、それをいわば割り引いた推定温度値dnに補
正される。上述の一次遅れ関数式は、図5の右上に示す
グラフから明らかなように、温度降下した平均温度値D
nに対して一次遅れ系をもって追従し、時定数Tにおい
て上記推定温度値dnに対応する。ステップS8で出力処
理が指示されていれば、ステップS9で表示器への表示
あるいはプリンタへのプリント出力等が実行される。
温度値Dnが前回の平均化処理により得られた前回温度
値Dn-1より大きいかどうかが判断される。ここで、Dn
がDn- 1以上であれば、平均化処理された今回温度値Dn
は上昇(又は横ばい)していることを意味し、その場合
は今回温度値Dnは、図4の推定温度値メモリ25eへ
そのままストアされる。一方、ステップS6で、今回温
度値Dnが前回温度値Dn- 1より小さいと判断されれば、
温度が下降パターンであることを意味し、その場合には
ステップS10で時定数Tの一次遅れ関数式d(t)=Dn
(1−e-t/T)の演算処理が行われ、その一次遅れ関数
式による演算値dnが推定温度値メモリ25eへストア
される。つまり、平均化処理された温度値Dnそのまま
ではなく、それをいわば割り引いた推定温度値dnに補
正される。上述の一次遅れ関数式は、図5の右上に示す
グラフから明らかなように、温度降下した平均温度値D
nに対して一次遅れ系をもって追従し、時定数Tにおい
て上記推定温度値dnに対応する。ステップS8で出力処
理が指示されていれば、ステップS9で表示器への表示
あるいはプリンタへのプリント出力等が実行される。
【0027】なお、図4においてキーボードあるいは操
作パネル等の入力装置27がI/Oインタフェース22
に接続されており、この入力装置27からの入力により
関数式メモリ25aにおける一次遅れ系関数式を適宜変
更したり、あるいは時定数メモリ25bにおける時定数
を変更したりすることができる。また、同様にこの入力
装置27からの指示により出力装置26に出力を実行さ
せることができる。
作パネル等の入力装置27がI/Oインタフェース22
に接続されており、この入力装置27からの入力により
関数式メモリ25aにおける一次遅れ系関数式を適宜変
更したり、あるいは時定数メモリ25bにおける時定数
を変更したりすることができる。また、同様にこの入力
装置27からの指示により出力装置26に出力を実行さ
せることができる。
【0028】以上説明した実施例では、平均化処理の
後、ピークホールド・一次遅れ処理が行われるようにな
っていたが、平均化処理を省略することもできる。すな
わち、平均化処理を省略した実施例では、放射温度計1
0による測定値を図3のピークホールド・一次遅れ回路
12に供給する。あるいは図5におけるステップS3な
いしS5を省略するとともに、放射温度計10による生
の測定値について、ステップS6で今回測定値と前回測
定値を比較し、それ以降はステップS7あるいはステッ
プS10等の処理を行わせるようにする。
後、ピークホールド・一次遅れ処理が行われるようにな
っていたが、平均化処理を省略することもできる。すな
わち、平均化処理を省略した実施例では、放射温度計1
0による測定値を図3のピークホールド・一次遅れ回路
12に供給する。あるいは図5におけるステップS3な
いしS5を省略するとともに、放射温度計10による生
の測定値について、ステップS6で今回測定値と前回測
定値を比較し、それ以降はステップS7あるいはステッ
プS10等の処理を行わせるようにする。
【0029】この実施例では、例えば図8に示すよう
に、放射温度計10により例えば0.1秒ごとにその測
定値がサンプリングされ、それが例えばDn-1、Dn、D
n+1…Dn+10のようにピークホールド・一次遅れ回路1
2へ入力されるが、その今回測定値が前回測定値に比べ
て上昇(横ばい含む)の場合には、今回測定値がそのま
ま推定温度値とされる(Dn、Dn+2、Dn+4、Dn+7、D
n+8、Dn+10等)。一方、今回測定値が前回測定値に比
べて下降している場合、つまり図9においてDn+ 1、D
n+3、Dn+5、Dn+6、Dn+9等においては、前述のように
一次遅れ関数式に基づく演算処理により、それらの各値
が、dn+1、dn+3、dn+5、dn+6、dn+9というように
補正される。この結果、推定温度値の折線は破線で示す
ようになり、1点鎖線で示す実際の放射温度計の測定値
の折れ線に比べて、急激な下降部分がいわばカットされ
た形態となって、金属蒸気の煙等による外乱の影響が軽
減される。
に、放射温度計10により例えば0.1秒ごとにその測
定値がサンプリングされ、それが例えばDn-1、Dn、D
n+1…Dn+10のようにピークホールド・一次遅れ回路1
2へ入力されるが、その今回測定値が前回測定値に比べ
て上昇(横ばい含む)の場合には、今回測定値がそのま
ま推定温度値とされる(Dn、Dn+2、Dn+4、Dn+7、D
n+8、Dn+10等)。一方、今回測定値が前回測定値に比
べて下降している場合、つまり図9においてDn+ 1、D
n+3、Dn+5、Dn+6、Dn+9等においては、前述のように
一次遅れ関数式に基づく演算処理により、それらの各値
が、dn+1、dn+3、dn+5、dn+6、dn+9というように
補正される。この結果、推定温度値の折線は破線で示す
ようになり、1点鎖線で示す実際の放射温度計の測定値
の折れ線に比べて、急激な下降部分がいわばカットされ
た形態となって、金属蒸気の煙等による外乱の影響が軽
減される。
【0030】なお、図7に示すように、前述の平均化処
理とピークホールド・一次遅れ処理の双方にに基づく推
定温度値は、真温度に対する誤差が±10度の範囲内に
あり、これによれば、放射温度計10の生の測定値が場
合によっては30度以上の誤差を生じるのと比べて、そ
の精度が大きく改善されていることが分かる。また、平
均化処理を省略したピークホールド・一次遅れ処理のみ
の場合でも、図9に示すように、その双方の処理を実施
した図7の場合より精度は多少落ちるものの、それに基
づく推定温度値は真温度に比べてほぼ±10度の誤差範
囲内にあり、温度検出精度が従来に比べて高められてい
ることが分かる。
理とピークホールド・一次遅れ処理の双方にに基づく推
定温度値は、真温度に対する誤差が±10度の範囲内に
あり、これによれば、放射温度計10の生の測定値が場
合によっては30度以上の誤差を生じるのと比べて、そ
の精度が大きく改善されていることが分かる。また、平
均化処理を省略したピークホールド・一次遅れ処理のみ
の場合でも、図9に示すように、その双方の処理を実施
した図7の場合より精度は多少落ちるものの、それに基
づく推定温度値は真温度に比べてほぼ±10度の誤差範
囲内にあり、温度検出精度が従来に比べて高められてい
ることが分かる。
【0031】なお、以上説明した実施例では、いわゆる
減圧吸引鋳造に用いられる誘導炉の湯面温度検出を例に
とったが、この種のものに限らず、精錬を伴わない各種
の誘導炉、電気炉等の工業炉の湯面温度検出にも、本発
明は適用され得るものである。さらに、図3のピークホ
ールド・一次遅れ回路12の出力信号(推定温度値)を
基準設定値と比較する回路を付加して両者の偏差を求
め、あるいは図5のステップS7以降に、推定温度値と
基準温度値とを比較して偏差を求めるステップを付加
し、そのような偏差を図1の通電部3にフィードバック
して、その偏差を減じるように通電量を制御することに
より、誘導炉1の溶湯の温度を適切に保持する制御系を
構成することも可能である。また、放射温度計による測
定が、チャンバ等によって遮られないように、放射温度
計の位置その他の条件を設定すれば、図6や図8に示す
休止期間のない連続的な温度検出が可能となる。
減圧吸引鋳造に用いられる誘導炉の湯面温度検出を例に
とったが、この種のものに限らず、精錬を伴わない各種
の誘導炉、電気炉等の工業炉の湯面温度検出にも、本発
明は適用され得るものである。さらに、図3のピークホ
ールド・一次遅れ回路12の出力信号(推定温度値)を
基準設定値と比較する回路を付加して両者の偏差を求
め、あるいは図5のステップS7以降に、推定温度値と
基準温度値とを比較して偏差を求めるステップを付加
し、そのような偏差を図1の通電部3にフィードバック
して、その偏差を減じるように通電量を制御することに
より、誘導炉1の溶湯の温度を適切に保持する制御系を
構成することも可能である。また、放射温度計による測
定が、チャンバ等によって遮られないように、放射温度
計の位置その他の条件を設定すれば、図6や図8に示す
休止期間のない連続的な温度検出が可能となる。
【0032】
【発明の効果】本発明に従い、放射温度計の測定値を入
力信号として、これの上昇には直ちに追従するが、下降
には時定数Tの遅れ関数式により遅れて追従するように
信号処理をし、これに基づいて真温度を推定することに
より、誘導炉等の湯面から放射温度計に向かう放射線が
金属蒸気等の煙で一時的に遮られても、その外乱の影響
を最小限にして誤差を抑制し、また真温度の実際の下降
にも追従させることができる。
力信号として、これの上昇には直ちに追従するが、下降
には時定数Tの遅れ関数式により遅れて追従するように
信号処理をし、これに基づいて真温度を推定することに
より、誘導炉等の湯面から放射温度計に向かう放射線が
金属蒸気等の煙で一時的に遮られても、その外乱の影響
を最小限にして誤差を抑制し、また真温度の実際の下降
にも追従させることができる。
【0033】また、そのような処理に先立ち、放射温度
計の生の測定値を一定時間ごとに平均化処理し、その平
均温度値を上述のように、上昇には直ちに追従、下降に
は時定数Tの一次遅れ関数式をもって追従させることに
より、金属蒸気等の煙の外乱に加え、湯面の波立ち等の
外乱に対しても、そのノイズを小さくし、全体として一
層精度の高い真温度の推定、ひいては湯面温度検出がで
きることとなった。
計の生の測定値を一定時間ごとに平均化処理し、その平
均温度値を上述のように、上昇には直ちに追従、下降に
は時定数Tの一次遅れ関数式をもって追従させることに
より、金属蒸気等の煙の外乱に加え、湯面の波立ち等の
外乱に対しても、そのノイズを小さくし、全体として一
層精度の高い真温度の推定、ひいては湯面温度検出がで
きることとなった。
【図1】本発明の適用対象の一例である誘導炉を放射温
度計とともに概念的に示す説明図。
度計とともに概念的に示す説明図。
【図2】その誘導炉の湯面中に鋳込チャンバに保持され
た通気性鋳型5を下降させた状態を示す説明図。
た通気性鋳型5を下降させた状態を示す説明図。
【図3】本発明の一実施例における温度データ処理を行
う回路のブロック図。
う回路のブロック図。
【図4】そのような信号処理をコンピュータを用いて行
う場合のブロック図。
う場合のブロック図。
【図5】その場合の処理プログラムの一例を示すフロー
チャート。
チャート。
【図6】平均化処理及びピークホールド・一次遅れ処理
を具体的に説明するグラフ。
を具体的に説明するグラフ。
【図7】その処理における真温度と推定温度との相関関
係の一例を示すグラフ。
係の一例を示すグラフ。
【図8】平均化処理を省略した温度データ処理を説明す
るグラフ。
るグラフ。
【図9】その平均化処理を省略した場合の真温度と推定
温度との相関関係の一例を示すグラフ。
温度との相関関係の一例を示すグラフ。
1 誘導炉 2 誘導コイル 5 通気性鋳型 6 鋳込チャンバ 10 放射温度計 15 鋳込チャンバセンサ
Claims (4)
- 【請求項1】 誘導炉等の湯面温度を検出する方法であ
って、 放射温度計で誘導炉等の湯面温度を測定し、その放射温
度計の測定値を入力信号として、その入力信号レベルの
上昇には直ちに追従し、その入力信号レベルの下降に対
しては予め設定された時定数を含む遅れ関数式に基づい
て追従するように信号処理をし、その信号処理による出
力信号に基づいて前記湯面の真温度を推定することを特
徴とする誘導炉等の湯面温度検出方法。 - 【請求項2】 誘導炉等の湯面温度を検出する装置であ
って、 誘導炉等の湯面温度を測定する放射温度計と、 その放射温度計の測定値を入力信号として、その入力信
号レベルの上昇には直ちに追従し、その入力信号レベル
の下降に対しては予め設定された時定数を含む遅れ関数
式に基づいて追従する処理を行う信号処理手段とを含
み、その信号処理による出力信号に基づいて前記湯面の
真温度を推定することを特徴とする誘導炉等の湯面温度
検出装置。 - 【請求項3】 誘導炉等の湯面温度を検出する方法であ
って、 放射温度計で誘導炉等の湯面温度を測定し、その放射温
度計の測定値を入力信号として、その入力信号を時間t
で区切って平均値をとり、その時間tごとの平均値を平
均化信号とし、さらにその平均化信号レベルの上昇には
直ちに追従するが、その平均化信号レベルの下降に対し
ては予め設定された時定数を含む遅れ関数式に基づいて
追従するように信号処理をし、その信号処理による出力
信号に基づいて前記湯面の真温度を推定することを特徴
とする誘導炉等の湯面温度検出方法。 - 【請求項4】 誘導炉等の湯面温度を検出する装置であ
って、 誘導炉等の湯面温度を測定する放射温度計と、 その放射温度計の測定値を入力信号として、その入力信
号を時間tで区切って平均値をとる平均化処理手段と、 その平均化処理された時間tごとの平均化信号レベルの
上昇には直ちに追従するが、その平均化信号レベルの下
降に対しては予め設定された時定数を含む遅れ関数式に
基づいて追従するように信号処理を行う信号処理手段と
を含み、 その信号処理による出力信号に基づいて前記湯面の真温
度を推定することを特徴とする誘導炉等の湯面温度検出
装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5172522A JPH075045A (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 誘導炉等の湯面温度検出方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5172522A JPH075045A (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 誘導炉等の湯面温度検出方法及び装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH075045A true JPH075045A (ja) | 1995-01-10 |
Family
ID=15943505
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5172522A Pending JPH075045A (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 誘導炉等の湯面温度検出方法及び装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH075045A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2010064727A1 (ja) * | 2008-12-03 | 2010-06-10 | 新日本製鐵株式会社 | 溶銑温度の検知方法及びこれを用いた高炉の操業方法 |
| WO2021049185A1 (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 株式会社構造計画研究所 | 情報処理システム、情報処理方法及びプログラム |
| CN116200816A (zh) * | 2021-11-29 | 2023-06-02 | 隆基绿能科技股份有限公司 | 液口距调节方法和单晶炉 |
-
1993
- 1993-06-18 JP JP5172522A patent/JPH075045A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2010064727A1 (ja) * | 2008-12-03 | 2010-06-10 | 新日本製鐵株式会社 | 溶銑温度の検知方法及びこれを用いた高炉の操業方法 |
| JP4580466B2 (ja) * | 2008-12-03 | 2010-11-10 | 新日本製鐵株式会社 | 溶銑温度の検知方法及びこれを用いた高炉の操業方法 |
| JPWO2010064727A1 (ja) * | 2008-12-03 | 2012-05-17 | 新日本製鐵株式会社 | 溶銑温度の検知方法及びこれを用いた高炉の操業方法 |
| WO2021049185A1 (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 株式会社構造計画研究所 | 情報処理システム、情報処理方法及びプログラム |
| JP2021043858A (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 株式会社構造計画研究所 | 情報処理システム、情報処理方法及びプログラム |
| CN116200816A (zh) * | 2021-11-29 | 2023-06-02 | 隆基绿能科技股份有限公司 | 液口距调节方法和单晶炉 |
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