JPH0753769B2 - 水分散性樹脂 - Google Patents

水分散性樹脂

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JPH0753769B2
JPH0753769B2 JP10087287A JP10087287A JPH0753769B2 JP H0753769 B2 JPH0753769 B2 JP H0753769B2 JP 10087287 A JP10087287 A JP 10087287A JP 10087287 A JP10087287 A JP 10087287A JP H0753769 B2 JPH0753769 B2 JP H0753769B2
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章介 坪庭
哲 浦野
隆三 水口
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は水分散性樹脂、特にブロック化イソシアナトカ
ルボニル基含有ポリマーから成る水分散性樹脂に関す
る。
(従来の技術) イソシアナト基を有する化合物は、その優れた反応性の
故に、高分子化学を含む種々の領域で広く用いられてい
る。特に重合性の炭素−炭素不飽和基とイソシアナト基
の両者を同一分子内に有する化合物は、それらの両官能
基がそれぞれ異なる反応機構で種々の反応に参与するた
め、広汎な工業技術分野で使用することが出来る。この
ような有用性に着目し、本発明者らは先に次式で表わさ
れるアシルイソシアネート化合物を提供した〔例えば特
開昭60−115557号公報〕: 〔式中、Rは水素原子または低級アルキル基(例えばメ
チル、エチル、プロピル、ブチル)を示す。〕。
この化合物はイソシアナトカルボニル基 を有しており、イソシアナト基に隣接したカルボニル基
がイソシアナト基の活性を高めて多種多様な付加反応等
を営みうる状態にある。
(発明の目的) 本発明は上記アシルイソシアネート化合物(II)を利用
して塗料や接着剤のような樹脂組成物中の樹脂成分とし
て有用なポリマーを提供しようとするものである。
(発明の内容) 本発明の要旨は炭素−炭素結合から成る主鎖に式: 〔式中、Bはブロック化剤からイソシアナト基との付加
反応に関与した水素原子を除外した残基を示す。〕 で表わされるブロック化イソシアナトカルボニル基が1
〜99重量%(ポリマー重量基準)および酸性基または塩
基性基が1〜90重量%(ポリマー重量基準)結合した、
分子量1,000〜100,000を有するブロック化イソシアナト
カルボニル基含有ポリマー(ただし、前記酸性基または
塩基性基の0.1〜100%は中和されている。)から成る、
水分散性樹脂に存する。
上記水分散性樹脂を構成するポリマーは、式: 〔式中、RはおよびBは前記と同意義。〕 で表わされるブロック化アシルイソシアネート化合物
と、酸性基または塩基性基含有エチレン系不飽和化合物
と必要に応じ他の重合性モノマーとを重合させ、生成し
たポリマー中の酸性基または塩基性基を中和することに
より得られる。
ブロック化アシルイソシアネート化合物(I)は前記ア
シルイソシアネート化合物(II)を式: B−H (III) で表されるブロック化剤によりブロック化することによ
り得られる。アシルイソシアネート化合物(II)は、特
開昭60−115557号公報に記載の方法により得てもよく、
ディー・マクロモレクラーレ・ケミー(Die Makromolek
lare Chemie)131(1970)247〜257(No.3199)に記載
の中間体を経て製造してもよい。通常、α−アルキルア
クリルアミドとオキザリルハライドの反応によって製造
することが出来る。反応は、ハロゲン化炭化水素のよう
な不活性溶媒の存在下、0〜80℃の温度で行なわれる。
前記したように、アシルイソシアネート化合物(II)
は、種々の反応を営む可能性を有するものであるから、
これにブロック化剤(III)を作用させた場合、所望の
アシルイソシアネート化合物(II)とブロック化剤(II
I)の間の付加反応に加えおよび/または代わり、アシ
ルイソシアネート化合物(II)自体の二量化、三量化、
多量化(重合)などや、生成したブロック化アシルイソ
シアネート化合物(I)の重合、生成したブロック化ア
シルイソシアネート化合物(I)のアミド態NH基とアシ
ルイソシアネート化合物(II)の反応など種々の副反応
の進行が予測されたのであるが、現実には少なくとも10
0℃を超えない温度範囲においては上記所望反応が優先
的に進行することが確認された。特に室温(0〜30℃)
を越えない比較的低温下では、所望の反応のみが定量的
に進行し、予測された種々の副反応は実質的完全に回避
することが出来る。
ブロック化剤(III)としては活性水素を有する化合物
が使用され、普通には単官能性のアルコール類やフェノ
ール類が用いられる。具体的にはメタノール、エタノー
ル、クロロエタノール、プロパノール、ブタノール、ペ
ンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノー
ル、ノナノール、3,3,5−トリメチルヘキサノール、2
−エチルヘキサノール、フェニルカルビノール、メチル
フェニルカルビノール、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、フ
ェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノー
ル、クロロフェノール、エチルフェノール、t−ブチル
フェノール、ノニルフェノール、一官能性ポリエチレン
またはポリプロピレンオキシド(例えばカーボワックス
550)等が例示される。これらの他、活性メチレン化合
物(例えばアセチルアセトン、マロン酸ジエチル)、ラ
クタム類(例えばプロピロラクタム、ブチロラクタム、
バレロラクタム、カプロラクタム)、N−ヒドロキシイ
ミド類(例えばN−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒド
ロキシグルタルイミド、N−ヒドロキシスクシンイミ
ド)、オキシム類(例えばメチルエチルケイオキシム、
アセトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム)、イミ
ダゾール類(例えば1,3−イミダゾール)、トリアゾー
ル類(例えば1,2,3−ベンゾトリアゾール)、アミン類
(例えばジシクロヘキシルアミン)等を用いてもよい。
ブロック化剤(III)は常温で液体である場合が多く、
それ自体ブロック化反応の媒質として役立ちうるが、ブ
ロック化剤(III)が液体であると固体であるとを問わ
ず不活性溶媒を使用してもよい。不活性溶媒としては反
応に悪影響を及ぼさない限り特に制限はなく、種々のも
のを使用することが出来、例えばペンタン、ヘキサン、
ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、デカリンなどの脂環式炭化
水素類、石油エーテル、石油ベンジンなどの石油系炭化
水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエ
タンなどのハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、イ
ソプロピルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、アセトフェノン、イソホロンなどのケトン類、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなど
から適宜に選択すればよい。これらは単独または混合物
のいずれで使用されてもよい。
ブロック化反応は一般に−20〜100℃で行なうことが好
ましいが、室温(0〜30℃)付近で行なうのが有利であ
る。100℃以上の高温では副反応を起こす可能性があ
り、他方余り低温になると反応速度が小となって不利で
ある。反応に際し、スズ系の触媒の使用が考慮されても
よいが、通常は触媒使用の必要性を認めない。
本発明によれば、ブロック化アシルイソシアネート化合
物(I)はその活性点がブロックされているので、酸性
基または塩基性基含有エチレン系不飽和化合物ともエチ
レン系不飽和基に基づくラジカル付加重合反応が可能と
なり、ポリマー鎖中に水分散性を付与する酸性基または
塩基性基を導入できる。ポリマー鎖中に導入される酸性
基または塩基性基はカルボン酸基、スルホン酸基、リン
酸基またはアミノ基が好適である。これらの基を少なく
とも有するエチレン系不飽和化合物の例としては、不飽
和酸類(例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、桂皮酸、2−イソプロピルアクリル酸、トランス−
2−デセン酸、シス−2−デセン酸、α−クロロアクリ
ル酸、β−トランス−ニトロアクリル酸)、不飽和スル
ホン酸類、例えばアクリル酸−2−スルホエチル、メタ
クリル酸−2−スルホエチル、ターシャリーブチルアク
リルアミドスルホン酸、アクリル酸4−スルホフェニ
ル、p−ビニルベンゼンスルホン酸)、不飽和リン酸
類、例えばアシッドホスホオキシエチルメタクリレー
ト、3−クロロ−2−アミドホスホオキシプロピルメタ
クリレート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレ
ート、リン酸ビニル、リン酸イソプロペニル)、不飽和
アミン類(例えばアリルアミン、o−アミノスチレン、
m−アミノスチレン、メタクリル酸t−ブチルアミノエ
チル、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチルアクリレー
ト、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、2−ジエチルアミノ
エチルアクリレート、2−ジエチルアミノエチルメタク
リレート、3−ジエチルアミノプロピルアクリレート、
N−(3−イソプロピルアミノプロピル)メタクリルア
ミド、ビニルピリジン)等が挙げられる。これらは単独
でも混合物として用いてもよい。
必要に応じて使用される他の重合性モノマーは、活性水
素を有しないモノマーであっても、活性水素を有するモ
ノマーであってもよい。
活性水素を有しないモノマーの例としては、モノオレフ
ィンおよびジオレフィン類(例えばスチレン、α−メチ
ルスチレン、α−エチルスチレン、イソブチレン(2−
メチル−プロパン−1)、2−メチル−ブテン−1、2
−メチル−ペンテン−1、2,3−ジメチル−ブテン−
1、2,3−ジメチル−ペンテン−1、2,4−ジメチル−ペ
ンテン−1、2,3,3−トリメチル−ヘプテン−1、2,3−
ジメチル−ヘキセン−1、2,4−ジメチル−ヘキセン−
1、2,5−ジメチル−ヘキセン−1、2−メチル−3−
エチル−ペンテン−1、2,3,3−トリメチル−ペンテン
−1、2,3,4−トリメチル−ペンテン−1、2,3,4−トリ
メチル−ペンテン−1,2−メチル−オクテン−1、2,6−
ジメチル−ヘプテン−1、2,6−ジメチル−オクテン−
1、2,3−ジメチル−デセン−1、2−メチル−ノナデ
セン−1、エチレン、プロピレン、ブチレン、アミレ
ン、ヘキシレン、ブタジエン−1,3、イソプレン)、ハ
ロゲン化モノオレフィンおよびジオレフィン類(例えば
α−クロロスチレン、α−ブロモスチレン、2,5−ジク
ロロスチレン、2,5−ジブロモスチレン、3,4−ジクロロ
スチレン、オルソ、メタおよびパラ−フルオロスチレ
ン、2,6−ジクロロスチレン、2,6−ジフルオロスチレ
ン、3−フルオロ−4−クロロスチレン、3−クロロ−
4−フルオロスチレン、2,4,5−トリクロロスチレン、
ジクロロモノフルオロスチレン、2−クロロプロペン、
2−クロロブテン、2−クロロペンテン、2−クロロヘ
キセン、2−クロロヘプテン、2−ブロモブテン、2−
ブロモヘプテン、2−フルオロヘキセン、2−フルオロ
ブテン、2−ヨードプロペン、2−ヨードペンテン、4
−ブロモヘプテン、4−クロロヘプテン、4−フルオロ
ヘプテン、シスおよびトランス−1,2−ジクロロエチレ
ン、1,2−ジブロモエチレン、1,2−ジフルオロエチレ
ン、1,2−ジヨードエチレン、クロロエチレン(ビニル
クロライド)、1,1−ジクロロエチレン(ビニリデンク
ロライド)、ブロモエチレン、フルオロエチレン、ヨー
ドエチレン、1,1−ジブロモエチレン、1,1−ジフルオロ
エチレン、1,1−ジヨードエチレン、1,1,2−トリフルオ
ロエチレン、クロロブタジエン)、有機酸および無機酸
のエステル類(例えばビニルアセテート、ビニルプロピ
オネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、
ビニルバレレート、ビニルカプロエート、ビニルエナン
テート、ビニルベンゾエート、ビニルトルエート、ビニ
ル−p−クロロベンゾエート、ビニル−o−クロロベン
ゾエート)、ビニル−p−メトキシベンゾエート、ビニ
ル−p−エトキシベンゾエート、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシ
ルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチル
メタクリレート、デシルメタクリレート、メチルクロト
ネート、エチルチグレート、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピル
アクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリ
レート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレー
ト、オクチルアクリレート、3,5,5−トリメチルヘキシ
ルアクリレート、デシルアクリレートおよびドデシルア
クリレート、イソプロペニルアセテート、イソプロペニ
ルプロピオネート、イソプロペニルブチレート、イソプ
ロペニルイソブチレート、イソプロペニルバレレート、
イソプロペニルカプロエート、イソプロペニルエナンテ
ート、イソプロペニルベンゾエート、イソプロペニル−
p−クロロベンゾエート、イソプロペニル−o−クロロ
ベンゾエート、イソプロペニル−o−ブロモベンゾエー
ト、イソプロペニル−m−クロロベンゾエート、イソプ
ロペニルトルエート、イソプロペニル−α−クロロアセ
テート、イソプロペニル−α−ブロモプロピオネート、
ビニル−α−クロロアセテート、ビニル−α−ブロモア
セテート、ビニル−α−クロロプロピオネート、ビニル
−α−ブロモプロピオネート、ビニル−α−ヨードプロ
ピオネート、ビニル−α−クロロブチレート、ビニル−
α−クロロバレレート、ビニル−α−ブロモバレレー
ト、アリルクロライド、アリルシアナイド、アリルブロ
マイド、アリルフルオライド、アリルヨージド、アリル
クロライドカーボネート、アリルニトレート、アリルチ
オシアネート、アリルホルメート、アリルアセテート、
アセテートプロピオネート、アリルブチレート、アリル
バレレート、アリルカプロエート、アリル−3,5,5−ト
リメチルヘキサエート、アリルベンゾエート、アリルア
クリレート、アリルクロトネート、アリルオレエート、
アリルクロロアセテート、アリルトリクロロアセテー
ト、アリルクロロプロピオネート、アリルクロロバレレ
ート、アリルラクテート、アリルピルベート、アリルア
ミノアセテート、アリルアセトアセテート、アリルチオ
アセテート、メタリルクロライド、メタリルシアナイ
ド、メタリルアセテート、メタリルクロロアセテート、
β−エチルアリルアセテート、β−プロピルアリルアセ
テート、1−ブテン−4−オールアセテート、2−メチ
ル−ブテン−4−オールアセテート、2−(2,2−ジメ
チルプロピル)−1−ブテン−4−オールアセテート、
1−ペンテン−4−オールアセテート、メチル−α−ク
ロロアクリレート、メチル−α−ブロモアクリレート、
メチル−α−フルオロアクリレート、メチル−α−ヨー
ドアクリレート、エチル−α−クロロアクリレート、プ
ロピル−α−クロロアクリレート、イソプロピル−α−
ブロモアクリレート、アミル−α−クロロアクリレー
ト、デシル−α−クロロアクリレート、メチル−α−シ
アノアクリレート、エチル−α−シアノアクリレート、
アミル−α−シアノアクリレート、デシル−α−シアノ
アクリレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエー
ト、ジアリルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチ
ルフマレート、ジメタリルフマレート、ジエチルグルタ
コネート)、有機ニトリル類(例えばアクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、3−オ
クテンニトリル、クロトニトリル、オレオニトリル)等
が挙げられる。
また、活性水素を有するモノマーの例としては、不飽和
アルコール類(例えば上記不飽和酸とグリコール(エチ
レングリコール、プロピレングリコール等)とのモノエ
ステル、クロトンアルコール、シンナミルアルコール、
o−ヒドロキシスチレン)、不飽和アミド類(例えばア
クリル酸アミド、メチクリル酸アミド、クロトン酸アミ
ド、桂皮酸アミド、p−ベンズアミドスチレン)等が挙
げられる。
この種の他の重合性モノマーもまた単独または混合物の
いずれで使用されてもよい。
重合は上記した重合性モノマーの混合物を重合に不活性
な溶媒中でラジカル共重合することにより行なう。重合
開始剤は通常のラジカル開始剤が好適に用いられ、その
具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化
ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、テトラメチル
チウラムジスルフィド、2,2−アゾビス(4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル)、アセチルシクロヘ
キシルスルホニルパーオキシド、2,2′−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。開始剤の
使用量は重合性モノマーの合計量に対して通常約0.1〜1
0重量%である。重合温度は通常約20〜200℃、好ましく
は約80〜150℃である。重合に不活性な溶媒は前記ブロ
ック化反応に用いられるブロック化剤、不活性溶媒また
はそれらの混合物であってもよい。ブロック化剤を重合
溶媒として使用することは、ブロック化アシルイソシア
ネート化合物(I)におけるブロック化イソシアナトカ
ルボニル基と酸性基または塩基性基含有エチレン系不飽
和化合物における活性水素との間の副反応を抑制し、ゲ
ル化を防止する点で有利である。重合溶媒として使用す
るブロック化剤としては特にアルコール類が好ましい。
重合反応は上記重合性モノマーと溶媒との混合物中に重
合開始剤を配合して行ってもよい。また、ブロック化剤
を重合溶媒として使用する場合には、多量のブロック化
剤中にアシルイソシアネート化合物(II)を混入して、
ブロック化反応を進行せしめ、次いで他の重合性モノマ
ーと重合開始剤を混入して重合反応を実施してもよい。
重合性モノマーの配合割合は、その合計量を基準として
ブロック化アシルイソシアネート化合物(I)約1〜99
重量%、酸性基または塩基性基含有エチレン系不飽和化
合物約1〜90重量%であり、残部は必要に応じて使用さ
れる他の重合性モノマーであってもよい。
重合に際し、所望により他の添加物、例えば、重合調節
剤等を配合してもよい。
得られたポリマーはその酸性基または塩基性基を中和し
て、水分散性を付与する。ブロック化イソシアナトカル
ボニル基含有ポリマー中に酸基が導入された場合、中和
は塩基により行なわれ、塩基性基が導入された場合、中
和は酸により行なわれる。中和に用いる酸は乳酸、酢
酸、プロピオン酸等の有機酸または硫酸、塩酸等の無機
酸が挙げられる。ポリカルボン酸のような高分子量の酸
であってもよい。塩基はメチルアミン、エチルアミン、
メチルエチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルエタ
ノールアミン、ピリジン等の有機塩基または水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等の無機塩基が好適である。ポ
リアミンのような高分子量の塩基であってもよい。中和
量はポリマー中の酸または塩基の約0.1〜100%である。
約0.1%以下では充分な水分散性が得られない。
分散は適宜の方法で実施すればよい。ポリマーを中和
後、これに水を加えてもよく、中和後に有機溶剤を除去
し、その後水を加えて分散体にしてもよい。また、ポリ
マー合成の後、固形分のみを取り出し、水中に分散また
は懸濁させた後、中和してもよい。
なお、本発明の水分散性樹脂の本体である中和ポリマー
は上記した以外の方法でもこれを調製することが出来
る。たとえば、アシルイソシアネート化合物(II)のブ
ロック化に際し、ブロック化剤として活性水素原子に加
え、酸性基または塩基性基を持ったもの、たとえばN,N
−ジメチルアミノエタノールを使用すれば、イソシアナ
ト基のブロック化と同時に酸性基または塩基性基(N,N
−ジメチルアミノエタノールの場合には塩基性基である
N,N−ジメチルアミノエチル基)が導入されることにな
る。従って、ブロック化アシルイソシアネート化合物
(I)を使用して重合を行う場合、必ずしも酸性基や塩
基性基を持ったエチレン系不飽和化合物を共存せしめな
くともブロック化イソシアナトカルボニル基と酸性基ま
たは塩基性基を持ったポリマーを得ることが出来、この
場合にも上記したところに従って該酸性基または塩基性
基を中和することにより、該ポリマーに良好な水分散性
を付与することが可能である。なお、前記したブロック
化イソシアナトカルボニル基および酸性基または塩基性
基の含量ならびに該酸性基または塩基性基の中和度に関
する制限は、この場合にもそのまま適用されるものであ
る。
(作用および効果) このようにして製造されたポリマー中のブロック化イソ
シアナトカルボニル基は、熱、光、触媒などにより容易
に解離して反応性のイソシアナトカルボニル基を生成す
る。特にブロック化イソシアナトカルボニル基はブロッ
ク化イソシアナト基に比べて低温で解離することができ
る。解離により生成したイソシアナトカルボニル基は架
橋反応の反応点として利用される。架橋により生成する
結合は通常アシルウレタン結合またはアシル尿素結合で
あり、分子間凝集力が強く、分子間水素結合の形成能力
も高い。
本発明によれば、ポリマー鎖中に導入された酸性基また
は塩基性基が中和され、ブロック化イソシアナトカルボ
ニル基を有するポリマーに水分散性が付与される。分散
された樹脂は必要により架橋剤の存在下に硬化し、得ら
れた硬化物は高密着性、高接着性、高鮮映性、高耐熱性
を有する。従って、本発明の水分散性樹脂を水に分散さ
せて得られる組成物は水性塗料、自動車用塗料、電着用
塗料、プラスチック用塗料、封止用コーティング剤、耐
熱性コーティング剤、接着剤等として有用である。
(実施例) 本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1 t−ブタノールブロック化メタクリロイルイソシアネー
ト5g、メタクリル酸2.3g、n−ブチルアクリレート7.8g
およびスチレン1.5gをジオキサン25gに加え、100℃に加
熱して溶解させる。これに2,2′−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)580mgの酢酸ブチル10g溶液を滴下
した。その後、2時間熟成することにより、Mn=5500、
Mw=12700の重合体を得た。重合率87.6%。得られた重
合体14.5gを含む混合物51.6gを水20gに加え、トリエチ
ルアミン3gで中和することにより、室温で均一な水分散
体が得られた。
実施例2 N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート3g、t−
ブタノールブロック化したメタクリロイルイソシアネー
ト3g、メチルメタアクリレート4.5gおよびn−ブチルア
クリレート5.5gを酢酸ブチル25gに加え、約90℃に加熱
して溶解させる。これに2,2′−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)480mgの酢酸ブチル10g溶液を、約1
時間で滴下した。その後、2時間熟成することにより、
Mn=4600の共重合体を得た。重合率85%。得られた重合
体13.6gを含む混合物より溶剤を減圧留去した後、酢酸
1.8gで中和し、水を加えることにより、室温で安定な水
分散体を与えた。
実施例3 N,N−ジメチルアミノエタノールブロック化メタクリロ
イルイソシアネート12.5g、エチルアクリレート12.5g、
メチルメタクリレート5.0g、スチレン5.0gおよびエチル
ヘキシルアクリレート15.0gを酢酸ブチル55gに加え、約
100℃に加熱して溶解させる。これに2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル1.5gの酢酸ブチル20g溶液を約1時間
で滴下した。その後、約3時間熟成することにより、Mn
=8,700の共重合体を得た。重合率85%。得られた重合
体に水を加え、ヒドロキシル基含有ポリカルボン酸(メ
チルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸
/ヒドロキシエチルメタクリレート=29.8/41.3/10.3/1
8.6(重合比)の重合体;ヒドロキシル価80;酸価80)で
中和して、室温で極めて安定な水分散体を得た。
実施例4〜19 上記実施例1〜2と同様にしてポリマーおよび該ポリマ
ーの中和水性分散体を製造した。反応条件、重合率、生
成ポリマーの分子量および中和ポリマーの水分散性を表
−1に示す。ただし、表中の略号は次の意味を有する:B
MAI,対応するブロック化剤でブロックされたメタクリロ
イルイソシアネート;ST,スチレン;MMA,メチルメタクリ
レート;NBA,n−ブチルアクリレート;EA,エチルアクリレ
ート;EHA,エチルヘキシルアクリレート;ABDV,2,2′−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル);AIBN,2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル; なお、水分散性における○は、室温における分散状態が
良好であることを示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素−炭素結合から成る主鎖に式: 〔式中、Bはブロック化剤からイソシアナト基との付加
    反応に関与した水素原子を除外した残基を示す。〕 で表わされるブロック化イソシアナトカルボニル基が1
    〜99重量%(ポリマー重量基準)および酸性基または塩
    基性基が1〜90重量%(ポリマー重量基準)結合した、
    分子量1,000〜100,000を有するブロック化イソシアナト
    カルボニル基含有ポリマー(ただし、前記酸性基または
    塩基性基の0.1〜100%は中和されている。)から成る水
    分散性樹脂。
  2. 【請求項2】式: 〔式中、Rは水素原子または低級アルキル基を示し、B
    はブロック化剤からイソシアナト基との付加反応に関与
    した水素原子を除外した残基を示す。〕 で表わされるブロック化アシルイソシアネート化合物と
    酸性基または塩基性基含有エチレン系不飽和化合物と必
    要に応じ他の重合性モノマーとを重合させた後、生成し
    たポリマー中の酸性基または塩基性基を中和して得られ
    た特許請求の範囲第1項記載の水分散性樹脂。
  3. 【請求項3】酸性基または塩基性基がカルボン酸基、ス
    ルホン酸基、リン酸基またはアミノ基である特許請求の
    範囲第1項または第2項記載の水分散性樹脂。
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