JPH075434B2 - 単結晶の製造方法 - Google Patents

単結晶の製造方法

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JPH075434B2
JPH075434B2 JP3811187A JP3811187A JPH075434B2 JP H075434 B2 JPH075434 B2 JP H075434B2 JP 3811187 A JP3811187 A JP 3811187A JP 3811187 A JP3811187 A JP 3811187A JP H075434 B2 JPH075434 B2 JP H075434B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、特にBを構成元素の1つとして含む酸化物単
結晶を効率よく引上げ法で製造する方法に関するもので
ある。
(従来技術及び発明が解決しようとする問題点) 近年注目されている非線型光学結晶にβ‐BaB2O4があ
る。化学量論的組成BaB2O4で表わされる化合物は925℃
を境界温度として結晶学的な原子構造が変化する(いわ
ゆる相変態)。この場合925℃以上の高温相結晶をα型
(α‐BaB2O4と記す)、925℃以下の低温相結晶をβ型
(β‐BaB2O4と記す)と称し、上述のごとく光学的結晶
として有望視されているのは、このうちβ型である。な
ぜならば、高温相のα‐BaB2O4は対称中心を有するが、
β‐BaB2O4は原子の変位により対称中心が無くなり、従
って非線形特性が生じるからである。
BaB2O4結晶を得るには、一般的には母原料となるBaCO3
とB2O3をモル比で1:1の割合で配合し、加熱溶融すると BaCO3+B2O3→BaB2O4+CO2↑ の反応により、BaB2O4溶融液を得る。次に、この溶融液
を引上げ法等により単結晶化を行いBaB2O4単結晶を得
る。
ところで、上述のごとくBaCO3とB2O3の比率を1:1にした
場合には、1095℃が母原料の溶融温度となり、逆に、こ
の温度以上に加熱した溶融液を冷却すると、1095℃で結
晶化が始まる。ただし、この場合の結晶は925℃以上で
結晶化しているので、必ずα‐BaB2O4として晶出する。
更に、この固化した結晶を冷却せしめ、結晶温度が925
℃以下になるとβ‐BaB2O4に相変態せんとするが、前述
したように構成原子の変化方向が場所によって異なって
くる。つまり「分域」が形成されるので、結晶全体にわ
たって一方向に原子が変位した均一なβ‐BaB2O4に変態
せしめることが困難で、変態したとしてもその均一性が
劣り、良質な単結晶を得ることができない。
この場合の良質な単結晶とは、「分域のない」β‐BaB2
O4結晶である。この問題点を回避し、良質なβ‐BaB2O4
単結晶を得るには925℃以下の溶融液を用意し、これを
冷却することにより、直接β‐BaB2O4単結晶を晶出せし
める方法が考えられる。液体から固化への変化ゆえ全体
の原子構造が均一なβ‐BaB2O4単結晶を極めて容易に得
られるからである。
ところで、このように母原料の溶融液温度(結晶製造時
の溶融液温度)を下げる方法には、 (イ)母原料の配合比をずらす、いわゆるセルフ−フラ
ックス法(self−flux)と、 (ロ)母原料の他に全く違う融剤(flux)を添加するフ
ラックス法がある。
BaB2O4の場合、セルフ−フラックス法を実現するには、
B2O3の配合比を増加すれば良いし、フラックス法を実現
するには、例えばNa2CO3を添加すれば良い。いずれにし
ても、925℃以下の温度で溶融液状態を実現できる。
しかしながら、いずれの方法を用いても、溶融液の温度
を低下することにより、新たな重大な問題が生じる。
即ち、結晶が晶出する溶融液の母原料となるB2O3の粘性
は低温ほど高くなり900℃では230ポアズと大きいため、
溶融液の粘性も高く、従って熱伝導が悪くなるので効率
よく大型単結晶が得られなくなる。具体的にはこのよう
な溶融液から引上げ法(チョクラルスキーあるいはカイ
ロポーラス法)で行うと、毎時0.1〜0.5mmという極めて
遅い成長速度となり、結晶の大型化や、B2O3中に含まれ
る水分に起因する気泡等の介在物の無い良質結晶は得に
くいという問題である。
更に、他のBを含む化合物として圧電性を有するLi2B4O
7がある。この場合は、相変態との関係で溶融液温度を
低下させる必要は無いが、別の観点から大量のB2O3を必
要とする。即ち、母原料であるLi2CO3とB2O3をモル比1:
2で混合し、917℃以上で加熱することで Li2CO3+2B2O3→Li2B4O7+CO2↑ の反応でLi2B4O7溶融液を形成し、引上げ法等で単結晶
化する。
この場合、B2O3は他の母原料(Li2CO3)の2倍の量を要
し、しかも結晶引上げ時の温度は917℃直上であること
から、溶融液の粘性は200〜230ポアズと高い。実験によ
れば、気泡等の介在物を含まない大型結晶を得るには、
この程度の粘性溶融液であると毎時約0.3〜1.0mmと極め
て遅い引上げ速度を必要とし、極めて生産効率が悪かっ
た。
以上の種々の例からわかるように、B2O3は温度に対して
粘性が大きく変化するので、結晶引上げ温度,引上げ速
度等の他の条件を規定してしまい、生産効率を含めた最
適条件を実現する上での制約要因になるという問題があ
った。
(発明の目的) 本発明は上記の欠点を改善するために提案されたもの
で、その目的は、Bを構成元素の1つとして含む酸化物
単結晶を育成する際の溶融液の高粘性である点を解決し
た、低粘性原料溶融液を実現し、高効率にB酸化物単結
晶を製造することにある。
(問題点を解決するための手段) 上記の目的を達成するため、本発明はホウ素を構成元素
の1つとして含む複合酸化物単結晶を製造する場合、前
記酸化物単結晶を製造する温度における、ホウ素を含む
複合酸化物溶融液の粘性を小さくする不純物として、P
b,Bi,As,Gaあるいはそれらの酸化物の中のいずれか1つ
または2つ以上を混合することを特徴とする単結晶の製
造方法を発明の要旨とするものである。
本発明は該単結晶を製造する際の、B2O3を主成分とする
溶融液の結晶製造時の液相線温度Tgにおける粘性を特定
の不純物を添加することにより低下(従来の1/2〜1/1
0)させることを最も主要な特徴とし、従来では液相線
温度Tgおける該溶融液の粘性を低下させることに関して
公知方法はない。
更に加えるならば、従来は得られる単結晶の特性を変え
るために特定な不純物元素を加えることはあつても、該
結晶が成長する溶融液の粘性を小さくするために特定な
不純物を添加することは報告がない。
次に本発明の実施例について説明する。なお、実施例は
一つの例示であって、本発明の精神を逸脱しない範囲
で、種々の変更あるいは改良を行いうることは言うまで
もない。
〔実施例1〕 BaB2O4は、BaCO3とB2O3をモル比1:1に配合し、加熱する
と1095℃でコルグルエント溶融し、α‐BaB2O4として結
晶化し、約925℃以下で結晶構造が中心対称性を持た
ず、実用的に有意義な空間群R3に属するβ‐BaB2O4に相
変態する。ここで従来技術の項で説明した問題があるの
で、高品質なβ‐BaB2O4結晶を効率良く製造するには、
溶融液温度が925℃以下で行わなければならない。この
目的のため、前述のセルフ−フラックス法を用い、B2O3
を増加し溶融液温度の低温化を実現することができる。
しかしながら、B2O3の粘性は1000℃で〜100ポアズ、900
℃では〜230ポアズと高いためにB2O3を増加した低温の
溶融液の粘性は極めて大きくなり、結晶成長には不適と
なる。そこで、用いるB2O3にPbOを5モル%混合したB2O
3(Pb)を出発原料として用い、BaCO3とこのB2O3(Pb)
をモル比で1:1からB2O3(Pb)を増やして液相線温度Tg
を〜920℃にまで下げた。この結果、この場合の溶融液
の粘性は20〜25ポアズとPbO無添加の場合の粘性に比べ
約1/10小さくなり、熱伝導が大きくなる結果として単結
晶の製造は極めて容易となった。
〔実施例2〕 実施例1では母原料の一つの配合比をズラして溶融液に
して所望の結晶を得る、いわゆるセルフ−フラックス
(self−flux)法であるが、相変態後の結晶を得る方法
として融剤(flux)を用いて液相線温度を下げる方法が
ある。β‐BaB2O4の製造の為にはいくつかのフラックス
が考えられるが、ここではNa2CO3を用いて xBaCO3+yNa2CO3+zB2O3(Pb) の原料混合において27x32,17y22,z=50のモ
ル比とした溶液を、PbO5モル%混合したB2O3であるB2O3
(Pb)を用いて形成し、溶液温度920〜850℃にしてβ‐
BaB2O4単結晶を成長させることができた。このときの溶
液の稔性は無添加B2O3を用いたときに比べ1/2〜1/10ほ
ど小さく、従って容易に大形の単結晶が得られた。
以上の実施例では、セルフ−フラックス法の場合につい
て説明したが、フラックス法でも同様に低温,低粘性化
できることは容易に理解できる。このように、母原料と
して用いるのB2O3に粘性を下げる他の元素を混合するこ
とにより(このようなB2O3をB2O3(X)と記す。先の実
施例ではX=Pbの場合について述べた。)、セルフ−フ
ラックス法,フラックス法を問わず低温においても低粘
性の溶融液が実現でき、従って高品質のβ‐BaB2O4単結
晶を容易に、効率よく得ることができる。
〔実施例3〕 実施例1,2ではB2O3にPb(PbOの形で添加)を混合して低
温,低粘性の溶液を実現したが、このPbの代わりにBi
(またはBi2O3)を2.5モル%混合したB2O3を用いると92
0〜850℃の温度範囲で粘性が約100ポアズで、無添加B2O
3の粘性の約1/2に、As(またはAs2O3)を0.8モル%混合
したB2O3を用いると粘性は〜130ポアズであり、粘性は
約60%に低下し、実施例1,2と同じようにしてβ−BaB2O
4単結晶を効率よく得ることができた。
Ga及びその酸化物をB2O3に加えた場合も同様の効果が得
られた。
なお、添加物としてPb,Bi,As,Ga又はその酸化物の中の
2つ以上を併用することも可能である。
(発明の効果) 以上説明したように、β‐BaB2O4単結晶を製造するには
925℃以下の溶融液が必要であるが、この溶融液の粘性
を極力小さくすることは、結晶成長に不可欠である。何
故ならば、高粘性ほど熱伝導が悪くなり結晶成長速度を
遅くする必要があり、この点を解決するために、溶融液
の低粘性化が結晶の効率的製造に重要であるからであ
る。本発明によれば、主原料であるB2O3に特定な添加元
素を混合することによって液の粘性が無添加の場合に比
べて1/2〜1/10小さくすることができる利点がある。
なお、実施例では特定添加元素としてPb(PbO),Bi(Bi
2O3),As(As2O3)を記載のようにモル%とした例を述
べたが、本発明ではこの混合割合を規定するものではな
い。要は特定元素を加えて溶融液の粘性を下げることに
ある。従って、実施例からも判るように、あらかじめ混
合したB2O3(X)を用いる代わりに、β‐BaB2O4単結晶
を製造し得る溶融液に特定元素を金属あるいは酸化物の
形で添加しても効果は同じである。更に付け加えれば、
このようにして得られたβ‐BaB2O4の光学屈折率は僅か
に増加するものの、他の特性は何ら変化はなかった。
なお、β‐BaB2O4以外のB酸化物結晶(例えば、従来例
として示したLi2B4O7)についても本発明が適用できる
ことは容易に類推できる。すなわちLi2B4O7のように母
原料として大量のB2O3を用いる場合には、その溶融液の
粘性を低温で低下できることは、製造条件を最適化する
上での自由度が増し、実用上、更に有効であることは言
うまでもない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホウ素を構成元素の1つとして含む複合酸
    化物単結晶を製造する場合、前記酸化物単結晶を製造す
    る温度における、ホウ素を含む複合酸化物溶融液の粘性
    を小さくする不純物として、Pb,Bi,As,Gaあるいはそれ
    らの酸化物の中のいずれか1つまたは2つ以上を混合す
    ることを特徴とする単結晶の製造方法
  2. 【請求項2】B2O3に不純物として、Pb,Bi,As,Ga,PbO,Bi
    2O3,As2O3,Ga2O3の中のいずれか1つあるいは2つ以上
    混合したB2O3を原料として該単結晶を製造することを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の単結晶の製造方
    法。
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